JP3609075B2 - 化学増幅型ホトレジスト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感度及び解像性に優れ、断面形状の良好な超微細レジストパターンをKrFエキシマレーザーを用いて形成しうる化学増幅型ホトレジストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、化学増幅型ポジ型レジストを用いた0.25μm付近の解像性を必要とするリソグラフィープロセスの実用化が図られる一方、半導体素子の微細化への要求は益々高まり、KrFエキシマレーザーを用いた0.15〜0.22μmの微細パターンについての次世代プロセスの開発が進められている。
【0003】
そして、これらの要求にこたえるために、例えばヒドロキシル基含有スチレン単位、スチレン単位及び第三ブチルアクリレート若しくはメタクリレート単位を、モル比40:20:40又は33:17:50の割合で含む共重合体、すなわちヒドロキシル基含有スチレン単位が比較的少なく、第三ブチルアクリレート若しくはメタクリレート単位が比較的多い共重合体を樹脂成分として用いた化学増幅型ポジ型レジストが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、このようにヒドロキシル基含有スチレン単位が少なかったり、第三ブチルアクリレート若しくはメタクリレート単位が多い共重合体を用いたホトレジストは、0.15〜0.22μmという超微細パターンを形成させた場合、良好な断面形状のパターンが得られないという欠点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−209868号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、KrFエキシマレーザーを用いて0.15〜0.22μmのような微細なレジストパターンを形成する際に、優れた感度、解像度を示し、かつ断面形状の良好なパターンを与える化学増幅型ホトレジストを提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、KrFエキシマレーザー用として適した化学増幅型ポジ型ホトレジストを開発するために鋭意研究を重ねた結果、基材樹脂として、ヒドロキシル基含有スチレン単位とスチレン単位とアクリル酸若しくはメタクリル酸の第三ブチルエステル単位とを所定の割合で含む共重合体を用い、かつ酸発生剤と共に、場合により第三級脂肪族低級アミンや有機カルボン酸、さらにはベンゾフェノン系化合物を用いることにより、感度、解像度が高く、かつKrFエキシマレーザーにより断面形状の良好な微細レジストパターンを与える化学増幅型ホトレジストが得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(A)酸によりアルカリに対する溶解度が増大する樹脂成分及び(B)放射線の照射により酸を発生する酸発生剤を含有する化学増幅型ホトレジストにおいて、(A)成分が、ヒドロキシル基含有スチレン単位50〜85モル%、スチレン単位15〜35モル%及びアクリル酸若しくはメタクリル酸の第三ブチルエステル単位2〜20モル%からなる共重合体2種の混合物であって、その中の一方の共重合体のアクリル酸若しくはメタクリル酸の第三ブチルエステル単位含有量が2〜8モル%であることを特徴とする化学増幅型ホトレジストを提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の化学増幅型ホトレジストにおいては、(A)成分の酸によりアルカリに対する溶解度が増大する樹脂成分として、(イ)ヒドロキシル基含有スチレン単位50〜85モル%、(ロ)スチレン単位15〜35モル%及び(ハ)アクリル酸若しくはメタクリル酸の第三ブチルエステル単位2〜20モル%からなる共重合体の2種が用いられる。この共重合体において、(イ)単位はアルカリ水溶液に対する溶解性という観点から少なくとも1個のヒドロキシル基をもつスチレン単位であることが必要であり、このような単位の例としてヒドロキシスチレン単位、α‐メチルヒドロキシスチレン単位を挙げることができる。
【0009】
次に、上記共重合体において、(ハ)単位は、アルカリ水溶液に対する溶解抑制作用をもつ基で保護されたカルボキシル基を有するものであるが、この保護基は露光により酸発生剤から生じた酸により分解してカルボキシル基を遊離するので、アルカリ水溶液に可溶となり、アルカリ水溶液を用いる現像処理によって、レジストパターンを形成する。
また、この共重合体は、所定割合の(イ)、(ロ)及び(ハ)単位からなるので、溶解抑制基をポリヒドロキシスチレンに一部導入した樹脂に比べ、よりアルカリ溶解性が抑制されているので、未露光部の膜減りがなく、断面形状の良好なレジストパターンが得られるという利点がある。
【0010】
本発明のホトレジストにおいては、(A)成分として、前記共重合体2種を組み合わせて用い、その中の一方の共重合体は(ハ)単位2〜8モル%を含有することが必要である。このような共重合体混合物としては、(a1)(イ)単位62〜68モル%、(ロ)単位15〜25モル%及び(ハ)単位12〜18モル%からなる共重合体と、(a2)(イ)単位62〜68モル%、(ロ)単位25〜35モル%及び(ハ)単位2〜8モル%からなる共重合体とを、重量比9:1ないし5:5、好ましくは8:2ないし6:4の割合で混合したもの、すなわち、共重合体混合物中のアクリル酸若しくはメタクリル酸の第三ブチルエステル単位含有量が2〜8モル%の共重合体の混合割合が重量比で1/10ないし1/2のものを示すことができる。
【0011】
この(A)成分として用いられる共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマト法(GPC法)に基づきポリスチレン基準で3,000〜30,000の範囲が好ましい。重量平均分子量が前記範囲未満では被膜性が劣るし、また前記上限範囲を超えるとアルカリ水溶液に対する溶解性が低下する。
【0012】
一方、本発明の化学増幅型ホトレジストにおいては、(B)成分の放射線の照射により酸を発生する酸発生剤としては、特に制限はなく、従来化学増幅型ホトレジストにおいて使用される公知の酸発生剤の中から適宜選択して用いることができるが、特に、炭素数1〜10のフルオロアルキルスルホン酸イオンをアニオンとして含むオニウム塩が好適である。
【0013】
このオニウム塩のカチオンは、従来知られているものの中から任意に選ぶことができ、特に限定されない。このようなものとしては、例えばフェニル基がメチル基、エチル基、プロピル基、n‐ブチル基、第三ブチル基などの低級アルキル基や、メトキシ基、エトキシ基などの低級アルコキシ基で置換されていてもよいフェニルヨードニウムやスルホニウムなどが挙げられる。
【0014】
一方、アニオンは、炭素数1〜10のアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキルスルホン酸イオンが好ましいが、炭素鎖が長くなるほど、またフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)が小さくなるほど、スルホン酸としての強度が落ちることから、特に炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキルスルホン酸イオンが好ましい。
【0015】
このようなオニウム塩の例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート若しくはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4‐第三ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート若しくはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート若しくはノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4‐メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート若しくはノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。
【0016】
本発明においては、この(B)成分の酸発生剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、前記(A)成分100重量部当り、通常1〜20重量部の範囲で選ばれる。この酸発生剤の量が1重量部未満では像形成ができにくいし、20重量部を超えると均一な溶液とならず、保存安定性が低下する。
【0017】
本発明のホトレジストにおいては、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、必要に応じ、(C)成分として第三級脂肪族低級アミンを含有させることができる。この第三級脂肪族低級アミンの例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ‐n‐プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ‐n‐ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ‐第三ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリエタノールアミン、トリブタノールアミンなどが挙げられるが、これらの中で、特にトリエタノールアミンが好適である。
【0018】
これらの第三級脂肪族低級アミンは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、レジストパターン形状、引き置き経時安定性、感度などを考慮して、前記(A)成分100重量部に対し、通常0.001〜10重量部の範囲で選ばれる。
【0019】
そのほか、必要に応じ、(D)成分として有機カルボン酸を含有させることもできる。この有機カルボン酸としては、例えばp‐ヒドロキシ安息香酸、o‐ヒドロキシ安息香酸すなわちサリチル酸、2‐ヒドロキシ‐3‐ニトロ安息香酸、3,5‐ジニトロ安息香酸、2‐ニトロ安息香酸、2,4‐ジヒドロキシ安息香酸、2,5‐ジヒドロキシ安息香酸、2,6‐ジヒドロキシ安息香酸、3,4‐ジヒドロキシ安息香酸、3,5‐ジヒドロキシ安息香酸、2‐ビニル安息香酸、4‐ビニル安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸のような水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、ビニル基のような核置換基を有する芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸を挙げることができるが、これらの中で、特にサリチル酸やマロン酸が好ましい。
【0020】
これらの有機カルボン酸は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、レジストパターン形状及び感度などの点から、前記(A)成分100重量部に対し、通常0.001〜10重量部の範囲で選ばれる。
【0021】
ところで、半導体リソグラフィーにおいて形成されるレジストパターンは大別して、(1)ライン巾とスペース巾が1:1となるラインアンドスペースパターン、(2)コンタクトホールを形成するホールパターン及び(3)ライン巾に対するスペース巾が1以上となるアイソレートパターンに分けられる。
0.15〜0.22μmのような超微細パターンの形成においては、上記(1)、(2)及び(3)を同時に満足するレジストの開発は非常に困難なため、それぞれの用途に応じたレジストの開発が従来にもまして一層必要となってきている。
そのような状況下にあって、ジメチルアセトアミドを配合するとホールパターンの形状、解像性がよくなるので好ましい。その際の配合割合は、(A)成分100重量部に対し0.1〜5.0重量部程度である。
【0022】
また、0.15μm付近のアイソレートパターンを目的とした場合、(E)成分として、ベンゾフェノン系化合物を配合すると、解像性や焦点深度幅が飛躍的に向上するので好ましい。0.15μm付近のアイソレートパターンは、非常に微細であるため、わずかでも逆テーパー形状になるとパターンが倒れやすくなる。したがって、露光の際の光に対する吸収能を有する化合物を添加し、レジスト膜中の透明性を低下させることにより、高解像性、広焦点深度幅にすることができる。このために用いる化合物としては、露光の際の光に対する吸収能を有するものであればよいが、水酸基を有するベンゾフェノン系化合物はアルカリ溶解性であるため膜減りする傾向がある。したがって、水酸基を有しないもの、例えばベンゾフェノンやミヒラーケトンなどが好ましい。このベンゾフェノン系化合物の配合量は、前記(A)成分100重量部に対し、通常0.1〜5.0重量部、好ましくは0.5〜2.0重量部の範囲で選ばれる。
【0023】
また、本発明のホトレジストにおける(A)成分である共重合体中の第三ブチル基は、比較的酸により脱離しにくい保護基であるため、プレベーク(レジスト塗布後の乾燥処理)及び後加熱処理(露光後の加熱処理)は、通常130℃以上の温度で行われる。しかしながら、アイソレートパターンの形成においては、100〜110℃の範囲としても良好なレジストパターンが形成できるという利点がある。
【0024】
本発明の化学増幅型ホトレジストは、その使用に当たっては上記各成分を溶剤に溶解した溶液の形で用いるのが好ましい。このような溶剤の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2‐ヘプタノンなどのケトン類やエチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール又はジプロピレングリコールモノアセテート、あるいはそれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体やジオキサンのような環式エーテル類や乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0025】
このホトレジストには、さらに所望により混和性のある添加物、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤などの慣用されているものを添加含有させることができる。
【0026】
本発明の化学増幅型ホトレジストを用いてアイソレートパターンを形成する場合には、まず、ヘキサメチルジシラザンなどにより密着性増強処理したシリコンウエーハのような基板上に、前記の化学増幅型ホトレジストを、常用されている方法、例えばスピンナーなどで塗布したのち、100〜110℃の範囲の温度で乾燥処理する。
次に、このようにして形成されたレジスト層に、縮小投影露光装置などにより、KrFエキシマレーザー光などの放射線をマスクパターンを介して照射したのち、100〜110℃の範囲の温度で後加熱処理する。次いで、これを現像液、例えば1〜10重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のようなアルカリ性水溶液などを用いて現像処理する。
このようにして、マスクパターンに忠実で、断面形状の良好な0.15〜0.22μm程度の微細なアイソレートレジストパターンを形成することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の化学増幅型ホトレジストは、KrFエキシマレーザー用として適しており、感度、解像度が高く、かつマスクパターンに忠実で断面形状の良好な超微細パターンを与えることができるが、そのほか電子線用、X線用の化学増幅型ホトレジストも好適である。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0029】
実施例1
ヒドロキシスチレン単位65モル%とスチレン単位20モル%と第三ブチルアクリレート単位15モル%とからなる重量平均分子量10,000の共重合体I60重量部、ヒドロキシスチレン単位65モル%とスチレン単位30モル%と第三ブチルアクリレート単位5モル%とからなる重量平均分子量10,000の共重合体II 40重量部、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート3.2重量部、トリエタノールアミン0.50重量部、サリチル酸0.47重量部及びベンゾフェノン3.6重量部をプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート800重量部に溶解した後、孔径0.2μmのメンブレンフィルターを通してろ過しポジ型レジスト溶液を得た。
【0030】
一方、ヘキサメチルジシラザン処理した6インチシリコンウエーハ上に上記ポジ型レジスト溶液をスピンコートし、ホットプレート上100℃で90秒間乾燥することにより、膜厚0.7μmのレジスト層を形成した。次いで、縮小投影露光装置FPA−3000EX3(キャノン社製)により、KrFエキシマレーザー光を選択的に照射したのち、100℃で90秒間、後加熱処理し、次いで2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間パドル現像することにより、ポジ型のレジストパターンを得た。
【0031】
このようにして得られたアイソレートレジストパターンは0.15μmが解像され、そのレジストパターン形状は基板面から垂直に切り立った矩形の良好なものであった。また、0.15μmのレジストパターンを得るのに要する最小露光量(感度)は35mJ/cm2であった。
【0032】
実施例2
ヒドロキシスチレン単位65モル%とスチレン単位20モル%と第三ブチルアクリレート単位15モル%とからなる重量平均分子量10,000の共重合体I60重量部、ヒドロキシスチレン単位65モル%とスチレン単位30モル%と第三ブチルアクリレート単位5モル%とからなる重量平均分子量10,000の共重合体II 40重量部、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート3重量部、トリエタノールアミン0.50重量部及びサリチル酸0.47重量部をプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート800重量部に溶解したのち、孔径0.2μmのメンブレンフィルターを通してろ過しポジ型レジスト溶液を得た。
【0033】
一方、ヘキサメチルジシラザン処理した6インチシリコンウエーハ上に上記ポジ型レジスト溶液をスピンコートし、ホットプレート上130℃で90秒間乾燥することにより、膜厚0.7μmのレジスト層を形成した。次いで、縮小投影露光装置FPA−3000EX3(キャノン社製)により、KrFエキシマレーザー光を選択的に照射したのち、110℃で90秒間、後加熱処理し、次いで2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間パドル現像することにより、ポジ型のレジストパターンを得た。
【0034】
このようにして得られた0.22μmのラインアンドスペースパターンが解像され、そのレジストパターン形状は基板から垂直に切り立った矩形の良好なものであった。また、0.22μmのレジストパターンを得るのに要する最小露光量(感度)は30mJ/cm2であった。
【0035】
実施例3
ヒドロキシスチレン単位65モル%とスチレン単位20モル%と第三ブチルアクリレート単位15モル%とからなる重量平均分子量10,000の共重合体I60重量部、ヒドロキシスチレン単位65モル%とスチレン単位30モル%と第三ブチルアクリレート単位5モル%とからなる重量平均分子量10,000の共重合体II 40重量部、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート3重量部、トリエタノールアミン0.50重量部、サリチル酸0.47重量部及びジメチルアセトアミド2重量部を、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート800重量部に溶解したのち、孔径0.2μmのメンブレンフィルターを通してろ過しポジ型レジスト溶液を得た。
【0036】
一方、ヘキサメチルジシラザン処理した6インチシリコンウエーハ上に上記ポジ型レジスト溶液をスピンコートし、ホットプレート上140℃で90秒間乾燥することにより、膜厚0.7μmのレジスト層を形成した。次いで、縮小投影露光装置FPA−3000EX3(キャノン社製)により、KrFエキシマレーザー光を選択的に照射したのち、130℃で90秒間、後加熱処理し、次いで2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間パドル現像することにより、ポジ型のレジストパターンを得た。
【0037】
このようにして、0.22μmのホールパターンが解像され、そのレジストパターン形状は基板底部まで垂直に貫通した良好なホールパターンであった。また、0.22μmのホールパターンを得るのに要する最小露光量(感度)は40mJ/cm2であった。
【0038】
比較例1
実施例1において、樹脂成分として、共重合体I 60重量部と共重合体II 40重量部の代わりに、ヒドロキシスチレン単位55モル%とスチレン単位20モル%と第三ブチルアクリレート単位25モル%とからなる重量平均分子量10,000の共重合体100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてレジストパターニングを行った。
その結果、0.20μmのアイソレートパターンしか得られず、その断面形状は逆テーパー形状であり、0.20μmのアイソレートパターンが得られた時の感度は35mJ/cm2であった。
【0039】
比較例2
実施例1において、樹脂成分として、共重合体I 60重量部と共重合体II 40重量部の代わりに、ヒドロキシスチレン単位40モル%とスチレン単位20モル%と第三ブチルアクリレート単位40モル%とからなる重量平均分子量10,000の共重合体100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてレジストパターニングを行った。
その結果、0.30μmのアイソレートパターンしか得られず、その断面形状は逆テーパー形状であり、0.30μmのアイソレートパターンが得られた時の感度は35mJ/cm2であった。
【0040】
比較例3
実施例1において、樹脂成分として、共重合体I 60重量部と共重合体II 40重量部の代わりに、ヒドロキシスチレン単位78モル%とスチレン単位20モル%と第三ブチルアクリレート単位2モル%とからなる重量平均分子量10,000の共重合体100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてレジストパターニングを行った。
その結果、0.25μmのアイソレートパターンしか得られず、その断面形状はテーパー形状であり、0.25μmのアイソレートパターンが得られた時の感度は40mJ/cm2であった。
Claims (2)
- (A)酸によりアルカリに対する溶解度が増大する樹脂成分及び(B)放射線の照射により酸を発生する酸発生剤を含有する化学増幅型ホトレジストにおいて、(A)成分が、ヒドロキシル基含有スチレン単位50〜85モル%、スチレン単位15〜35モル%及びアクリル酸若しくはメタクリル酸の第三ブチルエステル単位2〜20モル%からなる共重合体2種の混合物であって、その中の一方の共重合体のアクリル酸若しくはメタクリル酸の第三ブチルエステル単位含有量が2〜8モル%であることを特徴とする化学増幅型ホトレジスト。
- 共重合体混合物中のアクリル酸若しくはメタクリル酸の第三ブチルエステル単位含有量が2〜8モル%の共重合体の混合割合が重量比で1/10ないし1/2である請求項1記載の化学増幅型ホトレジスト。
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