JP3610163B2 - ガラス基板分断方法 - Google Patents
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- Organic Chemistry (AREA)
- Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は単一の大きなガラス基板や、貼り合わてなる大きな一対のガラス基板を所要通りのサイズに分断し、これによって多数の液晶表示素子やエレクトロルミネッセンスなどの電子部品もしくはデバイス部品に供して、量産性を向上せしめたガラス基板分断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は2枚のガラス基板を貼り合わせて、その間に液晶を封入した構成であって、その貼り合わせ基板を多数個作成するために、ガラス基板の分断技術が開発されている。
【0003】
特開平4−246618号に提案された技術を図3によって説明すると、まず同図(A)に示す通り、テーブル上に配置したガラス基板1をローラ2で挟持しながら送り、次いで真空吸着可能なホルダー3でガラス基板1の液晶表示素子の中央部に相当する位置を吸着し、その後に分断位置にカッター4でスクライブライン5を入れる。その際にカッター4の下側はローラ6で受けている。
【0004】
次に同図(B)に示す通り、ホルダー3をガラス基板1のスクライブライン5に引張応力がかかるように、0.5〜3.0度傾斜させる。そのときにホルダー3に内蔵した応力センサーでガラス基板1にかかる応力を調整しながら、スクライブライン5にクラッチを入れる。
【0005】
そして、ガラス基板の裏面についても同図(A)および(B)の工程を実施して、さらに同図(C)に示す通り、ホルダー3を右方向に移動させると、液晶表示素子7はガラス基板から分断される。
【0006】
また、特開平5−286733号に提案された技術を図4でもって説明すると、2枚のガラス基板8、9をスペーサー材10を介して貼り合わせた構造のものに対して、その下側のガラス基板8に、分断しようとするスクライブライン11を設け、他方のガラス基板9上に直径3mmのウレタン線材12を載せ、このウレタン線材12上を凹溝を有する回転コロ13を約30kgの押圧荷重Pをかけながら回転させて、下側のガラス基板8を分断している。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、特開平4−246618号の技術においては、1枚のガラス基板1より多くの基板を得たい場合に、より多くのスクライブライン5が要求されることになるので、多様なライン5を設けることになり、それらに対して個別にホルダー3の吸着位置と、ホルダー3のサイズ等を厳密に設定しなければならなくなり、これによって煩雑な作業となって、製造効率が低下し、その結果、製造コストが高くなるという問題点がある。
【0008】
その上、ホルダー3の吸着位置によっては、高精度な分断ができないという問題点もある。この問題点を図5により説明すると、隣接した2本のスクライブライン5がある場合には、これらのスクライブライン5と吸着位置14との関係で、ホルダー3にてガラス片を取り除く際に、自ずと限界があり、しかも、そのガラス片が小さすぎると、ホルダー3を傾けた際にはずれることになって、高精度な分断ができなくなり、あるいは15の位置が吸着位置である場合には、その狭い領域にホルダー3を配置するために、ホルダー自体のサイズを考慮しなければならないという問題点がある。
【0009】
また、特開平5−286733号の技術においては、スクライブライン11毎に線材12を移動させる必要があり、製造効率が低下するという問題点がある。しかも、スクライブライン11に精度よく線材12を載置させるには、相当に困難であり、そのために製造効率が下がり、製造コストが上がるという問題点もある。
【0010】
したがって本発明は、叙上に鑑みて完成されたものであり、その目的はスクライブラインの設定精度を高めるとともに、作業効率を高め、これによって製造コストを低減させたガラス基板分断方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のガラス基板分断方法は、ステージ上にライン状のスペーサを介して、貼り合わせてなる一対のガラス基板を配して、ステージ、スペーサおよびガラス基板により囲まれる空間領域を成すとともに、スペーサのラインにそって一方のガラス基板にスクライブラインを設定し、次いでステージ内に設けられた管を通して真空引きして、ステージ上にガラス基板を吸着させ、その後に上記真空引きの真空度を高めながらカッターで一方のガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れ一方のガラス基板を複数に分断し、
その後、貼り合わせてなる一対のガラス基板を反転させて、ステージ上にライン状のスペーサを介して、前記ガラス基板を配して、スペーサのラインにそって他方のガラス基板にスクライブラインを設定し、次いでステージ内に設けられた管を通して真空引きして、ステージ上にガラス基板を吸着させ、その後に上記真空引きの真空度を高めながらカッターで他方のガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れることによって他方のガラス基板を複数に分断することを特徴とする。
【0012】
本発明の他のガラス基板分断方法は、ステージ上にライン状のスペーサを介して、貼り合わせてなる一対のガラス基板を配して、ステージ、スペーサおよびガラス基板により囲まれる空間領域を成すとともに、スペーサのラインにそって一方のガラス基板にスクライブラインを設定し、次いでステージ内に設けられた管を通して真空引きして、真空度を高めながら、カッターで一方のガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れることによって一方のガラス基板を複数に分断し、
その後、貼り合わせてなる一対のガラス基板を反転させて、ステージ上にライン状のスペーサを介して、貼り合わせてなる一対のガラス基板を配して、スペーサのラインにそって他方のガラス基板にスクライブラインを設定し、次いでステージ内に設けられた管を通して真空引きして、真空度を高めながら、カッターで他方のガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れることによって他方のガラス基板を複数に分断することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1により説明する。図1および図2はいずれも上記3通りの発明に共通して用いられるガラス基板分断装置16を示し、図1はその正面概略図であり、図2は側面図である。
【0015】
このガラス基板分断装置16において、17はステージ、18はステージ17内に設けられた管、19はステージ17上に配列されたライン状のスペーサ(たとえばマトリックス状を成す)、20は分断されるガラス基板であり、ステージ17上にスペーサ19を介してガラス基板20を配している。このガラス基板20は単一のガラス基板や貼り合わてなる一対のガラス基板でもよい。そして、ステージ17とスペーサ19とガラス基板20とによって密閉状の空間領域21を成す(ただし、この空間領域21は管18と空間的に連続している)。
【0016】
そして、スペーサ19のラインにそってスクライブライン22を設定することで、管18を通して空間領域21に対して真空引きをおこなうことができ、これによってステージ17上にガラス基板20を固定できる。
【0017】
また、このように固定されたガラス基板20上にカッター装置23を載置する。このカッター装置23において、24はホイール状のカッター、25はカッター24を支持するホルダー、26はエアーシリンダーであって、ホルダー25(カッター24)と連結され、随時上下運動させる。また、27はスライド軸であって、このスライド軸27に沿ってカッター装置23を所定の位置や方向に走査できる。
【0018】
次に上記構成のガラス基板分断装置16を用いた本発明の一方のガラス基板分断方法を説明する。この方法は順次下記(1)〜(4)からなる。
【0019】
(1)ステージ17上にスペーサ19を介してガラス基板20を配する。その際にステージ17、スペーサ19およびガラス基板20によって空間領域21を成すように、スペーサ19のラインにそってガラス基板20にスクライブライン22を設定する。
【0020】
(2)ステージ17内に設けられた管18を通して空間領域21に対して真空引きをおこなって真空吸着させ(たとえば真空度10〜30cmHg)、ステージ17上にガラス基板20を固定する。
【0021】
(3)カッター装置23を走査して、カッター24をスクライブライン22の直上に配し、さらにエアーシリンダー26でホルダー25(カッター24)を押圧しながら、スクライブライン22にそって切り込みを入れる。
【0022】
(4)上記真空引きの真空度をたとえば60cmHg以上にまで高めることによってガラス基板20にたわみや歪みが生じ、これによって複数に分断される。
【0023】
以上の一連の工程で単一のガラス基板20を所要通りに分断することができる。また、貼り合わてなる一対のガラス基板20を分断する場合には、その一方のガラス基板を上記一連の工程(1)〜(4)で分断し、その後に他方のガラス基板を同様に工程(1)〜(4)で分断する。
【0024】
かくして上記実施形態のガラス基板分断方法によれば、カッター装置23による走査と切り込みに対して、さらに真空引きの真空度を高める工程を設けることによって、スクライブライン22の設定精度を高めることができ、その上、作業効率が向上した。
【0025】
次に上記構成のガラス基板分断装置16を用いた本発明の他方のガラス基板分断方法を説明する。この方法は順次下記(a)〜(d)からなる。
【0026】
(a)ステージ17上にスペーサ19を介してガラス基板20を配する。その際にステージ17、スペーサ19およびガラス基板20によって空間領域21を成すように、スペーサ19のラインにそってガラス基板20にスクライブライン22を設定する。
【0027】
(b)ステージ17内に設けられた管18を通して空間領域21に対して真空引きをおこなって真空吸着させ(たとえば真空度10〜30cmHg)、ステージ17上にガラス基板20を吸着固定する。
【0028】
(c)カッター装置23を走査して、カッター24をスクライブライン22の直上に配する。
【0029】
(d)上記真空引きの真空度をたとえば60cmHg以上にまで高めながらカッター24でスクライブライン21にそって切り込みを入れてガラス基板20を複数に分断する。
【0030】
このようなガラス基板分断方法によっても、前記の分断方法と同様にスクライブライン22の設定精度を高めることができ、その上、作業効率が向上した。
【0031】
さらに上記構成のガラス基板分断装置16を用いた本発明のさらに他のガラス基板分断方法を説明する。この方法は順次下記 (i)〜(ii)からなる。
【0032】
(i) ステージ17上にスペーサ19を介してガラス基板20を配する。その際にステージ17、スペーサ19およびガラス基板20によって空間領域21を成すように、スペーサ19のラインにそってガラス基板20にスクライブライン22を設定する。
【0033】
(ii) ステージ17内に設けられた管18を通して空間領域21に対して真空引きをおこなって真空度をたとえば60cmHg以上にまで高めながら、カッター装置23を走査して、カッター24でスクライブライン21にそって切り込みを入れてガラス基板20を複数に分断する。
【0034】
このようなガラス基板分断方法によれば、前記の二つの発明のガラス基板分断方法と比べて、工程数が減少するので、時間が短縮でき、これによって製造コストが低減できるという利点もある。
【0035】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更や改良等は何ら差し支えない。
【0036】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、ライン状のスペーサを介してガラス基板を配するとともに、スペーサのラインにそってガラス基板にスクライブラインを設定する工程、また、カッターでガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れる工程、さらに真空引きの真空度を高める工程とを組み合わせて分断することで、スクライブラインの設定精度を高めるとともに、作業効率が高まって、製造コストが低減したガラス基板分断方法が提供できた。
【0037】
また、本発明のガラス基板分断方法によって、各種電子部品もしくはデバイス部品、たとえば液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス、さらに配線パターニングされた基板などの量産性が向上し、製造コストが低減した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス基板分断方法に用いられるガラス基板分断装置の正面概略図であ
る。
【図2】本発明のガラス基板分断方法に用いられるガラス基板分断装置の側面概略図である。
【図3】(A),(B),(C)は従来のガラス基板分断方法の説明図である。
【図4】従来のガラス基板分断方法の説明図である。
【図5】従来のガラス基板分断方法に関する要部拡大断面図である。
【符号の説明】
16 ガラス基板分断装置
17 ステージ
19 スペーサ
20 ガラス基板
22 スクライブライン
23 カッター装置
24 カッター
27 スライド軸
【発明の属する技術分野】
本発明は単一の大きなガラス基板や、貼り合わてなる大きな一対のガラス基板を所要通りのサイズに分断し、これによって多数の液晶表示素子やエレクトロルミネッセンスなどの電子部品もしくはデバイス部品に供して、量産性を向上せしめたガラス基板分断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は2枚のガラス基板を貼り合わせて、その間に液晶を封入した構成であって、その貼り合わせ基板を多数個作成するために、ガラス基板の分断技術が開発されている。
【0003】
特開平4−246618号に提案された技術を図3によって説明すると、まず同図(A)に示す通り、テーブル上に配置したガラス基板1をローラ2で挟持しながら送り、次いで真空吸着可能なホルダー3でガラス基板1の液晶表示素子の中央部に相当する位置を吸着し、その後に分断位置にカッター4でスクライブライン5を入れる。その際にカッター4の下側はローラ6で受けている。
【0004】
次に同図(B)に示す通り、ホルダー3をガラス基板1のスクライブライン5に引張応力がかかるように、0.5〜3.0度傾斜させる。そのときにホルダー3に内蔵した応力センサーでガラス基板1にかかる応力を調整しながら、スクライブライン5にクラッチを入れる。
【0005】
そして、ガラス基板の裏面についても同図(A)および(B)の工程を実施して、さらに同図(C)に示す通り、ホルダー3を右方向に移動させると、液晶表示素子7はガラス基板から分断される。
【0006】
また、特開平5−286733号に提案された技術を図4でもって説明すると、2枚のガラス基板8、9をスペーサー材10を介して貼り合わせた構造のものに対して、その下側のガラス基板8に、分断しようとするスクライブライン11を設け、他方のガラス基板9上に直径3mmのウレタン線材12を載せ、このウレタン線材12上を凹溝を有する回転コロ13を約30kgの押圧荷重Pをかけながら回転させて、下側のガラス基板8を分断している。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、特開平4−246618号の技術においては、1枚のガラス基板1より多くの基板を得たい場合に、より多くのスクライブライン5が要求されることになるので、多様なライン5を設けることになり、それらに対して個別にホルダー3の吸着位置と、ホルダー3のサイズ等を厳密に設定しなければならなくなり、これによって煩雑な作業となって、製造効率が低下し、その結果、製造コストが高くなるという問題点がある。
【0008】
その上、ホルダー3の吸着位置によっては、高精度な分断ができないという問題点もある。この問題点を図5により説明すると、隣接した2本のスクライブライン5がある場合には、これらのスクライブライン5と吸着位置14との関係で、ホルダー3にてガラス片を取り除く際に、自ずと限界があり、しかも、そのガラス片が小さすぎると、ホルダー3を傾けた際にはずれることになって、高精度な分断ができなくなり、あるいは15の位置が吸着位置である場合には、その狭い領域にホルダー3を配置するために、ホルダー自体のサイズを考慮しなければならないという問題点がある。
【0009】
また、特開平5−286733号の技術においては、スクライブライン11毎に線材12を移動させる必要があり、製造効率が低下するという問題点がある。しかも、スクライブライン11に精度よく線材12を載置させるには、相当に困難であり、そのために製造効率が下がり、製造コストが上がるという問題点もある。
【0010】
したがって本発明は、叙上に鑑みて完成されたものであり、その目的はスクライブラインの設定精度を高めるとともに、作業効率を高め、これによって製造コストを低減させたガラス基板分断方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のガラス基板分断方法は、ステージ上にライン状のスペーサを介して、貼り合わせてなる一対のガラス基板を配して、ステージ、スペーサおよびガラス基板により囲まれる空間領域を成すとともに、スペーサのラインにそって一方のガラス基板にスクライブラインを設定し、次いでステージ内に設けられた管を通して真空引きして、ステージ上にガラス基板を吸着させ、その後に上記真空引きの真空度を高めながらカッターで一方のガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れ一方のガラス基板を複数に分断し、
その後、貼り合わせてなる一対のガラス基板を反転させて、ステージ上にライン状のスペーサを介して、前記ガラス基板を配して、スペーサのラインにそって他方のガラス基板にスクライブラインを設定し、次いでステージ内に設けられた管を通して真空引きして、ステージ上にガラス基板を吸着させ、その後に上記真空引きの真空度を高めながらカッターで他方のガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れることによって他方のガラス基板を複数に分断することを特徴とする。
【0012】
本発明の他のガラス基板分断方法は、ステージ上にライン状のスペーサを介して、貼り合わせてなる一対のガラス基板を配して、ステージ、スペーサおよびガラス基板により囲まれる空間領域を成すとともに、スペーサのラインにそって一方のガラス基板にスクライブラインを設定し、次いでステージ内に設けられた管を通して真空引きして、真空度を高めながら、カッターで一方のガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れることによって一方のガラス基板を複数に分断し、
その後、貼り合わせてなる一対のガラス基板を反転させて、ステージ上にライン状のスペーサを介して、貼り合わせてなる一対のガラス基板を配して、スペーサのラインにそって他方のガラス基板にスクライブラインを設定し、次いでステージ内に設けられた管を通して真空引きして、真空度を高めながら、カッターで他方のガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れることによって他方のガラス基板を複数に分断することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1により説明する。図1および図2はいずれも上記3通りの発明に共通して用いられるガラス基板分断装置16を示し、図1はその正面概略図であり、図2は側面図である。
【0015】
このガラス基板分断装置16において、17はステージ、18はステージ17内に設けられた管、19はステージ17上に配列されたライン状のスペーサ(たとえばマトリックス状を成す)、20は分断されるガラス基板であり、ステージ17上にスペーサ19を介してガラス基板20を配している。このガラス基板20は単一のガラス基板や貼り合わてなる一対のガラス基板でもよい。そして、ステージ17とスペーサ19とガラス基板20とによって密閉状の空間領域21を成す(ただし、この空間領域21は管18と空間的に連続している)。
【0016】
そして、スペーサ19のラインにそってスクライブライン22を設定することで、管18を通して空間領域21に対して真空引きをおこなうことができ、これによってステージ17上にガラス基板20を固定できる。
【0017】
また、このように固定されたガラス基板20上にカッター装置23を載置する。このカッター装置23において、24はホイール状のカッター、25はカッター24を支持するホルダー、26はエアーシリンダーであって、ホルダー25(カッター24)と連結され、随時上下運動させる。また、27はスライド軸であって、このスライド軸27に沿ってカッター装置23を所定の位置や方向に走査できる。
【0018】
次に上記構成のガラス基板分断装置16を用いた本発明の一方のガラス基板分断方法を説明する。この方法は順次下記(1)〜(4)からなる。
【0019】
(1)ステージ17上にスペーサ19を介してガラス基板20を配する。その際にステージ17、スペーサ19およびガラス基板20によって空間領域21を成すように、スペーサ19のラインにそってガラス基板20にスクライブライン22を設定する。
【0020】
(2)ステージ17内に設けられた管18を通して空間領域21に対して真空引きをおこなって真空吸着させ(たとえば真空度10〜30cmHg)、ステージ17上にガラス基板20を固定する。
【0021】
(3)カッター装置23を走査して、カッター24をスクライブライン22の直上に配し、さらにエアーシリンダー26でホルダー25(カッター24)を押圧しながら、スクライブライン22にそって切り込みを入れる。
【0022】
(4)上記真空引きの真空度をたとえば60cmHg以上にまで高めることによってガラス基板20にたわみや歪みが生じ、これによって複数に分断される。
【0023】
以上の一連の工程で単一のガラス基板20を所要通りに分断することができる。また、貼り合わてなる一対のガラス基板20を分断する場合には、その一方のガラス基板を上記一連の工程(1)〜(4)で分断し、その後に他方のガラス基板を同様に工程(1)〜(4)で分断する。
【0024】
かくして上記実施形態のガラス基板分断方法によれば、カッター装置23による走査と切り込みに対して、さらに真空引きの真空度を高める工程を設けることによって、スクライブライン22の設定精度を高めることができ、その上、作業効率が向上した。
【0025】
次に上記構成のガラス基板分断装置16を用いた本発明の他方のガラス基板分断方法を説明する。この方法は順次下記(a)〜(d)からなる。
【0026】
(a)ステージ17上にスペーサ19を介してガラス基板20を配する。その際にステージ17、スペーサ19およびガラス基板20によって空間領域21を成すように、スペーサ19のラインにそってガラス基板20にスクライブライン22を設定する。
【0027】
(b)ステージ17内に設けられた管18を通して空間領域21に対して真空引きをおこなって真空吸着させ(たとえば真空度10〜30cmHg)、ステージ17上にガラス基板20を吸着固定する。
【0028】
(c)カッター装置23を走査して、カッター24をスクライブライン22の直上に配する。
【0029】
(d)上記真空引きの真空度をたとえば60cmHg以上にまで高めながらカッター24でスクライブライン21にそって切り込みを入れてガラス基板20を複数に分断する。
【0030】
このようなガラス基板分断方法によっても、前記の分断方法と同様にスクライブライン22の設定精度を高めることができ、その上、作業効率が向上した。
【0031】
さらに上記構成のガラス基板分断装置16を用いた本発明のさらに他のガラス基板分断方法を説明する。この方法は順次下記 (i)〜(ii)からなる。
【0032】
(i) ステージ17上にスペーサ19を介してガラス基板20を配する。その際にステージ17、スペーサ19およびガラス基板20によって空間領域21を成すように、スペーサ19のラインにそってガラス基板20にスクライブライン22を設定する。
【0033】
(ii) ステージ17内に設けられた管18を通して空間領域21に対して真空引きをおこなって真空度をたとえば60cmHg以上にまで高めながら、カッター装置23を走査して、カッター24でスクライブライン21にそって切り込みを入れてガラス基板20を複数に分断する。
【0034】
このようなガラス基板分断方法によれば、前記の二つの発明のガラス基板分断方法と比べて、工程数が減少するので、時間が短縮でき、これによって製造コストが低減できるという利点もある。
【0035】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更や改良等は何ら差し支えない。
【0036】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、ライン状のスペーサを介してガラス基板を配するとともに、スペーサのラインにそってガラス基板にスクライブラインを設定する工程、また、カッターでガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れる工程、さらに真空引きの真空度を高める工程とを組み合わせて分断することで、スクライブラインの設定精度を高めるとともに、作業効率が高まって、製造コストが低減したガラス基板分断方法が提供できた。
【0037】
また、本発明のガラス基板分断方法によって、各種電子部品もしくはデバイス部品、たとえば液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス、さらに配線パターニングされた基板などの量産性が向上し、製造コストが低減した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス基板分断方法に用いられるガラス基板分断装置の正面概略図であ
る。
【図2】本発明のガラス基板分断方法に用いられるガラス基板分断装置の側面概略図である。
【図3】(A),(B),(C)は従来のガラス基板分断方法の説明図である。
【図4】従来のガラス基板分断方法の説明図である。
【図5】従来のガラス基板分断方法に関する要部拡大断面図である。
【符号の説明】
16 ガラス基板分断装置
17 ステージ
19 スペーサ
20 ガラス基板
22 スクライブライン
23 カッター装置
24 カッター
27 スライド軸
Claims (2)
- ステージ上にライン状のスペーサを介して、貼り合わせてなる一対のガラス基板を配して、ステージ、スペーサおよびガラス基板により囲まれる空間領域を成すとともに、スペーサのラインにそって一方のガラス基板にスクライブラインを設定し、次いでステージ内に設けられた管を通して真空引きして、ステージ上にガラス基板を吸着させ、その後に上記真空引きの真空度を高めながらカッターで一方のガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れ一方のガラス基板を複数に分断し、
その後、貼り合わせてなる一対のガラス基板を反転させて、ステージ上にライン状のスペーサを介して、前記ガラス基板を配して、スペーサのラインにそって他方のガラス基板にスクライブラインを設定し、次いでステージ内に設けられた管を通して真空引きして、ステージ上にガラス基板を吸着させ、その後に上記真空引きの真空度を高めながらカッターで他方のガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れることによって他方のガラス基板を複数に分断することを特徴とするガラス基板分断方法。 - ステージ上にライン状のスペーサを介して、貼り合わせてなる一対のガラス基板を配して、ステージ、スペーサおよびガラス基板により囲まれる空間領域を成すとともに、スペーサのラインにそって一方のガラス基板にスクライブラインを設定し、次いでステージ内に設けられた管を通して真空引きして、真空度を高めながら、カッターで一方のガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れることによって一方のガラス基板を複数に分断し、
その後、貼り合わせてなる一対のガラス基板を反転させて、ステージ上にライン状のスペーサを介して、貼り合わせてなる一対のガラス基板を配して、スペーサのラインにそって他方のガラス基板にスクライブラインを設定し、次いでステージ内に設けられた管を通して真空引きして、真空度を高めながら、カッターで他方のガラス基板のスクライブラインにそって切り込みを入れることによって他方のガラス基板を複数に分断することを特徴とするガラス基板分断方法。
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JP13372396A JP3610163B2 (ja) | 1996-05-28 | 1996-05-28 | ガラス基板分断方法 |
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JP13372396A JP3610163B2 (ja) | 1996-05-28 | 1996-05-28 | ガラス基板分断方法 |
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JPH09315833A JPH09315833A (ja) | 1997-12-09 |
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-
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