JP3608528B2 - Atmセルとstmデータの変換装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はATMセルとSTMデータの変換装置に係り、特に運用系(現用系)と予備系の変換部を有する二重化構成のATMセルとSTMデータの変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存のディジタル回線交換方式では端末(既存端末)間のデータは、一定のタイミングで情報を伝送する同期転送モード(STM:Synchronous Transfer Mode)で伝送される。一方、回線交換とパケット交換の欠点を補い誕生した非同期転送モード(ATM:Asynchronous Transfer Mode)では、ATM端末間のデータは、情報を例えば47バイト毎に区切り、これに6バイトのヘッダを付加してなる計53バイトの固定長のATMセル(以下、単にセルともいう)という信号形態として伝送する。
【0003】
従って、既存端末とATM端末との間でデータ伝送を行うデータ伝送システムでは、両者のデータ伝送形態が異なるため、既存端末からのSTMデータはATMセルに変換してからATM端末へ伝送し、ATM端末からのATMセルはSTMデータに変換してから既存端末へ伝送する必要があり、そのため上記の双方向の変換を行うATMセルとSTMデータの変換装置が設けられる。
【0004】
ここで、上記のデータ伝送システムにおいて、データ伝送の信頼性を向上し、常に確実に伝送を行うためには、変換装置内のデータ・セル変換部を使用中の運用系(現用系)だけでなく、同一構成の予備系を設け、運用系に障害が発生したときには、予備系に切り替える二重化構成とすればよく、そのための各種提案が従来よりなされている。
【0005】
例えば、特開平11−68774号公報には、ATMセルのSTMデータ化の開始、及びSTMデータのATMセル化の開始のタイミングを相互に通知することによりデータ変換動作の同期をとる構成とした変換装置が開示されている。
【0006】
また、特開平11−341010号公報には、アクト系(運用系)ATMスイッチと、スタンバイ系(予備系)ATMスイッチが、アクト系AAL1終端装置とスタンバイ系AAL1終端装置とに同期のとれたATMセルを送信し、アクト系AAL1終端装置とスタンバイ系AAL1終端装置は、受信したATMセルの揺らぎを吸収し、バーストの吸収を行い、ATMセルを受信するタイミングに同期させてSTMスイッチにSTMデータを供給する構成が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特開平11−68774号公報記載の従来装置では、運用系で受信したATMセルをSTMデータに変換する際のチャネル毎の変換開始信号を予備系へ供給し、更に予備系から受信した変換開始信号と自系の変換開始信号との位相を比較し、位相差がある場合にはATMセルからSTMデータへの変換の開始をSTMフレーム単位に延期するようにしているため、予備系に対するパス設定に時間を要するという問題がある。
【0008】
また、特開平11−341010号公報記載の従来装置では、運用系と予備系の両方に同じ数の終端装置を設ける必要があり、運用系が複数存在すると、その数だけ予備系も必要となり、運用系の数が多いほど装置規模が極めて増加し、システム全体のコストが極めて高価となってしまう。また、ソフトウェアによる予備系に対するパス設定に時間がかかり、その結果、パス設定に費やす時間分のデータロスが発生するという問題がある。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、運用系から予備系への系切り替え時間を短縮し得るATMセルとSTMデータの変換装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、系切り替え時のデータロス発生を抑制し得るATMセルとSTMデータの変換装置を提供することにある。
【0011】
更に、本発明の他の目的は、複数の運用系が存在しても予備系を極力少ない数で構成し得るATMセルとSTMデータの変換装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の発明は、非同期転送モードで転送されるATMセルの入力時はそのATMセルを、同期転送モードで転送されるSTMデータに変換して出力し、STMデータが入力される時はATMセルに変換して出力する一又は二以上の運用系の変換部と、ATMセルが入力される時はSTMデータに変換して出力し、STMデータが入力される時はATMセルに変換して出力する一の予備系の変換部と、外部からATMセルが入力される時には、そのATMセルのパス設定情報をATMセルに付加したセルを生成して運用系の変換部にATMセルとして入力して運用系の変換部によりパス設定情報に基づき入力セルのデータをSTM回線のタイムスロットにマッピングしてSTMデータを生成させ、運用系の変換部から入力されたATMセルはそのまま外部へ出力するATMインタフェース手段と、運用系の変換部から入力されたSTMデータを多重して外部へ出力し、外部から入力されたSTMデータは分離して運用系の変換部へ供給するSTMインタフェース手段と、運用系の変換部の障害発生の有無を監視し、障害発生検出時は障害発生した運用系の変換部とATMインタフェース手段及びSTMインタフェース手段との接続を切り離し、ATMインタフェース手段及びSTMインタフェース手段を予備系の変換部に接続するように切り替え制御する制御手段とを有する構成としたものである。
【0013】
この発明では、予備系の変換部は、ATMインタフェース手段から入力されたパス設定情報がATMセルに付加されたセルを入力として受けた時は、入力セル中のパス設定情報に基づき入力セルのデータをSTM回線のタイムスロットにマッピングしてSTMデータを生成するようにしているため、運用系の変換部から予備系の変換部に系切り替えを行っても、予備系の変換部に対してパス設定及び運用系のパス設定情報を引き継ぐ必要がない。
【0014】
また、第2の発明は上記の目的を達成するため、ATMインタフェース手段を、運用系の変換部のパス設定情報がアドレスに対応させて予め記憶されたメモリテーブルを有し、外部から入力されるATMセルのヘッダからメモリテーブルのアドレスを検索し、その検索したアドレスに対応するパス設定情報を出力する付加装置と、外部から入力されるATMセルに付加装置から出力されたパス設定情報を付加して出力するスイッチ手段と、スイッチ手段から出力されるATMセルにパス設定情報が付加されたセルを、制御手段の制御により運用系の変換部又は予備系の変換部へ出力する第1のセレクタとよりなる構成としたものである。この第2の発明では、外部から入力されたATMセルにそのパス設定情報を正確に付加できる。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、第3の発明では、第1の発明におけるSTMインタフェース手段を、制御手段の切り替え制御により運用系の変換部又は予備系の変換部に接続される第2のセレクタと、第2のセレクタに接続された多重/分離部とより構成し、多重/分離部は、外部から入力されるSTMデータは分離して第2のセレクタへ送出し、第2のセレクタから入力されるSTMデータは多重して外部へ出力することを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、第4の発明では、運用系の変換部及び予備系の変換部のそれぞれを、ATMインタフェース手段から入力される、パス設定情報がATMセルに付加されたセル、又はSTMインタフェース手段から入力されるSTMデータを蓄積するコントロールメモリと、コントロールメモリに蓄積されたパス設定情報に基づきコントロールメモリに蓄積されたセルのペイロードのデータをSTM回線のタイムスロットにマッピングしてSTMデータを生成してSTMインタフェース手段へ出力するか、コントロールメモリに蓄積されたSTMデータをATMセルに変換してATMインタフェース手段へ出力する変換回路とよりなる構成としたことを特徴とする。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、第5の発明では、運用系の変換部はN個(Nは2以上の整数)あり、ATMインタフェース手段とSTMインタフェース手段とにより障害が発生した運用系の変換部を接続から切り離して予備系の変換部に接続するN+1重化構成とされていることを特徴とする。この発明では、運用系の変換部の数に関係なく、予備系の変換部を1個のみとすることができる。
【0018】
また、上記の目的を達成するため、第6の発明では、ATMインタフェース手段により入力ATMセルに付加されるパス設定情報は、STMデータを構成する複数のタイムスロットの各々について有効であるかどうかを示す情報を少なくとも有し、変換部は、パス設定情報中の有効であることを示すタイムスロットに対応したSTM回線のタイムスロットに入力セルのデータをマッピングしてSTMデータを生成することを特徴とする。
【0019】
更に、上記の目的を達成するため、第7の発明では、ATMインタフェース手段を、複数のATM端末間を転送されるATMスイッチに接続されて双方向にATMセルを転送し、STMインタフェース手段を複数の既存端末から時分割で出力されたデータをスイッチングするSTMスイッチに接続されて双方向にSTMデータを転送することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になるATMセルとSTMデータの変換装置の一実施の形態の構成図、図2は本発明装置が適用されるデータ伝送システムの一例のシステム構成図を示す。本発明装置の実施の形態について説明するに先立ち、まず、図2と共に本発明装置が適用されるデータ伝送システムについて説明する。
【0021】
図2に示すデータ伝送システムは、同期転送モードスイッチ(STM−SW)11及び非同期転送モードスイッチ(ATM−SW)12と、これらSTM−SW11及びATM−SW12をATMアダプテーションレイヤ1(AAL1:ATM Adaptation Layer Type 1)で終端するIWF(Inter Working Function)13と、既存端末141及び142と、ATM端末151及び152とから構成されている。なお、既存端末及びATM端末の数は、図2のように各2台に限定されるものではなく、1台又は3台以上でもよく、同数でなくてもよい。
【0022】
STM−SW11は、時分割されたSTMデータをスイッチングし、固定電話等の既存端末141及び142をIWF13に接続する。ATM−SW12は、IWF13、ATM端末151及び152間を流れるATMセルをスイッチングする。IWF13は、ATMセルとSTMデータの間の双方向の変換を行う変換装置で、STM−SW11とATM−SW12をインターワーキングし、STM−SW11からのSTMデータはATMセルに変換してATM−SW12へ出力し、ATM−SW12からのATMセルはSTMデータに変換してSTM−SW11へ出力する。
【0023】
図1は本発明のATMセルとSTMデータの変換装置の一実施の形態としてのIWF13の構成図を示す。同図において、IWF13は、ATMセルの入出力インタフェースを行うATM−INF20と、データ−セル変換部であるAAL1CLAD(ATM Adaptation Layer Type1 Cell Assembly and Disassembly)241、242及び243と、STMデータの入出力インタフェースを行うSTM−INF25と、IWF13内の各部を統括的に制御する制御部28と、これら全体を接続するCPUバス29とから構成されている。制御部28は、中央処理装置(CPU)及びメモリにより構成されており、メモリに格納されたソフトウェアプログラムに従って所定の制御動作を行う。
【0024】
ATM−INF20は、非同期転送モードスイッチ(ATM−SW)21と、コントロールフィールド付加装置22と、セレクタ23とから構成されている。ATM−SW21は、入力されるATMセルをスイッチングしてセレクタ23に入力する。コントロールフィールド付加装置22は、ATM−SW21に入力されたATMセルに対してパス設定情報を付加する。また、STM−SW25は、セレクタ26と多重/分離部(MUX/DMUX)27とから構成されており、セレクタ26はAAL1CLAD241〜243に接続され、多重/分離部27は図2のSTM−SW11に接続される。
【0025】
AAL1CLAD241〜243は、ATM−INF20内のセレクタ23とSTM−INF25内のセレクタ26との間に設けられ、このうち、第1のAAL1CLAD241と第2のAAL1CLAD242は運用系を示し、第3のAAL1CLAD243は予備系を示す。ここでは、運用系のAAL1CLADが241と242の2つであり、予備系のAAL1CLADが243の1つであるので、障害による系切り替えでは、運用系AAL1CLAD241及び242のどちらか一方が障害になった時点で、その障害系AAL1CLAD241、242のパス設定情報を、予備系AAL1CLAD243に対して設定する必要がある。
【0026】
そこで、ATM−INF20から運用系AAL1CLAD241及び242に対してATMセルを送出するときに、コントロールフィールド付加装置22で運用系AAL1CLAD241及び242のパス設定情報を、53バイト固定長のATMセルに付加し、53バイトよりも長いロング(long)セル30を生成し、そのロングセル30を処理できるATM−SW21でスイッチングした後、運用系AAL1CLAD241及び242に対して送出する。
【0027】
運用系AAL1CLAD241及び242と予備系AAL1CLAD243は、ユーザー情報のセルへの分割、セルからの組み立て、損失セル・誤挿入セルに対する処理や、遅延揺らぎ補償処理等の機能を備え、また、音声情報等をSTMデータに変換したり、逆にSTMデータをATMセルに変換する機能を備える。また、運用系AAL1CLAD241及び242と予備系AAL1CLAD243は、それぞれ同一構成で、図3に24で示すように、AAL1SAR(ATM Adaptation Layer1 Segmentation And Reassembly)31とコントロールメモリ32とからなる。
【0028】
図3に示すように、AAL1SAR31は、ATM−INF20から受信したロングセル30をコントロールメモリ32に一旦蓄積し、コントロールメモリ32に格納されたパス設定情報に基づいて、ATMセルをタイムスロット(TS)にマッピングし、STMデータ35をSTM−INF25へ送出する。また、図3では図示していないが、AAL1SAR31は、STM−INF25から入力されるSTMデータを一旦コントロールメモリ32に蓄積してATMセルに変換した後、コントロールメモリ32からATMセルを取り出して、ATM−INF20へ出力する。
【0029】
従って、運用系AAL1CLAD241及び242は、ロングセル中のパス設定情報に従って、ATMセルをSTM回線のタイムスロット(TS)にマッピングすることにより、運用系AAL1CLAD241及び242と予備系AAL1CLAD243に対するパス設定処理を削除できるため、運用系AAL1CLAD241及び242の一方から予備系AAL1CLAD243への系切り替え処理は、STM−INF25内のセレクタ26とATM−INF20内のセレクタ23の切り替えのみとなり、パス設定情報引継ぎ時間が発生せず、系切り替え時間を短縮することができる。
【0030】
このようにして、この実施の形態では、AAL1CLADの系切り替え時に、予備系AAL1CLAD243に対するパス情報設定は行わず、ATM−INF20内のコントロールフィールド付加装置22でATMセルに付加されたパス設定情報に基づいて、AAL1SAR31がAAL1セルをSTM回線のタイムスロットにマッピングするため、障害系AAL1CLAD241又は242のパス設定情報を予備系AAL1CLAD243に対して引き継ぐ必要が無くなり、AAL1CLAD系切り替え時間の短縮化を実現できる。
【0031】
図1のIWF13では、前述したように、第1のAAL1CLAD241と第2のAAL1CLAD242を運用系とし、第3のAAL1CLAD243を予備系とし、ATM−INF20とSTM−INF25で運用系AAL1CLAD241及び242のどちらか一方が障害になった時点で、その障害系AAL1CLAD241又は242のパス設定情報を、予備系AAL1CLAD243に切り替える2+1重化構成が示されている。
【0032】
かかる図1の構成において、STM−INF25は、図2のSTM−SW11から入力されるタイムスロット(TS)ベースのSTMデータを受信する。また、AAL1CLAD241、242、243から送出されるSTMデータをSTM−SW11へ送信する。図1のSTM−INF25内の多重/分離部27は、図2のSTM−SW11から送信されたSTMデータを受信したときは、その1ラインのSTMデータを速度が半分の2ライン分のSTMデータに分離する。また、多重/分離部27は、AAL1CLAD241、242、243から送出されるSTMデータを、セレクタ26を通じて入力された時は、その2ライン分のSTMデータを速度が2倍の1ラインのSTMデータに多重する。
【0033】
図1のSTM−INF25内のセレクタ26は、多重/分離部27から入力されるSTMデータを運用系AAL1CLAD241及び242のみに対して出力し、運用系AAL1CLAD241及び242から送出されるSTMデータを多重/分離部27に送出する。運用系AAL1CLAD241及び242のどちらか一方が障害になった時点で、障害になったAAL1CLAD241又は242が予備系AAL1CLAD243に切り替わった場合、セレクタ26はSTM−INF25とAAL1CLAD241、242、243間PCM(Pulse Code Modulation)インタフェースの125μs周期のフレームパルス(FP:Frame Pulse)に同期してPCMインタフェースを切り替える。
【0034】
AAL1CLAD241、242及び243は、STM−INF25から入力されるSTMデータをセル化してATM−INF20へ出力し、また、ATM−INF20から入力されるATMセルをSTMデータのTSにマッピングする。図1のATM−INF20は、図2のATM−SW12からのATMセルを受信し、内部のATM−SW21によりスイッチングして内部のセレクタ23に送出する。
【0035】
上記のATM−SW21は、コントロールフィールド付加装置22に設定されているメモリテーブルから検索された運用系AAL1CLAD241及び242のパス設定情報を、入力ATMセルとスイッチングして出力し、入力ATMセルに上記のパス設定情報がスイッチング多重された(時系列的に合成された)ロングセル30を生成して、セレクタ23に送出する。上記のメモリテーブルの検索は、入力されるATMセルのヘッダに基づいて実施される。セレクタ23は、ATM−SW21から送出されたロングセル30を運用系AAL1CLAD241及び242に送出し、運用系AAL1CLAD241及び242のどちらか一方が障害になった時点で、その障害系AAL1CLAD241又は242にロングセル30を送出する。
【0036】
図4はコントロールフィールド付加装置22のメモリテーブルのメモリマップの一例を示す。同図に示すように、コントロールフィールド付加装置22のメモリテーブルは、運用系AAL1CLAD241及び242各々についての領域があり、各領域にはチャネル毎に「コントロールフィールド」、「ATMヘッダ」及び「ペイロードバッファ」が格納される。チャネル数は図3に示したAAL1SAR31のTSにより決定される。
【0037】
また、上記の「コントロールフィールド」には、運用系AAL1CLAD241及び242のSTM−INF25側のTSとATMセルのヘッダの関係、パーシャルフィールドセル対応用のペイロードサイズ、データサイズが図1の制御部28によって設定される。また、図4において、「ペイロードバッファ」には、ATM−SW12から入力されたATMセルのペイロードが、「ATMヘッダ」にはそのATMセルのヘッダがそれぞれ格納される。前述したように、このメモリテーブルに基づいて生成されたロングセル30が、ATM−SW21でスイッチングされ、セレクタ23に送出される。
【0038】
図5は図3に示したAAL1CLAD24(241〜243)内のコントロールメモリ32のメモリマップの一例を示す。図5に示すように、コントロールメモリ32にはAAL1CLAD241〜243内のSTM−INF25側のTSとATMセルヘッダとの関係がチャネル毎に格納されており、また、STM−INF25から入力されるSTMデータ及びATM−INF20から入力されるATMセルが格納される。
【0039】
ATM−INF20は、AAL1CLAD241〜243からATMセルを受信し、受信したATMセルをIWF13と接続される図2のATM−SW12に出力する一方、ATM−SW12から送信されたATMセルを受信し、受信したATMセルをAAL1CLAD241〜243に転送する。ATM−INF20に搭載されたATM−SW21は、運用系AAL1CLAD241及び242から受信したATMセルをIWF13に接続されたATM−SW12にスイッチングする一方、IWF13と接続されたATM−SW12から入力されるATMセルをコントロールフィールド付加装置22経由でロングセルに変換し、運用系AAL1CLAD241及び242にスイッチングする。
【0040】
図1に示す制御部28は、CPU(Central Processing Unit)バス29を介して、ATM−INF20に搭載されるATM−SW21、コントロールフィールド付加装置22及びセレクタ23の制御と、STM−INF25内のセレクタ26の制御と、AAL1CLAD241〜243に搭載されるAAL1SAR31とコントロールメモリ32の制御を行う。
【0041】
次に、本実施の形態の動作について説明する。図1の実施の形態では、2つの運用系AAL1CLAD241及び242のパス及びその他の情報をAAL1CLAD241〜243には設定せず、ATM−INF20内のコントロールフィールド付加装置22に設定し、2つの運用系AAL1CLAD241及び242のどちらか一方が障害になった時点で、予備系AAL1CLAD243に切り替える際には、予備系AAL1CLAD243に対してはパス設定を行わず、セレクタ23及び26を切り替えるだけで系切り替えを実施するものであり、まず、ATM−SW21はATM−SW12から入力されるATMセルをコントロールフィールド付加装置22に設定された図4のメモリテーブルに従ってスイッチングする。
【0042】
コントロールフィールド付加装置22は、入力されたATMセルのヘッダから図4に示すメモリテーブルのアドレスを検索し、そのアドレスに設定されたコントロールフィールド値と、出力されるATMセルヘッダを、ATM−SW12から入力されたATMセルのペイロードに付与したロングセル30を生成する。ここで、図4において、「コントロールフィールド」中の「バリッド」(Valid)は、このチャネルが有効か無効かを示し、「データサイズ」は64kbps、128kbps、384kbpsなどのデータ速度を示す。また、「バリッドTS」は、ラインに対する有効なTSナンバーを示す。例えば、TS2を使用し64kbpsのデータを処理する場合、「バリッドTS」には”4”が設定される。
【0043】
また、「ペイロードサイズ」はATMセルのペイロードに何バイトデータが詰め込まれるかを示す。通常は、ペイロードサイズはAAL1ヘッダを除く47バイトであるが、パーシャルフィルセル(Partial fill cell)を使う場合、46バイト以下の値が設定され、ペイロードの残りは合計で53バイトになるようにパディングされる。また、「ATMヘッダ」は、STMデータのセル化に付加される情報で、タイムスロット(TS)とATMセルヘッダとの関連付けを行う。
【0044】
コントロールフィールド付加装置22は、ATM−SW12から入力された図6(A)に示すフォーマットの53バイト固定長のATMセル中のATMヘッダのアドレスに基づき、図4に示した内部のメモリテーブルを検索し、そのATMセルが運用系AAL1CLAD241と242のどちらへ転送されるべき何チャネルのセルかを判断すると共にそのアドレスに対応するコントロールフィールドを読み出してATM−SW20へ出力する。これにより、ATM−SW20はATM−SW12から入力されたATMセルにコントロールフィールド付加装置22からのコントロールフィールドをスイッチングして付加して、図6(B)に示す如きフォーマットのロングセル30を生成してセレクタ23へ転送する。このロングセル30の生成及び出力は、運用系AAL1CLAD241及び242の一方に障害が発生したかどうかに関係なく常時行われる。
【0045】
セレクタ23は、制御部28により運用系AAL1CLAD241及び242に対してロングセル30を送出できるように設定され、運用系AAL1CLAD241及び242にロングセル30を送出する。図3において、AAL1CLAD241及び242内のAAL1SAR31は、ATM−INF20から入力される上記のロングセル30を受信し、コントロールメモリ31に格納する。格納先のメモリアドレスは、入力されるロングセル30のATMヘッダにより決定される。
【0046】
上記のコントロールメモリ31のメモリマップは、図5に示すように、図4に示したコントロールフィールド付加装置22内のメモリテーブルの内容とほぼ同様であるが、図5の「ペイロードバッファ」は、STM−INF25からのSTMデータについては、1セルに達するまでのSTMデータを格納するためのバッファであり、125μs周期で1バイトずつデータが入力される。ATM−INF20へセルとして送出するには47バイト必要である。また、「ペイロードバッファ」は、ATM−INF20からのATMセルについては、ATMセルのペイロードを一時的に格納するためのバッファであり、47バイト単位にデータが入力され、125μs周期で1バイトずつ送出される。コントロールメモリ32のチャネル毎のベースアドレスは、タイムスロットから決定される。
【0047】
図3のAAL1CLAD24内のAAL1SAR31は、このコントロールメモリ31に格納されたロングセル30中のコントロールフィールドの情報に従ってロングセル30中のペイロード(53バイト固定長のATMセルのペイロードと同じ)をSTM回線のTSにマッピングする。このことについて更に説明するに、コントロールメモリ31に格納されたロングセル30中のコントロールフィールドを図7(A)に示すとすると、そのコントロールフィールド中のTS0〜TSmは各1ビットのバリッドTSであり、そのTSが有効かどうか示している(1のとき有効)。また、図7(B)はSTMデータのフォーマットを示し、TS0〜TSmは各8ビットのタイムスロットを示す。
【0048】
例えば、コントロールフィールドのバリッドTS中のTS1のみが”1”である場合(ビットが立っている場合)は、そのコントロールフィールドを含むロングセル30中のペイロード47バイトのうちの8バイトが図7(B)に示すSTMデータ中のTS1で示す8バイトのタイムスロットに配置される(マッピングされる)。また、コントロールフィールドのバリッドTS中のTS1とTS3のみが”1”である場合(ビットが立っている場合)は、そのコントロールフィールドを含むロングセル30中のペイロード47バイトのうちの8バイト毎に図7(B)に示すSTMデータ中のTS1とTS3で示す各8バイトのタイムスロットに順次に配置される(マッピングされる)。なお、図7(B)中のパルスはフレームパルスを示す。
【0049】
このようにして運用系AAL1CLAD241及び242で生成されたSTMデータは、STM−INF25へ出力される。これにより、予備系AAL1CLAD243へのパス設定は必要ないため、運用系AAL1CLAD241及び242のいずれか一方に障害が発生した時点で、制御部28はATM−INF20内のセレクタ23とSTM−INF25内のセレクタ26の選択先を、障害が発生した運用系AAL1CLAD241又は242から予備系AAL1CLAD243に設定変更するだけで系切り替えを実施することができる。
【0050】
すなわち、本実施の形態では、2つの運用系AAL1CLAD241及び242のパス及びその他の情報を運用系AAL1CLAD241及び242には設定せず、ATM−INF20内のコントロールフィールド付加装置22に設定し、コントロールフィールド付加装置22でAAL1CLAD241及び242に対してそのパス設定情報(コントロールフィールド)を付加したロングセル30を送出する。
【0051】
そして、運用系AAL1CLAD241及び242は内部のAAL1SAR31で受信したロングセル30のパス設定情報に基づいて、STM回線のTSにペイロードのデータをマッピングするため、2つの運用系AAL1CLAD241及び242のどちらか一方が障害になった時点で、予備系AAL1CLAD243に切り替える際には、セレクタ23により障害が発生した運用系AAL1CLADに入力されるロングセルが予備系AAL1CLAD243に切り替え入力され、かつ、セレクタ26により障害が発生した運用系AAL1CLADの出力から予備系AAL1CLAD243から出力されるSTMデータをSTM−INF25へ出力するように切り替える。また、予備系AAL1CLAD243は入力されるロングセルのパス設定情報に基づき、障害が発生した運用系AAL1CLADと同様の動作を行うため、障害が発生したAAL1CLAD241又は242から予備系AAL1CLAD243に対してパス設定情報の引継ぎを行う必要がなくなり、セレクタ23及び26のみの切り替えで系切り替えを実現でき、障害発生時の系切り替え時間を短縮することができる。
【0052】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、N+1重化への適用も可能である(Nは1又は3以上の整数)。また、運用系AAL1CLADが障害になったために、予備系AAL1CLADに切り替えて予備系AAL1CLADを障害が発生したAAL1CLADに代えて使用している状態において、障害が発生したAAL1CLADが復旧した場合、復旧したAAL1CLADを再び運用系に切り替え、かつ、それまで予備系であり、現在運用中のAAL1CLADを再び予備系に切り替えるようにしてもよいし、切り替えを行わず復旧したAAL1CLADをそのまま予備系として用いるようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、予備系の変換部は、ATMインタフェース手段から入力されたパス設定情報がATMセルに付加されたセルを入力として受けた時は、入力セル中のパス設定情報に基づき入力セルのデータをSTM回線のタイムスロットにマッピングしてSTMデータを生成することにより、運用系の変換部から予備系の変換部に系切り替えを行っても、予備系の変換部に対してパス設定及び運用系のパス設定情報を引き継ぐ必要がないため、予備系の変換部への系切り替えの時間を従来に比し短縮することができ、また、系切り替え時のデータロスの発生を抑えることができる。
【0054】
また、本発明によれば、運用系の変換部の数に関係なく、予備系の変換部を1個のみとすることができるため、装置全体の構成を簡略化できると共に安価に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成図である。
【図2】本発明装置が適用されるデータ伝送システムの一例のシステム構成図である。
【図3】図1中のAAL1CLADの一例の構成図である。
【図4】図1中のコントロールフィールド付加装置のメモリテーブルの一例の説明図である。
【図5】図3中のコントロールメモリの一例のメモリマップ図である。
【図6】ATMセルとロングセルのフォーマット説明図である。
【図7】図3中のAAL1SARによるロングセル中のコントロールフィールドに基づくペイロードのSTM回線へのマッピング説明図である。
【符号の説明】
11 同期転送モードスイッチ(STM−SW)
12、21 非同期転送モードスイッチ(ATM−SW)
13 変換装置(IWF)
141、142 既存端末
151、152 ATM端末
20 ATMインタフェース(ATM−INF)
22 コントロールフィールド付加装置
23、26 セレクタ
241、242、243 変換部(AAL1CLAD)
25 STMインタフェース(STM−INF)
27 多重/分離部(MUX/DMUX)
28 制御部
30 ロングセル
31 AAL1SAR(変換回路)
32 コントロールメモリ
35 STMデータ
【発明の属する技術分野】
本発明はATMセルとSTMデータの変換装置に係り、特に運用系(現用系)と予備系の変換部を有する二重化構成のATMセルとSTMデータの変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存のディジタル回線交換方式では端末(既存端末)間のデータは、一定のタイミングで情報を伝送する同期転送モード(STM:Synchronous Transfer Mode)で伝送される。一方、回線交換とパケット交換の欠点を補い誕生した非同期転送モード(ATM:Asynchronous Transfer Mode)では、ATM端末間のデータは、情報を例えば47バイト毎に区切り、これに6バイトのヘッダを付加してなる計53バイトの固定長のATMセル(以下、単にセルともいう)という信号形態として伝送する。
【0003】
従って、既存端末とATM端末との間でデータ伝送を行うデータ伝送システムでは、両者のデータ伝送形態が異なるため、既存端末からのSTMデータはATMセルに変換してからATM端末へ伝送し、ATM端末からのATMセルはSTMデータに変換してから既存端末へ伝送する必要があり、そのため上記の双方向の変換を行うATMセルとSTMデータの変換装置が設けられる。
【0004】
ここで、上記のデータ伝送システムにおいて、データ伝送の信頼性を向上し、常に確実に伝送を行うためには、変換装置内のデータ・セル変換部を使用中の運用系(現用系)だけでなく、同一構成の予備系を設け、運用系に障害が発生したときには、予備系に切り替える二重化構成とすればよく、そのための各種提案が従来よりなされている。
【0005】
例えば、特開平11−68774号公報には、ATMセルのSTMデータ化の開始、及びSTMデータのATMセル化の開始のタイミングを相互に通知することによりデータ変換動作の同期をとる構成とした変換装置が開示されている。
【0006】
また、特開平11−341010号公報には、アクト系(運用系)ATMスイッチと、スタンバイ系(予備系)ATMスイッチが、アクト系AAL1終端装置とスタンバイ系AAL1終端装置とに同期のとれたATMセルを送信し、アクト系AAL1終端装置とスタンバイ系AAL1終端装置は、受信したATMセルの揺らぎを吸収し、バーストの吸収を行い、ATMセルを受信するタイミングに同期させてSTMスイッチにSTMデータを供給する構成が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特開平11−68774号公報記載の従来装置では、運用系で受信したATMセルをSTMデータに変換する際のチャネル毎の変換開始信号を予備系へ供給し、更に予備系から受信した変換開始信号と自系の変換開始信号との位相を比較し、位相差がある場合にはATMセルからSTMデータへの変換の開始をSTMフレーム単位に延期するようにしているため、予備系に対するパス設定に時間を要するという問題がある。
【0008】
また、特開平11−341010号公報記載の従来装置では、運用系と予備系の両方に同じ数の終端装置を設ける必要があり、運用系が複数存在すると、その数だけ予備系も必要となり、運用系の数が多いほど装置規模が極めて増加し、システム全体のコストが極めて高価となってしまう。また、ソフトウェアによる予備系に対するパス設定に時間がかかり、その結果、パス設定に費やす時間分のデータロスが発生するという問題がある。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、運用系から予備系への系切り替え時間を短縮し得るATMセルとSTMデータの変換装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、系切り替え時のデータロス発生を抑制し得るATMセルとSTMデータの変換装置を提供することにある。
【0011】
更に、本発明の他の目的は、複数の運用系が存在しても予備系を極力少ない数で構成し得るATMセルとSTMデータの変換装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の発明は、非同期転送モードで転送されるATMセルの入力時はそのATMセルを、同期転送モードで転送されるSTMデータに変換して出力し、STMデータが入力される時はATMセルに変換して出力する一又は二以上の運用系の変換部と、ATMセルが入力される時はSTMデータに変換して出力し、STMデータが入力される時はATMセルに変換して出力する一の予備系の変換部と、外部からATMセルが入力される時には、そのATMセルのパス設定情報をATMセルに付加したセルを生成して運用系の変換部にATMセルとして入力して運用系の変換部によりパス設定情報に基づき入力セルのデータをSTM回線のタイムスロットにマッピングしてSTMデータを生成させ、運用系の変換部から入力されたATMセルはそのまま外部へ出力するATMインタフェース手段と、運用系の変換部から入力されたSTMデータを多重して外部へ出力し、外部から入力されたSTMデータは分離して運用系の変換部へ供給するSTMインタフェース手段と、運用系の変換部の障害発生の有無を監視し、障害発生検出時は障害発生した運用系の変換部とATMインタフェース手段及びSTMインタフェース手段との接続を切り離し、ATMインタフェース手段及びSTMインタフェース手段を予備系の変換部に接続するように切り替え制御する制御手段とを有する構成としたものである。
【0013】
この発明では、予備系の変換部は、ATMインタフェース手段から入力されたパス設定情報がATMセルに付加されたセルを入力として受けた時は、入力セル中のパス設定情報に基づき入力セルのデータをSTM回線のタイムスロットにマッピングしてSTMデータを生成するようにしているため、運用系の変換部から予備系の変換部に系切り替えを行っても、予備系の変換部に対してパス設定及び運用系のパス設定情報を引き継ぐ必要がない。
【0014】
また、第2の発明は上記の目的を達成するため、ATMインタフェース手段を、運用系の変換部のパス設定情報がアドレスに対応させて予め記憶されたメモリテーブルを有し、外部から入力されるATMセルのヘッダからメモリテーブルのアドレスを検索し、その検索したアドレスに対応するパス設定情報を出力する付加装置と、外部から入力されるATMセルに付加装置から出力されたパス設定情報を付加して出力するスイッチ手段と、スイッチ手段から出力されるATMセルにパス設定情報が付加されたセルを、制御手段の制御により運用系の変換部又は予備系の変換部へ出力する第1のセレクタとよりなる構成としたものである。この第2の発明では、外部から入力されたATMセルにそのパス設定情報を正確に付加できる。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、第3の発明では、第1の発明におけるSTMインタフェース手段を、制御手段の切り替え制御により運用系の変換部又は予備系の変換部に接続される第2のセレクタと、第2のセレクタに接続された多重/分離部とより構成し、多重/分離部は、外部から入力されるSTMデータは分離して第2のセレクタへ送出し、第2のセレクタから入力されるSTMデータは多重して外部へ出力することを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、第4の発明では、運用系の変換部及び予備系の変換部のそれぞれを、ATMインタフェース手段から入力される、パス設定情報がATMセルに付加されたセル、又はSTMインタフェース手段から入力されるSTMデータを蓄積するコントロールメモリと、コントロールメモリに蓄積されたパス設定情報に基づきコントロールメモリに蓄積されたセルのペイロードのデータをSTM回線のタイムスロットにマッピングしてSTMデータを生成してSTMインタフェース手段へ出力するか、コントロールメモリに蓄積されたSTMデータをATMセルに変換してATMインタフェース手段へ出力する変換回路とよりなる構成としたことを特徴とする。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、第5の発明では、運用系の変換部はN個(Nは2以上の整数)あり、ATMインタフェース手段とSTMインタフェース手段とにより障害が発生した運用系の変換部を接続から切り離して予備系の変換部に接続するN+1重化構成とされていることを特徴とする。この発明では、運用系の変換部の数に関係なく、予備系の変換部を1個のみとすることができる。
【0018】
また、上記の目的を達成するため、第6の発明では、ATMインタフェース手段により入力ATMセルに付加されるパス設定情報は、STMデータを構成する複数のタイムスロットの各々について有効であるかどうかを示す情報を少なくとも有し、変換部は、パス設定情報中の有効であることを示すタイムスロットに対応したSTM回線のタイムスロットに入力セルのデータをマッピングしてSTMデータを生成することを特徴とする。
【0019】
更に、上記の目的を達成するため、第7の発明では、ATMインタフェース手段を、複数のATM端末間を転送されるATMスイッチに接続されて双方向にATMセルを転送し、STMインタフェース手段を複数の既存端末から時分割で出力されたデータをスイッチングするSTMスイッチに接続されて双方向にSTMデータを転送することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になるATMセルとSTMデータの変換装置の一実施の形態の構成図、図2は本発明装置が適用されるデータ伝送システムの一例のシステム構成図を示す。本発明装置の実施の形態について説明するに先立ち、まず、図2と共に本発明装置が適用されるデータ伝送システムについて説明する。
【0021】
図2に示すデータ伝送システムは、同期転送モードスイッチ(STM−SW)11及び非同期転送モードスイッチ(ATM−SW)12と、これらSTM−SW11及びATM−SW12をATMアダプテーションレイヤ1(AAL1:ATM Adaptation Layer Type 1)で終端するIWF(Inter Working Function)13と、既存端末141及び142と、ATM端末151及び152とから構成されている。なお、既存端末及びATM端末の数は、図2のように各2台に限定されるものではなく、1台又は3台以上でもよく、同数でなくてもよい。
【0022】
STM−SW11は、時分割されたSTMデータをスイッチングし、固定電話等の既存端末141及び142をIWF13に接続する。ATM−SW12は、IWF13、ATM端末151及び152間を流れるATMセルをスイッチングする。IWF13は、ATMセルとSTMデータの間の双方向の変換を行う変換装置で、STM−SW11とATM−SW12をインターワーキングし、STM−SW11からのSTMデータはATMセルに変換してATM−SW12へ出力し、ATM−SW12からのATMセルはSTMデータに変換してSTM−SW11へ出力する。
【0023】
図1は本発明のATMセルとSTMデータの変換装置の一実施の形態としてのIWF13の構成図を示す。同図において、IWF13は、ATMセルの入出力インタフェースを行うATM−INF20と、データ−セル変換部であるAAL1CLAD(ATM Adaptation Layer Type1 Cell Assembly and Disassembly)241、242及び243と、STMデータの入出力インタフェースを行うSTM−INF25と、IWF13内の各部を統括的に制御する制御部28と、これら全体を接続するCPUバス29とから構成されている。制御部28は、中央処理装置(CPU)及びメモリにより構成されており、メモリに格納されたソフトウェアプログラムに従って所定の制御動作を行う。
【0024】
ATM−INF20は、非同期転送モードスイッチ(ATM−SW)21と、コントロールフィールド付加装置22と、セレクタ23とから構成されている。ATM−SW21は、入力されるATMセルをスイッチングしてセレクタ23に入力する。コントロールフィールド付加装置22は、ATM−SW21に入力されたATMセルに対してパス設定情報を付加する。また、STM−SW25は、セレクタ26と多重/分離部(MUX/DMUX)27とから構成されており、セレクタ26はAAL1CLAD241〜243に接続され、多重/分離部27は図2のSTM−SW11に接続される。
【0025】
AAL1CLAD241〜243は、ATM−INF20内のセレクタ23とSTM−INF25内のセレクタ26との間に設けられ、このうち、第1のAAL1CLAD241と第2のAAL1CLAD242は運用系を示し、第3のAAL1CLAD243は予備系を示す。ここでは、運用系のAAL1CLADが241と242の2つであり、予備系のAAL1CLADが243の1つであるので、障害による系切り替えでは、運用系AAL1CLAD241及び242のどちらか一方が障害になった時点で、その障害系AAL1CLAD241、242のパス設定情報を、予備系AAL1CLAD243に対して設定する必要がある。
【0026】
そこで、ATM−INF20から運用系AAL1CLAD241及び242に対してATMセルを送出するときに、コントロールフィールド付加装置22で運用系AAL1CLAD241及び242のパス設定情報を、53バイト固定長のATMセルに付加し、53バイトよりも長いロング(long)セル30を生成し、そのロングセル30を処理できるATM−SW21でスイッチングした後、運用系AAL1CLAD241及び242に対して送出する。
【0027】
運用系AAL1CLAD241及び242と予備系AAL1CLAD243は、ユーザー情報のセルへの分割、セルからの組み立て、損失セル・誤挿入セルに対する処理や、遅延揺らぎ補償処理等の機能を備え、また、音声情報等をSTMデータに変換したり、逆にSTMデータをATMセルに変換する機能を備える。また、運用系AAL1CLAD241及び242と予備系AAL1CLAD243は、それぞれ同一構成で、図3に24で示すように、AAL1SAR(ATM Adaptation Layer1 Segmentation And Reassembly)31とコントロールメモリ32とからなる。
【0028】
図3に示すように、AAL1SAR31は、ATM−INF20から受信したロングセル30をコントロールメモリ32に一旦蓄積し、コントロールメモリ32に格納されたパス設定情報に基づいて、ATMセルをタイムスロット(TS)にマッピングし、STMデータ35をSTM−INF25へ送出する。また、図3では図示していないが、AAL1SAR31は、STM−INF25から入力されるSTMデータを一旦コントロールメモリ32に蓄積してATMセルに変換した後、コントロールメモリ32からATMセルを取り出して、ATM−INF20へ出力する。
【0029】
従って、運用系AAL1CLAD241及び242は、ロングセル中のパス設定情報に従って、ATMセルをSTM回線のタイムスロット(TS)にマッピングすることにより、運用系AAL1CLAD241及び242と予備系AAL1CLAD243に対するパス設定処理を削除できるため、運用系AAL1CLAD241及び242の一方から予備系AAL1CLAD243への系切り替え処理は、STM−INF25内のセレクタ26とATM−INF20内のセレクタ23の切り替えのみとなり、パス設定情報引継ぎ時間が発生せず、系切り替え時間を短縮することができる。
【0030】
このようにして、この実施の形態では、AAL1CLADの系切り替え時に、予備系AAL1CLAD243に対するパス情報設定は行わず、ATM−INF20内のコントロールフィールド付加装置22でATMセルに付加されたパス設定情報に基づいて、AAL1SAR31がAAL1セルをSTM回線のタイムスロットにマッピングするため、障害系AAL1CLAD241又は242のパス設定情報を予備系AAL1CLAD243に対して引き継ぐ必要が無くなり、AAL1CLAD系切り替え時間の短縮化を実現できる。
【0031】
図1のIWF13では、前述したように、第1のAAL1CLAD241と第2のAAL1CLAD242を運用系とし、第3のAAL1CLAD243を予備系とし、ATM−INF20とSTM−INF25で運用系AAL1CLAD241及び242のどちらか一方が障害になった時点で、その障害系AAL1CLAD241又は242のパス設定情報を、予備系AAL1CLAD243に切り替える2+1重化構成が示されている。
【0032】
かかる図1の構成において、STM−INF25は、図2のSTM−SW11から入力されるタイムスロット(TS)ベースのSTMデータを受信する。また、AAL1CLAD241、242、243から送出されるSTMデータをSTM−SW11へ送信する。図1のSTM−INF25内の多重/分離部27は、図2のSTM−SW11から送信されたSTMデータを受信したときは、その1ラインのSTMデータを速度が半分の2ライン分のSTMデータに分離する。また、多重/分離部27は、AAL1CLAD241、242、243から送出されるSTMデータを、セレクタ26を通じて入力された時は、その2ライン分のSTMデータを速度が2倍の1ラインのSTMデータに多重する。
【0033】
図1のSTM−INF25内のセレクタ26は、多重/分離部27から入力されるSTMデータを運用系AAL1CLAD241及び242のみに対して出力し、運用系AAL1CLAD241及び242から送出されるSTMデータを多重/分離部27に送出する。運用系AAL1CLAD241及び242のどちらか一方が障害になった時点で、障害になったAAL1CLAD241又は242が予備系AAL1CLAD243に切り替わった場合、セレクタ26はSTM−INF25とAAL1CLAD241、242、243間PCM(Pulse Code Modulation)インタフェースの125μs周期のフレームパルス(FP:Frame Pulse)に同期してPCMインタフェースを切り替える。
【0034】
AAL1CLAD241、242及び243は、STM−INF25から入力されるSTMデータをセル化してATM−INF20へ出力し、また、ATM−INF20から入力されるATMセルをSTMデータのTSにマッピングする。図1のATM−INF20は、図2のATM−SW12からのATMセルを受信し、内部のATM−SW21によりスイッチングして内部のセレクタ23に送出する。
【0035】
上記のATM−SW21は、コントロールフィールド付加装置22に設定されているメモリテーブルから検索された運用系AAL1CLAD241及び242のパス設定情報を、入力ATMセルとスイッチングして出力し、入力ATMセルに上記のパス設定情報がスイッチング多重された(時系列的に合成された)ロングセル30を生成して、セレクタ23に送出する。上記のメモリテーブルの検索は、入力されるATMセルのヘッダに基づいて実施される。セレクタ23は、ATM−SW21から送出されたロングセル30を運用系AAL1CLAD241及び242に送出し、運用系AAL1CLAD241及び242のどちらか一方が障害になった時点で、その障害系AAL1CLAD241又は242にロングセル30を送出する。
【0036】
図4はコントロールフィールド付加装置22のメモリテーブルのメモリマップの一例を示す。同図に示すように、コントロールフィールド付加装置22のメモリテーブルは、運用系AAL1CLAD241及び242各々についての領域があり、各領域にはチャネル毎に「コントロールフィールド」、「ATMヘッダ」及び「ペイロードバッファ」が格納される。チャネル数は図3に示したAAL1SAR31のTSにより決定される。
【0037】
また、上記の「コントロールフィールド」には、運用系AAL1CLAD241及び242のSTM−INF25側のTSとATMセルのヘッダの関係、パーシャルフィールドセル対応用のペイロードサイズ、データサイズが図1の制御部28によって設定される。また、図4において、「ペイロードバッファ」には、ATM−SW12から入力されたATMセルのペイロードが、「ATMヘッダ」にはそのATMセルのヘッダがそれぞれ格納される。前述したように、このメモリテーブルに基づいて生成されたロングセル30が、ATM−SW21でスイッチングされ、セレクタ23に送出される。
【0038】
図5は図3に示したAAL1CLAD24(241〜243)内のコントロールメモリ32のメモリマップの一例を示す。図5に示すように、コントロールメモリ32にはAAL1CLAD241〜243内のSTM−INF25側のTSとATMセルヘッダとの関係がチャネル毎に格納されており、また、STM−INF25から入力されるSTMデータ及びATM−INF20から入力されるATMセルが格納される。
【0039】
ATM−INF20は、AAL1CLAD241〜243からATMセルを受信し、受信したATMセルをIWF13と接続される図2のATM−SW12に出力する一方、ATM−SW12から送信されたATMセルを受信し、受信したATMセルをAAL1CLAD241〜243に転送する。ATM−INF20に搭載されたATM−SW21は、運用系AAL1CLAD241及び242から受信したATMセルをIWF13に接続されたATM−SW12にスイッチングする一方、IWF13と接続されたATM−SW12から入力されるATMセルをコントロールフィールド付加装置22経由でロングセルに変換し、運用系AAL1CLAD241及び242にスイッチングする。
【0040】
図1に示す制御部28は、CPU(Central Processing Unit)バス29を介して、ATM−INF20に搭載されるATM−SW21、コントロールフィールド付加装置22及びセレクタ23の制御と、STM−INF25内のセレクタ26の制御と、AAL1CLAD241〜243に搭載されるAAL1SAR31とコントロールメモリ32の制御を行う。
【0041】
次に、本実施の形態の動作について説明する。図1の実施の形態では、2つの運用系AAL1CLAD241及び242のパス及びその他の情報をAAL1CLAD241〜243には設定せず、ATM−INF20内のコントロールフィールド付加装置22に設定し、2つの運用系AAL1CLAD241及び242のどちらか一方が障害になった時点で、予備系AAL1CLAD243に切り替える際には、予備系AAL1CLAD243に対してはパス設定を行わず、セレクタ23及び26を切り替えるだけで系切り替えを実施するものであり、まず、ATM−SW21はATM−SW12から入力されるATMセルをコントロールフィールド付加装置22に設定された図4のメモリテーブルに従ってスイッチングする。
【0042】
コントロールフィールド付加装置22は、入力されたATMセルのヘッダから図4に示すメモリテーブルのアドレスを検索し、そのアドレスに設定されたコントロールフィールド値と、出力されるATMセルヘッダを、ATM−SW12から入力されたATMセルのペイロードに付与したロングセル30を生成する。ここで、図4において、「コントロールフィールド」中の「バリッド」(Valid)は、このチャネルが有効か無効かを示し、「データサイズ」は64kbps、128kbps、384kbpsなどのデータ速度を示す。また、「バリッドTS」は、ラインに対する有効なTSナンバーを示す。例えば、TS2を使用し64kbpsのデータを処理する場合、「バリッドTS」には”4”が設定される。
【0043】
また、「ペイロードサイズ」はATMセルのペイロードに何バイトデータが詰め込まれるかを示す。通常は、ペイロードサイズはAAL1ヘッダを除く47バイトであるが、パーシャルフィルセル(Partial fill cell)を使う場合、46バイト以下の値が設定され、ペイロードの残りは合計で53バイトになるようにパディングされる。また、「ATMヘッダ」は、STMデータのセル化に付加される情報で、タイムスロット(TS)とATMセルヘッダとの関連付けを行う。
【0044】
コントロールフィールド付加装置22は、ATM−SW12から入力された図6(A)に示すフォーマットの53バイト固定長のATMセル中のATMヘッダのアドレスに基づき、図4に示した内部のメモリテーブルを検索し、そのATMセルが運用系AAL1CLAD241と242のどちらへ転送されるべき何チャネルのセルかを判断すると共にそのアドレスに対応するコントロールフィールドを読み出してATM−SW20へ出力する。これにより、ATM−SW20はATM−SW12から入力されたATMセルにコントロールフィールド付加装置22からのコントロールフィールドをスイッチングして付加して、図6(B)に示す如きフォーマットのロングセル30を生成してセレクタ23へ転送する。このロングセル30の生成及び出力は、運用系AAL1CLAD241及び242の一方に障害が発生したかどうかに関係なく常時行われる。
【0045】
セレクタ23は、制御部28により運用系AAL1CLAD241及び242に対してロングセル30を送出できるように設定され、運用系AAL1CLAD241及び242にロングセル30を送出する。図3において、AAL1CLAD241及び242内のAAL1SAR31は、ATM−INF20から入力される上記のロングセル30を受信し、コントロールメモリ31に格納する。格納先のメモリアドレスは、入力されるロングセル30のATMヘッダにより決定される。
【0046】
上記のコントロールメモリ31のメモリマップは、図5に示すように、図4に示したコントロールフィールド付加装置22内のメモリテーブルの内容とほぼ同様であるが、図5の「ペイロードバッファ」は、STM−INF25からのSTMデータについては、1セルに達するまでのSTMデータを格納するためのバッファであり、125μs周期で1バイトずつデータが入力される。ATM−INF20へセルとして送出するには47バイト必要である。また、「ペイロードバッファ」は、ATM−INF20からのATMセルについては、ATMセルのペイロードを一時的に格納するためのバッファであり、47バイト単位にデータが入力され、125μs周期で1バイトずつ送出される。コントロールメモリ32のチャネル毎のベースアドレスは、タイムスロットから決定される。
【0047】
図3のAAL1CLAD24内のAAL1SAR31は、このコントロールメモリ31に格納されたロングセル30中のコントロールフィールドの情報に従ってロングセル30中のペイロード(53バイト固定長のATMセルのペイロードと同じ)をSTM回線のTSにマッピングする。このことについて更に説明するに、コントロールメモリ31に格納されたロングセル30中のコントロールフィールドを図7(A)に示すとすると、そのコントロールフィールド中のTS0〜TSmは各1ビットのバリッドTSであり、そのTSが有効かどうか示している(1のとき有効)。また、図7(B)はSTMデータのフォーマットを示し、TS0〜TSmは各8ビットのタイムスロットを示す。
【0048】
例えば、コントロールフィールドのバリッドTS中のTS1のみが”1”である場合(ビットが立っている場合)は、そのコントロールフィールドを含むロングセル30中のペイロード47バイトのうちの8バイトが図7(B)に示すSTMデータ中のTS1で示す8バイトのタイムスロットに配置される(マッピングされる)。また、コントロールフィールドのバリッドTS中のTS1とTS3のみが”1”である場合(ビットが立っている場合)は、そのコントロールフィールドを含むロングセル30中のペイロード47バイトのうちの8バイト毎に図7(B)に示すSTMデータ中のTS1とTS3で示す各8バイトのタイムスロットに順次に配置される(マッピングされる)。なお、図7(B)中のパルスはフレームパルスを示す。
【0049】
このようにして運用系AAL1CLAD241及び242で生成されたSTMデータは、STM−INF25へ出力される。これにより、予備系AAL1CLAD243へのパス設定は必要ないため、運用系AAL1CLAD241及び242のいずれか一方に障害が発生した時点で、制御部28はATM−INF20内のセレクタ23とSTM−INF25内のセレクタ26の選択先を、障害が発生した運用系AAL1CLAD241又は242から予備系AAL1CLAD243に設定変更するだけで系切り替えを実施することができる。
【0050】
すなわち、本実施の形態では、2つの運用系AAL1CLAD241及び242のパス及びその他の情報を運用系AAL1CLAD241及び242には設定せず、ATM−INF20内のコントロールフィールド付加装置22に設定し、コントロールフィールド付加装置22でAAL1CLAD241及び242に対してそのパス設定情報(コントロールフィールド)を付加したロングセル30を送出する。
【0051】
そして、運用系AAL1CLAD241及び242は内部のAAL1SAR31で受信したロングセル30のパス設定情報に基づいて、STM回線のTSにペイロードのデータをマッピングするため、2つの運用系AAL1CLAD241及び242のどちらか一方が障害になった時点で、予備系AAL1CLAD243に切り替える際には、セレクタ23により障害が発生した運用系AAL1CLADに入力されるロングセルが予備系AAL1CLAD243に切り替え入力され、かつ、セレクタ26により障害が発生した運用系AAL1CLADの出力から予備系AAL1CLAD243から出力されるSTMデータをSTM−INF25へ出力するように切り替える。また、予備系AAL1CLAD243は入力されるロングセルのパス設定情報に基づき、障害が発生した運用系AAL1CLADと同様の動作を行うため、障害が発生したAAL1CLAD241又は242から予備系AAL1CLAD243に対してパス設定情報の引継ぎを行う必要がなくなり、セレクタ23及び26のみの切り替えで系切り替えを実現でき、障害発生時の系切り替え時間を短縮することができる。
【0052】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、N+1重化への適用も可能である(Nは1又は3以上の整数)。また、運用系AAL1CLADが障害になったために、予備系AAL1CLADに切り替えて予備系AAL1CLADを障害が発生したAAL1CLADに代えて使用している状態において、障害が発生したAAL1CLADが復旧した場合、復旧したAAL1CLADを再び運用系に切り替え、かつ、それまで予備系であり、現在運用中のAAL1CLADを再び予備系に切り替えるようにしてもよいし、切り替えを行わず復旧したAAL1CLADをそのまま予備系として用いるようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、予備系の変換部は、ATMインタフェース手段から入力されたパス設定情報がATMセルに付加されたセルを入力として受けた時は、入力セル中のパス設定情報に基づき入力セルのデータをSTM回線のタイムスロットにマッピングしてSTMデータを生成することにより、運用系の変換部から予備系の変換部に系切り替えを行っても、予備系の変換部に対してパス設定及び運用系のパス設定情報を引き継ぐ必要がないため、予備系の変換部への系切り替えの時間を従来に比し短縮することができ、また、系切り替え時のデータロスの発生を抑えることができる。
【0054】
また、本発明によれば、運用系の変換部の数に関係なく、予備系の変換部を1個のみとすることができるため、装置全体の構成を簡略化できると共に安価に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成図である。
【図2】本発明装置が適用されるデータ伝送システムの一例のシステム構成図である。
【図3】図1中のAAL1CLADの一例の構成図である。
【図4】図1中のコントロールフィールド付加装置のメモリテーブルの一例の説明図である。
【図5】図3中のコントロールメモリの一例のメモリマップ図である。
【図6】ATMセルとロングセルのフォーマット説明図である。
【図7】図3中のAAL1SARによるロングセル中のコントロールフィールドに基づくペイロードのSTM回線へのマッピング説明図である。
【符号の説明】
11 同期転送モードスイッチ(STM−SW)
12、21 非同期転送モードスイッチ(ATM−SW)
13 変換装置(IWF)
141、142 既存端末
151、152 ATM端末
20 ATMインタフェース(ATM−INF)
22 コントロールフィールド付加装置
23、26 セレクタ
241、242、243 変換部(AAL1CLAD)
25 STMインタフェース(STM−INF)
27 多重/分離部(MUX/DMUX)
28 制御部
30 ロングセル
31 AAL1SAR(変換回路)
32 コントロールメモリ
35 STMデータ
Claims (7)
- 非同期転送モードで転送されるATMセルの入力時はそのATMセルを、同期転送モードで転送されるSTMデータに変換して出力し、前記STMデータが入力される時は前記ATMセルに変換して出力する一又は二以上の運用系の変換部と、
前記ATMセルが入力される時は前記STMデータに変換して出力し、前記STMデータが入力される時は前記ATMセルに変換して出力する一の予備系の変換部と、
外部から前記ATMセルが入力される時には、そのATMセルのパス設定情報を該ATMセルに付加したセルを生成して前記運用系の変換部に前記ATMセルとして入力して該運用系の変換部により前記パス設定情報に基づき入力セルのデータをSTM回線のタイムスロットにマッピングして前記STMデータを生成させ、前記運用系の変換部から入力されたATMセルはそのまま外部へ出力するATMインタフェース手段と、
前記運用系の変換部から入力された前記STMデータを多重して外部へ出力し、外部から入力された前記STMデータは分離して前記運用系の変換部へ供給するSTMインタフェース手段と、
前記運用系の変換部の障害発生の有無を監視し、障害発生検出時は障害発生した運用系の変換部と前記ATMインタフェース手段及び前記STMインタフェース手段との接続を切り離し、該ATMインタフェース手段及び前記STMインタフェース手段を前記予備系の変換部に接続するように切り替え制御する制御手段と
を有し、前記予備系の変換部は、前記ATMインタフェース手段から入力されたパス設定情報がATMセルに付加されたセルを入力として受けた時は、該入力セル中の該パス設定情報に基づき該入力セルのデータをSTM回線のタイムスロットにマッピングして前記STMデータを生成することを特徴とするATMセルとSTMデータの変換装置。 - 前記ATMインタフェース手段は、前記運用系の変換部のパス設定情報がアドレスに対応させて予め記憶されたメモリテーブルを有し、外部から入力される前記ATMセルのヘッダから該メモリテーブルのアドレスを検索し、その検索したアドレスに対応する前記パス設定情報を出力する付加装置と、前記外部から入力されるATMセルに前記付加装置から出力された前記パス設定情報を付加して出力するスイッチ手段と、前記スイッチ手段から出力される前記ATMセルに前記パス設定情報が付加されたセルを、前記制御手段の制御により前記運用系の変換部又は前記予備系の変換部へ出力する第1のセレクタとよりなり、前記スイッチ手段は、前記制御手段による切り替え制御により前記第1のセレクタを通して前記運用系の変換部又は前記予備系の変換部から前記ATMセルが入力されるときはそのまま外部へ出力することを特徴とする請求項1記載のATMセルとSTMデータの変換装置。
- 前記STMインタフェース手段は、前記制御手段の切り替え制御により前記運用系の変換部又は前記予備系の変換部に接続される第2のセレクタと、該第2のセレクタに接続された多重/分離部とよりなり、該多重/分離部は、外部から入力される前記STMデータは分離して前記第2のセレクタへ送出し、前記第2のセレクタから入力される前記STMデータは多重して外部へ出力することを特徴とする請求項1又は2記載のATMセルとSTMデータの変換装置。
- 前記運用系の変換部及び前記予備系の変換部のそれぞれは、前記ATMインタフェース手段から入力される、パス設定情報がATMセルに付加されたセル、又は前記STMインタフェース手段から入力される前記STMデータを蓄積するコントロールメモリと、前記コントロールメモリに蓄積された前記パス設定情報に基づき該コントロールメモリに蓄積されたセルのペイロードのデータをSTM回線のタイムスロットにマッピングして前記STMデータを生成して前記STMインタフェース手段へ出力するか、前記コントロールメモリに蓄積された前記STMデータを前記ATMセルに変換して前記ATMインタフェース手段へ出力する変換回路とよりなることを特徴とする請求項1記載のATMセルとSTMデータの変換装置。
- 前記運用系の変換部はN個(Nは2以上の整数)あり、前記ATMインタフェース手段と前記STMインタフェース手段とにより障害が発生した運用系の変換部を接続から切り離して前記予備系の変換部に接続するN+1重化構成とされていることを特徴とする請求項1記載のATMセルとSTMデータの変換装置。
- 前記ATMインタフェース手段により入力ATMセルに付加される前記パス設定情報は、前記STMデータを構成する複数のタイムスロットの各々について有効であるかどうかを示す情報を少なくとも有し、前記変換部は、前記パス設定情報中の有効であることを示すタイムスロットに対応したSTM回線のタイムスロットに入力セルのデータをマッピングして前記STMデータを生成することを特徴とする請求項1記載のATMセルとSTMデータの変換装置。
- 前記ATMインタフェース手段は、複数のATM端末間を転送されるATMスイッチに接続されて双方向に前記ATMセルを転送し、前記STMインタフェース手段は複数の既存端末から時分割で出力されたデータをスイッチングするSTMスイッチに接続されて双方向に前記STMデータを転送することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載のATMセルとSTMデータの変換装置。
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