JP3610244B2 - モアレ測定方法及びそれを用いたモアレ測定装置 - Google Patents

モアレ測定方法及びそれを用いたモアレ測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モアレ測定方法及びそれを用いたモアレ測定装置に関し、特に、干渉計を用いて光学部品の形状や屈折率の分布を測定する際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
干渉計は光の干渉現象を利用して光の波面形状を干渉縞のパターンとして検知するものであり、レンズやミラー等の光学部品形状を精密に測定したり、ガラスの屈折率分布を精密に測定する方法として、広く工業用に使用されている。
【0003】
特に、最近では干渉縞のパターンを撮像素子の画素ごとの位相情報として数値化することにより、非常に精密な測定が可能になっている。
【0004】
干渉縞パターンの位相情報の解析手法のひとつとして、特開平5−306916号公報に開示されているようなモアレ技術を利用した方法がある。図4に同公報で開示されているモアレ測定装置の構成例を示す。
【0005】
同図において10は干渉縞画像の入力手段であるCCDカメラ、26a,26bはCCDカメラ10又は仮想画像発生器28から入力される干渉縞画像の信号レベルを検出するレベルクランプ、27は干渉縞画像の信号を調整するバイアスオフセット、14は位相の異なる3面分の仮想画像情報を格納しているフレームメモリ、28はフレームメモリ14からのデジタルの仮想画像情報をアナログ信号として出力する仮想画像発生器、29a,29b,29cは2つの画像間の乗算を行うアナログ乗算器、30a,30b,30cは画像中の空間周波数の高いものを除去し、低いものだけを通過させる特性を持つアナログローパスフィルタ(アナログLPF)、31a,31bはアナログLPF30a,30b,30cからの2つの画像信号間を減算演算するアナログ減算器、32はアナログ減算器31a,31bからの2つの画像信号間の除算演算するアナログ除算器、33は2つの画像信号間のアークタンジェント演算するアナログアークタンジェント演算器、34は位相データを連続的につなぐ役割を果たす位相つなぎ処理器である。
【0006】
後述する図2に示す干渉計で発生させた干渉縞は、参照平面ミラー7もしくは被測定物6を傾けることにより、故意にキャリア成分となる多数の縞(干渉縞)を生じさせた上で、集光レンズ9を用いてCCDカメラ10にて撮像されて、1画面分の被測定画像情報が抽出される。被測定画像情報は、CCDカメラ10で撮像後、レベルクランプ26a及びバイアスオフセット27にて信号調整される。
【0007】
一方フレームメモリ14にはあらかじめキャリアとなる多数の縞の画像に相当する3面の仮想画像情報を書き込まれている。その仮想画像情報は、基準とするエリアにおける位相がそれぞれπ/4、3 π/4、5 π/4で、順次読み出されて仮想画像情報発生器28にてアナログ信号として発生し、レベルクランプ26bによって信号調整される。
【0008】
被測定画像情報と仮想画像情報はそれぞれアナログ乗算器29a,29b,29cで画像間の乗算演算がおこなわれる。この演算により空間周波数の低い一種のモアレ縞が発生するが、このモアレ縞は測定画像の縞の曲がり具合を表わしている。したがって、ローパスフィルタ30a,30b,30cにてキャリア成分である高周波信号を除去すれば、干渉計で参照平面ミラー7もしくは被測定物6を傾けず、粗い干渉縞を出した状態と等価な画像が得られる。
【0009】
このときフレームメモリ14に書き込まれた基準とするエリアにおける位相がそれぞれπ/4、3 π/4、5 π/4ずれているために、ローパスフィルタ30a,30b,30cを通って得られたモアレ縞も初期位相がπ/4、3 π/4、5 π/4ずれている。
【0010】
求めたいモアレ縞の位相分布をφ(x,y) とすればそれぞれの画像は
【0011】
【数1】
Figure 0003610244
と表わされるから、
(S3−S2) /(S1−S2)=Sin φ(x,y)/Cos φ(x,y)=Tan φ(x,y) …(4)
φ(x,y)=Tan−1 ((S3−S2)/(S1−S2))…(5)
の演算を行うことにより位相分布が計算出来る。
【0012】
したがって、式(4)、式(5)の演算をアナログ減算器31a,31b,アナログ除算器32,アナログTan−1 演算器33で行い、各画素ごとに求められた位相データは位相つなぎ処理器34で面の位相分布として変換される。
【0013】
本方式は1枚の干渉縞画像から位相分布が求められるので、複数の撮像手段を必要とせず、また測定中の機械振動、空気揺らぎなどに比較的強い、という特徴をもっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来のモアレ測定方法では、アナログ演算器を使ってモアレ縞を発生させ、キャリア成分はアナログフィルタによって除去していた。しかし、アナログ演算処理はノイズやバイアスによる演算精度の劣化が懸念され、また計算機上でデジタルデータとして算出した仮想画像情報を、乗算演算、フィルタリングのために一度アナログ変換するといった不具合が存在する。
【0015】
本発明ではこのように、アナログ演算処理をデジタル演算処理に置き換えることによって、前記の懸念事項を防止するモアレ測定方法の提供を第1の目的とする。
【0016】
一方、デジタルフィルタリング処理は従来、複雑な演算処理になりがちで、演算時間が長いという欠点があった。例えば干渉計を使った被測定画像情報を利用してモアレ縞を発生させる場合、通常干渉計の被測定物が球面なら3軸のアライメントが必要であり、被測定物が平面なら2軸のアライメントが必要である。モアレ縞のアライメントには少なくともフィルタリング後のモアレ縞の表示が必要で、鮮明化させたモアレ縞を発生させる演算処理に1画像で数秒〜1/数秒かかるようでは非常にアライメントしにくくなる。
【0017】
本発明は、鮮明なモアレ縞を発生及び表示させるまでに高速で演算処理可能なモアレ測定方法及びモアレ測定装置の構築を第2の目的にしている。
【0018】
さらに測定精度を向上させるため、キャリア成分を除去し鮮明化したモアレ縞で平均化処理を実施し、光学的ノイズ及び振動や空気揺らぎによるノイズの除去を行い、被測定物の形状を高精度に測定することができるモアレ測定方法及びモアレ測定装置の提供を第3の目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明のモアレ測定方法は、被測定物に形状誤差が無いと仮定した時に検出されると仮定される光波面情報にキャリア成分となる空間周波数の高いCOS波状の光波面情報を加えて仮想画像情報とし、該仮想画像情報の内、基準とするエリアにおける位相差がπ/4,3π/4,5π/4となる3面の仮想画像情報をあらかじめデジタルデータとして算出しておき、一方、該キャリア成分とほぼ一致する光波面情報を含むようにアライメントを行った被測定物の光波面情報をデジタルデータとして検出して被測定画像情報とし、該仮想画像情報と該被測定画像情報の画像間乗算演算によりモアレ縞を発生させ、移動平均法によるフィルタを利用して、該モアレ縞に含まれるキャリア成分を除去して鮮明化させ、該鮮明化させたモアレ縞を連続的にフレームメモリに一時格納し、該フレームメモリに格納された複数のモアレ縞を利用して平均化処理を施したモアレ縞を作成した後、該モアレ縞をデジタル演算処理することによって被測定物の形状誤差を2次元位相分布から求めることを特徴としている。
【0020】
請求項2の発明のモアレ測定方法は、被測定物の光波面情報を含んだ被測定画像情報とあらかじめ算出していた仮想画像情報とからモアレ縞を発生させ、該モアレ縞を演算処理して被測定物の形状誤差を2次元位相分布から求めるモアレ測定装置において、あらかじめ被測定物に形状誤差が無いと仮定した時に検出されると仮定される光波面情報にキャリア成分となる光波面情報を加えた仮想画像情報をデジタルデータとして算出する仮想干渉縞演算手段と、被測定物の光波面情報を含んだ被測定画像情報を検出する撮像手段と、該被測定画像情報をデジタル変換し、一時的に格納する画像記憶手段と、該仮想画像情報と該被測定画像情報の画像間乗算演算を行う乗算手段と、該モアレ縞に含まれるキャリア成分を移動平均法を利用して除去して鮮明化させるデジタルフィルタ手段と、鮮明化した位相の異なる複数のモアレ縞をフレームメモリに一時格納し、該フレームメモリに格納された複数のモアレ縞を利用して平均化処理を施したモアレ縞を作成することにより位相分布を計算するデジタル演算手段と、算出された位相情報をなめらかな3次元形状としてつなぐ役割を持つ位相つなぎ手段とを有し、被測定物の形状誤差を2次元位相分布から求めることを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態1の要部構成図である。本実施形態が図4に示した従来の測定装置と大きく異なる点は、
・被測定物6の光波面情報6aを被測定画像情報としてイメージセンサ(CCDカメラ10)で取り込み、その出力をキャプチャーボード11にてデジタル変換している点、
・仮想干渉縞演算器で得られる仮想画像情報と干渉計で得られる被測定画像情報は計算機上で乗算器18によってデジタル的に演算処理している点、
・発生させたモアレ縞をデジタルローパスフィルター19にて鮮明化処理している点、
・鮮明化したモアレ縞を一時フレームメモリ20に格納させ、平均化演算器21で平均化処理を施している点、
・鮮明化したモアレ縞をアライメント用としてモニタ16にモニタ出力している点である。
【0025】
特に、本発明は干渉計で得た被測定物6の光波面情報6aを含んだ被測定画像情報と仮想干渉縞演算器13であらかじめ算出していた仮想画像情報とから乗算器18でモアレ縞を発生させ、該モアレ縞を演算処理して被測定物の形状誤差を2次元位相分布から求めるモアレ測定装置において、被測定物6に形状誤差が無いと仮定した時に検出されると仮定される光波面情報6aにキャリア成分となる空間周波数の高いCOS波状の波面情報を加えた仮想画像情報の内、基準とするエリアにおける位相差がπ/4,3π/4,5π/4となる3面の仮想画像情報をあらかじめデジタルデータとして算出する仮想干渉縞演算器13、前記キャリア成分とほぼ一致する光波面情報を含むように故意に参照面をティルトさせた被測定物の光波面情報を検出する撮像手段10、撮像手段のアナログ出力をデジタル変換して一時格納しておく画像記憶手段11、仮想画像情報と被測定画像情報の画像間の乗算演算によりモアレ縞を発生させる乗算手段18、発生したモアレ縞のキャリア成分となる高周波を除去してモアレ縞を鮮明化処理するデジタルフィルタ手段19、鮮明化させたモアレ縞を連続的に取り込んで一時的に格納する画像記憶手段20、画像記憶手段20に格納された複数のモアレ縞を利用して平均化処理を施す平均化演算手段21、初期位相がπ/2ずつの異なる少なくとも3面の鮮明化したモアレ縞の演算処理により位相分布を計算する演算手段22,23,24、及び算出された位相情報をなめらかな3次元形状としてつなぐ役割を持つ位相つなぎ手段25とを有している。
【0026】
次に本実施形態の構成を図4の説明と一部重複するが説明する。
【0027】
図1において、10は干渉縞画像の入力手段であるCCDカメラ、11はCCDカメラ10が取り込む干渉縞画像のアナログ出力をデジタル信号の被測定画像情報として取り込むキャプチャーボード、14はあらかじめ誤差形状がないと仮定したときの被測定物6の光波面情報にキャリア成分を考慮して作成された仮想画像情報が格納されているフレームメモリ、18a,18b,18cは被測定画像情報と仮想画像情報の画像間でデジタル的に乗算演算を実施し、モアレ縞を発生させる乗算器、19a,19b,19cはキャリア成分となる空間周波数の高い成分を除去し、モアレ縞を鮮明化させる役割を持つデジタルローパスフィルタ、20a,20b,20cは鮮明化したモアレ縞を一時的に格納するフレームメモリ、21a,21b,21cはフレームメモリ20からの複数のモアレ縞の平均化処理を実施する平均化演算器、22a,22bは平均値演算器21からの2つのモアレ縞の画像間でデジタル的に減算演算を実施する減算器、23は減算器22からの2つのモアレ縞の画像間でデジタル的に除算演算を実施する除算器、24はアークタンジェント演算をデジタル的に実施するアークタンジェント演算器、25は位相データを連続的につなぐ役割を果たす位相つなぎ処理器、15はデジタル−アナログの信号変換を行うDA変換器、16はモニタであり、電子モアレのアライメント及び位相つなぎ後の3次元位相分布の出力を表示する。CCDカメラ10、キャプチャーボード11、DA変換器15、モニタ16は図2に示すものと同一である。
【0028】
尚、ここではアナログ処理系はCCDカメラ10及びキャプチャーボード11の入力部及びDA変換器15の出力部とモニタ16である。本実施形態では、デジタル演算部を1台の計算機上に構成して説明する。
【0029】
図2は本実施形態で用いる干渉縞の発生に使用する干渉装置の要部概略図である。図2では、図1で表した演算処理の様子を画像演算処理器12として、簡単に表示している。
【0030】
図2に於いて、1は光源であり可干渉性の光束を放射するレーザより成っている。2はビームエキスパンダで、入射する光束径を拡大させて射出している。3は入射光束の偏光状態に応じて反射または透過させる偏光ビームスプリッタ、4a,4bは直線偏光と円偏光の変換を行っているλ/4板、5は入射光束を集光し後述する被測定物6に入射させるコリメータレンズ、6は被測定物となる凹面を有する球面レンズであり、ここでは凹面形状の光波面情報6aを計測している。7は参照平面ミラーであり、ここでは参照光波が作り出される。8は45゜方位の偏光板であり直交する2つの直線偏光成分を持つ光波のうち、特定の偏光成分を抽出し干渉させるものである。9は集光レンズであり、干渉光波をCCDカメラ10に取りこませる役割を行っている。16はCCDカメラ10で取り込んだ干渉計画像を演算処理し、アライメント用及び2次元位相分布用として表示するモニターである。
【0031】
まず干渉縞の発生方法と検出方法について説明する。
【0032】
図2に示すレーザ1から出射した光束はビームエキスパンダ2で光束を拡大された後、偏光ビームスプリッタ3で反射光波と透過光波に分けられる。一方の反射光波はλ/4板4aを通ることで直線偏光から円偏光へ変わり、基準となる球面波を作り出すコリメータレンズ5を介して被測定物6へ入射し、測定光波となって反射する。この測定光波は、被測定物6の面形状情報6aを持つ。反射した測定光波は元の光路を戻り、再び通るλ/4板4aで往きと比べて90゜回転した直線偏光となって、偏光ビームスプリッタ3で今度は透過することになる。他方の透過光は、λ/4板4bを通って直線偏光から円偏光へ変って参照平面ミラー7に入射し、参照光波となって反射する。反射した参照光波は、再び通るλ/4板4bで往きと比べて90゜回転した直線偏光となり、偏光ビームスプリッタ3で今度は反射することになる。偏光ビームスプリッタ3で測定光波と参照光波が重なり合い、45゜方位の偏光板8を通ることで干渉光波となる。この干渉光波は集光レンズ9を介してCCDカメラ10で撮像され、演算処理後にモニタ16で鮮明化したモアレ縞の様子を観察している。
【0033】
次に仮想干渉縞演算器13による仮想画像情報の作成方法について述べる。
【0034】
モアレ測定では、被測定物の光波面情報を考慮してキャリアを決定する必要がある。
【0035】
例えば被測定物6が球面レンズでコリメータレンズ5が作り出す光波面情報と被測定物の面形状情報6aがほぼ一致すれば、観察できる干渉縞はほぼヌル状態となる。この場合、被測定物の光波面情報分については考慮せず、測定エリア全体で空間周波数を同一としたキャリアを使用することになる。したがって、例えばあらかじめ計算機上で水平方向がCOS波状に変化するような仮想画像情報を作成しておけばよい。また被測定物6が非球面レンズの場合、水平方向がCOS波状となるキャリアに、被測定物の光波面情報分として被測定物の非球面情報設計値を加味した仮想画像情報を作成することになる。このような仮想画像情報の算出は、図2の仮想干渉縞演算器13で行われる。
【0036】
キャリアの空間周波数は、被測定物6の光波面情報の空間周波数と十分かけ離れていないとデジタルローパスフィルタ19でキャリア成分を除去できなくなったり、また逆に被測定物6の光波面情報の一部まで除去してしまうことになる。キャリアの空間周波数をどのくらいにするかは被測定物6に誤差形状がないと仮定したときの被測定物の光波面情報を基に、フィルタ特性を考慮して決定すればよい。ここでは、キャリア成分はCCDカメラの5画素で1本分(5Pixel/Carrier)になるように設計した。また、ここではコリメータレンズ5が作り出す光波面情報と被測定物の面形状情報6aがほぼ一致するとして、CCDカメラが検出する被測定物6の光波面情報は、干渉縞でいうヌル状態、すなわち位相分布がほぼ均一となり、ここでは被測定物6の光波面情報は考慮しなくて良くなる。
【0037】
従って仮想画像情報は、仮想干渉縞演算器13にて水平方向に5Pixel/Carrierで合わせ込んだCOS波状の格子情報を算出し、フレームメモリ14に書き込むことになる。このようにしてフレームメモリ14に、初期位相がπ/4 ,3 π/4 ,5 π/4 と90°ずつ異なる場合の仮想画像情報をあらかじめ書き込んでおく。
【0038】
次にデジタルローパスフィルタ19について説明する。デジタルローパスフィルタでは、あらかじめ決定したキャリア成分を除去することができればよいので、いろいろなフィルタ方式を採用することが可能である。ここでは構成が単純でかつ計算時間が短い単純移動平均によるフィルタを構成した。その様子を図3に示す。図3は、キャリア成分を5Pixel/Carrierに合わせた被測定画像情報及び仮想情報の積演算により発生したモアレ縞の様子、及びその時のフィルタリングの様子である。モアレ縞には、2.5及び5Pixel/Carrierのキャリアが発生する。例えばPという位置にある画素のデータの2.5及び5Pixel/Carrierのキャリア成分は、隣り合う合計5ピクセルのデータの平均値をとることによって、除去可能となる。
【0039】
すなわち式(6)により、簡単に計算できる。
【0040】
P’=(P−2+P−1+P+P+1+P+2)/5 …(6)
次に測定画像の取り込みについて述べる。
【0041】
コリメータレンズ5が作り出す光波面情報と被測定物6の面形状情報6aの差は干渉縞として確認できる。このように被測定物6の光波面情報を含んだ干渉縞は、被測定画像情報としてCCDカメラ10から取り込まれ、キャプチャ−ボード11によってデジタルデータに変換される。キャプチャーボード11に取り込まれた被測定画像情報及びフレームメモリ14に書き込まれた初期位相ψ=π/4の仮想画像情報は計算機上で、乗算器18aにより演算される。この演算により空間周波数の低い一種のモアレ縞と同時に水平方向に2.5及び5Pixel/Carrierのキャリアが発生することになる。したがって、デジタルローパスフィルタ19aにてキャリア成分のみカットすれば、電子モアレにより発生させた空間周波数の低い鮮明化させたモアレ縞のみモニター16で観察されることになる。 尚、CCDカメラ10で被測定画像情報を取り込み、パイプライン画像処理もしくは並列画像処理などを利用すると、鮮明化させたモアレ縞の観察をリアルタイムで実現できる。
【0042】
但し、最初に取り込んだ被測定画像情報のキャリア成分は、アライメント不足により仮想画像情報のキャリア成分と完全に一致していないため、モアレ縞には粗い何本かの縞が観察できるかも知れない。その時はモニター16を見ながら被測定物6もしくは参照平面ミラー7をアライメントステージ17を利用して動かし、なるべくヌルになるように合わせ込みを行った後、被測定画像情報を取り直してフレームメモリ20aに格納しておく。この時確認できるモアレ縞は、被測定物の光波面情報の設計値からのずれを示すことになる。
【0043】
同様にしてキャプチャーボード11で取り込まれた被測定画像情報及びフレームメモリ14に書き込まれたψ=3π/4の仮想画像情報を乗算演算し、デジタルローパスフィルター19bでキャリア成分のみカットし、フレームメモリ20bに格納しておく。尚ここでは測定画像のキャリアの合わせ込みはすでに終わっているので、被測定物6及び参照平面ミラー7を動かす必要はない。同じくキャプチャーボード11で取り込まれた被測定画像情報及びフレームメモリ14に書き込まれたψ=5π/4の仮想画像情報を乗算器18bで演算し、デジタルローパスフィルター19bでキャリア成分のみカットし、フレームメモリ20cに格納しておく。
【0044】
初期位相がそれぞれπ/4,3π/4,5π/4と90°ずつ異なる仮想画像情報を利用して発生させたモアレ縞は、初期位相がπ/4,3π/4,5π/4と90°ずつずれている。
【0045】
求めたい干渉縞の位相分布をφ(x,y) とすればそれぞれの画像は
【0046】
【数2】
Figure 0003610244
と表わされるから、
(S3−S2)/(S1−S2)=Sin φ(x,y)/Cos φ(x,y)=Tan φ(x,y) ・・・(4)
φ(x,y)=Tan−1((S3−S2)/(S1−S2)) ・・・(5)
の演算を行うことにより位相分布が計算出来る。
【0047】
(1),(2),(3) 式の演算は、それぞれ図1の乗算器18aとデジタルローパスフィルター19a,乗算器18bとデジタルローパスフィルター19b,乗算器18cとデジタルローパスフィルター19cで行い、(4) 式の演算を減算器22a,22b,除算器23で行い、(5) 式の演算をTAN−1演算器24で、その後位相つなぎ処 理器25によって3次元位相分布を得られることになる。またその2次元位相分布は、デジタル−アナログ変換後、モニタ16で表示されることになる。
【0048】
尚、デジタルローパスフィルタ19a,19b,19cにより鮮明化されたモアレ縞はそれぞれフレームメモリ20a,20b,20cに格納されるが、このとき1面分のモアレ縞を格納するのでなく、連続的に複数面のモアレ縞を取り込んでフレームメモリ20に格納し、その後、平均化処理器21a,21b,21cで平均化演算することにより、光学的ノイズ及び機械振動や空気揺らぎによるノイズの除去が可能となり、より高精度な測定を実現できることになる。
【0049】
本実施形態は、1台の計算機上でソフトによる演算処理、もしくはハード的にデジタル回路にて演算処理を実施しても良い。近年は、高速なCPUを所有する計算機、高速演算や並列処理演算専用の画像処理ボードが数多く販売されており、これらを利用すればこのようなシステムを構築することが可能である。また、ここでは3面分の乗算演算、フィルタリング、平均化処理演算を並列構成としているが、もちろん直列構成にしても演算処理が長くなる以外はなんら違いはない。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば以上のように各要素を設定することにより、被測定物の形状を高精度に測定することができるモアレ測定方法及びモアレ測定装置を達成することができる。
【0051】
このようにモアレ縞の発生及び演算処理をすべてデジタル処理するようにしたことで、アナログ処理時に問題になっていたノイズやバイアスによる演算精度の劣化がなくなり、高精度の測定を実現している。またデジタルローパスフィルタを単純な構成にしたことで、少なくとも鮮明なモアレ縞を発生、表示させるまでに高速で処理可能なモアレ測定方法及びモアレ測定装置の構築を実現させている。
【0052】
さらに測定精度を向上させるため、キャリア成分を除去し鮮明化したモアレ縞となった後で平均化処理を実施し、光学的ノイズ及び期間振動や空気揺らぎによるノイズの除去を可能としている。
【0053】
このように干渉計や縞投影などを用いて光学部品の形状や屈折率の分布を測定する際、本発明のモアレ測定方法では、容易に高速でモアレ縞のアライメントが実現できるとともに、測定誤差要因を減少させた高精度な測定を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の要部概略図
【図2】被測定物の面形状を干渉縞として検出するための干渉計構成図
【図3】本発明の実施例のモアレ縞の発生及びフィルタリング処理の一例
【図4】従来のモアレ測定装置の要部概略図
【符号の説明】
1、 レーザ
2、 ビームエキスパンダ
3、 偏光ビームスプリッタ
4a,4b、λ/4板
5、 コリメータレンズ
6、 被測定物
6a、 被測定物の光波面情報
7、 参照平面ミラー
8、 偏光板
9、 集光レンズ
10、 イメージセンサ(CCDカメラ)
11、 キャプチャーボード
12、 画像演算処理器
13、 仮想干渉縞演算器
14、 フレームメモリ
15、 DA変換器
16、 モニタ
17、 アライメントステージ
18a,18c,18c、乗算器
19a,19b,19c、デジタルローパスフィルタ
20a,20b,20c、フレームメモリ
21a,21b,21c、平均化演算器
22a,22b、減算器
23、 除算器
24、 アークタンジェント演算器
25、 位相つなぎ処理器
26a,26b、レベルクランプ
27、 バイアスオフセット
28、 仮想画像発生器
29a,29b,29c、アナログ乗算器
30a,30b,30c、アナログローパスフィルタ
31a,31b、アナログ減算器
32、 アナログ除算器
33、 アナログアークタンジェント演算器
34、 位相つなぎ処理器

Claims (2)

  1. 被測定物に形状誤差が無いと仮定した時に検出されると仮定される光波面情報にキャリア成分となる空間周波数の高いCOS波状の光波面情報を加えて仮想画像情報とし、該仮想画像情報の内、基準とするエリアにおける位相差がπ/4,3π/4,5π/4となる3面の仮想画像情報をあらかじめデジタルデータとして算出しておき、一方、該キャリア成分とほぼ一致する光波面情報を含むようにアライメントを行った被測定物の光波面情報をデジタルデータとして検出して被測定画像情報とし、該仮想画像情報と該被測定画像情報の画像間乗算演算によりモアレ縞を発生させ、移動平均法によるフィルタを利用して、該モアレ縞に含まれるキャリア成分を除去して鮮明化させ、該鮮明化させたモアレ縞を連続的にフレームメモリに一時格納し、該フレームメモリに格納された複数のモアレ縞を利用して平均化処理を施したモアレ縞を作成した後、該モアレ縞をデジタル演算処理することによって被測定物の形状誤差を2次元位相分布から求めることを特徴とするモアレ測定方法。
  2. 被測定物の光波面情報を含んだ被測定画像情報とあらかじめ算出していた仮想画像情報とからモアレ縞を発生させ、該モアレ縞を演算処理して被測定物の形状誤差を2次元位相分布から求めるモアレ測定装置において、あらかじめ被測定物に形状誤差が無いと仮定した時に検出されると仮定される光波面情報にキャリア成分となる光波面情報を加えた仮想画像情報をデジタルデータとして算出する仮想干渉縞演算手段と、被測定物の光波面情報を含んだ被測定画像情報を検出する撮像手段と、該被測定画像情報をデジタル変換し、一時的に格納する画像記憶手段と、該仮想画像情報と該被測定画像情報の画像間乗算演算を行う乗算手段と、該モアレ縞に含まれるキャリア成分を移動平均法を利用して除去して鮮明化させるデジタルフィルタ手段と、鮮明化した位相の異なる複数のモアレ縞をフレームメモリに一時格納し、該フレームメモリに格納された複数のモアレ縞を利用して平均化処理を施したモアレ縞を作成することにより位相分布を計算するデジタル演算手段と、算出された位相情報をなめらかな3次元形状としてつなぐ役割を持つ位相つなぎ手段とを有し、被測定物の形状誤差を2次元位相分布から求めることを特徴とするモアレ測定装置。
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