JP3607801B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機等の画像形成装置では、給紙した転写材である用紙を搬送し、その搬送する用紙に画像を転写し、定着して機外へ排出するようにしている。この用紙搬送のため、機内には駆動伝達用ギヤを介して駆動が伝達される駆動ローラ体を具備した用紙搬送手段が設けられている。
【0003】
ところで、定着ローラと加圧ローラとのローラ対を有するヒートローラ方式の定着装置はローラ対で用紙を搬送挟持し、その際に熱と加圧力によって未定着トナー像を用紙に定着するものであり、一種の用紙搬送手段であると言える。また、用紙搬送において、用紙ジャム等の搬送不備を完全に無くすことは事実上不可能であり、このため用紙ジャムが発生してもこれを簡単に処理する方法や機構が多々提案されている。
【0004】
定着装置においても例外でなくジャムが発生するので、該部で詰まった紙を取り除くための種々の方法等が実施されている。定着装置の場合、ローラを、ノブ等を介して手動によって回転させ、用紙を装置外へ送り出す方法が広く行われている。しかし、定着装置では一方のローラが駆動ローラで、ローラ同士もギヤで噛み合わせていることが多く、従って該駆動ローラの駆動連結が解除されていない状態ではノブを回転させるために大きな力を要し、操作性が悪いという問題がある。
【0005】
そこで、定着装置ではジャム処理を容易にするため、まず駆動ローラへの駆動連結を解除することが行われ、駆動解除方法としても定着装置を移動してギヤの噛み合いを外したり、揺動ギヤをスプリングにて当接し、ノブを回転させるとギヤの圧力角が作用し揺動ギヤを離間させる方法が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、定着装置を移動してギヤを外す方法では装置本体のフレームを定着部近傍にて上下2分割できるようにしているが、装置が複雑になるだけでなく、構造体の機械強度も低下するという問題があった。また、定着装置のみを移動させる方法もあるが、やはり機構が複雑でしかも定着装置を移動させるスペースも確保しなければならなかった。
【0007】
また、後者のギヤの圧力角で揺動ギヤを離間させる方法の場合、回転する方向が限られてしまうため、詰まった紙の状況に合わせて回転方向を変えることができないという問題があった。この問題は、ワンウェイクラッチ等を用いてローラを回転させる方法についても言える。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題を解消し、簡単な操作で用紙搬送手段の駆動連結を解除でき、ジャム等の処理操作がきわめて簡便に行い得る画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、駆動伝達用ギヤと噛み合う入力ギヤを介して駆動が伝達される駆動ローラ体を具備した用紙搬送手段を有する画像形成装置において、画像形成装置本体に設けられた開閉部材の開閉と連動し、該開閉部材が開けられたとき、前記駆動伝達用ギヤを自重により前記入力ギヤとの噛み合いを解いて駆動連結を解除し、前記開閉部材が閉じられたとき、前記駆動伝達用ギヤを前記入力ギヤと噛み合う駆動連結位置に復帰させる駆動接離機構を設け、該駆動接離機構は前記駆動伝達ギヤが駆動連結位置とそれよりの下方の駆動連結解除位置との間で揺動可能に支持する揺動ブラケットと、前記開閉部材の開閉動作により揺動するリンク部材と、前記揺動ブラケットとリンク部材の間に介在させた弾性部材とを備え、駆動連結位置において前記駆動伝達用ギヤの圧力角により当該ギヤが前記入力ギヤと噛み合う方向に作用することを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明は、前記駆動伝達用揺動ギヤの揺動量を規制する規制手段を設けると、効果的である。
さらにまた、本発明は、前記規制手段が画像形成装置本体の側板であると、効果的である。
【0012】
さらにまた、本発明は、前記駆動ローラ体がヒートローラ方式の定着装置における一方のローラであると、効果的である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略中央断面図であって、本例はカラー画像形成装置である。
【0014】
図1において、符号1は矢印A方向に回転走行される像担時体としてのベルト状感光体で、ローラ2,3に支持されている。この感光体1が回転されるとき、帯電装置4によりその表面が一様に、定められた極性に帯電される。その帯電部分には、走査光学装置5により、不図示のレーザー光源からモータ5Aで回転するポリゴンミラー5B、fθレンズ5C、ミラー5F等の光学部品を経て、色別の書き込み情報に対応したレーザー光で露光され静電潜像が形成される。この潜像は、黒色トナー現像ユニット7、或いはリボリバー式の多色現像器6に備えられたシアン現像ユニットC、マゼンタ現像ユニットM、イエロー現像ユニットYにより現像され、可視像化される。なお、多色現像器6は図示していない駆動装置により回転され、所望の現像ユニットが所定位置に移動される。また、黒色トナー現像ユニット7はカム45により感光体に対して接離するように構成されている。
【0015】
また、符号10は中間転写体で、ローラ11,12で回転可能に支持されており、矢印B方向に回転される。中間転写体10は、感光体1と接する所でバイアス手段13の作用により感光体上のトナー像を受け取る。フルカラー画像の形成においては、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のトナー像を中間転写体10に重ね、転写ローラによって用紙に一括して転写される。用紙17Aは、本例の場合、給紙カセットとして構成され給紙装置17に納められており、給紙ローラ18が回転することにより給送され、搬送ローラ対19を経て搬送される。そして、レシストローラ対20によりタイミングがとられ、用紙上の定められた位置に、中間転写体10上のトナー像が転写される。転写後の用紙17Aは、ヒートローラ方式の定着装置50を通過し、トナー像が定着され、排紙ローラ対51により排紙スタック部52上に、画像面を下向きにしてぺージ順にスタックされる。
【0016】
感光体から中間転写体10に転写した際、感光体1上に残留するトナーは、クリーニング手段のクリーニングブレード15Aによって掻き取られる。一方、中間転写体10から用紙17Aにトナー像を転写した際、中間転写体10上に残留するトナーは、クリーニング装置16のクリーニングブレード16Aによって掻き取られる。感光体1のクリーニングブレード15Aは、常に感光体1に接してクリーニング動作を行うが、中間転写体のクリーニングブレード16Aは接離機構によってトナー像を用紙に転写した後に、中間転写体に接し残留するトナーを掻き取る位置に移動するようにその作動タイミングが制御されている。
【0017】
除電ランプ21の光は、クリーニング工程の後、感光体上の残留電位を正規のものとして、次の作像工程に移行する。
図2において、符号31はユニット化されたプロセスカートリッジで、感光体1、帯電装置4、中間転写ベルト10、クリーニング装置16、用紙搬送路を形成する搬送ガイド30などを一体に組み込み、寿命到来時に交換できるように構成されている。
【0018】
プロセスカートリッジ31の交換のほかに、多色現像器6、黒現像器7なども寿命到来時に交換するが、その交換性やジャムした用紙の処理を容易にするため、本体の一部の前フレーム8は、支軸9Aを回転中心として回動して開放が可能な構造となっている(図2参照)。
【0019】
また、図2において画像形成装置はその左側に電装・制御装置Eが収納されている。その上方には、ファンFが備えられており、機内の温度過昇防止のために排風する。さらに、図2の右側には、比較的小規模の別の給紙装置MFが備えられている。図では、MFは折り畳んだ状態にあり、開いて使用するが、本発明に直接関係ないのでその説明は省略する。
【0020】
図3は、本発明に係る画像形成装置の定着装置50の駆動伝達系を示す図である。
図3において、符号66はスタッドであり、図2の開閉部材としての前フレーム8に取り付けられている。この前フレーム8に設けられたスタッド66が支点65Aを中心に回動可能に装着されたリンク部材としてのレバー65の右端傾斜部65Bに当接して支点65Aを中心にレバー65の右端傾斜部65Bを押し上げている。レバー65の左端には、弾性部材としての伝達スプリング64が設けられ、該伝達スプリング64を介して揺動ブラケット62を右端と連結されている。揺動ブラケット62は、支点ギヤ61の軸61Aを中心に揺動可能に装着され、レバー65の右端傾斜部65Bを押し上げられることによって伝達スプリング64を介して時計回りに回転力が付勢されている。揺動ブラケット62には、支点ギヤ61に噛み合う揺動ギヤ63が回転可能に装着され、揺動ギヤ63は上記揺動ブラケット62に付勢される回転力により、定着ローラ対の入力ギヤ70に押し当てられて噛み合っている。なお、揺動ギヤ63は入力ギヤ70に噛み合う位置と後述する図4に示す揺動ブラケット62が定着装置50の定着ステー67に当接する位置との間で揺動可能となっている。
【0021】
図示していないメインモータは、定着装置ギヤ60に駆動連結されており、該定着装置ギヤ60は支点ギヤ61、揺動ギヤ63、入力ギヤ70、定着ローラギヤ71、加圧ローラギヤ72に順次噛み合って駆動連結されている。この定着ローラギヤ71、加圧ローラギヤ72が回転することで、定着装置50のローラ対により用紙17Aが定着及び搬送される。また、加圧ローラギヤ72はノブ77を手動にて回転することで回転するノブ用ギヤ76及びノブ用アイドラ75と連結されている。
【0022】
このように構成された画像形成装置は、ジャム等により定着装置50で用紙17Aが停止した場合、メインモータが定着装置ギヤ60に駆動連結されているため、そのメインモータと加圧ローラギヤ72までの間で駆動連結を解除する必要がある。そこで、本発明では、まず前フレーム8を開けると、前フレーム8に設けられたスタッド66がレバー65より離れる。揺動ブラケット62は、支点ギヤ61の軸61Aを中心として見たとき、揺動ギヤ63を設けている左方が右方より重いので、レバー65の押し付け力がなくなると、自重により支点ギヤ61の軸61Aを中心に反時計回りに回転する。この揺動ブラケット62の回転によって揺動ギヤ63と入力ギヤ70の噛み合いは図4に示すように解除される。
【0023】
このようにして、揺動ギヤ63と入力ギヤ70の噛み合い解除されれば、メインモータと加圧ローラギヤ72までの間で駆動連結が解除され、ノブ77を手動にて回転すれば、ノブ用ギヤ76、ノブ用アイドラ75により、加圧ローラギヤ72、定着ローラギヤ71が自由に回転可能となる。よって、ジャム処理等がきわめて容易に行うことができる。しかも、ジャム処理を行うには前フレーム8を開けねばならないので、前フレーム8の開放と連動して駆動連結が解除されることはきわめて操作性が良好である。
【0024】
なお、前フレーム8を開けることで回転した揺動ブラケット62は、定着装置50の定着ステー67に設けられた窓により揺動ブラケット62の揺動量を規制され、このように構成することにより、揺動ギヤ63と定着駆動ギヤ60の接触による破損を防止する。なお、揺動ブラケット62の揺動量の規制は、画像形成装置の側板で行っても良く、本例の定着ステー67や画像形成装置の側板ように既に存在する部品を使用すれば、専用のストッパー等を新たに設けた場合と比べて部品数を低減することができる。
【0025】
また、本実施の形態では揺動ギヤ63が圧力角の作用により、自ら入力ギヤ70に食い込み噛み合うようにすることができ、このように設定すれば伝達スプリング64は小さな力で機能する。よって、伝達スプリング64は小さなスプリングで良く、レバー65も薄く出来るためスペースの節約になる。
【0026】
ところで、ジャム処理等が終了して前フレーム8を閉じれば、スタッド66がレバー65の右端傾斜部65Bに当接して支点65Aを中心にレバー65の右端傾斜部65Bを押し上げ、これによって、揺動ギヤ63が入力ギヤ70に噛み合う状態に戻り、メインモータからの駆動が加圧ローラギヤ72まで伝達される。
【0027】
【発明の効果】
請求項1に記載の画像形成装置によれば、紙詰まり等処理によりカバーを開口した時に連動して揺動する駆動伝達ギヤが自重にて駆動解除するため、機構がシンプルでスペースも小さくできる。しかも、駆動伝達ギヤが圧力角の作用により、自ら入力ギヤに食い込み噛み合うようにすることができ、弾性部材は小さなスプリングで良く、リンク部材も薄く出来るためスペースの節約になる。
【0029】
請求項3に記載の画像形成装置によれば、揺動する駆動伝達ギヤの揺動量を規制しているため、相手のギヤが無くても、近傍の部品に接触し損傷することを防止できる。
【0030】
請求項4及び5に記載の画像形成装置によれば、既に存在する部品を使用することにより部品数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略中央断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の前フレームを開いた状態を示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の定着装置の駆動伝達系を示す説明図である。
【図4】図3の定着装置の駆動伝達系の駆動連結を解除した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 感光体
50 定着装置
62 揺動ブラケット
63 揺動ギヤ
64 伝達スプリング
65 レバー
71 定着ローラギヤ
72 加圧ローラギヤ

Claims (4)

  1. 駆動伝達用ギヤと噛み合う入力ギヤを介して駆動が伝達される駆動ローラ体を具備した用紙搬送手段を有する画像形成装置において、
    画像形成装置本体に設けられた開閉部材の開閉と連動し、該開閉部材が開けられたとき、前記駆動伝達用ギヤを自重により前記入力ギヤとの噛み合いを解いて駆動連結を解除し、前記開閉部材が閉じられたとき、前記駆動伝達用ギヤを前記入力ギヤと噛み合う駆動連結位置に復帰させる駆動接離機構を設け、該駆動接離機構は前記駆動伝達ギヤが駆動連結位置とそれよりの下方の駆動連結解除位置との間で揺動可能に支持する揺動ブラケットと、前記開閉部材の開閉動作により揺動するリンク部材と、前記揺動ブラケットとリンク部材の間に介在させた弾性部材とを備え、駆動連結位置において前記駆動伝達用ギヤの圧力角により当該ギヤが前記入力ギヤと噛み合う方向に作用することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記駆動伝達用ギヤの揺動量を規制する規制手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において、前記規制手段が画像形成装置本体の側板であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記駆動ローラ体がヒートローラ方式の定着装置における一方のローラであることを特徴とする画像形成装置。
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