JP3608772B2 - 半導体受光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体受光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の屈折型半導体受光素子を図2に示す。
同図に示すように、この半導体受光素子は、n−InP基板25上にn−InP層24、InGaAs光受光層23、p−InP層22を順に積層した半導体多層構造よりなる受光部分と端面に表面側から離れるに従い内側に傾斜した光入射端面21を設けることにより、該光入射端面21で入射光を屈折させて、前記光受光層23を入射光が層厚方向に対し斜めに通過するように構成されている。
【0003】
ここで、上層の電極26は、一般に、p型の場合のAuZnNiやn型の場合のAuGeNi等の金属に熱処理を施すことにより半導体層と合金化を図り、オーミック電極としている。
このような合金化のため、電極26と半導体であるp−InP層22の間には微小な凹凸が発生し、屈折してきた光がここに到達しても、乱反射されたり、又、電極金属自身による光吸収もあって、電極部分での光の反射率は小さい。
【0004】
従って、屈折型半導体受光素子の特徴である屈折光が光受光層23を層厚方向に対し斜めに通過することによる実効吸収長の増大によって光受光層23の厚さの低減が図れるものの、十分大きな受光感度を得るためには、光受光層23への屈折光の1回の通過で光が十分吸収されるようにする必要があり、そのためには、光受光層23の厚さの薄層化に制限があった。
【0005】
このため、光受光層23を走行するキャリアの走行時間が半導体受光素子の応答速度の制限要因となって、超高速でありかつ高受光感度の素子を製作することができないという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、屈折型光受光素子において、薄い光吸収層でありながら高受光感度が得られ、又、超高速動作も可能となる半導体受光素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1にかかる半導体受光素子は、光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分と端面に表面側から離れるに従い内側に傾斜した光入射端面を設けることにより、該光入射端面で入射光を屈折させて、前記光受光層を入射光が層厚方向に対し斜めに通過するようにした屈折型半導体受光素子において、前記光受光層の上層における屈折した入射光の主たる到達領域が半導体層より屈折率の小さな媒質で終端され、その部分で光が全反射することにより、受光層を屈折光が2回通過することになり光吸収長が増大するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
従って、入射光は光受光層の上面で完全に全反射されることにより、光受光層を再度通過することになり、光吸収効率が増大する。
従来技術では、光受光層の上層における屈折した入射光の主たる到達領域が合金化した電極で構成されており、この領域での反射が小さいが、本発明では、光受光層の上層における屈折した入射光の主たる到達領域が半導体層より屈折率の小さな媒質で終端されており、光が完全に全反射される点が異なる。
【0009】
また、本発明の請求項2にかかる半導体受光素子は、前記請求項1よりなる半導体受光素子において、前記光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分がpin構造より構成され、全反射する上側半導体層側がn形の導電形の半導体層で構成されることを特徴とする。
一般に、半導体層と電極間の接触抵抗は、n形の半導体層の方がp形の半導体層に比較してより小さくできる。
【0010】
ここで、光受光層の上層における屈折した入射光の主たる到達領域が半導体層より屈折率の小さな媒質で終端され、その部分で光が全反射するように構成されているため、電極は、その周囲部分に形成せざるを得ないが、この電極部分はできるだけ小さいほうが接合容量の低減に有利である。
半導体層と電極間の接触抵抗の小さいn形の半導体層を上部に設定することにより、この電極面積を大きく低減でき、接合容量を低減できるだけでなく、さらに、n形の半導体層は電気抵抗率もp形の半導体層に比べ小さいので、上側半導体層での抵抗発生が小さくでき、従って、素子の抵抗値も小さくできる。
この結果、CR時定数による速度制限が小さくできる。
【0011】
また、フリーキャリアによる光吸収は、n形の半導体層の方がp形の半導体層より小さいので、上層で光が全反射して半導体層を2回通過する時、その部分での光吸収量は、上側の半導体層がn形の場合の方が、p形の場合より小さくなり、受光感度の向上に寄与する。
また、本発明の第3の請求項にかかる半導体受光素子は、本発明の第1又は第2の請求項にかかる半導体受光素子において、前記受光部分がメサ状であり、その上部の電極の下に位置する部分又はその一部分の光受光層が存在しないことを特徴とする。
【0012】
光受光層の上層における屈折した入射光の主たる到達領域が半導体層より屈折率の小さな媒質で終端され、その部分で光が全反射するように構成されているため、光吸収効率が大きく増大し、さらに、光を吸収する上で必要としない、上部の電極の外周部分の下に位置する部分の光吸収層が存在しないため、光吸収層面積が小さくなり、これに伴い面積で決まる接合容量が小さくなり、CR時定数による速度制限が小さくでき、超高速動作が可能となる。
【0013】
〔作用〕
このように、本発明は、光受光層の上層における屈折した入射光の主たる到達領域が半導体層より屈折率の小さな媒質で終端されているため、上面で光が完全に全反射されることになり、受光層を屈折光が2回の通過することになり実効的光吸収長が2倍に増大する。
このため、光吸収層厚の大幅な薄層化をしても、高い受光感度を得ることが可能となる。
光吸収層厚の大幅な薄層化により、高受光感度を維持しながら、素子の超高速動作が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔実施例1〕
本発明の第1の実施例に係る半導体受光素子を図1に示す。
なお、図1においては、図が煩雑になり、説明の妨げになるため、引出し電極とパッド電極は省略した。
【0015】
この半導体受光素子は、半絶縁性InP基板16上に1μm厚n−InP層15、0.5μm厚InGaAs光受光層14、1μm厚p−InP層13を順に積層した半導体多層構造よりなる受光部分と端面に表面側から離れるに従い内側に傾斜した光入射端面11を設けることにより、該光入射端面11で入射光を屈折させて、前記光受光層14を入射光が層厚方向に対し斜めに通過するようにした屈折型半導体受光素子である。素子の光受光層面積は30μm×50μmである。
【0016】
光入射端面11は、(001)表面のウェハをブロムメタノールを用いたウェットエッチングでは(111)A面が図のように約55度の逆メサ形状で形成されることを利用して形成した。
もちろん、逆メサ部は他のウェットエッチング液やドライエッチング法を用いて形成しても良いし、他の結晶面を利用したり、エッチングマスクの密着性を利用し角度を制御して形成しても良い。光入射端面11には無反射膜を形成している。
【0017】
更に、本実施例では、光受光層14の上層における屈折した入射光の主たる到達領域の直上は空気で終端されており、p電極17はその領域の外周部分に0.2μm厚p−InGaAsP(1.2μm組成)層12を介して形成されている。n電極18は、その側方においてn−InP層15上に形成されている。
従って、側方からの波長1.3μmの入射光は光入射端面11で屈折し、上面に対して図のように角度φ=24.7度で進行する。
【0018】
この時、半導体の屈折率を3.209とすると、全反射はφが71.8度より小さい時に起きるため、本実施例は、この条件を満足している。
波長1.3μmの光をシングルモードファイバにて導入すると、印加逆バイアス1.0Vで受光感度0.9A/W以上の大きな値が得られた。
ちなみに、従来構造のp電極26が上面のほぼ全面に存在する場合では、0.7A/W程度しか得られなかった。
【0019】
なお、本実施例では、リング状の上面p電極17の内側部分は、上方からの光入射に対しては、いわゆる窓として利用できることになる。
従って、例えば、素子をチップ状に切り出す前のウェハの状態でオンウェハプロービング測定法を用いて上方からの入射により素子の周波数応答特性等を確認することができ、素子切り出し前の選別に有効利用できる。
この場合、受光感度はチップ状態の側方光入射の場合に比べ、小さくなるが、周波数応答特性評価にはほぼ影響ない。
【0020】
受光感度の値については、予め垂直入射と側方入射の場合の校正表を作成しておけば、チップ状に切り出し後の値の見積りも可能であることはいうまでもない。
また、切り出し後の素子においても、当然、上面の窓を利用でき、例えば、2方向からの信号光(異なる2波長の光でも可)を入力することで、出力として2つの信号の合波や変調電気信号或いはミキシングされた電気信号が得られる応用などにも利用できる。
【0021】
本実施例では、p電極17はリング形状にしているが、総合的な反射率は若干減少するものの、網目状の電極形状にしたり、あるいは、上層のInP/InGaAsP層を高濃度pドープ層として残し、シート抵抗の十分な低減を図り、一辺部分にのみp電極を形成するなど色々な構造を適用しても良い。
また、シングルモードファイバの代わりに、先球ファイバを用い、素子の微小化(受光面積を7μm×20μm)を図ったもので、受光感度を高く保ちながら、3dB帯域50GHzの超高速動作が可能であった。
【0022】
本実施例では、屈折してきた入射光の主たる到達領域の直上は空気で終端しているが、半導体の屈折率より適当に小さく、全反射の条件(φ<cos−1(n/n);ただし、nは半導体の屈折率、nは終端物質の屈折率)を満足できるものであれば、SiOやSiN等の無機物質の他、ポリイミドやエポキシ等の有機物質等、特に制限されるものではない。
例えば、屈折率1.55のポリイミドを用いるときには、φが61.1度より小さければ良い。
【0023】
また、本実施例は、波長1.3μmの入射光に対して述べているが、全反射の条件を満足できれば色々な波長の光に対しても同様の効果が得られる。
本実施例では、表面側のp−InP層13は結晶成長によって形成しているが、結晶成長ではアンドープInP層とし、表面側の主たる部分の半導体の導電形を、Znの拡散や、イオン注入法とその後のアニールによって決定しても良い。
【0024】
また、半導体受光素子部分は、特願平9−52760号に記載されるような第1導電形を有する半導体層上にあって、真性又は第1の導電型の半導体層、超格子半導体層又は多重量子井戸半導体層より成る光受光層とショットキー電極との間に、前記光受光層と前記ショットキー電極との間のショットキー障壁よりも高いショットキー障壁を前記ショットキー電極に対して有するショットキーバリアハイトの高い半導体層を介在した多層構造を基板上に構成してなる半導体受光素子や、前記ショットキーバリアハイトの高い半導体層は、In1−x−yGaAlAs(0≦x≦1,0≦y≦1)又はIn1−x−yGaAlAs(0≦x≦1,0≦y≦1)とその上の薄いIn1−uGaAs1−v(0≦u≦1,0≦v≦1)よりなる半導体受光素子で構成しても良い。
【0025】
また、この実施例は、基板として半絶縁性InPを用い、基板側にn−InP層を用いた例であるが、p−InP層を用いても上記のpとnを逆にして同様に製作可能であり、また、n−InPやp−InP基板を用いても同様に製作可能である。
【0026】
また、ここでは、光受光層として均一組成のバルクを用いているが、アバランシェフォトダイオードに用いられるSAGM(Separate−Absorption−Graded−Multiplication )構造やSAM−SL(Separate Absorption and Multiplication SuperLattice )構造や他の超格子構造の半導体層等を用いても良い。
また、InGaAsP/InP系以外のInGaAlAs/InGaAsPやAlGaAs/GaAs系などの他の材料系や歪を内在するような材料系でも良い。
【0027】
〔実施例2〕
本発明の第2の実施例に係る半導体受光素子を図3に示す。
なお、図3においては、図が煩雑になり、説明の妨げになるため、引出し電極とパッド電極は省略した。
【0028】
この半導体受光素子は、半絶縁性InP基板36上に1μm厚p−InP(1.2μm組成)層35、0.5μm厚InGaAs光受光層34、1μm厚n−InP層33を順に積層した半導体多層構造よりなる受光部分と端面に表面側から離れるに従い内側に傾斜した光入射端面31を設けることにより、該光入射端面31で入射光を屈折させて、前記光受光層34を入射光が層厚方向に対し斜めに通過するようにした屈折型半導体受光素子である。素子の光受光層面積は30μm×50μmである。
【0029】
光入射端面31は、(001)表面のウェハをブロムメタノールを用いたウェットエッチングでは(111)A面が図のように約55度の逆メサ形状で形成されることを利用して形成した。
もちろん、逆メサ部は他のウェットエッチング液やドライエッチング法を用いて形成しても良いし、他の結晶面を利用したり、エッチングマスクの密着性を利用し角度を制御して形成しても良い。光入射端面31には無反射膜を形成している。
【0030】
更に、本実施例では、光受光層34の上層における屈折した入射光の主たる到達領域の直上は空気で終端されており、n電極37はその領域の外周部分に0.2μm厚n−InGaAsP(1.2μm組成)層32を介して形成されている。p電極38は、その側方においてp−InP層35上に形成されている。
従って、側方からの波長1.3μmの入射光は光入射端面31で屈折し、上面に対して図のように角度φ=24.7度で進行する。
【0031】
この時、半導体の屈折率を3.209とすると、全反射はφが71.8度より小さい時に起きるため、本実施例は、この条件を満足している。
波長1.3μmの光をシングルモードファイバにて導入すると、印加逆バイアス1.0Vで受光感度0.9A/W以上の大きな値が得られた。
ちなみに、従来構造のp電極26が上面のほぼ全面に存在する場合では、0.7A/W程度しか得られなかった。
【0032】
また、本実施例では、上側にn形半導体層であるn−InP層33を用いているため、上側にp形半導体層を用いた場合に比べ、シート抵抗が1桁以上低減され、素子抵抗も小さく抑えることができた。
なお、本実施例では、リング状の上面n電極37の内側部分は、上方からの光入射に対しては、いわゆる窓として利用できることになる。
従って、例えば、素子をチップ状に切り出す前のウェハの状態でオンウェハプロービング測定法を用いて上方からの入射により素子の周波数応答特性等を確認することができ、素子切り出し前の選別に有効利用できる。
【0033】
この場合、受光感度はチップ状態の側方光入射の場合に比べ、小さくなるが、周波数応答特性評価にはほぼ影響ない。
受光感度の値については、予め垂直入射と側方入射の場合の校正表を作成しておけば、チップ状に切り出し後の値の見積りも可能であることはいうまでもない。
また、切り出し後の素子においても、当然、上面の窓を利用でき、例えば、2方向からの信号光(異なる2波長の光でも可)を入力することで、出力として2つの信号の合波や変調電気信号或いはミキシングされた電気信号が得られる応用などにも利用できる。
【0034】
本実施例では、n電極37はリング形状にしているが、総合的な反射率は若干減少するものの、網目状の電極形状にしたり、あるいは、上層のInP/InGaAsP層を高濃度nドープ層とし、シート抵抗の十分な低減を図り、一辺部分にのみn電極を形成するなど色々な構造を適用しても良い。
また、シングルモードファイバの代わりに、先球ファイバを用い、素子の微小化(受光面積を7μm×20μm)を図ったもので、受光感度を高く保ちながら、3dB帯域50GHzの超高速動作が可能であった。
【0035】
本実施例では、屈折してきた入射光の主たる到達領域の直上は空気で終端しているが、半導体の屈折率より適当に小さく、全反射の条件(φ<cos−1(n/n);ただし、nは半導体の屈折率、nは終端物質の屈折率)を満足できるものであれば、SiOやSiN等の無機物質の他、ポリイミドやエポキシ等の有機物質等、特に制限されるものではない。
例えば、屈折率1.55のポリイミドを用いるときには、φが61.1度より小さければ良い。
【0036】
また、本実施例は、波長1.3μmの入射光に対して述べているが、全反射の条件を満足できれば色々な波長の光に対しても同様の効果が得られる。
本実施例では、表面側のp−InP層33、n−InGaAsP層(1.2μm組成)32は結晶成長によって形成しているが、結晶成長ではアンドープ層とし、表面側の主たる部分の半導体の導電形を、n型不純物の拡散や、イオン注入法とその後のアニールによって決定しても良い。
【0037】
また、ここでは、光受光層として均一組成のバルクを用いているが、アバランシェフォトダイオードに用いられるSAGM(Separate−Absorption−Graded−Multiplication )構造やSAM−SL(Separate Absorption and Multiplication SuperLattice )構造や他の超格子構造の半導体層等を用いても良い。
また、InGaAsP/InP系以外のInGaAlAs/InGaAsPやAlGaAs/GaAs系などの他の材料系や歪を内在するような材料系でも良い。
【0038】
〔実施例3〕
本発明の第3の実施例に係る半導体受光素子を図4に示す。
なお、図4においては、図が煩雑になり、説明の妨げになるため、引出し電極とパッド電極は省略した。
【0039】
この半導体受光素子は、半絶縁性InP基板46上に1μm厚p−InP(1.2μm組成)層45、0.5μm厚InGaAs光受光層44、1μm厚n−InP層43を順に積層した半導体多層構造よりなる受光部分と端面に表面側から離れるに従い内側に傾斜した光入射端面41を設けることにより、該光入射端面41で入射光を屈折させて、前記光受光層44を入射光が層厚方向に対し斜めに通過するようにした屈折型半導体受光素子である。
【0040】
光入射端面41は、(001)表面のウェハをブロムメタノールを用いたウェットエッチングでは(111)A面が図のように約55度の逆メサ形状で形成されることを利用して形成した。
もちろん、逆メサ部は他のウェットエッチング液やドライエッチング法を用いて形成しても良いし、他の結晶面を利用したり、エッチングマスクの密着性を利用し角度を制御して形成しても良い。光入射端面41には無反射膜を形成している。
【0041】
更に、本実施例では、光受光層44の上層における屈折した入射光の主たる到達領域の直上は空気で終端されており、n電極47はその領域の外周部分に0.2μm厚n−InGaAsP(1.2μm組成)層42を介して形成されている。p電極48は、その側方においてp−InP層45上に形成されている。
素子の受光部メサ部分は面積は7μm×20μmであるが、受光層面積はサイドエッチングにより5μm×18μmと縮小化されている。
【0042】
これにより、n電極の接触面積は変化なく、従って、n電極側での抵抗値にはほとんど変化はないが、接合面積で決まる接合容量を低減できるため、CR時定数による速度制限要素を小さくできる。
なお、サイドエッチング構造形成において、p−InP層45の上層又は中間部にInGaAsとのエッチング速度が大きくとれるInPやInGaAsP等の半導体層を挿入してサイドエッチング量を制御しやすくする等の層構造の変化を図っても良い。
【0043】
従って、側方からの波長1.3μmの入射光は光入射端面41で屈折し、上面に対して図のように角度φ=24.7度で進行する。
この時、半導体の屈折率を3.209とすると、全反射はφが71.8度より小さい時に起きるため、本実施例は、この条件を満足している。
波長1.3μmの光をレンズ系を用いて集光して導入すると、印加逆バイアス1.0Vで受光感度0.9A/W以上の大きな値が得られ、かつ、3dB帯域55GHz以上の超高速動作が可能であった。
ちなみに、従来構造のp電極26が上面のほぼ全面に存在する場合では、0.7A/W程度しか得られなかった。
【0044】
また、本実施例では、上側にn形半導体層であるn−InP層43を用いているため、上側にp形半導体層を用いた場合に比べ、シート抵抗が1桁以上低減され、素子抵抗も小さく抑えることができた。
なお、本実施例では、リング状の上面n電極47の内側部分は、上方からの光入射に対しては、いわゆる窓として利用できることになる。
従って、例えば、素子をチップ状に切り出す前のウェハの状態でオンウェハプロービング測定法を用いて上方からの入射により素子の周波数応答特性等を確認することができ、素子切り出し前の選別に有効利用できる。
【0045】
この場合、受光感度はチップ状態の側方光入射の場合に比べ、小さくなるが、周波数応答特性評価にはほぼ影響ない。
受光感度の値については、予め垂直入射と側方入射の場合の校正表を作成しておけば、チップ状に切り出し後の値の見積りも可能であることはいうまでもない。
また、切り出し後の素子においても、当然、上面の窓を利用でき、例えば、2方向からの信号光(異なる2波長の光でも可)を入力することで、出力として2つの信号の合波や変調電気信号或いはミキシングされた電気信号が得られる応用などにも利用できる。
【0046】
本実施例では、n電極47はリング形状にしているが、総合的な反射率は若干減少するものの、網目状の電極形状にしたり、あるいは、上層のInP/InGaAsP層を高濃度nドープ層とし、シート抵抗の十分な低減を図り、一辺部分にのみn電極を形成するなど色々な構造を適用しても良い。
本実施例では、屈折してきた入射光の主たる到達領域の直上は空気で終端しているが、半導体の屈折率より適当に小さく、全反射の条件(φ<cos−1(n/n);ただし、nは半導体の屈折率、nは終端物質の屈折率)を満足できるものであれば、SiOやSiN等の無機物質の他、ポリイミドやエポキシ等の有機物質等、特に制限されるものではない。
【0047】
例えば、屈折率1.55のポリイミドを用いるときには、φが61.1度より小さければ良い。
また、本実施例は、波長1.3μmの入射光に対して述べているが、全反射の条件を満足できれば色々な波長の光に対しても同様の効果が得られる。
【0048】
本実施例では、表面側のn−InP層43、n−InGaAsP層(1.2μm組成)42は結晶成長によって形成しているが、結晶成長ではアンドープ層とし、表面側の主たる部分の半導体の導電形を、n型不純物の拡散や、イオン注入法とその後のアニールによって決定しても良い。
【0049】
また、ここでは、光受光層として均一組成のバルクを用いているが、アバランシェフォトダイオードに用いられるSAGM(Separate−Absorption−Graded−Multiplication )構造やSAM−SL(Separate Absorption and Multiplication SuperLattice )構造や他の超格子構造の半導体層等を用いても良い。
また、InGaAsP/InP系以外のInGaAlAs/InGaAsPやAlGaAs/GaAs系などの他の材料系や歪を内在するような材料系でも良い。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分と端面に表面側から離れるに従い内側に傾斜した光入射端面を設けることにより、該光入射端面で入射光を屈折させて、前記光受光層を入射光が層厚方向に対し斜めに通過するようにした屈折型半導体受光素子において、光受光層の上層における屈折した入射光の主たる到達領域が半導体層より屈折率の小さな媒質で終端され、その部分で光が全反射するように構成されているため、受光層を屈折光が2回通過することになり実効的光吸収長が2倍に増大する。
【0051】
このため、光吸収層厚の大幅な薄層化をしても高い受光感度を得ることが可能となる。
また、光吸収層厚の大幅な薄層化により、高受光感度を維持しながら、超高速動作の可能な素子が製作可能となる。
さらに、全反射する上側半導体層側がn形の導電形半導体層で構成されることにより、リング状電極であっても抵抗値の増大が低く抑えられ、超高速応答に有利となる。
また、素子の受光部メサ部分の面積よりリング状電極直下の受光層部分が除去され、受光層面積が小さくなっていることにより接合容量が低減され、さらに超高速応答が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す断面斜視図である。
【図2】従来の屈折型半導体光受光素子を示す説明図である。
【図3】本発明の第2の実施例を説明する断面斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施例を説明する断面斜視図である。
【符号の説明】
11 光入射面
12 0.2μm厚p−InGaAsP(1.2μm組成)層
13 1μm厚p−InP層
14 0.5μm厚InGaAs光受光層
15 1μm厚n−InP層
16 半絶縁性InP基板
17 p電極
18 n電極
21 光入射面
22 p−InP層
23 InGaAs光受光層
24 n−InP層
25 n−InP基板
26 p電極
27 n電極
31 光入射面
32 0.2μm厚n−InGaAsP(1.2μm組成)層
33 1μm厚n−InP層
34 0.5μm厚InGaAs光受光層
35 1μm厚p−InGaAsP(1.2μm組成)層
36 半絶縁性InP基板
37 n電極
38 p電極
41 光入射面
42 0.2μm厚n−InGaAsP(1.2μm組成)層
43 1μm厚n−InP層
44 0.5μm厚InGaAs光受光層
45 1μm厚p−InGaAsP(1.2μm組成)層
46 半絶縁性InP基板
47 n電極
48 p電極

Claims (3)

  1. 光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分と端面に表面側から離れるに従い内側に傾斜した光入射端面を設けることにより、該光入射端面で入射光を屈折させて、前記光受光層を入射光が層厚方向に対し斜めに通過するようにした屈折型半導体受光素子において、光受光層の上層における屈折した入射光の主たる到達領域が半導体層より屈折率の小さな媒質で終端され、その部分で光が全反射することにより、受光層を屈折光が2回通過することになり光吸収長が増大するように構成されていることを特徴とする半導体受光素子。
  2. 前記請求項1記載の半導体受光素子において、前記光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分がpin構造より構成され、全反射する上側半導体層側がn形の導電形の半導体層で構成されることを特徴とする半導体受光素子。
  3. 前記請求項1又は2記載の半導体受光素子において、前記受光部分がメサ状であり、その上部の電極の下に位置する部分又はその一部分の光受光層が存在しないことを特徴とする半導体受光素子。
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