JP3610761B2 - 湿式紡糸の整流装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は合成繊維を工業的に製造する湿式紡糸において、凝固浴槽内での凝固液の流れを制御して乱れを防ぎ、紡糸速度を上げて生産性の向上を可能とする湿式紡糸の整流装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成繊維を工業的に製造する湿式紡糸において、生産性を向上させるために紡糸速度を上げる方法がしばしば採用される。しかし、紡糸速度を上げると凝固浴槽内で凝固液の乱れが発生しやすくなり、安定した生産を妨げる問題となる。
【0003】
一般に紡糸速度は凝固浴槽に供給される凝固液の平均流速よりも速く、そのため紡出糸条の近傍にある凝固液は紡出糸条に引き寄せられ随伴されて紡糸速度に近い速さで引き取り方向に流れる(以下、随伴流という)。そしてこれを補うために、紡出糸条から離れた凝固浴槽の底壁や側壁付近では凝固液が逆流する。このように、従来の湿式紡糸装置では、随伴流と逆流との相反する方向の流れが凝固浴槽内に同時に隣接して発生するために、両者が相互に干渉し合い、凝固浴槽内の凝固液は不規則に循環する流れとなったり、局所的に渦が発生するなどの乱れが発生するのが常であった。
【0004】
したがって、前記のように、紡糸速度を上げることで生産性を向上させようとすると、当然ながら随伴流も速くなり量も多くなる。それに連れて凝固液の逆流も激しさを増し、凝固液乱れも顕著になる。このように凝固液が乱れると、凝固浴槽内の紡出糸条は揺さぶられ、分繊不良や単糸切れなどを引き起こし、後工程での安定運転を阻害する原因となる。また、紡糸口金から紡糸原液が吐出された直後の凝固過程は得られる繊維製品の品質に非常に大きく影響することがよく知られており、紡糸口金近傍で凝固液の流れが乱れると繊維品質に不均一化をもたらすことになる。したがって凝固液の乱れを解消することが、生産性向上の重要な課題であった。
【0005】
上記問題の解決策として、たとえば特開昭62−33814号公報では、凝固浴槽内の凝固液乱れを抑制するために、紡出糸条と凝固浴槽底面との間に循環仕切板を設置し、かつ、各紡出糸条毎を仕切る整流板を設置する方法が提案されている。この方法は、紡出糸条の随伴流量が比較的小さい場合には確かに有効である。しかし、紡糸速度を上げて随伴流量が増大した場合には整流板の内側で逆流が発生してしまい、却って凝固液の乱れを助長させてしまうことがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の点に鑑み、本発明の目的とするところは、湿式紡糸において、凝固浴槽中の凝固液の流れを制御し、紡出糸条の随伴流に起因する凝固液の乱れを防ぎ、高速でも安定した紡糸を可能とし、生産性を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る湿式紡糸の整流装置は、湿式紡糸装置の凝固浴槽内に設置される紡糸口金から紡出される糸条を囲うように凝固浴槽の凝固液中に配置される整流板で構成され、前記紡糸口金側の入口が凝固液中に開放され、かつ紡出糸条の進行する形状にそって次第に流路断面積が小さくなるように形成するとともに、側面および底面の整流板に開口部を有し、凝固浴槽に設置するための固定具を設けてなることを特徴とする。このような本発明に係る整流装置によって、従来技術における課題であった凝固槽中の凝固液の乱れを解決することができる。
【0008】
本発明において、前記凝固浴槽とは、通常の横型の湿式紡糸の浴槽である。本発明では、凝固浴槽の上壁面の有無は特に限定されない。上面が解放された浴槽の場合は、凝固液は自由水面を持つことになる。また、前記整流装置の整流板とは、凝固液の流動状態を制御する目的で凝固浴槽内に設置される、平面状または曲面状の板、あるいは棒などを板状に組み合わせたものである。さらに、整流装置の流路断面積とは、糸条を囲うように配置された整流板により囲まれた部分の紡出糸条の進行方向に略直交する垂直断面積である。また、整流板に形成された開口部とは、凝固液の一部が通過し得るように整流板に設けられた機構である。
【0009】
前記整流装置における整流板の開口部は、紡出糸条の進行方向に向かって次第に大きくなる開口率分布を有することが好ましい。さらに前記開口率は、入口側で0〜50%、出口側で40〜90%とすることがより好ましい。
【0010】
本発明において、前記整流板の開口率とは、凝固液が通過する開口部分の有効面積が整流板面積に占める割合(面積率)であり、整流板の開口部の開口度合い、すなわち凝固液が整流板を通過する度合いを表す指標であって、この開口率を調節することによって凝固液が整流板を通過する度合いを調節することができる。また、前記整流板の開口率分布とは、整流板の開口率が整流装置の部位に応じて異なることを意味する。したがって、紡出糸条の進行方向に開口率分布を有するとは、たとえば、整流装置入口部、紡糸口金近傍部、中間部、出口近傍部、などで各々開口率が異なることを意味する。
【0011】
前記固定具として整流装置に脚部を設けて凝固浴槽内に置くようにしてもよい。また、前記整流装置は底面の整流板の傾斜角度を調節可能な構造を有することが好ましい。この場合の整流板の角度調節機能とは、紡出糸条の進行方向に、糸条と整流板のなす角度を凝固液の整流に適切な角度に調節することができる機能を備えていることを意味する。また、前記固定具としての脚部の長さを可変とすることで、底板の整流板の位置や傾斜角度を調整可能とすることもできる。
【0012】
さらに、前記整流装置は複数の部位に分割可能な構造を有することが好ましい。本発明でいう分割可能な整流装置の構造とは、複数の小さな整流板をつなぎ合わせて一つの整流板が構成されており、整流装置が前記のような整流板によって自在に分解・再組立ができるような構造になっていることを意味する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。本発明でいう湿式紡糸の整流装置とは、凝固浴槽内に設けた単一または複数の紡糸口金から吐出された紡出糸条を引き取る方式の湿式紡糸装置の凝固槽内に設置されるものである。この湿式紡糸装置は、合成繊維を工業的に製造するためのものであり、一般的な湿式紡糸の全てに適用可能である。本発明の整流装置が適用できる例としては、たとえば、アクリル系繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維などの湿式紡糸装置が挙げられる。
【0014】
以下、図面に示した一実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。図1、図2は、本発明に係る整流装置を適用した湿式紡糸装置の一実施例の平面図および側断面図である。この湿式紡糸装置は、凝固浴槽1の一端側に凝固液供給部2を、他端側に凝固浴槽出口3を設け、該凝固浴槽1内における凝固液供給部2側には、紡糸原液供給管4に連結された複数の紡糸口金5を設置するとともに、凝固浴槽1内には、前記紡糸口金5から紡出される糸条6を囲うように該糸条6の進行する形状にそって凝固液供給部2側から凝固浴槽出口3側に向かって整流装置7を設けてなる。前記整流装置7には凝固浴槽1内に設置するための固定具を設けている。固定具は凝固浴槽1内の凝固液の流れを妨げないようにできるだけ小さく細くすることが望ましい。例としては、図に示したような細い棒状の脚部8を設けて整流装置7を浴槽内に置くか、吊り下げ式にするなどが挙げられる。紡出糸条6は複数の紡糸口金5から吐出され、扇形状に収束して引き取られるが、前記整流装置7は、紡出糸条6を囲うように設置される整流板で構成され、紡出糸条の進行方向に向かって次第に流路断面積が小さくなる形状となる。また、図例の凝固浴槽1は、紡出糸条6に合わせて凝固液供給部2側から凝固浴槽出口3側に向かって次第に断面積(垂直断面積)が縮小する形状の浴槽であるが、凝固浴槽1の形状は特に限定されるものではなく、断面積が一定であっても途中で変化する部分があっても構わない。
【0015】
上記のような本発明に係る整流装置を用いた湿式紡糸装置では、凝固液は、凝固液供給部2から凝固浴槽1内に供給され、凝固浴槽出口3から溢出する。紡糸原液供給管4より供給された紡糸原液は各紡糸口金5から凝固浴槽1内に吐出され、紡出糸条6は整流装置7の内側を進行し、図中、点Xの位置で凝固液から離脱し、引き取りローラー(図示せず)に導かれる。このとき、紡糸口金5の周囲では、凝固液が紡出糸条6に吸引されて随伴流となり、紡出糸条6と共に凝固浴槽1中を凝固液供給部2側から凝固浴槽出口3側に向かって流動し、紡出糸条6が凝固液から離脱する点X(以後、離脱点Xという)に近づくにつれて紡出糸条6より搾出される。そして、この湿式紡糸装置では、搾出された凝固液(以後、搾出凝固液という)の一部は紡出糸条6と共に整流装置出口10に向かって流れ、残りの部分は、整流装置7の側面7a、7aおよび底面7bの整流板に設けられた開口部から、整流装置7の外側の凝固浴槽1中に排出される。排出された凝固液(以後、排出凝固液という)は、整流装置7外側の凝固浴槽1の両側部および下部を通って、凝固浴液供給部2側に向かって還流し、凝固浴液供給部2から供給される凝固液に合流して、整流装置入口9から再び整流装置7内に流入する。
【0016】
上記のような本発明の整流装置を用いた湿式紡糸装置においては、凝固浴槽1内に設置された整流装置7の内側では紡出糸条6の随伴流が順方向(紡出糸条6の進行方向)に向かって流れ、整流装置7の外側では凝固液が逆方向に還流するというように、相反する2方向の流れは整流装置7の存在によって分離される。このように凝固液の流れを制御することにより、凝固液の乱れは発生せず、紡出糸条6は安定して凝固液中を走行することができるため、紡糸速度を上げて生産性を向上させることが可能となるのである。
【0017】
図3は前記整流装置7の平面図、また図4は凝固浴槽1と整流装置7の側断面図である。整流装置7は、凝固浴槽1の側面1aおよび底面1bと紡出糸条6との間に、紡出糸条6を囲うように設置される側面7a、7aおよび底面7bの整流板で構成される。整流板の内面と紡出糸条6とは、整流装置入口9側では数センチ程度、整流装置出口10側では数ミリメートル程度の間隔を維持することが望ましい。したがって、整流装置7の形状は凝固浴槽1内を走行する紡出糸条6の形状に合わせて自ずと決定される。すなわち、一般の湿式紡糸では、紡糸口金5は凝固浴槽1の液中に設置され、紡出糸条6は凝固液面より離脱して引き取られることが多いので、底面7bの整流板は紡出糸条6の進行方向に向かって次第に液面に近づくように傾斜状に設置される。また、図例のごとく複数の紡糸口金5から吐出された紡出糸条6を扇形状に収束させて引き取る紡糸装置においては、整流装置7は、紡出糸条6の進行方向に向かって次第に流路断面積が小さくなる形状となる。また、凝固浴槽1の側面も紡出糸条6の進行方向に向かって次第に間隔が狭くなるように扇形状に形成される。図3、図4に示した整流装置7もこのような場合の形状である。なお、図示はしないが、整流装置7は一定の角度で収束していなくても一部が平行であっても構わない。さらに、整流装置7を構成する側面7aおよび底面7bの整流板は、図例のような平板でなく、紡出糸条6を囲うような側面7aから底面7bにかけて連続する滑らかな曲面板であっても構わない。この場合は整流板の側面7aと底面7bとの区別はなくなる。
【0018】
実施例の整流装置7では、製造時の操作性を考慮して紡出糸条6の上面には整流板を設置せず上面が開放されたトイ状としているが、紡出糸条6の上下左右全てを囲う形状(トンネル形状)にしてもかまわない。いずれにしても、整流装置7の形状は、紡出糸条6の進行する形状にそって、凝固浴槽出口3に向かって次第に浅くなるトイあるいは次第に狭くなるトンネルのような形状となる。なお、整流装置入口9は、紡糸口金5よりも凝固液供給部2に近い位置にある方が、紡糸口金5周辺での浴液乱れを防ぐためには望ましい。なぜなら、もし仮に整流装置入口9が紡糸口金5よりも下流側にあれば、整流装置7の外側を還流してきた凝固液が、紡糸口金5の側面から流れ込むことになり、凝固液の乱れが発生し易くなるからである。一方、整流装置出口10は離脱点Xの近辺に位置する。実施例では離脱点Xのやや上流側であるが、さらに延長しても問題はない。
【0019】
整流装置7の整流板は、側面7aおよび底面7bとも、凝固液が通過し得るように開口部を有する。具体的には、側面7aおよび底面7bの整流板に孔を開けることで最も簡単にこれを実現できる。整流板の例としては、多孔板、網、あるいは複数の棒を互いに間隔を開けて板状に並べたものなどが挙げられる。開口部分の大きさは特に限定されないが、極端に大きな開口部を設けると整流板の体をなさなくなってしまうことは明らかであり、通常は最大でも数センチ程度の大きさとすることが好ましい。開口部分の形状にも特に制限はなく、円形、楕円形、矩形、多角形などでもよい。側面7aおよび底面7bの整流板の開口度合いを調節することによって、凝固液が整流板を通過する度合いを調整する。例えば、多孔板なら個々の孔径、孔数を変える、網なら網目の細かさを変える、並列棒なら棒の太さおよび間隔を変える、などの方法が挙げられる。整流板を安価に製作するためには、既製品の多孔板や網を用い、強度に問題ある場合は補強のために縁の部分のみ幅数センチ程度の枠を取り付けるとよい。開口部分が整流板に占める面積率すなわち開口面積率は、紡出糸条6からの搾出凝固液の量に応じて決定されるが、整流装置7全体での平均の開口面積率は通常10〜90%程度、実用的には30〜80%程度、望ましくは50〜80%程度である。
【0020】
また、万一、紡出糸条6が整流板に接触した場合にも単糸切れが起こりにくいようにするため、整流装置7の内側はなるべく平滑にして、突起などが存在しないようにすることが望ましい。特に、整流装置出口10付近では随伴流のために紡出糸条6と整流装置7の底面7bとが接触し易い。そこで整流装置7の内表面を滑らかにすることで、接触時の抵抗を減らすことが好ましい。一例として、整流装置7の整流板の内面に、フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン)などの摩擦係数の小さい材料をコーティングあるいはライニングしたり、整流装置出口10付近の底面7bの整流板の内表面に滑らかな半円形の棒を紡出糸条6に垂直方向に並べて設置することで、紡出糸条6と整流板との接触抵抗を減ずることができる。
【0021】
以上のような本発明の湿式紡糸装置は、既存の凝固浴槽1に前記整流装置7を設置するだけで、凝固浴槽1中の凝固液の流れを制御し、紡出糸条6の随伴流に起因する液乱れを抑制する効果が得られ、安定した紡糸が可能となる。つまり、本発明の湿式紡糸装置は、既存の凝固浴槽1自体は改造することなく、整流装置7を凝固浴槽1内に設置するだけで構成することができる。また、生産品種変更など紡糸の条件が変わる場合には整流装置7を交換することもでき、また、メンテナンスのために整流装置7を凝固浴槽1から取り外すことも容易であり、実用的にも優れている。
【0022】
上記のように、本発明の整流装置7を用いた湿式紡糸装置においては、整流装置7の内側では紡出糸条6の随伴流が順方向(紡出糸条の進行方向)に向かって流れ、整流装置7の外側では凝固液が逆方向に還流するように、相反する2方向の流れを分離することで凝固液の乱れを阻止するわけであるが、この場合、整流装置7の側面7aおよび底面7bにおいて、整流板の開口部から凝固液が整流装置7の内側から外側に向かって一方向に排出され、外側から内側への流入を阻止することが、より好ましい。整流板の開口部に、逆流防止弁のような複雑かつ高価な機構を用いることでも、上記目的は達成できるが、本発明では、もっと単純な構造でこれを実現可能とした。すなわち、整流装置7において、紡出糸条6の進行方向に、側面7aおよび底面7bの整流板の開口面積率に分布をもたせるのである。具体的には、整流装置入口9側は側面7aおよび底面7bの整流板の開口面積率が小さく、整流装置出口10側は開口面積率が大きくなるように、段階的に開口面積率を変えた整流板を設置するのである。
【0023】
紡出糸条6から搾出される随伴流の量は、紡糸口金5の近くでは少なく、離脱点Xに近づくにつれて次第に増加する。したがって整流装置7から排出されるべき凝固液の量もこれに応じて、整流装置入口9側では少なく、出口10側が多くなる。そこで紡出糸条6の進行方向に、整流装置7の側面7aおよび底面7bの整流板の開口面積率に分布をもたせることで、一旦、整流装置7の外側に排出された凝固液が再び整流装置7内に流入することを防ぐことができる。すなわち、整流装置入口9側では排出凝固液量に合わせて側面7aおよび底面7bの整流板の開口面積率を小さくして整流装置7外側から内側への流入を阻止する一方で、整流装置出口10側では開口面積率を大きくして凝固液の排出が円滑に行われるようにするのである。
【0024】
上記の整流板における開口率分布は、紡糸の運転条件あるいは凝固浴槽1内の流動状態に応じて調整する必要があるが、適切に設定すれば、整流装置7の側面7aおよび底面7bにおいて整流装置7の外側から内側への凝固液の流入はきわめて少なくなり、凝固液の乱れはほとんど問題ない状態に保つことができる。具体的には、整流装置入口9側は側面7aおよび底面7bの整流板の開口面積率が小さく、整流装置出口10側は開口面積率が大きくなるように、段階的に開口面積率を変えた整流板を設置する。開口面積率の値は通常、入口側は0〜50%程度、出口側は40〜90%程度とする。望ましくは、入口部で10〜40%、中間部で30〜70%、出口部で50〜80%程度とする。
【0025】
以上に加えて、整流装置7における側面7aおよび底面7bの整流板の角度を調整可能な構造を有することで、整流板と糸条6との間隔が最適になるように微調整でき、凝固液の整流状態をより望ましいものにできる。また、紡糸口金5の個数や口径の異なる紡糸条件にも単一の整流装置で対応することが可能となり、実用面からも好ましい。たとえば、図4に示す整流装置7の脚部8の長さを可変にすることで、整流装置7の底面7bの位置や傾斜角度を自在に調整することができる。または、複数に分割された整流装置の各部分毎に、高さと傾斜角度とが可変になる構造を持たせれば、さらにきめ細かく調整することができる。また図示はしないが、整流装置7の底面を中央で2つに分割して一部が重なり合う構造にし、重なり部分の幅を可変にすることで、整流装置7の幅を糸条6に合わせて調整することができる。
【0026】
さらに加えて、整流装置7を複数の部位に分割可能な構造にすることで、すなわち、長さの短い単位整流装置11をいくつか繋いで一つの整流装置7を構成することで、利便性がさらに増す。図3、図4では、整流装置7の側面7aおよび底面7bの整流板を、紡出糸条6の進行方向に対して区切るように5つに分割した例を示している。つまり、これら5つの小さい単位整流装置11・・・を繋ぎ合わせて、一つの整流装置7を組み立てるようになっている。本発明では整流装置7を既存の凝固浴槽1に容易に設置あるいは除去できるが、前記のように整流装置7を複数の部位(単位整流装置11)に分割可能にすることで、これがさらに容易になる。また、開口率分布を調節する際にも、図4のようにあらかじめ開口率の異なる単位整流装置11・・・をいくつか作成しておき、整流装置7の一部のみを交換することで容易に調整できる。
【0027】
ところで、図5、図6に示すものは、整流装置を採用していない従来の湿式紡糸装置の平面図および側断面図である。この装置では、凝固液は、凝固液供給部2から供給され、凝固浴槽出口3から溢出する。また、紡糸原液供給管4より供給された紡糸原液は紡糸口金5から凝固浴槽1内に吐出され、紡出糸条6は凝固浴槽1内を進行し、点Xの位置で凝固液から離脱し、引き取りローラー(図示せず)に導かれる。紡糸口金5の周囲では、凝固液が紡出糸条6に吸引されて随伴流となり、紡出糸条6と共に流動し、離脱点Xに近づくにつれて紡出糸条6より搾出される。すでに述べたように、一般に凝固浴槽1に供給される凝固液に比較して、随伴流の方が流量、流速とも大きいため、凝固浴槽1の両側面および底面付近では、紡出糸条6の進行方向とは逆に、凝固浴液供給部2に向かって還流する。このとき、この従来装置では、前記凝固浴液供給部2に向かって還流する逆流と、紡出糸条6と同じ方向に流れる随伴流とが、何の隔てもなく接しているため、不規則な位置で循環し、時には渦巻きが発生するなど、凝固液流の乱れを生じるのである。これによって凝固浴槽1内で糸条6が揺さぶられ、分繊不良や単糸切れなどの問題が発生しやすくなる。また、紡糸口金5付近での凝固液乱れは繊維品質の不均一化の原因となる。
【0028】
また、図7、図8は、側面7aおよび底面7bの整流板ともに随伴流を排出するための開口部を有しない整流装置7を設置した湿式紡糸装置の平面図および側断面図である。この装置は、本発明の湿式紡糸装置における整流装置における側面7aおよび底面7bの整流板の開口面積率をすべて0%にした場合に相当する。このように糸条の進行する形に合わせて整流装置7を設置すると、図のように整流装置7の流路断面積(垂直断面積)は必然的に入口9から出口10に向かって次第に縮小する形状になる。しかしながら、整流装置7の整流板に開口部が設けられていないため、糸条6から搾出された随伴流は、整流装置7の途中で外部に排出されることはなく、次第に縮小する整流装置7内で行き場を失って整流装置7の内側で逆流する。このように、凝固浴槽1内に、開口部を設けていない整流装置7を設置した場合には、単に、凝固浴槽がひとまわり小さくなったに過ぎず、整流装置7の内側で凝固液乱れが発生してしまい、凝固液の整流という意味では却って逆効果になってしまう。この現象は、整流装置の入口9から出口10に向かう流路断面積の縮小が急激であるほど、また、紡糸速度が速く、あるいは、紡糸口金5の個数が多く、紡糸口金5の口径が大きく、随伴流量が多くなるほど、顕著である。
【0029】
【実施例】
以下に具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。なお、実施例中の評価結果及び数値は、以下の定義、および測定法により求めたものである。
【0030】
(1)凝固液の流動状態
凝固液中にトレーサー物質を散布し、凝固液の流れを観察した。トレーサー物質としては、白色の樹脂粉末および水溶性の染料液を使用した。
×:凝固浴槽内の凝固液の流れは大きく乱れ、操業不可能なレベル。
△:凝固浴槽内の凝固液の流れは乱れるが、短時間ならば操業が可能なレベル。
○:凝固浴槽内の凝固液の流れは若干乱れるが、長時間操業が可能なレベル。
◎:凝固浴槽内の凝固液の流れは安定であり、安定的に長時間操業が可能なレベル。
【0031】
(2)凝固液の流動方向および流動速度(m/分)
図1、図2に示す点A、点Bで測定した流動方向および流動速度。紡出糸条の進行方向を正の値とし、逆流なら負の値とする。
測定機器:タービンメータ流速計 ターボプルーブTP−1型、流体工業製。
測定位置:▲1▼整流装置入口と整流装置出口を結ぶ整流装置の中心線上にある位置。▲2▼紡糸口金から糸条の進行方向に、凝固液中の糸条の有効長さの約1/3離れた位置。▲3▼点Aは凝固液面下2〜3センチ、点Bは整流装置底面から2〜3センチの▲1▼および▲2▼の条件を満たす位置。
凝固液の流動速度は、負の値の絶対値が大きいほど、すなわち逆流が激しいほど、紡糸が不安定となる。
【0032】
(3)糸条表面の状態
凝固浴から離脱した紡出糸条の上側および下側の表面に手で触れて、糸条束の滑らかさを官能的に判定した。凝固液に乱れが無く紡出糸条が安定して走行する場合には、各単糸が平行に並ぶので、糸条に触れたときの感触は滑らかになるが、凝固液が乱れて紡出糸条が揺さぶられた場合には、各単糸が平行には並ばず、ざらついた感触となる。したがって、糸条表面の触感が滑らかであるほど、凝固液の流動状態が安定していると言える。
×:糸条表面にもつれや断糸が見られ、後工程の運転を阻害するレベル。
△:糸条表面の触感はざらつき、後工程の運転を阻害する要因となり得るレベル。
○:糸条表面の触感は若干ざらつくが、後工程の運転を阻害するには至らないレベル。
◎:糸条表面の触感は滑らかで、安定して後工程を運転できるレベル。
【0033】
さらに、実施例の記載中で使用する略号および単位を以下に示す。(なお、符号については図3,4を参照。)
(4)用語の略号および単位
S1 :整流装置7の入口9の断面積[m2 ]。
S2 :整流装置7の出口10の断面積[m2 ]。
L:整流装置7の入口9から出口10までの長さ[m]。
n:整流装置7の分割数[個]。
Pn :整流装置7の入口9側からn番目の分割部分における側面7aおよび底面7bの開口面積率[%]。
【0034】
(実施例1、比較例1)
紡糸原液は、アクリロニトリル49重量%、塩化ビニル50重量%、スチレンスルホン酸ナトリウム1重量%からなるアクリロニトリル系共重合体を、濃度が29.5重量%となるようにアセトンに溶解したものを用い、紡糸口金は口径120mm、孔径80μm、孔数30,000のもの4個を用い、凝固浴槽は、入口面積0.300m2 、出口面積0.150m2 、有効長さ2.00mのものに、アセトン濃度が35重量%のアセトン−水系凝固液を満たしたものを用いて、紡糸速度を変化させて紡糸した。実施例1は、表1の整流装置番号Aに示す整流装置を凝固浴槽に設置した場合である。一方、比較例1は整流装置を設置せず、すなわち従来の凝固浴槽のみで紡糸速度を変化させた場合である。これらの場合の、凝固液の流動状態、糸条の表面状態を表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
実施例1は、表1の整流装置番号Aに示す、側面および底面の整流板の開口部を有する整流装置を設置した湿式紡糸装置を用いて、紡糸速度を変化させて紡糸したものである。紡糸速度が比較的低い場合は、表2に示すように、凝固液の流動状態は穏やかで安定しており、糸条の表面状態も良好であった。紡糸速度が増すにつれて随伴流量も増大したが、紡糸速度が中程度の場合も、凝固液の流動状態、糸条表面の状態とも良好であった。さらに紡糸速度を高くした場合も、表2の流動速度A、Bに示すように逆流が若干激しくなったものの、依然として凝固液の流動状態、糸条表面の状態とも良好であった。この場合の凝固液の流動状態は、図1、2に示すように、整流装置7の内側では紡出糸条6の随伴流が順方向(紡出糸条6の進行方向)に向かって流れ、整流装置7の外側では凝固液が逆方向に還流するというように、相反する2方向の流れは整流装置7の存在によって分離された。紡出糸条6の随伴流は、糸条6の進行につれて搾出され、搾出された凝固液は整流装置7の側面7aおよび底面7bの整流板に設けられた開口部から整流装置7外に排出され、排出された凝固液は整流装置7の外側を還流して、凝固浴槽1の凝固液供給部2で新鮮な凝固液と合流した後に、再び整流装置入口9から流入した。凝固浴槽1内に、このような円滑で穏やかな循環する流れが形成されたことによって、凝固液の乱れはほとんど起こらず、安定した紡糸運転が可能であった。
【0038】
一方、比較例1は、整流装置を設置せず従来の凝固浴槽のみで紡糸速度を変化させた場合である。紡糸速度が比較的低ければ、表2に示すごとく、従来の浴槽でも問題なく紡糸が可能であった。しかし、紡糸速度が増すと、凝固液液流の乱れが生じ、糸条の表面状態が悪化した。そして、それ以上紡糸速度を上げることは不可能であった。このときの凝固液の流動状態は、図5、6に示すように、糸条6と同じ方向に流れる随伴流と、凝固浴槽1の底面1bや側面1a付近の逆流とが接しているため、不規則な位置で循環し、時には渦巻きが発生するなど、凝固液流の乱れを生じていた。また、紡糸口金5周辺の乱れも激しいため、不良繊維の発生などの問題が起こりやすく、糸条の安定性は低下した。さらに、逆流する凝固液の量が増したために、糸条6近辺の狭い領域に相反する方向の液流が存在することになり、糸条が揺さぶられるので各単糸が平行に並ばず、凝固浴槽から離脱した糸条6表面の感触もざらついたものになった。このような状態の糸条は、後工程で問題を生じやすく、安定した連続生産を阻害する。
【0039】
(実施例2)
実施例1と同じ紡糸原液、同じ紡糸口金、同じ凝固浴槽、同じ紡糸条件を用い、表1の整流装置番号Bに示す構造の整流装置を設置して、紡糸速度を変化させて湿式紡糸した。このとき、凝固浴槽の凝固液の流動状態、糸条の表面状態は表2に示すようになった。実施例2は、整流装置7の側面7aおよび底面7bの整流板に、紡出糸条6の進行方向に開口率分布を有し、整流装置入口9側の開口率を小さく、出口10側は大きくした場合である。
【0040】
紡糸速度が低い場合は実施例1と比較してほとんど差はないが、紡糸速度が中程度になった場合は、紡糸口金5周辺の凝固液の流動状態がさらに穏やかになり、流動状態が改善された。さらに紡糸速度が高くなった場合も、表2に示すように、逆流が緩和され、実施例1と比較してより良好な流動状態が得られた。これは、開口率分布を適切に調整したことで、整流装置7の側面7aおよび底面7bにおいて凝固液が整流装置7の内側から外側に向かって一方向に排出され、外側から内側への流入を阻止することができたからである。つまり、紡出糸条6から搾出される随伴流の量は、紡糸口金5の近くでは少なく、離脱点Xに近づくにつれて次第に増加する。したがって整流装置7から排出される凝固液の量もこれに応じて、整流装置入口9側では少なく、出口10側では多くなる。そこで実施例2のように、整流装置入口9側では排出凝固液量に合わせて側面7aおよび底面7bの整流板の開口面積率を小さくして、整流装置7の外側から内側への流入を阻止し、整流装置出口10側では開口面積率を大きくして、凝固液の排出が円滑に行われるようにすることで、凝固液の流動状態がさらに改善され、生産性を向上させることができるのである。
【0041】
(比較例2)
実施例1と同じ紡糸原液、同じ紡糸口金、同じ凝固浴槽、同じ紡糸条件を用い、表1の整流装置番号Cに示す構造の整流装置を設置して、紡糸速度を変化させて湿式紡糸した。このとき、凝固浴槽の凝固液の流動状態、糸条の表面状態は表2に示すようになった。比較例2は、側面7aおよび底面7bの整流板に開口部を有しない整流装置7を凝固浴槽1内に設置した場合(図7、8に示す構造)である。これはすなわち、整流板の開口面積率を0%に設定したものに相当する。
【0042】
紡糸速度が低い場合には、側面7aおよび底面7bの整流板に開口部を有しない整流装置7を凝固浴槽1内に設置した場合でも糸条6の随伴流の量も少なく、糸条6から搾出された凝固液は糸条6と併走して整流装置出口10から排出され、整流装置7の外側を逆流して、本発明の整流装置と同様に、凝固浴槽1内に円滑な循環流れを形成した。しかしながら、紡糸速度が中程度まで増した場合は、図7、8に示すように、糸条6の随伴流の量が増すために、整流装置出口10からのみでは排出しきれず、過剰量の搾出凝固液は整流装置7の内側で逆流し、糸条随伴流と搾出凝固液の逆流とが整流装置7内部という、より狭い範囲内で併走するために、凝固液の流動状態は表2に示すように、整流装置を設置しない比較例1の場合と比較してもさらに悪化しており、また糸条表面の状態も比較例2と同程度に悪く、整流装置が却って逆効果になった。
【0043】
【発明の効果】
本発明の湿式紡糸の整流装置は、紡糸口金から紡出される糸条を囲うように配置される整流板で構成され、紡出糸条の進行する形状にそって凝固液供給部側から凝固浴槽出口側に向かって次第に流路断面積が小さくなるように形成するとともに、側面および底面の整流板に開口部を形成してなり、この整流装置を既存の凝固浴槽に設置することによって、凝固浴槽内における凝固液の流れを制御し、紡出糸条の随伴流に起因する液乱れを抑制することができる。したがって高速紡糸など随伴流量が増大する条件下でも安定した紡糸が可能となり、生産性が向上する。また凝固浴槽自体は改造する必要が無く、既存の凝固浴槽内に上記のような整流装置を設置するだけで簡単に構成することができ、実用的にも優れている。さらに、整流装置側面および底面の整流板の開口部が紡出糸条の進行方向に向かって次第に大きくなる開口率分布を有することによって、整流装置側面および底面において凝固液が外側から内側に流入することを抑制でき、整流の効果はさらに高くなる。したがって整流板の開口部に、逆流防止弁のような複雑かつ高価な機構を用いなくても、単なる孔を設けるだけで良く、安価に整流装置を実現できる。加えて、整流装置に整流板の角度を調整できる機能を持たせることで、整流板と糸条との間隔が最適になるように微調整でき、凝固液の整流状態をより望ましいものにできる。また、紡糸口金の個数や口径の異なる紡糸条件にも、単一の整流装置で対応することが可能となり、実用面からも好ましい。さらに、整流装置を複数の部位に分割可能な構造にすることで、凝固浴槽への設置がさらに容易になり、整流板の開口率分布を調節する際にも容易に調整できるなど、利便性が増す効果もあり、非常に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る整流装置を設置した湿式紡糸装置の一実施例を示す模式的平面図である。
【図2】前記湿式紡糸装置の模式的側断面図である。
【図3】前記整流装置の模式的平面図である。
【図4】前記湿式紡糸装置の凝固浴槽と整流装置を分離した状態の模式的側断面図である。
【図5】整流装置を採用しない従来の湿式紡糸装置の模式的平面図である。
【図6】前記従来の湿式紡糸装置の模式的側断面図である。
【図7】開口部を有しない整流装置を設置した湿式紡糸装置の模式的平面図である。
【図8】前記開口部を有しない整流装置を設置した湿式紡糸装置の模式的側断面図である。
【符号の説明】
1:凝固浴槽、
2:凝固液供給部、
3:凝固浴槽出口、
4:紡糸原液供給管、
5:紡糸口金、
6:紡出糸条、
7:整流装置、
8:整流装置の脚部、
9:整流装置入口、
10:整流装置出口、
11:単位整流装置、
P1 〜P5 :整流装置における各部分の側面および底面の開口面積率、
X:紡出糸条が凝固液から離脱する位置、
白抜きの矢印:紡出糸条の進行方向、
黒塗りの矢印:凝固液の流動方向。
Claims (7)
- 湿式紡糸装置の凝固浴槽内に設置される紡糸口金から紡出される糸条を囲うように凝固浴槽の凝固液中に配置される整流板で構成され、前記紡糸口金側の入口が凝固液中に開放され、かつ紡出糸条の進行する形状にそって次第に流路断面積が小さくなるように形成するとともに、側面および底面の整流板に開口部を有し、前記整流板が、紡出糸条の進行方向に向かって次第に大きくなる開口率分布を有し、凝固浴槽に設置するための固定具を設けてなることを特徴とする湿式紡糸の整流装置。
- 前記整流板の開口率分布が、入口側で0〜50%、出口側で40〜90%である請求項1記載の整流装置。
- 前記固定具として脚部を設けて凝固浴槽内に置くようにしてなる請求項1または2に記載の整流装置。
- 前記底面の整流板の傾斜角度を調節可能な構造を有する請求項1〜3のいずれかに記載の整流装置。
- 前記脚部の長さを可変とすることで底面の整流板の位置や傾斜角度を調整可能としてなる請求項3または4に記載の整流装置。
- 複数の部位に分割可能な構造を有する請求項1〜5のいずれかに記載の整流装置。
- 凝固浴槽の一端側に凝固液供給部を、他端側に凝固浴槽出口を設け、前記凝固浴槽内の凝固液供給部側に単一または複数の紡糸口金を設置するとともに、前記凝固浴槽内に、前記請求項1〜6のいずれかに記載の整流装置を設置してなることを特徴とする湿式紡糸装置。
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