JP3507345B2 - モアレ測定方法及びそれを用いたモアレ測定装置 - Google Patents

モアレ測定方法及びそれを用いたモアレ測定装置

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JP3507345B2 JP30168198A JP30168198A JP3507345B2 JP 3507345 B2 JP3507345 B2 JP 3507345B2 JP 30168198 A JP30168198 A JP 30168198A JP 30168198 A JP30168198 A JP 30168198A JP 3507345 B2 JP3507345 B2 JP 3507345B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モアレ測定方法及
びそれを用いたモアレ測定装置に関し、特に、干渉計を
用いて光学部品の形状や屈折率の分布を測定する際に好
適なものである。
【0002】
【従来の技術】干渉計は光の干渉現象を利用して光の波
面形状を干渉縞のパターンとして検知するものであり、
レンズやミラー等の光学部品形状を精密に測定したり、
ガラスの屈折率分布を精密に測定する方法として、広く
工業用に使用されている。
【0003】特に、最近では干渉縞のパターンを撮像素
子の画素ごとの位相情報として数値化することにより、
非常に精密な測定が可能になっている。
【0004】干渉縞パターンの位相情報の解析手法のひ
とつとして、特開平5−306916号公報に開示され
ているようなモアレ技術を利用した方法がある。図12
に同公報で開示されているモアレ測定装置の構成例を示
す。
【0005】同図において10は干渉縞画像の入力手段
であるCCDカメラ、26a,26bはCCDカメラ1
0又は仮想画像発生器28から入力される干渉縞画像の
信号レベルを検出するレベルクランプ、27は干渉縞画
像の信号を調整するバイアスオフセット、14は位相の
異なる3面分の仮想画像情報を格納しているフレームメ
モリ、28はフレームメモリ14からのデジタルの仮想
画像情報をアナログ信号として出力する仮想画像発生
器、29a,29b,29cは2つの画像間の乗算を行
うアナログ乗算器、30a,30b,30cは画像中の
空間周波数の高いものを除去し、低いものだけを通過さ
せる特性を持つアナログローパスフィルタ(アナログL
PF)、31a,31bはアナログLPF30a,30
b,30cからの2つの画像信号間を減算演算するアナ
ログ減算器、32はアナログ減算器31a,31bから
の2つの画像信号間の除算演算するアナログ除算器、3
3は2つの画像信号間のアークタンジェント演算するア
ナログアークタンジェント演算器、34は位相データを
連続的につなぐ役割を果たす位相つなぎ処理器である。
【0006】後述する図2に示す干渉計で発生させた干
渉縞は、参照平面ミラー7もしくは被測定物6を傾ける
ことにより、故意にキャリア成分となる多数の縞(干渉
縞)を生じさせた上で、集光レンズ9を用いてCCDカ
メラ10にて撮像されて、1画面分の被測定画像情報が
抽出される。被測定画像情報は、CCDカメラ10で撮
像後、レベルクランプ26a及びバイアスオフセット2
7にて信号調整される。
【0007】一方フレームメモリ14にはあらかじめキ
ャリアとなる多数の縞の画像に相当する3面の仮想画像
情報を書き込まれている。その仮想画像情報は、基準と
するエリアにおける位相がそれぞれπ/4、3 π/4、5 π
/4で、順次読み出されて仮想画像情報発生器28にてア
ナログ信号として発生し、レベルクランプ26bによっ
て信号調整される。
【0008】被測定画像情報と仮想画像情報はそれぞれ
アナログ乗算器29a,29b,29cで画像間の乗算
演算がおこなわれる。この演算により空間周波数の低い
一種のモアレ縞が発生するが、このモアレ縞は測定画像
の縞の曲がり具合を表わしている。したがって、ローパ
スフィルタ30a,30b,30cにてキャリア成分で
ある高周波信号を除去すれば、干渉計で参照平面ミラー
7もしくは被測定物6を傾けず、粗い干渉縞を出した状
態と等価な画像が得られる。
【0009】このときフレームメモリ14に書き込まれ
た基準とするエリアにおける位相がそれぞれπ/4、3 π
/4、5 π/4ずれているために、ローパスフィルタ30
a,30b,30cを通って得られたモアレ縞も初期位
相がπ/4、3 π/4、5 π/4ずれている。
【0010】求めたいモアレ縞の位相分布をφ(x,y) と
すればそれぞれの画像は
【0011】
【数1】 と表わされるから、 (S3-S2) /(S1-S2)=Sin φ(x,y)/Cos φ(x,y)=Tan φ(x,y) …(4) φ(x,y)=Tan-1 ((S3-S2)/(S1-S2))…(5) の演算を行うことにより位相分布が計算出来る。
【0012】したがって、式(4)、式(5)の演算を
アナログ減算器31a,31b,アナログ除算器32,
アナログTan-1 演算器33で行い、各画素ごとに求めら
れた位相データは位相つなぎ処理器34で面の位相分布
として変換される。
【0013】本方式は1枚の干渉縞画像から位相分布が
求められるので、複数の撮像手段を必要とせず、また測
定中の機械振動、空気揺らぎなどに比較的強い、という
特徴をもっている。
【0014】ここでは被測定物を球面レンズを例にして
いるが、非球面量を考慮した参照格子画像を用いれば非
球面レンズのヌルテスト測定にも応用は可能である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】被測定物が非球面レン
ズの場合、干渉計の構成要素の一つで基準波面作成手段
となるコリメータレンズやCGH(計算機ホログラム)
等を非球面に対応させないと、ヌルテスト測定はできな
い。モアレを利用して非球面レンズを測定する場合も例
外ではない。そのために設計形状の異なる複数の非球面
レンズのヌルテスト測定を行うには、その種類だけの非
球面対応の基準波面作成手段が必要となる。
【0016】しかし従来例に挙げたように電子モアレ法
を利用すれば、非球面対応の基準波面作成手段が必ずし
も必須ではなくなる。例えば基準波面作成手段が球面対
応のコリメータレンズであっても、計算機上で非球面量
と基準波面との差を算出し、それにCOS波状のキャリ
ア成分を加味して作成した仮想画面情報を利用すること
で非球面ヌルテスト測定が対応可能となる。
【0017】但し先の従来例は、アナログ演算器を使っ
てモアレ縞を発生させ、キャリア成分はアナログフィル
タによって除去していた。このようなアナログ演算処理
は、高速な演算が実現できるものの、ノイズやバイアス
による演算精度の劣化、また装置構成の複雑化が懸念さ
れる。そこでデジタル演算によるフィルタリング処理と
してFFT等が考えられるが、演算精度は良いものの処
理時間が長くなり、アライメント行為が必須のヌルテス
ト測定では使い勝手が良くない場合もでてくる。
【0018】そこで本発明は、被測定物として球面およ
び非球面形状を対象としたヌルテスト測定において、モ
アレ縞の発生、フィルタリングを高速処理で実現させ、
モアレ縞のアライメント処理が簡単に行え、被測定物の
形状を高精度に測定することができるモアレ測定方法及
びそれを用いたモアレ測定装置の提供を第1の目的とす
る。
【0019】さらに、幅広い非球面形状のヌルテスト測
定に対応可能な広帯域なキャリア成分除去を実現させる
モアレ測定方法及びそれを用いたモアレ測定装置の提供
を第2の目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のモアレ
測定方法は、被測定物の光波面情報を含んだ被測定画像
情報と、形状誤差のない光波面情報とキャリア成分とを
含む仮想画像情報とから仮想的にモアレ縞を発生させ、
被測定物の光波面情報の形状誤差を2次元位相分布から
検出するモアレ測定方法において、該モアレ縞に含まれ
るキャリア成分を除去するフィルタリング方法として
該仮想画像情報に含まれるキャリア成分を基に、該モア
レ縞に含まれるキャリア成分の空間周波数帯域を仮定
し、該空間周波数帯域に有効な複数の重み定数を選出
し、その重み定数どうしの畳み込み積分を利用すること
を特徴としている。
【0021】 請求項2の発明は、請求項1の発明にお
いて前記畳み込み積分は、少なくとも1回以上の単純移
動平均法を繰り返し実行することと等価となることを特
徴としている。
【0022】 請求項3の発明のモアレ測定方法は、
測定物に形状誤差が無いと仮定した時に検出されると仮
定される光波面情報にキャリア成分となる空間周波数の
高いCOS波状の光波面情報を加えて計算機上に作成し
た仮想画像情報、及び被測定物の光波面情報を直接検出
した被測定画像情報を用いて、両画像情報間で乗算演算
によりモアレ縞を発生させ、被測定物の光波面情報の形
状誤差を2次元位相分布から検出するモアレ測定方法
おいて、該モアレ縞に含まれるキャリア成分を除去する
フィルタリング方法として、該仮想画像情報に含まれる
キャリア成分を基に、該モアレ縞に含まれるキャリア成
分の空間周波数帯域を仮定し、該空間周波数帯域に有効
な複数の重み定数を選出し、その重み定数どうしの畳み
込み積分を利用することを特徴としている。
【0023】 請求項4の発明は、請求項3の発明にお
いてあらかじめ被測定物に形状誤差が無いと仮定した時
に検出されると仮定される光波面情報を基にして、畳み
込み積分を利用したフィルタリング処理で該光波面情報
と分離可能となるキャリア成分の空間周波数帯域を決定
し、少なくとも3面の初期位相の異なるキャリア情報に
それぞれ該光波面情報を加えて、少なくとも3面の仮想
画像情報を作成することを特徴としている。請求項5の
発明は、請求項3の発明において前記発生させるモアレ
縞に含まれるキャリア成分の空間周波数帯域を仮想画像
情報に含まれるキャリア成分を基に仮定し、あらかじめ
該空間周波数帯域に有効な複数の単純移動平均法の重み
定数を選出して、該重み定数どうしを畳み込み積分する
ことで等価となる1つの重み定数を算出しておき、モア
レ縞のキャリア成分除去方法として畳み込み積分を利用
することを特徴としている。
【0024】 請求項6の発明のモアレ測定装置は、被
測定物の光波面情報を含んだ被測定画像情報とキャリア
成分を含む仮想画像情報とからモアレ縞を発生させ、被
測定物の光波面情報の形状誤差を2次元位相分布から検
出するモアレ測定装置において、該モアレ縞に含まれる
キャリア成分を除去するフィルタリング方法として、
仮想画像情報に含まれるキャリア成分を基に、該モアレ
縞に含まれる該キャリア成分の空間周波数帯域を仮定
し、該空間周波数帯域に有効な複数の重み定数を選出
し、その重み定数どうしの畳み込み積分を利用する畳み
込み積分器を有することを特徴としている。
【0025】 請求項7の発明のモアレ測定装置は、
測定物に形状誤差が無いと仮定した時に検出されると仮
定される光波面情報にキャリア成分となる空間周波数の
高いCOS波状の光波面情報を加えて計算機上に作成し
た仮想画像情報、及び干渉計により被測定物の光波面情
報を検出した被測定画像情報を用いて、両画像情報間の
乗算演算によりモアレ縞を発生させ、被測定物の光波面
情報の形状誤差を2次元位相分布から検出するモアレ測
定装置において、被測定物に形状誤差が無いと仮定した
時に検出されると仮定される光波面情報及び該光波面情
報と分離可能な空間周波数の高いCOS波状のキャリア
情報を算出し、該光波面情報と該キャリア情報とから仮
想画面情報を作成する仮想干渉縞演算手段、発生させた
モアレ縞のキャリア成分を、該仮想画像情報に含まれる
キャリア成分を基に、該モアレ縞に含まれる該キャリア
成分の空間周波数帯域を仮定し、該空間周波数帯域に有
効な複数の重み定数を選出し、その重み定数どうしの畳
み込み積分により除去して鮮明化させるフィルタ機能の
役割を持つ畳み込み積分手段、発生させたモアレ縞に含
まれるキャリア成分の空間周波数帯域を仮想画像情報に
含まれるキャリア成分を基に仮定し、あらかじめ該空間
周波数帯域に有効な複数の単純移動平均法の重み定数を
選出して、該重み定数どうしを畳み込み積分することで
等価となる1つの重み定数を算出する重み定数算出手段
を有し、該畳み込み積分手段は重み定数算出手段を利用
していることを特徴としている。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態1の要部
構成図である。本実施形態例が図12に示した従来の測
定装置と大きく異なる点は、 ・被測定物6の光波面情報6aを被測定画像情報として
イメージセンサ(CCDカメラ10)で取り込み、その
出力をキャプチャーボード11にてデジタル変換してい
る点、 ・仮想干渉縞演算器13で得られる仮想画像情報と干渉
計で得られる被測定画像情報は計算機上で乗算器18に
よってデジタル的に演算処理している点、 ・モアレ縞のキャリア成分除去方法として畳み込み積分
器19を利用している点、 ・畳み込み積分に利用する重み定数は、仮想画像情報に
含まれるキャリア成分を基に仮定し、その空間周波数帯
域に有効な複数の単純移動平均法の重み定数を重み定数
設定器20で選出して、その重み定数どうしを畳み込み
積分して等価となる1つの重み定数をあらかじめ算出し
ており、被測定物の光波面形状に合わせた最適なフィル
タリング処理を行う点、 ・フィルタリングにより鮮明化処理を施したモアレ縞を
フレームレートでモニタ出力し、モアレ縞のアライメン
トを可能にしている点、である。
【0027】特に、本実施形態は仮想干渉縞演算器13
で被測定物6に形状誤差が無いと仮定した時に検出され
ると仮定される光波面情報6aにキャリア成分となる空
間周波数の高いCOS波状の光波面情報を加えて計算機
上に作成した仮想画像情報と、干渉計で被測定物6の光
波面情報を直接検出した被測定画像情報とから乗算器1
8でモアレ縞を発生させ、被測定物の光波面情報の形状
誤差を2次元位相分布から検出するモアレ測定方法にお
いて、被測定物に形状誤差が無いと仮定した時に検出さ
れると仮定される光波面情報、及びその光波面情報と十
分分離可能な空間周波数の高いCOS波状のキャリア情
報を算出し、光波面情報とキャリア情報とから仮想画面
情報を作成する仮想干渉縞演算手段13、発生したモア
レ縞のキャリア成分を除去してモアレ縞を鮮明化させる
フィルタ機能を持つ畳み込み積分手段19、発生させた
モアレ縞に含まれるキャリア成分の空間周波数帯域を仮
想画像情報に含まれるキャリア成分を基に仮定し、あら
かじめ該空間周波数帯域に有効な複数の単純移動平均法
の重み定数を選出して、該重み定数どうしを畳み込み積
分して等価となる1つの重み定数を算出する重み定数算
出手段20を有することを特徴としている。
【0028】被測定物が非球面レンズの場合、発生した
モアレ縞のキャリア成分は2次元的に空間周波数が異な
る分布を持つことになる。したがってモアレ縞の内、空
間周波数に帯域幅のあるキャリア成分を除去するフィル
タリング処理が求められる。
【0029】そこで本実施形態は、発生させたモアレ縞
に含まれるキャリア成分の空間周波数帯域を仮想画像情
報に含まれるキャリア成分を基に仮定し、その空間周波
数帯域に有効な複数の単純移動平均法の重み定数を選出
して、その重み定数どうしを畳み込み積分して等価とな
る1つの重み定数をあらかじめ算出するようにしてい
る。これにより空間周波数に帯域幅のあるキャリア成分
もその重み定数を使った畳み込み積分によりモアレ縞か
ら除去可能となる。またフィルタリングに畳み込み積分
を使用することで処理時間を短縮でき、モアレ縞のキャ
リア除去がフレームレートで実現できるようになる。
【0030】このように、本実施形態によれば、コリメ
ータレンズ等の基準波面作成手段が非球面形状に対応し
ていなくても、幅広い非球面形状に対応した高精度ヌル
テスト測定のフィルタリング処理が可能になるととも
に、モアレ縞の発生、フィルタリング処理をフレームレ
ート(1/30秒)の高速で実現させ、電子モアレ法に
おけるモアレ縞のアライメント処理が簡単に行えるよう
にしている。
【0031】次に、本実施形態の構成を図12の説明と
一部重複するが説明する。
【0032】図1において、10は干渉縞画像の入力手
段であるCCDカメラ、11はCCDカメラ10が取り
込む干渉縞画像のアナログ出力をデジタル信号の被測定
画像情報として取り込むキャプチャーボード、12は画
像演算処理器である。13は被測定物に形状誤差が無い
と仮定した時に検出されると仮定される光波面情報にキ
ャリア成分となる空間周波数の高いCOS波状の光波面
情報を加えた仮想画像情報を作成する仮想干渉縞演算
器、14は仮想画像情報が格納されているフレームメモ
リ、18はキャプチャーボード11からの被測定画像情
報とフレームメモリ18からの仮想画像情報の画像間で
デジタル的に乗算演算を実施し、モアレ縞を発生させる
乗算器、19は畳み込み積分器であり、後述する重み定
数設定器20で作成された重み定数を受け取り、乗算器
18で発生させたモアレ縞との畳み込み積分を実施して
モアレ縞のキャリア成分となる空間周波数の高い成分を
除去し、鮮明化させる役割を担っている。
【0033】20は重み定数設定器であり、発生させた
モアレ縞に含まれるキャリア成分の空間周波数帯域を仮
想画像情報に含まれるキャリア成分を基に仮定し、あら
かじめ該空間周波数帯域に有効な複数の単純移動平均法
の重み定数を算出する役割を持つ。21は鮮明化したモ
アレ縞を一時的に格納するフレームメモリ、22a,2
2bは2つのモアレ縞の画像間でデジタル的に減算演算
を実施する減算器、23は減算器22a,22bからの
2つのモアレ縞の画像間でデジタル的に除算演算を実施
する除算器、24はアークタンジェント演算をデジタル
的に実施するアークタンジェント演算器、25は位相デ
ータを連続的につなぐ役割を果たす位相つなぎ処理器、
15はデジタル−アナログの信号変換を行うDA変換
器、16はモニタであり、DA変換器15からの電子モ
アレのアライメント画像及び位相つなぎ後の3次元位相
分布の出力を表示する。CCDカメラ10、キャプチャ
ーボード11、仮想干渉縞演算器13、フレームメモリ
14、DA変換器15、モニタ16は後述する図2に示
すものと同一である。
【0034】尚、ここではアナログ処理系はCCDカメ
ラ10及びキャプチャーボード11の入力部及びDA変
換器15の出力部とモニタ16である。本実施形態で
は、デジタル演算部を1台の計算機上に構成している。
【0035】図2は本実施形態で用いる干渉縞の発生に
使用する干渉装置の要部概略図である。図2では、図1
で表した演算処理の様子を画像演算処理器12として、
簡単に表示している。
【0036】図2に於いて、1は光源であり可干渉性の
光束を放射するレーザより成っている。2はビームエキ
スパンダで、入射する光束径を拡大させて射出してい
る。3は入射光束の偏光状態に応じて反射または透過さ
せる偏光ビームスプリッタ、4a,4bは直線偏光と円
偏光の変換を行っているλ/4板、5は入射光束を集光
し後述する被測定物6に入射させるコリメータレンズ、
6は被測定物となる凹面を有する非球面レンズであり、
ここでは凹面形状の光波面情報6aを計測している。7
は参照平面ミラーであり、ここでは参照光波が作り出さ
れる。8は45゜方位の偏光板であり、直交する2つの
直線偏光成分を持つ光波のうち、特定の偏光成分を抽出
し干渉させるものである。9は集光レンズであり、干渉
光波をCCDカメラ10に取りこませる役割を行ってい
る。16はCCDカメラ10で取り込んだ干渉縞画像を
演算処理し、アライメント用及び2次元位相分布用とし
て表示するモニターである。
【0037】まず干渉縞の発生方法と検出方法について
説明する。
【0038】図2に示すレーザ1から出射した光束はビ
ームエキスパンダ2で光束を拡大された後、偏光ビーム
スプリッタ3で反射光波と透過光波に分けられる。一方
の反射光波はλ/4板4aを通ることで直線偏光から円
偏光へ変わり、基準となる球面波を作り出すコリメータ
レンズ5を介して被測定物6へ入射し、測定光波となっ
て反射する。この測定光波は、被測定物6の面形状情報
6aを持つ。反射した測定光波は元の光路を戻り、再び
通るλ/4板4aで往きと比べて90゜回転した直線偏
光となって、偏光ビームスプリッタ3で今度は透過する
ことになる。他方の透過光波は、λ/4板4bを通って
直線偏光から円偏光へ変って参照平面ミラー7に入射
し、参照光波となって反射する。反射した参照光波は、
再び通るλ/4板4bで往きと比べて90゜回転した直
線偏光となり、偏光ビームスプリッタ3で今度は反射す
ることになる。偏光ビームスプリッタ3で測定光波と参
照光波が重なり合い、45゜方位の偏光板8を通ること
で干渉光波となる。この干渉光波は集光レンズ9を介し
てCCDカメラ10で撮像され、被測定画像情報とな
る。この後、演算処理され最終的にはモニタ16で鮮明
化したモアレ縞の様子を観察している。
【0039】次に仮想干渉縞演算器13による仮想画像
情報の作成方法について述べる。
【0040】モアレ測定では、被測定物の光波面情報を
考慮してキャリアの空間周波数を決定する必要がある。
キャリアの空間周波数は、被測定物の光波面情報の空間
周波数と十分かけ離れていないとフィルタリングでキャ
リア成分を除去できなくなったり、また逆に被測定物の
光波面情報の一部まで除去してしまうことになる。キャ
リアの空間周波数は、少なくとも光波面形状より高い空
間周波数に設定する必要がある。キャリアの空間周波数
をどのくらいにするかは被測定物に誤差形状がないと仮
定したときの被測定物の光画像情報及び使用するフィル
タの周波数特性を考慮して決定すればよい。
【0041】本実施形態では被測定物が非球面レンズで
あり、被測定物に形状誤差が無いと仮定した時に検出さ
れると仮定される光波面情報が図3に示すように多数の
干渉縞模様として観察される場合を例にして説明する。
【0042】ここでは光波面情報を示す干渉縞模様の
内、水平方向で最も空間周波数の高い場所は、CCDの
水平方向の20画素で干渉縞1本分(20pixel/
carrier)変化しているとする。したがって空間
周波数20pixel/carrierの光波面情報を
含んでいることになる。そこでキャリア空間周波数は、
より空間周波数の高い5pixel/carrierと
した(実際のキャリア空間周波数はもっと密に図示すべ
きところであるが、ここでは縞として識別できる程度に
粗く図示している)。仮想干渉縞演算器13(ここでは
一台の計算機がデジタル演算部の役割をすべて担ってい
るが)において、CCDの水平方向5画素で干渉縞1本
分(5pixel/carrier)変化するCOS波
状のキャリア成分に、図3に示したような被測定物に形
状誤差が無いと仮定した時に検出されると仮定される光
波面情報を加味して仮想画像情報を作成する。尚、キャ
リア成分をCOS波状にするのは、干渉計の参照平面ミ
ラーを傾けて多数の干渉縞を発生させた時、CCDカメ
ラ10で撮影して得られる出力信号はCOS波状になる
ためである。
【0043】仮想干渉縞演算器13で算出された仮想画
像情報は被測定物が非球面形状であるため、キャリア成
分の空間周波数は次のような帯域幅を持っている。
【0044】ここでCCD画素間隔の空間周波数を2f
と表すと、光波面情報を示す干渉縞の内、最も空間周波
数が高い成分は、20pixel/carrier す
なわち 0.1f と表せる。キャリア成分は、5pix
el/carrier すなわち 0.4f と表せる。
したがって、仮想画像情報のキャリア成分の空間周波数
は、0.4f±0.1f = 0.3f〜0.5f と表
せる。
【0045】尚、本実施形態は位相測定として公知技術
であるバケット法を利用するため、少なくともキャリア
成分の初期位相がπ/4、3 π/4、5 π/4と90°ずつ異
なる3面の仮想画像情報をあらかじめ算出し、フレーム
メモリ14にそれぞれ書き込んでおく。
【0046】次に、測定画像の取り込みについて述べ
る。
【0047】コリメータレンズ5が作り出す光波面情報
と被測定物6の面形状情報6aの差は干渉縞として確認
できる。このように被測定物6の光波面情報を含んだ干
渉縞は、被測定画像情報としてCCDカメラ10から取
り込まれ、キャプチャ−ボード11によってデジタルデ
ータに変換される。キャプチャーボード11に取り込ま
れた被測定画像情報及びフレームメモリ14に書き込ま
れた初期位相ψ=π/4の仮想画像情報は計算機上で乗
算器18で乗算演算される。この演算により被測定物の
誤差形状を意味する空間周波数の低い一種のモアレ縞と
空間周波数の高いキャリアが発生することになる。
【0048】したがって、フィルタリング機能となる畳
み込み積分器19にてキャリア成分のみカットすれば、
電子モアレにより発生させた空間周波数の低い鮮明化さ
せたモアレ縞が得られることになる。尚、後述するよう
に畳み込み積分を利用してフィルタリングを行うとフレ
ームレート(1/30秒)でのモアレ縞のフィルタリン
グが可能となる。
【0049】但し、最初に取り込んだ被測定画像情報の
キャリア成分は、アライメント不足により仮想画像情報
のキャリア成分と完全に一致していないため、モアレ縞
には粗い何本かの縞が観察できるかも知れない。その時
はモニタ16を見ながら被測定物6もしくは参照平面ミ
ラー7をアライメントステージ17を利用して動かし、
なるべくヌルになるように合わせ込みを行った後、被測
定画像情報を取り直してフレームメモリ21に格納し直
せばよい。この時確認できるモアレ縞は、被測定物の光
波面情報の設計値からのずれを示すことになる。
【0050】先に述べたように本実施形態は被測定物が
非球面形状であり、被測定画像情報及び仮想画像情報に
含まれるキャリア成分の空間周波数は、それぞれ0.3
f〜0.5fとなる。
【0051】空間周波数が0.3f〜0.5fとなる被
測定画像情報及び仮想画像情報において、画像間乗算演
算を行ってモアレ縞を発生させると、新たに0.6f〜
fの空間周波数のキャリア成分が生成する。
【0052】したがってモアレ縞に含まれるキャリア成
分の空間周波数は、0.3f〜f すなわち 2〜6.6
pixel/carrier となる。
【0053】次にフィルタリングについて説明する。フ
ィルタでは既知のキャリア成分の空間周波数を除去すれ
ばよいため、いろいろなフィルタ方式を採用することが
可能である。ここでは構成が単純でかつ計算時間が短い
単純移動平均を利用したフィルタの特性を図7〜図9に
示した。図中の横軸は空間周波数を表し、サンプリング
空間周波数すなわちCCDの画素ピッチ2fを基準にし
て表示している。
【0054】図7は、空間周波数0.66fすなわちキ
ャリアピッチが3pixel/carrierの時に有
効な単純移動平均フィルタであり、CCDの隣り合う3
画素の平均から簡単に算出できるフィルタである。図4
に示すようにキャリア除去前の隣り合うCCD3画素分
のデータをそれぞれP-1,P,P+1とし、データPのキ
ャリア除去後のデータをP’とした時、キャリア成分の
除去の除去は式(6)によって行われる。
【0055】 P’=(P-1+ P+ P+1)/3 …(6) 例えば光波面情報となる空間周波数が0.1f近傍、キ
ャリア成分の空間周波数が0.66fの場合、この単純
移動平均フィルタを利用すると光波面情報に対してキャ
リア成分は1/1000程度(−60dB)に減衰で
き、光波面情報に影響せず、効果的なキャリア除去が実
行できる。
【0056】図8はCCDの隣り合う6画素の単純移動
平均によりキャリア成分を除去するもので式(7)によ
って計算できる。
【0057】 P’=(P-3+ P-2+ P-1+ P+ P+1+ P+2)/6 …(7) 空間周波数0.33fの他に、空間周波数0.66f,
fのキャリア成分除去に有効なことが確認できる。この
ように単純移動平均フィルタは、基準となる空間周波数
及びその整数倍の空間周波数のフィルタリングに有効で
ある。
【0058】同様に図9はCCDの隣り合う5画素の平
均によりキャリア成分を除去するもの、図10はCCD
の隣り合う4画素の平均によりキャリア成分を除去する
もので、それぞれ式(8)式(9)で計算できる。
【0059】 P’=(P-2+ P-1+ P+ P+1+ P+2)/5 …(8) P’=(P-2+ P-1+ P+ P+1)/4 …(9) 図9からCCDの隣り合う5画素の単純移動平均による
フィルタは、空間周波数0.4f及び0.8fのキャリ
ア除去に、図10からCCDの隣り合う4画素の単純移
動平均によるフィルタは、0.5f及びfのキャリア成
分の除去に有効なことが確認できる。
【0060】このように単純移動平均によるフィルタ
は、簡単な計算によって狭帯域の空間周波数成分を除去
可能なフィルタ機能を有するが、今回のように広帯域に
及ぶ場合、効果的なキャリア除去は行えない。
【0061】そこで本実施例では、特性の異なる複数の
単純移動平均フィルタを繰り返し実行することで、広帯
域のキャリア除去に対応させている。
【0062】すなわち、モアレ縞の内、キャリア成分と
なる空間周波数0.3f〜fの成分を除去させるため、
式(7)、式(8)、式(9)の演算を繰り返し行えば
良い。ここでは式を簡略化するため、畳み込み積分の演
算を行う。
【0063】式(7)、式(8)、式(9)を畳み込み
積分に使用する重み定数としてそれぞれ表すと、次のよ
うになる。
【0064】 w1(x) = [1 1 1 1 1 1] w2(x) = [1 1 1 1 1] w3(x) = [1 1 1 1] ただし重み定数はあらかじめ式(10)のように計算し
ておくことで、繰り替えし3回のフィルタリングを行う
必要がなくなる。
【0065】 w(x) = w1(x) * w2(x) * w3(x) = [1 3 6 10 14 17 18 17 14 10 6 3 1] …(10) モアレ縞画像データf(x,y)、キャリア除去後の画
像データg(x,y)とすると、 g(x,y)=f(x,y)*w(x) …(11) また式(10)及び式(11)は次のように表現するこ
ともできる。
【0066】 g(x,y)= 1×f(x-6,y)+ 3 ×f(x-5,y)+ 6 ×f(x-4,y)+10 ×f(x-3,y) +14×f(x-2,y)+ 17×f(x-1,y)+ 18×f(x,y)+ 17×f(x+1,y) +14×f(x+2,y)+ 10×f(x+3,y)+ 6 ×f(x+4,y)+ 3 ×f(x+5,y) + 1×f(x+6,y) …(12) この時のフィルタ特性を図11に示す。
【0067】図11から、光波面情報を表す空間周波数
0.1fの成分に対し、キャリアとなる空間周波数0.
3f〜fの成分は1/30〜1/300(−30〜−5
0dB)となり、モアレ縞のキャリア成分を効果的に除
去可能であることが分かる。
【0068】尚、このような畳み込み積分の演算処理
は、高速な計算機による演算処理もしくはハードウエア
として市販されているパイプライン画像処理もしくは並
列画像処理などを利用すると、フレームレート(1/3
0秒)でモアレ縞のキャリア除去およびその画像をモニ
タ表示することが可能となる。
【0069】以上がモアレ縞の発生、及びフィルタリン
グ、モアレ縞のアライメント方法の説明である。
【0070】今までは被測定画像情報及びフレームメモ
リ14に書き込まれたψ=π/4の仮想画像情報からモ
アレ縞を発生させたが、次に仮想画像情報の初期位相を
変えてモアレ縞を発生させる様子を説明する。
【0071】先ほどと同様にして、キャプチャーボード
11で取り込まれた被測定画像情報及びフレームメモリ
14に書き込まれたψ=3π/4の仮想画像情報を乗算
演算し、畳み込み積分器19でキャリア成分のみカット
し、フレームメモリ21に格納しておく。尚ここでは測
定画像のキャリアの合わせ込みはすでに終わっているの
で、被測定物6及び参照平面ミラー7を動かす必要はな
い。同じくキャプチャーボード11で取り込まれた被測
定画像情報及びフレームメモリ13に書き込まれたのψ
=5π/4の仮想画像情報を乗算演算し、畳み込み積分
器19でキャリア成分のみカットし、フレームメモリ2
1に格納しておく。
【0072】初期位相がそれぞれπ/4,3π/4,5
π/4と90°ずつ異なる仮想画像情報を利用して発生
させたモアレ縞は、初期位相がπ/4,3π/4,5π
/4と90°ずつずれている。
【0073】求めたい干渉縞の位相分布をφ(x,y) とす
ればそれぞれの画像は
【0074】
【数2】 と表わされるから、 (S3-S2) /(S1-S2) = Sin φ(x,y)/Cos φ(x,y) = Tan φ(x,y) …(4) φ(x,y) = Tan-1((S3-S2)/(S1-S2)) …(5) の演算を行うことにより位相分布が計算出来る。
【0075】式(1)、式(2)、式(3)の演算は、
それぞれ図1の乗算器18と畳み込み積分器19で行
い、式(4)の演算を減算器22a,22b,除算器2
3で行い、式(5)の演算をTan-1演算器24で、そ
の後位相つなぎ処理器25によって3次元位相分布を得
られることになる。尚、この2次元位相分布はCCDカ
メラ10で検出した被測定物の光波面情報と被測定物に
形状誤差が無いと仮定した時に検出されると仮定される
光波面情報とのずれを表していることになる。またその
2次元位相分布は、デジタル−アナログ変換後、モニタ
16にて観察することが可能である。
【0076】このように本実施形態は被測定物として非
球面形状を対象としたときに、被測定物の光波面情報に
合わせてキャリア成分の設定、フィルタリング機能とな
る畳み込み積分の重み定数を設定することで、幅広い非
球面形状に対応した高精度ヌルテスト測定のフィルタリ
ング処理が可能となる。またモアレ縞の発生、フィルタ
リング処理をフレームレート(1/30秒)の高速で実
現させ、モアレ縞のアライメント処理が簡単に行えるモ
アレ測定方法及びそれを用いた装置を提供している。
【0077】本実施形態のシステムは、高速なCPUを
所有する計算機、市販されている高速演算や並列処理演
算専用の画像処理ボード等を用いれば簡単に構築するこ
とが可能である。また、ここでは3面分の乗算演算、フ
ィルタリング、平均化処理演算を並列構成としている
が、もちろん直列構成にしても演算処理が長くなる以外
はなんら違いはない。
【0078】また縞投影や計算機ホログラムによるモア
レ測定についても畳み込み積分を利用したフィルタリン
グを行うと、フレームレートでのモアレ縞のキャリア成
分除去が可能となり、より高精度で使い勝手の良いモア
レ測定を実現できることになる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば以上のように各要素を設
定することにより、被測定物として非球面形状の測定が
容易で、幅広い非球面形状に対応した高精度ヌルテスト
測定のフィルタリング処理を可能とするとともに、モア
レ縞の発生、フィルタリング処理を高速で実現させ、電
子モアレ法におけるモアレ縞のアライメント処理が簡単
に行え、被測定物の形状を高精度に測定することができ
るモアレ測定方法及びそれを用いたモアレ測定装置を達
成することができる。
【0080】又、本発明は、発生させたモアレ縞に含ま
れるキャリア成分の空間周波数帯域を仮想画像情報に含
まれるキャリア成分を基に仮定し、その空間周波数帯域
に有効な複数の単純移動平均法の重み定数を選出して、
その重み定数どうしを畳み込み積分して等価となる1つ
の重み定数をあらかじめ算出するようにしている。一般
に、非球面レンズを電子モアレ法によりヌルテスト測定
を行う場合、発生したモアレ縞のキャリア成分は2次元
的に空間周波数が異なる分布を持つことになる。したが
ってモアレ縞の内、空間周波数に帯域幅のあるキャリア
成分を除去するフィルタリング処理が求められるが、上
述構成により空間周波数に帯域幅のあるキャリア成分も
その重み定数を使った畳み込み積分によりモアレ縞から
除去可能となる。またフィルタリングに畳み込み積分を
使用することで処理時間を短縮でき、モアレ縞のキャリ
ア除去がフレームレートで実現できるようになる。
【0081】このように、本発明を利用すればコリメー
タレンズ等の基準波面作成手段が非球面形状に対応して
いなくても、幅広い非球面形状に対応した高精度ヌルテ
スト測定のフィルタリング処理が可能になるとともに、
モアレ縞の発生、フィルタリング処理を高速で実現さ
せ、電子モアレ法におけるモアレ縞のアライメント処理
が簡単に行えるようになる。
【0082】また縞投影や計算機ホログラムによるモア
レ測定についても畳み込み積分を利用したフィルタリン
グを行うと、フレームレートでのモアレ縞のキャリア成
分除去が可能となり、より高精度で使い勝手の良いモア
レ測定を実現できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の要部概略図
【図2】 被測定物の光波面形状を検出するための干渉
計構成図
【図3】 仮想画像情報の作成の様子を示した図
【図4】 被測定物を非球面形状とした時のモアレ縞の
発生の様子を示した図
【図5】 キャリア成分を除去し、鮮明化させたモアレ
縞を示した図
【図6】 畳み込み積分で使用する重み定数の算出方法
を示したフローチャート図
【図7】 隣り合うCCD3画素分の単純移動平均法を
利用したフィルタ特性を示した図
【図8】 隣り合うCCD6画素分の単純移動平均法を
利用したフィルタ特性を示した図
【図9】 隣り合うCCD5画素分の単純移動平均法を
利用したフィルタ特性を示した図
【図10】 隣り合うCCD4画素分の単純移動平均法
を利用したフィルタ特性を示した図
【図11】 隣り合うCCD4画素分の単純移動平均法
及び5画素分の単純移動平均法及び6画素分の単純移動
平均法を混合させたときのフィルタ特性を示した図
【図12】 従来例のモアレ測定装置の要部概略図
【符号の説明】
1、 レーザ 2、 ビームエキスパンダ 3、 偏光ビームスプリッタ 4a,4b、 λ/4板 5、 コリメータレンズ 6、 被測定物(非球面レンズ) 6a、 被測定物の光波面情報 7、 参照平面ミラー 8、 偏光板 9、 集光レンズ 10、 イメージセンサ(CCDカメラ) 11、 キャプチャーボード 12、 画像演算処理器 13、 仮想干渉縞演算器 14、 フレームメモリ 15、 DA変換器 16、 モニタ 17、 アライメントステージ 18、 乗算器 19、 畳み込み積分器 20、 重み関数設定器 21、 フレームメモリ 22a,22b、減算器 23、 除算器 24、 アークタンジェント演算器 25、 位相つなぎ処理器 26a,26b、レベルクランプ 27、 バイアスオフセット 28、 仮想画像発生器 29a,29b,29c、アナログ乗算器 30a,30b,30c、アナログローパスフィルタ 31a,31b、アナログ減算器 32、 アナログ除算器 33、 アナログアークタンジェント演算器 34、 位相つなぎ処理器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30 G06T 1/00 H03H 17/00 A61B 6/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物の光波面情報を含んだ被測定画
    像情報と、形状誤差のない光波面情報とキャリア成分と
    を含む仮想画像情報とから仮想的にモアレ縞を発生さ
    せ、被測定物の光波面情報の形状誤差を2次元位相分布
    から検出するモアレ測定方法において、該モアレ縞に含
    まれるキャリア成分を除去するフィルタリング方法とし
    て、該仮想画像情報に含まれるキャリア成分を基に、該
    モアレ縞に含まれるキャリア成分の空間周波数帯域を仮
    定し、該空間周波数帯域に有効な複数の重み定数を選出
    し、その重み定数どうしの畳み込み積分を利用すること
    を特徴とするモアレ測定方法。
  2. 【請求項2】 前記畳み込み積分は、少なくとも1回以
    上の単純移動平均法を繰り返し実行することと等価とな
    ることを特徴とする請求項1記載のモアレ測定方法。
  3. 【請求項3】 被測定物に形状誤差が無いと仮定した時
    に検出されると仮定される光波面情報にキャリア成分と
    なる空間周波数の高いCOS波状の光波面情報を加えて
    計算機上に作成した仮想画像情報、及び被測定物の光波
    面情報を直接検出した被測定画像情報を用いて、両画像
    情報間で乗算演算によりモアレ縞を発生させ、被測定物
    の光波面情報の形状誤差を2次元位相分布から検出する
    モアレ測定方法において、該モアレ縞に含まれるキャリ
    ア成分を除去するフィルタリング方法として、該仮想画
    像情報に含まれるキャリア成分を基に、該モアレ縞に含
    まれるキャリア成分の空間周波数帯域を仮定し、該空間
    周波数帯域に有効な複数の重み定数を選出し、その重み
    定数どうしの畳み込み積分を利用することを特徴とする
    モアレ測定方法。
  4. 【請求項4】 あらかじめ被測定物に形状誤差が無いと
    仮定した時に検出されると仮定される光波面情報を基に
    して、畳み込み積分を利用したフィルタリング処理で該
    光波面情報と分離可能となるキャリア成分の空間周波数
    帯域を決定し、少なくとも3面の初期位相の異なるキャ
    リア情報にそれぞれ該光波面情報を加えて、少なくとも
    3面の仮想画像情報を作成することを特徴とする請求項
    3記載のモアレ測定方法。
  5. 【請求項5】 前記発生させるモアレ縞に含まれるキャ
    リア成分の空間周波数帯域を仮想画像情報に含まれるキ
    ャリア成分を基に仮定し、あらかじめ該空間周波数帯域
    に有効な複数の単純移動平均法の重み定数を選出して、
    該重み定数どうしを畳み込み積分することで等価となる
    1つの重み定数を算出しておき、モアレ縞のキャリア成
    分除去方法として畳み込み積分を利用することを特徴と
    する請求項3記載のモアレ測定方法。
  6. 【請求項6】 被測定物の光波面情報を含んだ被測定画
    像情報とキャリア成分を含む仮想画像情報とからモアレ
    縞を発生させ、被測定物の光波面情報の形状誤差を2次
    元位相分布から検出するモアレ測定装置において、該モ
    アレ縞に含まれるキャリア成分を除去するフィルタリン
    グ方法として、該仮想画像情報に含まれるキャリア成分
    を基に、該モアレ縞に含まれる該キャリア成分の空間周
    波数帯域を仮定し、該空間周波数帯域に有効な複数の重
    み定数を選出し、その重み定数どうしの畳み込み積分を
    利用する畳み込み積分器を有することを特徴とするモア
    レ測定装置。
  7. 【請求項7】 被測定物に形状誤差が無いと仮定した時
    に検出されると仮定される光波面情報にキャリア成分と
    なる空間周波数の高いCOS波状の光波面情報を加えて
    計算機上に作成した仮想画像情報、及び干渉計により被
    測定物の光波面情報を検出した被測定画像情報を用い
    て、両画像情報間の乗算演算によりモアレ縞を発生さ
    せ、被測定物の光波面情報の形状誤差を2次元位相分布
    から検出するモアレ測定装置において、被測定物に形状
    誤差が無いと仮定した時に検出されると仮定される光波
    面情報及び該光波面情報と分離可能な空間周波数の高い
    COS波状のキャリア情報を算出し、該光波面情報と該
    キャリア情報とから仮想画面情報を作成する仮想干渉縞
    演算手段、発生させたモアレ縞のキャリア成分を、該仮
    想画像情報に含まれるキャリア成分を基に、該モアレ縞
    に含まれる該キャリア成分の空間周波数帯域を仮定し、
    該空間周波数帯域に有効な複数の重み定数を選出し、そ
    の重み定数どうしの畳み込み積分により除去して鮮明化
    させるフィルタ機能の役割を持つ畳み込み積分手段、発
    生させたモアレ縞に含まれるキャリア成分の空間周波数
    帯域を仮想画像情報に含まれるキャリア成分を基に仮定
    し、あらかじめ該空間周波数帯域に有効な複数の単純移
    動平均法の重み定数を選出して、該重み定数どうしを畳
    み込み積分することで等価となる1つの重み定数を算出
    する重み定数算出手段を有し、該畳み込み積分手段は重
    み定数算出手段を利用していることを特徴とするモアレ
    測定装置。
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