JP3607805B2 - 一輪モデル型サスペンション試験装置 - Google Patents

一輪モデル型サスペンション試験装置 Download PDF

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    • B60G2206/01Constructional features of suspension elements, e.g. arms, dampers, springs
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    • B60G2206/99Suspension element selection procedure depending on loading or performance requirements, e.g. selection of damper, spring or bush

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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車や二輪車などにおけるサスペンションやステアリングの性能および耐久性の確認を台上において試験するためのサスペンション試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、サスペンション試験装置の代表的なものとしては、車両における各輪のタイヤをそれぞれ別個に分けた加振台上に載せ、これら加振台を上下および前後加振用の各アクチュエータと前後輪の左右ステア加振用のアクチュエータにより個々に加振して試験を行うようにしたものが広く一般に知られている。
【0003】
このサスペンション試験装置によれば、試験の実施に際して各輪をそれぞれ独立して別個に所望の状態で加振し得ることから、より実際の走行条件に近い状態を模擬的に再現して試験を行うことができる。
【0004】
しかし、その反面、このものにあっては、広い設置スペースを必要とすることから設備費用が高価につくだけでなく運転費用も高くなり、また、当然のことながら試験に際して車両を必要とするために部品メーカが開発車両を使って独自に試験を行うことができず、新規開発車両の試験は、当該車両の開発メーカのみに限定されることになる。
【0005】
そこで、図7に示すような一輪のみで加振してサスペンションの試験を行う簡易方式の一輪モデル型サスペンション試験装置と呼ばれるものが広く一般に使用されている。
【0006】
この一輪モデル型サスペンション試験装置1bは、下部支持部材6に配設した軸受12を通して上下動自在に挿通した複数本のスライド軸14により懸架ばね63を備えたショックアブソーバ37をタイヤ26へと連繋してサスペンションを構成している。
【0007】
また、サスペンションの上端には、同じく、上部支持部材7に設けた軸受13で上下動自在に挿通した複数本のスライド軸15を通して一輪の荷重に相当するウェイト55を加え、この状態を保ってタイヤ26を油圧アクチュエータである加振機25により加振してサスペンションの性能と耐久性を試験するようにしている。
【0008】
このものによれば、広い設置スペースを必要としないので設備費用が安くまた運転費用も低くなるばかりでなく、試験に際して実際の車両を必要とすることもなくなるので部品メーカが独自で試験を行うことが可能になる。
【0009】
しかし、そうとは言っても、実際の車両に適用されるサスペンションは、例えば、図8に示したストラット型のサスペンション構造に代表されるように、懸架ばね63とショックアブソーバ37(ストラット型ショックアブソーバ)をロアアーム64でリンク状に組み、当該ロアアーム64でストラット型ショックアブソーバ37を傾斜支持してタイヤ26を車体(図示省略)に対し上下動自在に保持している。
【0010】
そのために、車両の走行時において、リンク機構であるストラット型ショックアブソーバ37とロアアーム64に対しては、タイヤ26の接地点から前後および左右並びに上下方向の力Xt,Yt,Ztがそれぞれ作用する。
【0011】
その結果、上記の力Xt,Yt,Ztに対抗して車体への結合部分であるストラット型ショックアブソーバ37の上端取付部とロアアーム64のマウント部には、前後,左右,上下方向の力Xp,Yp,ZpおよびXa,Ya,Zaがそれぞれ発生し、様々な横力がストラット型ショックアブソーバ37に加わる。
【0012】
そこで、これらの横力を再現するために、上記した図7の一輪モデル型サスペンション試験装置1bにあっては、ストラット型ショックアブソーバ37の上端取付部に横荷重負荷装置65を別途に設けてこれに対処するようにしている。
【0013】
このようにして、図9に示すような二自由度の振動系を構成し、ウェイト55と上部のスライド軸15からなるばね上質量Muとタイヤ26および下部のスライド軸14とからなるばね下質量Mdの二つの質量を懸架ばね63とタイヤ26のばね特性Ks,Ke並びにストラット型ショックアブソーバ37とタイヤ26の減衰特性Cs,Ceとを通して互に結合している。
【0014】
このことから、加振機25を始動してタイヤ26を上下に加振してやれば、タイヤ26を通してストラット型ショックアブソーバ37には実際の車両の一輪分の上下振動と同様の挙動が現れることになる。
【0015】
そこで、これら加振時におけるタイヤ26およびウェイト55の振動状況や荷重の状況を把握するために、必要に応じて各種の変位センサ57,58や加速度センサ60,61および荷重センサ62等が用いられている。
【0016】
これにより、車体やタイヤの重量およびサスペンションに関する諸元さえ分かれば、懸架ばね63とストラット型ショックアブソーバ37の特性およびウェイト55の大小並びにタイヤ26の特性等が振動系に対して即ち車両に対して与える影響を調べることができるし、連続的な加振によって懸架ばね63やストラット型ショックアブソーバ37の耐久性の評価をも行うことが可能になる。
【0017】
この点において、先に述べた各輪の全てを同時に加振する型の試験装置の程には実際の走行条件を精密に再現して試験できないとは言え、広い設置スペースを必要としないので設備費用が安価で運転費用も安くつく簡便な手段と言うことができる。
【0018】
また、実際の車両が無くても車体やタイヤの重量およびサスペンションに関する諸元が分かれば試験を行うことができるので、計画段階での新規開発車両の評価も可能となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これとても、サスペンションの変位や伸縮速度に伴って常に変動する横力を横荷重負荷装置65でストラット型ショックアブソーバ37に負荷してやる必要があるにも拘らず、この横荷重負荷装置65で負荷できる横荷重は一定であってそれができず、実際の車両の走行時の横荷重と異なることになる。
【0020】
そのために、実際の走行条件を模擬的に再現してサスペンションの試験を行うという一輪モデル型サスペンション試験装置1bとしての本来の目的が充分に達成し得ないことになる。
【0021】
また、ばね下部材として実際のタイヤ26を使用しているために、一輪モデル型サスペンション試験装置1bの特性上からみれば好ましいとは言え、反面、試験装置全体の高さが高くなると共に、車種毎に異なるタイヤ26の交換場所とそれらを保管しておくための広いスペースを必要とすることから設置場所に制限を受けることになる。
【0022】
しかも、試験を施す車種毎に異なるタイヤ26と交換してやる必要が生じるので試験工数が殖えるばかりでなく、この交換作業を一輪モデル型サスペンション試験装置1bの下部にあるピットに入って行わなければならないために、可なり大変な作業となって試験効率を低下させることになる。
【0023】
さらに、タイヤ26およびウェイト55に連繋する各スライド軸14,15を二軸以上の複数軸で構成してあることから、これら複数本の軸の平行度を三次元的に厳密に確保しないと作動フリクションが大きくなって滑らかな作動が得られず、実際の走行条件の模擬的な再現状態が悪くなって試験結果の精度に低下をもたらすことになる。
【0024】
勿論、これを避けるためには、各スライド軸14,15の加工精度を高めてやればよいが、そのためには、軸受12,13から一輪モデル型サスペンション試験装置1bの外郭部分に亙っての全体の精度を高める必要があるので著しく高価なものとなる。
【0025】
また、さらに、加速や減速および操舵に起因するロール等の走行条件を考えた場合に、車体には、慣性力によって重心周りに前後および左右方向へのモーメントが作用し、これを一輪モデル型サスペンション試験装置1bでみれば、ウェイト55に対して上下の力が加わり、これらの力に応じてばね上およびばね下質量Mu,Mdの運動やタイヤ26の反力等が誘発される。
【0026】
しかし、この一輪モデル型サスペンション試験装置1bでは、タイヤ26に対して外部入力を加えるだけでウェイト55には何等の外部入力をも加えていないので、これらの場合の走行条件の模擬的な再現を図って試験を行うことができない。
【0027】
したがって、この発明の目的は、試験装置全体を大型化することなく、試験の簡便化と高精度化を図りつつ実際の走行条件を模擬的に再現して、サスペンションの試験を行うことのできる一輪モデル型サスペンション試験装置を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記した目的は、この発明において、懸架ばね力を備えるショックアブソーバをスライド軸によりタイヤ側へと連繋してサスペンションを構成し、このサスペンションの上にスライド軸を通して一輪の負担荷重に相当するウェイトを負荷しつつ、タイヤを加振機で加振してサスペンションの性能と耐久性を試験する一輪モデル型のサスペンション試験装置において、加振機からのショックアブソーバへの荷重の負荷点である連結ピンを当該加振機の軸線から横方向へとオフセット量を調整可能にしつつ、かつ、揺動自在に配置することによって達成される。
【0029】
すなわち、このように構成することで、ショックアブソーバへの荷重の負荷点である連結ピンを加振中心軸から横にオフセットして取り付けることができ、しかも、このオフセット量を独自の調整機構より任意の値に設定できるので、実際の走行条件を模擬的に再現してサスペンションの試験を行うことができる。
【0030】
また、ベローズ式の空気ばねを間に置いて二つのチャンバ部材により上下から挟み、これら二つのチャンバ部材のチャンバをそれぞれ外部調整可能の絞り機構で空気ばねへと連通して擬似タイヤを構成する。
【0031】
そして、タイヤの代わりとしてこの擬似タイヤを用いてやることにより、試験装置全体の高さを低く保ちつつ、しかも、当該擬似タイヤを外部から調整することで異なった条件下での試験を行うことが可能になる。
【0032】
さらに、タイヤとウェイトに連繋する各スライド軸をそれぞれ一本軸として構成し、これらスライド軸を断面非円形のスプライン状として多数の転動体をもつ軸受により上下動自在に保持する。
【0033】
これによって、スライド軸の回転を防止しつつ試験するサスペンションの回転に伴う各種の不具合を抑えながら、しかも、振動部分におけるスライド軸の作動フリクションを小さく保って試験結果の精度を高めることが可能となる。
【0034】
さらに、また、これらに加えて、タイヤ側の加振機と併せてウェイト側にも加振機構を配置し、このウェイト側の加振機構を加速や減速および操舵に起因するロール等の走行条件に適応して加振してやる。
【0035】
このようにすることで、通常走行の試験は勿論のこと加速や減速および操舵に起因するロール等の走行条件下にあっても、これを模擬的に再現して試験を行うことが可能になるのである。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を添付した図面の図1に基いて説明することにする。
【0037】
図1において、この発明による一輪モデル型サスペンション試験装置1は、台座2から立ち上がる複数本のポスト3に横梁4を固定して機枠体5を構成し、この機枠体5に下部支持部材6をポスト3に挿通した間座8を挟んで横梁4の上に固定して配置してある。
【0038】
また、下部支持部材6の上方には、上部支持部材7をガイドローラ9でポスト3に沿い上下動自在に配置し、この上部支持部材7を横梁4との間に介装したリフトシリンダ10によってポスト3に沿い上下方向へと位置調整可能に配設している。
【0039】
上記した機枠体5は、床面に掘ったピット11の底部へと台座2を固定して設け、この状態において下部支持部材6と上部支持部材7の間の部分を床面から上方へと露呈するように配置している。
【0040】
下部支持部材6と上部支持部材7には、互の軸線が一直線上に並ぶようにして軸受12,13を設けてあり、これら軸受12,13を通して単一のスライド軸14,15をそれぞれ上下動自在に挿通して設けてある。
【0041】
上記軸受12,13は、図2にみられるように、下部支持部材6と上部支持部材7に嵌着して固定する外筒16と、当該外筒16の内部にリテーナ17を嵌着して納めた多数の転動ボールからなる転動体18をもつボールベアリング式の軸受として構成している。
【0042】
なお、この実施の形態にあっては、これら軸受12,13をボールベアリング式の軸受として構成したが、転動ボールの代わりに例えば転動する多数の円柱や円錐状のころを用いたころ軸受として構成してもよいことは勿論である。
【0043】
また、スライド軸14,15は、表面に軸線方向へと向うスプライン状の突条19を備え、これら突条19を軸受12,13側のリテーナ17に設けた溝20に嵌めて回り止めを施しつつ、転動体18により低摩擦状態を保ってスライド軸14,15を上下にガイドするようにしてある。
【0044】
図1に戻って、スライド軸14の上端には、取付台21を介して下部連結部材22と上部連結部材23とからなるオフセット量調整機構24が設けてあり、また、下端は、台座2上に設けた例えば油圧アクチュエータからなる加振機25へと擬似タイヤ26を挟んで連繋している。
【0045】
オフセット量調整機構24を構成する下部連結部材22は、図3に示したように、取付台21へと左右二つの長孔27を介してボルト28により一方向へとスライド可能に取り付ける固定部分29と、この固定部分29の一端から中央に溝30を残して立ち上がる軸孔31をもった連結部分32とからなるL字状の部材として構成してある。
【0046】
また、上部連結部材23は、図4のように、長孔33を有する挿入部分34と上下二つの装着孔35をもつ結合部分36とからなる同じくL字状の部材で形成してあり、この上部連結部材23の結合部分36を図1のようにして、ストラット型ショックアブソーバ37の下端におけるアクスルブラッケット38へと装着孔35を通してボルト39により取り付ける。
【0047】
そして、上部連結部材23の挿入部分34を下部連結部材22の溝30へと嵌め、かつ、軸孔31と長孔33を通して連結ピン40を挿通することにより、下部連結部材22に対して上部連結部材23を揺動自在にしかも相対位置調整可能に結合している。
【0048】
一方、擬似タイヤ26は、図5のように、ベローズ式の空気ばね41を間に置いて二つのチャンバ部材42,43により上下から挟み、かつ、空気ばね41の内端側をこれら二つのチャンバ部材42,43のリム44,45に嵌め込むことで気密状態に保っている。
【0049】
チャンバ部材42,43の内部は、それぞれ絞りバルブ46,47を通して空気ばね41の内部と通じており、かつ、これらチャンバ部材42,43の外方端面は、固定ねじ48,49で装着したホルダ50,51を通してスライド軸14の下端と加振機25における加振軸の上端に連結している。
【0050】
これにより、空気ばね41の圧力によって発生する軸方向への荷重は、チャンバ部材42,43からホルダ50,51を通してスライド軸14と加振機25における加振軸の間に加えられ、しかも、絞りバルブ46,47の開口面積を駆動部52で直接、或いは、ギヤ53,54を通して調整することにより、擬似タイヤ26のばね特性Keと減衰特性Ceを任意に変更することができるようになっている。
【0051】
再び、図1に戻って、スライド軸15の上端には、一輪の負担荷重に相当するウェイト55が加えられると共に、スライド軸15の下端は、連結部材56を通して外周に懸架ばね63を介装したストラット型ショックアブソーバ37の上端へと結合し、かつ、図7で述べた従来例と同様に変位センサ57,58,59および加速度センサ60,61並びに荷重センサ62等の各種の検出器を設けたのである。
【0052】
次に、以上のように構成した一輪モデル型サスペンション試験装置1の作用について説明する。
【0053】
試験の開始に当り、オフセット量調整機構24の上部連結部材23とスライド軸15の下端の連結部材56の間にストラット型ショックアブソーバ37を介装して加振機25を始動すると、当該加振機25の振動に伴う荷重が下部連結部材22と上部連結部材23を結ぶ連結ピン40を通してストラット型ショックアブソーバ37の下端に加えられる。
【0054】
このときに、連結ピン40の中心は、加振機25の軸線から横に距離Lだけオフセットして下部連結部材22と上部連結部材23を回動自在に連結しているために、連結ピン40は、加振機25からの荷重を伝達するがモーメントは伝達しない。
【0055】
そのために、加振機25からは、ストラット型ショックアブソーバ37の作動抵抗に応じた荷重Wのみが伝わって当該ストラット型ショックアブソーバ37に曲げモーメントLWが作用し、かつ、これと対抗してストラット型ショックアブソーバ37の上端結合部分に横反力Rが発生することになる。
【0056】
しかも、上記した荷重Wは、ストラット型ショックアブソーバ37の作動変位と作動速度に応じて発生する懸架ばね63のばね力と減衰力に見合って決まるので、横反力Rの値もまたストラット型ショックアブソーバ37の作動変位と作動速度に応じて変動する。
【0057】
そこで、ボルト28と連結ピン40を緩めて下部連結部材22を上部連結部材23に対して横にずらし、再びボルト28と連結ピン40を締め付けて下部連結部材22と上部連結部材23のオフセット量Lを実際の走行条件に併せて調整してやれば、実際の走行条件を模擬的に再現しつつそれに合わせてサスペンションの試験を行うことができる。
【0058】
また、上記したサスペンションの試験に際し、実際に用いられるタイヤの代わりにベローズ式の空気ばね41を二つのチャンバ部材42,43で上下から挟んで構成した擬似タイヤ26を使用し、これら二つのチャンバ部材42,43の内部をそれぞれ外部調整可能の絞りバルブ46,47で空気ばね41へと連通している。
【0059】
これにより、擬似タイヤ26が横に向くことになるので装置全体の高さを低く保って設置場所に制約を受けることがなくなるばかりでなく、内部空気圧力の設定に伴う空気ばね特性の変更と併せて、絞りバルブ46,47を調整することにより減衰特性をも変更できることから、一つの擬似タイヤ26で幅広い範囲の実在のタイヤの代用を果して所定の特性を実現することができる。
【0060】
したがって、タイヤの組み替え工数と治具費用の低減だけでなく、車種毎に異なるタイヤの交換場所とそれらを保管しておくための広いスペースの削減をも可能とするのである。
【0061】
さらに、加えて、擬似タイヤ26とウェイト55側へと連繋する各スライド軸14,15をそれぞれ一本軸として構成し、これらスライド軸14,15を断面非円形のスプライン状として多数の転動体18をもつ軸受により回転止めを施しつつ上下動自在に保持している。
【0062】
その結果、多軸の場合の大きなネックとなる複数軸間の三次元的平行出しの必要がなくなるので、スライド軸14,15の製作および組立が簡略化できるばかりでなく、これらスライド軸14,15の作動フリクションを小さく保って試験結果の精度を高めることが可能となる。
【0063】
しかも、これと併せて、スライド軸14,15の断面を非円形として回転止めを施したことにより、擬似タイヤ26とストラット型ショックアブソーバ37およびウェイト55が相互に回転するのを阻止しつつ、これらの回転に伴って発生する捩り力で変位センサ57,58,59が破損するという不具合をも阻止することになる。
【0064】
なお、これまで述べてきた図1の実施の形態にあっては、加振機25により擬似タイヤ26側のみを加振してサスペンションの試験を行う場合について説明してきたが、図6に示す実施の形態の一輪モデル型サスペンション試験装置1aでは、もう一つの加振機構66によってウェイト55側にも外力を加えられるようにした点で異なっている。
【0065】
これにより、サスペンションに対してばね上荷重を加えることが可能となることから、加速や減速および操舵によるロール等の走行条件を模擬的に再現して試験を行うことができるし、これらの条件下で擬似タイヤ26に入力が加わる場合についてもそれを模擬的に再現して試験を行うことが可能になるのである。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1の発明によれば、ショックアブソーバへの荷重の負荷点である連結ピンを加振機の軸線から横方向にオフセット量を調整可能にして、しかも、揺動自在に配設したことにより、実際の走行条件に見合った変動横荷重を加えることができ、しかも、この横荷重の値は、連結ピンのオフセット量を変えることで調整することができるので幅広いショックアブソーバに対して同一のサスペンション試験装置を適用でき、治具の製作費や保管スペースの低減および試験効率の向上を図ることが可能になるのである。
【0067】
請求項2の発明によれば、ベローズ式の空気ばねを挟んで上下に二つのチャンバ部材を設け、これら二つのチャンバ部材のチャンバをそれぞれ外部調整可能の絞り機構で空気ばねへと連通して擬似タイヤを構成し、この擬似タイヤをタイヤの代わりに使用したことにより、上記した効果に加えて、サスペンション試験装置の高さを低く保ちつつ、しかも、外部から絞り機構を調整することで擬似タイヤのばね定数と内部減衰係数を任意に設定し得ることから、異なった各種条件下での試験を行うことができるばかりでなく実際の走行条件に見合った特性が安価に得られる。
【0068】
また、請求項3の発明によれば、これらの効果に加えて、タイヤとウェイトに連繋する各スライド軸をそれぞれ一本軸として構成し、これらスライド軸を断面非円形のスプライン状として多数の転動体をもつ軸受により回転止めを施して上下動自在に保持したことにより、擬似タイヤとストラット型ショックアブソーバおよびウェイトの相互回転を阻止してこれらの間に取り付けた変位センサの破損を阻止しつつ、振動部分におけるスライド軸の作動フリクションをも小さく保って試験結果の精度をより高めることが可能になる。
【0069】
さらに、請求項4の発明によれば、タイヤ側の加振機と併せてウェイト側にも加振機構を配置し、このウェイト側の加振機構を加速や減速および操舵に起因するロール等の走行条件に適応して加振してやることにより、上記した各効果に加えて、通常走行の試験は勿論のこと加速や減速および操舵に起因するロール等の走行条件下にあっても、これを模擬的に再現して試験を行うことが可能になるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による一輪モデル型サスペンション試験装置の実施の形態を示す正面図である。
【図2】同上の一輪モデル型サスペンション試験装置に適用されているスライド軸と軸受の構造例を示す一部切断斜視図である。
【図3】同じく、同上の一輪モデル型サスペンション試験装置に適用されたオフセット量調整機構を構成する下部連結部材の斜視図である。
【図4】同上、下部連結部材と協同してオフセット量調整機構を構成する上部連結部材の斜視図である。
【図5】この発明による一輪モデル型サスペンション試験装置に使用される擬似タイヤの縦断正面図である。
【図6】この発明による一輪モデル型サスペンション試験装置の他の実施の形態を示す正面図である。
【図7】従来から用いられている一輪モデル型サスペンション試験装置を示す正面図である。
【図8】実際の車両におけるサスペンション構造と当該サスペンションに作用する力の関係を示す説明図である。
【図9】一輪モデル型サスペンション試験装置のばね上とばね下の関係を示すモデル図である。
【符号の説明】
1,1a 一輪モデル型サスペンション試験装置
3 ポスト
6 下部支持部材
7 上部支持部材
9 ガイドローラ
10 リフトシリンダ
12,13 軸受
14,15 スライド軸
17 リテーナ
18 転動体
19 突条
21 取付台
22 下部連結部材
23 上部連結部材
24 オフセット量調整機構
25 加振機
26 擬似タイヤ
27,33 長孔
28,39 ボルト
37 ストラット型ショックアブソーバ
38 アクスルブラケット
40 連結ピン
41 ベローズ式の空気ばね
42,43 チャンバ部材
46,47 絞りバルブ
55 ウェイト
63 懸架ばね
66 加振機構

Claims (4)

  1. 懸架ばね力を備えるショックアブソーバをスライド軸によりタイヤ側へと連繋してサスペンションを構成し、このサスペンションの上にスライド軸を通して一輪の負担荷重に相当するウェイトを負荷しつつ、タイヤを加振機で加振してサスペンションの性能と耐久性を試験する一輪モデル型のサスペンション試験装置において、加振機からのショックアブソーバへの荷重の負荷点である連結ピンを当該加振機の軸線から横方向へとオフセット量を調整可能にしつつ、かつ、揺動自在に配置したことを特徴とする一輪モデル型サスペンション試験装置。
  2. ベローズ式の空気ばねを間に置いて二つのチャンバ部材により上下から挟み、これら二つのチャンバ部材のチャンバをそれぞれ外部調整可能の絞り機構で空気ばねへと連通して擬似タイヤを構成し、この擬似タイヤをスライド軸によりショックアブソーバへと連繋してサスペンションを構成した請求項1の一輪モデル型サスペンション試験装置。
  3. タイヤとウェイト側に連繋する各スライド軸をそれぞれ一本づつの軸で構成し、かつ、各スライド軸を断面非円形のスプライン状として多数の転動体をもつ軸受により上下動自在に保持した請求項1または2の一輪モデル型サスペンション試験装置。
  4. タイヤ側と併せてウェイト側にも加振機構を配置した請求項1,2または3の一輪モデル型サスペンション試験装置。
JP35409797A 1997-12-08 1997-12-08 一輪モデル型サスペンション試験装置 Expired - Fee Related JP3607805B2 (ja)

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