JP3606994B2 - 出力電流制限回路及び出力電流制限回路における出力電流調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流安定化電源等の電源回路における出力電流を制限する回路に係り、特に、半導体集積回路、いわゆるICに構成された電源回路の出力電流を制限する回路において調整方法の簡素化及び信頼性の向上を図った出力電流制限回路及びその調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路技術、いわゆるIC技術の向上に伴い、従来、トランジスタ、抵抗等の個々の電子部品を用いていわゆるディスクリートに構成されていた直流安定化電源回路等の電源回路もIC化されたものが十分に実用に供されている。
このようなIC化された安定化電源回路、例えば、入力と出力との間に、出力電圧の変動分を検出してその両端の電圧を変化させるいわゆるドロッパ素子としてトランジスタが直列に接続されてなるシリーズレギュレータと称され公知・周知の電源回路においては、ICの電気的破壊を防止する観点から、特に、出力段における出力電流の制限が不可欠である。
【0003】
例えば、図6には、出力電流の制限回路の公知・周知の構成例が示されており、同図を参照しつつこの構成例について説明すれば、出力トランジスタ30のエミッタは、電流検出用抵抗31を介して出力端子32に接続されると共に、電流検出用トランジスタ33のベースに接続されている。
そして、電流検出用トランジスタ33のエミッタは、先の出力端子32に接続される一方、コレクタは出力トランジスタ30のベースに接続されており、何らかの原因により、出力トランジスタ30に所定値以上の出力電流が流れると、この所定値以上の出力電流により生ずる電流検出用抵抗31の電圧降下により、電流検出用トランジスタ33が導通状態となる。その結果、出力トランジスタ30のベース電位が引き下げられ、出力トランジスタ30を流れる出力電流が抑制されて、これにより、所定値以上の出力電流による出力トランジスタ30の破壊が防止されるようになっているものである。
【0004】
また、上述のように出力トランジスタのエミッタと出力端子との間に抵抗を接続し、この抵抗における電圧降下の変化により出力電流の異常を検出し、異常が検出された際には、出力トランジスタのベース電流の流入を抑制するような制御回路を設け、異常な出力電流の流出を防止するようにしたものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような構成の出力電流制限回路において用いられる電流検出用抵抗としては、例えば、被検出電流の大きさが1Aである場合、0.5乃至1Ω程度のものが用いられることが多いが、このような抵抗をIC内に設けようとすると、IC製造のプロセス上の制限からIC内での面積が比較的大となると共に、抵抗値の絶対精度が得難いため、電流検出用抵抗のトリミングのための薄膜抵抗やツェナーダイオード等の追加要素が必要となり、これらの面積も大となるために、ICの小型化を阻害することとなり、実用的ではないという問題があった。
【0006】
さらに、加えて、電流検出用抵抗のトリミングは、ICのウエハー状態での試験工程においてなされる必要があるが、上述したような従来回路の場合、出力電流を実際に流した状態でのトリミングを行うものであるため、試験工程においてIC外部に接続される試験用の出力負荷等との接続部分における接触抵抗や発熱の影響を受け易く、このため、試験後、すなわち、IC完成後における最大出力電流の精度の信頼性、再現性が十分なものではなくなることがあるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、調整後の出力電流の制限が精度良く行われ、再現性、信頼性の高い出力制限回路及び出力電流制限回路における出力電流調整方法を提供するものである。
また、本発明の他の目的は、出力トランジスタに実際に最大電流を流すことなく調整可能な出力電流調整方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係る出力電流制限回路は、
コレタクには電源電圧が印加され、エミッタは外部で負荷が接続された出力端子に接続され、ベースに印加される入力信号に応じた増幅電流を出力する出力トランジスタを有する出力回路における出力電流制限回路であって、
ベースが前記出力トランジスタのベースに接続され、コレクタには抵抗を介して電源電圧が印加され、エミッタは外部で前記出力端子と共に前記負荷に接続された外部接続端子に接続され、かつ、前記出力トランジスタに比して小さな増幅度を有する電流検出用トランジスタと、
前記電流検出用トランジスタに所定値以上の電流が流れたことを検出し、前記出力トランジスタの増幅動作を停止又は抑制する信号を出力する比較器と、を具備してなるものである。
【0009】
特に、比較器は、一方の入力端子が前記電流検出用トランジスタのコレクタに接続され、他方の入力端子には所定の基準電圧が印加され、出力端子は前記出力トランジスタのベース側に接続されると共に外部で電圧計の接続を可能とする電圧計接続端子に接続され、前記一方の入力端子の入力電圧が基準電圧以下となった際に前記出力トランジスタの増幅動作を停止又は抑制する信号を出力する比較器と、を具備してなるものが好適である。
【0010】
かかる構成においては、電流検出用トランジスタの電流値の大小に応じて、比較器によって出力トランジスタの増幅動作の停止又は抑制がなされるようになっており、出力トランジスタに流れる大電流を直接検出することなしに出力電流の制限が可能となり、その結果、調整も電流検出用トランジスタの電流を基準にして行うことが可能となるものである。
すなわち、出力トランジスタの増幅動作を停止又は抑圧する際の出力トランジスタに流れる電流に対応して電流検出用トランジスタに流れる電流を予め把握しておけば、この電流に対して比較器の動作点を調整すればよいこととなり、従来に比して調整が容易な回路が提供されるものである。
【0011】
請求項3記載の発明に係る出力電流制限回路における出力電流調整方法は、上述したような構成における出力電流制限回路の出力電流調整方法であって、
出力端子に第1の電流計を介して負荷を接続すると共に、外部接続端子に第2の電流計を介して前記負荷を接続し、出力トランジスタのベースに適宜な信号を印加して、前記第1及び第2の電流計により測定されるそれぞれの電流から出力トランジスタに流れる電流に対する電流検出用トランジスタに流れる電流の比kを求める第1のステップと、
前記出力トランジスタの動作を停止又は抑制状態とする場合の前記出力トランジスタにおける所望の最大出力電流値をIOMAXとした際、この電流IOMAXが出力トランジスタに流れた際に電流検出用トランジスタに流れる電流ISETを、前記第1のステップで求められた電流比kを用いて、ISET=k・IOMAXとして算出する第2のステップと、
出力端子を解放状態とし、電圧計接続端子には電圧計を接続すると共に、外部接続端子からアースへ前記第2のステップで求められた電流ISETが流れ出るようにした状態において、比較器の出力が出力トランジスタの動作を停止又は抑制する状態となるように前記電圧計の変化を監視しつつ、比較器の一方の入力端子に印加される基準電圧を調整する第3のステップと、からなるものである。
【0012】
かかる調整方法においては、出力トランジスタに、その増幅動作の停止又は抑制の基準となる最大出力電流を流すことなく、適宜な電流を流した際の電流検出用トランジスタに流れる電流を求め、この際の両者の電流比を基に、出力トランジスタに最大出力電流が流れる際の電流検出用トランジスタにおける電流が演算により求められる。
そして、この演算により求めた電流を電流検出用トランジスタに流した状態で、出力トランジスタには電流を流すことなく、比較器の動作点を調整することで、出力トランジスタに最大出力電流を越える電流が流れようとした際に、比較器により出力トランジスタの増幅動作が停止又は抑制される状態とすることができ、従来と異なり、出力トランジスタに最大出力電流を流した状態での調整を必要としないので、大電流測定時の接触抵抗等の誤差要因を排除することができ、精度、再現性の良い出力電流調整方法が提供されることとなるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図5を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0014】
まず、図1を参照しつつ、この発明の実施の形態における出力電流制限回路の基本的構成例について説明する。
この出力電流制限回路S1は、例えば、IC化された直流安定化電源回路の出力段を構成するもので、出力トランジスタ1は、そのコレクタが電源ライン6を介して電源端子5に接続されており、この電源端子5を介して外部から電源電圧Vccが印加されるようになっている。また、出力トランジスタ1のエミッタは、出力端子3に接続されており、この出力端子3を介して外部で外部負荷Zが接続されるようになっている。
【0015】
また、この出力トランジスタ1のベースには、電流検出用トランジスタ2のベースが接続されており、図示されない前段の回路に接続されるようになっている。
電流検出用トランジスタ2のコレクタは、抵抗7を介して電源端子5に接続される一方、エミッタは電流検出端子4に接続されている。そして、この電流検出端子4は、先の出力端子3と共に、外部負荷Zの一端に接続されるようになっている。なお、外部負荷Zの他端は、アースに接続されるようになっているものである。
ここで、出力トランジスタ1と電流検出用トランジスタ2は、同一の規模のものではなく、例えば、100:1程度の比をもってなるものが好適である。
【0016】
さらに、出力トランジスタ1のベースには、比較器8の出力端子が接続されると共に、この出力端子は電圧計接続端子9に接続されており、後述するように、出力電流値の調整の際には、この電圧計接続端子9を介して電圧計が外部で接続されるようになっている。
比較器8は、一方の入力端子には基準電圧VREFが印加され、他方の入力端子には上述した電流検出用トランジスタ2のコレクタが接続されるようになっており、抵抗7における電圧降下と基準電圧VREFとの比較結果に応じた信号を出力トランジスタ1及び電流検出用トランジスタ2のベース側へ出力するようになっている(詳細は後述)。
【0017】
かかる構成における動作の概略を説明すれば、前段の図示されない回路から出力トランジスタ1のベースに信号が印加されると、出力トランジスタ1の増幅作用によりベースへの入力信号の大きさに応じた出力電流が出力用端子3を介して外部負荷Zへ流れることとなる。
このとき、電流検出用トランジスタ2のエミッタ側からも同様に、そのベースに印加された入力信号に応じた電流が電流検出端子4を介して外部負荷Zへ出力されることとなり、抵抗7には、この電流検出用トランジスタ2のコレクタ側に流れた電流に応じた電圧降下が生じることとなる。
【0018】
出力トランジスタ1からの出力電流が所定値以下である場合、すなわち、電流検出用トランジスタ2の出力電流が所定値以下である場合、抵抗7における電圧降下も所定値以下となる。
比較器8においては、電流検出用トランジスタ2の電圧降下が上述のように所定値以下である場合には、基準電圧VREFを下回ることのないように予め設定されており、かかる場合、その出力はOFF状態となるようになっている。したがって、比較器8が出力トランジスタ1に何等影響を及ぼすことはないようになっている。
【0019】
一方、何らかの原因(例えば、出力端子がアースに接続される等)により、出力トランジスタ1に所定値以上の出力電流が流れた場合、電流検出用トランジスタ2においても、所定値以上の電流が流れ、抵抗7における電圧降下が所定値以上となる。
抵抗7における電圧降下が所定値以上となることで、比較器8における一方の入力端における電圧は、基準電圧VREF以下となり、比較器8からは、負の所定電圧が出力されることとなる。その結果、出力トランジスタ1のベース電位が引き下げられ、出力トランジスタ1に所定値以上の電流が流れることが停止又は抑制されるようになっている。
【0020】
次に、図2及び図3並びに図4を参照しつつ、上述のように比較器8を動作させ出力トランジスタ1に所定値以上の出力電流が流れないようにするための出力電流調整方法について説明する。
まず、出力トランジスタ1と電流検出用トランジスタ2との正確な電流比を求める。
一般に、IC内部に構成される素子の比精度は良好であるが、比が10:1以上となると誤差が大となる傾向がある。この実施の形態における出力トランジスタ1と電流検出用トランジスタ2の大きさの比は、先に述べたように、100:1に設定されているため、誤差を有する可能性があるので、次のようにしてその電流比を正確に求める。
【0021】
最初に、出力端子3と外部負荷Zとの間に第1の電流計A1を接続すると共に、電流検出端子4と外部負荷Zとの間に第2の電流計A2を接続する(図2参照)。また、電源端子5には、電源電圧Vccを印加する(図4のステップ100参照)。
そして、出力トランジスタ1のベースに、適宜な大きさ(出力トランジスタ1に最大出力電流が流れない範囲)の入力信号を印加し、その際の第1の電流計A1及び第2の電流計A2による計測電流を記録する(図4のステップ102参照)。
ここで、第1の電流計A1により電流Io1が、第2の電流計A2により電流Io2が、それぞれ計測されたとすると、出力トランジスタ1の電流に対する電流検出用トランジスタ2の電流の比kは、k=Io2/Io1と表される(図4のステップ104参照)。
【0022】
そして、出力トランジスタ1の増幅動作を停止又は抑制させる基準となる所望の最大出力電流を仮に、IOMAXとすれば、この最大出力電流が生じた際の電流検出用トランジスタ2に流れる電流ISETは、上述の電流比kを用いて、ISET=k・IOMAXと求められる(図4のステップ106参照)。
次に、外部接続を変える。すなわち、出力端子3は解放状態とし、電源電圧Vccの印加はそのままとする。
また、電圧計接続端子9とアース間に電圧計を接続する一方、電流検出端子4とアース間には、上述のようにして求めた電流ISETを流すことのできる定電流源10を接続し、電流検出用トランジスタ2から電流検出端子4及び定電流源10を介してアースへ向かって電流ISETが流れる出るようにする(図3及び図4のステップ108参照)。
【0023】
そして、予め低めに設定されていた比較器8の基準電圧VREF(図1参照)の大きさを徐々に上げてゆき、ある電圧のところで比較器8が動作状態となることを電圧計Vにより確認し、この時点で基準電圧の調整を終えることとなる(図4のステップ108参照)。
結局、このときの基準電圧VREFの大きさが、出力トランジスタ1に最大出力電流が流れた際、すなわち、電流検出用トランジスタ2に電流ISETが流れた際、抵抗7に所定値以上の電圧降下が生じ、電流検出用トランジスタ2のコレクタに接続された比較器8の一方の入力電圧が基準電圧VREF以下となり比較器8から所定の出力電圧が出力されるようにするものとなる。
【0024】
なお、比較器8が所定の電圧を出力して動作状態となったことは、電圧計Vによる確認の他に、電流検出端子4における電圧の変化により確認することも可能である。
このように、上述した調整方法によれば、出力端子3に実際に最大出力電流を流すことなく、この最大出力電流以上の電流が流れないようにするため、比較器8により出力トランジスタ1の動作を停止又は抑制する際の電流検出用トランジスタ2の電流値、比較器8の動作点を決定することができることとなる。
【0025】
次に、図5を参照しつつ図1に示された基本的構成例に基づく具体回路例について説明する。なお、図1に示された構成要素と同一のものについては、同一の符号を付して詳細な説明は省略することとし、以下、異なる点を中心に説明することとする。
出力トランジスタ1のベースと電源ライン6との間には、出力トランジスタ1の動作点を定めるためにベースへバイアス電流を流すための定電流源15が接続されると共に、後述するように比較器8の動作により出力トランジスタ1による電流出力を停止させる際に、定電流源15から出力トランジスタ1へのバイアス電流の流入を阻止するための制御トランジスタ16が、そのコレクタ側が出力トランジスタ1のベースに、そのエミッタ側が電源ライン6に、それぞれ接続されるようにして定電流源15に対して並列接続されている。
【0026】
なお、出力トランジスタ1と電流検出用トランジスタ2との大きさの比は、図1に示された構成例と同様100:1と、電流検出用トランジスタ2が出力トランジスタ1に対して小さく設定されている。
【0027】
比較器8は、いわゆるカレントミラー回路を用いた差動増幅回路を中心に構成されたものとなっている。
すなわち、ベースとコレクタとの接続によりいわゆるダイオード接続状態のnpnトランジスタ17とnpnトランジスタ18のベースとが互いに接続されると共に、各々のエミッタが接地されて、この2つのnpnトランジスタ17,18はいわゆるカレントペアとなっている。
【0028】
一方、互いのエミッタが接続され、このエミッタと電源ライン6との間に定電流源19が接続された2つのpnpトランジスタ20,21が設けられており、一方のpnpトランジスタ20のコレクタが先の一方のnpnトランジスタ17のコレクタに、他方のpnpトランジスタ21のコレクタが先の他方のnpnトランジスタ18のコレクタに、それぞれ接続される一方、pnpトランジスタ20のベースは基準電圧回路22へ、pnpトランジスタ21のベースは電流検出用トランジスタ2のコレクタへ、それぞれ接続されている。
【0029】
そして、npnトランジスタ18のコレクタには、出力用npnトランジスタ23のベースが接続されている。この出力用npnトランジスタ23は、そのエミッタがアースに接続される一方、コレクタは抵抗24を介して制御トランジスタ16のベースに接続されて比較器8としての出力信号が得られるようになっている。
なお、上述の構成における比較器8の具体的な入力電圧範囲は、入力段がいわゆるシングルpnp型であるために、Vcc−0.8V程度まで可能となっており、抵抗7は、この入力電圧範囲との関係から100Ω程度となっている。
そして、抵抗7は、この程度の大きさであるため、IC内部に形成し易いという利点を有する。
【0030】
基準電圧回路22は、図1における基準電圧VREFを発生するためのもので、基本抵抗25と、定電流源26と、複数の抵抗28が並列接続されてなる集合抵抗器27と、から構成されてなるものである。
すなわち、この基準電圧回路22は、電源ライン6とアース間には、基本抵抗25と定電流源26とが直列接続される一方、基本抵抗25には並列に集合抵抗器27が接続されてなり、基本抵抗25と集合抵抗器27との合成抵抗に生ずる電圧降下を基準電圧VREFとして先の比較器8のpnpトランジスタ20のベースに印加するように構成されているものである。
なお、基本抵抗25は、抵抗7と同一の種類のものを用いるようにすることで、基準電圧回路22による基準電圧を温度依存性の少ないものとすることが可能である。
【0031】
集合抵抗器27は、複数の抵抗28が並列接続されてなるもので、基準電圧VREFの調整の際、抵抗28を適宜切り離して、所望の基準電圧VREFが得られるように用いられるものである。
すなわち、集合抵抗器27の各抵抗28の一端は電源ライン6に接続される一方、他端は定電流源26を介してアースに接続されるようになっている。
【0032】
上記構成における動作を説明すれば、まず、制御トランジスタ16のベースに正常な入力信号(出力トランジスタ1に流れる電流が予め定められた最大出力電流を越えない範囲の入力信号)が印加されている状態において、出力トランジスタ1が有する増幅度に応じた電流(最大出力電流よりも小さな電流)が、出力トランジスタ1のエミッタ側から外部負荷Zに対して供給されることとなり、同時に電流検出用トランンジスタ2からも、この電流検出用トランジスタ2と出力トランジスタ1との大きさの比に応じた電流がそのエミッタ側から外部負荷Zに対して供給されることとなる。
【0033】
出力トランジスタ1における出力電流値が最大出力電流を越えないものであるため、電流検出用トランジスタ2の出力電流も所定値以下であり、抵抗7における電圧降下は、所定値以下となる。このため、比較器8の一方の入力端子、すなわち、pnpトランジスタ21のベースに印加される電圧は、他方のpnpトランジスタ20のベース電圧として印加されている基準電圧VREFより大となる。
【0034】
したがって、ベースに基準電圧VREFが印加されているpnpトランジスタ20と、npnトランジスタ17が導通状態となる一方、ベースが電流検出用トランジスタ2に接続されているpnpトランジスタ21とnpnトランジスタ18は非導通状態となる。このため、出力用npnトランジスタ23のベース電位は略零となり、出力用npnトランジスタ23は非動作状態となるため、制御トランジスタ16のベースに対して何等の影響を及ぼすことがなく、制御トランジスタ16のベースに図示されない回路から入力された信号に応じた電流が出力トランジスタ1から得られることとなる。
【0035】
一方、外部負荷Zが短絡される等により、出力トランジスタ1から予め定めた最大出力電流以上の電流が出力された場合、電流検出用トランジスタ2にも対応した電流が流れる結果、抵抗7における電圧降下が所定値以上となり、比較器8を構成するpnpトランジスタ21のベース電圧は、他方のpnpトランジスタ20のベース電圧(基準電圧VREF)を下回ることとなる。
【0036】
このため、比較器8においては、上述した正常時とは逆に、ベースが電流検出用トランジスタ2のコレクタに接続されたpnpトランジスタ21とnpnトランジスタ18とが導通状態となるため、出力用npnトランジスタ23が動作状態となり、抵抗24における電圧降下により、制御トランジスタ16のベース電圧が引き上げられる結果、制御トランジスタ16が略非動作状態とされるため、この制御トランジスタ16を介しての出力トランジスタ1のベースへの図示されない回路からの入力信号の印加が断たれることとなり、出力トランジスタ1における最大出力電流の発生が停止、抑制されることとなる。
【0037】
上記構成において、出力トランジスタ1に最大出力電流を流さないようにするための比較器8の基準電圧VREFの調整方法は、先に図1乃至図4を参照しつつ説明したと基本的に同一であるので、ここでは、図4を参照しつつ概略的な説明に留め、詳細な説明は省略することとする。
まず、出力端子3と外部負荷Zとの間、電流検出端子4と外部負荷Zとの間、それぞれに電流計を接続し、出力トランジスタ1において最大出力電流を越えない電流が流れる状態で、出力トランジスタ1及び電流検出用トランジスタ2のそれぞれの出力電流を計測し、電流比kを求める(図4のステップ100乃至104参照)。
【0038】
次いで、出力トランジスタ1に最大出力電流が流れる際の、電流検出用トランジスタ2に流れる電流ISETを演算により求める(図4のステップ106参照)。 そして、出力端子3を解放状態とする一方、電圧計接続端子9に電圧計を接続し、電流検出端子4とアース間には、電流ISETを流せる定電流源を接続した状態で、電圧計接続端子9に接続された電圧計の電圧変化を見ながら、集合抵抗器27の抵抗28を適宜切り離して基準電圧VREFの大きさを調整して、比較器8の出力が制御トランジスタ16を非動作状態とする状態となるようにすることで、出力トランジスタ1に最大出力電流以上の電流が流れた際に、比較器8により即座にその動作状態が停止、抑制されるようにすることができる。
【0039】
なお、上述した発明の実施の形態においては、トランジスタとして、バイポーラトランジスタを用いたが、これに代えて電界効果トランジスタを用いるようにしても良い。この場合、電界効果トランジスタのドレインは、バイポーラトランジスタのコレクタに、電界効果トランジスタのソースは、バイポーラトランジスタのエミッタに、電界効果トランジスタのゲートは、バイポーラトランジスタのベースに対応させるようにする。
【0040】
【発明の効果】
以上、述べたように、本発明によれば、出力トランジスタに所定値以上の電流が流れないように出力トランジスタの動作を停止又は抑制させる動作の調整を、出力トランジスタを動作停止又は抑制する際の電流を実際に流すことなくできるよう構成することにより、出力トランジスタに大電流を実際に流す必要がないので、大電流が流れた際に生じる接触抵抗等の誤差要因が調整の際に排除されることとなり、調整後の出力電流の制限が精度良く行われ、再現性、信頼性の高い出力制限回路及び出力電流制限回路における出力電流調整方法が提供される。
【0041】
また、出力電流制限回路をICとして構成する場合であっても、比較器の基準電圧を設定する抵抗として比較的精度良いものをIC内に設けることはいわゆるICの製造技術により容易であるので、本調整方法の精度、再現性の良さと相俟って出力トランジスタにおけるより精度の高い最大出力電流の設定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における出力電流制限回路の基本的構成例を示す基本回路図である。
【図2】本発明の実施の形態における出力電流調整方法に必要な外部接続を示す回路図である。
【図3】本発明の実施の形態における出力電流調整方法に必要な外部接続を示す回路図である。
【図4】本発明の実施の形態における出力電流調整方法の手順を示すフローチャートである。
【図5】
図1に示された基本的構成に対応したより具体的な回路構成例を示す回路図で
ある。
【図6】出力電流の制限回路の公知、周知の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
1…出力トランジスタ
2…電流検出用トランジスタ
3…出力端子
4…電流検出端子
5…電源端子
7…抵抗
8…比較器
9…電圧計接続端子
Claims (3)
- コレタクには電源電圧が印加され、エミッタは外部で負荷が接続された出力端子に接続され、ベースに印加される入力信号に応じた増幅電流を出力する出力トランジスタを有する出力回路における出力電流制限回路であって、
ベースが前記出力トランジスタのベースに接続され、コレクタには抵抗を介して電源電圧が印加され、エミッタは外部で前記出力端子と共に前記負荷に接続された外部接続端子に接続され、かつ、前記出力トランジスタに比して小さな増幅度を有する電流検出用トランジスタと、
前記電流検出用トランジスタに所定値以上の電流が流れたことを検出し、前記出力トランジスタの増幅動作を停止又は抑制する信号を出力する比較器と、
を具備してなることを特徴とする出力電流制限回路。 - 比較器は、一方の入力端子が前記電流検出用トランジスタのコレクタに接続され、他方の入力端子には所定の基準電圧が印加され、出力端子は前記出力トランジスタのベース側に接続されると共に外部で電圧計の接続を可能とする電圧計接続端子に接続され、前記一方の入力端子の入力電圧が基準電圧以下となった際に前記出力トランジスタの増幅動作を停止又は抑制する信号を出力することを特徴とする請求項1記載の出力電流制限回路。
- 請求項2記載の出力電流制限回路の出力電流調整方法であって、
出力端子に第1の電流計を介して負荷を接続すると共に、外部接続端子に第2の電流計を介して前記負荷を接続し、出力トランジスタのベースに適宜な信号を印加して、前記第1及び第2の電流計により測定されるそれぞれの電流から出力トランジスタに流れる電流に対する電流検出用トランジスタに流れる電流の比kを求める第1のステップと、
前記出力トランジスタの動作を停止又は抑制状態とする場合の前記出力トランジスタにおける所望の最大出力電流値をIOMAXとした際、この電流IOMAXが出力トランジスタに流れた際に電流検出用トランジスタに流れる電流ISETを、前記第1のステップで求められた電流比kを用いて、ISET=k・IOMAXとして算出する第2のステップと、
出力端子を解放状態とし、電圧計接続端子には電圧計を接続すると共に、外部接続端子からアースへ前記第2のステップで求められた電流ISETが流れ出るようにした状態において、比較器の出力が出力トランジスタの動作を停止又は抑制する状態となるように前記電圧計の変化を監視しつつ、比較器の一方の入力端子に印加される基準電圧を調整する第3のステップと、
からなることを特徴とする出力電流制限回路の出力電流調整方法。
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