JP3605473B2 - フィルム、シート類の展張支持治具 - Google Patents
フィルム、シート類の展張支持治具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3605473B2 JP3605473B2 JP15919196A JP15919196A JP3605473B2 JP 3605473 B2 JP3605473 B2 JP 3605473B2 JP 15919196 A JP15919196 A JP 15919196A JP 15919196 A JP15919196 A JP 15919196A JP 3605473 B2 JP3605473 B2 JP 3605473B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- frame
- film
- sheets
- sheet
- panel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
- Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,自立性のないフィルム、シート類を自立性のある板状のパネルに沿わせて、シワや弛みが発生しないように枠体に展張支持するための治具に関し、特に、テレビジョン等のプロジェクションスクリーン用のフィルムないしシートを展張支持する治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン等のプロジェクションスクリーン用のフレネルレンズにおいては、従来は、自立性のある比較的厚いシートを用い、同心円状にレンズを形成したサーキュラーフレネルレンズが主体で、熱プレスによる成形や紫外線硬化型樹脂を用いた金型による成形がなされていた。
近年は、レンズの光学的損失などによる画質の低下を少なくためのレンズシートの薄板化と、生産性向上のための連続生産の要望から、薄いフィルム上にレンズを形成したものが製作されるようになってきた。
例えば、レンズを直線状に平行に並列して形成したリニアフレネルレンズは、形状が直線状になっているため、その作製には、グラビア印刷機を応用した機械により、連続した薄いフィルム上に紫外線硬化性の樹脂を所定の形状に転写して、紫外線により硬化させて、リニアフレネルレンズを形成する紫外線硬化法等の方法が採られていた。
このようにして作製される薄くて自立性に乏しいフィルムレンズをプロジェクションスクリーンとして使用する際の展張支持方法としては、剛性のある板、例えばレンチキュラーレンズシートに抱き合わせる第一の方法、フィルム自体を枠体やキャビネット等の支持物に支持しながら張る第二の方法が知られているが、シワ、弛みの発生確率を考慮した生産性の面や一層の薄板化という面からは第二の方法の方が優れている。
【0003】
しかし、フィルム自体を枠体やキャビネット等の支持物に支持しながら張る第二の方法の場合、確実な固定は難しく、また、フィルムに対してシワを発生させずに、テンション(張力)を掛け続けることは難しく、固定にもかなりコツが必要であった。即ち、この第二の方法おいては、レンズフィルムに常にテンション(張力)を掛け続け、且つ、レンズフィルム全体をシワや弛みが発生しないように、簡単に保持できるようにすることが求められていた。
第一の方法の場合は、レンズフィルム全体をシワや弛みが発生しないようにすることが難しく、その対応が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、プロジェクションスクリーン用に連続生産される自立性のない薄いリニアフレネルレンズフィルムに対しては、確実な固定ができて、フィルムに対してシワや弛みを発生させずに、テンション(張力)をかけ続けることができ、且つ、固定にはコツを必要としない簡単な、展張支持治具が求められていた。
本発明は、このような状況のもと、自立性のない合成樹脂製のフィルム、シート類を、自立性のある板状のパネルに沿わせて、シワや弛みが発生しないように枠体に展張支持するための治具で、比較的簡単な構造で、且つ、フィルム、シート類に対してシワや弛みを発生させずに、確実な固定ができて、テンション(張力)をかけ続けることができるものを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のフィルム、シート類の展張支持治具は、自立性のない合成樹脂製のフィルム、シート類を、自立性のある板状のパネルに沿わせて、シワや弛みが発生しないように枠体に展張支持するための治具であって、少なくとも、フィルム、シート類を対向する2辺で支持する四角形の第一の枠体と、第一の枠体にフィルム、シート類を介してかぶせる第二の枠体と、第二の枠体を第一の枠体にかぶせた際に、第一の枠体の内周側に形成される第一の枠体と第二の枠体との間隙にフィルム、シートを介して嵌合する板状のパネルとを備え、フィルム、シート類を第一の枠体の少なくとも対向する2辺で支持し、且つ、板状のパネルをフィルム、シート類を介して前記少なくとも対向する2辺側の、前記第一の枠体と第二の枠体との間隙に嵌合させてフィルム、シート類を展張することを特徴とするものである。
そして、上記における、第一の枠体へのフィルム、シート類の支持は、第一の枠体へフィルム、シート類をヒートシール法(熱圧着法とも言う)ないし超音波融着法により固定したものであることを特徴とするものであり、フィルム、シート類の第一の枠体への支持を第一の枠体に設けた溝にて行い、且つ、該溝に第二の枠体に設けた突起を嵌合させてフィルム、シート類を支持することを特徴とするものである。
そしてまた、上記における第二の枠体が外装枠を兼ねるものであることを特徴とするものである。
そして、上記のフィルム、シート類がプロジェクションスクリーン用のフィルムないしシートであることを特徴とするものである。
また、上記のパネルがレンチキュラーレンズ、ハードコート処理された表面パネル等の背面投射型プロジェクションテレビ用のパネルであることを特徴とするものである。
【0006】
尚、ここでは、プロジェクションスクリーン用のフィルムないしシートとは、その面にレンズを形成してあるものと、形成していないものの両方を含む。
また、自立性がないフィルム、シート類とは、他のものに支持されたり、固定されたりしないで、それ自体では、シワや弛みが生じてしまうフィルム、シート類を意味し、自立性があるパネルとは、それ自体でシワや弛みが発生しないパネルを意味する。
【0007】
【作用】
本発明のフィルム、シート類の展張支持治具は、上記のように構成することにより、フィルム、シート類に対し、比較的簡単な構造で、且つ、フィルム、シート類に対してシワや弛みを発生させずに、確実な固定ができて、テンション(張力)を掛け続けることができる展張治具の提供を可能にしている。
詳しくは、本発明のフィルム、シート類の展張支持治具は、少なくとも、フィルム、シート類を対向する2辺で支持する四角形の第一の枠体と、第一の枠体をフィルム、シート類を介してかぶせる第二の枠体と、第二の枠体を第一の枠体にかぶせた際に、第一の枠体の内周側に形成される第一の枠体と第二の枠体との間隙にフィルム、シートを介して嵌合する板状のパネルとを備え、フィルム、シート類を第一の枠体の少なくとも対向する2辺で支持し、且つ、板状のパネルをフィルム、シート類を介して前記少なくとも対向する2辺側の、前記第一の枠体と第二の枠体との間隙に嵌合させてフィルム、シート類を展張することにより、これを達成している。
具体的には、第一の枠体へのフィルム、シート類の支持は、第一の枠体へフィルム、シート類をヒートシール法(熱圧着法とも言う)ないし超音波融着法により固定したものであり、フィルム、シート類の枠体への支持を簡単なものとしており、フィルム、シート類の第一の枠体への支持を第一の枠体に設けた溝にて行い、且つ、該溝に第二の枠体に設けた突起を嵌合させてフィルム、シート類を支持することにより、支持をより確実なものとしている。
そして、第二の枠体が外装枠を兼ねるものとすることより、全体を簡単な構造としている。
特に、フィルム、シート類がプロジェクションスクリーン用のフィルムないしシートの展張支持には有効である。この場合には、パネルとしてレンチキュラーレンズ、ハードコート処理された表面パネル等の背面投射型プロジェクションテレビ用の自立性のあるパネルを用いることが多い。
【0008】
【実施例】
本発明のフィルム、シート類の展張支持治具の実施例を図にもとづいて説明する。
図1(a)は、本実施例のフィルム、シート類の展張支持治具を用いて展張支持を完了した後の状態を示した平面図であり、図1(b)は図1(a)のA1−A2におけるの断面図であり、図1(c)はパネルを嵌合していない状態を示した図であり、図2は図1に示す枠体を展開して示した斜視図である。
図1、図2中、100は展張支持治具、110は第一の枠体、111は外側面、112は前面、113は後面、115、116、118は溝部、118Sは面、120は第二の枠体、121、122は突起、130はフィルムレンズ、140はパネル、141は側面、160は間隙である。
本実施例のフィルム、シート類の展張支持治具100は、自立性のない合成樹脂製のフィルムレンズ130を、自立性のある板状のパネル140に沿わせて、シワや弛みが発生しないように枠体に展張支持するための治具で、枠体の四方向にてフィルムレンズ130を支持し、且つ展張している。
特に、本実施例の展張支持治具は、自立性のない合成樹脂製のフィルムレンズを自立性のある板状のレンチキュラーレンズ、ハードコート処理された表面パネル等の背面投射型プロジェクションテレビ用のパネルに沿わせる場合に有効なものであるが、用途はこれに限定されない。本実施例の展張支持治具100は、比較的簡単な構造で、且つ、フィルム、シート類に対してシワや弛みを発生させずに、確実な固定ができて、テンション(張力)をかけ続けることができるものである。
【0009】
図1(b)に示すように、第一の枠体110の前面112側には、フィルムレンズ130固定用の溝部115が設けられており、第二の枠体120に設けられた突起121と嵌まり固定を強固にできるようにしている。
そして、第一の枠体110の後面113側にも、溝部116が設けられており、第二の枠体120に設けられた突起122と嵌まるようになっている。
これにより、第二の枠体120を第一の枠体110にかぶせた際にははずれないようにしている。
第一の枠体110の前面112、後面113は枠の外側にゆくに従い互いに近づくようテーパーを形成している。
また、図1(c)に示すように、図1(b)において、パネル140を嵌合していない場合には、第一の枠体110の前面112側と第二の枠体120との間に間隙160が生じるように、第一の枠体110の前面112側に枠体の内周に沿った溝部118を設けている。
本実施例では、溝部118は第一の枠体110の内周面と前面112とが交叉する角部を各面に沿い、凹ませて設けられている。
そして、図1(c)のように張られているフィルムレンズを更に展張して図1(b)に示すように、パネル140が間隙160に、フィルムレンズ130とともに嵌合される。
パネル140が嵌合した状態では、パネル140の側面141がフィルムレンズ130を介して、第一の枠体110が内側に入って来ようとするのを防ぐ役目を担っている。
本実施例では硬質ポリ塩化ビニルを使用したが、他にはフェノール樹脂等が挙げられる。
【0010】
第二の枠体120は見た目を良くする外装枠を兼ねたものであり、図1(b)に示すように、第二の枠体120は、第一の枠体110を前面112側でフィルムレンズ130を介してかぶせる。そして、かぶせた際には、外側面111、後面113も覆う。
第二の枠体の材質としては、ポリプロピレンを用いたが、変形しにくい材質のものならばこれに限定されない。他には硬質ポリ塩化ビニルも挙げられる。
【0011】
本実施例のフィルム、シート類の展張支持治具100を用いたプロジェクションスクリーン300の作製は、例えば、図3に示すようにして行う。これを簡単に説明しておく。
図3(a)(イ)、図3(b)、図3(c)、図3(d)、図3(e)、図3(f)(イ)は、各作製工程を示した断面図で、図3(a)(ロ)、図3(f)(ロ)はそれぞれ、図3(a)(イ)、図3(f)(イ)に対応する平面図を示しており、図3(a)(ロ)のB1−B2における断面が図3(a)(イ)であり、図3(f)(ロ)のB3−B4における断面図が図3(f)(イ)である。
先ず、第一の枠体110を前面112を上にして用意する。(図3(a))
次いで、連続した巻きとなっているフィルムレンズ130を展張部310で展張しながら(図3(b))、第一の枠体110の前面112にかぶせ、図1に示す溝部115にて熱圧着するとともに、所定の範囲にカッター320にて切断すして、第一の枠体110の前面112側にフィルムレンズ130を展張する。(図3(c))
次いで、第一の枠体110を載置台330上におき、浮かせた状態にして、第二の枠体120の対向する2辺120a(120b)を、第一の枠体110の上にかるくかぶせた後、第二の枠体120を第一の枠体110に完全に装着させるための装着機(図示していない)を用いて装着する。(図3(d))
次いで、枠体の向きを90°回転し、第二の枠体120の残る対向する2辺120c(120d)側を装着する。(図3(e))
この後、パネル140を図1(c)に示す間隙160に嵌めてプロジェクションスクリーン300を得る。(図3(f))
【0012】
このようにして、第一の枠体110にフィルムレンズ130を介して第二の枠体120を装着し、さらに第一の枠体110と第二の枠体120とで形成される間隙160にパネル140を嵌めこみフィルムレンズ130の展張支持を行うが、コンベア上にて流れ作業的に全工程を行うことも可能である。
【0013】
本実施例のフィルム、シート類の展張支持治具の場合は、枠体の4辺にて展張支持しているが、場合によっては対向する2辺のみで展張支持しても良い。
【0014】
【効果】
本発明は、上記のように、自立性のない合成樹脂製のフィルム、シート類を、自立性のある板状のパネルに沿わせて、シワや弛みが発生しないように枠体に展張支持するための治具であって、比較的簡単な構造で、且つ、フィルム、シート類に対してシワや弛みを発生させずに、確実な固定ができて、テンション(張力)をかけ続けることができるものの提供を可能としている。
特に、背面投射型プロジェクションスクリーンに使用される、自立性のあるレンチキュラーレンズ等のパネルに沿わせて、自立性のないフィルムレンズを展張する際に、有効な治具の提供を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のフィルム、シート類の展張支持治具の図
【図2】実施例のフィルム、シート類の展張支持治具の枠体の展開図
【図3】実施例のフィルム、シート類の展張支持治具を用いたプロジェクションスクリーンの作製工程を示した図
【符号の説明】
100 展張支持治具
110 第一の枠体
111 外側面
112 前面
113 後面
115、116、118 溝部
118S 面
120 第二の枠体
121、122 突起
130 フィルムレンズ
140 パネル
141 側面
160 間隙
300 プロジェクションスクリーン
310 展張部
320 カッター
330 載置台
【産業上の利用分野】
本発明は,自立性のないフィルム、シート類を自立性のある板状のパネルに沿わせて、シワや弛みが発生しないように枠体に展張支持するための治具に関し、特に、テレビジョン等のプロジェクションスクリーン用のフィルムないしシートを展張支持する治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン等のプロジェクションスクリーン用のフレネルレンズにおいては、従来は、自立性のある比較的厚いシートを用い、同心円状にレンズを形成したサーキュラーフレネルレンズが主体で、熱プレスによる成形や紫外線硬化型樹脂を用いた金型による成形がなされていた。
近年は、レンズの光学的損失などによる画質の低下を少なくためのレンズシートの薄板化と、生産性向上のための連続生産の要望から、薄いフィルム上にレンズを形成したものが製作されるようになってきた。
例えば、レンズを直線状に平行に並列して形成したリニアフレネルレンズは、形状が直線状になっているため、その作製には、グラビア印刷機を応用した機械により、連続した薄いフィルム上に紫外線硬化性の樹脂を所定の形状に転写して、紫外線により硬化させて、リニアフレネルレンズを形成する紫外線硬化法等の方法が採られていた。
このようにして作製される薄くて自立性に乏しいフィルムレンズをプロジェクションスクリーンとして使用する際の展張支持方法としては、剛性のある板、例えばレンチキュラーレンズシートに抱き合わせる第一の方法、フィルム自体を枠体やキャビネット等の支持物に支持しながら張る第二の方法が知られているが、シワ、弛みの発生確率を考慮した生産性の面や一層の薄板化という面からは第二の方法の方が優れている。
【0003】
しかし、フィルム自体を枠体やキャビネット等の支持物に支持しながら張る第二の方法の場合、確実な固定は難しく、また、フィルムに対してシワを発生させずに、テンション(張力)を掛け続けることは難しく、固定にもかなりコツが必要であった。即ち、この第二の方法おいては、レンズフィルムに常にテンション(張力)を掛け続け、且つ、レンズフィルム全体をシワや弛みが発生しないように、簡単に保持できるようにすることが求められていた。
第一の方法の場合は、レンズフィルム全体をシワや弛みが発生しないようにすることが難しく、その対応が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、プロジェクションスクリーン用に連続生産される自立性のない薄いリニアフレネルレンズフィルムに対しては、確実な固定ができて、フィルムに対してシワや弛みを発生させずに、テンション(張力)をかけ続けることができ、且つ、固定にはコツを必要としない簡単な、展張支持治具が求められていた。
本発明は、このような状況のもと、自立性のない合成樹脂製のフィルム、シート類を、自立性のある板状のパネルに沿わせて、シワや弛みが発生しないように枠体に展張支持するための治具で、比較的簡単な構造で、且つ、フィルム、シート類に対してシワや弛みを発生させずに、確実な固定ができて、テンション(張力)をかけ続けることができるものを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のフィルム、シート類の展張支持治具は、自立性のない合成樹脂製のフィルム、シート類を、自立性のある板状のパネルに沿わせて、シワや弛みが発生しないように枠体に展張支持するための治具であって、少なくとも、フィルム、シート類を対向する2辺で支持する四角形の第一の枠体と、第一の枠体にフィルム、シート類を介してかぶせる第二の枠体と、第二の枠体を第一の枠体にかぶせた際に、第一の枠体の内周側に形成される第一の枠体と第二の枠体との間隙にフィルム、シートを介して嵌合する板状のパネルとを備え、フィルム、シート類を第一の枠体の少なくとも対向する2辺で支持し、且つ、板状のパネルをフィルム、シート類を介して前記少なくとも対向する2辺側の、前記第一の枠体と第二の枠体との間隙に嵌合させてフィルム、シート類を展張することを特徴とするものである。
そして、上記における、第一の枠体へのフィルム、シート類の支持は、第一の枠体へフィルム、シート類をヒートシール法(熱圧着法とも言う)ないし超音波融着法により固定したものであることを特徴とするものであり、フィルム、シート類の第一の枠体への支持を第一の枠体に設けた溝にて行い、且つ、該溝に第二の枠体に設けた突起を嵌合させてフィルム、シート類を支持することを特徴とするものである。
そしてまた、上記における第二の枠体が外装枠を兼ねるものであることを特徴とするものである。
そして、上記のフィルム、シート類がプロジェクションスクリーン用のフィルムないしシートであることを特徴とするものである。
また、上記のパネルがレンチキュラーレンズ、ハードコート処理された表面パネル等の背面投射型プロジェクションテレビ用のパネルであることを特徴とするものである。
【0006】
尚、ここでは、プロジェクションスクリーン用のフィルムないしシートとは、その面にレンズを形成してあるものと、形成していないものの両方を含む。
また、自立性がないフィルム、シート類とは、他のものに支持されたり、固定されたりしないで、それ自体では、シワや弛みが生じてしまうフィルム、シート類を意味し、自立性があるパネルとは、それ自体でシワや弛みが発生しないパネルを意味する。
【0007】
【作用】
本発明のフィルム、シート類の展張支持治具は、上記のように構成することにより、フィルム、シート類に対し、比較的簡単な構造で、且つ、フィルム、シート類に対してシワや弛みを発生させずに、確実な固定ができて、テンション(張力)を掛け続けることができる展張治具の提供を可能にしている。
詳しくは、本発明のフィルム、シート類の展張支持治具は、少なくとも、フィルム、シート類を対向する2辺で支持する四角形の第一の枠体と、第一の枠体をフィルム、シート類を介してかぶせる第二の枠体と、第二の枠体を第一の枠体にかぶせた際に、第一の枠体の内周側に形成される第一の枠体と第二の枠体との間隙にフィルム、シートを介して嵌合する板状のパネルとを備え、フィルム、シート類を第一の枠体の少なくとも対向する2辺で支持し、且つ、板状のパネルをフィルム、シート類を介して前記少なくとも対向する2辺側の、前記第一の枠体と第二の枠体との間隙に嵌合させてフィルム、シート類を展張することにより、これを達成している。
具体的には、第一の枠体へのフィルム、シート類の支持は、第一の枠体へフィルム、シート類をヒートシール法(熱圧着法とも言う)ないし超音波融着法により固定したものであり、フィルム、シート類の枠体への支持を簡単なものとしており、フィルム、シート類の第一の枠体への支持を第一の枠体に設けた溝にて行い、且つ、該溝に第二の枠体に設けた突起を嵌合させてフィルム、シート類を支持することにより、支持をより確実なものとしている。
そして、第二の枠体が外装枠を兼ねるものとすることより、全体を簡単な構造としている。
特に、フィルム、シート類がプロジェクションスクリーン用のフィルムないしシートの展張支持には有効である。この場合には、パネルとしてレンチキュラーレンズ、ハードコート処理された表面パネル等の背面投射型プロジェクションテレビ用の自立性のあるパネルを用いることが多い。
【0008】
【実施例】
本発明のフィルム、シート類の展張支持治具の実施例を図にもとづいて説明する。
図1(a)は、本実施例のフィルム、シート類の展張支持治具を用いて展張支持を完了した後の状態を示した平面図であり、図1(b)は図1(a)のA1−A2におけるの断面図であり、図1(c)はパネルを嵌合していない状態を示した図であり、図2は図1に示す枠体を展開して示した斜視図である。
図1、図2中、100は展張支持治具、110は第一の枠体、111は外側面、112は前面、113は後面、115、116、118は溝部、118Sは面、120は第二の枠体、121、122は突起、130はフィルムレンズ、140はパネル、141は側面、160は間隙である。
本実施例のフィルム、シート類の展張支持治具100は、自立性のない合成樹脂製のフィルムレンズ130を、自立性のある板状のパネル140に沿わせて、シワや弛みが発生しないように枠体に展張支持するための治具で、枠体の四方向にてフィルムレンズ130を支持し、且つ展張している。
特に、本実施例の展張支持治具は、自立性のない合成樹脂製のフィルムレンズを自立性のある板状のレンチキュラーレンズ、ハードコート処理された表面パネル等の背面投射型プロジェクションテレビ用のパネルに沿わせる場合に有効なものであるが、用途はこれに限定されない。本実施例の展張支持治具100は、比較的簡単な構造で、且つ、フィルム、シート類に対してシワや弛みを発生させずに、確実な固定ができて、テンション(張力)をかけ続けることができるものである。
【0009】
図1(b)に示すように、第一の枠体110の前面112側には、フィルムレンズ130固定用の溝部115が設けられており、第二の枠体120に設けられた突起121と嵌まり固定を強固にできるようにしている。
そして、第一の枠体110の後面113側にも、溝部116が設けられており、第二の枠体120に設けられた突起122と嵌まるようになっている。
これにより、第二の枠体120を第一の枠体110にかぶせた際にははずれないようにしている。
第一の枠体110の前面112、後面113は枠の外側にゆくに従い互いに近づくようテーパーを形成している。
また、図1(c)に示すように、図1(b)において、パネル140を嵌合していない場合には、第一の枠体110の前面112側と第二の枠体120との間に間隙160が生じるように、第一の枠体110の前面112側に枠体の内周に沿った溝部118を設けている。
本実施例では、溝部118は第一の枠体110の内周面と前面112とが交叉する角部を各面に沿い、凹ませて設けられている。
そして、図1(c)のように張られているフィルムレンズを更に展張して図1(b)に示すように、パネル140が間隙160に、フィルムレンズ130とともに嵌合される。
パネル140が嵌合した状態では、パネル140の側面141がフィルムレンズ130を介して、第一の枠体110が内側に入って来ようとするのを防ぐ役目を担っている。
本実施例では硬質ポリ塩化ビニルを使用したが、他にはフェノール樹脂等が挙げられる。
【0010】
第二の枠体120は見た目を良くする外装枠を兼ねたものであり、図1(b)に示すように、第二の枠体120は、第一の枠体110を前面112側でフィルムレンズ130を介してかぶせる。そして、かぶせた際には、外側面111、後面113も覆う。
第二の枠体の材質としては、ポリプロピレンを用いたが、変形しにくい材質のものならばこれに限定されない。他には硬質ポリ塩化ビニルも挙げられる。
【0011】
本実施例のフィルム、シート類の展張支持治具100を用いたプロジェクションスクリーン300の作製は、例えば、図3に示すようにして行う。これを簡単に説明しておく。
図3(a)(イ)、図3(b)、図3(c)、図3(d)、図3(e)、図3(f)(イ)は、各作製工程を示した断面図で、図3(a)(ロ)、図3(f)(ロ)はそれぞれ、図3(a)(イ)、図3(f)(イ)に対応する平面図を示しており、図3(a)(ロ)のB1−B2における断面が図3(a)(イ)であり、図3(f)(ロ)のB3−B4における断面図が図3(f)(イ)である。
先ず、第一の枠体110を前面112を上にして用意する。(図3(a))
次いで、連続した巻きとなっているフィルムレンズ130を展張部310で展張しながら(図3(b))、第一の枠体110の前面112にかぶせ、図1に示す溝部115にて熱圧着するとともに、所定の範囲にカッター320にて切断すして、第一の枠体110の前面112側にフィルムレンズ130を展張する。(図3(c))
次いで、第一の枠体110を載置台330上におき、浮かせた状態にして、第二の枠体120の対向する2辺120a(120b)を、第一の枠体110の上にかるくかぶせた後、第二の枠体120を第一の枠体110に完全に装着させるための装着機(図示していない)を用いて装着する。(図3(d))
次いで、枠体の向きを90°回転し、第二の枠体120の残る対向する2辺120c(120d)側を装着する。(図3(e))
この後、パネル140を図1(c)に示す間隙160に嵌めてプロジェクションスクリーン300を得る。(図3(f))
【0012】
このようにして、第一の枠体110にフィルムレンズ130を介して第二の枠体120を装着し、さらに第一の枠体110と第二の枠体120とで形成される間隙160にパネル140を嵌めこみフィルムレンズ130の展張支持を行うが、コンベア上にて流れ作業的に全工程を行うことも可能である。
【0013】
本実施例のフィルム、シート類の展張支持治具の場合は、枠体の4辺にて展張支持しているが、場合によっては対向する2辺のみで展張支持しても良い。
【0014】
【効果】
本発明は、上記のように、自立性のない合成樹脂製のフィルム、シート類を、自立性のある板状のパネルに沿わせて、シワや弛みが発生しないように枠体に展張支持するための治具であって、比較的簡単な構造で、且つ、フィルム、シート類に対してシワや弛みを発生させずに、確実な固定ができて、テンション(張力)をかけ続けることができるものの提供を可能としている。
特に、背面投射型プロジェクションスクリーンに使用される、自立性のあるレンチキュラーレンズ等のパネルに沿わせて、自立性のないフィルムレンズを展張する際に、有効な治具の提供を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のフィルム、シート類の展張支持治具の図
【図2】実施例のフィルム、シート類の展張支持治具の枠体の展開図
【図3】実施例のフィルム、シート類の展張支持治具を用いたプロジェクションスクリーンの作製工程を示した図
【符号の説明】
100 展張支持治具
110 第一の枠体
111 外側面
112 前面
113 後面
115、116、118 溝部
118S 面
120 第二の枠体
121、122 突起
130 フィルムレンズ
140 パネル
141 側面
160 間隙
300 プロジェクションスクリーン
310 展張部
320 カッター
330 載置台
Claims (6)
- 自立性のない合成樹脂製のフィルム、シート類を、自立性のある板状のパネルに沿わせて、シワや弛みが発生しないように枠体に展張支持するための治具であって、少なくとも、フィルム、シート類を対向する2辺で支持する四角形の第一の枠体と、第一の枠体にフィルム、シート類を介してかぶせる第二の枠体と、第二の枠体を第一の枠体にかぶせた際に、第一の枠体の内周側に形成される第一の枠体と第二の枠体との間隙にフィルム、シートを介して嵌合する板状のパネルとを備え、フィルム、シート類を第一の枠体の少なくとも対向する2辺で支持し、且つ、板状のパネルをフィルム、シート類を介して前記少なくとも対向する2辺側の、前記第一の枠体と第二の枠体との間隙に嵌合させてフィルム、シート類を展張することを特徴とするフィルム、シート類の展張支持治具。
- 請求項1における、第一の枠体へのフィルム、シート類の支持は、第一の枠体へフィルム、シート類をヒートシール法ないし超音波融着法により固定したものであることを特徴とするフィルム、シート類の展張支持治具。
- 請求項2において、フィルム、シート類の第一の枠体への支持を第一の枠体に設けた溝にて行い、且つ、該溝に第二の枠体に設けた突起を嵌合させてフィルム、シート類を支持することを特徴とするフィルム、シート類の展張支持治具。
- 請求項1ないし3における第二の枠体が外装枠を兼ねるものであることを特徴とする フィルム、シート類の展張支持治具。
- 請求項1ないし4記載のフィルム、シート類がプロジェクションスクリーン用のフィルムないしシートであることを特徴とするフィルム、シート類の展張支持治具。
- 請求項1ないし5記載のパネルがレンチキュラーレンズ、ハードコート処理された表面パネル等の背面投射型プロジェクションテレビ用のパネルであることを特徴とするフィルム、シート類の展張支持治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15919196A JP3605473B2 (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | フィルム、シート類の展張支持治具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15919196A JP3605473B2 (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | フィルム、シート類の展張支持治具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09325425A JPH09325425A (ja) | 1997-12-16 |
JP3605473B2 true JP3605473B2 (ja) | 2004-12-22 |
Family
ID=15688310
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15919196A Expired - Fee Related JP3605473B2 (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | フィルム、シート類の展張支持治具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3605473B2 (ja) |
-
1996
- 1996-05-31 JP JP15919196A patent/JP3605473B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09325425A (ja) | 1997-12-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3605472B2 (ja) | フィルム、シート類の展張支持治具 | |
US6785047B1 (en) | Tensioned projection screen apparatus | |
JPH11271883A (ja) | 透過形スクリーン及び投写型表示装置 | |
US7050229B2 (en) | Method for manufacturing rear-projection type screen having sheets with protrusions integrally formed thereon | |
KR100282143B1 (ko) | 투사형텔레비전수신기용마일러필름거울및그제조방법 | |
JP3605473B2 (ja) | フィルム、シート類の展張支持治具 | |
CN105866996A (zh) | 曲面显示设备 | |
JP3341228B2 (ja) | フィルム、シート類の展張支持治具 | |
JP3553250B2 (ja) | フィルム、シート類の展張支持治具 | |
JP3594742B2 (ja) | フィルム、シート類の展張支持治具 | |
JP3341229B2 (ja) | フィルム、シート類の展張支持治具 | |
JP2640081B2 (ja) | 偏光板付反射体並びに反射体 | |
JP3605480B2 (ja) | フィルム、シート類の展張支持治具 | |
JPH1048750A (ja) | フィルム、シート類の展張支持治具 | |
JP3502183B2 (ja) | フィルム、シート類の展張支持治具 | |
JP3667391B2 (ja) | フィルム、シート類の展張支持治具 | |
JP4737798B2 (ja) | 背面投写型映像表示装置 | |
JP3502184B2 (ja) | フィルム、シート類の保持治具 | |
JPH01302338A (ja) | スクリーンの取付装置 | |
JPH08262575A (ja) | フィルム、シート類の展張支持治具 | |
KR102491170B1 (ko) | 빔 프로젝트 투사용 유리칠판 제조방법 | |
US5963370A (en) | Support structure for tensely extending and supporting film or sheet | |
JP3063866B2 (ja) | レンズシート及び平面板の密着取付け装置とその支承方法 | |
JPH08194262A (ja) | フィルム、シート類の展張支持治具 | |
JP2024061177A (ja) | 真空成形装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040913 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040928 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041004 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |