JP3607057B2 - 駆動回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、直流から複数相の交流を生成してUPS(Uninterrupted Power Supply、無停電電源)あるいは回転機等の駆動対象に出力する駆動回路に関し、特にフルブリッジインバータ回路の高電位側トランジスタの制御手段に電源を供給するブートストラップ回路の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は複数相の交流を生成して出力するフルブリッジインバータ回路を含む従来の駆動回路のうち、一相に関わる部分を示す回路図である。
【0003】
まず、従来の駆動回路の構成を説明する。高電位側トランジスタ(IGBT、以下同じ)Q1は、コレクタ端子が高電位V+へ接続され、エミッタ端子が低電位側トランジスタQ2のコレクタ端子へ接続されている。低電位側トランジスタQ2は、エミッタ端子が低電位V−へ接続されている。高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2の接続点は出力端子OUTに接続されている。この高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2からなる部分はアーム回路と称される。
【0004】
フリーホイールダイオードF1は高電位側トランジスタQ1のコレクタ端子・エミッタ端子間に接続されている。制御回路K1の出力端子はゲート抵抗GR1を介して高電位側トランジスタQ1のゲート端子へ接続されている。
【0005】
フリーホイールダイオードF2は低電位側トランジスタQ2のコレクタ端子・エミッタ端子間に接続されている。制御回路K2の出力端子はゲート抵抗GR2を介して低電位側トランジスタQ2のゲート端子へ接続されている。
【0006】
制御回路K1のバイアス用端子は高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2の接続点へ接続されている。制御回路K2のバイアス用端子は低電位V−へ接続されている。
【0007】
直流電源V1は、低電位側出力端子が低電位V−に接続され、高電位側出力端子が制御回路K2の電源入力端子と抵抗R1及びダイオードである整流手段RECを介して制御回路K1の電源入力端子とに接続されている。
【0008】
コンデンサC1は、一端が整流手段RECの出力端子と制御回路K1の電源入力端子との接続点に接続され、他端が高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2の接続点に接続されている。コンデンサC2は、一端が直流電源V1の低電位側出力端子と制御回路K2の電源入力端子との接続点に接続され、他端が低電位V−に接続されている。
【0009】
従来の駆動回路の構成は、複数の図4に示す構成が独立して設けられている。この種の従来の技術には、例えば特開平8−103087号公報、特開平8−294286号公報に開示の技術等がある。
【0010】
次に、従来の駆動回路の動作を説明する。まず、高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2はそれぞれゲート電位がエミッタ電位より高いときコレクタ端子・エミッタ端子間が導通する。
【0011】
フリーホイールダイオードF1及びフリーホイールダイオードF2はそれぞれフルブリッジ動作に必要なために挿入されているもので、動作の説明は省略する。
【0012】
コンデンサC1は、ブートストラップ電源として作用する。すなわち、例えば高電位側トランジスタQ1、低電位側トランジスタQ2がそれぞれオン、オフすると高電位側トランジスタQ1のエミッタの電位は上昇する。高電位側トランジスタQ1がオンするためには、同トランジスタQ1のゲートの電位がエミッタの電位より高くしなければならないため、同トランジスタQ1のエミッタの電位が上昇するとともにゲートの電位も上昇させなければならない。コンデンサC1は、高電位側トランジスタQ1のエミッタの電位の上昇に伴って、制御回路K1の電源入力端子の電位を上昇させる。このコンデンサC1の作用によって、高電位側トランジスタQ1は、エミッタの電位の上昇に伴ってゲートの電位も上昇するため、オンし続けることができる。このとき、整流手段RECはコンデンサC1から直流電源V1側への電流の逆流を防止する。
【0013】
高電位側トランジスタQ1又は低電位側トランジスタQ2がオンするように制御することをオン制御、オフするように制御することをオフ制御と称する。制御回路K1及びK2は、これらに与えられる駆動信号に応じて駆動し、オン制御又はオフ制御を行う。
【0014】
トランジスタQ1として用いられているIGBTは絶縁ゲート型ではあるがコンデンサC1からゲートに送られる電荷を寄生容量等によって消費することによって電力を消費し、コンデンサC1の電荷量が少なくなると、ゲートの電位は低下する。
【0015】
次に図5を用いて動作を説明する。t0〜t1において、制御回路K1、制御回路K2はそれぞれオフ制御、オン制御を行っている。これによって、高電位側トランジスタQ1、低電位側トランジスタQ2はそれぞれオフ、オンする。高電位側トランジスタQ1、低電位側トランジスタQ2がそれぞれオフ、オンすることによって出力端子OUTの電位が低電位V−へ近づくためコンデンサC1は充電される。
【0016】
次にt1〜t2において、制御回路K1、制御回路K2はそれぞれオン制御、オフ制御を行う。これによって高電位側トランジスタQ1、低電位側トランジスタQ2はそれぞれオン、オフする。このとき、前述したようにコンデンサC1よりなるブートストラップ電源の作用によって、高電位側トランジスタQ1はそのエミッタ電位が上昇してもオンし続けることができる。
【0017】
このように、従来では制御回路K1に接続されている電力供給用のコンデンサはコンデンサC1のみである。制御回路K1はコンデンサC1によって電力が供給されて駆動し、制御回路K2は直流電源V1によって電力が供給されて駆動する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
制御回路K1がオン制御を行っている期間では、出力端子OUTの電位が高電位V+へ近づいているため、コンデンサC1は充電されることはない。したがって、制御回路K1がオン制御を行おうとする期間が図5のt4〜t6のように長くなると、高電位側トランジスタQ1等が電荷を消費することによってt4〜t6の途中でコンデンサC1に蓄電された電荷は減少し続け、ついには、高電位側トランジスタQ1のゲートの電位がエミッタの電位に対しオンするに十分な電位を保てず、高電位側トランジスタQ1はオフし、従来の駆動回路は正常に動作しないという問題点がある。
【0019】
容量の大きなコンデンサC1を用いてコンデンサC1に充電される電荷量を大きくすることによって、制御回路K1がオン制御を行う期間の途中でコンデンサC1に蓄積された電荷が不足することを抑制することができる。しかし、一般に容量の大きなコンデンサは高価なため、駆動回路が高価になるという問題点がある。
【0020】
本発明はこれらの問題点を解決するためになされたものであり、常に正常に動作し、しかも安価な駆動回路を得ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る課題解決手段は、直流から複数相の交流を生成して駆動対象へ出力する駆動回路であって、高電位・低電位間に直列に接続された高電位側トランジスタ及び低電位側トランジスタ、前記高電位側トランジスタの制御端子に接続されオン制御及びオフ制御を行うための第1制御手段、前記低電位側トランジスタの制御端子に接続されオン制御及びオフ制御を行うための第2制御手段を含み、前記高電位側及び低電位側トランジスタの接続点の電位を前記複数相のうちの一相として出力する第1ブロックと、高電位・低電位間に直列に接続された高電位側トランジスタ及び低電位側トランジスタ、前記高電位側トランジスタの制御端子に接続されオン制御及びオフ制御を行うための第1制御手段、前記低電位側トランジスタの制御端子に接続されオン制御及びオフ制御を行うための第2制御手段を含み、前記高電位側及び低電位側トランジスタの接続点の電位を前記複数相のうちの他の一相として出力する第2ブロックと、前記第1ブロックの前記第1及び第2制御手段に電源を供給するための電源回路とを備え、前記電源回路は前記第1ブロックの前記第1制御手段に接続されたブートストラップ回路を含み、前記ブートストラップ回路は、前記一相の出力点に一端が接続された第1コンデンサと、前記他の一相の出力点に一端が接続された第2コンデンサとを備え、前記第2コンデンサの電荷を前記第1コンデンサに補充可能な駆動回路である。
【0022】
本発明の請求項2に係る課題解決手段において、前記ブートストラップ回路は、前記第2コンデンサの他端から前記第1コンデンサの他端方向へ電流の流れを強制する整流手段をさらに備える。
【0023】
本発明の請求項3に係る課題解決手段において、前記ブートストラップ回路は、前記第2コンデンサの一端と前記他相の出力点との間に接続された抵抗をさらに備える。
【0024】
本発明の請求項4に係る課題解決手段は、前記第1ブロック内の前記第1制御手段は比較的低い周波数で駆動され、前記第2ブロック内の前記第2制御手段は比較的高い周波数で駆動される。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における駆動回路を示す回路図である。実施の形態1の駆動回路は、直流を交流へ変換するために用いられるフルブリッジインバータ回路であり、駆動対象に供給される2つの相を有する交流を生成して出力する。実施の形態1に適用される2相用の駆動対象としてはUPS等がある。
【0026】
まず、実施の形態1の駆動回路の構成を説明する。実施の形態1の駆動回路は2つの相のうちの一方の相に関わるブロックB11及びB12と他方の相に関わるブロックB21及びB22と電源V1と電源V2とを備えている。ブロックB11及びB21はそれぞれブロックB12及びB22に制御用電源を供給するブロックである。
【0027】
実施の形態1では、ブロックB12及びブロックB22のうち一方が第1ブロックであり、他方が第2ブロックである。ブロックB11及びB21のそれぞれはブートストラップ回路を含む電源回路を構成する。ブートストラップ回路は、ブロックB11については、ダイオードD1,D2よりなる整流手段REC、コンデンサC1(第1コンデンサ)、C21(第2コンデンサ)、抵抗R1、R21によって構成され、ブロックB21についても同様である。
【0028】
まず、実施の形態1の駆動回路の構成を説明する。ブロックB11及びブロックB12内、並びにブロックB21及びブロックB22内の構成はそれぞれ図4に示す構成と主として同様である。すなわち、高電位側トランジスタQ1は、コレクタ端子が高電位V+へ接続され、エミッタ端子が低電位側トランジスタQ2のコレクタ端子へ接続されている。低電位側トランジスタQ2は、エミッタ端子が低電位V−へ接続されている。高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2の接続点は出力端子OUTに接続されている。この高電位V+・低電位V−間に直列に接続された高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2からなる部分はアーム回路と称される。
【0029】
フリーホイールダイオードF1は高電位側トランジスタQ1のコレクタ端子・エミッタ端子間に接続されている。制御回路K1の出力端子はゲート抵抗GR1を介して高電位側トランジスタQ1のゲート端子(制御端子)へ接続されている。
【0030】
フリーホイールダイオードF2は低電位側トランジスタQ2のコレクタ端子・エミッタ端子間に接続されている。制御回路K2の出力端子はゲート抵抗GR2を介して低電位側トランジスタQ2のゲート端子へ接続されている。
【0031】
制御回路K1のバイアス用端子は高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2の接続点へ接続されている。制御回路K2のバイアス用端子は低電位V−へ接続されている。
【0032】
直流電源V1は、低電位側出力端子が低電位V−に接続され、高電位側出力端子が制御回路K2の電源入力端子と抵抗R1及び整流手段RECを介して制御回路K1の電源入力端子とに接続されている。
【0033】
コンデンサC1は、一端が整流手段RECの出力端子と制御回路K1の電源入力端子との接続点に接続され、他端が高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2の接続点に接続されている。コンデンサC2は、一端が直流電源V1の低電位側出力端子と制御回路K2の電源入力端子との接続点に接続され、他端が低電位V−に接続されている。
【0034】
さらに実施の形態1の駆動回路では、ブロックB11内にコンデンサC21及び抵抗R21を備え、ブロックB21内にコンデンサC12及び抵抗R12を備えている。
【0035】
コンデンサC21は、一端が抵抗R21を介してブロックB22内の高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2の接続点に接続され、他端がダイオードD1及びダイオードD2の接続点に接続されている。コンデンサC12は、一端が抵抗R12を介してブロックB12内の高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2の接続点に接続され、他端がダイオードD1及びダイオードD2の接続点に接続されている。
【0036】
ブロックB12内の出力端子OUT及びブロックB22内の出力端子OUTは図示しない駆動対象に接続されている。実施の形態1では、高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2はNチャネルタイプのIGBTを用いる。
【0037】
このように、実施の形態1の駆動回路は各相について対称的に構成されている。
【0038】
次に、実施の形態1の駆動回路の動作を説明する。なお、実施の形態1の駆動回路は各相について対称的に構成されているため、ブロックB11及びブロックB12の動作とブロックB21及びブロックB22の動作は同様である。したがって、ブロックB11及びブロックB12に着目して動作を説明する。
【0039】
まず、高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2はそれぞれゲート電位がエミッタ電位より高いときコレクタ端子・エミッタ端子間が導通する。
【0040】
高電位側トランジスタQ1又は低電位側トランジスタQ2がオンするように制御することをオン制御、オフするように制御することをオフ制御と称する。制御回路K1及びK2は、これらに与えられる駆動信号に応じて駆動し、オン制御又はオフ制御を行う。
【0041】
フリーホイールダイオードF1及びフリーホイールダイオードF2はそれぞれフルブリッジ動作に必要なために挿入されているもので、動作の説明は省略する。
【0042】
整流手段RECは直流電源V1から制御回路K1方向のみに電流を流す。また、出力端子OUTの電位が変化すると、この電位変化の交流成分は、ブロックB11及びブロックB12においてコンデンサC21を介して整流手段RECに流れ、ダイオードD2によって整流されて制御回路K1やコンデンサC1へ流れる。また、ダイオードD2がコンデンサC1の電荷がコンデンサC21へ流出することを防止するため、コンデンサC1から制御回路K1へ供給される電荷が低減されることを防止できる。
【0043】
抵抗R1及びR21のそれぞれは、コンデンサC1及びC21に流れ込む電流の最大値を制限する。これによって、充電の際に大電流がコンデンサC1及びC21に流れ込むことによって生じるノイズを低減できるため、このノイズの影響による駆動回路の誤動作を防止できる。
【0044】
コンデンサC1は、従来の技術で述べたように、ブートストラップ電源として作用する。
【0045】
次に図2を用いて動作を説明する。図2に示すt2〜t6におけるブロックB12内のオン制御、オフ制御は図5のt2〜t6に対応している。
【0046】
まず、t2〜t3において、ブロックB12内の制御回路K1、制御回路K2はそれぞれオフ制御、オン制御を行っている。これによって、ブロックB12内の高電位側トランジスタQ1、低電位側トランジスタQ2はそれぞれオフ、オンする。ブロックB12内の高電位側トランジスタQ1、低電位側トランジスタQ2がそれぞれオフ、オンすることによってブロックB12内の出力端子OUTの電位が低電位V−へ近づくためブロックB11内のコンデンサC1は充電される。なお、このコンデンサC1には、直流電源V1からの電荷やコンデンサC21からの電荷が蓄電される。
【0047】
次にt3〜t4において、ブロックB22内の制御回路K1、制御回路K2はそれぞれオフ制御、オン制御を行っている。これによって、ブロックB22内の高電位側トランジスタQ1、低電位側トランジスタQ2はそれぞれオフ、オンする。ブロックB22内の高電位側トランジスタQ1、低電位側トランジスタQ2がそれぞれオフ、オンすることによってブロックB22内の出力端子OUTの電位が低電位V−へ近づくためブロックB11内のコンデンサC21は電源V1によって充電される。
【0048】
次にt4〜t5において、ブロックB12及びブロックB22内の制御回路K2はオフ制御を行う。これによってブロックB12及びブロックB22内の低電位側トランジスタQ2はオフする。またブロックB12及びブロックB22内の制御回路K1はオン制御を行う。これによってブロックB12及びブロックB22内の高電位側トランジスタQ1はオンする。このとき、従来と同様に、コンデンサC1のブートストラップ電源としての作用によって、高電位側トランジスタQ1はそのエミッタ電位が上昇してもオンし続けることができる。コンデンサC1の電荷が消費されるとコンデンサC21の電荷がダイオードD2を介して流れ込み補充される。すなわち、図2のt4〜t6のように、ブロックB12内の制御回路K1がオン制御を長時間継続して行っているときに、ブロックB22内の制御回路K2がオン制御及びオフ制御を繰り返し行うことによって、コンデンサC21が繰り返し充電されコンデンサC1に電力の不足分を供給することができる。
【0049】
この図2のように、ブロックB22内の制御回路K2のオン制御・オフ制御の周波数がブロックB12内の制御回路K1のオン制御・オフ制御の周波数より高い制御には駆動対象がモータにおけるPWM制御法がある。この制御法では、制御回路K1はオン制御を長期間行い、ブロックB22内の制御回路K2が行うオン制御・オフ制御によって低電位側トランジスタQ2を高周波スイッチングすることによって、モータの制御上極めて有効な結果を得られる場合がある。なお、ブロックB22内の低電位側トランジスタQ2が高周波スイッチングすればよく、ブロックB22内の高電位側トランジスタQ1は必ずしも高周波スイッチングする必要はない。
【0050】
また、ブロックB22内の低電位側トランジスタQ2が高周波スイッチングしてもブロックB22内の出力端子OUTの電位は変化するとは限らない。この理由は、例えばブロックB22内の高電位側トランジスタQ1が高周波スイッチングしないとき、ブロックB22内の出力端子OUTが低電位V−の電位になった後は駆動対象が出力端子OUTへ影響を及ぼすことによって、低電位側トランジスタQ2が高周波スイッチングしても出力端子OUTの電位が変化しないことがあるからである。しかし、ブロックB12内の出力端子OUTの電位が低電位V−より非常に高い電位であって、かつブロックB12内の制御回路K1がオン制御を行うときには、ブロックB12内の出力端子OUTからブロックB22内の出力端子OUTへ駆動対象を介して電流が流れるため、ブロックB22内の出力端子OUTの電位が変化し、この電位変化の交流成分は、コンデンサC21を介して制御回路K1へ流れる。したがって、ブロックB12内のQ1がオン制御を長期間行い、ブロックB22内の低電位側トランジスタQ2が高周波スイッチングする期間において、コンデンサC21はコンデンサC1に電力を補助的に供給することができる。
【0051】
IGBTは、ゲート・エミッタ間電圧が変化するとき寄生容量の充放電によって電力を消費するが、ゲート・エミッタ間電圧が一定のときこの電力の消費は殆どない。また、制御回路は、一般にオン制御からオフ制御又はオフ制御からオン制御を行うときオン制御又はオフ制御を保つときよりも電力を多く消費する。したがって、オン制御からオフ制御又はオフ制御からオン制御を行うときよりもオン制御又はオフ制御を保つときの方が電力消費は少なくて済む。したがってコンデンサC21の補助があれば、制御回路K1がオン制御を長期間行う場合に、コンデンサC1の電荷量を長期間維持するのは十分可能である。
【0052】
このように、コンデンサC21はコンデンサC1の補助的な役割を果たすため、コンデンサC21の容量はコンデンサC1より大きくする必要はない。したがって、コンデンサC21は容量が小さい安価なものを適用できる。特にオン制御又はオフ制御を保つときの制御回路K1の消費電力が少なくなるように設計しておくことによって、コンデンサC21の容量はさらに小さいものを適用できる。
【0053】
なお、ブロックB22内の低電位側トランジスタQ2を高周波スイッチングする場合、例えば図2のt2〜t4では、ブロックB12内のコンデンサC1が充電されているためにブロックB22からブロックB12へ電力の供給が不要であるが、ブロックB22からブロックB12へコンデンサC21を介して電力が無駄に供給される。しかし、上述のように、コンデンサC21の容量は小さいものを適用すれば、コンデンサC21が消費する無駄な電力を低減できる。
【0054】
実施の形態2.
図3は本発明の実施の形態2における駆動回路を示す回路図である。実施の形態3は3相を出力する駆動回路である。実施の形態2に適用される3相用の駆動対象としては回転機等がある。
【0055】
まず、実施の形態2の駆動回路の構成を説明する。実施の形態2の駆動回路は、実施の形態1の駆動回路に第3相に関わるブロックB31及びB32、コンデンサC31、C32、C23、C13、抵抗R31、R32、R23、R13を加えたものである。
【0056】
コンデンサC31は、一端が抵抗R31を介してブロックB32内の高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2の接続点に接続され、他端がダイオードD1及びダイオードD2の接続点に接続されている。コンデンサC32は、一端が抵抗R32を介してブロックB32内の高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2の接続点に接続され、他端がダイオードD1及びダイオードD2の接続点に接続されている。コンデンサC23は、一端が抵抗R23を介してブロックB22内の高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2の接続点に接続され、他端がダイオードD1及びダイオードD2の接続点に接続されている。コンデンサC13は、一端が抵抗R13を介してブロックB12内の高電位側トランジスタQ1及び低電位側トランジスタQ2の接続点に接続され、他端がダイオードD1及びダイオードD2の接続点に接続されている。
【0057】
ブロックB31及びB32のその他の内部構成はブロックB11及びB12又はブロックB21及びB22と同様である。
【0058】
実施の形態2では、ブロックB12、ブロックB22及びブロックB32のうちの特定の1つが第1ブロックであり、他の特定の1つが第2ブロックである。ブロックB11、B21及びB31のそれぞれはブートストラップ回路を含む電源回路を構成する。ブートストラップ回路は、ブロックB11については、整流手段REC、コンデンサC1(第1コンデンサ)、C21(第2コンデンサ)、C31(他の第2コンデンサ)、抵抗R1、R21、R31によって構成され、ブロックB21及びB31も同様である。
【0059】
このように、実施の形態2の駆動回路は各相について対称的に構成されている。
【0060】
次に、実施の形態1の駆動回路の動作を説明する。各ブロック内の動作は、実施の形態1と同様である。
【0061】
例えば、第1相に関わるブロックB11及びブロックB12に着目すると、ブロックB12内の制御回路K1がオン制御を行っているとき、ブロックB22又はブロックB32の少なくとも一方の制御回路K2がオン制御及びオフ制御を繰り返し行えば、コンデンサC31又はコンデンサC21の少なくとも一方から電力が供給される。したがって、ブロックB12内の制御回路K1に供給される電力は、実施の形態1よりも充分になる。
【0062】
変形例.
実施の形態1及び2ではそれぞれ2相、3相の駆動回路に適用した場合を示したが、4相以上の駆動回路に適用してもよい。
【0063】
また、実施の形態2では、ある相に関わるブロックは、他の相に関わるブロック全てから電力が供給されている。実施の形態2を含み3相以上の駆動回路の場合、ある相に関わるブロックは、他の全ての相に関わるブロック全てのうち少なくとも1つのブロックから電力が供給されていてもよい。例えば、図3において、コンデンサC21及び抵抗R21を省略してもよい。
【0064】
また、実施の形態1及び2では、各相に関わる複数のブロックはそれぞれ他の相に関わるブロックから電力が供給されているが、少なくとも1つの相に関わるブロックが他の相に関わるブロックから電力が供給されていればよい。例えば、図3において、コンデンサC21、抵抗R21、コンデンサC31及び抵抗R31を省略してもよい。
【0065】
実施の形態1及び2では、IGBTを用いたが、これに代えてバイポーラトランジスタ、MOSトランジスタを用いても良い。
【0066】
【発明の効果】
本発明請求項1によると、第1コンデンサによって電力が高電位側トランジスタへ第1制御手段を介して供給されることによって高電位側トランジスタはオンすることができるが、第1コンデンサが電力を供給できなくても、第2コンデンサから電力が供給される場合があるため、高電位側トランジスタはオンすることができ、駆動回路が正常に動作することが図れ、容量の大きい高価なコンデンサを電源回路に適用せずに済むという効果を奏す。
【0067】
本発明請求項2によると、第1コンデンサに充電された電荷が第2コンデンサに流れ込むことを防止できるため、第1コンデンサから第1制御手段へ供給される電荷が低減されることを防止できるという効果を奏す。
【0068】
本発明請求項3によると、充電の際に大電流が第2コンデンサに流れ込むことによって生じるノイズを低減できるため、駆動回路の誤動作を防止できるという効果を奏す。
【0069】
本発明請求項4によると、第1ブロック内の第1制御回路が高電位側トランジスタをオンさせているときに第2ブロック内の第2制御回路が高周波で駆動することによって第2ブロック内の出力点の電位が変動する。これによって、第2ブロックから第1ブロック内の高電位側トランジスタへ第2コンデンサを介して電力を供給することができるという効果を奏す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における駆動回路を示す回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1における駆動回路の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】本発明の実施の形態2における駆動回路を示す回路図である。
【図4】従来の駆動回路を示す回路図である。
【図5】従来の駆動回路の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
K1,K2 制御回路、REC 整流手段。
Claims (4)
- 直流から複数相の交流を生成して駆動対象へ出力する駆動回路であって、
高電位・低電位間に直列に接続された高電位側トランジスタ及び低電位側トランジスタ、前記高電位側トランジスタの制御端子に接続されオン制御及びオフ制御を行うための第1制御手段、前記低電位側トランジスタの制御端子に接続されオン制御及びオフ制御を行うための第2制御手段を含み、前記高電位側及び低電位側トランジスタの接続点の電位を前記複数相のうちの一相として出力する第1ブロックと、
高電位・低電位間に直列に接続された高電位側トランジスタ及び低電位側トランジスタ、前記高電位側トランジスタの制御端子に接続されオン制御及びオフ制御を行うための第1制御手段、前記低電位側トランジスタの制御端子に接続されオン制御及びオフ制御を行うための第2制御手段を含み、前記高電位側及び低電位側トランジスタの接続点の電位を前記複数相のうちの他の一相として出力する第2ブロックと、
前記第1ブロックの前記第1及び第2制御手段に電源を供給するための電源回路と、を備え、
前記電源回路は前記第1ブロックの前記第1制御手段に接続されたブートストラップ回路を含み、
前記ブートストラップ回路は、
前記一相の出力点に一端が接続された第1コンデンサと、
前記他の一相の出力点に一端が接続された第2コンデンサと、
を備え、
前記第2コンデンサの電荷を前記第1コンデンサに補充可能な駆動回路。 - 前記ブートストラップ回路は、前記第2コンデンサの他端から前記第1コンデンサの他端方向へ電流の流れを強制する整流手段をさらに備えた請求項1記載の駆動回路。
- 前記ブートストラップ回路は、前記第2コンデンサの一端と前記他相の出力点との間に接続された抵抗をさらに備えた請求項1又は2記載の駆動回路。
- 前記第1ブロック内の前記第1制御手段は比較的低い周波数で駆動され、前記第2ブロック内の前記第2制御手段は比較的高い周波数で駆動される請求項1記載の駆動回路。
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