JP3605419B2 - エゼクタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、消音室を有するエゼクタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エゼクタ装置から排出される排気を直接作業環境に排出すると、排気の排出音によって作業環境を悪化させるので、公知のエゼクタ装置は、該エゼクタ装置の排気口に取付けたサイレンサから、またはエゼクタ装置に組み込んだサイレンサを介して該エゼクタ装置の排気口から、作業環境に排出している。
しかしながら、エゼクタ装置の排気口にサイレンサを取付けた場合は、サイレンサを取付けるためのスペースに加えて、サイレンサの周囲に排気を排出するためのスペースが必要になるので、装置全体の占有スペースが大きくなるという問題がある。
一方、エゼクタ装置にサイレンサを組み込んだ場合は、サイレンサをエゼクタ装置に取付けた場合に比べて占有スペースを小さくすることができるが、排気の排出方向が排気口の開設方向によって定まるために、エゼクタの設置姿勢が制約されるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、占有スペースが小さく、しかも設置姿勢の制約がないエゼクタ装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ケースにエゼクタを組み込み、発生する排気を消音して排気口から排出するエゼクタ装置において、上記エゼクタのディフューザから排出される排気を消音するための消音室を、上記ケース内のディフューザの出口側に設け、上記ディフューザの先端開口と対向して消音室を形成するケースで閉止された空間に吸音材を備え、上記ケースが、上記吸音材に衝突した消音室の排気を折り返させてケースの外部壁面に沿う方向に向けて大気に排出させる上記排気口を備えていることを特徴とするものである。
上記エゼクタ装置においては、ケースの外部壁面に、排気を整流して所望の位置に導く案内溝を設けることができる。
【0005】
【作用】
ディフューザから排出された排気は、消音室に設けた吸音材に衝突し、これによって速度エネルギーが奪われて消音され、排気口からケースの壁面に沿って排出される。
したがって、排気口の開口部側のスペースが小さい場合でも、エゼクタの性能を損なうことなく排気を排出することができる。
また、ケースの壁面に設けた案内溝によって排気を整流するので、排気をケース壁面の所望の位置に導くことができる。
【0006】
【実施例】
図1ないし図3は本発明の第1実施例を示し、このエゼクタ装置1は、ケース2,2に組み込まれたエゼクタ3と、ケース2,2によって形成された消音室4とを備えている。
上記エゼクタ3は、ノズル6を有するボディ7と、ノズル6の延長線上においてボディ7に気密に組み付けられたディフューザ8とを備え、ボディ7に設けた圧縮空気の供給口9と吸引口10に、ワンタッチ管継手11,11が取付けられている。
【0007】
上記消音室4は、ケース2,2に設けたディフューザ8を固定するための仕切壁13,・・によってエゼクタ3側と区画され、ディフューザ8の先端開口に対向させて吸音材14が取付けられており、ケース2,2に、消音室4から排出される排気を、その側壁2a,2aに沿う方向に向けて排出させる排気口15が開設され、消音室4内に、該室内の排気を排出口15の開設方向に向ける補助吸音材16が取付けられている。また、側壁2a,2aに、該側壁に沿って流れる排気を整流して所望の位置に案内する案内溝17が形成されており、案内溝17の表面は、排気の剥離を小さくするために、滑らかにされている。
上記吸音材14と補助吸音材16は、多孔質で、かつエゼクタ3から空気と共に噴出される油分、水分、塵埃等の微小固形物によって目詰まりをしない素材によって形成され、吸音材14のディフューザ8の先端開口との対向面に、溝14aが形成されている(図3参照)。
上記実施例における排気口15や案内溝17は、数値解析等による流体力学的特性を考慮した形状とし、また消音室4や吸音材14等を、数値解析等により音響、消音特性を考慮した形状、材質とすることは勿論である。
図1中の符号19,19は、エゼクタ装置1を取付けるためのボルト(図示省略)の通し孔である。
【0008】
上記第1実施例は、供給口9と吸引口10に取付けたワンタッチ管継手11,11にチューブ(図示省略)を接続し、このチューブを介して供給口9からノズル6に圧縮空気を供給すると、ノズル6から噴出する圧縮空気によって吸引口10から空気が吸引され、これらの空気は、ディフューザ8の先端開口から消音室4に噴出する。消音室4に噴出した空気は、吸音材14に衝突して速度エネルギーが奪われて消音され、速度エネルギーを消失した排気は、排気口15からケース2,2の側壁2a,2aに沿う方向に排出され、案内溝17で整流されてケース2,2の所望の位置において大気に放出される。この際に、排気口15周辺の大気を巻き込むことによって排気がさらに減速されるので、極めて静穏に排出される。
したがって、ケース2,2の周囲、特に排気口15の開口側に十分なスペースがなくても、エゼクタ3の性能を損なうことなく排気することができるので、占有スペースが小さく、しかも設置姿勢の制約がない。
【0009】
図4ないし第6図は本発明の第2実施例を示し、第2実施例のエゼクタ装置20の消音室21は、2個の排気口15,15と補助吸音材16,16とを有し、ケース22,22の両側の壁面22a,22aに、案内溝17,17が形成されている。
第2実施例の他の構成及び作用は第1実施例と同じであるから、図の主要な箇所に同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0010】
【発明の効果】
本発明のエゼクタ装置は、消音室から排出される排気を、排気口によってケースの壁面に沿う方向に排出させ、またはこの排気を案内溝で整流してケースの所望の位置において大気に放出させるために、エゼクタ装置の周囲、特に排気口の開口側のスペースが小さい場合でも、エゼクタの性能を損なうことなく排気を排出できるので、消音室を組み込んだエゼクタ装置を、占有スペースが小さく、しかも設置姿勢の制約がないものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のA−A断面図である。
【図2】第1実施例の裏面図である。
【図3】吸音材の断面図である。
【図4】第2実施例の縦断面図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】第2実施例の側面図である。
【符号の説明】
1,20 エゼクタ装置
2,22 ケース
2a,22a 壁面
3 エゼクタ
4,21 消音室
8 ディフューザ
14 吸音材
15 排気口
17 案内溝

Claims (2)

  1. ケースにエゼクタを組み込み、発生する排気を消音して排気口から排出するエゼクタ装置において、
    上記エゼクタのディフューザから排出される排気を消音するための消音室を、上記ケース内のディフューザの出口側に設け、
    上記ディフューザの先端開口と対向して消音室を形成するケースで閉止された空間に吸音材を備え、
    上記ケースが、上記吸音材に衝突した消音室の排気を折り返させてケースの外部壁面に沿う方向に向けて大気に排出させる上記排気口を備えている、
    ことを特徴とするエゼクタ装置。
  2. ケースの外部壁面に、排気を整流して所望の位置に導く案内溝を設けた、
    ことを特徴とする請求項1に記載したエゼクタ装置。
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