JP3608135B2 - 大断面トンネルの構築方法 - Google Patents

大断面トンネルの構築方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大断面を有した断面視矩形状のトンネルを構築するに際して用いて好適な大断面トンネルの構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、トンネルの構築には、シールド掘削機で地山を掘削し、その後方においてシールド掘削機と略同径のトンネルを構築するシールド工法が多用されている。しかしながらシールド工法では、大断面のトンネルを構築しようとすると、当然のことながらそれに用いるシールド掘削機が大型化し、この結果、シールド掘削機の製作、運搬、現場組立等のあらゆる面において人手およびコストが嵩むものとなってしまう。
【0003】
このため、近年では、大断面のトンネルの形状に沿って小径トンネルを多数構築することによって、これら小径トンネルから大断面のトンネル構造体を形成する工法が開発されている。このとき、互いに隣接する小径トンネルどうしは、その一部を重合させて構築することによって一体化している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の大断面トンネルの構築方法には、以下のような問題が存在する。
すなわち、互いに隣接する小径トンネルどうしを一部を重合させて構築する場合、周囲の地盤が軟弱であると、隣接した位置に先に構築した小径トンネルのコンクリートが硬いため、シールド掘削機の掘進方向が地盤側(隣接する小径トンネルから離間する方向)にそれやすいという問題がある。
【0005】
従来より、シールド掘削機の掘進方向を曲げる手段として、以下のような技術が用いられている。
▲1▼ シールド掘削機を推進させるための複数の推進ジャッキのうち、曲げたい側の推進ジャッキの油圧を抜き、他方の側の推進ジャッキによる推力を大きく作用させることにより、シールド掘削機の掘進方向を曲げる。
▲2▼ シールド掘削機が曲がりやすい方向の側に、ソリ状の板を取り付け、その反力によって掘進方向を曲げる。
さらに、これら▲1▼、▲2▼の手段と併用する手段として、
▲3▼ シールド掘削機を曲げたい方向の土砂を、シールド掘削機の径よりも大きく余掘りし、シールド掘削機を曲がりやすくする。
▲4▼ シールド掘削機の中間に、折れ曲がり可能な中折れ機構を装備し、余掘りしなければならない土砂の量を低減するとともに、曲がりやすくする。
といったものがある。
【0006】
しかし、前記したように、シールド掘削機で掘削する断面の、一部のみが硬いコンクリートで、それ以外の部分が軟弱な地盤である場合には、これら▲1▼〜▲4▼の手段を用いたとしても、シールド掘削機の方向を制御するのが困難である場合が多い。
【0007】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、周囲の地盤が軟弱である場合にもシールド掘削機の方向の制御を有効に行って大断面トンネルを構築することのできる大断面トンネルの構築方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、複数の矩形シールドトンネルを先行構築し、前記矩形シールドトンネル間の地山とともに該矩形シールドトンネルの一部も同時に削ることで略矩形シールドトンネルを形成するとともに該略矩形シールドトンネルの間に円形シールドトンネルを構築し、前記略矩形シールドトンネル及び前記円形シールドトンネルを周方向に互いに隣接させて構築することによって、大断面トンネルの覆工体となる断面視矩形状に形成されたトンネル構造体を構築した後、前記トンネル構造体の内方の地山を掘削してここに空間を形成することによって大断面を有したトンネルを構築する構成とし、前記トンネル構造体を構築するに際して、既に構築した前記矩形シールドトンネルに隣接した位置に、これと一部を重合させて前記円形シールドトンネルを掘削するときには、これに先立ち、掘削すべき前記円形シールドトンネルに沿った地盤中に、該地盤よりも高い強度を有した反力支持部を形成しておくことを特徴としている。これにより、円形シールドトンネルを掘削するためのシールド掘削機の掘進時に、反力支持体をガイドとすることが可能となる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の大断面トンネルの構築方法において、前記円形シールドトンネルを構築する際、シールド掘削機に備えておいたジャッキをその径方向外方に向けて伸ばし、前記反力支持によって反力を得てその掘削方向を制御することを特徴としている。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の大断面トンネルの構築方法において、前記反力支持を形成するために、掘削すべき前記円形シールドトンネルに沿った部分の地盤を地盤改良することを特徴としている。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1または2記載の大断面トンネルの構築方法において、前記反力支持を形成するために、掘削すべき前記円形シールドトンネルに沿って、該円形シールドトンネルよりも小径のパイプ材を配設することを特徴としている。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項4記載の大断面トンネルの構築方法において、前記小径のパイプ材内にモルタル、コンクリート等の硬化性充填材を打設することを特徴としている。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1または2記載の大断面トンネルの構築方法において、前記反力支持を形成するために、掘削すべき前記円形シールドトンネルに沿って、該シールドトンネルよりも小径のトンネルを構築し、該小径のトンネル内にモルタル、コンクリート等の硬化性充填材を充填することを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る大断面トンネルの構築方法の第一ないし第三の実施の形態について、図1ないし図9を参照して説明する。
【0016】
[第一の実施の形態]
まず、ここでは、反力支持を形成するために、例えば地盤改良を行う場合の例を用いて説明するが、それに先立ち、構築すべき大断面トンネルについて説明を行う。
図1に示すように、構築すべき大断面トンネル10は、軟弱な地盤中に設けられるものであり、周囲の地山からの土圧に抗する覆工体であるトンネル構造体11と、該トンネル構造体11の内方に形成された上下2段の内部空間(トンネル空間)12、13とから構成されている。
【0017】
トンネル構造体11は、略鉛直面内に位置する両側の側壁部11a,11aと、これら側壁部11a,11aの上端部,下端部間にそれぞれ設けられて略水平面内に位置する上面11b,下面11cと、側壁部11a,11aの中間部間に設けられて上下の内部空間12、13を仕切る仕切面11dとから構成されて、全体として断面視略日字状をなしている。このトンネル構造体11は、断面視円形の円形シールドトンネル(シールドトンネル)15と、互いに平行な平面を有した略矩形シールドトンネル(シールドトンネル)16とが、周方向交互に配置され、これらが一体化された構成からなっている。そして、円形シールドトンネル15は、略矩形シールドトンネル16の厚さよりも大径とされている。
【0018】
そして、このようなトンネル構造体11内には、その全周にわたって鉄筋18が配筋され、さらにその内部にはコンクリート19が打設された構成となっている。
【0019】
次に、このような大断面トンネル10の構築方法について説明する。これには、まず、トンネル構造体11を構成する略矩形シールドトンネル16,16,…を形成するため、図2に示すように、図示しない断面視矩形のシールド掘削機で、矩形シールドトンネル20,20,…を先行構築する。これには、断面視矩形のシールド掘削機(図示なし)で、地盤中に矩形の孔22を削孔していき、まず、その後方にセグメント23,23,…を組み立てていく。各セグメント23は、対向する2面が平板部23a,23aとされ、これら平板部23aの両側が、略円弧状の凹部23b,23bとされている。各凹部23bは、その円弧の曲率径が、側方に構築される円形シールドトンネル15(図1参照)の径よりも若干大となるよう形成されている。このようなセグメント23を組み立てた後、掘削した孔22とセグメント23の外周面との間に、コンクリートやモルタル、ファイバーコンクリートなどの裏込充填材25を充填する。これにより、各孔22内には、断面視矩形の矩形シールドトンネル20が構築される。
【0020】
次いで、図3に示すように、互いに隣接する矩形シールドトンネル20,20間の地山を断面視円形のシールド掘削機(図示なし)を用いて円形の孔26,26,…を削孔していく。ところで、このときには、矩形シールドトンネル20,20間の地山とともに、セグメント23,23の凹部23b,23bの外側の裏込充填材25,25も同時に削られて孔26が形成される。これにより、前記矩形シールドトンネル20の凹部23bの外側の裏込充填材25が削られて、略矩形シールドトンネル16が形成された状態となる。
【0021】
ここで、大断面トンネル10の四隅に位置する円形シールドトンネル15Aを形成するための孔26Aを掘削するに際しては、これに先立ち、円形シールドトンネル15Aを構築すべき位置に沿って薬液注入や高圧噴射撹拌工等の工法により地盤改良を行って地盤強度を高め、反力支持27を形成する。反力支持27を形成する範囲は、孔26Aを掘削するシールド掘削機30の掘削方向がそれてしまう側、すなわち、各円形シールドトンネル15Aに対して、大断面トンネル10の外周側の部分である。なお、上記地盤改良作業は地上から行えばよい。
【0022】
このようにして、周囲の地盤よりも高い強度を有した反力支持27を形成した後、シールド掘削機30で孔26Aを掘削していくが、図3および図4に示すように、このシールド掘削機30には、予めソリ状の反力プレート31aと、これを径方向に伸縮駆動させる油圧ジャッキ31bとからなる反力ジャッキ(ジャッキ)31を備えておく。反力プレート31aは、シールド掘削機30の外形に沿った形状を有しており、通常時にはシールド掘削機30のスキンプレート30aと同一面に収められ、油圧ジャッキ31bを伸長駆動させることによって外周側に突出するようになっている。
【0023】
そして、上記シールド掘削機30で孔26Aを掘削していき、隣接する略矩形シールドトンネル16の裏込充填材25と重合する部分から受ける反力によって、シールド掘削機30の掘進方向が軟弱な地盤側にそれようとしたときには、油圧ジャッキ31bで反力プレート31aを外周側に突出させる。すると、その部分には反力支持体27が形成されて地盤強度が高められているため、反力ジャッキ31の反力を受けることができ、シールド掘削機30の掘進方向を修正することができる。
【0024】
図5に示すように、上記のようにして各孔26(あるいは26A)を掘削しつつ、その後方で、円形セグメント35,35,…を組み立てていく。そして、組み立てた円形セグメント35の外側に、コンクリートやモルタル、ファイバーコンクリートなどの裏込充填材36を充填することにより、各孔26内に円形シールドトンネル15が構築される。
【0025】
これにより、断面視円形の円形シールドトンネル15と、略矩形シールドトンネル16とが、周方向交互に配置された状態となる。続いて、図1に示したように、構築したトンネル構造体11内に鉄筋18を配筋し、さらにコンクリート19を打設充填する。これにより、トンネル構造体11が完成する。しかる後には、トンネル構造体11の内方の地山を掘削し、ここに内部空間12,13を形成することにより、所定形状の大断面トンネル10の構築が完了する。
【0026】
上述した大断面トンネル10の構築方法では、四隅に位置する円形シールドトンネル15Aを掘削するに際して、周囲の地盤よりも高い強度を有した反力支持27を形成しておき、シールド掘削機30の反力ジャッキ31を伸ばすことによって、その掘削方向を制御する構成となっている。このようにして、大断面トンネル10を掘削すべき地盤が軟弱なものである場合でも、反力支持27を形成することによって、反力ジャッキ31でシールド掘削機30の径方向の反力を得ることができ、シールド掘削機30の掘削方向を確実に制御して大断面トンネル10を掘削することが可能となる。
【0027】
なお、上記第一の実施の形態において、掘削すべき円形シールドトンネル15Aに沿った所定の範囲を地盤改良して反力支持27を形成する構成としたが、地盤改良するための工法については何ら限定するものではなく、また地盤改良作業についても、上記したように地上から行ってもよいし、シールド掘削機30側から行うようにしてもよい。
【0028】
ところで、上記第一の実施の形態においては、シールド掘削機30の掘進時に、掘進方向がそれようとする側に反力支持体27を形成するようにした。このとき、反力支持体27の強度が、略矩形シールドトンネル16の裏込充填材25の強度と同等であれば、シールド掘削機30の掘進時には、裏込充填材25側からだけでなく反力支持体27側からも同程度の反力を受けるので、シールド掘削機30ではこれをガイドとして所定の方向からそれることなく掘進していくことができる。このような場合には、シールド掘削機30に反力ジャッキ31を具備しない構成とすることも可能である。
【0029】
[第二の実施の形態]
次に、本発明に係る大断面トンネルの構築方法の第二の実施の形態について説明する。ここでは、反力支持を形成するために、例えばパイプ材を配設する場合の例を用いて説明する。以下に説明する第二の実施の形態において、前記第一の実施の形態との相違点は、反力支持を形成する方法についてのみであり、大断面トンネルの構造およびその基本的な構築方法については同様であるので、共通する構成については同符号を付し、その説明を省略する。
【0030】
大断面トンネル10を構築するには、前記第一の実施の形態と同様に、略矩形シールドトンネル16を構築した後、これと一部を重合させて円形シールドトンネル15を構築していく。
【0031】
そして、図6に示すように、大断面トンネル10の四隅に位置する円形シールドトンネル15Aを掘削するに際しては、これに先立ち、掘削すべき円形シールドトンネル15Aに沿った地盤中に、該円形シールドトンネル15Aよりも小径の鋼管等のパイプ材(反力支持)40を配設する。そして、高強度が必要な場合には、パイプ材40内に、モルタルやコンクリート(硬化性充填材)41等を充填する。
【0032】
この後、断面視円形のシールド掘削機30で地盤を掘削して孔26Aを形成していく。このとき、隣接する略矩形シールドトンネル16の裏込充填材25と重合する部分から受ける反力によって、シールド掘削機30の掘進方向が軟弱な地盤側にそれようとしたときには、油圧ジャッキ31bで反力プレート31aを側方に伸ばし、パイプ材40から反力を得て掘進方向を制御する。
【0033】
上述した大断面トンネル10の構築方法によれば、四隅の円形シールドトンネル15Aに沿った位置にコンクリート41を充填したパイプ材40を先行して配設する構成となっている。これによってもパイプ材40に反力を得てシールド掘削機30の掘進方向を制御することができ、したがって上記第一の実施の形態と同様の効果を奏することが可能となる。
【0034】
なお、上記第二の実施の形態において、円形シールドトンネル15Aに沿って一本のパイプ材40を設置する構成としたが、これに限定するものではなく、図7に示すように、例えば3本のパイプ材40を設置する等、複数本のパイプ材40を設置するようにしてもよい。
また、パイプ材40の材質についても、鋼管に限定するものではなく、反力ジャッキ31に対して十分な反力を発揮することができるのであれば、いかなる材質を採用してもよい。
さらに、パイプ材40内にコンクリート41等を充填した例を示したが、パイプ材40のみで必要強度が得られる場合には、コンクリート41の充填を省略する構成としてもよい。
【0035】
[第三の実施の形態]
次に、本発明に係る大断面トンネルの構築方法の第三の実施の形態について説明する。ここでは、反力支持として、例えば小口径のトンネルを構築する場合の例を用いて説明する。以下に説明する第三の実施の形態において、前記第一および第二の実施の形態と共通する構成については同符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
大断面トンネル10を構築するには、前記第一の実施の形態と同様に、略矩形シールドトンネル16を構築した後、これと一部を重合させて円形シールドトンネル15を構築していく。
【0037】
そして、図8に示すように、大断面トンネル10の四隅に位置する円形シールドトンネル15Aを掘削するに際しては、これに先立ち、掘削すべき円形シールドトンネル15Aに沿った地盤中に、該円形シールドトンネル15Aよりも小径のトンネル(反力支持)50を推進工法やシールド工法等によって構築する。小径のトンネル50の構築後、必要に応じて、その内部にはモルタルやコンクリート(硬化性充填材)51等を充填する。このコンクリート51は必要に応じ鉄筋等で補強する。
【0038】
この後、断面視円形のシールド掘削機30で地盤を掘削して孔26Aを形成していく。このとき、隣接する略矩形シールドトンネル16の裏込充填材25と重合する部分から受ける反力によって、シールド掘削機30の掘進方向が軟弱な地盤側にそれようとしたときには、油圧ジャッキ31bで反力プレート31aを側方に伸ばし、小径のトンネル50から反力を得て掘進方向を制御する。
【0039】
上述した大断面トンネル10の構築方法によれば、四隅の円形シールドトンネル15Aに沿った位置に小径のトンネル50を先行構築する構成となっている。これによっても小径のトンネル50に反力を得てシールド掘削機30の掘進方向を制御することができ、したがって上記第一の実施の形態と同様の効果を奏することが可能となる。
【0040】
なお、上記第三の実施の形態において、小径のトンネル50を、掘削すべき円形シールドトンネル15Aから離間した位置に設ける構成としたが、これに限定するものではなく、図9に示すように、掘削すべき円形シールドトンネル15Aに一部が重合するような位置に小径のトンネル50’を構築する構成としてもよい。また、この場合、小径のトンネル50’が、掘削すべき円形シールドトンネル15Aに隣接する略矩形シールドトンネル16の裏込充填材25と同等の反力を発揮することができるのであれば、シールド掘削機30が所定の掘進方向からそれること自体を防ぐことも可能であり、このような場合には反力ジャッキ31を備えない構成とすることも可能である。さらに、小径のトンネル50内にコンクリート51を充填する構成としたが、小径のトンネル50のみで必要強度が得られる場合には、コンクリート51の充填を省略してもよい。
【0041】
また、上記第一ないし第三の実施の形態において、大断面トンネル10の四隅の円形シールドトンネル15Aにのみ、本発明に係る大断面トンネルの構築方法を適用して、地盤改良して反力支持27を形成したり、パイプ材40,トンネル50を設ける等したが、これ以外の箇所であっても、円形シールドトンネル15の掘進方向がそれるような箇所があれば、上記構成を適用すればよい。さらに、上記第一ないし第三の実施の形態において、本発明に係る大断面トンネルの構築方法を適用する大断面トンネルについては、互いに隣接するシールドトンネルがその一部を重合する構成となっており、これによってシールドトンネルの掘削時にシールド掘削機がそれてしまうような場合であれば、その形状や構造が、上記大断面トンネル10以外のいかなるものであってもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る大断面トンネルの構築方法によれば、トンネル構造体を構築するに際して、掘削すべき円形シールドトンネルに沿った地盤中に該地盤よりも高い強度を有した反力支持体を形成しておく構成となっている。これにより、シールド掘削機で円形シールドトンネルを掘削するときには、隣接する略矩形シールドトンネルと重合する部分だけでなく反力支持体からも反力を受けるため、これをガイドとして掘進方向がそれるのを防止して、軟弱地盤中にも大断面トンネルを確実に構築することができる。
【0043】
また、請求項2に係る大断面トンネルの構築方法によれば、シールド掘削機に備えておいたジャッキをその径方向外方に向けて伸ばし、反力支持によって反力を得て掘削方向を制御する構成となっている。そして、前記反力支持を形成するため、請求項3に係る大断面トンネルの構築方法では、掘削すべき円形シールドトンネルに沿った位置の地盤を地盤改良する構成とし、請求項4に係る大断面トンネルの構築方法では、掘削すべき円形シールドトンネルに沿って小径のパイプ材を配設し、請求項5に係る大断面トンネルの構築方法では、必要に応じパイプ材内に硬化性充填材を打設する構成とし、さらに、請求項6に係る大断面トンネルの構築方法によれば、掘削すべき円形シールドトンネルに沿って小径のトンネルを構築し該小径のトンネル内に硬化性充填材を充填する構成とした。このようにして、掘削すべき円形シールドトンネルに沿った位置に、地盤改良や小径のパイプ材,トンネル等で反力支持を形成することによって、シールド掘削機のジャッキを伸ばせば、シールド掘削機の径方向の反力を得ることができ、シールド掘削機の掘削方向を有効に制御することができる。したがって、軟弱地盤中に大断面トンネルを掘削することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大断面トンネルの構築方法を適用して構築するトンネルの一例を示す立断面図である。
【図2】前記大断面トンネルの構築方法を示す図であって、トンネル構造体を構成する矩形のシールドトンネルを先行構築した状態を示す立断面図である。
【図3】同、トンネル構造体の四隅に位置するシールドトンネルを構築している状態を示す立断面図である。
【図4】図3の側断面図である。
【図5】前記大断面トンネルの構築方法を示す図であって、トンネル構造体を構成するシールドトンネルを全て構築した状態を示す立断面図である。
【図6】本発明に係る大断面トンネルの構築方法の第二の実施の形態を示す立断面図である。
【図7】本発明に係る大断面トンネルの構築方法の第二の実施の形態において、他の一例を示す立断面図である。
【図8】本発明に係る大断面トンネルの構築方法の第三の実施の形態を示す立断面図である。
【図9】本発明に係る大断面トンネルの構築方法の第三の実施の形態において、他の一例を示す立断面図である。
【符号の説明】
10 大断面トンネル
11 トンネル構造体
15 円形シールドトンネル
16 略矩形シールドトンネル
20 矩形シールドトンネル
27 反力支持体
31 反力ジャッキ(ジャッキ)
40 パイプ材(反力支持体)
41,51,51’ コンクリート(硬化性充填材)
50,50’ トンネル(反力支持体)

Claims (6)

  1. 複数の矩形シールドトンネルを先行構築し、前記矩形シールドトンネル間の地山とともに該矩形シールドトンネルの一部も同時に削ることで略矩形シールドトンネルを形成するとともに該略矩形シールドトンネルの間に円形シールドトンネルを構築し、前記略矩形シールドトンネル及び前記円形シールドトンネルを周方向に互いに隣接させて構築することによって、大断面トンネルの覆工体となる断面視矩形状に形成されたトンネル構造体を構築した後、前記トンネル構造体の内方の地山を掘削してここに空間を形成することによって大断面を有したトンネルを構築する構成とし、
    前記トンネル構造体を構築するに際して、既に構築した前記矩形シールドトンネルに隣接した位置に、これと一部を重合させて前記円形シールドトンネルを掘削するときには、これに先立ち、掘削すべき前記円形シールドトンネルに沿った地盤中に、該地盤よりも高い強度を有した反力支持体を形成しておくことを特徴とする大断面トンネルの構築方法。
  2. 請求項1記載の大断面トンネルの構築方法において、前記円形シールドトンネルを構築する際、シールド掘削機に備えておいたジャッキをその径方向外方に向けて伸ばし、前記反力支持体によって反力を得てその掘削方向を制御することを特徴とする大断面トンネルの構築方法。
  3. 請求項1または2記載の大断面トンネルの構築方法において、前記反力支持体を形成するために、掘削すべき前記円形シールドトンネルに沿った部分の地盤を地盤改良することを特徴とする大断面トンネルの構築方法。
  4. 請求項1または2記載の大断面トンネルの構築方法において、前記反力支持体を形成するために、掘削すべき前記円形シールドトンネルに沿って、該円形シールドトンネルよりも小径のパイプ材を配設することを特徴とする大断面トンネルの構築方法。
  5. 請求項4記載の大断面トンネルの構築方法において、前記小径のパイプ材内にモルタル、コンクリート等の硬化性充填材を打設することを特徴とする大断面トンネルの構築方法。
  6. 請求項1または2記載の大断面トンネルの構築方法において、前記反力支持体を形成するために、掘削すべき前記円形シールドトンネルに沿って、該円形シールドトンネルよりも小径のトンネルを構築し、該小径のトンネル内にモルタル、コンクリート等の硬化性充填材を充填することを特徴とする大断面トンネルの構築方法。
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