JP3605609B2 - 真空チャック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は真空チャック、詳しくは薄板、長尺板などのミーリング加工などに使用される真空チャックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の真空チャックにあっては、その上板の上面に格子状のシールリングの挿入溝が切られている。また、その挿入溝と挿入溝との間の上面には真空を導入するための吸着口が例えばマトリックス状に形成されている。したがって、この真空チャックにあっては、シールリングを挿入溝に挿入して吸着用のエリアを上板上面に画成していた。すなわち、必要なエリアの大きさに応じてシールリングを切断し、これらの端末同士を結合・接着してリング状に形成する。このリング状のシールリングを所定の挿入溝に挿入して吸着エリアを画成する。
よって、このように形成したシールリングは、ワークの大きさが異なれば使用できないこととなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
また、従来の真空チャックでは、加工される板(ワーク)を吸着させたとき、真空チャックの上板上面と被加工板の下面とが密着することとなり、ミーリングによる抜き取り加工や貫通孔、貫通タップなどの加工ができなかった。加工により上板上面を傷つけるからである。いったん傷つけた場合、この傷から空気漏れが生じ、最終的には真空チャックとして使用することができなくなる。
よって、現状の加工では、真空チャックの上板を傷つけないよう、被加工材の加工にあって上板に達しない程度でその加工を停止していた。そして、2次的な追加加工を施していた。
さらには、従来の真空チャックでは上述したようにシールリングのシール性能に問題があったため、切削油を用いた加工を行うことができなかった。切削油がシールリングを通って真空ポンプなどに侵入するおそれが高かったからである。
【0004】
【発明の目的】
この発明は、上板上面を傷つけずにミーリング加工などをワークに行うことができる真空チャックを提供することを目的とする。また、この発明は、シールリングの切断、接着などの吸着前の処理が不要な真空チャックを提供することを目的とする。さらに、この発明は、真空圧を常時一定に保持でき、切削油を使用する加工を行うことを可能とした真空チャックを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、その上面に、真空源に連通する複数の開口を配設した平板からなるベース部材と、このベース部材の上面に着脱自在に設けられ、上記開口に連通する吸着口を有してその上面にワークが載置可能な複数の吸着盤とを備え、ワーク下面とベース部材の上面との間に所定の空間を画成した真空チャックにおいて、上記各吸着盤は、上下両面がフラットに形成された円柱体からなる本体部分と、この本体部分の側壁に固着され、その上端およびその下端が本体部分の上面および下面より上方向および下方向にそれぞれ突出し、各吸着盤の上面とワーク下面との間および各吸着盤の下面とベース部材の上面との間をそれぞれシールする柔軟な素材からなるシール材と、本体部分の下面から下方に突出して上記ベース部材の複数の開口に挿入され、本体部分をベース部材に固定する複数のピンとを有する真空チャックである。
【0006】
【作用】
請求項1に記載の真空チャックにあっては、ベース部材の上面に複数の吸着盤を配設する。そして、これらの吸着盤の上にワークを載置する。例えば被加工材としての平板を略水平状態で搭載する。この結果、ワークとベース部材との間には所定の空間が画成される。そして、複数の吸着盤の吸着口を介して真空源より負圧を作用させることで、ワークを強固に吸着することができる。この吸着状態でワークに対して例えばミーリング加工などを行う場合、ドリル先端がワークを貫通してもベース部材の上面に傷をつけることがない。よって、単一工程においてワークのミーリング加工などを実施することができる。
【0007】
また、各吸着盤には例えば柔軟性に富んだシリコンゴムが固着されており、このシリコンゴムによってワークと吸着盤との間および吸着盤とベース部材上面との間からのリークを防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図1〜図7を参照して説明する。
本実施形態に係る真空チャック10は、図1,図2に示すように、所定大きさで矩形の箱体からなる本体11と、この本体11の上面に固設された所定大きさの矩形の平板であるベース12とを有している。この本体11とベース12との間には所定の空間13が画成されている。この空間13はパイプ14およびコック弁15を介して真空ポンプに連通されている。また、同時にこの空間13はパイプ16およびコック弁17を介して大気に開放可能に構成されている。さらに、このベース12は例えば金属製であってその平坦な上面にマトリックス状(2次元の行列状)に多数の開口18が形成されている。これらの開口18は上記空間13を介して真空ポンプに連通されていることになる。各開口18の面積、形状は任意であり、その配置の縦横とも等間隔に設置されている。
なお、特定部分の開口18Aについては、他の開口18より大きくざぐり形状として盲栓(プラグ)19を挿入可能としてもよい。
そして、これらの開口18には吸着盤20が着脱自在に配設される。
【0009】
吸着盤20は、糸巻き状に形成された円柱体であって、その上下面はそれぞれフラットであってかつその軸心部に上下に貫通する吸着孔21が形成されている。さらに、この吸着盤20の下面からは吸着孔21に連通する所定長さのパイプ22が突出している。パイプ22の径は上記開口18に挿入可能な大きさである。したがって、図1に示すように、パイプ22を開口18に挿入することで吸着盤20はベース12の上面に突設・固定される。複数の吸着盤20を挿入することで、その吸着盤20のフラットな上面が形成され、これらの上に平板状のワークWを搭載することにより、ベース12上面と、ベース12より所定高さだけ高い水平面(ワーク下面)との間に所定の高さの空隙Sが形成されることとなる。この場合、ワークW下面と吸着盤20上面との間のシールは高度に維持されている。また、ベース12上面と吸着盤20下面との間のそれも同等である。
なお、ベース12上面のマトリクス状開口18の周囲にはワークWの位置決め用のストッパ23,24が配設されている。これらのストッパ23,24は上面から所定高さだけ突出してワークWのXY方向の位置決め、加工時のワーク移動を防止するものである。これらのストッパ23,24は上記マトリクス状開口18の周囲4方向に配置された挿入孔27に挿入されてベース12上面に固定される。
また、ベース12の側面にはサイドストッパ25,26が配設可能となっている。サイドストッパ25,26はワークWのベース12上での位置決めを行う。
【0010】
よって、この真空チャック10にあっては、ベース12上に複数の吸着盤20を固定し、これらの吸着盤20の上に被加工材であるワークWを搭載する。そして、真空ポンプをONとし、コック弁15を開くことでワークWを強固に固定する。
この状態で所定のツール(ドリル・エンドミルなど)を用いて、例えば所定位置にドリル加工により貫通孔を形成する。このとき、ドリルD先端が空隙まで達すると、その加工が終了し、ドリルは停止する。すなわち、ドリル先端がベース12の上面を傷つけることがない。
なお、加工の対象物であるワークWの大きさなどの変更により盲栓19の取り付け位置などを変更できることは言うまでもない。吸着盤20の種類などを変更できることももちろんである。例えばその加工厚さおよび工具の挿入深さなどにより吸着盤20の高さを可変とし、ドリルなどの工具がベース上面をきずつけることを未然に防止できる。なお、ベース上面(空隙S)に所定の保護材を配置することも可能となる。
【0011】
図3,図4,図5は吸着盤の他の例を示す。これらの例に示すように、吸着盤30,40,50にあっては、それらの側壁に柔軟なシリコンゴム製の吸盤31,41,51を固着している。これらの吸盤31,41,51は、いずれも円筒形状に固着されその上下端は尖って上下方向にそれぞれ突出している。また、これらの吸盤31,41,51の固着により吸着盤30,40,50の本体部分はいずれも糸巻き形状を呈することとなる。
また、本体部分を構成する芯金32,42,52は例えば真ちゅうなどで形成し、例えばピン33を一体化することもできる。吸着孔34はこの軸芯部のピン33を貫通する。また、芯金42,52に複数の貫通孔43,53をそれぞれ形成し、その一部をピン44,54挿入用とし、残りを真空導入用とすることもできる。これらの吸着盤30,40,50の場合は、吸盤31,41,51の密着によるシール性が完全なものとすることができ、その吸着をより強く行うことができる。
すなわち、ベース12上にこれらの吸着盤30,40,50をピン33,43,53により挿入固定したとき、ワークWの重量および真空度(負圧)により吸盤31,41,51が変形し、ワークW下面と吸着盤上面との間のシール性および吸着盤下面とベース12上面とのそれをそれぞれ完全なものとする。よって、例えば切削油などの使用が必要な加工についても十分に対応することができる。切削油がシール材によりシールされ真空ポンプに侵入することがなくなる。
【0012】
なお、芯金の上面に真空を受ける面積を大きくするための座ぐり加工を施すことも可能である。下面の場合も同様であり、これらの座ぐり加工部を導入孔で上下に連通することもできる。
さらに、真空ポンプに連通するパイプにはドレンポットを例えば複数個配設して切削油の捕獲を完全にすることもできる。
また、吸盤ゴムの素材は適宜とする。柔軟な素材であれば、ゴム以外の樹脂も考えられる。さらに、真空チャックでの吸着盤の固定はねじ込み式とすることもできる。
【0013】
【発明の効果】
この発明によれば、ベースの上板上面を傷つけずにミーリング加工などをワークに施すことができる。また、シールリングの切断、接着などの真空チャックでの吸着前の処理が不要となる。さらに、真空圧を常時一定に保持することが容易となる。さらにまた、加工に際して切削油を使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る真空チャックの構成を示す断面図である。
【図2】この発明の一実施形態に係る真空チャックの台座を示す平面図である。
【図3】この発明の一実施形態に係る吸着盤の一例を示す断面図(a)および底面図(b)である。
【図4】この発明の一実施形態に係る吸着盤の他の例を示す断面図(a)および底面図(b)である。
【図5】この発明の一実施形態に係る吸着盤の別の例を示す断面図(a)および底面図(b)である。
【符号の説明】
10 真空チャック、
12 ベース部材、
18 開口、
20 吸着盤、
21 吸着口、
W ワーク、
S 空間、
31 シール材(吸盤)。
Claims (1)
- その上面に、真空源に連通する複数の開口を配設した平板からなるベース部材と、
このベース部材の上面に着脱自在に設けられ、上記開口に連通する吸着口を有してその上面にワークが載置可能な複数の吸着盤とを備え、
ワーク下面とベース部材の上面との間に所定の空間を画成した真空チャックにおいて、
上記各吸着盤は、
上下両面がフラットに形成された円柱体からなる本体部分と、
この本体部分の側壁に固着され、その上端およびその下端が本体部分の上面および下面より上方向および下方向にそれぞれ突出し、各吸着盤の上面とワーク下面との間および各吸着盤の下面とベース部材の上面との間をそれぞれシールする柔軟な素材からなるシール材と、
本体部分の下面から下方に突出して上記ベース部材の複数の開口に挿入され、本体部分をベース部材に固定する複数のピンとを有する真空チャック。
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