JP3608355B2 - 携帯型発券機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車などの車内において乗車券や料金券などの発行や乗車区間の変更に伴う運賃清算を行う際に使用する携帯型発券機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の機器は、図5に示すように本体1と、この本体1内に設けられた記録手段と、この記録手段によって記録された券の発券口7と、前記本体1の表面に設けられた入力部9とを備えた構成であった。
【0003】
上記機器において発券を行う時には、この機器の本体1表面に配設されたクリップ状の保持部12に、乗客が事前に購入して所持している原券を装着し、それを目視しながら入力部9で原券情報データを入力していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこの種の機器の場合は券を保持するクリップ状の保持部12が本体1から突出した状態で取り付けられているため、手指や衣服が引っかかって、クリップ状の保持部12を損傷したり、誤って機器を落下させてしまうことがあった。
【0005】
本発明はこのような問題点を解決するためのもので、使用中に誤ってクリップ状の保持部や本体が損傷することを防止し、使いやすい携帯型発券機を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の携帯型発券機における保持部は、入力部の遠方側かつ、表示部の近傍に設けるとともに、本体の内側に向けてその下方が手前側に傾斜するように嵌入した凹状としたものである。
【0007】
これにより原券を仮に挟んで見やすくするための保持部を設けたとしても、この保持部は凹状であるので、携帯型発券機を持ち運び、操作する場合に手指や衣服が保持部に引っかかることがなく、保持部の破損や落下による本体破損などの事故を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、本体と、この本体内に設けられた記録手段と、この記録手段によって記録された券の発券口と、前記本体の表面に設けられるとともに、前記本体の表面手前側に設けられた入力部と、この入力部の遠方側に設けられるとともに、前記本体の表面に前記本体の内側に向けて嵌入した凹状の保持部と、入力操作のために利用する表示部とを備え、前記保持部は、前記表示部の近傍に設けるとともに、下方が手前側に傾斜したものであり、保持部が本体から突出しないため本体外形が平滑な形態となり、使用中に手指や衣服が保持部に引っかかることがなくなり、それによって引き起こされる保持部の破損や落下による本体破損を防止できる。
【0009】
また、本発明の携帯型発券機を手に持って操作するとき、操作する乗務員の視線にはほぼ直角に、また入力操作のため頻繁に利用する表示部(液晶ディスプレイ)の近傍の、眼からほぼ等距離の場所に原券を保持することが可能となり、表示部と原券のどちらに対しても視認性の良い携帯型発券機を実現できる。
【0010】
本発明の請求項に記載の発明は、入力部を開閉自在に覆うカバーを設けるとともに、このカバーの外部に対応する本体表面部に保持部を形成した請求項1記載の携帯型発券機としたものであり、保持部に原券などを挟んだ状態でもカバーを自由に開閉することができ、発券操作後、携帯型発券機が動作して発券が完了するまでの間に、入力部を保護し、誤操作を防止するカバーを閉じて、カバー背面を利用した釣銭硬貨の処理などを行うことが可能になる。
【0011】
本発明の請求項4に記載の発明は、保持部が本体側面に保持部と連結した開口部を有する請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の携帯型発券機としたものであり、定期券や85mm券(定期券とほぼ同一外形の紙製乗車券)など保持部の大きさよりも幅広の券種を原券として取り扱う際にも、保持部よりはみ出す部分を開口部から外に出して、原券の幅に関係なく保持することが可能になる。
【0012】
本発明の請求項5に記載の発明は、保持部を固定壁と、この固定壁に対して押圧方向に付勢された可動壁により構成された請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の携帯型発券機としたものであり、固定壁は本体外壁と一体化し、可動壁と可動壁を固定壁に押圧する弾性部材を、合成樹脂製の可動壁に一体に成形し、スナップフィット構造にすることにより、本体に対して可動壁の部品を1個追加するだけで保持部を実現することができ、保持力が安定して使い勝手が良く、破損し難く、かつ安価な携帯型発券機が実現できる。
【0013】
本発明の請求項6に記載の発明は、発券口の側方に保持部を設けた請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の携帯型発券機としたものであり、保持された原券が発券口を塞いで発券の障害になることがない。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図4を用いて説明する。図1に本発明の実施の形態における携帯型発券機の外観を示す。
【0015】
図1にて携帯型発券機の本体1の上面には、この本体1に対してヒンジ軸2を中心として開閉するカバー3が配設されている。
【0016】
本体1の内部には券紙4に対する第1の記録手段(図示せず)が内蔵されており、券紙収納部5に積層収納された磁気化券用の券紙4に対し、自動出改札システムに対応する磁気記録と印刷記録を施すことができる。記録された券紙4は第1の発券口6から送出される。
【0017】
本体1の内部にはロール紙に対して印刷記録を施すことのできる第2の記録手段(図示せず)が内蔵されており、必要に応じて大型の切符を印刷することができる。このロール紙大型券8は第2の発券口7から送出される。
【0018】
本体1の上面には入力部9と液晶表示パネル10が配設されている。また、カバー3の内表面には地図形式の入力スイッチパネル11が配設されている。
【0019】
本体1上面の第1の発券口6側方には、本体1の内側に向けて嵌入した凹状の保持部12が配設されており、乗客が事前に購入して所持していた原券13を挟むことができる。この保持部12は本体外形の包絡線の内側にあるため、操作中にて指や衣服が引っかかる恐れがない。また、カバー3を閉じたときにも覆われることのない本体1の外周にあるため、原券13を挟んだままカバー3の開閉を必要に応じて自由に行なうことができる。
【0020】
図2はこの保持部12に原券13を挟んだ状態を示す外観図である。原券13は85mm券サイズであり、保持部12よりもはるかに大きいが、本体側面に開口部14があるため支障なく挟むことができる。
【0021】
保持部12は下部が手前側に傾斜しており、かつ第1の発券口6の側方に配設されているため、図2に示す通り、挟まれた原券13は券紙4の排出方向と略平行に保持される。これにより挟まれた原券13が第1の発券口6および第2の発券口7を塞ぐことがなく、券紙4やロール型大型券8の排出の妨げにならない。
【0022】
図3は保持部12の部分断面図である。本体1の外壁に凹部を形成し、傾斜した固定壁15を設けてある。この固定壁15に対向して可動壁16が配設されている。この可動壁16には可動壁16を本体1に係止する爪17と可動壁16を固定壁15に向かって加圧する弾性要素18が一体に形成されている。
【0023】
図4は原券13を保持部12に挟んだ状態の部分断面図である。原券13が固定壁15に沿って斜めに保持されていることがわかる。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明の携帯型発券機は、入力部の遠方側かつ、表示部の近傍に保持部を設け、この保持部は、前記本体の表面に、その下方が手前側に傾斜するように前記本体の内側に向けて嵌入した凹状としたため、携帯型発券機を持ち運び、操作する場合に手指や衣服が保持部に引っかかることがなく、保持部の破損や落下による本体破損などの事故を防止することができる。
また、携帯型発券機を手に持って操作するとき、操作する乗務員の視線にほぼ直角に原券を保持することができるとともに、表示部の近傍の眼からほぼ等距離の場所に原券を保持することが可能となり、表示部と原券のどちらに対しても視認性の良い携帯型発券機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における携帯型発券機の外観斜視図
【図2】同、保持部に原券を挟んだ場合の携帯型発券機の外観斜視図
【図3】同、携帯型発券機の保持部の部分断面図
【図4】同、原券を挟んだ場合の携帯型発券機の保持部の部分断面図
【図5】従来の携帯型発券機の外観斜視図
【符号の説明】
1 本体
6 発券口
7 発券口
9 入力部
12 保持部

Claims (5)

  1. 本体と、この本体内に設けられた記録手段と、この記録手段によって記録された券の発券口と、前記本体の表面に設けられるとともに、前記本体の表面手前側に設けられた入力部と、この入力部の遠方側に設けられるとともに、前記本体の内側に向けて嵌入した凹状の保持部と、入力操作のために利用する表示部とを備え、前記保持部は、前記表示部の近傍に設けるとともに、下方が手前側に傾斜した携帯型発券機。
  2. 入力部を開閉自在に覆うカバーを設けるとともに、このカバーの外部に対応する本体表面部に保持部を形成した請求項1記載の携帯型発券機。
  3. 保持部は、本体側面に保持部と連結した開口部を有する請求項1に記載の携帯型発券機
  4. 保持部は、固定壁と、この固定壁に対して押圧方向に付勢された可動壁により構成された請求項1に記載の携帯型発券機
  5. 発券口の側方に保持部を設けた請求項1に記載の携帯型発券機。
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