JP3606862B2 - 透過型スクリーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はビデオプロジェクタやスライドプロジェクタ等の背面投射式のプロジェクタに主として用いられる透過型スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の透過型スクリーンとしては、ポリメチルメタクリレート等の合成樹脂材料を基材としたレンチキュラーレンズシートを単独または他のレンズシートと組み合わせて用いる透過型スクリーンが知られている。このような透過型スクリーンにおいては、例えばCRT等の光源により映像光を投影して観察していた。
【0003】
近年、光源としては、CRTの代わりに液晶プロジェクタやライトバルブ等の投射瞳の小さい投影管が用いられるようになってきている。しかしながら、従来の透過型スクリーンでは、このような投射瞳の小さい投影管を用いた場合に、シンチレーションまたはスペックルと呼ばれる映像のちらつきが現れるという問題がある。
【0004】
なお、このような問題を解決するための従来の方法としては、レーザ光源によりスクリーン上を走査する方法(特許文献1参照)や、スクリーンを振動させる方法(非特許文献1参照)、およびレンズシートに拡散剤を多量に添加する方法等が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−173094号公報
【非特許文献1】
J.Opt.Soc.Am. Vol.66, No.11, Nov.1976, “Speckle−free rear−projection screen using two close screens in slow relative motion”
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術では、シンチレーション等の映像のちらつきを防止するためにプロジェクタ本体の変更や付加装置が必要となり、また拡散剤を多量に添加する場合にはゲインの低下や不必要な解像度の低下が発生するという問題がある。
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、投射瞳の小さい投影管を用いる場合であっても、付加装置が必要なく、またゲインの低下や解像度の低下を最小限にとどめたままで、シンチレーション等の映像のちらつきを防止することができる透過型スクリーンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光の集光または拡散等の光学的機能を有する複数のレンズシートまたは光学シートを備えた透過型スクリーンにおいて、光源側及び当該光源側よりも観察側に位置するレンズシートまたは光学シートはそれぞれ、拡散性微粒子を含む少なくとも一つの拡散部を有し、前記光源側に位置するレンズシートまたは光学シートはその出光面側に、拡散性微粒子を含まない非拡散部を有し、前記観察側に位置するレンズシートまたは光学シートはその入光面側に、拡散性微粒子を含まない非拡散部を有し、前記複数のレンズシートまたは光学シートを備えた透過型スクリーンは全体として、前記複数のレンズシートまたは光学シートの前記非拡散部を介して互いに離間された複数の拡散部を有し、前記光源側に位置するレンズシートまたは光学シートの前記拡散部は、前記観察側に位置するレンズシートまたは光学シートの前記拡散部に比べて光の拡散の度合いが小さいことを特徴とする透過型スクリーンを提供する。
【0009】
また、本発明は、フレネルレンズシートと、レンチキュラーレンズシートとを備え、前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズシートはそれぞれ、拡散性微粒子を含む少なくとも1つの拡散部を有し、前記フレネルレンズシートはその出光面側に、拡散性微粒子を含まない非拡散部を有し、前記レンチキュラーレンズシートはその入光面側に、拡散性微粒子を含まない非拡散部を有し、前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズシートを備えた透過型スクリーンは全体として、前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズシートの前記非拡散部を介して互いに離間された複数の拡散部を有し、光源側に配置された前記フレネルレンズシートの前記拡散部は、観察側に配置された前記レンチキュラーレンズシートの前記拡散部に比べて光の拡散の度合いが小さいことを特徴とする透過型スクリーンを提供する。
【0010】
さらに、本発明は、光の集光または拡散等の光学的機能を有するレンズシートを備えた透過型スクリーンにおいて、前記レンズシートは、非拡散部を介して互いに離間された、拡散性微粒子を含む少なくとも2つの拡散部を有し、前記少なくとも2つの拡散部のうち光源側に近い拡散部は、この拡散部よりも観察側に近い拡散部に比べて光の拡散の度合いが小さいことを特徴とする透過型スクリーンを提供する。
【0011】
ここで、前記少なくとも2つの拡散部のうちの1つは前記レンズシートの入光側の表面に設けられ、他は前記レンズシートの出光側の表面に設けられていることが好ましい。また、前記少なくとも2つの拡散部は前記レンズシートの表面および内部に設けられていてもよい。
【0012】
さらにまた、本発明は、フレネルレンズシートと、レンチキュラーレンズシートとを備え、前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズシートはそれぞれ、拡散性微粒子を含む少なくとも1つの拡散部を有し、前記レンチキュラーレンズシートは拡散性微粒子を含まない非拡散部を有し、前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズシートを備えた透過型スクリーンは全体として、前記非拡散部を介して互いに離間された複数の拡散部を有し、入光面側に配置された前記フレネルレンズシートの前記拡散部は、観察側に配置された前記レンチキュラーレンズシートの前記拡散部に比べて光の拡散の度合いが小さいことを特徴とする透過型スクリーンを提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
第1の実施の形態
図1は本発明による透過型スクリーンの第1の実施の形態を示す図である。
【0015】
図1に示すように、透過型スクリーン1は、フレネルレンズやレンチキュラーレンズ等が一方または両方の表面に形成された単体のレンズシートからなり、光の透過方向(図面の左右方向)に少なくとも2つの拡散部1A,1Bが局在化 (分離)して設けられている。なお、この第1の実施の形態においては、拡散部1A,1Bはレンズシートの入光側の表面(入光面)および出光側の表面(出光面)に設けられている。
【0016】
ここで拡散部1A,1Bは、光の拡散作用を与えるための部分であり、微少レンズ、ガラスビーズまたは有機ビーズ等の拡散剤(拡散性微粒子)を含む樹脂層、または微少レンズ表面のエンボス処理等の一般的な手法により容易に形成することができる。
【0017】
なお拡散部は、レンズシートの表面に限らず、拡散部1Cのようにレンズシートの内部に設けられていてもよい。
【0018】
ところで拡散部1A,1Bは、光源光の持つ可干渉性を消すようにその光源光を拡散させるので、シンチレーションやスペックル等の問題を解消することができる。しかし、光源光を拡散させることは解像度を低下させることになり、また従来の技術のように単一の拡散部に拡散剤を多量に添加した場合には、ゲインが低下して映像が非常に暗くなる。
【0019】
本発明の第1の実施の形態によれば、レンズシートに2つの拡散部1A,1Bを分離して設けるようにしたので、単一の拡散部の場合に使用する拡散剤量よりも少量の拡散剤でシンチレーション等の強さを同等程度にまで弱めることが可能であり、なおかつ使用する拡散剤が少ないので、ゲインの低下を防止して映像の明るさの不必要な低下を防止することができる。
【0020】
また、レンズシートに2つの拡散部1A,1Bを分離して設けることにより拡散剤の添加量が減少するので、拡散部1A,1Bの内部で生じる迷光量を低減することができ、このためフレアやゴースト等の不必要な解像度の低下を抑えることができる。
【0021】
さらに、このような光の拡散作用により、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズまたは光源のピクセル等の相互の干渉により発生するモアレを低減することができる。
【0022】
なお、拡散部1A,1Bはレンズシートの入光側および出光側の表面に設けることが好ましい。これは、拡散部1A,1B間の距離を長くして光源光の持つ可干渉性を消すことにより、各拡散部1A,1Bにおける光の拡散効果を非常に弱い程度に抑えながらシンチレーション等の強さの低減を図ることができ、また映像の明るさの低下を非常に少なくすることができるからである。
【0023】
また、光源側に近い拡散部1Aは観察側に近い拡散部1Bよりも光の拡散の度合いを小さくすることが好ましい。これは、入光側の拡散要素による光の拡散を小さくすることにより、不必要な解像度の低下を防ぎながらシンチレーション等の強さを抑えることができるからである。
【0024】
なお、シンチレーション等の評価項目としては、上述したシンチレーション等の強さ以外にも、動画を映した際に生じるちらつきの動きの粗さ(シンチレーション等の大きさ(粗さ))がある。ここで、シンチレーション等の強さを抑えるためには基材との屈折率の差が小さい拡散剤を添加することが好ましく、一方、シンチレーション等の大きさ(粗さ)を抑えるには平均粒径が小さい拡散剤を添加することが好ましい。
【0025】
このため、シンチレーション等のみを問題にする場合には、光源側に近い拡散部1Aおよび観察側に近い拡散部1Bの両方に、基材との屈折率の差が小さく、かつ平均粒径が小さい拡散剤を添加することが考えられる。しかし、基材との屈折率の差が小さい拡散剤や平均粒径が小さい拡散剤は視野角を狭くするので、シンチレーション等の問題と視野角の問題とをともに解消するよう、拡散部1Aに添加される拡散剤と拡散部1Bに添加される拡散剤の種類を異ならせることが好ましい。
【0026】
具体的には、後述する第7の実施例に示すように、光源側に近い拡散部1Aに添加される拡散剤と基材との屈折率の差を、観察側に近い拡散部1Bに添加される拡散剤と基材との屈折率の差よりも小さくし、かつ観察側に近い拡散部1Bに添加される拡散剤の平均粒径を所定粒径(例えば15μm)以下にすることが好ましい。
【0027】
なお、光の拡散の度合いを調整する方法としては種々の方法が知られている。具体的には例えば、エンボス加工が施されている場合にはそのエンボスの凹凸の大きさを変えたり、拡散剤を用いる場合にはその粒径、屈折率または添加量を変えればよい。なお、拡散剤の粒径、屈折率等と光の拡散作用との関係については、例えば非特許文献2(J.Opt.Soc.Am.A Vol.2, No.12, Dec.1985,“Diffraction analysis of bulk diffusers for projection−screen applications”)に記載 されている。
【0028】
第2の実施の形態
図2は本発明による透過型スクリーンの第2の実施の形態を示す図である。
【0029】
図2に示すように、透過型スクリーン2は、複数のレンズシートまたは光学シート2−1,2−2,2−3,…からなり、各レンズシートまたは光学シート2−1,2−2,2−3,…には拡散部2A,2B,2C,…が設けられている。
【0030】
なお、拡散部2Aは光源側に最も近い位置に配置されたレンズシートまたは光学シート2−1の入光側の表面(入光面)に設けられ、拡散部2Bは観察側に最も近い位置に配置されたレンズシートまたは光学シート2−2の出光側の表面 (出光面)に設けられ、拡散部2Cはレンズシートまたは光学シート2−3の入光側の表面(入光面)に設けられている。
【0031】
ここでレンズシートとしては、リニアまたはサーキュラーのフレネルレンズシート、一方または両方の表面にレンチキュラーレンズが形成されたレンチキュラーレンズシート、または各表面にフレネルレンズまたはレンチキュラーレンズが組み合わされて形成されたレンズシート等が用いられる。
【0032】
また光学シートとしては、ポリメチルメタクリレート等の樹脂からなる両方の表面が平坦なパネル等が用いられる。
【0033】
なお、拡散部2A,2B,2C,…の特性、および拡散部2A,2B,2C,…の互いの位置関係に係る特性等については、上述した第1の実施の形態における拡散部1A,1B,1Cと同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0034】
【実施例】
次に、図1および図2に示す透過型スクリーンの具体的実施例について説明する。
【0035】
第1の実施例
図3は本発明による透過型スクリーンの第1の実施例を示す図である。この第1の実施例は図1に示す第1の実施の形態に対応しており、単体のレンズシートの両方の表面に2つの拡散層(拡散部)が分離して設けられている。
【0036】
すなわち第1の実施例では、図3に示すように、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ5mmのレンズシート11の入光面11aおよび出光面11bにそれぞれ拡散層10Aおよび10Bを形成することにより透過型スクリーン10を作製した。なお入光面11aには、入光面11aに位置するフレネルレンズ部にエンボス処理を行うことにより拡散層10Aを形成し、出光面11bには平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズを15重量部分散させた厚さ500μmの拡散層10Bを形成した。なお、本実施例、以下の第2乃至第7の実施例および比較例において、ガラスビーズ等の拡散剤の量(重量部)は拡散剤が混入される基材100重量部に対する値である。
【0037】
ここで、レンズシート11の基材としては、住友化学工業(株)製の耐衝撃性メタクリル樹脂(屈折率1.51)を用いた。また、平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズとしては、東芝バロティーニ社製のEMB20を用いた。
【0038】
なお、このようにして作製された透過型スクリーン10に対してLCDプロジェクタにより映像光を投射して映像の評価を行ったところ、シンチレーションが弱く、かつ解像度も良好な映像が観察された。
【0039】
第2の実施例
図4は本発明による透過型スクリーンの第2の実施例を示す図である。第2の実施例は図2に示す第2の実施の形態に対応しており、2つのレンズシートに2つの拡散層(拡散部)が分離して設けられている。なお、2つの拡散層のうちの1つはレンズシートの表面(フレネルレンズシート入光面)に設けられている。
【0040】
すなわち第2の実施例では、図4に示すように、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ2mmのフレネルレンズシート21と、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ1mmのレンチキュラーレンズシート22とを組み合わせることにより透過型スクリーン20を作製した。このうちフレネルレンズシート21には、その入光面21aに平均粒径12μm、屈折率1.59の有機ビーズを7.0重量部分散させた厚さ150μmの拡散層20Aを形成した。またレンチキュラーレンズシート22(拡散層20B)には、内部に均一に平均粒径12μm、屈折率1.59の有機ビーズを0.75重量部混入させた。
【0041】
ここで、フレネルレンズシート21およびレンチキュラーレンズシート22の基材としては、住友化学工業(株)製の耐衝撃性メタクリル樹脂(屈折率1.51)を用いた。また、平均粒径12μm、屈折率1.59の有機ビーズとしては、住友化学工業(株)製のPB3011(スチレンビーズ)を用いた。
【0042】
なお、このようにして作製された透過型スクリーン20に対してLCDプロジェクタにより映像光を投射して映像の評価を行ったところ、シンチレーションが弱く、かつ解像度も良好な映像が観察された。
【0043】
第3の実施例
図5は本発明による透過型スクリーンの第3の実施例を示す図である。第3の実施例は図2に示す第2の実施の形態に対応しており、3つのレンズシートおよび光学シートに2つの拡散層(拡散部)が分離して設けられている。なお、2つの拡散層のうちの1つは光源側に最も近い位置に配置されたレンズシートの表面(フレネルレンズシート入光面)に設けられ、他は観察側に最も近い位置に配置された光学シートの表面(全面パネル入光面)に設けられている。
【0044】
すなわち第3の実施例では、図5に示すように、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ2mmのフレネルレンズシート31と、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ2mmの全面パネル32と、フレネルレンズシート31と全面パネル32との間に配置されたポリメチルメタクリレートからなる拡散剤を含まない厚さ1mmのレンチキュラーレンズシート33とを組み合わせて透過型スクリーン30を作製した。このうちフレネルレンズシート31には、その入光面31aに平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズを45重量部分散させた厚さ150μmの拡散層30Aを形成した。また全面パネル32には、その入光面32aに平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズを45重量部分散させた厚さ150μmの拡散層30Bを形成した。
【0045】
ここで、フレネルレンズシート31、全面パネル32およびレンチキュラーレンズシート33の基材としては、住友化学工業(株)製の耐衝撃性メタクリル樹脂(屈折率1.51)を用いた。また、平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズとしては、東芝バロティーニ社製のEMB20を用いた。
【0046】
なお、このようにして作製された透過型スクリーン30に対してLCDプロジェクタにより映像光を投射して映像の評価を行ったところ、シンチレーションが弱く、かつ解像度も良好な映像が観察された。
【0047】
第4の実施例
図6は本発明による透過型スクリーンの第4の実施例を示す図である。第4の実施例は図2に示す第2の実施の形態に対応しており、2つのレンズシートに2つの拡散層(拡散部)が分離して設けられている。なお、2つの拡散層のうちの1つは光源側に最も近い位置に配置されたレンズシートの表面(フレネルレンズシート入光面)に設けられ、他は観察側に最も近い位置に配置されたレンズシートの内部(レンチキュラーレンズシート内部)に設けられている。また、2つの拡散層のうち光源側に近い拡散層は、この拡散層よりも観察側に近い拡散層に比べて光の拡散の度合いが小さくなっている。
【0048】
すなわち第4の実施例では、図6に示すように、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ2mmのフレネルレンズシート41と、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ200μmのフィルム42aの両面に透明レンズ42bを賦型したレンチキュラーレンズシート42とを組み合わせて透過型スクリーン40を作製した。このうちフレネルレンズシート41には、その入光面41aに平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズを35重量部分散させた厚さ100μmの拡散層40Aを形成した。またレンチキュラーレンズシート42のフィルム42a(拡散層40B)には、内部に均一に平均粒径12μm、屈折率1.59の有機ビーズを10.0重量部混入させた。
【0049】
ここで、フレネルレンズシート41の基材としては、住友化学工業(株)製の耐衝撃性メタクリル樹脂(屈折率1.51)を用いた。また、平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズとしては、東芝バロティーニ社製のEMB20を用いた。さらに、平均粒径12μm、屈折率1.59の有機ビーズとしては、住友化学工業(株)製のPB3011(スチレンビーズ)を用いた。なお、レンチキュラーレンズシート42は、透明レンズ42bの逆形状の型に流し込まれたUV(紫外線)硬化性樹脂またはEB(電子線)硬化性樹脂にフィルム42aをかぶせるとともに、このUV硬化性樹脂またはEB硬化性樹脂に対して紫外線または電子線を照射することにより成形した。
【0050】
なお、このようにして作製された透過型スクリーン40に対してLCDプロジェクタにより映像光を投射して映像の評価を行ったところ、シンチレーションが弱く、かつ解像度も良好な映像が観察された。
【0051】
第5の実施例
図7は本発明による透過型スクリーンの第5の実施例を示す図である。第5の実施例は図2に示す第2の実施の形態に対応しており、2つのレンズシートに2つの拡散層(拡散部)が分離して設けられている。なお、2つの拡散層のうちの1つは光源側に最も近い位置に配置されたレンズシートの表面(フレネルレンズシート入光面)に設けられ、他は観察側に最も近い位置に配置されたレンズシートの表面(レンチキュラーレンズシート出光面)に設けられている。また、2つの拡散層のうち光源側に近い拡散層は、この拡散層よりも観察側に近い拡散層に比べて光の拡散の度合いが小さくなっている。
【0052】
すなわち第5の実施例では、図7に示すように、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ2mmのフレネルレンズシート51と、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ1mmのレンチキュラーレンズシート52とを組み合わせて透過型スクリーン50を作製した。このうちフレネルレンズシート51には、その入光面51aに平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズを35重量部分散させた厚さ100μmの拡散層50Aを形成した。またレンチキュラーレンズシート52には、その出光面52bに平均粒径12μm、屈折率1.59の有機ビーズを12.0重量部分散させた厚さ100μmの拡散層50Bを形成した。 ここで、フレネルレンズシート51およびレンチキュラーレンズシート52の基材としては、住友化学工業(株)製の耐衝撃性メタクリル樹脂(屈折率1.51)を用いた。また、平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズとしては、東芝バロティーニ社製のEMB20を用いた。さらに、平均粒径12μm、屈折率1.59の有機ビーズとしては、住友化学工業(株)製のPB3011(スチレンビーズ)を用いた。
【0053】
なお、このようにして作製された透過型スクリーン50に対してLCDプロジェクタにより映像光を投射して映像の評価を行ったところ、シンチレーションが弱く、かつ解像度も良好な映像が観察された。
【0054】
第6の実施例
図8は本発明による透過型スクリーンの第6の実施例を示す図である。第6の実施例は図2に示す第2の実施の形態に対応しており、3つのレンズシートおよび光学シートに3つの拡散層(拡散部)が分離して設けられている。なお、3つの拡散層はそれぞれレンズシートまたは光学シートの表面(入光面)に設けられている。
【0055】
すなわち第6の実施例では、図8に示すように、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ2mmのフレネルレンズシート61と、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ2mmの全面パネル62と、フレネルレンズシート61と全面パネル62との間に配置されたポリメチルメタクリレートからなる厚さ1mmのレンチキュラーレンズシート63とを組み合わせて透過型スクリーン60を作製した。このうちフレネルレンズシート61には、その入光面61aに平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズを3.5重量部分散させた厚さ100μmの拡散層60Aを形成した。また全面パネル62には、その入光面62aに平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズを3.5重量部分散させた厚さ100μmの拡散層60Bを形成した。さらにレンチキュラーレンズシート63には、その入光面63aに平均粒径30μm、屈折率1.49の有機ビーズを5.0重量部分散させた厚さ300μmの拡散層60Cを形成した。
【0056】
ここで、フレネルレンズシート61、全面パネル62およびレンチキュラーレンズシート63の基材としては、住友化学工業(株)製の耐衝撃性メタクリル樹脂(屈折率1.51)を用いた。また、平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズとしては、東芝バロティーニ社製のEMB20を用いた。さらに、平均粒径30μm、屈折率1.49の有機ビーズとしては、住友化学工業(株)製のXC01(アクリルビーズ)を用いた。
【0057】
なお、このようにして作製された透過型スクリーン60に対してLCDプロジェクタにより映像光を投射して映像の評価を行ったところ、シンチレーションが弱く、かつ解像度も良好な映像が観察された。
【0058】
第7の実施例
図9(a)(b)は本発明による透過型スクリーンの第7の実施例を示す図である。第7の実施例は図2に示す第2の実施の形態に対応しており、2つのレンズシートに2つの拡散層(拡散部)が分離して設けられている。また、2つの拡散層のうち光源側に近い拡散層と観察側に近い拡散層とでは拡散剤の種類(屈折率および平均粒径)を異ならせている。
【0059】
すなわち第7の実施例では、図9(a)(b)に示すように、ポリメチルメタクリレートからなるフレネルレンズシート71,81と、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ1mmのレンチキュラーレンズシート72,82とをそれぞれ組み合わせて透過型スクリーン70,80を作製した。図9(a)(b)に示すように、透過型スクリーン70,80は、フレネルレンズシート71,81の構造が異なる点を除いてほぼ同一の形状および構造をしている。
【0060】
ここで、フレネルレンズシート71,81の基材としては、住友化学工業(株)製の耐衝撃性メタクリル樹脂(屈折率1.51)を用いて押出成形したものを用い、その一方の面に、拡散剤を含まないUV硬化性樹脂を用いてUV硬化法によりフレネルレンズ部を形成することにより、フレネルレンズシート71,81を得た。なお図9(a)(b)においては、基材とUV硬化性樹脂からなるフレネルレンズ部との境界は図示していない。
【0061】
なお、図9(a)に示すフレネルレンズシート71は、内部に均一に所定の平均粒径および屈折率の拡散剤を混入させた単層(拡散層70A)の基材を用いて、この一方の面にフレネルレンズ部を形成したレンズシートである。また、図9(b)に示すフレネルレンズシート81は、共押出成形法等により、その入光面81aに所定の平均粒径および屈折率の拡散剤を分散させた拡散層80Aを形成した2層の基材を用いて、この一方の面にフレネルレンズ部を形成したレンズシートである。
【0062】
なお、拡散層70A,80Aに添加される拡散剤としては、▲1▼平均粒径30μm、屈折率1.49のアクリルビーズ(住友化学工業(株)製XC01)、▲2▼平均粒径11μm、屈折率1.49のアクリルビーズ(積水化学社製MBX)、▲3▼平均粒径17μm、屈折率1.535のガラスビーズ(東芝バロティーニ社製EGB210)、▲4▼平均粒径12μm、屈折率1.59のスチレンビーズ(住友化学工業(株)製PB3011)、のうちのいずれかを用いた。
【0063】
ここで、これら▲1▼乃至▲4▼の拡散剤は、フレネルレンズシート71,81の拡散層70A,80Aにおいて次表1に示すような態様で添加した。
【0064】
【表1】
【0065】
なお上記表1において、添加剤の種類(例えば「XC01」)の右側に付された数字(例えば「2.5t」)はフレネルレンズシート71,81の基材の厚さ(mm)を示し、これにUV硬化性樹脂により形成したフレネルレンズ部の厚さ0.2mmを加えた厚さがフレネルレンズシート71,81の厚さとなる。また、このような基材の厚さ(mm)を表す数字(例えば「1.8t」)の右側に付された「(2)」は、その添加剤が添加されるフレネルレンズシートの基材が2層構造(図9(b)に示す構造)となっていることを表している。なお、拡散剤の濃度の単位(P)は基材であるポリメチルメタクリレート100重量部(100g)に混入されている拡散剤の重量部(g数)を示している。
【0066】
一方、レンチキュラーレンズシート72,82の基材としては、上述したフレネルレンズシート71,81と同様に、住友化学工業(株)製の耐衝撃性メタクリル樹脂(屈折率1.51)を用い、レンチキュラーレンズシート72,82の全体を押出成形法により成形した。なお図9(a)(b)に示すように、レンチキュラーレンズ72,82には、その出光面72b,82bに所定の平均粒径および屈折率の拡散剤を分散させた厚さ600μmの拡散層70B,80Bを形成した。
【0067】
なお、拡散層70B,80Bに添加される拡散剤としては、▲1▼平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズ(東芝バロティーニ社製EMB20)、
▲2▼平均粒径17μm、屈折率1.535のガラスビーズ(東芝バロティーニ社製EGB210)、▲3▼平均粒径30μm、屈折率1.49のアクリルビーズ(住友化学工業(株)製XC01)と上記東芝バロティーニ社製EGB210とを6:1の割合で混合させたもの(XC01+EGB−1)、および▲4▼上記住友化学工業(株)製XC01と上記東芝バロティーニ社製EGB210とを2:3の割合で混合させたもの(XC01+EGB−2)、のうちのいずれかを用いた。
【0068】
ここで、これら▲1▼乃至▲4▼の拡散剤は、レンチキュラーレンズシート72,82の拡散層70B,80Bに次のような態様で添加した。すなわち、上記▲1▼乃至▲4▼の拡散剤のうち、上記▲3▼の住友化学工業(株)製XC01と上記東芝バロティーニ社製EGB210とを6:1の割合で混合させた「XC01+EGB−1」を基準として、この「XC01+EGB−1」に含まれるEGB210の濃度を2.0Pとした。そして他の上記▲1▼、▲2▼および▲4▼拡散剤の濃度は、その拡散剤が含まれるレンチキュラーレンズシートと上記表1に示す「XC01 2.5t」のフレネルレンズシートとを組み合わせた透過型スクリーンのゲインが、上記「XC01+EGB−1」のレンチキュラーレンズと上記「XC01 2.5t」のフレネルレンズシートとを組み合わせた透過型スクリーンのゲインとほぼ同じ(±0.2以内)となるように設定した。
【0069】
なお、以上のような各種のレンチキュラーレンズ72,82およびレンチキュラーレンズシート72,82を枠(図示せず)内で組み合わせて透過型スクリーン70,80を作製し、このようにして作製された各々の透過型スクリーン70,80に対してLCDプロジェクタにより白画面を映して映像の評価を行ったところ、シンチレーション等の強さおよび大きさ(粗さ)について次表2に示すような結果が得られた。なおここでは、シンチレーション等の大きさ(粗さ)については、観察者側の目を動かしたときの、ちらつきの動きの粗さ等により評価した。また、シンチレーション等の強さおよび大きさについての評価の最も良いものを「5」とし、最も悪いものを「0」として6段階で評価した。
【0070】
【表2】
【0071】
上記表2の評価結果から、シンチレーション等の強さおよび大きさ(粗さ)ともに評価の高い組み合わせは、光源側に近いフレネルレンズシート(FL)に添加する拡散剤として平均粒径30μm、屈折率1.49のアクリルビーズ(住友化学工業(株)製XC01)を用い、観察側に近いレンチキュラーレンズシート(LL)に添加する拡散剤として平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズ(東芝バロティーニ社製EMB20)を用いたものであることが確かめられた。
【0072】
また上記表2の評価結果から、光源側に近いフレネルレンズシート(FL)に添加される拡散剤の屈折率と基材の屈折率(1.51)との差が小さい程、シンチレーション等の強さおよび大きさ(粗さ)が小さくなるという傾向が確かめられた(例えば、平均粒径がほぼ等しい「MBX 1.8t」と「PB3011 1.8t」との間での評価の差異参照)。さらに、観察側に近いレンチキュラーレンズシート(LL)に添加される拡散剤の平均粒径が小さい程、シンチレーション等の大きさ(粗さ)が小さくなるという傾向が確かめられた(例えば、屈折率が等しい「EGB」と「EMB」との間での評価の差異参照)。なお、レンチキュラーレンズシート(LL)に添加される拡散剤の平均粒径に関しては、EGB210(平均粒径17μm)とEMB20(平均粒径11μm)との間、特に平均粒径15μmの近傍でシンチレーションの大きさ(粗さ)の大きな改善が見られた。
【0073】
なお、上記表2の評価結果からは、フレネルレンズシート(FL)の厚さが厚い程、また単層ではなく2層の方がシンチレーションの強さおよび大きさ(粗さ)が小さいことも確かめられた。
【0074】
比較例
図10は透過型スクリーンの比較例を示す図である。
【0075】
図10に示すように、この比較例では、ポリメチルメタクリレートからなる拡散剤を含まない厚さ2mmのフレネルレンズシート91と、ポリメチルメタクリレートからなる厚さ1mmのレンチキュラーレンズシート92とを組み合わせて透過型スクリーン70を作製した。このうちレンチキュラーレンズシート72 (拡散層90B)には、内部に均一に平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズを5重量部混入させた。
【0076】
ここで、フレネルレンズシート91およびレンチキュラーレンズシート92の基材としては、住友化学工業(株)製の耐衝撃性メタクリル樹脂(屈折率1.51)を用いた。また、平均粒径11μm、屈折率1.535のガラスビーズとしては、東芝バロティーニ社製のEMB20を用いた。
【0077】
なお、このようにして作製された透過型スクリーン90に対してLCDプロジェクタにより映像光を投射して映像の評価を行ったところ、映像のちらつきが強く、かつ画質も低下することが観察された。
【0078】
以上説明したように本発明によれば、1つまたは複数のレンズシートまたは光学シートに少なくとも2つの拡散部を分離して設けるようにしたので、単一の拡散部の場合に使用する拡散剤量よりも少量の拡散剤でシンチレーションの強さを同等程度にまで弱めることが可能である。また、2つの拡散部で用いられる拡散剤の種類を異ならせることにより、シンチレーション等の強さとともにシンチレーション等の大きさ(粗さ)を小さくすることが可能である。このため、解像度の低下や映像の明るさの低下を抑えつつ、シンチレーション等の映像のちらつきを効果的に低減させることができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、投射瞳の小さい投影管を用いる場合であっても、付加装置が必要なく、またゲインの低下や解像度の低下を最小限にとどめたままで、シンチレーション等の映像のちらつきを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による透過型スクリーンの第1の実施の形態を示す図である。
【図2】図2は本発明による透過型スクリーンの第2の実施の形態を示す図である。
【図3】図3は本発明による透過型スクリーンの第1の実施例を示す図である。
【図4】図4は本発明による透過型スクリーンの第2の実施例を示す図である。
【図5】図5は本発明による透過型スクリーンの第3の実施例を示す図である。
【図6】図6は本発明による透過型スクリーンの第4の実施例を示す図である。
【図7】図7は本発明による透過型スクリーンの第5の実施例を示す図である。
【図8】図8は本発明による透過型スクリーンの第6の実施例を示す図である。
【図9】図9(a)(b)は本発明による透過型スクリーンの第7の実施例を示す図である。
【図10】図10は透過型スクリーンの比較例を示す図である。
【符号の説明】
1,2 透過型スクリーン
1A,1B,1C 拡散部
2A,2B,2C 拡散部
Claims (6)
- 光の集光または拡散等の光学的機能を有する複数のレンズシートまたは光学シートを備えた透過型スクリーンにおいて、
光源側及び当該光源側よりも観察側に位置するレンズシートまたは光学シートはそれぞれ、拡散性微粒子を含む少なくとも一つの拡散部を有し、
前記光源側に位置するレンズシートまたは光学シートはその出光面側に、拡散性微粒子を含まない非拡散部を有し、
前記観察側に位置するレンズシートまたは光学シートはその入光面側に、拡散性微粒子を含まない非拡散部を有し、
前記複数のレンズシートまたは光学シートを備えた透過型スクリーンは全体として、前記複数のレンズシートまたは光学シートの前記非拡散部を介して互いに離間された複数の拡散部を有し、
前記光源側に位置するレンズシートまたは光学シートの前記拡散部は、前記観察側に位置するレンズシートまたは光学シートの前記拡散部に比べて光の拡散の度合いが小さいことを特徴とする透過型スクリーン。 - フレネルレンズシートと、
レンチキュラーレンズシートとを備え、
前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズシートはそれぞれ、拡散性微粒子を含む少なくとも1つの拡散部を有し、前記フレネルレンズシートはその出光面側に、拡散性微粒子を含まない非拡散部を有し、前記レンチキュラーレンズシートはその入光面側に、拡散性微粒子を含まない非拡散部を有し、前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズシートを備えた透過型スクリーンは全体として、前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズシートの前記非拡散部を介して互いに離間された複数の拡散部を有し、光源側に配置された前記フレネルレンズシートの前記拡散部は、観察側に配置された前記レンチキュラーレンズシートの前記拡散部に比べて光の拡散の度合いが小さいことを特徴とする透過型スクリーン。 - 光の集光または拡散等の光学的機能を有するレンズシートを備えた透過型スクリーンにおいて、
前記レンズシートは、非拡散部を介して互いに離間された、拡散性微粒子を含む少なくとも2つの拡散部を有し、
前記少なくとも2つの拡散部のうち光源側に近い拡散部は、この拡散部よりも観察側に近い拡散部に比べて光の拡散の度合いが小さいことを特徴とする透過型スクリーン。 - 前記少なくとも2つの拡散部のうちの1つは前記レンズシートの入光側の表面に設けられ、他は前記レンズシートの出光側の表面に設けられていることを特徴とする請求項3記載の透過型スクリーン。
- 前記少なくとも2つの拡散部は前記レンズシートの表面および内部に設けられていることを特徴とする請求項3記載の透過型スクリーン。
- フレネルレンズシートと、
レンチキュラーレンズシートとを備え、
前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズシートはそれぞれ、拡散性微粒子を含む少なくとも1つの拡散部を有し、前記レンチキュラーレンズシートは拡散性微粒子を含まない非拡散部を有し、前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズシートを備えた透過型スクリーンは全体として、前記非拡散部を介して互いに離間された複数の拡散部を有し、入光面側に配置された前記フレネルレンズシートの前記拡散部は、観察側に配置された前記レンチキュラーレンズシートの前記拡散部に比べて光の拡散の度合いが小さいことを特徴とする透過型スクリーン。
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