JP3605329B2 - 眼科用液剤及びコンタクトレンズ用液剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼科用液剤及びコンタクトレンズ用液剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、低濃度でも有効な抗菌性又は殺菌性を有するカチオンポリマーを含有し、眼粘膜に対して安全性の高い眼科用液剤及びコンタクトレンズ用液剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
眼科用液剤には、通常、細菌の繁殖を抑えて防腐効果を持たせるために、殺菌剤又は抗菌剤が添加されている。この防腐の目的のために、従来から種々の化合物が用いられており、例えば、パラオキシ安息香酸エステルや塩化ベンザルコニウムなどが挙げられる。しかし、これらの化合物は、アレルギーを引き起こす原因物質、眼粘膜に対する刺激性物質として知られており、十分に殺菌効果、抗菌効果を示す濃度において、角膜の混濁、眼瞼結膜の充血などの、眼粘膜刺激あるいは過敏性を引き起こすおそれがあり、より安全な殺菌剤、抗菌剤が望まれているのが現状である。
また、コンタクトレンズを安全に、快適にそして便利に使用することができるように、コンタクトレンズ用消毒剤、抗菌剤、保存液として種々の薬剤が用いられている。
抗菌剤としては、低分子第4級アンモニウム化合物が最も一般的に使用されているが、眼に対して刺激があり、過敏症を起こす原因となることが知られている。また、この化合物は低分子化合物であるために、コンタクトレンズに吸着又は吸収され、このようなコンタクトレンズを装用することによっても、眼粘膜刺激あるいは過敏症を引き起こすおそれがある。
抗菌剤としての低分子第4級アンモニウム化合物の短所を改良するために、様々な化合物の使用が試みられている。例えば、特開昭63−131124号公報には、微量でも十分な抗菌性を有し、眼組織に悪影響を与えず、生体に対する安全性が高く、レンズ中に収着されないだけの高分子量である殺菌成分を使用したコンタクトレンズ用液剤組成物として、ジアミン類及びジハロゲン化物を主成分とする縮合体を含有するコンタクトレンズ用液剤組成物が提案されている。
また、特表平5−502874号公報には、コンタクトレンズ消毒剤、保存剤として、また保存されたコンタクトレンズケア剤として使用され得る安全で有効な組成物として、ポリ(オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド)などの二つの炭素原子に共有結合した酸素原子を有するイオネンポリマーを含有する非酸化的な組成物が提案されている。
これらのカチオンポリマーは、低分子第4級アンモニウム化合物に比べて、皮膚及び粘膜刺激性が低く、コンタクトレンズへの吸着、吸収、残留などが少ないことが知られている。しかし、これらのカチオンポリマーは、十分な抗菌性を得るためには高濃度の接触が必要であり、それに起因して、使用者の眼粘膜に対する安全性の低下、コンタクトレンズへの吸着の増加、残留による眼粘膜刺激などの障害が生じやすいという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のカチオンポリマーよりも低濃度において有効な殺菌性、抗菌性を有するカチオンポリマーを含有し、刺激性が低く、眼粘膜に対する安全性の高い眼科用液剤及びコンタクトレンズ用液剤を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、主鎖中にヘテロアルキレン構造を有する高重合度の第4級アンモニウムポリマーが、低濃度で有効な殺菌性、抗菌性を示し、眼科用液剤及びコンタクトレンズ用液剤の成分として有効であることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
(1)一般式[1]で表される重量平均分子量20000〜40000のカチオンポリマーを含有することを特徴とする眼科用液剤、
【化3】
(ただし、式中、Rはヘテロ原子が酸素である炭素数2〜6のヘテロアルキレン基であり、Yは炭素数2〜10のアルキレン基であり、A-はアニオンであり、nは84〜117である。)、
(2)水性媒体100重量部に対し、一般式[1]で表されるカチオンポリマー0.00001〜2重量部を含有する第1項記載の眼科用液剤、及び、
(3)一般式[1]で表される重量平均分子量20000〜40000のカチオンポリマーを含有することを特徴とするコンタクトレンズ用液剤、
【化4】
(ただし、式中、Rはヘテロ原子が酸素である炭素数2〜6のヘテロアルキレン基であり、Yは炭素数2〜10のアルキレン基であり、A-はアニオンであり、nは84〜117である。)、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(4)第3項記載のコンタクトレンズ用液剤を、コンタクトレンズと接触させることを特徴とするコンタクトレンズの洗浄方法、
(5)第3項記載のコンタクトレンズ用液剤を、コンタクトレンズと接触させることを特徴とするコンタクトレンズの消毒方法、及び、
(6)第3項記載のコンタクトレンズ用液剤を、コンタクトレンズと接触させることを特徴とするコンタクトレンズの保存方法、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の眼科用液剤及びコンタクトレンズ用液剤は、一般式[1]で表されるカチオンポリマーを含有する。
【化5】
一般式[1]において、Rは炭素数2〜6のヘテロアルキレン基又はヒドロキシル基を有するヘテロアルキレン基であり、Yは炭素数2〜10のアルキレン基であり、A−はアニオンであり、nは40〜500である。
炭素数2〜6のヘテロアルキレン基又はヒドロキシル基を有するヘテロアルキレン基に特に制限はないが、ヘテロ原子が酸素又は硫黄であることが好ましい。このようなヘテロアルキレン基としては、例えば、式[2]で表される3−オキサペンチレン基、式[3]で表される3,5−ジオキサヘプチレン基、式[4]で表される3−チオペンチレン基などを挙げることができ、ヒドロキシル基を有するヘテロアルキレン基としては、例えば、式[5]で表される2−ヒドロキシ−3−オキサペンチレン基などを挙げることができる。
−CH2CH2OCH2CH2− …[2]
−CH2CH2OCH2OCH2CH2− …[3]
−CH2CH2SCH2CH2− …[4]
−CH2CH(OH)OCH2CH2− …[5]
炭素数2〜10のアルキレン基に特に制限はなく、直鎖状のアルキレン基と分岐を有するアルキレン基のいずれをも用いることができる。このようなアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などを挙げることができる。
A−で表されるアニオンは、第4級アンモニウム塩を形成するアニオンであれば特に制限はなく、例えば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、炭酸イオンなどの無機アニオン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グルコン酸、乳酸、フマル酸、アジピン酸などの酸に由来する有機アニオンなどを挙げることができる。これらの中で、塩素イオンを好適に用いることができる。
一般式[1]におけるnは、カチオンポリマーの平均重合度である。カチオンポリマーの平均分子量を測定し、繰り返し単位の分子量で除することにより、平均重合度nを求めることができる。nが40未満であると、細菌に対する抗菌性が不十分となり、眼粘膜に対する刺激性が生ずるおそれがある。nが500を超えると、カチオンポリマーの粘度が高くなり、作業性が不良となるおそれがある。
【0006】
一般式[1]で表されるカチオンポリマーの製造方法に特に制限はなく、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルアルキレンジアミンとジハロヘテロアルキレン化合物との重合反応により製造することができる。N,N,N’,N’−テトラメチルアルキレンジアミンについては、アルキレン鎖は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどを挙げることができる。ジハロヘテロアルキレン化合物としては、例えば、ジ(クロロメチル)エーテル、ビス(1−クロロエチル)エーテル、ビス(2−クロロエチル)エーテル、1,2’−ジクロロジエチルエーテル、ビス(3−クロロプロピル)エーテル、ジ(クロロメチル)ホルマール、ビス(2−クロロエチル)ホルマール、1,2−ビス(クロロエトキシ)エタン、1,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−3−オキサペンタンなどを挙げることができる。これらの重合反応は、60〜150℃で行うことが好ましい。
本発明の眼科用液剤及びコンタクトレンズ用液剤において、一般式[1]で表されるカチオンポリマーの重量平均分子量は、8,000〜50,000であることが好ましく、20,000〜40,000であることがより好ましい。重量平均分子量が8,000未満であると、細菌に対する抗菌性が不十分となり、眼粘膜に対する刺激性が生ずるおそれがある。重量平均分子量が50,000を超えると、カチオンポリマーの粘度が高くなり、作業性が不良となるおそれがある。
一般式[1]で表されるカチオンポリマーは、低濃度で有効な殺菌性、抗菌性を示し、眼粘膜に対する刺激が少なく安全性が高いために、眼科用液剤、例えば、点眼液の防腐剤などとして好適に使用することができる。
さらに、一般式[1]で表されるカチオンポリマーは、高重合度であるためにコンタクトレンズへ吸着又は吸収されにくく、コンタクトレンズ用液剤の成分として好適に使用することができる。コンタクトレンズ用液剤は、洗浄剤、抗菌剤又は消毒剤、保存剤などの各種液剤として使用するために、一般式[1]で表されるカチオンポリマー以外に、その用途に応じて、第4級アンモニウム化合物、界面活性剤、酵素、緩衝剤、等張化剤、増粘剤、キレート剤、ビルダーなどの成分を添加して、水溶液に調製することができる。水溶液に調製する場合は、例えば、蒸留水又は精製水に各種成分を十分に混合撹拌して溶解させたのち、pHや浸透圧などを調整し、ろ過してコンタクトレンズ用液剤とすることができる。
【0007】
本発明の眼科用液剤は、水性媒体100重量部に対して一般式[1]で表されるカチオンポリマーを0.00001〜2重量部含有することが好ましく、0.001〜1重量部含有することがさらに好ましい。カチオンポリマーの含有量が水性媒体100重量部に対して0.00001重量部未満であると、抗菌性が不十分となるおそれがある。カチオンポリマーの含有量が水性媒体100重量部に対して2重量部を超えると、眼粘膜に対する刺激性が現れるおそれがある。
また、本発明のコンタクトレンズ用液剤は、調製した液剤をそのまま使用してもよいし、濃縮液剤として調製したのち、蒸留水又は精製水で適宜希釈して使用してもよいが、使用時に、水性媒体100重量部に対して一般式[1]で表されるカチオンポリマーを0.00001〜2重量部含有することが好ましく、0.001〜1重量部含有することがさらに好ましい。
本発明のコンタクトレンズ用液剤に添加する第4級アンモニウム化合物としては、例えば、N−アルキル−N,N−ジメチル−N−ベンジルアンモニウムクロライド(例えば、アルキル基の炭素数が8〜17の塩化ベンザルコニウム)や、塩化ベンゼトニウム、アルキルピリジニウムクロライドなどを挙げることができる。
本発明のコンタクトレンズ用液剤に添加する界面活性剤としては、例えば、高級アルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物、高級脂肪酸アミドのアルキレンオキサイド付加物、高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物、高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物と多価アルコールとのエステル、高級アルコールのエステル、アルキルフェノールのエステル、ショ糖モノ脂肪酸エステル、あるいは、ヒマシ油、硬化ひまし油、ポリエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ステロールなどのアルキレンオキサイド付加物などの非イオン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキロイルメチルタウリンナトリウム、アルキロイルザルコシンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤などを挙げることができる。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0008】
本発明のコンタクトレンズ用液剤に添加する酵素としては、例えば、パンクレアチン、トリプシン、アミノペプチダーゼ、ケラチナーゼ、アミラーゼなどの蛋白質分解酵素などを挙げることができる。これらの酵素は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明のコンタクトレンズ用液剤に添加する緩衝剤としては、例えば、ホウ酸、リン酸、クエン酸、乳酸、アミノ酸、リンゴ酸、又は、これらのナトリウム塩などを挙げることができる。これらの緩衝剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明のコンタクトレンズ用液剤に添加する等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどを挙げることができる。これらの等張化剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明のコンタクトレンズ用液剤に添加する増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド又はその加水分解物、ヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロース類又はその誘導体、デキストラン、ゼラチン、アラビアガム、トラガントガムなどのガム類などを挙げることができる。これらの増粘剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明のコンタクトレンズ用液剤に添加するキレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、フィチン酸、クエン酸又はこれらの水溶性塩などを挙げることができる。これらのキレート剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の眼科用液剤及びコンタクトレンズ用液剤に用いる高重合度のカチオンポリマーは、低濃度でも優れた抗菌性を示し、眼粘膜に対する刺激性は、従来から使用されている低分子第4級アンモニウム化合物や低重合度のカチオンポリマーに比べてはるかに低い。さらに、本発明に用いるカチオンポリマーは、高重合度であるために、コンタクトレンズに吸着、吸収されることはない。したがって、本発明のコンタクトレンズ用液剤は、コンタクトレンズの洗浄、消毒、保存などにおいて、優れた性能を発揮する。
【0009】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、カチオンポリマーの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)[東ソー(株)、HLC−8120GPC]を用い、酢酸緩衝液(pH4.7)を溶離液として、ポリオキシエチレングリコール換算により求めた。
また、最小殺菌濃度(MBC(ppm))を下記の方法により測定し、殺菌性を評価した。
(1)供試菌
黄色ぶどう球菌(S.aureus(ATCC 6538P))、メチシリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA(IID 1677))、メチシリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA(臨床分離株))、大腸菌(E.coli(IFO 3301))、肺炎桿菌(K.pneumoniae(IFO ATCC 4352))、緑膿菌(P.aeruginosa(IFO 3080))及びセラチア菌(S.marcescens(臨床分離株))。
(2)試験菌液の調製
供試菌1白金耳をそれぞれソイビーン・カゼイン・ダイジェスト(SCD)培地8mLに接種し、37℃で18時間培養後、この培養液1mLをSCD培地で10倍希釈した。さらに、この希釈液2mLをSCD培地100mLに接触させ、37℃で2時間培養(ただし、緑膿菌は4時間)し、試験菌液とした。MRSA(IID1677)及びMRSA(臨床分離株)の試験菌液には、1mLあたり104〜105個(104〜105CFU/mL)、その他の試験菌液には、1mLあたり105〜106個(105〜106CFU/mL)の生菌数が含まれる。
(3)操作法
カチオンポリマー及び塩化ベンザルコニウムの40重量%水溶液について、生理食塩水で2倍希釈列を調製し、各希釈液を10mLずつ試験管に分注し、オートクレーブ滅菌して検体を調製した。各検体に予め調製した試験菌液を0.1mLずつ添加混合し、1分間接触させたのち、この接種液を予め滅菌した3本のSCD−LP培地(各9mL)に0.1mLずつ添加混合した。これを37℃で20時間培養したのち、培地の濁りの有無によって判定した。培地が透明であれば菌の発育を認めないとして−、濁れば菌が発育したとして+と判定し、3本のうち2本以上の判定を採用した。−判定がなされた最小濃度を最小殺菌濃度(MBC(ppm))とした。最小殺菌濃度が低いほど、殺菌性が高い。
さらに、眼粘膜に対する刺激性を下記の方法により評価した。
日本白色種雄性ウサギ(10〜11週齢)を、室温23±2℃、湿度55±15%で1週間予備飼育したのち、試験を行った。カチオンポリマー及び塩化ベンザルコニウムの40重量%溶液を、生理食塩水を用いて希釈し、1重量%、0.01重量%及び0.001重量%の溶液を調製した。各ウサギの片方の眼に、これらの溶液を、もう一方の眼に生理食塩水をそれぞれ200μLずつマイクロピペットを用いて点眼し、3時間後の眼粘膜の状態を観察し、以下の判定基準に基づいて評価した。
角膜の状態
0;透明、混濁なし。
1;散在性又はびまん性の混濁がある。
2;容易に識別できる半透明領域がある。
3;乳濁を認める。
4;白濁を認める。
眼瞼結膜の状態
0;充血なし。
1;極めて軽度の赤味を帯びる。
2;正常を超えて明らかに充血する。
3;眼瞼粘膜の赤味が非常に著しく見られる。
眼球粘膜の状態
0;充血なし。
1;角膜周囲の血管がやや拡張する。
2;さらに顕著な血管拡張をきたす。
3;眼瞼縁に向かって走る血管の拡張が著しく見られる。
【0010】
実施例1
水50g、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロピレンジアミン25g及びビス(2−クロロエチル)エーテル27gを混合し、95℃で30時間反応させたのち、水28gを加えて得られたカチオンポリマーの濃度を40重量%に調整した。このカチオンポリマーの重量平均分子量は32,000であり、一般式[1]におけるnの値は117であった。このカチオンポリマー溶液について、殺菌性及び眼粘膜に対する刺激性の評価を行った。
実施例2
水50g、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン25g及びビス(2−クロロエチル)エーテル21gを混合し、100℃で48時間反応させたのち、水19gを加えて得られたカチオンポリマーの濃度を40重量%に調整した。このカチオンポリマーの重量平均分子量は35,000であり、一般式[1]におけるnの値は111であった。このカチオンポリマー溶液について、殺菌性及び眼粘膜に対する刺激性の評価を行った。
実施例3
水50g、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロピレンジアミン23g及び83重量%ビス(2−クロロエチル)ホルマール37.5gを混合し、100℃で56時間反応させたのち、水25gを加えて得られたカチオンポリマーの濃度を40重量%に調整した。このカチオンポリマーの重量平均分子量は25,400であり、一般式[1]におけるnの値は84であった。このカチオンポリマー溶液について、殺菌性及び眼粘膜に対する刺激性の評価を行った。
比較例1
水50g、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロピレンジアミン25g及びビス(2−クロロエチル)エーテル27gを混合し、60℃で72時間反応させたのち、水28gを加えて得られたカチオンポリマーの濃度を40重量%に調整した。このカチオンポリマーの重量平均分子量は7,500であり、一般式[1]におけるnの値は27であった。このカチオンポリマー溶液について、殺菌性及び眼粘膜に対する刺激性の評価を行った。
比較例2
重量平均分子量が2,500であり、一般式[1]におけるnの値が9.7であるポリ(オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド)の40重量%水溶液を調製した。このカチオンポリマー溶液について、殺菌性及び眼粘膜に対する刺激性の評価を行った。
比較例3
塩化ベンザルコニウムの40重量%水溶液を調製し、殺菌性及び眼粘膜に対する刺激性の評価を行った。
実施例1〜3及び比較例1〜3の殺菌性の評価結果を第1表に、眼粘膜に対する刺激性の評価結果を第2表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
第1表に見られるように、実施例1〜3の高重合度のカチオンポリマーは、いずれの供試菌についても、比較例1〜2の重合度の低いカチオンポリマーよりも、低濃度で優れた殺菌性を示し、さらに、MRSA及び緑膿菌については、汎用されている比較例3の塩化ベンザルコニウムよりも優れた殺菌性を示している。
【0013】
【表2】
【0014】
第2表に見られるように、実施例1の高重合度のカチオンポリマーは、すべての試験において、混濁や充血が認められず眼粘膜に対する刺激性が低いのに対して、比較例1〜2の重合度の低いカチオンポリマーは、濃度0.01重量%以上ではおおむね眼粘膜に対する刺激性があり、汎用されている比較例3の塩化ベンザルコニウムは眼粘膜に対する強い刺激性を示している。
【0015】
【発明の効果】
本発明の眼科用液剤及びコンタクトレンズ用液剤に用いる高重合度のカチオンポリマーは、低濃度でも優れた抗菌性を示し、眼粘膜に対する刺激性は、従来から使用されている低分子第4級アンモニウム化合物や低重合度のカチオンポリマーに比べてはるかに低い。さらに、本発明に用いるカチオンポリマーは、高重合度であるために、コンタクトレンズに吸着、吸収されることはない。したがって、本発明のコンタクトレンズ用液剤は、コンタクトレンズの洗浄、消毒、保存などにおいて、優れた性能を発揮する。
Claims (3)
- 水性媒体100重量部に対し、一般式[1]で表されるカチオンポリマー0.00001〜2重量部を含有する請求項1記載の眼科用液剤。
Priority Applications (2)
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