JP3605502B2 - エアロゲルの製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアロゲルの製造装置に関し、更に詳細には、乾燥度が高く、しかも細密な多孔質のエアロゲルを製造する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エアロゲルとは、空隙率が極めて高く、高い断熱性、遮音性等の優れた多孔質性を有する多孔質固体ゲルであって、触媒担体、断熱材、遮音材等として広い分野でその利用が期待されている。
従来、エアロゲルの製造方法として、ゾル−ゲル法により湿潤ゲルを作製する工程、湿潤ゲルを熟成させる熟成工程、及び超臨界乾燥法により湿潤ゲルを乾燥してエアロゲルを得る超臨界乾燥工程を経てエアロゲルを製造する方法が提案されている。
超臨界乾燥法は、固相と液相とからなるゼリー状のゲル物質中の液相を超臨界流体と置換、除去することにより、ゲルの骨格を収縮させることなくゲル物質を乾燥させる方法であって、高い空隙率を有するエアロゲルを得る方法であると評価されている。超臨界乾燥法によることなく、別の方法、例えば室温でゲルを放置乾燥することによりゲルを乾燥させると、ゲルの骨格が収縮して、空隙率の低い高密度固体になる。
【0003】
従来の超臨界乾燥法は、例えば特開昭61−46237号公報に開示されているように、ヒドロゲル中の水を有機媒質に溶解し、CO2の超臨界状態で有機媒質をCO2と置換し、次いでCO2を放圧により除去して、ゲルを乾燥している。また、特開昭61−171534号公報は、反応液体およびエアロゲル形成用組成物からなるプレゲルを調製し、反応液体が超臨界流体に変換する超臨界条件にプレゲルを加熱し、超臨界流体を超臨界条件下で排気してエアロゲルとし、かつ排気前に物体をエアロゲル形成用組成物に暴露してエアロゲルをその物体上に採取する方法を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の超臨界乾燥法には、次のような問題があった。
先ず、第1には、従来の超臨界乾燥法により乾燥して得たエアロゲルは、そのの空隙率が比較的低く、例えば比重が0.1程度のエアロゲルを従来の超臨界乾燥法により工業的に製造することが難しかった。
第2には、湿潤ゲル中の液体、例えば水をアルコール等の有機溶媒に置換し、更には超臨界状態のCO2で置換し、そのCO2を放圧して、湿潤ゲルを乾燥しているために、プロセスが複雑であって、かつ湿潤ゲルの乾燥に長時間を要することであった。
第3には、超臨界乾燥法を実施してエアロゲルを得る工業的装置が提案されていないことであって、そのために、良質のエアロゲルを商業的な規模で生産することが難しかった。
【0005】
よって、本発明の目的は、従来の超臨界乾燥法に比べて、簡単なプロセスで、しかも空隙率の高いエアロゲルを製造する装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る装置を使用したエアロゲルの製造方法は、ゾル−ゲル法により得た湿潤ゲルを超臨界流体と接触させる超臨界流体工程と、
次いで、湿潤ゲルと接触している超臨界流体の圧力を低下させて、湿潤ゲル中から超臨界流体を排出して湿潤ゲルを乾燥し、乾燥ゲルを得る乾燥工程と、
乾燥ゲルを乾燥不活性ガス気流中に保持して乾燥ゲルを仕上げ乾燥し、エアロゲルを得る仕上げ乾燥工程と
を有す
【0007】
本方法で乾燥する湿潤ゲルは、ゾル−ゲル法で作製されたシリカ、アルミナ等の無機系の湿潤ゲルであって、超臨界流体に溶解しないものを言う。また、超臨界流体とは、圧力及び温度の双方が流体の臨界条件より高い状態にある流体、又は圧力及び温度の一方が流体の臨界条件にあって他方が流体の臨界条件より高い状態にある流体を言い、流体の種類は問わず、例えば水でも、アルコール等の有機溶媒でも、炭酸ガス等のガスでも良い。
超臨界流体工程では、超臨界流体領域に湿潤ゲルを滴状で送入することにより、粉状又は粒状のエアロゲルを製造することできる。また、超臨界流体として超臨界水を使用することにより、有機溶媒を使用する場合に比べて超臨界流体の取り扱いが簡単になり、安全になる。実用的には、超臨界水工程では、湿潤ゲルを収容する収容体内に水を循環させつつ水を超臨界条件に昇温、昇圧して、超臨界水に転化する。尚、超臨界流体工程で湿潤ゲルと超臨界流体とを接触させる時間は、超臨界流体及び湿潤ゲルの種類、性状により、また湿潤ゲルの体積により異なるので、予め実験等により求めておく。
乾燥工程では、超臨界流体工程で超臨界流体に転化した湿潤ゲル中の液相、例えば水、溶媒等が、超臨界流体の減圧により気化して蒸発するので、空隙率の高い乾燥ゲルになる。本方法では、乾燥ゲルを乾燥不活性ガス気流中に保持して乾燥ゲルを仕上げ乾燥する工程を設けることにより、乾燥ゲルの乾燥を一層確実にして、従来に比べて、空隙率が一層高く、かつ細密な多孔質のエアロゲルを製造することができる。不活性ガスとは、乾燥ゲルとの反応性に乏しいガスを言い、例えば空気、窒素ガス等を言う。仕上げ乾燥工程は、乾燥工程に引き続き、乾燥ゲルの温度が高い状態で実施するほうが、乾燥効率が高く、乾燥不活性ガスの乾燥度が高く、かつ温度が高い方が乾燥効率が高い。
【0009】
上述のエアロゲルの製造方法を実施する際、本発明に係るエアロゲルの製造装置を使うことにより、粉状又は粒状のエアロゲルを容易に製造することができる
【0010】
本発明に係るエアロゲルの製造装置(以下、本発明装置と言う)は、超臨界流体を収容し、かつバスケットを超臨界流体内に保持する、複数個の第1のゲル乾燥容器と、
各第1のゲル乾燥容器内のバスケットに湿潤ゲルを送入する送入手段と、
超臨界流体に転化する流体をその臨界圧力以上に昇圧するポンプと、昇圧された流体をその臨界温度以上に加熱して超臨界流体にする加熱器とを有し、各第1のゲル乾燥容器に超臨界流体を送入する超臨界流体機構と、
各第1のゲル乾燥容器内の圧力を減圧して超臨界流体を外部に排出し、湿潤ゲルを乾燥する乾燥手段と
を備え、各第1のゲル乾燥容器に保持されたバスケットに湿潤ゲルを送入手段によって送入し、超臨界流体機構によって超臨界流体を各第1のゲル乾燥容器に送入して湿潤ゲルと接触させ、乾燥手段によって湿潤ゲルを乾燥して乾燥ゲルとし、
更に、各第1のゲル乾燥容器から移送された乾燥ゲルを収容する第2のゲル乾燥容器と、
各第1のゲル乾燥容器から第2のゲル乾燥容器に乾燥ゲルを移送する移送手段と、
乾燥不活性ガスを第2のゲル乾燥容器に送入する仕上げ乾燥手段と、
第2のゲル乾燥容器からエアロゲルを払い出す、圧力差押し出し式又は吸引式の払出し手段と
を備え、各第1のゲル乾燥容器から第2のゲル乾燥容器に乾燥ゲルを移送手段によって移送し、第2のゲル乾燥容器に収容された乾燥ゲルを仕上げ乾燥手段によって送入された乾燥不活性ガス気流により仕上げ乾燥してエアロゲルとし、次いで払出し手段によって第2のゲル乾燥容器からエアロゲルを払出すことを特徴としている。
発明装置では、複数系列の第1のゲル乾燥容器と、複数系列の第1のゲル乾燥容器に共通の第2のゲル乾燥容器を設けることにより、第1のゲル乾燥容器で回分式で乾燥工程を実施し、第2のゲル乾燥容器で連続して仕上げ乾燥して、製品エアロゲルを得ることができる。
【0011】
本発明で使用するバスケットは、湿潤ゲルを収容して湿潤ゲル内の水及び溶媒が超臨界流体の熱により超臨界水及び超臨界流体に転化することができる限り制約はない。好適には、熱伝導性の高い金属製バスケットが好ましい。
加熱器は、流体をその流体の臨界温度以上に加熱できる限り、加熱形式に制約は無く、例えば電気炉でもバーナ炉でも、またゲル乾燥容器に設けた加熱コイルでも加熱ジャケットでも良い。また、必要に応じて熱交換器を設け、熱回収しても良い。また、超臨界流体機構が、ゲル乾燥容器に送入した流体をゲル乾燥容器から流出させ、再びポンプ及び加熱器を経てゲル乾燥容器に流入させる循環経路を備え、循環中に加熱器で流体を加熱して超臨界流体に転化することにより、湿潤ゲルの温度を徐々に超臨界温度に昇温するようにしても良い。
発明装置で移送手段とは、例えば第1のゲル乾燥容器と第2のゲル乾燥容器との圧力差による既知の押し出し式又は吸引式の移送手段で良い。また、ゲル乾燥容器からエアロゲルを払い出す手段として、圧力差押し出し式又は吸引式の払出し手段を備えても良い。
発明装置では、送入手段の先端に湿潤ゲルを粉状又は粒状でバスケットに噴出するノズルを備えて、湿潤ゲルが粉状又は粒状化し易くするようにしても良い
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照し、参考形態例及び実施形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
参考形態例1
参考形態例は、超臨界流体として超臨界水を使ってエアロゲルの製造方法を実施し、塊状のエアロゲルを製造する装置の参考形態例であって、図1は本参考形態例のエアロゲル製造装置の構成を示すフローシートである。
参考形態例のエアロゲルの製造装置10(以下、簡単に装置10と言う)は、図1に示すように、湿潤ゲルを保持したバスケット12を収容し、バスケット12内の湿潤ゲルを超臨界流体と接触させ、次いで乾燥してエアロゲルにするゲル乾燥容器14と、超臨界水に転化する水を貯水する貯水槽16と、ゲル乾燥容器14と貯水槽16との間で水、更には超臨界水を循環させる循環配管18と、貯水槽16から水を汲み出し水の臨界圧力以上に昇圧する昇圧ポンプ20と、昇圧ポンプ20の下流にあって循環配管18に設けられ、昇圧された水をその臨界温度以上に加熱して超臨界水に転化する加熱器22と、乾燥空気送入手段24とを備えている。
【0013】
ゲル乾燥容器14は、頭部の胴フランジにより開放、密閉自在な圧力容器であって、湿潤ゲルを保持したバスケット12を内部に収容し、所定配置で支持することができ、上部に循環配管18の流入口26、下部に循環配管18の流出口27、乾燥空気の流入口28、及び頭部に開閉弁付きベントライン30を備えている。
乾燥空気送入手段24は、空気を圧縮し送入する空気圧縮機32と、圧縮された空気を乾燥する乾燥器34と、乾燥圧縮空気を一時的に収容する空気貯槽36とを備え、乾燥空気管37を経由して流入口28からゲル乾燥容器14に乾燥空気を送入する。送入された空気は、乾燥ゲルを乾燥させた後、ゲル乾燥容器14の頭部のベントライン30を経由して大気に放出される。
循環配管18には、必要な箇所に開閉弁が設けてある。例えば、流入口26近傍には開閉弁38、流出口27近傍には開閉弁40を有する。また、乾燥空気送入手段24の乾燥空気管37には、流入口28近傍に開閉弁42が設けてある。
【0014】
貯水槽16の水は、昇圧ポンプ20により水の臨界圧力以上の圧力に昇圧され、かつ加熱器22によって水の臨界温度以上に加熱されて、ゲル乾燥容器14に導入される。また、別法として、循環配管18を経由してゲル乾燥容器14と貯水槽16との間で水を循環し、その過程で加熱器22により臨界温度以上に加熱しても良い。
貯水槽16は、超臨界水送入用の水を貯水すると共に、循環タンクとしても、また後述する減圧工程での超臨界水受入れ槽としても機能する。貯水槽16には、減圧工程で受け入れた超臨界水及び亜臨界水を冷却するための冷却蛇管を槽内に有する。
【0015】
装置10を使ってエアロゲルの製造方法を実施する際には、先ず、湿潤ゲルを収容したバスケット12をゲル乾燥容器14に収容し、ゲル乾燥容器14を密閉する。
次いで、昇圧ポンプ20を起動して、超臨界水工程に移る。昇圧ポンプ20により貯水槽16から水を汲み出し、臨界圧力以上に昇圧して加熱器22に送水する。加熱器22で水を臨界温度以上に加熱して超臨界水に転化し、ゲル乾燥容器14に送入し、続いて循環配管18を経由して貯水槽16に流出させる。これにより、ゲル乾燥容器14の内部を超臨界水条件の下に維持することができる。別法として、上述したように、貯水槽16とゲル乾燥容器14との間で循環配管18を経由して昇圧ポンプ20により水を循環させつつ加熱器22により臨界温度以上に加熱しても良い。
【0016】
超臨界水は、ゲル乾燥容器14内で湿潤ゲルと接触し、その熱により湿潤ゲル中の水及びその他の溶媒を超臨界水及び超臨界流体に転化する。ゲル乾燥容器14内を超臨界水条件に維持できる限り、必ずしも、循環配管18を経由して超臨界水を循環する必要はない。
所定時間、ゲル乾燥容器14内で超臨界水と湿潤ゲルとを接触させた後、乾燥工程に移行し、ゲル乾燥容器14を減圧する。減圧する際には、開閉弁38を閉止し、一方、開閉弁40を開放して、ゲル乾燥容器14から超臨界水を貯水槽16に流出させながら、大気まで減圧する。減圧過程で、ゲル乾燥容器14内の超臨界水は、亜臨界水に、更に大気圧下で沸点状態の水にまで移行し、同時に湿潤ゲル内の超臨界水も放散して、乾燥ゲルになる。
次いで、仕上げ乾燥工程に移行し、乾燥空気をゲル乾燥容器14に送入して乾燥空気気流により乾燥ゲルを仕上げ乾燥し、エアロゲルにする。
仕上げ乾燥が終了した段階で、ゲル乾燥容器14を開放し、バスケット12を取り出し、更に、バスケット12から製造された塊状エアロゲルを取り出す。ゲル乾燥容器14には冷却水を流すジャケットを外側に設け、仕上げ乾燥工程及びその後のバスケット取り出しの便宜のために冷却できるようにしても良い。
本装置10で製造するエアロゲルは、湿潤ゲルがバスケット12内で乾燥、固形化するために、塊状のエアロゲルであって、バスケット12から取り出した後で、所望の形状に裁断して使用する。
【0017】
参考形態例2
参考形態例は、超臨界流体として超臨界水を使ってエアロゲルの製造方法を実施し、粉状又は粒状のエアロゲルを製造する装置の参考形態例であって、図2は本参考形態例のエアロゲル製造装置の構成を示すフローシートである。図2中、図1と同じ機能を有する機器には同じ符号を付し、その説明を省略する。
参考形態例のエアロゲルの製造装置50(以下、簡単に装置50と言う)は、図2に示すように、湿潤ゲルを保持するバスケット52を収容し、かつ超臨界流体内に保持されたバスケット52に導入された湿潤ゲルを超臨界流体と接触させ、次いで乾燥してエアロゲルにするゲル乾燥容器54と、湿潤ゲルを貯槽するホッパ56と、ホッパ56からゲル乾燥容器54のバスケット52に湿潤ゲルを送入する湿潤ゲルポンプ58と、ゲル乾燥容器54内のバスケット52から外部に製品のエアロゲルを押し出すエアロゲル払出し手段60とを備えている。
装置50は、更に、参考形態例1と同様に、水を貯水する貯水槽16と、ゲル乾燥容器14と貯水槽16との間で水を循環させる循環配管18と、貯水槽16から水を汲み出し臨界圧力以上に昇圧する昇圧ポンプ20と、昇圧ポンプ20の下流にあって循環配管18に設けられ、昇圧された水を臨界温度以上に加熱して超臨界水に転化する加熱器22と、乾燥空気送入手段24とを備えている。
【0018】
ゲル乾燥容器54は、湿潤ゲルを保持し、超臨界水と接触させるバスケット52を内部の所定配置で常置させていて、湿潤ゲルは、ホッパ56から湿潤ゲルポンプ58によりゲル乾燥容器54内のバスケット52に送給される。また、製品のエアロゲルは、エアロゲル払出し手段60を介してゲル乾燥容器54内の圧力によってバスケット52から外部の受け槽62に押し出される。
従って、ゲル乾燥容器54は、参考形態例1のゲル乾燥容器14のように都度バスケット12を取り入れ、取り出しする必要がないので、必ずしも頭部で開放、密閉自在にする必要がない。
【0019】
装置50を使ってエアロゲルの製造方法を実施する際には、先ず、昇圧ポンプ20を起動して、貯水槽16から水を汲み出し、臨界圧力以上に昇圧して加熱器22に送水する。加熱器22で水を臨界温度以上に加熱して超臨界水に転化し、ゲル乾燥容器54に送入し、続いて循環配管18を経由して貯水槽16に流出させる。これにより、ゲル乾燥容器14の内部を超臨界水条件の下に維持することができる。別法として、貯水槽16とゲル乾燥容器14との間で循環配管18を経由して昇圧ポンプ20により水を循環させつつ加熱器22により臨界温度以上に加熱しても良い。
次いで、湿潤ゲルポンプ58を起動して、超臨界水条件下のゲル乾燥容器54内のバスケット52に湿潤ゲルを滴状で所定量送入する。湿潤ゲルポンプ58により超臨界水条件下のバスケット52内に滴状で送入された湿潤ゲルは、バスケット52内で粉状又は粒状を維持したままエアロゲルに転化する。湿潤ゲルを粉状又は粒状で送入するために、湿潤ゲルポンプ58からの湿潤ゲル送入管の先端に必要に応じて噴出ノズルを設けても良い。
超臨界水は、ゲル乾燥容器54内の湿潤ゲルと接触し、その熱により湿潤ゲル中の水及びその他の溶媒を超臨界水及び超臨界流体に転化する。ゲル乾燥容器54内を超臨界水条件に維持できる限り、必ずしも、循環配管18を経由して超臨界水を循環する必要はない。
所定時間、ゲル乾燥容器54内で超臨界水と湿潤ゲルとを接触させた後、乾燥工程に移行する。
【0020】
参考形態例1と同様にして、乾燥工程及び仕上げ乾燥工程を実施して、ゲル乾燥容器54内のバスケット52で粉状又は粒状のエアロゲルを製造する。
最後に、ベントライン30を閉止してゲル乾燥容器54内の圧力を高め、製造された粉状又は粒状のエアロゲルを圧力差によりエアロゲル払出し手段60により外部の受け槽62に押し出す。
【0021】
参考形態例3
参考形態例は、参考形態例2の改変例であって、図3は本参考形態例のエアロゲル製造装置の構成を示すフローシートである。図3中、図1及び図2と同じ機能を有する機器には同じ符号を付し、その説明を省略する。
参考形態例のエアロゲルの製造装置70(以下、簡単に装置70と言う)は、図3に示すように、A、Bの2系列のゲル乾燥容器54を有することを除いて、参考形態例2の装置50と同じ構成を備えている。
これにより、ゲル乾燥容器54A、Bを交互に使って、例えば、ゲル乾燥容器54A、Bの一方で超臨界水工程を実施しつつ、ゲル乾燥容器54A、Bの他方で製造したエアロゲルを受け槽62に流出させることにより、連続して粉状又は粒状のエアロゲルを製造することができる。
【0022】
実施形態例
本実施形態例は、参考形態例2を改変した本発明装置の実施形態例であって、図4は本実施形態例のエアロゲル製造装置の構成を示すフローシートである。図4中、図1から図3と同じ機能を有する機器には同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態例のエアロゲルの製造装置80(以下、簡単に装置80と言う)は、複数系列の第1のゲル乾燥容器82(図4では、A、Bの2系列のみ表示)と、共通の第2のゲル乾燥容器84とを有することを除いて、参考形態例2の装置50と同じ構成を備えている。
第1のゲル乾燥容器82は乾燥空気の流入口28が無いことを除いて参考形態例2のゲル乾燥容器54と同じ構成であり、第2のゲル乾燥容器84は竪型容器であって、乾燥ゲルの送入口86と、乾燥空気の流入口88と、エアロゲル払出し手段90とを備えている。
【0023】
装置80を使ってエアロゲルの製造方法を実施する際には、先ず、複数系列の第1のゲル乾燥容器82のいずれかで超臨界水工程及び乾燥工程を実施して乾燥ゲルを生成し、次いで第1のゲル乾燥容器82から乾燥ゲルを第2のゲル乾燥容器84に圧力差により移送管85を経由して移送する。
第2のゲル乾燥容器84に乾燥空気を送入して、乾燥ゲルの仕上げ乾燥を行い、得た粉状又は粒状のエアロゲルをエアロゲル払出し手段90により受け槽92に受ける。
【0024】
本実施形態例では、複数系列の第1のゲル乾燥容器82で、順次、乾燥工程まで実施し、共通の第2のゲル乾燥容器84で最後の仕上げ乾燥工程と製品払出しを行うので、回分式で連続的に粉状又は粒状のエアロゲルを製造することができる。
【0025】
実施形態例では、押し出し式払出し手段により製品エアロゲルをゲル乾燥容器から払出しているが、既知の真空吸引法により製品エアロゲルをゲル乾燥容器から払い出すこともできる。
【0027】
【発明の効果】
発明装置は、エアロゲルの製造方法の実施が容易な装置を実現しており、本発明装置によって、空隙率が極めて高く、乾燥したエアロゲルを効率良く容易に商業的規模で生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考形態例1のエアロゲルの製造装置の構成を示すフローシートである。
【図2】参考形態例2のエアロゲルの製造装置の構成を示すフローシートである。
【図3】参考形態例3のエアロゲルの製造装置の構成を示すフローシートである。
【図4】実施形態例のエアロゲルの製造装置の構成を示すフローシートである。
【符号の説明】
10 参考形態例1のエアロゲルの製造装置
12 バスケット
14 ゲル乾燥容器
16 貯水槽
18 循環配管
20 昇圧ポンプ
22 加熱器
24 乾燥空気送入手段
26 流入口
27 流出口
28 乾燥空気の流入口
30 ベントライン
32 空気圧縮機
34 乾燥器
36 空気貯槽
38、40、42 開閉弁
50 参考形態例2のエアロゲルの製造装置
52 バスケット
54 ゲル乾燥容器
56 ホッパ
58 湿潤ゲルポンプ
60 エアロゲル払出し手段
62 受け槽
70 参考形態例3のエアロゲルの製造装置
80 実施形態例のエアロゲルの製造装置
82 第1のゲル乾燥容器
84 第2のゲル乾燥容器
86 乾燥ゲルの送入口
88 乾燥空気の流入口
90 エアロゲル払出し手段
92 受け槽

Claims (3)

  1. 超臨界流体を収容し、かつバスケットを超臨界流体内に保持する、複数個の第1のゲル乾燥容器と、
    各第1のゲル乾燥容器内のバスケットに湿潤ゲルを送入する送入手段と、
    超臨界流体に転化する流体をその臨界圧力以上に昇圧するポンプと、昇圧された流体をその臨界温度以上に加熱して超臨界流体にする加熱器とを有し、各第1のゲル乾燥容器に超臨界流体を送入する超臨界流体機構と、
    各第1のゲル乾燥容器内の圧力を減圧して超臨界流体を外部に排出し、湿潤ゲルを乾燥する乾燥手段と
    を備え、各第1のゲル乾燥容器に保持されたバスケットに湿潤ゲルを送入手段によって送入し、超臨界流体機構によって超臨界流体を各第1のゲル乾燥容器に送入して湿潤ゲルと接触させ、乾燥手段によって湿潤ゲルを乾燥して乾燥ゲルとし、
    更に、各第1のゲル乾燥容器から移送された乾燥ゲルを収容する第2のゲル乾燥容器と、
    各第1のゲル乾燥容器から第2のゲル乾燥容器に乾燥ゲルを移送する移送手段と、
    乾燥不活性ガスを第2のゲル乾燥容器に送入する仕上げ乾燥手段と、
    第2のゲル乾燥容器からエアロゲルを払い出す、圧力差押し出し式又は吸引式の払出し手段と
    を備え、各第1のゲル乾燥容器から第2のゲル乾燥容器に乾燥ゲルを移送手段によって移送し、第2のゲル乾燥容器に収容された乾燥ゲルを仕上げ乾燥手段によって送入された乾燥不活性ガス気流により仕上げ乾燥してエアロゲルとし、次いで払出し手段によって第2のゲル乾燥容器からエアロゲルを払出すことを特徴とするエアロゲルの製造装置。
  2. 送入手段の先端に湿潤ゲルを粉状又は粒状でバスケットに噴出するノズルを備えていることを特徴とする請求項に記載のエアロゲルの製造装置。
  3. 超臨界流体機構が、ゲル乾燥容器に送入した流体をゲル乾燥容器から流出させ、再びポンプ及び加熱器を経てゲル乾燥容器に流入させる循環経路を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のエアロゲルの製造装置。
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