JP3606137B2 - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種電子機器に利用される巻回形の固体電解コンデンサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の高周波化に伴って、電子部品である電解コンデンサにおいても高周波領域でのインピーダンス特性に優れた大容量の電解コンデンサが求められてきている。最近では、この高周波領域のインピーダンスを低減するために、電気電導度の高い導電性高分子等の固体電解質を用いた固体電解コンデンサが検討されてきており、また大容量化の要求に対しては、電極箔を積層させる場合と比較して構造的に大容量化が容易な巻回形(陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回した構造のもの)による導電性高分子を用いた固体電解コンデンサが製品化されてきている。
【0003】
上記巻回形の構造を採る固体電解コンデンサは、陽極箔と陰極箔との接触を避けるためにセパレータを介在させることが必須であり、このセパレータとしては、従来の電解液を電解質とする電解コンデンサに用いられているマニラ麻やクラフト紙からなるいわゆる電解紙を用いてコンデンサ素子を巻回した後に加熱方法等によりこの電解紙を炭化処理したもの(以下、炭化紙と称す)や、ガラス繊維不織布、乾式メルトブロー法による樹脂を主成分とする不織布などが用いられている。
【0004】
さらには、特開平10−340829号公報に記載の技術では、固体電解コンデンサにおいて、セパレータが合成繊維を主体とする不織布からなり、この合成繊維がビニロン(ポリビニルアルコールを基材した樹脂)からなる不織布およびビニロンを主成分として他の樹脂を混合した混合不織布であることが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記巻回形の固体電解コンデンサにおいて、炭化紙をセパレータとして用いたものは、電解紙を炭化させるには250℃を超える加熱が必要で、この加熱により誘電体酸化皮膜が損傷して漏れ電流が大きくなり、たとえエージングで修復したとしてもショート発生率が高くなるという問題を有していた。また、この加熱により固体電解コンデンサの引き出しリード線のメッキ層(例えばスズ/鉛層)が酸化を受け、通常のメッキ線では完成後の製品のリード線部での半田濡れ性が著しく低下するため、耐酸化性の強い高価な銀メッキリード線を使用しなければならない等の課題を有していた。
【0006】
また、ガラス繊維不織布を用いたものは、裁断や巻回の際に針状ガラス繊維が周囲に飛散することによる作業環境上の問題が大きく、また巻回に伴う屈曲時の強度も脆く、製品がショートしやすいという欠点を有していた。
【0007】
さらに、乾式メルトブロー法による樹脂を主成分とする不織布やビニロンからなる不織布およびビニロンを主成分とする他の樹脂との混合不織布は、引っ張り強度が電解紙と比較して弱いためにコンデンサ素子の巻き取り時にセパレータ切れが発生しやすく、エージング中のショート発生率が高い上、樹脂繊維どうしを接着してショート化する際に用いられる接着剤成分の影響により導電性高分子をセパレータに保持させ難く、高周波領域でのインピーダンスの低い固体電解コンデンサを製造することが困難であるという課題があった。また、ビニロン樹脂は耐熱性に乏しいため、高温での固体電解コンデンサの使用や、半田付け時の高温リフロー処理時に分解し易く、ガスが発生して内圧上昇することにより封口部が損傷し易い、固体電解コンデンサの電気特性を損ねやすいなどの欠点を有している。
【0008】
一方、固体電解質に用いられる導電性高分子としては、エチレンジオキシチオフェンを最適な酸化剤により化学酸化重合して形成するポリエチレンジオキシチオフェンやポリピロールが知られているが、炭化紙やガラス繊維不織布、ポリプロピレンからなる湿式法により得られた不織布に、これらの導電性高分子を保持させることは困難であり、熱ストレス等によりセパレータとの導電性高分子との剥離によるインピーダンスの増加や容量の引き出し率が悪いために、電解液を電解質とした場合のコンデンサに比べて、容量当たりのサイズが大きくなるという課題を有していた。
【0009】
本発明はこのような従来の課題を解決し、インピーダンス特性と漏れ電流特性に優れた大容量の固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とを樹脂を主体とするスパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータを介して巻回することにより形成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極箔と陰極箔との間に設けられた固体電解質からなる構成としたものであり、または上記セパレータをポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布を用いた構成としたものである。
【0011】
また、この固体電解コンデンサを得るための製造方法としては、誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とを樹脂を主体とするスパンボンド法により得られた不織布またはポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布を介して巻回することによりコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子をエチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体を含有した溶液とスルホン酸類を含有した酸化剤溶液に個々に含浸またはエチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体とスルホン酸類を含有した酸化剤とを混合した混合溶液に含浸することによりポリエチレンジオキシチオフェンを含有する固体電解質を陽極箔と陰極箔の間に形成する製造方法としたものである。
【0012】
これらの本発明により、インピーダンス特性と漏れ電流特性に優れた大容量の固体電解コンデンサを得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とを樹脂を主体とするスパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータを介して巻回することにより形成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極箔と陰極箔との間に設けられた固体電解質からなる構成としたものであり、この構成により、テトラシアノキノジメタン錯塩(以下、TCNQと略記)やポリエチレンジオキシチオフェンに代表される固体電解質と、樹脂を主体とするスパンボンド法により得られた不織布(例えば、ポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、レーヨン系繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、トリメチルペンテン繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、セルロイド[または硝酸化したセルロース]繊維)との密着性・接着性が極めて良く、高周波領域でのインピーダンスをより低くすることができるという作用を有する。
【0014】
また、スパンボンド法により得られた不織布は、その他の方法により作製した合成樹脂の不織布と異なり、シート化の際に繊維どうしを接着するための接着剤を用いることなく熱接着法や機械的交絡法によりシート化することができるので、接着剤成分の影響による化学重合阻害や剥離が生じ難いため、ポリエチレンジオキシチオフェン等の化学重合性導電性高分子をセパレータに保持させ易くすることができるので、高周波領域でのインピーダンスの低い固体電解コンデンサを構成することができる。
【0015】
さらに、スパンボンド法により得られた不織布は、同じ乾式法である乾式メルトブロー法により作製した不織布と比較して1本の繊維長が長く、引っ張り強度が強いため、同じ厚み、同じ秤量で比較した場合、コンデンサ素子の巻回時によるセパレータ切れの頻度が少なくなり、ショート発生率も低減するので好ましい。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、セパレータの厚みを80μm以下のものとし、かつ秤量を10〜60g/mの範囲とする構成としたものであり、この構成により、コンデンサ素子の巻回時にセパレータ切れに耐えるだけの引っ張り強度が確保できるので、直径の小さいコンデンサ素子でも単位体積当たりの容量が大きく、かつ陽極箔と陰極箔との間の抵抗が小さくなり高周波領域でのインピーダンスの低い固体電解コンデンサを得ることができるという作用を有する。
【0017】
なお、セパレータの秤量が10g/m未満では巻回時のセパレータ切れが多発するので好ましくなく、秤量が60g/mを超えると高周波領域のインピーダンスが高くなるので好ましくない。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、スパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータがポリエステル樹脂とする構成としたものであり、また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂である構成としたもので、この構成により、ポリエステル樹脂の中でもとりわけポリエチレンテレフタレート樹脂は固体電解質であるポリエチレンジオキシチオフェン類と相溶性パラメータが極めて接近していることからなじみ合いやすいため、不織布と固体電解質との密着性・接着性が極めて強く、他の合成樹脂のセパレータと固体電解質からなる組み合わせの場合と比較して、高周波領域でのインピーダンスをより低くすることができるという作用を有する。
【0019】
請求項5に記載の発明は、誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とをポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布からなるセパレータを介して巻回することにより形成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極箔と陰極箔との間に設けられた固体電解質からなる構成としたものであり、この構成により、テトラシアノキノジメタン錯塩以下、TCNQと略記)やポリエチレンジオキシチオフェンに代表される固体電解質とポリエステル樹脂との相溶性パラメータが極めて接近していることからなじみ合いやすいため、密着性・接着性が極めて良く、高周波領域でのインピーダンスをより低くすることができるという作用を有する。
【0020】
また、ポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布は、その他の樹脂を主体とする湿式法により得られた不織布と異なり、同じ湿式法であっても、繊維自身の強度を強くできるので、同じ厚み、同じ秤量で比較すると、引っ張り強度が強く、コンデンサ素子の巻回時におけるセパレータ切れの頻度が少なくなり、ショート発生率も低減される。
【0021】
なお、ポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂またはポリブチレンテレフタレート樹脂を用いたものか、或いは、ポリエチレンテレフタレート樹脂および/またはポリブチレンテレフタレート樹脂と、ビニロン系繊維、ナイロン系繊維、レーヨン系繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、トリメチルペンテン繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、セルロイド(または硝酸化したセルロース)繊維、マニラ麻繊維に代表されるセルロース類の少なくとも1種とを湿式法により得られる混抄不織布などを用いることができる。
【0022】
また、不織布中におけるポリエステル樹脂の含有率は50重量%以上からなり、特に80重量%以上であることが好ましい。不織布中におけるポリエステル樹脂の含有率が50重量%を下回ると、不織布の繊維と固体電解質との密着性・接着性が低下するため、高周波領域でのインピーダンスを低く維持することが困難となる場合がある。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、セパレータの厚みを80μm以下のものとし、かつ秤量を10〜60g/mの範囲とする構成としたものであり、この構成により、請求項2に記載の発明による作用と同様の作用を得ることができる。
【0024】
なお、ここでもセパレータの秤量が10g/m未満では巻回時のセパレータ切れが多発するので好ましくなく、秤量が60g/mを超えると高周波領域のインピーダンスが高くなるので好ましくない。
【0025】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、ポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布からなるセパレータの主成分がポリエチレンテレフタレート樹脂とする構成としたものであり、この構成により、請求項4に記載の発明による作用と同様の作用を得ることができる。
【0026】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、固体電解質がポリエチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体および/またはポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートおよびその誘導体に限定する構成とするものであり、この構成により、ポリエチレンテレフタレートを含有する樹脂との密着性・接着性が極めて強いため、容量引き出し率が高く高容量となり、また、高周波領域でのインピーダンスをより低くすることができるという作用を有する。
【0027】
請求項9に記載の発明は、誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とを樹脂を主体とするスパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータまたはポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布からなるセパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子をエチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体を含有した溶液とスルホン酸類を含有した酸化剤溶液に個々に含浸またはエチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体とスルホン酸類を含有した酸化剤とを混合した混合溶液に含浸することによりポリエチレンジオキシチオフェンを含有する固体電解質を陽極箔と陰極箔の間に形成するようにした固体電解コンデンサの製造方法であり、この製造方法によれば、高周波領域のインピーダンスの低い大容量の固体電解コンデンサを容易にかつ安定して製造することができるという作用を有する。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0029】
図1、図2は本発明の固体電解コンデンサの構成を示した部分断面斜視図および同コンデンサ素子の要部を拡大した概念図であり、同図に示すように、エッチング処理により表面を粗面化した後に陽極酸化処理により誘電体酸化皮膜9を形成したアルミニウム箔からなる陽極箔1と、アルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔2とをスパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータ(以下、スパンボンドのセパレータと呼ぶ)またはポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布セパレータ3を介して巻き取ることによりコンデンサ素子10を作製し、このコンデンサ素子10の陽極箔1と陰極箔2との間に固体電解質4を形成してコンデンサ素子10が構成されている。
【0030】
このコンデンサ素子10を有底円筒状のアルミニウムケース8に収納すると共に、アルミニウムケース8の解放端をゴム製の封口材7により陽極箔1及び陰極箔2のそれぞれから導出した外部導出用の陽極リード5と陰極リード6を封口材7を貫通するように封止して構成したものである。
【0031】
次に、本発明の具体的な実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
(実施の形態1)
エッチング処理により表面を粗面化した後に陽極酸化処理により誘電体酸化皮膜を形成したアルミニウム箔からなる陽極箔と、アルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔とをポリエチレンテレフタレート樹脂のスパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータ(厚さ50μm、秤量25g/m)を介在させて巻回することによりコンデンサ素子を得た(このコンデンサ素子にアジピン酸アンモニウムの10重量%エチレングリコール溶液を含浸させた際の周波数120Hzにおける静電容量は670μFであった)。
【0033】
続いて、このコンデンサ素子を複素環式モノマーであるエチレンジオキシチオフェン1部と酸化剤であるp−トリエンスルホン酸第二鉄2部と重合溶剤であるn−ブタノール4部を含む溶液に浸漬して引き上げた後、85℃で60分間放置することにより化学重合性導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンの固体電解質を陽極箔と陰極箔の間に形成した。
【0034】
続いて、このコンデンサ素子を水洗して乾燥した後、樹脂加硫ブチルゴム封口材(ブチルゴムポリマー30部、カーボン20部、無機充填剤50部から構成、封口体硬度:70IRHD[国際ゴム硬さ単位])と共に有底筒状のアルミニウムケースに封入した後、カーリング処理により開口部を封止し、更に陽極箔、陰極箔から夫々導出された両リード端子をポリフェニレンサルファイド製の座板に通し、リード線部を扁平に折り曲げ加工することにより面実装型の固体電解コンデンサを作製した(サイズ:直径10mm×高さ10mm)。
【0035】
(実施の形態2)
上記実施の形態1において、ポリエチレンジオキシチオフェンの固体電解質を形成する前に、ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホン酸1.0%水溶液中にコンデンサ素子を浸漬して引き上げた後、150℃で5分間乾燥処理を行い、誘電体酸化皮膜上と陰極箔上ならびにセパレータ繊維上にポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートの層を形成した以外は実施の形態1と同様に作製した。
【0036】
(実施の形態3)
上記実施の形態1において、固体電解質であるポリエチレンジオキシチオフェンの代わりに、TCNQを200℃以上の温度で溶融含浸した後、室温に冷却することで固体電解質となるTCNQ導電層をコンデンサ素子に形成した以外は実施の形態1と同様に作製した。
【0037】
(実施の形態4)
上記実施の形態1において、複素環式モノマーにピロール1部、酸化剤に過硫酸アンモニウム2部、重合溶剤にメタノール1部と水3部との混合溶剤を用いた以外は実施の形態1と同様に作製した。
【0038】
(実施の形態5)
上記実施の形態1において、セパレータにポリエチレンテレフタレート(重量百分率で20%)とポリプロピレン(重量百分率で80%)の混合樹脂のスパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータ(厚さ50μm、秤量25g/m)を用いた以外は実施の形態1と同様に作製した。
【0039】
(実施の形態6)
上記実施の形態1において、セパレータにポリエチレンテレフタレート樹脂の湿式法により得られた不織布からなるセパレータ(厚さ50μm、秤量25g/m)を用いた以外は実施の形態1と同様に作製した。
【0040】
(実施の形態7)
上記実施の形態1において、セパレータにポリエチレンテレフタレート樹脂(重量百分率で80%)とポリプロピレン樹脂(重量百分率で10%)とマニラ麻繊維(重量百分率で5%)とクラフト繊維(重量百分率で4%)ビニロン繊維(重量百分率で1%)を用いて湿式法により得られた混抄不織布からなるセパレータ(厚さ50μm、秤量25g/m)を用いた以外は実施の形態1と同様に作製した。
【0041】
(比較例1)
上記実施の形態1において、スパンボンドのセパレータの代わりに、ガラス繊維不織布(厚み80μm、秤量10g/m)を用いた以外は実施の形態1と同様に作製した。
【0042】
(比較例2)
上記実施の形態1において、スパンボンドのセパレータの代わりに、ポリプロピレンからなるメルトブロー不織布(厚さ50μm、秤量25g/m)を用いた以外は実施の形態1と同様に作製した。
【0043】
(比較例3)
上記実施の形態1において、陽極箔と陰極箔との間にマニラ麻からなる電解紙(厚さ45μm)を介在させて巻回し、このコンデンサ素子を窒素雰囲気中、275℃で2時間加熱することで陽極箔と陰極箔の間に介在する電解紙を炭化させてコンデンサ素子を構成した以外は実施の形態1と同様に作製した。
【0044】
(比較例4)
上記実施の形態1において、スパンボンド法により得られたセパレータの代わりに、ポリプロピレン樹脂からなる湿式法により得られた不織布(厚さ50μm、秤量25g/m)を用いた以外は実施の形態1と同様に作製した。
【0045】
以上のように作製した本発明の実施の形態1〜7と比較例1〜4の固体電解コンデンサについて、その静電容量(測定周波数120Hz)、インピーダンス(測定周波数100kHz)、漏れ電流(定格電圧6.3V印加後2分値)、エージング処理中のショート発生(不良)数およびリフロー処理(ピーク温度250℃、200℃以上に曝される時間45秒の条件)を行った後のインピーダンス(測定周波数100kHz)を比較した結果を(表1)に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0003606137
【0047】
なお、試験個数はいずれも50個であり、静電容量、インピーダンス、漏れ電流およびリフロー処理を行った後の静電容量は、ショート品を除いたサンプルについての平均値で示した。
【0048】
(表1)より明らかなように、本発明の実施の形態1〜7の固体電解コンデンサは、樹脂を主体とするスパンボンド法により得られたセパレータまたはポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布を用いているので、固体電解質とこれらのセパレータとの密着性・接着性が極めて良いため、比較例1および比較例3および比較例4で示した他のセパレータ材質(比較例1ではガラス繊維不織布、比較例3では炭化電解紙、比較例4ではポリプロピレンの湿式不織布)を使用した場合と比較して高周波領域でのインピーダンスをより低くすることができる。
【0049】
また、固体電解質であるポリエチレンジオキシチオフェン等をこれらのセパレータ上に強く密着・接着させることができるので、リフロー処理後のインピーダンスの変化も少なく、面実装型の固体電解コンデンサとして信頼性も高い。
【0050】
さらには、比較例1〜4のセパレータ(比較例1ではガラス繊維不織布、比較例2ではメルトブロー不織布、比較例3では炭化電解紙、比較例4ではポリプロピレンの湿式不織布)を用いた固体電解コンデンサでは、セパレータの強度不足に起因する陽極箔と陰極箔との接触によるエージング処理中のショート発生率が高い。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明の固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔と陰極箔とを樹脂を主体とするスパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータまたはポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布からなるセパレータを介して巻回することにより形成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極箔と陰極箔との間に設けられた固体電解質からなる構成としたことにより、固体電解質とこれらセパレータとの密着性・接着性が極めて良いため、高周波領域でのインピーダンスをより低くすることができる。また、これらのセパレータは、強度も十分に確保できるので、エージング処理中のショート発生率や漏れ電流も抑制できるので、インピーダンス特性と漏れ電流に優れた固体電解コンデンサを得ることができるものであり、その工業的価値は大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による電解コンデンサの構成を示した部分断面斜視図
【図2】同コンデンサ素子の要部を拡大した概念図
【符号の説明】
1 陽極箔
2 陰極箔
3 スパンボンド法により得られた不織布セパレータまたはポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布セパレータ
4 固体電解質
5 陽極リード
6 陰極リード
7 封口材
8 アルミニウムケース
9 誘電体酸化皮膜
10 コンデンサ素子

Claims (9)

  1. 誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とを樹脂を主体とするスパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータを介して巻回することにより形成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極箔と陰極箔との間に設けられた固体電解質からなる固体電解コンデンサ。
  2. スパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータが厚み80μm以下のものであり、かつ秤量が10〜60g/mの範囲である請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. スパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータがポリエステル樹脂である請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  4. ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂である請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とをポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布からなるセパレータを介して巻回することにより形成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極箔と陰極箔との間に設けられた固体電解質からなる固体電解コンデンサ。
  6. ポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布からなるセパレータが、厚み80μm以下のものであり、かつ秤量が10〜60g/mの範囲である請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
  7. ポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布からなるセパレータの主成分がポリエチレンテレフタレート樹脂である請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 固体電解質がポリエチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体および/またはポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートおよびその誘導体を含有するものである請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  9. 誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とエッチングされたアルミニウム箔の陰極箔とを樹脂を主体とするスパンボンド法により得られた不織布からなるセパレータまたはポリエステル樹脂を含有する湿式法により得られた不織布からなるセパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子をエチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体を含有する溶液とスルホン酸類を含有する酸化剤溶液に個々に含浸またはエチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体とスルホン酸類を含有した酸化剤とを混合した混合溶液に含浸することによりポリエチレンジオキシチオフェンを含有する固体電解質を陽極箔と陰極箔の間に形成するようにした固体電解コンデンサの製造方法。
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