JP3604509B2 - 車両のタイヤ内空気圧モニター装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に備わる車輪のタイヤ内空気圧をモニターする車両のタイヤ内空気圧モニター装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両において安全走行を行うために注意しなければならない事項の一つとして、車両のタイヤ内空気圧を適度な状態に設定することがあげられる。例えば、タイヤ内空気圧が低下すると、パンクの発生率が増大すると共に、高速走行においてはバーストを生じ、重大事故を引き起こす原因となる。
【0003】
このため、運転者は常日頃、タイヤ内空気圧の点検を行う必要がある。このタイヤ内空気圧の点検の際には、車輪のリムに設けられたバルブに圧力測定器を押し当てることにより各タイヤ毎に測定を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したように各タイヤ毎にタイヤ内空気圧の測定を行うことは非常に手間がかかると共に、近年急増した女性ドライバーにとっては非常に難しいことであった。このため、運転者は常日頃タイヤ内空気圧の点検を行う必要があるにもかかわらず、点検を怠りがちとなり、タイヤ内空気圧の異常によって引き起こされる事故が増加しているという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は上記の問題点に鑑み、容易にタイヤ内空気圧の点検を行うことができる4輪又は6輪等の複数の車輪を有する車両のタイヤ内空気圧モニター装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために請求項1では、車両に設けられた車輪のタイヤ内空気圧をモニターする車両のタイヤ内空気圧モニター装置であって、車輪側に設けられた検出部と車体側に設けられたモニター部とからなり、前記検出部は、送受信用アンテナと、前記アンテナに入力された第1の周波数の電磁波より所定の直流電流を生成する整流回路と、前記整流回路によって生成された直流電流を所定の電圧値を有するパルス状にして出力する供給電流パルス化手段と、前記供給電流パルス化手段から出力された直流電流により動作し、タイヤ内の空気圧を検出する空気圧検出手段と、前記供給電流パルス化手段から出力された直流電流により動作し、前記空気圧検出手段による検出結果を収得する検出結果収得手段と、前記供給電流パルス化手段から出力された直流電流により動作し、前記検出結果収得手段によって収得された検出結果を第2の周波数の高周波信号として前記アンテナに供給する高周波発信部とを備え、前記モニター部は、送受信用アンテナと、第1の周波数の高周波信号を前記アンテナに供給する発信部と、前記アンテナから第2の周波数の高周波信号を入力して該信号に含まれる空気圧検出結果を抽出する受信部と、該受信部によって抽出された空気圧検出結果を報知する報知手段とを備えている車両のタイヤ内空気圧モニター装置を提案する。
【0007】
該車両のタイヤ内空気圧モニター装置によれば、モニター部において発信部から送受信用アンテナに第1の周波数の高周波信号が供給されると、前記送受信用アンテナから前記第1の周波数の電磁波が輻射され、該電磁波は検出部の送受信用アンテナに入力される。さらに、整流回路によって該検出部の送受信用アンテナに入力された第1の周波数の電磁波から所定の直流電流が生成され、該直流電流によって検出部の空気圧検出手段、検出結果収得手段高周波発信部が駆動される。また、前記空気圧検出手段によるタイヤ内空気圧の検出結果は検出結果収得手段により収得され、該検出結果収得手段によって収得された検出結果は、高周波発信部によって第2の周波数の高周波信号として検出部の送受信用アンテナに供給され、第2の周波数の電磁波として輻射される。該第2の周波数の電磁波は、モニター部の送受信用アンテナに入力されて第2の周波数の高周波信号となり、受信部によって該第2の高周波信号に含まれる空気圧検出結果が抽出される。さらに、該受信部によって抽出された空気圧検出結果は報知手段によって報知される。
【0008】
さらに、前記検出部では、供給電流パルス化手段によって、整流回路により生成された直流電流が少なくとも消費電流の大きい空気圧検出手段に対して所定の時間間隔をあけてパルス状に供給される。
【0009】
また、請求項2では、請求項1記載の車両のタイヤ内空気圧モニター装置において、前記検出部は、前記空気圧検出結果を送信する際に、個々の検出部に個別に割り当てられた識別コードを前記発信部を介して送信する識別コード送信手段を備え、前記モニター部は、前記識別コードに基づいて空気圧検出結果とタイヤ装着位置を対応づけるタイヤ装着位置判定手段を備えている車両のタイヤ内空気圧モニター装置を提案する。
【0010】
該車両のタイヤ内空気圧モニター装置によれば、検出部は空気圧検出結果を送信する際に、識別コード送信手段によって、個々の検出部に個別に割り当てられた識別コードを発信部を介して送信し、モニター部では前記識別コードに基づいて、タイヤ装着位置判定手段により空気圧検出結果とタイヤ装着位置が対応づけされる。
【0011】
また、請求項3では、請求項1乃至2の何れかに記載の車両のタイヤ内空気圧モニター装置において、前記モニター部の送受信用アンテナは、前記検出部毎に車輪の近傍位置に配置されている車両のタイヤ内空気圧モニター装置を提案する。
該車両のタイヤ内空気圧モニター装置によれば、モニター部の送受信用アンテナは検出部毎に車輪の近傍位置に配置され、モニター部の送受信用アンテナと検出部の送受信用アンテナとの間の距離が必要最小限とされる。
【0012】
また、請求項4では、請求項1乃至3の何れかに記載の車両のタイヤ内空気圧モニター装置において、前記検出部の検出結果収得手段は、タイヤ内空気圧値を検出し、該空気圧値を所定段階数のビットコードに変換して検出結果とする手段と、該ビットコードをパラレル/シリアル変換して出力する手段とを有し、前記高周波発信部は、前記シリアル変換されたビットコードに基づいて前記アンテナへの前記高周波信号の供給をオン・オフするスイッチ手段を有する車両のタイヤ内空気圧モニター装置を提案する。
【0013】
該車両のタイヤ内空気圧モニター装置によれば、検出部において検出結果収得手段により、検出されたタイヤ内空気圧値が所定段階数のビットコードに変換されて検出結果とされ、該ビットコードはパラレル/シリアル変換され、前記高周波発信部により、前記シリアル変換されたビットコードに基づいて前記アンテナへの前記高周波信号の供給がオン・オフされる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1参考例のタイヤ内空気圧モニター装置を示す構成図である。図において、1は車両で、各車輪2、ここでは4つの車輪2にはタイヤ内空気圧を検出する検出部10が設けられ、車室内には検出部10によって検出されたタイヤ内空気圧を報知するモニター部20が設けられている。このモニター部20は、モニター部本体20a、ディスプレイ20b、アンテナ20cから構成され、ディスプレイ20bは運転者から視認できる運転席の近傍に設置されている。
【0015】
検出部10は、図2に示すように車両1の各車輪2毎にタイヤ2a内に設けられ、その取付位置は車輪2のホイール2bの内側である。また、車体側には各車輪2毎に検出部10に対向するようにアンテナ20cが設けられ、これらのアンテナ20cはモニター部本体20aに接続されている。
【0016】
図3は、検出部10の電気系回路を示すブロック図である。図において、10は検出部で、送受信用アンテナ11、整流回路12、中央処理部13、空気圧センサ14、発信部15及びデュープレクサ16から構成されている。
【0017】
整流回路12は、ダイオード121,122、コンデンサ123、及び抵抗器124から構成され、周知の全波整流回路を形成している。この整流回路12の入力側にはデュープレクサ16を介して送受信用アンテナ11が接続され、送受信用アンテナ11に誘起した高周波電流を整流して直流電流に変換して、中央処理部13、記憶部14及び発信部15の駆動電源として出力するものである。
【0018】
中央処理部13は、周知のCPU131及びディジタル/アナログ(以下、D/Aと称する)変換器132から構成され、CPU131は電源が供給されて駆動すると空気圧センサ14から出力されるアナログ信号をディジタルデータに変換し、これに基づくタイヤ内の空気圧情報をD/A変換器132を介して発信部15に出力する。
【0019】
空気圧センサ14は、例えば静電容量式圧力センサ、半導体圧力センサ、圧電式圧力センサ等からなり、タイヤ2a内部の空気圧に対応したアナログ電気信号を出力する。
【0020】
発信部15は、発振回路151、変調回路152及び高周波増幅回路153から構成され、発振回路151によって発振された、例えば300MHzの搬送波を、中央処理部13から入力した情報信号に基づいて、変調回路152で変調して、これを高周波増幅回路153及びデュプレクサ16を介して送受信用アンテナ11に供給する。
【0021】
デュープレクサ16は、ローパスフィルタ16aとハイパスフィルタ16bから構成され、送受信用アンテナ11と整流回路12との間にローパスフィルタ16aが接続され、送受信用アンテナ11と高周波増幅回路153 との間にハイパスフィルタ16bが接続されている。
【0022】
図4は、モニター部20の電気系回路を示すブロック図である。図において、20はモニター部で、各車輪2に対応して設けられた複数の送受信用アンテナ20c、アンテナ切り替え器21、受信部22、中央処理部23、キーボード24、表示制御部25、発信部26、デュープレクサ27、これらへ電源を供給する電源部28及びディスプレイ20bから構成されている。ここで、本参考例におけるモニター部20とは、後述するように検出部10に対して第1の周波数の電磁波を輻射しながら、これに伴って検出部10から輻射される第2の周波数の電磁波を受信することにより、検出部10から送信される空気圧情報をモニターするものを言う。
【0023】
また、モニター部20のアンテナ切り替え器21は、電子式の2回路4接点のスイッチからなり、中央処理部23からの制御信号に基づいてデュープレクサ27に接続するアンテナを切り替える。
【0024】
受信部22は、受信機221とアナログ/ディジタル(以下、A/Dと称する)変換器222から構成され、受信器221の入力側は送受信用アンテナ20cに接続され、300MHzの高周波を受信し、これを検波した後、A/D変換器222を介して中央処理部23に出力する。
【0025】
中央処理部23は、周知のCPU231及びメモリ232から構成され、中央処理部231はキーボード24から入力された命令に基づいて、受信部22から入力した情報をメモり232に記憶すると共に表示制御部25を介してディスプレイ20bに表示すると共に、受信したタイヤ内空気圧が所定の基準値以下のときにディスプレイ20bを介して運転者に警報を発する。
【0026】
さらに、発信部26は発信回路261から構成され、発信回路261はCPU231 からの制御信号に基づいて、例えば100KHz〜300KHzの高周波信号を送受信用アンテナ21に出力する。
【0027】
また、デュープレクサ27は、ローパスフィルタ27aとハイパスフィルタ27bから構成され、送受信用アンテナ20cと受信部22との間にハイパスフィルタ27bが介在され、送受信用アンテナ20cと発信部26との間にローパスフィルタ27aが介在されている。
【0028】
ディスプレイ20bは、図5に示すように、モニターパネル30上に車輪に対応して配置された4つの7セグメントLED数字表示器(以下、数字表示器と称する)31a〜31dと、同様に車輪に対応して配置された4つの赤色LED32a〜32d及び図示せぬブザーを備えている。
【0029】
これにより、表示制御部25から入力した表示信号に基づいて、各数字表示器31a〜31dにタイヤ内空気圧の検出値を8段階表示すると共に警報用の赤色LED32a〜32dを点滅させ、警報時にはCPU231 から入力する鳴動信号によってブザー(図示せず)を鳴動する。
【0030】
前述の構成よりなる本参考例によれば、モニター部20からはCPU231 の動作プログラムに基づいて所定時間おきに発信部26が駆動され、送受信用アンテナ21から第1の周波数の高周波信号、即ち100KHz〜300KHzの高周波信号が輻射される。この際、CPU231 によってアンテナ切り替え器21が切り替え制御され、アンテナ切り替え器21によって4つの送受信用アンテナ20cが順次デュープレクサ27に接続され、4つのアンテナ20cから順次第1の周波数の電磁波が輻射される。
【0031】
この電磁波は各車輪2に設けられた検出部10の送受信用アンテナ11に入力され、送受信用アンテナ11に高周波電流が誘起する。送受信用アンテナ11に誘起した高周波電流は、整流回路12によって整流されて検出部10内部の中央処理部13、空気圧センサ14及び発信部15に電源を供給する。
【0032】
これにより、モニター部20から送出された電磁波を受信している間、電源を供給された中央処理部13は、予めプログラムされている情報送信処理を行う。即ち、中央処理部13は、空気圧センサ14内から出力される信号に基づく空気圧情報を発信部15に出力する。発信部ではこの情報に基づいて搬送波を変調し、変調された搬送波、即ち高周波信号を送受信用アンテナ11に供給する。これにより、送受信用アンテナ11からは第2の周波数の電磁波、即ち300MHzの周波数の電磁波が輻射される。
【0033】
モニター部20では、検出部10から輻射された300MHzの電磁波を送受信用アンテナ21を介して受信部22によって受信し、受信部22は受信した情報をディジタルデータに変換して中央処理部23に送出する。
【0034】
中央処理部23は、入力したディジタルデータに基づく情報、即ち検出部10から受信したタイヤ内空気圧情報を表示制御部25を介してディスプレイ20bの数字表示器31a〜31dに8段階表示する。さらに、中央処理部23は、受信したタイヤ内空気圧が所定の基準値以下のときに車輪に対応した赤色LED32a〜32dを点滅させると共にブザーを鳴動して運転者に警報を発する。
【0035】
前述したように、第1参考例によれば、車輪2側に設けられた検出部10によってタイヤ2a内の空気圧が検出され、この検出結果は電波を介して車体側に設けられたモニター部によって受信され、タイヤ内空気圧の検出結果がモニターされるので、タイヤ内空気圧の測定を非常に簡単に行うことができると共に、女性ドライバーにとっても容易に行うことができる。
【0036】
これにより、運転者は常日頃からタイヤ内空気圧の点検を行うことができ、タイヤ内空気圧の異常によって引き起こされる事故の低減を図ることができる。さらに、検出部10のみが車輪側に設けられ、モニター部20が車体側に設けられているので、これらの取付を比較的簡単に行うことができる。
【0037】
また、検出部10内には電源を設ける必要がないので、半永久的に使用でき、定期的に電池交換する必要がなくメンテナンスの手間を大幅に低減することができる。
【0038】
次に、本発明の第1実施形態を説明する。
図6は第1実施形態における検出部10の電気系回路を示すブロック図である。図において前述した第1参考例と同一構成部分は同一符号を持って表しその説明を省略する。また、第1参考例と第1実施形態との相違点は、検出部10にパルス化回路17を設け、整流回路12から出力される直流電流をパルス化して中央処理部13、空気圧センサ14及び発信部15の駆動電源として出力するものである。また、モニター部20の構成は第1参考例と同様である。
【0039】
パルス化回路17は、サイリスタ17aから構成され、そのゲート端子Gは接地され、第1端子T1は整流回路12の出力端子、即ちダイオード121 のカソードに接続されている。これにより、図7に示すように、送受信アンテナ11に誘起した高周波電流によりコンデンサ123 が充電され、コンデンサ123 の端子間電圧Vが所定の電圧に達するとサイリスタ17aがオフ状態からオン状態に切り替わり、サイリスタ17aの第2端子から電流が出力される。この後、コンデンサ123 の端子電圧が低下すると、サイリスタ17aがオン状態からオフ状態に切り替わるため、サイリスタ17aの第2端子にパルス状の所定電圧を有する電流Iが出力されることとなる。
【0040】
前述の構成によれば、送受信用アンテナ11に誘起した高周波電流は、整流回路12によって整流され、パルス化回路17からパルス状に電流が出力されて、検出部10内部の中央処理部13、空気圧センサ14及び発信部15に電源が供給される。これにより、検出部10を微弱なエネルギーによって動作させることができる。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図8は、第2実施形態における検出部10の電気系回路を示すブロック図である。図において、前述した第2の実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。また、第1実施形態と第2実施形態との相違点は、中央処理部13に代えてビットコード化部18を設けると共に、変調回路152 に代えてスイッチング回路154 を設けたことにある。
【0042】
ビットコード化部18はビットコード化回路181 、パラレル/シリアル変換回路182 、クロック信号発生回路183 から構成されている。
【0043】
ビットコード化回路181 は、8個の比較器181a〜181hと9個の抵抗器181i〜181qから構成され、抵抗器181i〜181qは直列接続され、その一端は接地されると共に他端はパルス化回路17の出力電圧Vbによってプルアップされている。また、各抵抗器181i〜181qの接続点は比較器181a〜181hの反転入力端子に一対一に対応して接続され、各比較器181a〜181hの反転入力端子には抵抗器181i〜181qによる分圧電圧が印加される。
【0044】
また、各比較器181a〜181hの非反転入力端子には空気圧センサ14からの出力電圧が印加されている。
【0045】
これにより各比較器181a〜181hは、反転入力端子に印加された電圧よりも非反転入力端子に印加された電圧が大きいときに、出力電圧をハイレベルの電圧(Vb)を出力し、これ以外はローレベルの電圧(接地電位)を出力する。従って、ビットコード化部18により、タイヤ内空気圧値は8ビットのコードとして出力される。
【0046】
パラレル/シリアル変換回路182 は、8ビットのデータ入力端子Da〜Dhと、シフトデータ入力端子SD、クロック信号入力端子CLK、ロード信号入力端子LD、及びシリアルデータ出力端子Qを備え、データ入力端子Da〜Dhに入力されたパラレルデータをシリアルデータ出力端子Qからシリアルデータとして出力するものである。
【0047】
データ入力端子Da〜Dhにはそれぞれ、比較器181a〜181hの出力端子が接続され、ロード信号入力端子LDにはクロック信号発生回路183から出力される第2クロック信号CK2が入力され、シフトデータ入力端子SDは接地されている。また、クロック信号入力端子CLKにはクロック信号発生回路183 から出力される第1クロック信号CK1が入力されている。
【0048】
ここで、第2クロック信号CK2は、第1クロック信号CK1の周期の16倍の周期を有し、第1クロック信号CK1に同期している。
【0049】
これにより、パラレル/シリアル変換回路182 は、図9に示すように、第2クロック信号CK2の立ち上がりでデータ入力端子Da〜Dhに入力されているデータをラッチし、第1クロック信号CK1に同期して、これらのデータをデータ入力端子Dhに入力されているデータから順にシリアルデータ出力端子から順次出力していく。
【0050】
また、データ入力端子Da〜Dhに入力されている8ビットのデータを出力した後は、シフトデータ入力端子SDに入力されているデータ、即ちローレベルを出力する。
【0051】
スイッチング回路154 は、パラレル/シリアル変換回路182 から出力された信号によってオン・オフ状態が切り替わる電子スイッチからなり、パラレル/シリアル変換回路182 からの出力信号がハイレベルのときに、発振回路151 から出力される搬送波信号(キャリア信号)を高周波増幅回路153 に伝達する。
【0052】
これにより、8ビットにコード化されたタイヤ内空気圧データが電磁波として送信される。
【0053】
一方、モニター部20では、8ビットにコード化されたタイヤ内空気圧データを受信するので、中央処理部23はこれに対応してタイヤ内空気圧情報を表示制御部25を介してディスプレイ20bの数字表示器31a〜31dに8段階表示する。さらに、中央処理部23は、受信したタイヤ内空気圧が所定の基準値以下のときに車輪に対応した赤色LEDを点滅させると共にブザーを鳴動して運転者に警報を発する。
【0054】
前述したように、第2実施形態によれば、検出部10に消費電力の大きなCPU及びD/A変換回路を用いていないので、さらに微弱エネルギーで検出部10を動作させることができる。
【0055】
次に、本発明の第2参考例を説明する。
図10は第2参考例における検出部10の電気系回路を示すブロック図、図11は第2参考例におけるモニター部20の電気系回路を示すブロック図である。図において、前述した第1参考例と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。また、第1参考例と第2参考例との相違点は、検出部10に検波部19及び記憶部133 を設けると共に、モニター部20からアンテナ切り替え器21を除去し、変調部29を設け、検出部10を指定して空気圧情報の授受を行えるようにしたことにある。
【0056】
即ち、検波部19はダイオード191とA/D変換器192からなり、ダイオード191のアノードは送受信用アンテナ11に接続され、カソードはA/D変換器を介して中央処理部13のCPU131に接続されている。
【0057】
記憶部133 は、CPU131 に接続されたEEPROM等の半導体メモリからなり、この記憶部133 には予め各タイヤに固有のIDコード(識別コード)が記憶されている。
【0058】
また、モニター部20においては、アンテナ20cは1つのみ設けられ、直接デュープレクサ27に接続され、図12に示すように車室内に配置されている。
【0059】
変調部29は、D/A変換器291、変調回路292及び高周波増幅回路293からなり、D/A変換器291の入力側は中央処理部23のCPU231に接続され、出力側は変調回路292に接続されている。変調回路292は発信部26から搬送波を入力し、これを変調して高周波増幅回路293に供給する。高周波増幅回路293は、入力した高周波信号を増幅して送信用アンテナ27に出力する。
【0060】
モニター部20からはCPU231 の動作プログラムに基づいて所定時間おきに各検出部10のIDコードが変調部29に送出されると共に発信部26が駆動され、送信用アンテナ27から第1の周波数の高周波信号、即ち100KHz〜300KHzの高周波信号によってIDコードが送信される。
【0061】
この電磁波は検出部10の送受信用アンテナ11に入力され、送受信用アンテナ11に高周波電流が誘起する。送受信用アンテナ11に誘起した高周波電流は、整流回路12によって整流されて検出部10内部の中央処理部13、空気圧センサ14及び発信部15に電源を供給する。
【0062】
さらに、検出部10では、モニター部20から送出された電磁波を受信している間、電源を供給された中央処理部13は、検波回路19を介して入力されるIDコードを判定し、このIDコードが記憶部133 に記憶されているIDコードと一致するときに、予めプログラムされている処理を行う。
【0063】
即ち、IDコードが一致したときには、中央処理部13は、空気圧センサ14内から出力される信号に基づく空気圧情報を発信部15に出力すると共に、記憶部133 内に記憶されているIDコードを読み出し、このIDコードを発信部15に出力する。発信部15では空気圧情報及びIDコードに基づいて搬送波を変調し、変調された搬送波、即ち高周波信号を送受信用アンテナ11に供給する。これにより、送受信用アンテナ11からは300MHzの周波数の電磁波が輻射される。
【0064】
モニター部20では、検出部10から輻射された300MHzの電磁波を受信用アンテナ21を介して受信部22によって受信し、受信部22は受信した情報をディジタルデータに変換して中央処理部23に送出する。
【0065】
中央処理部23は、入力したディジタルデータに基づく情報、即ち検出部10から受信した空気圧情報を対応する数字表示器31a〜31dに表示する。
【0066】
従って、第2参考例によれば、車室内に設けた1つのアンテナ20cを用いて、個々の検出部10を指定して空気圧情報の授受を行うことができるので、アンテナの配線作業を行う必要がなく、装置を非常に簡単に設置することができる。また、個々のタイヤに設けられた検出部10のそれぞれから送信される情報が重なることがなく、個々のタイヤの空気圧を確実に識別することができる。
【0067】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図13は、第3実施形態における検出部10の電気系回路を示すブロック図である。図において前述した第2参考例と同一構成部分は同一符号を持って表しその説明を省略する。また、第2参考例と第3実施形態との相違点は、検出部10にパルス化回路17を設け、整流回路12から出力される直流電流をパルス化して中央処理部13、記憶部14及び発信部15の駆動電源として出力するものである。また、モニター部20の構成は第2参考例と同様である。
【0068】
パルス化回路17の構成は前述した第1実施形態と同様である。即ちパルス化回路17は、サイリスタ17aから構成され、そのゲート端子Gは接地され、第1端子T1は整流回路12の出力端子、即ちダイオード121 のカソードに接続されている。これにより、図7に示したように、送受信アンテナ11に誘起した高周波電流によりコンデンサ123 が充電され、コンデンサ123 の端子間電圧Vが所定の電圧に達するとサイリスタ17aがオフ状態からオン状態に切り替わり、サイリスタ17aの第2端子から電流が出力される。この後、コンデンサ123 の端子電圧が低下すると、サイリスタ17aがオン状態からオフ状態に切り替わるため、サイリスタ17aの第2端子にパルス状の所定電圧を有する電流Iが出力されることとなる。
【0069】
前述の構成によれば、送受信用アンテナ11に誘起した高周波電流は、整流回路12によって整流され、パルス化回路17からパルス状に電流が出力されて、検出部10内部の中央処理部13、空気圧センサ14及び発信部15に電源が供給される。これにより、検出部10を微弱なエネルギーによって動作させることができる。
【0070】
尚、前述した第1乃至第3実施形態では、タイヤ内空気圧の検出結果を8段階の検出値をもって表したがこれに限定されることはない。
【0071】
また、前述した第1乃至第3実施形態では、検出結果の報知方法として7セグメント数字表示器、LED、ブザーを用いたが、この他に音声や画像若しくはこれらの組合せを用いて、タイヤ内空気圧の検出結果を運転者等に報知するようにしても良い。
【0072】
また、前述した第1乃至第3実施形態では、装置設置対象車として4輪車を用いたが、これに限定されることはなく6輪以上の車両であっても良い。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1によれば、車輪側に設けられた検出部の空気圧検出手段によってタイヤ内の空気圧が検出され、該検出結果は電波を介して車体側に設けられたモニター部によって受信され、前記検出結果が得られるので、タイヤ内空気圧の測定を非常に簡単に行うことができると共に、女性ドライバーにとっても容易に行うことができる。これにより、運転者は常日頃からタイヤ内空気圧の点検を行うことができ、タイヤ内空気圧の異常によって引き起こされる事故の低減を図ることができる。さらに、前記検出部のみが車輪側に設けられ、モニター部は車体側に設けられているので、これらの取付を比較的簡単に行うことができると共に、電波によって検出結果の受け渡しを行っているので、取付に際して面倒な配線作業を行う必要がない。さらにまた、前記検出部には電磁波によって駆動エネルギーが供給されるため、検出部に電源を設ける必要がなく、メンテナンスの簡略化を図ることができる。また、検出部では供給電流パルス化手段によって、整流回路により生成された直流電流が少なくとも消費電流の大きい空気圧検出手段に対し て所定の時間間隔をあけてパルス状に供給されるので、検出部における消費電流を低減することができる。
【0074】
また、請求項2によれば、上記の効果に加えて、検出部は空気圧検出結果を送信する際に、識別コード送信手段によって、個々の検出部に個別に割り当てられた識別コードを発信部を介して送信し、モニター部では前記識別コードに基づいて、タイヤ装着位置判定手段により空気圧検出結果とタイヤ装着位置が対応づけされるので、例えば複数のタイヤを用いている場合にも、これらのタイヤの各々の検出結果を識別することができる。
【0075】
また、請求項3によれば、上記の効果に加えて、モニター部の送受信用アンテナは検出部毎に車輪の近傍位置に配置され、モニター部の送受信用アンテナと検出部の送受信用アンテナとの間の距離が必要最小限とされるので、送信電波の高周波電力を低減することができ、不要な電波の広域輻射を防止することができると共に消費電力の削減を図ることができる。
【0076】
また、請求項4によれば、上記の効果に加えて、検出部において検出結果収得手段により検出されたタイヤ内空気圧値が所定段階数のビットコードに変換されて検出結果とされるので、検出部とモニター部との間における検出結果の授受を容易に行うことができると共に、検出結果を容易に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1参考例のタイヤ内空気圧モニター装置を示す構成図
【図2】本発明の第1参考例における検出部の取付位置を説明する図
【図3】本発明の第1参考例における検出部の電気系回路を示すブロック図
【図4】本発明の第1参考例におけるモニター部の電気系回路を示すブロック図
【図5】本発明の第1参考例におけるモニターパネルを示す図
【図6】本発明の第1実施形態における検出部の電気系回路を示すブロック図
【図7】本発明の第1実施形態におけるパルス化回路の動作を説明する図
【図8】本発明の第2実施形態における検出部の電気系回路を示すブロック図
【図9】本発明の第2実施形態におけるシリアル/パラレル変換回路の動作を説明するタイミングチャート
【図10】本発明の第2参考例における検出部の電気系回路を示すブロック図
【図11】本発明の第2参考例におけるモニター部の電気系回路を示すブロック図
【図12】本発明の第2参考例のタイヤ内空気圧モニター装置を示す構成図
【図13】本発明の第3実施形態における検出部の電気系回路を示すブロック図
【符号の説明】
1…車両、2…車輪、2a…タイヤ、10…検出部、20…モニター部、20a…モニター部本体、20b…ディスプレイ、20c…アンテナ、11…送受信用アンテナ、12…整流回路、13…中央処理部、131 …CPU、132…D/A変換回路、14…空気圧センサ、15…発信部、151…発振回路、152…変調回路、153…高周波増幅回路、154 …スイッチング回路、16…デュープレクサ、16a…ローパスフィルタ、16b…ハイパスフィルタ、17…パルス化回路、17a…サイリスタ、18…ビットコード化部、181 …ビットコード化回路、182 …パラレル/シリアル変換回路、183 …クロック信号発生回路、21…アンテナ切り替え器、22…受信部、221…受信機、222…A/D変換回路、23…中央処理部、231…CPU、232…メモリ、24…キーボード、25…表示制御部、26…発信部、261…発信器、27…デュープレクサ、27a…ローパスフィルタ、27b…ハイパスフィルタ、28…電源部、29…変調部、30…モニターパネル、31a〜31d…数字表示器、32a〜32d…LED。
Claims (4)
- 車両に設けられた車輪のタイヤ内空気圧をモニターする車両のタイヤ内空気圧モニター装置であって、
車輪側に設けられた検出部と車体側に設けられたモニター部とからなり、
前記検出部は、送受信用アンテナと、
前記アンテナに入力された第1の周波数の電磁波より所定の直流電流を生成する整流回路と、
前記整流回路によって生成された直流電流を所定の電圧値を有するパルス状にして出力する供給電流パルス化手段と、
前記供給電流パルス化手段から出力された直流電流により動作し、タイヤ内の空気圧を検出する空気圧検出手段と、
前記供給電流パルス化手段から出力された直流電流により動作し、前記空気圧検出手段による検出結果を収得する検出結果収得手段と、
前記供給電流パルス化手段から出力された直流電流により動作し、前記検出結果収得手段によって収得された検出結果を第2の周波数の高周波信号として前記アンテナに供給する高周波発信部とを備え、
前記モニター部は、送受信用アンテナと、
第1の周波数の高周波信号を前記アンテナに供給する発信部と、
前記アンテナから第2の周波数の高周波信号を入力して該信号に含まれる空気圧検出結果を抽出する受信部と、
該受信部によって抽出された空気圧検出結果を報知する報知手段とを備えている
ことを特徴とする車両のタイヤ内空気圧モニター装置。 - 前記検出部は、前記空気圧検出結果を送信する際に、個々の検出部に個別に割り当てられた識別コードを前記発信部を介して送信する識別コード送信手段を備え、前記モニター部は、前記識別コードに基づいて空気圧検出結果とタイヤ装着位置を対応づけるタイヤ装着位置判定手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の車両のタイヤ内空気圧モニター装置。
- 前記モニター部の送受信用アンテナは、前記検出部毎に車輪の近傍位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至2の何れかに記載の車両のタイヤ内空気圧モニター装置。
- 前記検出部の検出結果収得手段は、タイヤ内空気圧値を検出し、該空気圧値を所定段階数のビットコードに変換して検出結果とする手段と、該ビットコードをパラレル/シリアル変換して出力する手段とを有し、
前記高周波発信部は、前記シリアル変換されたビットコードに基づいて前記アンテナへの前記高周波信号の供給をオン・オフするスイッチ手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車両のタイヤ内空気圧モニター装置。
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