JP3605313B2 - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、半導体素子収納用パッケージなどに適した、少なくとも有機樹脂を含む絶縁基板を具備した配線基板およびその製造方法に関するもので、半導体素子のフリップチップ実装やボールグリッドアレイ(BGA)等による実装に適した配線基板に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、半導体素子をフリップチップ実装する有機系配線基板としては、有機樹脂を含む絶縁基板表面に銅箔を接着した後、銅箔をエッチングして微細な回路を形成し、しかる後にこの基板を積層して多層化したプリント基板や、さらに、最近ではそのプリント板上に絶縁層として感光性樹脂をコートし、露光、現像、メッキ(電解、無電解)工程を繰り返し施して製造する有機系配線基板が提案されている。特に後者はフリップチップ実装に対応可能な配線基板として提案されている。
【0003】
また、上記のような有機系配線基板においては、その強度を高めるために、有機樹脂に対して球状あるいは繊維状の無機質フィラーを分散させた絶縁材料を絶縁基板として用いることも提案されており、これらの複合材料からなる絶縁基板上に多数の半導体素子を搭載したマルチチップモジュール(MCM)等への適用も検討されている。
【0004】
なお、一般に、配線基板の表面に半導体素子をフリップチップ実装する場合には、配線基板の上面に半導体素子の電極と対向する位置に複数の電極パッドが形成されており、フリップチップ実装する場合には、半導体素子の電極と配線基板表面の電極パッドとを当接させて半田によって接続される。
【0005】
また、配線基板の表面や裏面に形成される配線回路層を外部から保護するために、一般に、配線基板の表面および/または裏面には、ソルダーレジストと呼ばれる保護層が被着形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、保護層が被着形成された従来の有機系の配線基板に対して半導体素子をフリップチップ実装した後、多湿中で長期保存すると、保護層の内部を水分が拡散し、配線近傍に凝縮してマイグレーションをもたらす等の弊害が生じていた。
【0007】
そこで、保護層を吸水性の低い樹脂によって形成することが望ましいが、表面に半導体素子をフリップチップ実装する配線基板においては、基板表面にフリップチップ実装するための電極パッド表面の保護層を除去する必要があるために、従来より、フリップチップ実装を行う場合の保護層の形成には、配線基板の表面に感光性を有するエポキシ樹脂を塗布し、露光・現像して電極パッド部分を除去する必要があるために、吸水性の低い樹脂を用いることができなかった。
【0008】
しかも、エポキシ系樹脂は耐熱性が低く、また吸水率も高く実装信頼性に劣るという問題があった。また、上記感光性のエポキシ樹脂によって保護層を形成した場合に、配線基板を構成する絶縁基板との熱膨張係数が異なる場合があり、その場合、高温多湿雰囲気中に放置されたり、繰り返し熱サイクルが印加されると、両者の熱膨張係数差によって保護層が配線基板から剥離し、その剥離部分から水分が侵入するという問題もあった。
【0009】
従って、本発明は、高温多湿雰囲気中で放置されても、優れた接続信頼性を有するフリップチップ実装やBGA実装に適した有機系の配線基板とその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、熱硬化性有機樹脂を含有する絶縁基板の表面および/または裏面に、少なくとも他の電気回路と接続される複数の接続パッドが被着形成されてなるとともに、該接続パッド以外の絶縁基板の表面に熱硬化性樹脂を含む保護層が被着形成されてなる配線基板において、前記保護層を前記絶縁基板との20〜200℃における熱膨張差が20ppm/℃以下であり、且つ吸水率が0.5%以下の絶縁材料によって形成することによって上記目的が達成されるものである。
【0011】
なお、上記保護層中の熱硬化性樹脂がポリフェニレンエーテルであること、前記保護層を形成する絶縁材料が無機質フィラーを30体積%以上の割合で含有することが望ましい。
【0012】
また、上記の配線基板を製造する方法としては、熱硬化性樹脂を含有する絶縁基板の少なくとも表面および/または裏面に他の電気回路と接続される複数の接続パッドが被着形成されてなる未硬化状態の配線基板を作製する工程aと、硬化後の吸水率が0.5%以下であり、前記絶縁基板との20〜200℃における熱膨張差が20ppm/℃以下の熱硬化性樹脂を含有する絶縁材料からなる未硬化の保護シートに対して、前記接続パッド形成部に対応する位置に開口部を形成する工程bと、前記未硬化状態の配線基板表面および/または裏面に、前記接続パッドと前記開口部とが整合するように前記未硬化状態の保護シートを積層圧着する工程cと、前記未硬化状態の配線基板と未硬化状態の保護シートとの積層体を一括して加熱処理して前記配線基板および保護シートを加熱硬化する工程dと、を経ることにより上記配線基板を作製することができる。
【0013】
なお、かかる製造方法によれば、前記保護シートを形成する絶縁材料中の熱硬化性樹脂がポリフェニレンエーテルであること、前記保護シートを形成する絶縁材料が無機質フィラーを30体積%以上の割合で含有することが望ましい。
【0014】
【作用】
本発明によれば、絶縁基板表面および/または、例えばフリップチップ実装用の接続パッドが形成された配線基板に対してソルダーレジストと呼ばれる保護層を形成するにあたり、保護層を前記絶縁基板との20〜200℃における熱膨張差が20ppm/℃以下であり、且つ吸水率が0.5%以下の絶縁材料によって形成したために、高温多湿雰囲気中、あるいは熱サイクル中に曝されても場合においても、保護層の剥離を防止するとともに、保護層自体の吸水に基づく水分の侵入による配線間のマイグレーションの発生を防止し、優れた接続信頼性を有するフリップチップ実装に適した配線基板を提供できる。また、配線基板をBGA実装する場合においても同様である。
【0015】
また、本発明の製造方法では、未硬化状態の配線基板の表面に、予め開口部を加工した未硬化状態の保護シートを積層し、一括加熱硬化することにより、保護層の形成を配線基板の製造と同時に行うことができるとともに、保護層として感光性樹脂を用いる必要がなく、絶縁基板の材質と近似した絶縁材料を用いることができる結果、吸水性に優れ、また絶縁基板と熱膨張特性が近似した保護層を容易に形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1の概略断面図をもとに説明する。図1の配線基板によれば、熱硬化性樹脂を含有する絶縁材料からなる絶縁層1a〜1cが複数層積層されてなる絶縁基板1の表面には、半導体素子2とフリップチップ実装される複数の接続パッド3や配線回路層4が形成されている。また、絶縁基板1の内部にも、適宜、配線回路層4が設けられており、接続パッド3、配線回路層4は、適宜、ビアホール導体5によって電気的に接続されている。
【0017】
また、絶縁基板1の裏面には、マザーボードなどの外部回路と接続するための複数の接続パッド6が形成されており、半導体素子2と接続される接続パッド3と配線回路層4やビアホール導体5を通じて電気的に接続されている。そして、絶縁基板1表面および裏面の接続パッド3、6を除く表面には、熱硬化性樹脂を含む保護層7が被着形成されている。また、接続パッド6には、半田ボールからなる接続端子8が取り付けられている。
【0018】
かかる配線基板において、接続パッド3、6および配線回路層4は、銅、アルミニウム、銀、金のうち少なくとも1種の低抵抗金属からなることが望ましく、これらは、金属箔、あるいはこれらの低抵抗金属を含むペーストを塗布して形成されたものである。
【0019】
本発明によれば、絶縁基板1は、例えば、PPE(ポリフェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマレイミドトリアジン)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドビスマレイミド等の熱硬化性樹脂を含有した絶縁材料からなる。特に、絶縁基板1中の樹脂自体の吸水率が1.0%以下の熱硬化性樹脂、特にPPEまたはフッ素樹脂のうちの少なくとも1種からなることが望ましい。
【0020】
なお、この絶縁基板を構成する絶縁材料中には、熱硬化性樹脂に加えて、無機質フィラー成分を含有させて基板強度を高めることができる。この時に用いられる無機質フィラーとしては、SiO、Al、AlN等が好適であり、フィラーの形状は平均粒径が20μm以下、特に10μm以下、最適には7μm以下の略球形状の粉末が用いられる。この無機質フィラーは、有機樹脂:無機質フィラーの体積比率で15:85〜5:95の比率範囲で混合される。
【0021】
本発明によれば、保護層7が、絶縁基板1を構成する絶縁材料との20〜200℃における熱膨張差が20ppm/℃以下、特に15ppm/℃以下であるとともに、吸水率が0.5%以下、特に0.3%以下であることが重要である。これは、上記熱膨張差が20ppm/℃よりも大きい、あるいは吸水率が0.5%よりも大きいと、高温多湿雰囲気中に曝された場合において、保護層7が絶縁基板1から剥離しその隙間から水分が侵入して回路のマイグレーションなどを引き起こしやすくなるためである。
【0022】
この保護層7は、絶縁基板1と同様に、PPE(ポリフェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマレイミドトリアジン)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドビスマレイミド等の熱硬化性樹脂を含有した絶縁材料からなるが、吸水率を小さくする上で、特にPPEが最も好適である。また、保護層の吸水率や熱膨張特性を制御するために、シリカ、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種を30体積%以上の割合で含有することができる。
【0023】
また、保護層7を形成する絶縁材料のガラス転移点は150℃以上、特に180℃以上であることが望ましい。これは、リフロー等による電子部品実装時の加熱によって基板が変形することを防止するためであり、150℃よりも低いと、部品実装中の基板変形が大きくなる傾向にあるためである。
【0024】
上記本発明の配線基板において、保護層7の厚さは、10〜300μm、特に40〜100μmの範囲が望ましく、10μmよりも薄いと保護層による外気中の水分の内部への拡散を十分に抑制することができず、300μmよりも厚いとハンダによる半導体素子などの部品の実装の妨げとなる。
【0025】
また、保護層7の半導体素子との熱膨張差は、熱サイクルなどによる半導体素子の接続部の断線などを防止するために20ppm/℃以下、特に15ppm/℃以下であることが望ましい。
【0026】
(製造方法)
次に、本発明の配線基板を製造するための具体的な方法について図2をもとに説明する。
まず、絶縁基板を形成するための絶縁シートを作製する。この絶縁シートは、前述した熱硬化性樹脂、または熱硬化性樹脂と無機質フィラーとの混合物からなる組成物を混練機や3本ロールなどの手段によって十分に混合し、これを圧延法、押出し法、射出法、ドクターブレード法などによって厚さ10〜300μm程度のシート状に成形する。場合によっては、熱硬化性樹脂の硬化温度よりも低い温度で加熱して半硬化させてもよい。
【0027】
次に、この絶縁シートの表面に配線回路層を形成する。配線回路層の形成には、1)銅等の金属箔を絶縁シートに接着剤で貼りつけた後に、回路パターンのレジストを形成して酸等によって不要な部分の金属をエッチング除去する、2)予め打ち抜きした金属箔を絶縁シートに貼りつける、3)絶縁シートの表面に導体ペーストをスクリーン印刷法や、フォトレジスト法等によって回路パターンに塗布した後、乾燥する、4)フィルム、ガラス、金属板上に金属メッキ膜や金属箔を形成し、これをエッチングにより回路パターンを形成した後、絶縁シートに加圧しながら回路パターンを転写するなどの公知の方法が採用できる。
【0028】
また、絶縁シートに対しては、ビアホール導体を形成してもよい。このビアホール導体は、絶縁シートに対して、マイクロドリルやレーザーによって直径が70〜200μm程度のビアホールを形成した後に、そのビアホール内に金属粉末を含有するペーストを充填することにより形成できる。
【0029】
このようにして、配線回路層11やビアホール導体12を形成した絶縁シート13を複数層積層して図2(a)に示すような未硬化状態の配線基板Aを作製する。なお、この配線基板Aにおいて、最上面や最下面には、半導体素子とフリップチップ実装するための複数の接続パッド14やBGA実装するための接続パッド15を形成しておく。
【0030】
一方、上記絶縁シートと同様に、前述した熱硬化性樹脂、または熱硬化性樹脂と無機質フィラーとの混合物からなる絶縁材料を用いて厚さ10〜300μmの保護シートを作製する。場合によっては、保護シート中の熱硬化性樹脂の硬化温度よりも低い温度で加熱して半硬化させてもよい。
【0031】
この時、用いる絶縁材料としては、硬化後の吸水率が0.5%以下であり、前記絶縁基板との20〜200℃における熱膨張差が20ppm/℃以下の熱硬化性樹脂を含有する絶縁材料を選択する。
【0032】
そして、図2(b)(c)に示すように、この未硬化状態の保護シートB,Cに対して図2(a)の配線基板Aの最上面や最下面に形成されている接続パッド14、15形成部に対応する位置にレーザー加工やパンチングによって開口部16、17を形成する。
【0033】
開口部16、17の形成にあたり、300μmを越える開口部を形成する場合、レーザーの熱で含浸された樹脂が焼け、開口部周辺に残滓が付着することがある。そのためさらに大きい開口部が必要な場合にはパンチングを用いる方がよい。150μm以下の開口部を形成する場合にはレーザー加工を用いればよい。
【0034】
その後、図2(d)に示すように、未硬化状態の配線基板の最上面および最下面に、未硬化状態の保護シートB,Cを、配線基板Aの接続パッド14と保護シートBの開口部16とが、また保護シートCの接続パッド15と開口部17とが整合するように重ね合わせ、積層圧着する。
【0035】
そして、10〜50kgf/cmで加圧しながら、配線基板A中の熱硬化性樹脂および保護シート中の熱硬化性樹脂が完全に硬化する150〜300℃の硬化温度で加熱して一括して完全に硬化させることにより、配線基板Aと保護層B、保護層Cとが強固に一体化した配線基板を作製できる。この時、開口部が圧力で潰れないように離型性フィルムを介してクッションシートを重ねて圧力を印加することが望ましい。
【0036】
なお、かかる配線基板に半導体素子をフリップチップ実装するには、半田バンプを用いるC4接続、Auスタッドバンプと導電性接着材を用いるSBB工法、そして異方導電性フィルムを用いるACF法などを適用できる。
【0037】
その後、半導体素子実装部の接続パッドと半導体素子との間に、熱硬化性樹脂を含有するアンダーフィル材を充填し、これを熱硬化させることにより、半導体素子を配線基板に対して強固に接続することができる。また、この配線基板をマザーボードなどに実装するには、ハンダ成分からなる膜状(LGA型)やボール状(BGA型)導体を介して接続することができる。
【0038】
【実施例】
ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂60体積%、シリカ粉末40体積%の割合で、ワニス状態の樹脂と粉末を混合した後、ドクターブレード法によって、厚さ100μmの絶縁層形成用の絶縁シート(硬化後の熱膨張係数16ppm/℃)を作製した。
【0039】
絶縁シートは、Bステージ状態でパンチングにより直径100μmの穴あけを行ない、銅粉末を含有する導電性ペーストを充填した。また、転写シートの表面に厚さ12μmの銅箔を接着した後、エッチングによる回路パターンを形成し、この転写シートを絶縁シートに重ね合わせて転写シートを剥離することにより、配線回路層を絶縁シート表面に転写形成した。
【0040】
このようにして配線回路層およびビアホール導体を形成した未硬化状態の絶縁シートを3層作製した。なお、最表層の絶縁シートの表面には、直径が80μmのフリップチップ実装用の接続パッドを252個形成した。
【0041】
一方、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂に対して、表1に示すように、シリカ粉末を30〜80体積%の割合でワニス状態の樹脂と粉末を混合した後、ドクターブレード法によって、厚さ40μmの未硬化状態の保護シートを作製した。なお、用いた絶縁材料の硬化後の吸水率、20〜200℃の熱膨張係数、半導体素子(3.5ppm/℃)との熱膨張差、絶縁基板との熱膨張差、ガラス転移点を測定し、表1に示した。
【0042】
次に、この保護シートにCOレーザーで直径70μmの開口部を252個形成した。
【0043】
そして、上記の3層の絶縁シートを積層した後、その最上面に上記の保護シートを位置合わせして積層し、さらにテフロン系の離型フィルム、ポリエチレン系のクッションシートを順次重ね合わせて、30kg/cmの圧力で圧着しながら200℃で1時間加熱して完全硬化させて多層配線基板を作製した。その後、表面の接続パッド表面に、3μmのNiメッキおよび0.3μmのAuメッキを施した。
【0044】
そして、作製した配線基板の表面に半導体素子をはんだバンプによりフリップチップ実装した。なお、そして配線基板と半導体素子との間にアンダーフィル材を注入した。
【0045】
また、比較例として、実施例において絶縁シートを熱硬化性エポキシ樹脂によって形成したもの、実施例における多層配線基板と全く同様にして多層配線基板を作製した後、感光性エポキシ樹脂を一面に塗布し、露光・現像して開口部を形成し、上記と同様に半導体素子をフリップチップ実装し、評価を行った。
【0046】
得られた試料に対して、以下のようにして評価を行い、その結果を表1に示した。
(PCTテスト)
まず、試料を121℃、2.1気圧、湿度100%の雰囲気中に300時間放置して、保護層の剥離や脹れの有無を観察した。
【0047】
(温度サイクルテスト)
また、−55℃〜125℃の温度サイクルテストを回路の抵抗値が±10%以上の値となる回数まで実施し、抵抗が変化しない範囲で最大サイクル数を測定した。
【0048】
(吸湿リフローテスト)
さらに、試料を湿度85%、温度85℃の雰囲気中に10時間放置し、ハンダリフロー炉に投入し、急激な水分の蒸発による脹れの有無を調査した。
【0049】
【表1】
Figure 0003605313
【0050】
表1より、吸湿性の低いPPEを用いた場合においてもそのチップとの熱膨張差が20ppm/℃よりも大きい試料No.1では、保護層が剥離し、熱サイクル試験でも520回で抵抗変化が生じた。また、PPEに対してSiOを加えるに従い熱膨張係数が小さくなるが、SiO量が80体積%の試料No.6では急激に吸水率が増加して0.5%を越え、その結果、PCTテストで保護層が剥離し、熱サイクル性も低い。また吸湿リフローテストでは吸水率が高いものの開気孔を有し水蒸気が抜けやすいためか脹れやクラックは生じなかったが表面の変色が観察された。熱硬化性エポキシ樹脂や感光性エポキシ樹脂は吸水率が0.5%よりも大きく、その結果、PCTテストでは剥離が進み脹れが生じ、熱サイクル性も低く、吸湿リフローテストでは吸湿性が高いために脹れとクラックが認められた。
【0051】
これに対して、本発明の配線基板に対して断面における保護層や開口部付近を観察した結果、配線基板と半導体素子とは良好な接続状態であり、各配線間の導通テストを行った結果、配線の断線も認められなかった。また、各テストにおいても剥離、クラック、脹れの発生はなく、優れた耐久性を示した。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、高温多湿雰囲気中、あるいは熱サイクル中に曝されても場合においても、保護層の剥離を防止するとともに、保護層自体の吸水に基づく水分の侵入による配線間のマイグレーションの発生を防止し、優れた接続信頼性を有するフリップチップ実装に適した配線基板を提供できる。また、本発明の製造方法では、保護層の形成を配線基板の製造と同時に行うことができるとともに、保護層として感光性樹脂を用いる必要がなく、絶縁基板の材質と近似した絶縁材料を用いることができる結果、吸水性に優れ、また絶縁基板と熱膨張特性が近似した保護層を容易に形成することができる。それにより、半導体素子のフリップチップ実装に適した配線基板を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の配線基板を作製するための工程図である。
【符号の説明】
1a〜1c 絶縁層
1 絶縁基板
2 半導体素子
3 接続パッド
4 配線回路層
5 ビアホール導体
6 接続パッド
7 保護層
8 接続端子(半田ボール)

Claims (6)

  1. 熱硬化性有機樹脂を含有する絶縁基板の表面および/または裏面に他の電気回路と接続される複数の接続パッドが被着形成されてなるとともに、該接続パッド以外の絶縁基板の表面に熱硬化性樹脂を含む保護層が被着形成されてなる配線基板において、前記保護層が前記絶縁基板との20〜200℃における熱膨張差が20ppm/℃以下であり、且つ吸水率が0.5%以下の絶縁材料によって形成されてなることを特徴とする配線基板。
  2. 前記保護層中の熱硬化性樹脂がポリフェニレンエーテルである請求項1記載の配線基板。
  3. 前記保護層を形成する絶縁材料が無機質フィラーを30体積%以上の割合で含有する請求項1または請求項2記載の配線基板。
  4. 熱硬化性樹脂を含有する絶縁基板の表面および/または裏面に他の電気回路と接続される複数の接続パッドが被着形成されてなる未硬化状態の配線基板を作製する工程aと、
    硬化後の吸水率が0.5%以下であり、前記絶縁基板との20〜200℃における熱膨張差が20ppm/℃以下の熱硬化性樹脂を含有する絶縁材料からなる未硬化の保護シートに対して、前記接続パッド形成部に対応する位置に開口部を形成する工程bと、
    前記未硬化状態の配線基板の表面および/または裏面に、前記接続パッドと前記開口部とが整合するように前記未硬化状態の保護シートを積層圧着する工程cと、
    前記未硬化状態の配線基板と未硬化状態の保護シートとの積層体を一括して加熱処理して前記配線基板および保護シートを加熱硬化する工程dと、
    を具備することを特徴とする配線基板の製造方法。
  5. 前記保護シートを形成する絶縁材料中の熱硬化性樹脂がポリフェニレンエーテルである請求項4記載の配線基板の製造方法。
  6. 前記保護シートを形成する絶縁材料中に、無機質フィラーを30体積%以上の割合で含有する請求項4または請求項5記載の配線基板の製造方法。
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