JP3065374B2 - 被検体の光学的検査方法、被検体の光学的検査装置、および被検体の光学的検査用干渉計 - Google Patents

被検体の光学的検査方法、被検体の光学的検査装置、および被検体の光学的検査用干渉計

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JP3065374B2 JP3086467A JP8646791A JP3065374B2 JP 3065374 B2 JP3065374 B2 JP 3065374B2 JP 3086467 A JP3086467 A JP 3086467A JP 8646791 A JP8646791 A JP 8646791A JP 3065374 B2 JP3065374 B2 JP 3065374B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
【0002】本発明は、被検体についての情報をデータ
点のラスタにより撮影された光のパターンの形で形成
し、複数の位相像として評価する、被検体の光学的検査
方法および装置に関する。本発明はまた、被検体の光学
的検査用干渉計に関する。
【0003】
【従来の技術】
【0004】被検体の光学的検査のためのきわめて種々
の手法が公知である。干渉計測法はこれらの手法のうち
の一群を成している。
【0005】干渉計測法による表面検査に対して、対象
物表面にて反射された光波と基準表面で反射された光波
とが干渉的に重畳される。ここで輝度パターンが生じ、
このパターンに基準面と対象物表面との偏差についての
情報が含まれている。この輝度パターンがカメラによっ
て撮影される。
【0006】干渉計測法による検査はまた透過光を使用
しても行われる。このために光ビームが測定ビームと基
準ビームとに分割される。測定ビームは透明な被検体を
透過し、続いて2つのビーム路がやはり干渉的に重畳さ
れる。前述と同様に輝度パターンが形成され、カメラに
より撮影される。
【0007】輝度パターンの像からカメラ画像の各点に
おいて輝度に属する位相値が計算され、1つの位相像に
まとめられる。この位相値の計算に対しても多数の種々
の手法が公知である。それらの手法およびその利点、欠
点についての良好な概説は論文 B.Doerband, Universit
aet Stuttgart, 1986 に記載されている。
【0008】干渉に係わる式の周期性のために、輝度に
属する位相値は常に数値2πの整数倍すなわちモジュロ
2πまでしか計算できない。この数の未知の整数倍を零
に等しくセットすると、被検体表面が連続的であるとい
う前提条件のもとであっても位相像にいわゆる跳躍個所
(位相のとび)が生じる。この跳躍個所では隣接する点
で計算された位相値の差が、大きさの点で数値πより大
である。被検体表面の輪郭ないし基準体からの被検体の
偏差を求めるためには、前述の整数倍の値を検出してい
わゆる跳躍個所を除去する必要がある。
【0009】跳躍個所を除去するための公知方法は文献
K.Itoh, Applied Optics, 21, 1982 の2470頁に記載さ
れている。この文献によれば、まずカメラ画像の隣接点
の位相値の差が計算される。サンプリング定理によりこ
の差は大きさの点でπより大きくなければならず、この
差がπより明らかに大である跳躍個所を一義的に識別す
ることができる。次に跳躍個所でこの差に数値2πが加
算されるか、またはこの差から数値2πが差引かれ(加
算の場合のほうが多い)、これにより跳躍個所の除去さ
れた位相値の差は−π〜+πの間となる。したがって前
述の差はモジュロ2πで表示される。モジュロ2πで表
示された位相値の差を位相像全体にわたって積分するこ
とにより、跳躍個所の除去された位相チャートが得られ
る。したがってこの位相チャートの位相値で数値2πの
整数倍が定められ、基準面と対象物表面との偏差ないし
基準体と被検体との偏差を一義的に計算できる。
【0010】ドイツ連邦共和国特許出願公開第3600
672号公報およびヨーロッパ特許出願公開第0262
039号公報からは、縞パターンを対象物表面へ投影照
射し、投影照射された縞パターンをカメラで撮影するこ
とが公知である。ここでは対象物表面の輪郭により、カ
メラで撮影された縞パターンの変形が生じる。このカメ
ラ画像の評価は干渉計測法によって生じた輝度パターン
の評価と同様に行われる。これはまずカメラ画像の各点
に対して輝度から縞パターンの位相値を計算することに
よって行われる。計算された位相値は1つの位相像にま
とめられる。この位相像も跳躍個所を有する。なぜなら
やはり位相値が数値2πの整数倍までしか計算されない
からである。
【0011】統計的な測定誤差は例えばカメラのディテ
クタノイズまたはビーム路中の乱流空気の影響に起因し
ているが、多数の個別測定にわたって平均化することに
より低減できる。ただし跳躍個所を除去する前の位相値
の平均化は不可能である。なぜなら平均化した後は跳躍
個所をもはや除去できないからである。これは平均化し
た後はサンプリング定理をもはや跳躍個所の識別のため
に利用できないためである。したがって上掲のK.Itoh
の論文においては跳躍個所の除去された位相チャート全
体にわたってに平均化することが必要であるとされてい
る。
【0012】跳躍個所の除去された位相チャートの計
算、すなわち跳躍個所の除去動作は比較的時間を要する
プロセスである。なぜなら位相像の各点に対して少なく
とも1つの積分を行わなくてはならないからである。差
当り計算された位相値が位相像の種々の点で相互に一貫
しているか否かが検査される場合、J. Opt. Soc. Am.
A, Vol.4, No.1, 1987 に記載されているように、跳躍
個所を除去する際の計算コストはさらに大きくなる。こ
の所要時間は平均化される位相像の数に比例して平均化
の際に増大する。したがって統計的な誤差を明らかに低
減させるためにはきわめて長い測定時間ないし計算時間
を甘受しなければならない。これは統計的誤差が周知の
ように平均化される位相像の数の平方根に逆比例するか
らである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】本発明の課題は、できるだけ短い測定時間
で多数の位相像についての平均化を可能にする冒頭に述
べた形式の方法および装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
【0016】この課題は本発明にしたがって、光を被検
体へ配向し、この被検体についての情報に相応する輝度
の相対的な変化を表すパターンを形成し、複数のパター
ンをデータ点のラスタにより個別に撮影し、データ点の
ラスタにより各データ点で撮影されたパターンの相対的
な輝度に相応する複数の位相像の位相値を求め、位相像
の隣接するデータ点の位相値の差を計算してモジュロ2
πで表示することにより各位相像の位相値の変化を求
め、求められた各位相像の位相値の変化を位相値間の差
として記憶し、1つの位相像の隣接するデータ点の位相
値間の差と、別の位相像の同じ位置で隣接するデータ点
の位相値間の差とを合計することにより解決される。
【0017】
【発明の実施の形態】
【0018】本発明では周知の手法とは異なって、複数
の位相像から計算された位相値を各データ点において跳
躍個所を除去した後に合計するのではなく、複数の位相
像の隣接するそれぞれのデータ点の位相値のモジュロ2
πで表示された差を合計する。したがって位相チャート
を計算するための時間のかかる跳躍個所の除去動作は平
均化される位相像の数に無関係に一度だけ行えばよい。
【0019】上記位相値の差の合計はビデオリアルタイ
ムで行うことができる。跳躍個所の除去は緩慢に行われ
るので、多数の位相像の差を測定時間全体を著しく増大
させずに合計できる。跳躍個所を除去するために位相差
の合計された差がデータ点のラスタにわたって積分され
る。
【0020】有利には跳躍個所の除去のための積分プロ
セスが行われた後、この積分値は各データ点で合計され
た位相像の数により正規化される。その場合位相チャー
トから合計された位相像の数に無関係に対象物表面の適
正な輪郭が求められ、正規化の際に生じる丸め誤差は伝
播しないことが保証される。
【0021】カメラにより撮影されたパターンが干渉写
真である場合、本発明の方法を適用することができる。
測定ビームは被検体の表面にて反射されたものであって
もよいし、透明な被検体を通して透過したものであって
もよい。
【0022】さらにカメラによって撮影されたパターン
は被検体に投影照射された周期的な輝度分布であっても
よい。この輝度分布は透過または拡散反射してカメラに
より撮影される。
【0023】さらにカメラは唯一の行に沿ってだけでは
なく、複数の行に沿ってもパターンを撮影できる。ただ
し本発明の方法を適用して達成される時間の節減は、後
者のように2次元画像が記録される場合には著しく大き
くなる。これは評価すべきデータ点の数が同様に著しく
大きくなるからである。
【0024】カメラがパターンを複数の行に沿って撮影
する場合、評価はデータ点の2次元のラスタ上で行われ
る。その場合、行方向で隣接するデータ点の位相値の差
だけでなく、列方向で隣接するデータ点の位相値の差が
形成され、そのつどモジュロ2πで表示される。この過
程は所望の数に相応して位相像で繰返され、行方向およ
び列方向で隣接するデータ点の位相値のモジュロ2πで
表示された差はそれぞれ相応のそれまでの値に加算され
る。各位相値は各位相像から計算される。
【0025】位相チャートを計算するために、このよう
に合計された位相値の差についての変位量積分値が計算
され、この変位量積分値の値が合計されたカメラ画像の
数により除算される。
【0026】位相値の差の合計または位相値の差の平均
化は基本的にプログラムによりコンピュータで行うこと
ができる。
【0027】本発明の方法の実施のためのハードウェア
によるディジタル電子装置が特に有利である。この装置
は著しく高い速度を特徴としている。
【0028】この種のハードウェア的な装置はラインカ
メラを有し、このカメラは直線に沿ってパターンを撮影
する。各データ点におけるカメラの出力信号は所定の周
波数で読み出され、ディジタル化される。ディジタル化
された出力信号から位相値が計算され、この位相値は差
動回路の2つの入力側に供給される。差動回路の2つの
入力側の一方に遅延線路が設けられており、この遅延線
路は入力側に供給される信号を読み出し周波数の一周期
分だけ遅延させる。この遅延により隣接するデータ点の
位相値が相互に減算される。この差のモジュロ2π演算
はハードウェアとしてきわめて簡単に次のようにして実
現される。即ち差動回路の出力信号が入力信号と同じデ
ータ幅を有するようにして実現される。差動回路の出力
信号はまず加算器の一方の入力側で比較的大きなデータ
幅に変換される。加算器は位相値のモジュロ2πで表示
された差を既に画像メモリ中に記憶された差に加える。
和は再び画像メモリ内に記憶される。
【0029】所望の数の位相像についてモジュロ2πで
表示された位相値の差が合計された後、位相値は積分プ
ロセスによりコンピュータで求められ、位相チャートの
形でモニタ上に表示される。
【0030】カメラがパターンの2次元画像を撮影する
場合、差動回路、加算器、画像メモリはそれぞれ2重に
設けられるべきである。第2の差動回路は列方向に隣接
するデータ点の位相値を相互に差引く。第2加算器は列
方向に隣接するデータ点の位相値のモジュロ2π表示さ
れた差を、既に第2画像メモリに記憶された差に加え
る。和は再び第2画像メモリ中に記憶される。
【0031】差動回路及び加算器は有利に算術論理ユニ
ットから成る。
【0032】
【実施例】
【0033】次に図示の実施例を用いて本発明を詳細に
説明する。
【0034】図1の装置はレーザ1を有しており、この
レーザのレーザビーム2はテレスコープ3で拡開され
る。ビームスプリッタ4は拡開されたレーザビームを測
定ビーム路5と基準ビーム路6とに偏向する。被検体表
面7で反射された測定ビーム路5の光、および基準ミラ
ー8で反射された基準ビーム路6の光が、ビームスプリ
ッタ4によりCCDカメラ9のセンサ9aに偏向され
る。このカメラセンサ9aは被検体表面7で反射された
測定ビーム路の光、および基準面8で反射された基準ビ
ーム路の光の干渉写真を撮影する。この干渉写真には被
検体表面と基準面との偏差に関する情報が含まれてい
る。
【0035】基準ミラー8は空間搬送周波数foを発生
させるために小さな角度εだけ傾斜されて基準ビーム路
6に配置されている。干渉写真の光強度I(x,y)は
干渉関係式 I(x,y)=a(x,y)+b(x,y)cos(2
πfox+w(x,y)) によって定められる。ここでa(x,y)は装置固有の
“定数成分”を表し、これは例えば散乱光、レーザビー
ム2のプロフィールの非均一性、またはカメラセンサ9
aの位置に依存する感度に起因する。被検体表面7およ
び基準ミラー8の横方向で異なる反射性が位置に依存す
る変調度b(x,y)によって表され、w(x,y)は
被検体表面7の輪郭に属する位相値を表す。大きさdを
有する輪郭により位相値の変化 Δw=4πd/λ ここでλはレーザ1の波長 が生じる。
【0036】位相値w(x,y)は空間的なフーリエ変
換法(これは上掲のB.Doerbandの論文に説明されてい
る)に従って、位相像の各点に対して計算され、1つの
位相像にまとめられる。
【0037】位相値は他の手法、例えば同様にB.Doerba
ndの論文に説明されている“Phase-stepping within ti
me frame”法(時間領域内の位相段階付け法)によって
も計算できる。その場合カメラ画像の撮影の間に基準ミ
ラー8がそのつど光学軸に対して平行にずらされ、得ら
れた複数のカメラ画像から1つの位相像が形成される。
この手法はそのため幾らか緩慢であるが、比較的高い精
度が得られる。
【0038】干渉の式の2π周期性により、干渉写真の
光強度I(x,y)から位相値w(x,y)は数値2π
の整数倍までしか求められない。精確に云えば、計算さ
れた位相値は−π〜+πの間に存在する。所定の位置で
干渉している2つの部分光ビーム路5、6間の位相差が
数値πを越えると、計算された位相像は当該の個所に跳
躍個所(位相のとび)を有する。この跳躍個所では位相
像の隣接する点の各位相値w(x,y)の差がπより大
きい。
【0039】図2に示された装置はコンデンサレンズ1
2を有し、このレンズは光源11の光から平行なビーム
路15を有する。平行な光ビーム13はコサイン状の透
過特性を有する格子14を透過する。格子14を介して
空間的に変調された光ビームは空間周波数フィルタ15
を介してテレセントリックに被検体表面16の法線nに
対して角度αをなして被検体表面16に投影照射され
る。
【0040】カメラ18は対象物表面16に照射投影さ
れた輝度パターンの画像をテレセントリックな受信光学
系17を介して被検体表面16に対して垂直に撮影す
る。
【0041】被検体表面16の輪郭により輝度パターン
が変形する。すなわち被検体表面16の形状に応じて、
同じ光強度の点がカメラ18上で比較的大きな間隔また
は小さな間隔を有する。この変形の強さは縞パターンの
入射方向と被検体表面16の法線nとの角度αに依存す
る。
【0042】カメラ18により撮影された画像は、被検
体が面法線nに対して平行な方向へ輪郭平面の間隔hの
整数倍だけずらされる場合にも変化しない。したがって
このカメラ画像の評価の際にも、被検体表面16の輪郭
は輪郭平面の間隔hの整数倍しか求められない。干渉計
測法と同様に、深度Dの被検体表面16の輪郭には縞の
位相 Δws=2πD/h が対応する。この縞の位相は干渉計測法と同様にやはり
数値2πの整数倍しかカメラ18の像から計算されな
い。
【0043】図3の装置はCCDカメラ20を有し、こ
のカメラは図1または図2の装置で生じたパターンをa
×bのデータ点P(i,j)の2次元ラスタ上で撮影す
る。ここでaはカメラのセンサの列の数、bはセンサの
行の数である。カメラは全部で512行512列を有し
ているが、ここでは4行4列のみを示してある。データ
点p(i,j)で測定された強度値が、A/D変換器2
1でそれぞれ8ビットデータ幅にディジタル化される。
【0044】ディジタル化された強度値から空間的なフ
ーリエ変換法により計算機ユニット22で所属の位相値
が、数値2πの整数倍まで計算される。これらの位相値
は全て−πから+π・(1−1/128)の内部にあ
る。フーリエ変換法は例えば上掲のB.Doerbandの論文に
記載されている。従ってこれについては詳述しない。
【0045】計算機ユニット22で計算されたカメラの
各データ点P(i,j)の位相値wP(i,j)は中間
メモリ23に位相像として記憶される。中間メモリ23
は固定周波数で直列的に読み出される。この周波数は同
期化ユニット24により定められている。
【0046】中間メモリ23に記憶された位相値w(P
(i,j))は第1の算術論理ユニットALU26の2
つの入力側に供給される。このALUは2つの入力信号
間の差を形成する差動回路として設計されている。
【0047】第1のALU26の2つの入力側のうちの
一方に遅延線路25が設けられており、この遅延線路の
遅延作用量は同期化ユニット24によって定められた周
波数の1周期とちょうど同じ大きさである。第1のAL
U26はしたがってカメラ20の同一の行の2つの隣接
するデータ点(P(i,j),P(i+1,j))の位
相値を減算する。
【0048】第1のALU26の出力信号は入力信号と
同じ8ビットのデータ幅で表示される。これは数学的な
意味で、第1のALU26によって計算される差のモジ
ュロ2π表示に相応する。すなわちこの差は同様に−π
からπ・(1−1/128)までの値をとる。第2のA
LU27の入力側の加算器ではじめてこの差は16ビッ
トのデータ幅に変換される。
【0049】加算ALU27の第2の入力側には第1の
画像メモリ28の出力信号が供給される。この信号は既
に16ビットのデータ幅を有する。第1の画像メモリ2
8は中間メモリ23に同期して直列的に読み出される。
加算ALU27の出力信号は第1の画像メモリ28に再
び16ビットデータ幅で記憶される。
【0050】第1のALU26に並列に第3のALU3
0が設けられており、この第3のALU30は差動回路
として設けられており、その2つの入力側には同様に中
間メモリ23の出力信号が供給される。ただし第3のA
LU30の入力側のうちの一方に遅延線路29が設けら
れており、この遅延線路の遅延作用量は同期化ユニット
24により定められた周波数の周期のちょうどa倍であ
る。ここでaはカメラ20の1つの行におけるデータ点
の数である。第3のALU30はしたがってカメラ20
の同一列の2つの隣接する点(P(i,j),P(i,
j+1))の位相値の差を形成する。
【0051】第3のALUの出力信号も入力信号と同じ
8ビットのデータ幅で表示される。つまり計算された位
相値の差も同様にモジュロ2πで表示され、第4のAL
U31の入力側の別の加算器で16ビットデータ幅に変
換される。
【0052】第4のALU31の第2の入力側には第2
の画像メモリ32の出力信号が供給される。この信号は
既に16ビットのデータ幅を有する。第2の画像メモリ
32は同様に中間メモリ23に同期して直列的に読み出
され、第4のALU31の出力信号が同様に16ビット
データ幅で第2の画像メモリ32に記憶される。
【0053】データ点P(i,j)に対応する第1の画
像メモリ28のメモリロケーションはこのデータ点P
(i,j)と同一の行の隣接するデータ点P(i+1,
j)との位相値の間の差を含んでおり、この差はカメラ
20の複数の画像について合計されている。データ点P
(i,j)に対応する第2の画像メモリ32のメモリロ
ケーションは、同数のカメラ20の画像にわたって合計
された差、すなわちデータ点P(i,j)と同一の列の
隣接するデータ点P(i,j+1)における位相値の間
の差を含んでいる。
【0054】2つの加算器27、31において最初8ビ
ットのデータ幅でディジタル化された信号を16ビット
のデータ幅へ変換することにより、この装置を用いて2
55個までのカメラ画像にわたって情報損失をきたさず
に平均化できる。統計的誤差はこれにより1/16に低
減される。こおn平均化はビデオリアルタイムで行なわ
れる。換言すれば平均化は255個のカメラ画像につい
てほぼ11sec継続する。
【0055】2つの加算器27、31および2つの画像
メモリ28、32が16ビットより大きいデータ幅に対
して設計されている場合、統計的誤差のさらなる低減が
可能である。24ビットデータ幅に対する構成素子の設
計により、カメラ20の216個の画像にわたって平均化
が可能となる。その際に統計的誤差は1/256に低減
される。
【0056】カウンタ33は平均化される位相像の数を
カウントする。平均化の終了後にコンピュータ34は2
つの画像メモリ28、32に記憶されたデータを読み出
し、変位量積分により唯一の跳躍個所の除去を行う。こ
の評価はデータ点の離散的なラスタで行われるので、各
変位量積分値は合計値に相応する。コンピュータ34に
よって計算された最終的な位相値は位相像数によって除
算され、1つの位相チャートにまとめられる。この位相
チャートはモニタ35上にグラフィック表示される。
【0057】この跳躍個所の除去はほぼ20secの計
算時間を要する。これにより255個のカメラ画像31
についての平均化を含めた被検体表面の測定は31se
c継続する。高い干渉計測上の安定性は図1、図2、図
3の光学装置に最初の11secの期間しか要求されな
い。すなわちカメラ画像が合計される最初の11sec
の間しか要求されないのである。これに対して周知の手
法では跳躍個所を除去するための計算時間に255×2
0secすなわちほぼ1.5時間を要し、その間中高い
安定性を確保しなければならない。
【0058】このように比較すると、本発明の装置が生
産プロセスにおいて感度および精度の要求される順次チ
エックに良好に統合されることが明らかである。特に被
検体を他の被検体と交換するために跳躍個所を除去する
のにかかる時間が既に利用できる。その場合には各被検
体に対する有効チェック持続時間は個別の測定に必要な
時間と同じであるが、統計的誤差は個別の測定に比べて
係数16だけ小さい。
【0059】カメラ画像の個別の点における輝度パター
ンはきわめて小さなコントラストしか有さないことが多
い。その原因は被検体の不都合な光学的特性(例えば局
所的に強い散乱)である。その場合には通常はそのよう
なデータ点をマスキングし、続く評価の際に考慮しな
い。複数の位相像にわたる平均化の際には、全ての位相
像においてマスキングされていないデータ点のみを利用
して、最終的に評価すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】被検体表面を測定するための干渉測定装置のビ
ーム路の概略図である。
【図2】被検体表面に投影照射されたパターンにより被
検体表面を測定する装置のビーム路の概略図である。
【図3】カメラにより撮影された2次元パターンの評価
のためのハードウェアによるディジタル電子装置のブロ
ック回路図である。
【符号の説明】
1 レーザ 2 レーザビーム 3 テレスコープ 4 スプリッタ 5 測定ビーム路 6 基準ビーム路 7 被検体表面

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体についての情報をデータ点のラス
    タにより撮影された光のパターンの形で形成し、複数の
    位相像として評価する、 被検体の光学的検査方法において、 光を被検体へ配向し、該被検体についての情報に相応す
    る輝度の相対的な変化を表すパターンを形成し、 複数のパターンをデータ点のラスタにより個別に撮影
    し、 前記データ点のラスタにより各データ点で撮影されたパ
    ターンの相対的な輝度に相応する複数の位相像の位相値
    を求め、 位相像の隣接するデータ点の位相値の差を計算してモジ
    ュロ2πで表示することにより各位相像の位相値の変化
    を求め、 求められた各位相像の位相値の変化を位相値間の差とし
    て記憶し、 1つの位相像の隣接するデータ点の位相値間の差と、別
    の位相像の同じ位置で隣接するデータ点の位相値間の差
    とを合計する、 ことを特徴とする被検体の光学的検査方法
  2. 【請求項2】 前記カメラ(9)により撮影されたパタ
    ーンは対象物表面(7)で反射された光と基準表面
    (6)で反射された光との干渉写真である、請求項1記
    載の方法
  3. 【請求項3】 前記カメラにより撮影されたパターンは
    被検体(16)に投影照射された周期的な輝度分布であ
    る、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記カメラ(20)により撮影されたパ
    ターンをデータ点の2次元のラスタとして評価し、行方
    向で隣接するデータ点の位相値の差、および列方向で隣
    接するデータ点の位相値の差を形成してそのつどモジュ
    ロ2πで表示し、平均化のためにモジュロ2πで表示さ
    れた前記差を各データ点ごとに複数の位相像について合
    計する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方
  5. 【請求項5】 被検体についての情報をデータ点のラス
    タにより撮影された 光のパターンの形で形成し、複数の
    位相像として評価する、 被検体の光学的検査装置において、 光を被検体へ配向し、該被検体についての情報に相応す
    る輝度の相対的な変化を表すパターンを形成するように
    配置された光源と、 複数のパターンをデータ点のラスタにより個別に撮影す
    るカメラと、 前記データ点のラスタにより各データ点で撮影されたパ
    ターンの相対的な輝度に相応する複数の位相像の位相値
    を求める計算機ユニットと、 位相像の隣接するデータ点の位相値の差を計算してモジ
    ュロ2πで表示することにより各位相像の位相値の変化
    を求める差動回路と、 求められた各位相像の位相値の変化を位相値間の差とし
    て記憶する画像メモリと、 1つの位相像の隣接するデータ点の位相値間の差と、別
    の位相像の同じ位置で隣接するデータ点の位相値間の差
    とを合計する加算器とを有しており、 前記差動回路は出力側を有しており、 前記画像メモリは入力側および出力側を有しており、 前記加算器は第1の入力側および第2の入力側と出力側
    とを有しており、加算器の第1の入力側は差動回路の出
    力側に接続されており、加算器の第2の入力側は画像メ
    モリの出力側に接続されており、加算器の出力側は画像
    メモリの入力側に接続されている、 ことを特徴とする被検体の光学的検査装置
  6. 【請求項6】 光ビームを形成する光源と、 測定ビーム路および基準ビーム路と、 前記測定ビーム路内に被検体を配置する手段と、 光ビームを測定ビーム路および基準ビーム路に配向し、
    被検体についての情報に相応する相対的な輝度の変化を
    表すパターンを測定ビーム路の光ビームと基準ビーム路
    の光ビームとの干渉により形成する手段と、 複数のパターンをデータ点のラスタにより個別に撮影す
    るカメラと、 データ点のラスタにより各データ点で撮影されたパター
    ンの相対的な輝度に相応する複数の位相像の位相値を求
    める計算機ユニットと、 位相像の隣接するデータ点の位相値の差を計算してモジ
    ュロ2πで表示することにより各位相像の位相値の変化
    を求める差動回路と、 求められた各位相像の位相値の変化を位相値間の差とし
    て記憶する画像メモリと、 1つの位相像の隣接するデータ点の位相値間の差と、別
    の位相像の同じ位置で隣接するデータ点の位相値間の差
    とを合計する加算器とを有しており、 前記差動回路は出力側を有しており、 前記画像メモリは入力側および出力側を有しており、 前記加算器は第1の入力側および第2の入力側と出力側
    とを有しており、加算器の第1の入力側は差動回路の出
    力側に接続されており、加算器の第2の入力側は画像メ
    モリの出力側に接続されており、加算器の出力側は画像
    メモリの入力側に接続されている、 ことを特徴とする被検体の光学的検査用干渉計
  7. 【請求項7】 光ビームを形成する光源と、 光ビームを空間変調して周期的な輝度パターンを形成す
    る手段と、 変調された光ビームを被検体へ投射することにより複数
    の周期的な輝度パターンをデータ点のラスタにより個別
    に撮影するカメラと、 データ点のラスタにより各データ点で撮影されたパター
    ンの相対的な輝度に相応する複数の位相像の位相値を求
    める計算機ユニットと、 位相像の隣接するデータ点の位相値の差を計算してモジ
    ュロ2πで表示することにより各位相像の位相値の変化
    を求める差動回路と、 求められた各位相像の位相値の変化を位相値間の差とし
    て記憶する画像メモリと、 1つの位相像の隣接するデータ点の位相値間の差と、別
    の位相像の同じ位置で隣接するデータ点の位相値間の差
    とを合計する加算器とを有しており、 前記差動回路は出力側を有しており、 前記画像メモリは入力側および出力側を有しており、 前記加算器は第1の入力側および第2の入力側と出力側
    とを有しており、加算器の第1の入力側は差動回路の出
    力側に接続されており、加算器の第2の入力側 は画像メ
    モリの出力側に接続されており、加算器の出力側は画像
    メモリの入力側に接続されている、 ことを特徴とする被検体の光学的検査用干渉計
  8. 【請求項8】 被検体についての情報をデータ点のラス
    タにより撮影された光のパターンの形で形成し、複数の
    位相像として評価する、 被検体の光学的検査装置において、 光を被検体へ配向し、該被検体についての情報に相応す
    る輝度の相対的な変化を表すパターンを形成するように
    配置された光源と、 複数のパターンを個別に検出し、該パターンを相応の電
    気信号へ変換するカメラと、 該電気信号を受信および処理して、相応のモジュロ2π
    で表示される位相値を計算することにより各データ点で
    個別に検出された相対的な輝度を求める計算機ユニット
    と、 個別に検出されたパターンの隣接するデータ点の位相値
    間の差を個別に計算してモジュロ2πで表示することに
    より、個別に検出された各パターンにおける1つのデー
    タ点とこれに隣接するデータ点の差とを求める差動回路
    と、 個別に検出された複数のパターンにおいて検出されたの
    と同じ個別のデータ点について個別に計算された位相値
    の差を合計し、加算出力信号を形成する加算器とを有し
    ており、 前記計算機ユニットにより前記加算出力信号が受信さ
    れ、積分された位相値の2πの倍数が合計された位相値
    の差から求められる、 ことを特徴とする被検体の光学的検査装置
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