JP3605202B2 - ドロワ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ECR(電子式キャッシュレジスタ)やPOS(販売時点情報管理装置)端末などの商品販売登録データ処理装置に付設されて金銭の出し入れを行うためのドロワ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のドロワ装置1は、例えば図3に示すように、ECR本体2と一体化されており、金銭を収納するためのマネーケース3がドロワ筐体4に対して引出自在に収納されている。この際、マネーケース3は金銭を収納している関係上、通常は、後述するようなロック機構によって収納状態にロックされている。
【0003】
このようなマネーケース3の引出開放は、通常は、ECR本体2のキーボード5におけるキー操作等に基づき商品売上登録処理に連動する形で行われる。最も一般的には、締めキー操作に基づき自動的にロック機構のロックを解除させることでマネーケース3を引出開放させ、受け取った金銭の収納や釣銭の支払を行えるようにしている。また、店舗の閉店後にマネーケース3内の金銭を回収するために店長やマネージャーがこのマネーケース3を引出開放させるためのドロワ鍵6も用意されている。このため、マネーケース3の前面には鍵穴7が設けられている。また、このドロワ鍵6は停電が発生した際にマネーケース3を引出開放させて金銭の出し入れを行うためにも用いられる。
【0004】
このようなマネーケース3の収納状態のロック・ロック解除による引出開放を可能にするため、マネーケース3回りは例えば図4に示すように構成されている。まず、マネーケース3の最奥部とドロワ筐体4内の奥部に形成された係止部8との間には前記マネーケース3を引出開放方向に付勢する圧縮ばね9が設けられている。また、前記マネーケース3の最奥部には奥側に突出させた凸片10が形成され、この凸片10には係止ピン11が立設されている。前記ドロワ筐体4内には支軸12を中心に水平面内で回動自在で前記係止ピン11が係脱する係止部13aを有する係止体13が設けられている。さらに、前記ドロワ筐体4内には支軸14を中心に水平面内で回動自在な平板状の規制体15が係止体13に並設する形で設けられている。この規制体15は一部に前記係止体13の一部に干渉して解除方向(図4では、反時計方向)の動きを規制する規制部15aを有する。また、この規制体15と係止体13との間には引っ張りばね16が係止されている。これらの係止ピン11、係止体13、規制体15及び引っ張りばね16によりロック機構17が構成されている。
【0005】
さらに、前記規制体15の一部にはドロワ開放ソレノイド18のプランジャ18aが連結されている。このドロワ開放ソレノイド18は、図5に示すように、ドロワ電源(例えば、+24V)に駆動トランジスタ19と直列に接続されており、この駆動トランジスタ19がドロワ開放信号によって一定時間(通常、数ms)導通すると、ドロワ開放ソレノイド18に通電されて前記プランジャ18aを吸引動作させる。このプランジャ18aが矢印a方向に吸引されると、前記規制体15が矢印b方向に回動して規制部15aによる規制が解除され、前記係止体13が矢印c方向に回動し、係止ピン11のロックを解除するように設定されている。係止ピン11が係止部13aから外れると、マネーケース3は圧縮ばね9の付勢力により引出開放方向に押し出される。これらのドロワ開放ソレノイド18と駆動トランジスタ19とによってロック自動解除手段20が構成されている。
【0006】
また、前記規制体15の一部には支軸21を中心に回動自在で前記マネーケース3の前面付近まで延出させた解除アーム22の奥端が係止されている。この解除アーム22の手前側にはピン23に係止して前記解除アーム22の可動範囲を規制する円弧状長孔22aが形成されている。さらに、この解除アーム22をその奥端が前記規制体15から離脱する方向に付勢する引っ張りばね24が係止されている。そして、解除アーム22の手前側先端には前記ドロワ鍵6が係止する係止部22bが形成されている。そこで、鍵穴7にドロワ鍵6を差し込んで係止部22bに係止させ、ドロワ鍵6を回すことにより解除アーム22の手前側を矢印d方向に変位させると、解除アーム22の奥端側は矢印e方向に変位し、前記規制体15が矢印b方向に回動するので、規制部15aによる規制が解除され、前記係止体13が矢印c方向に回動し、係止ピン11のロックが解除されるように設定されている。これらの解除アーム22、引っ張りばね24によりロック手動解除手段25が構成されている。
【0007】
このような構成によって、商品売上登録処理に伴う締めキー操作によりドロワ開放信号を生じさせ、ドロワ開放ソレノイド18によって自動的にロック機構17のロックを解除させてマネーケース3を引出開放させることも、ドロワ鍵6を用いてロック手動解除手段25によってロック機構17のロックを解除させてマネーケース3を引出開放させることもできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の構成によると、ECR本体2側のキー操作が判らなくてもドロワ鍵6を保有していれば、店長やマネージャでなくても、誰でもマネーケース3を任意に引出開放できることになる。この結果、例えば、ドロワ鍵6の合鍵を持った人が、キャッシャの目がECR本体2から離れた隙に、或るいは、休止中のECR本体に関して、鍵穴7に合鍵を差し込んで回しマネーケース3を引出開放させると、マネーケース3中の金銭を盗むことが簡単にできてしまう。つまり、ドロワ鍵6(合鍵を含む)を用いることにより、開店中であっても、極めて短時間の間に簡単に盗みが行えてしまう不都合がある。
【0009】
このような事態に対する盗難防止策としては、例えば、ロック機構ないしは施錠機構を頑強かつ複雑な構造にすることが考えられるが、ドロワ装置として使い勝手が悪くなり、かつ、高価となってしまう。
【0010】
また、ドロワ鍵6及びロック手動解除手段25をなくして、ロック自動解除手段20のみによってロック機構17のロック解除ができるようにすることも考えられるが、これでは、停電時などにマネーケース3を一切引出開放できなくなってしまう不都合がある。
【0011】
そこで、本発明は、ドロワ鍵を使用することで停電時のマネーケースの引出開放を可能にしつつ、ドロワ鍵を用いることによるマネーケース内の金銭の盗難を極力防止し得るドロワ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、ドロワ筐体に対して引出自在に収納されたマネーケースと、このマネーケースを収納状態にロックするロック機構と、外部からのドロワ開放信号に基づき前記ロック機構のロックを解除するロック自動解除手段と、ドロワ鍵の操作により前記ロック機構のロックを解除するロック手動解除手段とを備えたドロワ装置において、前記ロック手動解除手段が電源遮断時のみ有効となるようにした。請求項2記載の発明では、電源電圧が供給されることにより前記ロック手動解除手段の解除動作を不可とする解除不可手段を設けた。
【0013】
従って、通常時には外部からドロワ開放信号を与えることによりロック自動解除手段が動作してロック機構のロックが解除され、マネーケースが引出開放される。一方、ドロワ鍵を操作してもロック手動解除手段が有効となっておらず、或るいは、解除不可手段によって解除動作が不可とされているので、ロック手動解除手段によってロック機構のロックを解除することはできない。よって、開店中等の通常時において、ドロワ鍵を用いた盗難事件が極力防止される。停電が発生した場合には、電源遮断状態となりロック手動解除手段が有効となり、或るいは、電源電圧が供給されなくなって解除不可手段がロック手動解除手段の解除動作を不可としなくなるので、ドロワ鍵を用いてロック手動解除手段によりロック機構の解除動作を行わせることで、マネーケースを引出開放させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1及び図2に基づいて説明する。図3ないし図5で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、その説明も省略する。本実施の形態のドロワ装置1においては、解除アーム22の一部にプランジャ26aを係止させたドロワ錠ロックソレノイド26が設けられている。このドロワ錠ロックソレノイド26は、図2に示すように、商用交流電源27に対してヒューズ28、全波整流回路29及び電流制限抵抗30を介して直接的に接続されて常時電源電圧による通電を受けて前記プランジャ26aを吸引するように構成されている。このプランジャ26aの吸引方向fは、前記解除アーム22の解除方向dへの動きを不可とするように設定されている。これらのドロワ錠ロックソレノイド26、全波整流回路29及び電流制限抵抗30により、電気的な解除不可手段31が構成されている。電流制限抵抗30はドロワ錠ロックソレノイド26がオンする電流を調整するためのものである。観点を代えて説明すれば、停電が発生して商用交流電源27が遮断された場合には、ドロワ錠ロックソレノイド26に通電されず吸引動作が行われないので、プランジャ26aが自由状態となり、解除アーム22が解除方向dに動き得るように構成されている。
【0015】
なお、商用交流電源27に対する電源ラインには、ECR本体2の電源スイッチ32、交流/直流変換部等を含む電源部33が接続され、ECR本体2側へ必要な電圧を供給するように構成されている。この電源部33が供給する電圧中には、ドロワ開放ソレノイド18に対するドロワ電源も含まれている。
【0016】
このような構成において、ECR本体2側を使用する際には、電源スイッチ32を投入しておく。よって、ドロワ開放ソレノイド18にはドロワ電源が供給可能な状態にあり、例えば、商品販売登録処理に伴い締めキーが操作されてドロワ開放信号が与えられると、ドロワ開放ソレノイド18に通電されてそのプランジャ18aが矢印a方向に吸引されてロック機構17のロックを解除する。これにより、マネーケース3が引出開放され、金銭の出し入れが可能となる。即ち、電源スイッチ32が投入されている状態では、キーボード5上の所定のキー操作によりドロワ開放信号を与えることにより、ロック自動解除手段20を利用してロック機構17のロックが解除されるので、マネーケース3を引出開放させることができる。
【0017】
また、このような通常時においては、商用交流電源27から全波整流回路29等を経てドロワ錠ロックソレノイド26に電源電圧が供給されているので、プランジャ26aは吸引状態にあり、解除アーム22をロック方向となる吸引方向fに吸引した状態となっている。このような状態では、鍵穴7にドロワ鍵6を差し込んで回そうとしても解除アーム22がドロワ錠ロックソレノイド26によりロックされているので、回すことができず、この解除アーム22を解除方向dに変位させることはできない。よって、ドロワ鍵6の操作によってはロック機構17のロックを解除できないことになり、マネーケース3を引出開放できない。
【0018】
一方、停電が発生した場合には、商用交流電源27側から電源電圧が供給されないので、ドロワ錠ロックソレノイド26のプランジャ26aの吸引動作が解除され、プランジャ26aが自由状態となる。よって、図4に示した場合と同様な状態となり、鍵穴7にドロワ鍵6を差し込んで回せば解除アーム22が解除方向dに変位してロック機構17のロックを解除するので、マネーケース3が引出開放される。これにより、停電時のマネーケース3の開放操作が確保される。
【0019】
従って、本実施の形態によれば、開店中などのように、電源電圧が供給されている通常の状態では、ドロワ鍵6があってもマネーケース3を引出開放させることはできない。これにより、キャッシャの目がECR本体2から離れた隙に、或るいは、休止中のECR本体に関して、ドロワ鍵6を用いてマネーケース3を引出開放させようとしても開放させることができないので、マネーケース3内の金銭の盗難を防止できる。
【0020】
ちなみに、商用交流電源27のコンセントからプラグを引き抜けば、停電状態と同じになるので、ドロワ鍵6を用いたマネーケース3の引出開放が可能とはなるが、コンセントが天井や精算所の台の裏など判りにくい個所に配置されていることが多い上に、開店中であってキャッシャの居るような状況下でこのような行為を短時間で行うのは極めて困難であり、通常は、それ以前に犯罪行為が発覚するので、ドロワ鍵6を用いた盗難を防止する上で実用上支障ないと考えられる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、ドロワ筐体に対して引出自在に収納されたマネーケースと、このマネーケースを収納状態にロックするロック機構と、外部からのドロワ開放信号に基づき前記ロック機構のロックを解除するロック自動解除手段と、ドロワ鍵の操作により前記ロック機構のロックを解除するロック手動解除手段とを備えたドロワ装置において、前記ロック手動解除手段が電源遮断時のみ有効となるようにし、或るいは、電源電圧が供給されることにより前記ロック手動解除手段の解除動作を不可とする解除不可手段を設けたので、停電時にはロック手動解除手段が有効となるためドロワ鍵を用いたマネーケースの引出開放を行えるとともに、それ以外の時にはロック手動解除手段が有効とならず、或るいは、解除不可手段によって解除動作が不可とされるのでドロワ鍵を用いてマネーケースを引出開放させることはできないので、合鍵等を用いた金銭の盗難事件の発生を極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す要部の概略平面図である。
【図2】電装系の一部を示す概略回路図である。
【図3】一般的なECR構成を示す外観斜視図である。
【図4】従来例を示す要部の概略平面図である。
【図5】電装系の一部を示す概略回路図である。
【符号の説明】
3 マネーケース
4 ドロワ筐体
6 ドロワ鍵
17 ロック機構
20 ロック自動解除手段
25 ロック手動解除手段
31 解除不可手段
Claims (2)
- ドロワ筐体に対して引出自在に収納されたマネーケースと、このマネーケースを収納状態にロックするロック機構と、外部からのドロワ開放信号に基づき前記ロック機構のロックを解除するロック自動解除手段と、ドロワ鍵の操作により前記ロック機構のロックを解除するロック手動解除手段とを備えたドロワ装置において、前記ロック手動解除手段が電源遮断時のみ有効となるようにしたことを特徴とするドロワ装置。
- ドロワ筐体に対して引出自在に収納されたマネーケースと、このマネーケースを収納状態にロックするロック機構と、外部からのドロワ開放信号に基づき前記ロック機構のロックを解除するロック自動解除手段と、ドロワ鍵の操作により前記ロック機構のロックを解除するロック手動解除手段とを備えたドロワ装置において、電源電圧が供給されることにより前記ロック手動解除手段の解除動作を不可とする解除不可手段を設けたことを特徴とするドロワ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29118195A JP3605202B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | ドロワ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29118195A JP3605202B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | ドロワ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09134484A JPH09134484A (ja) | 1997-05-20 |
JP3605202B2 true JP3605202B2 (ja) | 2004-12-22 |
Family
ID=17765516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29118195A Expired - Lifetime JP3605202B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | ドロワ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3605202B2 (ja) |
-
1995
- 1995-11-09 JP JP29118195A patent/JP3605202B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09134484A (ja) | 1997-05-20 |
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