JP3478685B2 - 位相分布測定方法およびそれを用いた位相分布測定装置 - Google Patents

位相分布測定方法およびそれを用いた位相分布測定装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は位相分布測定方法お
よびそれを用いた位相分布測定装置に関し、特に干渉計
を用いて光学部品の形状や屈折率の分布を測定する際に
好適なものである。
【0002】
【従来の技術】干渉計は光の干渉現象を利用して光の波
面形状を干渉縞のパターンとして検知するものであり、
レンズやミラー等の光学部品形状を精密に測定したり、
ガラスの屈折率分布を精密に測定する方法として、広く
工業用に使用されている。
【0003】図7 は一般に広く用いられるフィゾー型干
渉計の概略図である。同図において101 は光源であり、
レーザーを用いて可干渉性の高い光を放射する。102 は
集光レンズ、103 は偏光方位により透過光と反射光を分
離する偏光ビームスプリッタ、104 は直線偏光を円偏光
に変換するλ/4板、105 は発散光束を平行光束に変換す
るコリメータレンズ、106 は集光レンズ、107 はTransm
ission Sphere と呼ばれる参照面(以降TS面と略す)、
108 は被測定物、108aは被測定面、109 は結像レンズで
ある。1 は画像検出手段であり、例えば電荷結合素子(C
CD) を2 次元撮像デバイスとするCCD カメラを用いる。
【0004】フィゾー型干渉計の作用を説明する。同図
において、光源101 から射出する紙面に平行な直線偏光
のレーザー光は、集光レンズ102 により一旦集光したの
ち発散光束となり、偏光ビームスプリッタ103 に入射す
る。この光束は紙面に平行な直線偏光であるため偏光ビ
ームスプリッタ103 をそのまま透過し、λ/4板104 で円
偏光に変換された後、コリメータレンズ105 にて口径の
大きな平行光束に変換される。この光束は、集光レンズ
106 で収束光束となり、光の波面と面形状が極めてよく
一致するように作られたTS面107 を透過して被測定物10
8 に向かう。
【0005】ところが、TS面107 は意図的に反射防止膜
をコートしておらず、入射光の3〜5%程度の光を反射
し、参照光としてたどってきた光路を元へ戻る。一方被
測定物108 に向かった光はやはり光の波面形状と概略一
致する被測定面108aで正反射され、被測定光としてたど
ってきた光路を元へ戻る。
【0006】参照光、被測定光の2 つの光は再びλ/4板
104 に戻り円偏光が直線偏光に変換されるが、最初の偏
光方位とは90゜偏光方位が回転している。従って偏光ビ
ームスプリッタ103 に戻った光は、今度は反射され、結
像レンズ109 を通って、CCDカメラ1 で検出される。
【0007】このとき、参照光、被測定光の2 つの光の
波面がほぼ一致した関係にあると干渉縞が観測される。
干渉縞は2 つの光波面の差を光の波長を間隔とする等高
線で表すものであるから、TS面107 が十分高い精度で製
作されていれば、観測される干渉縞パターンから被測定
面108 の形状誤差が計測される。
【0008】特に、最近では干渉縞のパターンを撮像素
子の画素ごとに位相情報として数値化することにより、
極めて高精度の測定が可能になっている。
【0009】この干渉縞パターンを位相情報として数値
化して、これから干渉縞画像の初期位相を求める手法の
ひとつとして、1992年度精密工学会春季大会論文集p.37
1-372 に開示されたような位相シフト電子モアレ法があ
る。
【0010】図8 は従来の位相シフト電子モアレ法を用
いた位相分布測定装置の構成ブロック図である。同図に
おいて100 は例えば図7 のフィゾー型干渉計であり、形
状測定面等から干渉縞を発生する。1 は画像検出手段で
あり、例えば電荷結合素子(CCD) をセンサとするCCD カ
メラで構成し、干渉縞画像を入力する。2 は1 画面分の
ビデオ信号を抽出する画像入力手段、3a、3b、3cは夫々
1 画面分の情報を記憶する参照画像メモリ、4a、4b、4c
は2 つの画像間の乗算を行う乗算器、5a、5b、5cは画像
中の空間周波数の高いものを除去し、低いものだけを通
過させる特性を持つローパスフィルター、6a、6bは2 つ
の画像間の減算を行う減算器、7 は2 つの画像間の除算
を行う除算器、8 はTan-1 を演算するTan-1 演算器であ
る。
【0011】図7 の干渉計で発生させた干渉縞は、被測
定面又は参照面を傾けることにより、故意に多数の縞を
生じさせた上で、適当なレンズを用いてCCD カメラ1 に
て撮像され、画像入力手段2 で1 画面分の画像情報が抽
出される。
【0012】一方参照画像メモリ3a,3b,3cにはあらかじ
め多数の縞の画像に相当する画像情報を書き込んであ
る。ただし、各参照画像メモリ3a,3b,3cに記録している
参照画像の縞の初期位相はそれぞれπ/4、3π/4、5π/4ず
れている。
【0013】CCD カメラ1 で撮像した被測定画像信号は
参照画像メモリ3a,3b,3cの信号とそれぞれ乗算器4a,4b,
4cで乗算演算がおこなわれる。この演算により空間周波
数の低い一種のモアレ縞が発生するが、このモアレ縞は
被測定画像の縞の曲がり具合を表わしている。したがっ
て、ローパスフィルター5a,5b,5cにてキャリアである多
数の縞の信号をカットすれば、干渉計において被測定面
108aを入射光に対して傾けないで (高精度にアライメン
トして) 粗く干渉縞を出した状態と等価な画像が得られ
る。
【0014】このとき基準としている参照画像メモリ3
a,3b,3cの画像中の縞の初期位相は前記のようにπ/4、3
π/4、5π/4ずれているために、ローパスフィルター5a,5
b,5cを通って得られる粗く干渉縞を出した状態に相当す
る画像も初期位相がπ/4、3π/4、5π/4ずれている。
【0015】求めたい干渉縞の位相分布をφ(x,y) とす
ればそれぞれの画像は
【0016】
【数1】 の演算を行うことにより位相分布が計算出来る。したが
って、式(4) の演算を減算器6a,6b 及び除算器7 で行
い、式(5) の演算をTan-1 演算器8 で行えば求めたい位
相分布が出力として得られることになる。
【0017】本方式は1 枚の干渉縞原画像から位相分布
が求まるため、測定中の機械振動、空気揺らぎなどに強
い、という特徴をもっている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】一般に上記従来例の如
き2 光束干渉計においてはTS面107 と被測定面108aの相
対位置関係を厳密に合わせ込むアライメント工程が必要
であり、被測定物108 を精密なステージに載置するなど
してモニターにより干渉縞パターンを見ながら、干渉縞
が粗く出るように球面の場合は少なくとも3 自由度、平
面の場合でも少なくとも2 自由度の調整作業を行わなけ
ればならなかった。
【0019】一方、上記従来例の位相シフト電子モアレ
法を用いた計測では故意に多数の干渉縞を発生させ、リ
アルタイムに画像演算を行って粗く干渉縞を出したとき
と同様の等高線パターンや、3 次元の立体図などを見る
ことができるのであるが、この場合はあらかじめ用意し
た参照画像の縞パターンとほぼ一致した画像を入力する
必要があり、その為にはやはりTS面107 と被測定面108a
の厳密なアライメントが必要であった。
【0020】そして、このアライメントはサブミクロン
オーダーの微妙な作業のため、球面測定では極めて精密
で微細移動が可能な3 自由度以上のステージなどが必要
となり、コスト高になると同時に自動化が困難であると
いう問題があった。
【0021】更に、上記従来例ではリアルタイムに最終
的な位相出力を得るために、画像間の演算を平行して行
う必要があり、また各演算は1/30秒程度の高速演算を必
要とする。したがって、専用画像処理装置を用意しなけ
ればならず、測定現場に大掛かりな画像処理装置を持ち
込む必要があり、不便であった。
【0022】本発明の目的は、特に高精度なアライメン
トを容易に達成できて、高精度で被測定干渉縞画像の位
相分布を測定することができる位相シフト電子モアレ法
を応用した位相分布測定方法及びそれを用いた位相分布
測定装置の提供である。
【0023】その他、 (1−1) プリアライメントから最終の位相分布デー
タを得るまで、短時間で、人手を要せずに高精度で波面
分布を測定できる。 (1−2) 構成要素の数が少なく、シンプルな構成と
なる。 (1−3) 最も困難な精密アライメントを行うのに、
特に精密な多自由度ステージを必要とせず、コストの安
い測定装置を達成する。 (1−4) 測定すべき被測定干渉縞画像 (入力画像)
の入手と該画像の解析を時間的、空間的に完全に分離し
た状態で行うことを可能とする。等の少なくとも1 つの
効果を有する位相分布測定方法及びそれを用いた位相分
布測定装置の提供である。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の位置分
布測定方法は、被測定物によって形成する被測定光と参
照面によって形成する参照光とを干渉させて多数の干渉
縞を発生させて空間的な搬送波を生じせしめた被測定干
渉縞画像と、該搬送波の空間周波数と略等しい周波数を
持つ参照原画像から初期位相の異なる複数の参照画像を
作成し、該被測定干渉縞画像と該参照画像とを用いて演
算によって該被測定干渉縞画像の位相分布を測定する
際、一旦、被測定干渉縞画像と該参照画像とから予備位
相演算処理を行った後、該参照原画像又は該参照画像を
更新することにより最終位相演算処理を行うことで、
被測定物と該参照面とのアライメントを行うことを特徴
としている。
【0025】請求項2の発明の位置分布測定方法は、
測定物によって形成する被測定光と参照面によって形成
する参照光とを干渉させて得られる被測定干渉縞画像を
撮像手段で検出してその位相分布を測定する際、該被測
定光と該参照光とを第1の結像レンズにより該撮像手段
上に夫々光点として結像させた画像を検出し、演算手段
により該画像から該被測定物と該参照面とのミスアライ
メント量を検出して該被測定物を調整した後、該被測定
光と該参照光とを干渉させた被測定干渉縞画像を第2の
結像レンズを介して該撮像手段で検出して演算手段に出
力し、該演算手段内において参照原画像を設定して、
参照画像と該被測定干渉縞画像との画像間乗算を行って
複数の第1の中間画像データを算出し、該第1の中間画
像データの高周波成分をカットして複数の第2の中間画
像データを算出し、該第2の中間画像データを用いてバ
ケット法によって位相分布を算出する予備位相演算処理
を行って第1の位相分布データを求め、該第1の位相分
布データに基づいて該参照原画像を更新し、再び該参照
原画像と該被測定干渉縞画像とによって最終位相演算
を行って該被測定干渉縞画像の位相分布を算出するこ
とを特徴としている。
【0026】請求項3の発明の位置分布測定方法は、被
測定物によって形成する被測定光と参照面によって形成
する参照光とを干渉させて得られる被測定干渉縞画像を
撮像手段で検出してその位相分布を測定する際、 該被測
定光と該参照光とを第1の結像レンズにより該撮像手段
上に夫々光点として結像させた画像を検出し、演算手段
により該画像から該被測定物と該参照面との第1のミス
アライメント量を検出して該被測定物を調整した後、
被測定光と該参照光とを干渉させた被測定干渉縞画像を
第2の結像レンズを介して該撮像手段で検出して位相検
出手段に出力し、該位相検出手段内において参照原画像
を設定して、該参照原画像をもとに作成した参照画像と
該被測定干渉縞画像とにより算出される第1の位相分布
データによって該被測定物と該参照面との第2のミスア
ライメント量を求め、これに基づいて該被測定物をアラ
イメントすることで再調整し、 その結果変化した被測定
干渉縞画像を該撮像手段により検出して該位相検出手段
に出力し、該参照画像と該変化した被測定干渉縞画像と
により第2の位相分布データを検出して演算手段に出力
し、該第2の位相分布データにより該被測定物と該参照
面との第3のミスアライメント量を算出し、これに基づ
き該位相検出手段中の参照原画像を更新することにより
該被測定干渉縞画像の位相分布を検出することを特徴と
している。
【0027】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
か1項の発明において、前記被測定物を干渉計に載置し
た後、所定のスイッチを操作すれば前記被測定干渉縞画
像の位相分布が自動的に得られることを特徴としてい
る。
【0028】請求項5の発明の位置分布測定方法は、被
測定物によって形成する被測定光と参照面によって形成
する参照光とを干渉させて得られる被測定干渉縞画像を
撮像手段で検出して画像記録手段により記録媒体に記録
する過程と、 該記録媒体中の該被測定干渉縞画像を画像
再生手段により再生して入力画像としてモアレ画像出力
手段に出力して、該入力画像と演算手段を介して設定す
る参照原画像とからモアレ画像を作成してモニタに表示
し、該演算手段を操作して該参照原画像を変化させて該
モアレ画像の縞数を少なくした後、該演算手段の中で該
参照原画像と該入力画像とによって位相シフト電子モア
レ演算を行って該被測定干渉縞画像の位相分布を算出す
る過程とを有することを特徴としている。
【0029】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記モアレ画像出力手段が前記入力画像と前記参照
原画像とから前記モアレ画像を作成して前記モニタに表
示することをビデオレートの速さで行うことを特徴とし
ている。
【0030】請求項7の発明の位置分布測定装置は、干
渉計に取り付けた被測定物によって形成する被測定光と
該干渉計の参照面によって形成する参照光とを干渉させ
て多数の干渉縞を発生させて空間的な搬送波を生じせし
めた被測定干渉縞画像と、該搬送波の空間周波数と略等
しい周波数を持つ参照原画像から初期位相の異なる複数
の参照画像を作成し、該被測定干渉縞画像と該参照画像
とを用いて演算によって該被測定干渉縞画像の位相分布
を測定する位相分布測定装置において、 一旦、被測定干
渉縞画像と該参照画像とから予備位相演算処理を行った
後、該参照原画像又は該参照画像を更新することにより
最終位相演算処理を行うことで、該被測定物と該参照面
とのアライメントを行うことを特徴としている。請求項
8の発明の位置分布測定装置は、干渉計に取り付けた被
測定物によって形成する被測定光と該干渉計の参照面に
よって形成する参照光とを干渉させて得られる被測定干
渉縞画像を撮像手段で検出してその位相分布を測定する
位相分布測定装置にして、 該干渉計は被測定光と該参照
光とを該撮像手段の撮像面上に夫々光点として結像させ
る第1の結像レンズと、該被測定光と該参照光とを干渉
させた被測定干渉縞画像を該撮像面上に結像させる第2
の結像レンズと該2つの結像レンズを切り替えるレンズ
切替手段を有しており、 参照原画像を設定してこれより
複数の参照画像を作成して、該被測定干渉縞画像と該参
照画像との画像間演算を行って該被測定干渉縞画像の位
相分布を算出する演算手段を有することを特徴としてい
る。請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記
画像間演算は前記複数の参照画像と前記被測定干渉縞画
像との画像間乗算を行って複数の第1の中間画像データ
を算出し、該第1の中間画像データの高周波成分をカッ
トして複数の第2の中間画像データを算出し、該第2の
中間画像データを用いてバケット法によって位相分布を
算出する演算であることを特徴としている。
【0031】請求項10の発明の位置分布測定装置は、
干渉計に取り付けた被測定物によって形成する被測定光
と該干渉計の参照面によって形成する参照光とを干渉さ
せて得られる被測定干渉縞画像を撮像手段で検出してそ
の位相分布を測定する位相分布測定装置にして、 該干渉
計は被測定光と該参照光とを該撮像手段の撮像面上に夫
々光点として結像させる第1の結像レンズと、該被測定
光と該参照光とを干渉させた被測定干渉縞画像を該撮像
面上に結像させる第2の結像レンズと該2つの結像レン
ズを切り替えるレンズ切替手段を有しており、 参照画像
発生手段と参照画像記憶手段と空間位相演算手段とを有
する位相検出手段を有し、 該位相検出手段は該演算手段
が設定する参照原画像より作成した複数の参照画像と該
被測定干渉縞画像とから該被測定干渉縞画像の位相分布
を検出することを特徴としている。請求項11の発明
は、請求項8〜10のいずれか1項の発明において、前
記被測定物を前記干渉計に載置した後、所定のスイッチ
を操作すれば前記被測定干渉縞画像の位相分布が自動的
に得られることを特徴としている。請求項12の発明の
位置分布測定装置は、被測定物によって形成する被測定
光と参照面によって形成する参照光とを干渉させて被測
定干渉縞画像を発生させる干渉計と、該被測定干渉縞画
像を検出する撮像手段と、検出した該被測定干渉縞画像
を記録媒体に記録する画像記録手段とを有する入力画像
記録装置と、 該記録媒体の該被測定干渉縞画像を入力画
像として再生する画像再生手段と、演算手段と、該入力
画像と演算手段を介して設定する参照原画像とからビデ
オレートの速さでモアレ画像を作成してモニタに表示
し、該演算手段を操作して該参照原画像を変化させて該
モアレ画像の縞数を少なくした後、該演算手段の中で該
参照原画像と該入力画像とによって位相シフト電子モア
レ演算を行って該被測定干渉縞画像の位相分布を算出す
るモアレ画像出力手段とを有する入力画像処理装置とか
ら構成していることを特徴としている。
【0032】
【発明の実施の形態】図1 は本発明の位相分布測定装置
の実施形態1 の要部概略図である。同図において1 は画
像検出手段であり、例えば電荷結合素子(CCD) を撮像手
段とするCCDカメラで構成し、干渉縞画像を入力する。2
は1 画面分のビデオ信号を抽出する画像入力手段、12
は前処理手段であり、該ビデオ信号の時間的平均化、空
間的平均化、背景ノイズ除去等の前処理を行う。13はビ
デオ信号の流れを切り替える切り替えスイッチ、4 は画
像間の乗算を行う乗算器、3 は参照画像メモリであり、
コンピュータで計算した参照画像の縞パターンを保存し
ており、これはビデオレートで読み出し可能である。5
はアクティブなローパスフィルター(LPF) であり、画像
信号中の高周波成分をカットして低い周波数成分のみを
通過させる。なお、その時のカットオフ周波数はコンピ
ュータの指示により任意に変更できる。 9は処理画像を
表示するモニタ、10は画像間演算や後述の位相シフト電
子モアレ演算を行なったり、システム管理を行うコンピ
ュータ (演算手段) である。
【0033】又、101 は光源であり、レーザーを用いて
可干渉性の高い光を放射する。102は集光レンズ、103
は偏光方位により透過光と反射光を分離する偏光ビーム
スプリッタ、104 は直線偏光を円偏光に変換するλ/4
板、105 は発散光束を平行光束に変換するコリメータレ
ンズ、106 は集光レンズ、107 はTransmission Sphere
と呼ばれる参照面(TS面)、108 は被測定物、108aは被
測定面である。109aは参照光と被測定光を適切な大きさ
で画像検出手段1 の撮像手段上に投影する第2 の結像レ
ンズ、109bは被測定面108aが正しい位置にある時、反射
光束 (被測定光)がちょうど撮像手段の撮像面上の中央
で光点となるようにその焦点距離及び画像検出手段1 と
の位置関係を設定した第1 の結像レンズである。110 は
結像レンズ109aと109bを必要に応じて切り替えるレンズ
切替手段、111 は被測定物108 を載置し測定光に対する
位置合わせを行う多自由度ステージ、112 はコンピュー
タ10の指示により多自由度ステージ111 の複数のモータ
ーを所定量駆動するドライバ手段である。なお、要素10
1〜111 は干渉計100 の一要素を構成している。
【0034】本実施形態による計測方法及び作用を説明
する。まず被測定物108 を多自由度ステージ111 上に載
置し、被測定物108 の設計上のデータ又は別の測定装置
により測定した概略形状のデータに基づいて、多自由度
ステージ111 を用いておおよそ正しい位置に位置決めす
る。
【0035】この状態で、光源101 を点灯すると、これ
から射出する紙面に平行の直線偏光のレーザー光は、集
光レンズ102 により一旦集光したのち発散光束となり、
偏光ビームスプリッタ103 に入射する。この光束は紙面
に平行な直線偏光であるため偏光ビームスプリッタ103
をそのまま透過し、λ/4板104 で円偏光に変換された
後、コリメータレンズ105 にて口径の大きな平行光束に
変換される。この光束は、集光レンズ106 で収束光束と
なり、光の波面と面形状が極めてよく一致するように作
られたTS面107 を透過して被測定物108 に向かう。
【0036】ところが、TS面107 は意図的に反射防止膜
をコートしておらず、入射光の3〜5%程度の光を反射
し、参照光としてたどってきた光路を元へ戻る。一方被
測定物108 に向かった光はやはり光の波面形状と概略一
致する被測定面108aで正反射され、被測定光としてたど
ってきた光路を元へ戻る。
【0037】参照光、被測定光の2 つの光は再びλ/4板
104 に戻り円偏光が直線偏光に変換されるが、最初の偏
光方位とは90゜偏光方位が回転している。従って偏光ビ
ームスプリッタ103 に戻った光は、今度は反射され、結
像レンズ109 を通って、画像検出手段1 で検出されるこ
とになる。しかし、この段階では被測定面108aのアライ
メントがまだ不十分なために、一般的には干渉縞はまだ
観察されない。 本実施形態ではここでプリアライメン
ト作業を行う。プリアライメント作業においては、先ず
レンズ切替手段110 を用いて結像レンズを第1 の結像レ
ンズ109bに切り替える。なお、切り替えスイッチ13はb
側に切り替えておく。これによって、画像検出手段1 の
撮像手段で撮像された被測定光と参照光の2 つの光点の
画像は画像入力手段2 、前処理手段12、切り替えスイッ
チ13を介してコンピュータ10に取り込まれる。
【0038】コンピュータ10は撮像された光点の拡がり
とその重心位置を画像処理により計算して被測定物のミ
スアライメント量を検出し、次いで被測定光が撮像面中
央で光点を結ばせるに必要な多自由度ステージ111 の各
ステージ移動量データを計算し、その結果に基づきドラ
イバ112 を介して多自由度ステージ111 を駆動して被測
定物を調整し、被測定光を撮像面中央で光点として結像
させる。この時、TS面からの参照光は、被測定光と同様
に撮像面中央に光点を結ぶようにあらかじめ調整してい
るので、被測定光と参照光の2 つの光点は略一致し、2
つの光の波面がほぼ一致する程度までアライメントでき
たことになる。以上がプリアライメント作業である。
【0039】プリアライメントが完了した段階でレンズ
切替手段110 によって結像レンズを第2 の結像レンズ10
9aに切り替えると前記のプリアライメント作業により2
つの光の波面はほぼ一致したので干渉縞が観測される。
【0040】しかしながら、上記のプリアライメント作
業の実施精度は画像処理の精度と多自由度ステージの移
動精度などから一般に限度があり、 1μm〜10μm 程度
に2つの光点が合致することが実用的には限界である。
従って干渉縞は観察されるものの、まだたくさんの干渉
縞が発生しており、精密な位相分布測定を行うには不十
分な精度である。
【0041】本実施形態はこの段階においてコンピュー
タ10により予備位相演算処理と最終位相演算処理の2 つ
のステップを踏んで精密な位相分布測定を行うことを特
徴としている。先ず、この段階で予備位相演算処理を実
行する。即ち、干渉計で形成された上記のアライメント
が不十分な多数の縞を含む干渉縞画像、つまり空間的な
搬送波を生じせしめた被測定干渉縞画像は、画像検出手
段1 で検知されて入力画像となり、次いで画像入力手段
2 において1 画面分のデジタルデータに変換されて取り
込まれた後、前処理手段12において適切な前処理を行
い、切り替えスイッチ13を介してコンピュータ10へ出力
されるが、コンピュータ10は以下の処理を実行する。
【0042】図2 はこの予備位相演算処理のフローチャ
ート図である。予備位相演算はアライメントの不十分な
入力画像データISと所定の搬送空間周波数を持った参照
原画像IR0 の初期位相を一定量ずらして得た複数(n個)
の参照画像データIRi との演算処理をコンピュータ10で
処理することによって実行する。
【0043】まず、設計値の被側定面108aを所定量傾け
て得られる所定の搬送空間周波数Vを持った参照原画像I
R0: IR0=A・sin(Vx+P0)+R をコンピュータ10により計算して発生させ、これを参照
原画像IR0 としてコンピュータ中の記憶手段に記憶 (設
定) する(s10) 。ここにP0は初期位相、R はオフセット
量である。次いでこの参照原画像データIR0 をもとにそ
の初期位相を所定量ずらした参照画像データ (参照画
像) IRi を計算して求め(s11) 、これを参照画像データ
i としてコンピュータ中の記憶手段に保存する(s12) 。
【0044】次いで全ての参照画像データの計算が終了
したか否かの判断を行い(s13) 、もし終了していなけれ
ばs14 にて位相ずらし量の変更を行い、再びs11〜s13
の処理を行う。これを所定の回数(n) だけ実行し、少し
ずつ初期位相のずれたn 個の参照画像データi(IRi)を準
備する。
【0045】次に上記のアライメントが不十分な多数の
縞を含む入力画像を1 画面分入力画像データISとしてロ
ードし(s21) 、次いで先に準備した参照画像データ1(I
R1)を記憶手段から取り出し、ロードする(s22) 。
【0046】この時、入力画像及び参照画像はいずれも
x 方向のみ高い空間周波数をもち、入力画像の輝度信号
ISとi 番目の参照画像の輝度信号IRi はそれぞれ IRi=A・sin(Vx+Pi)+R ・・・(6) IS =B・sin(Wx+Q )+S ・・・(7) と表されるとする。ここに、A,B は夫々参照画像・入力
画像の振幅、V,W は夫々参照画像・入力画像のx 方向の
空間周波数、Pi,Qは夫々参照画像・入力画像の初期位
相、R,S は夫々参照画像・入力画像信号のオフセット量
である。
【0047】次いでs23 においてこれらの画像間の乗算
をコンピュータ10内で行えば、その結果は I=IRi×IS=ABsin(Vx+Pi)sin(Wx+Q)+ASsin(Vx+Pi)+BRsin(Wx+Q)+RS =(AB/2)[cos{(V-W)x+Pi-Q}-cos{(V+W)x+Pi+Q}]+ASsin(Vx+Pi)+BRsin(Wx+Q)+RS ・・・(8) となり、V-W,V+W,V,W の4 つの空間周波数を含む画像信
号が得られる。 (これを第1 の中間画像データと呼ぶ)
【0048】ところが、コンピュータ10内で次ぎに行う
ローパスフィルター計算のカットオフ周波数を適切に設
定すれば、このローパスフィルター計算により空間周波
数の低い項すなわち差周波数V-W の信号のみが抽出され
ることになり、結果として Imi=(AB/2)[cos{(V-W)x+Pi-Q}]+RS・・・(9) と表される中間画像データImi が得られる。この中間画
像データImi は計算結果としてコンピュータ10に一時保
存する(s25) 。 (これを第2 の中間画像データと呼ぶ)
【0049】次いでs26 において全ての参照画像との計
算が終了したか否かの判断を行い、もし終了していなけ
れば、s27 において次ぎの参照画像のデータをロード
し、再びs23〜s26 の処理を行う。
【0050】先述のように参照画像データIRi は、あら
かじめn 個用意されており、それぞれのデータは同じ空
間周波数分布の縞パターンでありながら初期位相Piが少
しずつずれた次ぎのように表されるものであった。
【0051】
【数2】 そこで、コンピュータ10による全ての参照画像データと
の計算が終了すれば中間画像Imi として以下のような輝
度分布を持ったn 個の画像がコンピュータ10に得られ
る。
【0052】
【数3】 次ぎに、これらの中間画像データを用いて干渉縞の初期
位相分布の計算にはいるが、この干渉縞の初期位相分布
を計算する手法として良く知られているバケット法を用
いる。
【0053】バケット法について説明する。バケット法
は正弦波状に変化する信号の初期位相を3 以上の代表点
データから計算する手法であり、代表点データの位相差
を適切に選ぶことにより簡単な四則演算で初期位相を求
めることができる。
【0054】いま各代表点のデータを次のように表わ
す。
【0055】
【数4】 ただし、K は信号の振幅、L は信号のオフセット、φi
は位相差、θは求めたい初期位相である。
【0056】たとえばn=3 、φ1=π/4、φ2= 3π/4、φ
3= 5π/4と選べば、
【0057】
【数5】 であるから θ=Tan-1(sinθ/cosθ)=Tan-1{(I3-I2)/(I1-I2)} ・・・(15) の演算によって振幅K とオフセットL の影響を消去して
初期位相θを求めることができる。
【0058】このほかにもn=4、5・・・に対応して、適切な
位相差φi を与えることにより、簡単な四則演算とTan
-1 の演算で初期位相θが計算できることが知られてお
り、一般にn が大きいほど測定精度は高くなる。以上が
バケット法の説明である。
【0059】したがって、s28 において式(11)で表わさ
れるn 個の中間画像データIm1〜Imnを用いて上記のバケ
ット法に基づく位相演算を行えばアライメント誤差(V-
W)と初期位相分布Q を含んだデータ、 (V-W)x-Q を求めることができる。
【0060】以上は説明を簡単にする為にx 方向のみ高
い空間周波数W をもつ入力画像について考察したが、ア
ライメントが不十分な場合、入力画像は式(7) のような
x 方向の空間周波数成分のみを持っているとは限らな
い。
【0061】入力画像がx 方向及びy 方向に空間周波数
を持つ一般的な場合について考察する。この場合s10 で
設定する参照原画像データIR0 としては次ぎのように表
されるものを設定する: IR0=A・sin{V1x+V2y+V3(x2+y2)+P0}+R ここに、A は参照原画像の振幅、V1は空間周波数V のx
成分、V2は空間周波数Vのy 成分、V3は空間周波数V の
(x2+y2) 成分、P0は参照原画像の初期位相、R は参照原
画像のオフセット量である。但し、x,y の原点は画像中
心にとるものとする。
【0062】この参照原画像をもとにその初期位相を所
定量ずらした参照画像IRi を計算して求める(s11〜s14)
。これをあらかじめ所定の回数(n) だけ実行し、少し
ずつ初期位相のずれた参照画像IRi をコンピュータ10内
にn 個準備する。
【0063】そしてs21 で1 画面分取り込んだ入力画像
の輝度信号IS及びs22 でロードする参照画像の輝度信号
IRi はそれぞれ次のように表されるものである: IRi=A・sin{V1x+V2y+V3(x2+y2)+Pi}+R ・・・(16) IS =B・sin{W1x+W2y+W3(x2+y2)+Q }+S ・・・(17) ここに、A,B は夫々参照画像・入力画像の振幅、W1は空
間周波数W のx 成分、W2は空間周波数W のy 成分、W3
空間周波数W の(x2+y2) 成分、Pi,Qは夫々参照画像・入
力画像の初期位相、R,S は夫々参照画像・入力画像信号
のオフセット量である。
【0064】そしてs21〜s27 のループによって式(8),
(9) と同様の乗算演算、ローパスフィルター処理等をコ
ンピュータ10で行うと、結果として Imi=(AB/2)[cos{(V1-W1)x+(V2-W2)y+(V3-W3)(x2+y2)+P-Q}]+RS・・・(18) と表されるn 個の中間画像データImi が得られる。これ
に先述のバケット法を適用すると、3 自由度のアライメ
ント誤差と位相分布 (被測定面の持つ形状誤差) を含ん
だデータ ψ=(V1-W1)x+(V2-W2)y+(V3-W3)(x2+y2)-Q ・・・(19) が得られる(s28) 。以上が一般的な入力画像についての
考察である。
【0065】s28 で得られた位相分布ψはTan-1 の演算
で計算されている為に±π/2の範囲しか表現できない。
従ってこの範囲を超える位相分布があると本来滑らかな
データが不連続に見える、そこで位相つなぎ処理と言わ
れる不連続解消の処理を行う(s29) 。
【0066】位相つなぎ処理された位相分布ψ’は波面
誤差の3 次元分布を意味するので、これに多項式フィッ
ティングを行って式(19)のx,y,(x2+y2) のそれぞれの係
数 V1-W1=U1 V2-W2=U2 V3-W3=U3 を決定する(s30) 。以上で一般的な場合についての予備
位相演算処理が終了する。なお、ここで得られた位相分
布を第1 の位相分布データと呼ぶ。
【0067】次いで、最終位相演算処理を実行する。図
3 は最終位相演算処理のフローチャート図である。この
処理では先の予備位相演算処理の結果をもとに次ぎの新
たな参照原画像データIR0: IR0=A・sin{(V1-U1)x+(V2-U2)y+(V3-U3)(x2+y2)+P0}+R・・・(20) を計算、発生させ、これを参照原画像データIR0 として
コンピュータ10内に記憶する(s40) 。つまり参照原画像
を更新する。そしてs41〜s44 のループによってn個の参
照画像を設定し (つまり参照画像を更新する) 、次いで
s51 において先程の入力画像データISを再びロードし、
s52〜s58 の処理をすべてコンピュータ10で行って、式
(16)〜(19)の計算を再度行えば、式(16)が IRi=A・sin{W1x+W2y+W3(x2+y2)+Pi}+R ・・・(21) となることは明らかだから、位相分布ψはアライメント
誤差を含まず ψ = -Q ・・・(22) と入力画像の位相分布Q そのものとして求められる。
【0068】s58 で得られた位相分布Q はTan-1 の演算
で計算されている為に±π/2の範囲しか表現できない。
従ってこの範囲を超える位相分布があると本来滑らかな
データが不連続な様に見えるため、位相つなぎ処理と言
われる不連続解消の処理を行う(s59) 。
【0069】さらに、必要に応じて立体図、等高線図、
任意断面表示などの視覚化処理、直交多項式フィットな
どのデータ縮小処理を行い(s60) 、結果を測定者に理解
できる情報として表示する(s61) 。
【0070】以上で精密な位相分布測定が終了する。な
お、以上の演算の過程で演算して求めた参照画像データ
の1 つを参照画像メモリに書き込んでおく。
【0071】もし作業者がアライメント又は位相分布測
定の完了した時点でヌル干渉縞画像を確認したいとき
は、この段階において切替スイッチ13をa 側に切り替
え、乗算器4 へ送られてきた入力画像と参照画像メモリ
中に書き込まれている前記計算により得られた参照画像
の一つとの画像間演算(乗算)をビデオレートで行い、
次いでその結果をLPF 5 でローパスフィルター処理を行
うことにより、結果として式(18)で表される中間画像I
mi の一つ Im=(AB/2)[cos{(V1-W1)x+(V2-W2)y+(V3-W3)(x2+y2)+P-Q}]+RS =(AB/2)[cos(P-Q)]+RS ・・・(23) が得られ、アライメントの完了したヌル干渉縞画像がモ
ニタ9 上で観察される。
【0072】以上が実施形態1 の説明であるが、予備位
相演算処理のs11 からs29 までと、最終位相演算処理の
s41 からs59 までは入力画像と参照原画像とから入力画
像の位相分布データを算出しておりこの演算を位相シフ
ト電子モアレ演算と呼ぶ。
【0073】本実施形態はプリアライメントにおいて1
回被測定物を調整するのみで後はコンピュータ10の中で
の演算処理によって特に高精度なアライメントを容易に
達成できて、高精度で被測定干渉縞画像の位相分布を測
定することができる。 (ここで云う特に高精度なアライ
メントとは予備位相演算処理によって第1 の位相分布デ
ータを得て、これにより参照画像を更新することを指
す) 。
【0074】なお、本実施形態においては被測定物を干
渉計に載置した後、所定のスイッチを操作すれば被測定
干渉縞画像の位相分布が自動的に得られるように構成し
ている。そのため被測定面の計測が極めて短時間で且つ
人手を要せずに実施できる。
【0075】又、本実施形態はコンピュータによって主
たる処理を行うので構成要素の数が少なく、シンプルな
構成となっている。
【0076】又、最も困難な精密アライメントをコンピ
ュータで発生させる参照画像を書き換えることで行うこ
とにより特に精密な多自由度ステージを必要ととせず、
コストの安い測定装置を達成する。
【0077】又、図1 における画像検出手段1 はCCD カ
メラだけではなく、ビジコンなどの光電撮像管、1 次元
CCD をスキャンする装置、などであっても構わない。
又、画像入力手段2 はさまざまな撮像手段に対して信号
の整合を取るインターフェース機能を含んでも良い。
【0078】又、切り替えスイッチ13は必ずしも切り替
える必要はなく入力再生画像を乗算器側とコンピュータ
側の両方に分配する分配器でも構わない。
【0079】又、乗算器4 は加算器または減算器で置き
換えてもモアレ縞を観測するだけなら使用可能である。
【0080】又、ローパスフィルター5 はコンデンサ、
抵抗、OPアンプからなるアナログフィルター、高速計算
機によるデジタルフィルターなどが使用可能であり、カ
ットオフ周波数は可変が望ましいが、固定でも構わな
い。
【0081】図4 は本発明の位相分布測定装置の実施形
態2 の要部概略図である。本実施形態は実施形態1 に対
して干渉計100 の構成は同じであるが、干渉計100 から
取り込んだ干渉縞画像を処理する部分の構成が異なって
いる。
【0082】図4 において3a、3b、3cは縞パターンは同
じであるが初期位相が夫々異なっている参照画像情報を
記憶する参照画像メモリ、4a、4b、4cは2 つの画像間の
乗算を行う乗算器、5a、5b、5cはアクティブなローパス
フィルター(LPF) であり、画像信号中の高周波成分をカ
ットし低い周波数成分のみを通過させる。なお、そのカ
ットオフ周波数はコンピュータの指示により任意に変更
できる。6a、6bは2 つの画像間の減算を行う減算器、7
は2 つの画像間の除算を行う除算器、8 はTan-1 演算
器、9 は処理画像を表示するモニタ、14は参照画像ジェ
ネレータであり、コンピュータまたは操作デバイスから
の指示によって設定した参照原画像から複数の参照画像
をリアルタイムに発生させる。15は位相不連続をリアル
タイムでつなぐ位相つなぎ演算器、10は画像データを処
理したり、システム管理を行うコンピュータ (演算手
段) である。なお、図4 中、1,2,12,112は実施形態1 の
同番号の要素と同じものである。
【0083】又、コンピュータ10 ,参照画像ジェネレ
ータ14 等は参照画像発生手段の一要素を構成してお
り、乗算器4a〜4c,LPF 5a〜5c,減算器6a,6b,モニタ9,除
算器7,Tan-1 演算器8,位相つなぎ演算器等は空間位相演
算手段の一要素を構成している。又参照画像発生手段、
参照画像メモリ(参照画像記憶手段)3a〜3c、空間位相
演算手段等は被測定干渉縞画像と参照原画像とから干渉
縞画像の位相分布を検出する位相検出手段の一要素を構
成している。
【0084】本実施形態による計測方法及び本実施形態
の作用を説明する。まず被測定物108 を多自由度ステー
ジ111 上に載置し、被測定物108 の設計上のデータ又は
別の測定装置により測定した概略形状のデータに基づい
て、多自由度ステージ111 を用いておおよそ正しい位置
に位置決めする。
【0085】この状態で、光源101 を点灯すると、これ
から射出する紙面に平行な直線偏光のレーザー光は、集
光レンズ102 により一旦集光したのち発散光束となり、
偏光ビームスプリッタ103 に入射する。この光束は紙面
に平行な直線偏光であるため偏光ビームスプリッタ103
をそのまま透過し、λ/4板104 で円偏光に変換された
後、コリメータレンズ105 にて口径の大きな平行光束に
変換される。この光束は、集光レンズ106 で収束光束と
なり、光の波面と面形状が極めてよく一致するように作
られたTS面107 を透過して被測定物108 に向かう。
【0086】ところが、TS面107 は意図的に反射防止膜
をコートしておらず、入射光の3〜5%程度の光を反射
し、参照光としてたどってきた光路を元へ戻る。一方被
測定物108 に向かった光はやはり光の波面形状と概略一
致する被測定面108aで正反射され、被測定光としてたど
ってきた光路を元へ戻る。
【0087】参照光、被測定光の2 つの光は再びλ/4板
104 に戻り円偏光が直線偏光に変換されるが、最初の偏
光方位とは90゜偏光方位が回転している。従って偏光ビ
ームスプリッタ103 に戻った光は、今度は反射され、結
像レンズ109 を通って、画像検出手段1 で検出される。
しかし、この段階では被測定面108aのアライメントがま
だ不十分なために、一般的には干渉縞はまだ観察されな
い。
【0088】本実施形態はここで先ずプリアライメント
作業を行う。プリアライメント作業においては、先ずレ
ンズ切替手段110 を用いて結像レンズを第1 の結像レン
ズ109bに切り替える。第1 の結像レンズ109bは被測定面
108aが正しい位置にある時、反射光束 (被測定光) がち
ょうど撮像手段の撮像面上の中央に光点を結ぶようにそ
の焦点距離及び画像検出手段との位置関係を設定してい
る。
【0089】撮像された被測定光と参照光の2つの光点
の画像は画像入力手段2を介してコンピュータ10に取
り込まれ、コンピュータ10はこの光点の拡がりとその
重心位置を画像処理により計算して被測定物のミスアラ
イメント量(第1のミスアラメント量)を検出し、次い
で被測定光が撮像面中央で光点を結ばせるに必要な多自
由度ステージ111の各ステージ移動量データを計算
し、その結果に基づきドライバ112を介して多自由度
ステージ111を駆動して被測定物を調整し、被測定光
を撮像面中央で光点として結像させる。
【0090】この時、TS面107 からの参照光は、被測定
光と同様に撮像面中央に光点として存在するようにあら
かじめ調整されているので、被測定光と参照光の2 つの
光点は略一致し、2 つの光の波面がほぼ一致する程度ま
でアライメントできたことになる。以上がプリアライメ
ント作業である。
【0091】プリアライメントが完了した段階でレンズ
切替手段110 を用いて結像レンズを第2 の結像レンズ10
9aに切り替える。第2 の結像レンズ109aは参照光と被測
定光を適切な大きさで画像検出手段の撮像面上に投影す
るように構成しており、前記のプリアライメント作業に
より測定光と参照光の波面はほぼ一致しているので干渉
縞が観測される。
【0092】しかしながら、上記のプリアライメント作
業の実施精度は画像処理の精度と多自由度ステージの移
動精度などから一般に限度があり、 1μm〜10μm 程度
に2つの光点が一致することが実用的には限界である。
従って干渉縞は観察されるものの、まだたくさんの干渉
縞が発生しており、精密な位相分布測定を行うには不十
分である。
【0093】本実施形態はここで位相検出手段によって
入力画像から第1の位相分布データを得て、これから被
測定光の波面形状のチルト、デフォーカス量を検出して
被測定物を再調整し、その結果得られる被測定干渉縞画
像から第2の位相分布データを得て、これを基に参照画
像を更新し、もって電子的に精密なアライメントを達成
して精密な位相分布測定を行うことを特徴としている。
【0094】プリアライメントが終わり、結像レンズを
切り替えた段階で、本実施形態はリアルタイム処理で位
相分布を計算する。プリアライメント後のまだ干渉縞を
多数含む被測定干渉縞画像、つまり空間的な搬送波を生
じせしめた被測定干渉縞画像は、画像検出手段1 の撮像
手段にて撮像され、画像入力手段2 で1 画面分の情報が
抽出され、前処理手段12でバックグラウンド除去などの
処理を受けて位相検出手段へ出力される。
【0095】一方参照画像メモリ3a,3b,3cには測定の初
めにあらかじめ多数の縞の画像に相当する参照原画像を
もとに作成した参照画像情報を書き込んである。この参
照原画像は後記のように1 回目の測定結果をもとに更新
するので最初の参照原画像は被測定干渉縞画像とかなり
異なっていても良い。ただし、各参照画像メモリ3a,3b,
3cには、参照原画像の縞の初期位相をそれぞれπ/4、3π
/4、5π/4ずらしている参照画像のデータを記録してい
る。
【0096】前処理手段12から出力される入力画像 (被
測定干渉縞画像) は参照画像メモリ3a,3b,3cの参照画像
とそれぞれ乗算器4a,4b,4cで並列に画像間乗算を行う。
この乗算により空間周波数の低い一種のモアレ縞が発生
するが、このモアレ縞は被測定画像の縞の曲がり具合を
表わしている。したがって、ローパスフィルター5a,5b,
5cにてキャリアである多数の縞の信号をカットすれば、
干渉計において被測定面108aを入射光に対して傾けない
で粗く干渉縞を出した状態と等価な画像が得られる。
【0097】このとき基準としている参照画像メモリ3
a,3b,3cの参照画像中の縞の初期位相は前記のようにπ/
4、3π/4、5π/4ずれているために、ローパスフィルター5
a,5b,5cを通って得られる粗く干渉縞を出した状態に相
当する画像も初期位相がπ/4、3π/4、5π/4ずれている。
【0098】求めたい干渉縞の位相分布をφ(x,y) とす
ればそれぞれの画像は
【0099】
【数6】 と表わされるから、 (S1-S2)/(S2-S3)=Sinφ(x,y)/Cos φ(x,y)=Tan φ(x,y) ・・・(27) φ(x,y) = Tan-1{(S1-S2)/(S2-S3)} ・・・(28) の演算を行うことにより位相分布が計算出来る。
【0100】したがって、式(27)の演算を減算器6a,6b
及び除算器7 で行い、式(28) の演算をTan-1 演算器8
で行えば位相分布φ(x,y) が出力として得られることに
なる。
【0101】Tan-1 の演算で計算された位相分布は±π
/2の範囲しか表現できないのでこの範囲を超える位相分
布があると本来滑らかなデータが不連続に見えるため、
位相つなぎ演算器15で位相つなぎ処理と言われる不連続
解消の処理を行い、位相分布、即ちアライメントして粗
く干渉縞を出した状態と等価な画像の3 次元的な波面形
状データがコンピュータ10に出力される。 (これを第1
の位相分布データと呼ぶ) 。
【0102】しかし、完全なアライメントがとられてい
ないために、この波面形状は極端に傾いていたり(チル
ト)、全体に凹凸(デフォーカス)があったりする。
【0103】そこで、コンピュータ10は上記の波面形
状データから被測定物と参照面とのミスアライメント量
(第2のミスアラメント)、即ちチルト、デフォーカス
量を算出し、再びドライバ112に指示を出して多自由
度ステージ111を駆動して被測定物108を再調整
し、機械的に可能な範囲での精密なアライメントを行
う。
【0104】この機械的に可能な範囲での精密なアライ
メントが完了した時点で画像検出手段1 で再び被測定干
渉縞画像 (この画像もまだ干渉縞を多数含み、空間的な
搬送波を生じている) を検出し、位相検出手段はこれと
参照画像メモリ3a,3b,3c中の先の参照画像を用いて再び
3 次元的な波面形状を検出してコンピュータ10に出力す
る。 (この波面形状データを第2 の位相分布データと呼
ぶ) 。
【0105】そしてコンピュータ10は再びこの波面形
状から、機械的アライメント完了後のチルト、デフォー
カス量(ミスアライメント量)(第3のミスアラメン
ト)を算出し、その結果を参照画像ジェネレータ14に
送る。参照画像ジェネレータ14はこれによって参照原
画像を更新し、これを基に再び3個の参照画像を発生し
て参照画像メモリ3a,3b,3cに書き込む。
【0106】次いで位相検出手段は入力画像と参照画像
メモリ3a,3b,3cに書き込んだ更新した参照画像データと
を用いて最終的な位相分布、即ち最高精度にアライメン
トして粗く干渉縞を出した状態と等価な画像の波面形状
データを検出してコンピュータ10に出力する。以上のプ
ロセスによって機械的に達成できないレベルの精密なア
ライメントを電子的に達成して高精度に波面分布を測定
できる。
【0107】コンピュータ10にて上記のチルト、デフォ
ーカス量を算出する方法について説明する。実施形態1
で説明したように、波面形状データ全部を多項式フィッ
トさせた時のx,y,(x2+y2) の項の係数を用いても良い
が、データ数が多いと多項式フィット計算の時間がかか
るため、波面形状データから必要最小限のデータを抽出
する方法が考えられる。
【0108】即ち、撮像手段中央を原点に取った時の画
素位置(X,Y) とこれに対応する波面形状のデータZ から Z0=aX0+bY0+c(X0 2+Y0 2)+d ・・・(29) Z1=aX1+bY1+c(X1 2+Y1 2)+d ・・・(30) Z2=aX2+bY2+c(X2 2+Y2 2)+d ・・・(31) Z3=aX3+bY3+c(X3 2+Y3 2)+d ・・・(32) なる4 つの連立方程式を立てて係数a,b,c,d を決定すれ
ば良いから、少なくとも1 点が同一直線上になく、且つ
少なくとも1 点が原点を中心とする同一円周上にない4
つの代表点を選択し、上記の4 つの連立方程式を解けば
良い。勿論、4 点以上の測定点を用いて計算すれば、係
数a,b,c,d の決定精度が向上することは明らかであり、
1/30秒以下の時間で計算可能な数の測定点であれば、参
照画像データのリアルタイム書き換えが可能である。
【0109】本実施形態は自動的にプリアライメントを
行った後、位相シフト電子モアレ法に基づく位相検出手
段を用いることによって特に高精度なアライメントを容
易に達成できて、高精度で被測定干渉縞画像の位相分布
を測定することができる。 (ここで云う特に高精度なア
ライメントとは第2 の位相分布データを得て、これによ
り参照画像を更新することを指す) 。
【0110】なお、本実施形態においても被測定物を干
渉計に載置した後、所定のスイッチを操作すれば被測定
干渉縞画像の位相分布が自動的に得られるように構成し
ている。そのため被測定面の計測が極めて短時間で且つ
人手を要せずに実施できる。
【0111】又、最も困難な精密アライメントを参照画
像ジェネレータで発生させる参照画像を書き換えること
で行うことにより特に精密な多自由度ステージを必要と
とせず、コストの安い測定装置を達成する。
【0112】図5 は本発明の位相分布測定装置の実施形
態3 の要部概略図である。図5 中、1,2,4,5,9,10は実施
形態1 の同番号の要素と同じものである。又、図5 中の
干渉計100 は実施形態1 の干渉計100 と同じものであ
る。同図において11は画像入力手段2 が抽出する1 画面
分のビデオ信号、即ち被測定干渉縞画像 (入力画像) を
記録保存するところの画像記録手段、17は該ビデオ信号
を記憶保存するテープ等の記録媒体、16は記録媒体17に
一旦記録保存された入力画像を再生する画像再生手段、
13はビデオ信号の流れを切り替える切り替えスイッチで
ある。18はコンピュータ又は操作デバイスからの指示に
従って参照原画像の縞パターンをリアルタイムに発生さ
せる参照原画像ジェネレータである。
【0113】本実施形態による波面の位相分布の計測方
法及び本実施形態の作用を説明する。干渉計100 で作ら
れた多数の縞を含む被測定干渉縞画像、つまり空間的な
搬送波を生じせしめた被測定干渉縞画像は、画像検出手
段1 の撮像手段で検出されて入力画像となり、次いで画
像入力手段2 において1 画面分のデジタルデータに変換
されて取り込まれた後、画像記録手段11において一旦記
録媒体17に記録保存する。記録媒体17は通常可搬性に富
んでいるため容易に取り外し、取付が可能で、ここまで
の作業過程とここからの作業過程を分離して行うことが
出来る。
【0114】画像再生手段16を用いると記録媒体17から
入力時と同じ入力画像が時間と空間の束縛無く再現され
る。本実施形態は記録媒体17からの1 画面分の入力画像
を使って先ず、電子モアレ法を利用したアライメントを
行い、次いで位相シフト電子モアレ演算によって位相分
布を求めることを特徴としている。
【0115】先ず、切替スイッチ13をa 側に接続してア
ライメントを行う。画像再生手段16で再生された入力画
像データは乗算器4 に出力される。乗算器4 では送られ
てきた入力画像と参照原画像ジェネレータ18で発生させ
る参照原画像との画像間乗算を行う。
【0116】この時、入力画像及び参照原画像はいずれ
もx 方向 (水平方向) にのみ高い空間周波数を持ち(縦
縞の入力画像である)、入力画像の輝度信号IS及び参照
原画像の輝度信号IRはそれぞれ IR=A・sin(Vx+P)+R ・・・(33) IS=B・sin(Wx+Q)+S ・・・(34) と表されるものとする。但し、A,B はそれぞれ参照原画
像、入力画像の輝度振幅、V,W はそれぞれ参照原画像、
入力画像のx 方向の空間周波数、P,Q はそれぞれ参照原
画像、入力画像の初期位相、R,S はそれぞれ参照原画
像、入力画像のオフセット量である。
【0117】乗算器4 においてこれらの画像間の乗算を
行えば I=IR×IS=ABsin(Vx+P)sin(Wx+Q)+ASsin(Vx+P)+BRsin(Wx+Q)+RS =(AB/2)[cos{(V-W)x+P-Q}-cos{(V+W)x+P+Q}]+ASsin(Vx+P)+BRsin(Wx+Q)+RS ・・・(35) と計算され、V-W,V+W,V,W の4 つの空間周波数を含む画
像信号が得られる。
【0118】ところが、ローパスフィルター5 のカット
オフ周波数を適切に設定すれば、このフィルターの作用
により空間周波数の低い項すなわち差周波数V-W の信号
のみが通過することになり、結果として Im=(AB/2)[cos{(V-W)x+P-Q}]+RS ・・・(36) と表される中間画像データImが得られ、モニタ9 上に表
示される。 (この画像をモアレ画像と呼ぶ) 。
【0119】そして、モニタ9 上でモアレ画像を最も縞
を粗く出すように調整できれば、参照原画像の空間周波
数 Wを入力画像の空間周波数V に一致させたことにな
り、電子モアレ法を利用したアライメントが達成され
る。
【0120】実施形態1 及び実施形態2 では、干渉計の
被測定物といった物理的な物体を移動または傾かせるこ
とによってプリアライメント作業を実行したが、本実施
形態においては、コンピュータ10または不図示の操作デ
バイスからの指示により、参照原画像を書き換えると云
う電子的処理によりアライメントを達成する。
【0121】これについて説明する。一般に入力画像は
式(34)のようにx 方向の空間周波数成分のみを持ってい
るとは限らないため、参照原画像信号IR、測定画像信号
ISそれぞれを IR=Asin{V1x+V2y+V3(x2+y2)+P}+R ・・・(37) IS=Bsin{W1x+W2y+W3(x2+y2)+Q}+S ・・・(38) と表す。但し、x,y の原点は画像中心にとるものとす
る。乗算器4 にて乗算演算を行い、ローパスフィルター
5 を通すと、中間画像データImは Im=(AB/2)[cos{(V1-W1)x+(V2-W2)y+(V3-W3)(x2+y2)+P-Q}]+RS ・・・(39) となる。
【0122】コンピュータ10または不図示の操作デバイ
スの指示により係数V1,V2,V3を変化させ、それぞれを
W1,W2,W3に近づけることにより、アライメントが完了す
る。これは、それぞれ球面を測定する干渉計でX チル
ト、Y チルト、デフォーカスのアライメントを行ったこ
とと等価となる。
【0123】また、平面を測定する干渉計ではデフォー
カスが生じないので参照原画像信号IR、測定画像信号IS
それぞれは IR=Asin(V1x+V2y+P)+R ・・・(40) IS=Bsin(W1x+W2y+Q)+S ・・・(41) と表せ、両信号を乗算器4 にて乗算し、ローパスフィル
ター5 を通すと、中間画像Imは Im=(AB/2)[cos{(V1-W1)x+(V2-W2)y+P-Q}]+RS ・・・(42) となり、コンピュータ10または不図示の操作デバイスの
指示により係数V1,V2 を変化させれば、それぞれX チル
ト、Y チルトのアライメントを行ったことと等価となる
ことは明らかである。
【0124】また、ローパスフィルター5 は参照原画像
の高い空間周波数成分をカットするようにカットオフ周
波数が連動して変えられるアクティブタイプであるの
で、モニタ9 には滑らかな干渉縞のごときモアレ画像が
表示される。従って、モニタ9の映像を見ている限りに
おいては作業者はあたかも通常の干渉計で干渉縞を粗く
出すようにアライメントする作業とほぼ同じ感覚で参照
原画像の書き換え操作を容易に実施することができる。
【0125】また式(37)において係数V1,V2,V3を適切に
調整すれば、入力画像と参照原画像の位相差P-Q が縞と
なって現れるため、縞模様から概略の波面誤差や屈折率
分布が視覚的に認識できる。
【0126】コンピュータ10からの指示によりモニタ9
上のモアレ画像を変化させて縞数を少なくし、アライメ
ントが満足できる状態になった時点で作業者は切替スイ
ッチ13をb 側に切り替え、位相分布演算を実行する。
【0127】位相分布演算は画像再生手段16からの入力
画像データと上記のアライメント完了時点での参照原画
像を用いてすべてコンピュータ10で実行する。
【0128】図6 に位相演算処理のフローチャート図を
示す。まずアライメントの完了した時点の参照原画像デ
ータIR0 をロードし(s10) 、次に該参照原画像とパター
ンは同じであるが、初期位相を所定量ずらした参照画像
IRi を計算し(s11) 、発生させた参照画像をコンピュー
タ10の記憶手段に保存する(s12) 。
【0129】次いで全ての参照画像データの計算が終了
したか否かの判断を行い(s13) 、もし終了していなけれ
ばs14 にて位相ずらし量の変更を行い、再びs11〜s13
の処理を行う。これを所定の回数(n) だけ実行し、少し
ずつ初期位相のずれたn 個の参照画像データi(IRi)をコ
ンピュータ10内に記憶する。
【0130】次に画像再生手段16からの入力画像データ
(又はコンピュータ10内に保存している入力画像デー
タ) をロードし(s21) 、先に準備した参照画像データ1
を記憶手段から引き出しロードする(s22) 。
【0131】この時、入力画像及び参照画像はいずれも
x 方向 (水平方向) のみ高い空間周波数を持ち、入力画
像の輝度信号IR1 及び参照画像の輝度信号ISはそれぞれ
式(33),(34) と同様に IR1=Asin(Vx+P1)+R ・・・(43) IS =Bsin(Wx+Q )+S ・・・(44) と表されるとする。ここに、A,B は夫々参照画像・入力
画像の振幅、V,W は夫々参照画像・入力画像のx 方向の
空間周波数、P1,Qは夫々参照画像・入力画像の初期位
相、R,S は夫々参照画像・入力画像のオフセット量であ
る。
【0132】次いでs23 においてこれらの画像間の乗算
をコンピュータ10で行い、s24 においてローパスフィル
ター計算を行えば、式(35),(36) と同じ計算が成り立つ
から Im1=(AB/2)[cos{(V-W)x+P1-Q}]+RS ・・・(45) なる中間画像Im1 が得られるが、x 方向の空間周波数(V
-W) は先述のアライメントモードにより0 もしくは十分
小さい状態に調整されているので、結局 Im1=(AB/2)[cos(P1-Q)]+RS ・・・(46) なる輝度分布画像Im1 がコンピュータ10に得られる。こ
の結果をコンピュータ10の記憶手段に一時保存する(s2
5) 。
【0133】次いでs26 において全ての参照画像データ
との計算が終了したか否かの判断を行い、もし終了して
いなければ、s27 において次ぎの参照画像データをロー
ドし、再びs23〜s26 の処理を行う。
【0134】s10〜s14 においてn 個の参照画像データ
を用意しており、それぞれの参照画像データは同じ空間
周波数分布の縞パターンであるが初期位相が少しずつず
れたデータとなっていた。すなわち、参照画像としては
【0135】
【数7】 のようなデータが記録されている。
【0136】それぞれの参照画像データと入力画像デー
タをs23〜s27 のループにより処理すれば式(46)と同様
の結果が得られ、
【0137】
【数8】 なるn 個の輝度分布画像が得られる。
【0138】次ぎに、s28 において中間画像Im1〜Imn
に前記のバケット法を適用して入力画像の初期位相分布
Q を計算する(s28) 。
【0139】s28 で得られた位相分布Q はTan-1 の演算
で計算されている為に±π/2の範囲しか表現できない。
従ってこの範囲を超える位相分布があると本来滑らかな
データが不連続な様に見えるため、位相つなぎ処理と言
われる不連続解消の処理を行う(s29) 。
【0140】さらに、必要に応じて立体図、等高線図、
任意断面表示などの視覚化処理、直交多項式フィットな
どのデータ縮小処理を行い(s30) 、結果を測定者に理解
できる情報として表示する(s31) 。
【0141】以上の位相分布演算によって入力画像の位
相分布、即ち干渉計においてアライメントを行って粗く
干渉縞を出した状態と等価な画像の3 次元的な波面形状
データがコンピュータ10より出力される。
【0142】以上が実施形態3 の説明であるが、上記の
位相演算処理のs11 からs29 までは入力画像と参照原画
像とから入力画像の位相分布データを算出しており、こ
の演算を位相シフト電子モアレ演算と呼ぶ。
【0143】なお、図5 において干渉計100 から画像記
録手段11までは被測定干渉縞画像を撮像して記録媒体に
記録する部分であり、これを入力画像記録装置と呼び、
画像再生手段16から以降の部分は記録媒体に記録されて
いる被測定干渉縞画像 (入力画像) からその位相分布を
算出する部分であり、これを入力画像処理装置と呼ぶこ
ととする。
【0144】又、乗算器4 、LPF 5 、参照原画像ジェネ
レータ18、モニタ9 等は入力画像と参照原画像とからビ
デオレートの速さでモアレ画像を作成してモニタに表示
するモアレ画像出力手段の一要素を構成している。
【0145】本実施形態は特に高精度なアライメントを
容易に達成できて、高精度で被測定干渉縞画像の位相分
布を測定することができる。 (ここで云う特に高精度な
アライメントとはモアレ画像出力手段を利用して参照原
画像を更新することにより入力画像に最も近い参照原画
像を得ることを指す) 。
【0146】本実施形態は被測定干渉縞画像を検出して
記録媒体に記録する入力画像記録装置と該記録媒体の被
測定干渉縞画像を再生してその位相分布を検出する入力
画像処理装置の2 つの装置で構成することにより測定す
べき被測定干渉縞画像 (入力画像) の入手と該画像の解
析を時間的、空間的に完全に分離した状態で行うことを
可能とし、例えば遠方の工場にある解析機能を持たない
単純な干渉計で撮影した1 枚の干渉縞写真から位相分布
を検出することを可能とする。
【0147】又、その際モアレ画像出力手段は参照原画
像の更新に対してモアレ画像をビデオレートで出力・表
示するので作業者は滑らかに高精度なアライメントを実
行することができる。
【0148】なお、図5 における画像検出手段1 はCCD
カメラだけではなく、ビジコンなどの光電撮像管、1 次
元CCD をスキャンする装置、などであっても構わない。
【0149】画像入力手段2 はさまざまな撮像手段に対
して信号の整合を取るインターフェース機能を含んでも
良い。
【0150】画像記録手段11は、ビデオテープレコーダ
ー、スチルビデオレコーダー、半導体メモリ等ビデオ信
号を記録できるものなら何でも使用可能である。
【0151】記録媒体17はビデオテープ、スチルビデオ
用ディスク、半導体メモリカード、フロッピーディスク
等が使用可能である。
【0152】また画像検出手段1 と画像入力手段2 と画
像記録手段11と記録媒体17で構成される画像入力部分
は、通常の銀塩カメラによって撮影されたフィルムまた
は印画紙上の画像でもよく、この際には画像再生手段16
を画像スキャナで構成すれば良い。
【0153】切り替えスイッチ13は必ずしも切り替える
必要はなく再生した入力画像を乗算器側とコンピュータ
側の両方に分配する分配器でも構わない。
【0154】乗算器4 は加算器または減算器で置き換え
てもモアレ縞を観測するだけなら使用可能である。
【0155】参照原画像ジェネレータ18は、高速なコン
ピュータ10の内部でソフト的に実現することも可能であ
る。
【0156】ローパスフィルター5 はコンデンサ、抵
抗、OPアンプからなるアナログフィルター、高速計算機
によるデジタルフィルターなどが使用可能であり、カッ
トオフ周波数は可変が望ましいが、固定でも構わない。
【0157】
【発明の効果】本発明は以上の構成により、参照原画像
又は参照画像を更新することにより特に高精度なアライ
メントを容易に達成できて、高精度で被測定干渉縞画像
の位相分布を測定することができる位相シフト電子モア
レ法を応用した位相分布測定方法及びそれを用いた位相
分布測定装置を達成する。
【0158】その他、 (3−1) プリアライメントから最終の位相分布デー
タを得るまで、すべて自動的に動作することにより、短
時間で、人手を要せずに高精度で波面分布を測定でき
る。 (3−2) コンピュータによって大部分の処理を行う
ので、構成要素の数が少なく、シンプルな構成となる。 (3−3) 最も困難な精密アライメントをコンピュー
タ或は参照画像ジェネレータで発生させる参照画像を書
き換えることで行うことにより特に精密な多自由度ステ
ージを必要ととせず、コストの安い測定装置を達成す
る。 (3−4) 被測定干渉縞画像を検出して記録媒体に記
録する入力画像記録装置と該記録媒体の被測定干渉縞画
像を再生してその位相分布を検出する入力画像処理装置
の2 つの装置で構成することにより測定すべき被測定干
渉縞画像 (入力画像) の入手と該画像の解析を時間的、
空間的に完全に分離した状態で行うことを可能とする。
等の少なくとも1 つの効果を有する位相分布測定方法及
びそれを用いた位相分布測定装置を達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の位相分布測定装置の実施形態1 の要
部概略図
【図2】 実施形態1 における予備位相演算処理のフロ
ーチャート図
【図3】 実施形態1 における最終位相演算処理のフロ
ーチャート図
【図4】 本発明の位相分布測定装置の実施形態2 の要
部概略図
【図5】 本発明の位相分布測定装置の実施形態3 の要
部概略図
【図6】 実施形態3 における位相演算処理のフローチ
ャート図
【図7】 従来のフィゾー型の干渉計の概略図
【図8】 従来の位相シフト電子モアレ法を用いた位相
分布測定装置の構成ブロック図
【符号の説明】
1 画像検出手段 2 画像入力手段 3 参照画像メモリ 3a,3b,3c 参照画像メモリ 4a,4b,4c 乗算器 5a,5b,5c ローパスフィルター 6a,6b 減算器 7 除算器 8 Tan-1 演算器 9 モニタ 10 コンピュータ 11 画像記録手段 12 前処理手段 13 切替スイッチ 14 参照画像ジェネレータ 15 位相つなぎ手段 16 画像再生手段 17 記録媒体 18 参照原画像ジェネレータ 101 光源 103 偏光ビームスプリッタ 104 λ/4板 107 TS面 108 被測定物 108a 被測定面 109 結像レンズ 109a 第2 の結像レンズ 109b 第1 の結像レンズ 110 レンズ切替手段 111 多自由度ステージ 112 ドライバ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 9/00 - 9/04 G01M 11/00 - 11/02 G01B 9/02 G01B 11/00 - 11/30 102

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物によって形成する被測定光と参
    照面によって形成する参照光とを干渉させて多数の干渉
    縞を発生させて空間的な搬送波を生じせしめた被測定干
    渉縞画像と、該搬送波の空間周波数と略等しい周波数を
    持つ参照原画像から初期位相の異なる複数の参照画像を
    作成し、 該被測定干渉縞画像と該参照画像とを用いて演算によっ
    て該被測定干渉縞画像の位相分布を測定する際、一旦、被測定干渉縞画像と該参照画像とから予備位相演
    算処理を行った後、 該参照原画像又は該参照画像を更新
    することにより最終位相演算処理を行うことで、該被測
    定物と該参照面とのアライメントを行うことを特徴とす
    る位相分布測定方法。
  2. 【請求項2】 被測定物によって形成する被測定光と参
    照面によって形成する参照光とを干渉させて得られる被
    測定干渉縞画像を撮像手段で検出してその位相分布を測
    定する際、 該被測定光と該参照光とを第1の結像レンズにより該撮
    像手段上に夫々光点として結像させた画像を検出し、演
    算手段により該画像から該被測定物と該参照面とのミス
    アライメント量を検出して該被測定物を調整した後、 該被測定光と該参照光とを干渉させた被測定干渉縞画像
    を第2の結像レンズを介して該撮像手段で検出して演算
    手段に出力し、該演算手段内において参照原画像を設定
    して、該参照画像と該被測定干渉縞画像との画像間乗算
    を行って複数の第1の中間画像データを算出し、該第1
    の中間画像データの高周波成分をカットして複数の第2
    の中間画像データを算出し、該第2の中間画像データを
    用いてバケット法によって位相分布を算出する予備位相
    演算処理を行って第1の位相分布データを求め、該第1
    の位相分布データに基づいて該参照原画像を更新し、再
    び該参照原画像と該被測定干渉縞画像とによって最終位
    演算処理を行って該被測定干渉縞画像の位相分布を算
    出することを特徴とする位相分布測定方法。
  3. 【請求項3】 被測定物によって形成する被測定光と参
    照面によって形成する参照光とを干渉させて得られる被
    測定干渉縞画像を撮像手段で検出してその位相分布を測
    定する際、 該被測定光と該参照光とを第1の結像レンズにより該撮
    像手段上に夫々光点として結像させた画像を検出し、演
    算手段により該画像から該被測定物と該参照面との第1
    のミスアライメント量を検出して該被測定物を調整した
    後、 該被測定光と該参照光とを干渉させた被測定干渉縞画像
    を第2の結像レンズを介して該撮像手段で検出して位相
    検出手段に出力し、該位相検出手段内において参照原画
    像を設定して、該参照原画像をもとに作成した参照画像
    と該被測定干渉縞画像とにより算出される第1の位相分
    布データによって該被測定物と該参照面との第2のミス
    アライメント量を求め、これに基づいて該被測定物を
    ライメントすることで再調整し、 その結果変化した被測定干渉縞画像を該撮像手段により
    検出して該位相検出手段に出力し、該参照画像と該変化
    した被測定干渉縞画像とにより第2の位相分布データを
    検出して演算手段に出力し、該第2の位相分布データに
    より該被測定物と該参照面との第3のミスアライメント
    量を算出し、これに基づき該位相検出手段中の参照原画
    像を更新することにより該被測定干渉縞画像の位相分布
    を検出することを特徴とする位相分布測定方法。
  4. 【請求項4】 前記被測定物を干渉計に載置した後、所
    定のスイッチを操作すれば前記被測定干渉縞画像の位相
    分布が自動的に得られることを特徴とする請求項1〜
    のいずれか1項に記載の位相分布測定方法。
  5. 【請求項5】 被測定物によって形成する被測定光と参
    照面によって形成する参照光とを干渉させて得られる被
    測定干渉縞画像を撮像手段で検出して画像記録手段によ
    り記録媒体に記録する過程と、 該記録媒体中の該被測定干渉縞画像を画像再生手段によ
    り再生して入力画像としてモアレ画像出力手段に出力し
    て、該入力画像と演算手段を介して設定する参照原画像
    とからモアレ画像を作成してモニタに表示し、該演算手
    段を操作して該参照原画像を変化させて該モアレ画像の
    縞数を少なくした後、該演算手段の中で該参照原画像と
    該入力画像とによって位相シフト電子モアレ演算を行っ
    て該被測定干渉縞画像の位相分布を算出する過程とを有
    することを特徴とする位相分布測定方法。
  6. 【請求項6】 前記モアレ画像出力手段が前記入力画像
    と前記参照原画像とから前記モアレ画像を作成して前記
    モニタに表示することをビデオレートの速さで行うこと
    を特徴とする請求項5の位相分布測定方法。
  7. 【請求項7】 干渉計に取り付けた被測定物によって形
    成する被測定光と該干渉計の参照面によって形成する参
    照光とを干渉させて多数の干渉縞を発生させて空間的な
    搬送波を生じせしめた被測定干渉縞画像と、該搬送波の
    空間周波数と略等しい周波数を持つ参照原画像から初期
    位相の異なる複数の参照画像を作成し、該被測定干渉縞
    画像と該参照画像とを用いて演算によって該被測定干渉
    縞画像の位相分布を測定する位相分布測定装置におい
    て、一旦、被測定干渉縞画像と該参照画像とから予備位相演
    算処理を行った後、 該参照原画像又は該参照画像を更新
    することにより最終位相演算処理を行うことで、該被測
    定物と該参照面とのアライメントを行うことを特徴とす
    る位相分布測定装置。
  8. 【請求項8】 干渉計に取り付けた被測定物によって形
    成する被測定光と該干渉計の参照面によって形成する参
    照光とを干渉させて得られる被測定干渉縞画像を撮像手
    段で検出してその位相分布を測定する位相分布測定装置
    にして、 該干渉計は被測定光と該参照光とを該撮像手段の撮像面
    上に夫々光点として結像させる第1の結像レンズと、該
    被測定光と該参照光とを干渉させた被測定干渉縞画像を
    該撮像面上に結像させる第2の結像レンズと該2つの結
    像レンズを切り替えるレンズ切替手段を有しており、 参照原画像を設定してこれより複数の参照画像を作成し
    て、該被測定干渉縞画像と該参照画像との画像間演算を
    行って該被測定干渉縞画像の位相分布を算出する演算手
    段を有することを特徴とする位相分布測定装置。
  9. 【請求項9】 前記画像間演算は前記複数の参照画像と
    前記被測定干渉縞画像との画像間乗算を行って複数の第
    1の中間画像データを算出し、該第1の中間画像データ
    の高周波成分をカットして複数の第2の中間画像データ
    を算出し、該第2 の中間画像データを用いてバケット
    法によって位相分布を算出する演算であることを特徴と
    する請求項8の位相分布測定装置。
  10. 【請求項10】 干渉計に取り付けた被測定物によって
    形成する被測定光と該干渉計の参照面によって形成する
    参照光とを干渉させて得られる被測定干渉縞画像を撮像
    手段で検出してその位相分布を測定する位相分布測定装
    置にして、 該干渉計は被測定光と該参照光とを該撮像手段の撮像面
    上に夫々光点として結像させる第1の結像レンズと、該
    被測定光と該参照光とを干渉させた被測定干渉縞画像を
    該撮像面上に結像させる第2の結像レンズと該2つの結
    像レンズを切り替えるレンズ切替手段を有しており、 参照画像発生手段と参照画像記憶手段と空間位相演算手
    段とを有する位相検出手段を有し、 該位相検出手段は該演算手段が設定する参照原画像より
    作成した複数の参照画像と該被測定干渉縞画像とから該
    被測定干渉縞画像の位相分布を検出することを特徴とす
    る位相分布測定装置。
  11. 【請求項11】 前記被測定物を前記干渉計に載置した
    後、所定のスイッチを操作すれば前記被測定干渉縞画像
    の位相分布が自動的に得られることを特徴とする請求項
    8〜10のいずれか1項に記載の位相分布測定装置。
  12. 【請求項12】 被測定物によって形成する被測定光と
    参照面によって形成する参照光とを干渉させて被測定干
    渉縞画像を発生させる干渉計と、該被測定干渉縞画像を
    検出する撮像手段と、検出した該被測定干渉縞画像を記
    録媒体に記録する画像記録手段とを有する入力画像記録
    装置と、 該記録媒体の該被測定干渉縞画像を入力画像として再生
    する画像再生手段と、演算手段と、該入力画像と演算手
    段を介して設定する参照原画像とからビデオレートの速
    さでモアレ画像を作成してモニタに表示し、該演算手段
    を操作して該参照原画像を変化させて該モアレ画像の縞
    数を少なくした後、該演算手段の中で該参照原画像と該
    入力画像とによって位相シフト電子モアレ演算を行って
    該被測定干渉縞画像の位相分布を算出するモアレ画像出
    力手段とを有する入力画像処理装置とから構成している
    ことを特徴とする位相分布測定装置。
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