JP2006242707A - タイヤ空気圧検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電力チャージ用の電波とセンサ送信機から送信されるデータの電波が同一の周波数帯であっても、電波干渉を生じることなく、受信機側で、センサ送信機から送信されたタイヤ空気圧のデータを受信できるようにする。
【解決手段】
車体側アンテナから電力チャージ用の電波がTmax時間送信される。センサ送信機では、その電力チャージ用の電波により電力チャージを行い、チャージ部の充電電圧は、徐々に増加していく。そして、チャージ部の充電電圧がセンサ駆動開始電圧になると、起動し、Tmax時間経過した後、タイヤ空気圧のデータを送信する。このことにより、センサ送信機がタイヤ空気圧のデータを送信するときには、必ず電力チャージ用の電波の送信は停止しているので、電力チャージ用の電波とセンサ送信機から送信する電波の干渉を回避することができる。
【選択図】 図7
【解決手段】
車体側アンテナから電力チャージ用の電波がTmax時間送信される。センサ送信機では、その電力チャージ用の電波により電力チャージを行い、チャージ部の充電電圧は、徐々に増加していく。そして、チャージ部の充電電圧がセンサ駆動開始電圧になると、起動し、Tmax時間経過した後、タイヤ空気圧のデータを送信する。このことにより、センサ送信機がタイヤ空気圧のデータを送信するときには、必ず電力チャージ用の電波の送信は停止しているので、電力チャージ用の電波とセンサ送信機から送信する電波の干渉を回避することができる。
【選択図】 図7
Description
本発明は、タイヤが取り付けられた車輪に備えられた送信機からタイヤの空気圧のデータを送信し、そのデータを車体側に備えられた受信機が受信することで、タイヤの空気圧の検出を行うダイレクト式のタイヤ空気圧検出装置に関するものである。
従来より、タイヤ空気圧検出装置としてダイレクト式のものがある。このタイプのタイヤ空気圧検出装置では、タイヤが取り付けられた車輪側に、圧力センサ等のセンシング部が備えられた送信機(以下、本明細書ではセンサ送信機という)が直接取り付けられ、センシング部によって検出されたタイヤ空気圧のデータが電波で送信される。また、車体側に、車体側アンテナを有する受信機が備えられ、センサ送信機からタイヤ空気圧のデータが電波で送信されると、車体側アンテナを介して受信機にその電波が受信され、タイヤ空気圧の検出が行われるようになっている。
このようなタイヤ空気圧検出装置において、センサ送信機側の電池をなくし、ICタグなどの分野で知られているトランスポンダ方式による充電を行う電池レス駆動タイプとすることについて検討がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−255229号公報
上記したような電池レス駆動タイプのタイヤ空気圧検出装置におけるセンサ送信機として、電力チャージ用の電波の受信を行うとともにデータの送信を行うアンテナおよび送受信部と、受信した電力チャージ用の電波により電力チャージを行うチャージ部と、タイヤの空気圧を検出するセンシング部と、チャージ部にチャージされた電力により起動し、センシング部によって検出されたタイヤ空気圧のデータを電力チャージ用の電波と同じ周波数帯の電波で送受信手段から送信させる制御部とを備えた構成とすることが考えられる。
なお、チャージ部としては、例えばダイオードとコンデンサを用い、電力チャージ用の電波によりコンデンサを充電し、コンデンサの充電電圧が制御部を起動できる所定電圧(例えば、5V)になると、スイッチがオンして、コンデンサの充電電圧を制御部に供給して制御部を起動させるような構成とすることができる。また、制御部は、その起動後、電力チャージ用の電波の受信状態をモニタし、電力チャージ用の電波が受信できなくなったことを検出すると、タイヤ空気圧のデータを送信するようにする。
このような構成とした場合、図11に示すように、センサ送信機1が受信機に備えられた車体側アンテナ21に対し、近い距離で停止していれば、チャージ部の充電電圧が制御部を起動できる電圧(図に示すセンサ駆動開始電圧)になると、制御部が起動する。そして、制御部は、電力チャージ用の電波の受信状態をモニタし、電力チャージ用の電波が受信できなくなったことを検出すると、センシング部によって検出されたタイヤ空気圧のデータを電力チャージ用の電波と同じ周波数帯の電波で送信させる。つまり、電力チャージ用の電波の送信に応答してタイヤ空気圧のデータを送信するセンサ応答を行う。このようにすれば、タイヤ空気圧のデータを同一周波数帯の電波で送信したとしても、受信機側から送信される電力チャージ用の電波との間でオーバーラップ(干渉)は発生せず、車体側アンテナ21でタイヤ空気圧のデータを受信することができる。
センサ送信機1は、小さなアンテナしか搭載できず受信感度が良くないため、図に示す角度Pの範囲で受信機との間で通信を行うことができる。つまり、角度Pの範囲が、電力チャージ可能エリアとなる。このため、図12のような位置でセンサ送信機1が停止していると、センサ送信機1は電力チャージ用の電波を十分に受信できず、チャージ部の充電電圧が制御部を起動できるセンサ駆動開始電圧にならないため、センサ送信機1はタイヤ空気圧のデータを送信することはできない。
また、タイヤが回転しているときには、センサ送信機1が角度Pの範囲にあるときに電力チャージ用の電波を受信し、センサ送信機1が角度Pの範囲を外れると電力チャージ用の電波を受信できなくなる。このため、図13に示すように、チャージ部の充電電圧は、階段状に増加していく。そして、チャージ部の充電電圧がセンサ駆動開始電圧になると、制御部が起動し、電力チャージ用の電波が受信できなくなったことを検出して、タイヤ空気圧のデータを送信させる。
しかしながら、受信機が電力チャージ用の電波を送信している状態にあるにもかかわらず、センサ送信機1が角度Pの範囲を外れて電力チャージ用の電波を受信できなくなると、センサ送信機1は、そのタイミングでタイヤ空気圧のデータを送信することになる。つまり、図14に示すように、電力チャージ用の電波は、固定時間T1の間、車体側アンテナ1から送信されるが、その電力チャージ用の電波によってチャージ部の充電電圧がセンサ駆動開始電圧になり、制御部が起動したとき、センサ送信機1が角度Pの範囲を外れて電力チャージ用の電波を受信できなくなると、センサ送信機1は、車体側アンテナ1から電力チャージ用の電波が送信されているにもかかわらず、タイヤ空気圧のデータを送信してしまうことになる。
この場合、電力チャージ用の電波とセンサ送信機1から送信する電波の周波数が共にF1(Hz)で同一周波数帯のものとなっているため、送受オーバーラップとなる。センサ送信機1から電波により送信される信号は、微弱であるため、送信出力の大きな電力チャージ用の電波の中に微弱なレベルの信号が埋もれてしまい、このような電波干渉により、受信機側では、センサ送信機1から送信されたタイヤ空気圧のデータをうまく受信することができなくなる。
本発明は、上記問題に鑑みたもので、電力チャージ用の電波とセンサ送信機から送信されるデータの電波が同一の周波数帯であっても、上記したような電波干渉を生じることなく、受信機側で、センサ送信機から送信されたタイヤ空気圧のデータを受信できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、特許請求の範囲に記載した特徴を有する。すなわち、本発明は、受信機の制御部が、電力チャージ用の電波を所定時間送信させ、センサ送信機の制御部が、チャージされた電力により起動した時点から所定時間が経過した後のタイミングで、タイヤの空気圧のデータを送信させることを第1の特徴とする。
この第1の特徴によれば、センサ送信機の制御部が、チャージされた電力により起動した時点から所定時間が経過した後のタイミングで、タイヤの空気圧のデータを送信しているので、センサ送信機がタイヤ空気圧のデータを送信するときには、必ず電力チャージ用の電波の送信は停止している。したがって、電力チャージ用の電波とセンサ送信機から送信する電波の干渉を回避することができる。
また、本発明は、受信機の制御部が、電力チャージ用の電波を所定時間送信させた後、センサ送信機に対して応答リクエスト信号を送信させ、センサ送信機の制御部が、チャージされた電力により起動した後、受信機から送信された応答リクエスト信号を受信したか否かを判定し、応答リクエスト信号を受信したことを判定すると、タイヤの空気圧のデータを送信させることを第2の特徴とする。
この第2の特徴によれば、センサ送信機の制御部が、起動後、受信機から送信された応答リクエスト信号を受信するとタイヤ空気圧のデータを送信しているので、センサ送信機からタイヤ空気圧のデータを送信するときには、必ず電力チャージ用の電波の送信は停止している。したがって、電力チャージ用の電波とセンサ送信機から送信する電波の干渉を回避することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示している。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置のブロック構成を示す。図1に示すように、タイヤ空気圧検出装置は、車両に取り付けられるもので、センサ送信機1、車体側アンテナ21、ECU22および表示器3を備えて構成されている。なお、車体側アンテナ21およびECU22により受信機2(図4参照)を構成している。
図1に、本発明の第1実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置のブロック構成を示す。図1に示すように、タイヤ空気圧検出装置は、車両に取り付けられるもので、センサ送信機1、車体側アンテナ21、ECU22および表示器3を備えて構成されている。なお、車体側アンテナ21およびECU22により受信機2(図4参照)を構成している。
図1に示すように、センサ送信機1は、各車輪に取り付けられるもので、タイヤの空気圧を検出し、検出したタイヤ空気圧のデータを送信する。また、車体側アンテナ21およびECU22は、車体側に取り付けられるもので、センサ送信機1に電力チャージを行うとともに、センサ送信機1から送信されるデータを受信し、その受信したデータに基づいてタイヤの空気圧を求める。
図2に、車両の側面からみたセンサ送信機1と車体側アンテナ21の位置関係を示す。図に示すように、センサ送信機1は車両における各車輪に取り付けられ、車輪の回転とともに回転する。また、車体側アンテナ21は、車体側に固定して取り付けられており、センサ送信機1が角度Pの範囲にあるときにセンサ送信機1と車体側アンテナ21との間で通信が可能となる。つまり、角度Pの範囲は、車体側アンテナ21からセンサ送信機1に電力チャージを行うことが可能な電力チャージ可能エリアとなっている。
図3に、センサ送信機1のブロック構成を示す。センサ送信機1は、車体側アンテナ21から送信される電力チャージ用の電波によって電力チャージが行われ、チャージされた電力に基づいて駆動される。具体的には、センサ送信機1は、アンテナ11、送受信部12、チャージ部13、センシング部14および制御部15を備えた構成となっており、アンテナ11を通じて車体側アンテナ21から送信された電力チャージ用の電波を受け取り、その電波を電力エネルギーに変換してチャージ部13に蓄えることで作動する。なお、このトランスポンダ方式による電力チャージに関しては、バッテリレスのIDタグの認識等の分野において周知のものである。なお、このセンサ送信機1は、センシング部14によって検出されたタイヤ空気圧のデータを電力チャージ用の電波と同じ周波数帯(例えば、125KHz)の電波で送信させる。
送受信部12は、アンテナ11を通じて、電力チャージ用の電波の受信を行うとともにデータの送信を行うもので、例えばLC共振回路等によって構成されている。
チャージ部13は、受信した電力チャージ用の電波により電力チャージを行い、センシング部14および制御部15に電力供給を行う。このチャージ部13としては、例えばダイオードとコンデンサを用い、電力チャージ用の電波によりコンデンサを充電し、コンデンサの充電電圧が制御部を起動できる所定電圧(例えば、5V)になると、スイッチがオンして、コンデンサの充電電圧をセンシング部14および制御部15に供給する構成のものとすることができる。
センシング部14は、例えばダイアフラム式の圧力センサを備えた構成とされ、タイヤ空気圧に応じた検出信号を出力するようになっている。
制御部15は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えたもので、ROM内に記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行するようになっている。この制御部15は、チャージ部13からの電力供給により起動すると、センシング部14によって検出されたタイヤの空気圧のデータを送信する。具体的には、センシング部14からタイヤ空気圧に応じた検出信号を受け取り、その信号を必要に応じて信号処理したのち、送信フレーム内に格納し、送受信部12を通じて送信フレームを送信する。なお、センシング部14が温度センサも備えてタイヤ内の温度に応じた検出信号を出力する場合には、送信フレームにはタイヤの空気圧および温度の検出信号が含まれる。
上記のように構成されるセンサ送信機1は、例えば、各車輪のホイールにおけるエア注入バルブに取り付けられ、センシング部14がタイヤの内側に露出するように配置される。これにより、該当するタイヤ空気圧を検出し、各センサ送信機1に備えられたアンテナ11を通じて、応答データを送信するようになっている。
図4に、受信機2を構成する車体側アンテナ21とECU22の構成を示す。車体側アンテナ21は、タイヤの数、すなわちセンサ送信機1の数に対応した個数備えられている。各車体側アンテナ21は、車体のうち各センサ送信機1の位置と対応する場所に設置されており、例えば、各センサ送信機1から所定間隔離れた位置において車体に固定されている。この車体側アンテナ21は、電力チャージ用の電波の送信用とセンサ送信機1の送信データの受信用を兼ねた送受信共用アンテナとなっている。
ECU22は、各車体側アンテナ21に接続された送受信部22aおよび制御部22bから構成されている。制御部22bは、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えたもので、ROM内に記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行する。具体的には、制御部22bは、定期的に電力チャージ用の電波を出力してセンサ送信機1に電力チャージを行わせるようにする。また、制御部22bは、センサ送信機1から送られてきたデータを受け取り、各々のアンテナ21の搭載場所と電力チャージのタイミングから、送られてきたデータがどの車輪のものであるか特定し、さらにその受け取ったデータに基づいてタイヤ空気圧を求める。制御部22bは、求めたタイヤ空気圧が所定のしきい値を下回っていることを判定すると、タイヤ空気圧の低下したことを示す信号を表示器3に出力する。
表示器3は、ドライバが視認可能な場所に配置され、例えば車両におけるインストルメントパネル内に設置され、制御部からタイヤ空気圧の低下を示す信号が送られてくると、その旨を示す警報表示を行う。
次に、上記したタイヤ空気圧検出装置の作動について説明する。ECU22の制御部22bは、車載バッテリより車両キースイッチを介して電源が供給されると、図5に示す処理を定期的に(例えば1分に1回)実行する。
まず、入力した車速信号に基づいて車速Vsを求める(ステップ100)。車速Vsは、車両に取り付けられた図示しない車速センサからの車速信号により演算にて求められる。次に、車速Vsが所定車速以上であるか否かにより、車両が走行しているか否かを判定する(ステップ101)。車両が停止状態にあるときには、図12で説明したように、センサ送信機1に電力チャージ用の電波が受信されない可能性があるので、ステップ101の判定がNOになり、この図5に示す1回の処理が終了する。また、停車中は不要な電力チャージを行わないことで、他車両に対する受信妨害を防ぐ効果も期待できる。
また、車速Vsが所定車速以上であるときには、ステップ101の判定がYESになり、電力チャージを実行する(ステップ103)。すなわち、各送受信部22aから各車体側アンテナ21を介して各センサ送信機1側に電力チャージ用の電波を出力させる。この電力チャージ用の電波の出力は、Tmax時間行われる。このTmax時間は以下のようにして設定されている。車両の色々な要因(タイヤサイズ、サスペンション高さ、ホイール形状・・・)や外部環境要因(外気温、路面状況、天候・・・)や回路要因(最大出力強度、アンテナゲイン、センサ消費電流・・・)によって、電力チャージ開始からセンサ送信機1へ必要な電力がチャージ完了するまでの時間は一律とはならない。これらの全ての変動要因を考慮し、最悪条件でチャージに必要なチャージ時間を求め、その時間(例えば、1秒)をTmax時間として設定している。
この電力チャージの実行後、いずれかのセンサ送信機1から送信データを受信したか否かを判定する(ステップ104)。いずれのセンサ送信機1からも送信データを受信していないときは、ステップ104の判定がNOになり、次に、電力チャージを実行した後、Tmax時間が経過したか否かを判定する(ステップ105)。この判定がNOのときには、ステップ104に戻り、上記した処理を繰り返す。
この繰り返し処理中に、いずれかのセンサ送信機1から送信データを受信すると、ステップ104の判定がYESになり、受信したデータに基づいてタイヤ空気圧を検出する受信処理を行う(ステップ106)。この受信処理において、検出したタイヤ空気圧が所定のしきい値を下回っている場合には、タイヤ空気圧が低下したことを示す信号を表示器3に出力する。なお、ステップ106での受信処理は、いずれかのセンサ送信機1から送信データを受信し、ステップ104の判定がYESになる毎に行われ、全てのセンサ送信機1から送信データを受信してそれに対する受信処理が終了すると、この図5に示す1回の処理が終了する。
また、ステップ105において、Tmax時間が経過したことを判定したとき(ステップ105の判定がYESになったとき)も、この図5に示す1回の処理が終了する。
したがって、ECU22の制御部22bは、図5に示す処理を定期的に繰り返し実行することにより、車速が所定値以上であれば、電力チャージを定期的に実行し、電力チャージの実行後、センサ送信機1からの送信データを受信する処理を行う。
次に、センサ送信機1の作動について説明する。車両の走行中において、車体側アンテナ21から電力チャージ用の電波が送信されると、センサ送信機1では、それをアンテナ11を介して送受信部12が受信する。この受信した電力チャージ用の電波によりチャージ部13に電力がチャージされる。このとき、センサ送信機1では、図2に示す電力チャージ可能エリアで電力チャージ用の電波を受信するので、チャージ部13の充電電圧は、図7に示すように、階段状に増加していく。そして、チャージ部13の充電電圧がセンサ駆動開始電圧になると、チャージ部13からセンシング部14および制御部15に電圧が供給され、制御部15が起動する。
この起動によって制御部15は、図6に示す処理を実行する。まず、送信保留タイマーを起動し、その動作を開始させる(ステップ201)。次に、送信保留タイマーがTmax時間以上になったか否かを判定する(ステップ202)。送信保留タイマーがTmax時間以上になるまでは、ステップ201の処理を繰り返す。このとき、制御部15は、送信保留タイマーによりTmax時間経過したか否を判定するのみであり、低消費電力モードで動作する。そして、送信保留タイマーがTmax時間以上になると、ステップ201の判定がYESになり、データ送信の処理を行う(ステップ203)。すなわち、センシング部14によって検出されたタイヤの空気圧のデータを送受信部12から送信させる処理を行う。
このように、制御部15は、起動した後、それに応答してすぐにデータの送信を行うのではなく、Tmax時間だけ送信保留タイマーを起動して応答を一時保留し、Tmax時間が経過したときにタイヤ空気圧のデータを送信させる。
このことにより、センサ送信機1がタイヤ空気圧のデータを送信するときには、必ず電力チャージ用の電波の送信は停止しているので、電力チャージ用の電波とセンサ送信機1から送信する電波の干渉を回避することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、第1実施形態のように、センサ送信機1の制御部15が起動した後、Tmax時間だけ待ってからタイヤ空気圧のデータを送信するのではなく、図8に示すように、車体側アンテナ21から電力チャージを行った後、応答リクエスト信号(数ビットのコマンドからなる)を間隔TaでN回(図では4回)送信させ、センサ送信機1の制御部15は、起動した後、応答待機し、応答リクエスト信号の受信に応答してタイヤ空気圧のデータを送信するようにしたものである。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、第1実施形態のように、センサ送信機1の制御部15が起動した後、Tmax時間だけ待ってからタイヤ空気圧のデータを送信するのではなく、図8に示すように、車体側アンテナ21から電力チャージを行った後、応答リクエスト信号(数ビットのコマンドからなる)を間隔TaでN回(図では4回)送信させ、センサ送信機1の制御部15は、起動した後、応答待機し、応答リクエスト信号の受信に応答してタイヤ空気圧のデータを送信するようにしたものである。
なお、センサ送信機1が車体側からの信号を認識(受信)できるのは、角度Pの範囲内のみである(図2等参照)ので、応答リクエスト信号を送信する所定回数Nのうち少なくとも1回は、センサ送信機1と車体側アンテナ21の位置関係が角度Pの範囲内となる必要がある。
このため、応答リクエスト信号を送信する回数Nは、少なくともN=360°÷P(小数点以下切り上げ)とする必要がある。例えばPが90°であれば、Nは少なくとも4である。
また、応答リクエスト信号を送信する間隔Taは、車速をVs(km/h)とすると、Ta=(f(Vs)÷N)+m*f(Vs)で設定される。つまり、f(Vs)は、車速Vs時のタイヤ1回転に要する時間(タイヤサイズによる)であり、(f(Vs)÷N)は、センサ送信機1が応答リクエスト信号を受信できる受信可能範囲(角度Pの範囲)を通過するに要する時間であり、m*f(Vs)は、Taが応答リクエスト信号を送信する時間Tbより長くなるように設定された時間である。なお、mは、Tb<m*f(Vs)となるように設定される。
このようにすることで、センサ送信機1が応答リクエスト信号を受信できる受信可能範囲を通過するに要する時間分ずれたタイミングでそれぞれの応答リクエスト信号を送信させることができ、センサ送信機1は、間隔TaでN回送信される応答リクエスト信号のうちの少なくとも1つを確実に受信することができる。
以下、この第2実施形態について詳細に説明する。この第2実施形態の全体のブロック構成は、第1実施形態における図1〜図4に示すものと同じであり、ECU22における制御部22bの処理およびセンサ送信機1における制御部15の処理が第1実施形態と異なる。
図9に、この第2実施形態における制御部22bの処理を示す。この実施形態では、図5に示す処理に対し、図5のステップ105をなくし、ステップ107から112を追加したものとなっている。
すなわち、ステップ103で電力チャージを実行した後、車速Vsから上記したTaを演算する(ステップ107)。そして、送信回数nを1に設定した後、応答リクエスト信号を送信させる(ステップ109)。具体的には、数ビットの固定コードを変調して短時間で応答リクエスト信号を送信させる。この後、いずれかのセンサ送信機1から送信データを受信したか否かを判定する(ステップ104)。いずれのセンサ送信機1からも送信データを受信していないときは、ステップ104の判定がNOになり、送信回数nをインクリメントし(ステップ110)、送信回数nが応答リクエスト信号を送信する回数N以上になったか否かを判定する(ステップ111)。その判定がNOとなったときには、応答リクエスト信号を送信させてからの時間がTa時間経過するまでウェイトし、Ta時間が経過すると、ステップ109に戻って、再度、応答リクエスト信号を送信させる。このようにして、送信回数nがN以上になるまで、上記した処理を繰り返し、送信回数nがN以上になると、この図9に示す1回の処理を終了する。
また、いずれかのセンサ送信機1から送信データを受信すると、ステップ104の判定がYESになり、受信したデータに基づいてタイヤ空気圧を検出する受信処理を行う(ステップ106)。このステップ106での受信処理は、いずれかのセンサ送信機1から送信データを受信し、ステップ104の判定がYESになる毎に行われ、全てのセンサ送信機1から送信データを受信してそれに対する受信処理が終了すると、この図5に示す1回の処理が終了する。
また、センサ送信機1では、チャージ部13の充電電圧がセンサ駆動開始電圧になると、制御部15が起動し、図10に示す処理を実行する。この処理では、車体側アンテナ21から送信される応答リクエスト信号(コマンド)の受信処理を行い(ステップ202)、応答リクエスト信号を受信したことを判定する(ステップ205の判定がYESになる)と、データ送信の処理を行う(ステップ203)。
このように、この第2実施形態によれば、車体側アンテナ21から電力チャージを行った後に、応答リクエスト信号を間隔TaでN回送信させ、センサ送信機1の制御部15が、起動後、応答リクエスト信号を受信するとタイヤ空気圧のデータを送信している。したがって、センサ送信機1からタイヤ空気圧のデータを送信するときには、必ず電力チャージ用の電波の送信は停止しているので、電力チャージ用の電波とセンサ送信機1から送信する電波の干渉を回避することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記した第1、第2実施形態では、ステップ101、102により車速が所定値以上であることを判定したときに電力チャージの実行を行うものを示したが、ステップ101、102の処理をなくし、車両の走行状態とは関係なく電力チャージの実行を行うようにしてもよい。
なお、上記した第1、第2実施形態では、ステップ101、102により車速が所定値以上であることを判定したときに電力チャージの実行を行うものを示したが、ステップ101、102の処理をなくし、車両の走行状態とは関係なく電力チャージの実行を行うようにしてもよい。
また、第1実施形態では、センサ送信機1の制御部15が起動した後、Tmax時間が経過すると、直ちにタイヤ空気圧のデータを送信するものを示したが、その送信のタイミングは、Tmax時間が経過した後であれば、第1実施形態とは異なるタイミングであってもよい。また、Tmax時間は、固定時間である必要はなく、何らかの要因で変化する時間であってもよい。
また、上記した第1、第2実施形態では、車体側アンテナ21が各センサ送信機1に対応した数だけ配置されるタイヤ空気圧検出装置を例に挙げて説明したが、車体側アンテナ21を1つの共通アンテナとしたタイヤ空気圧検出装置についても本発明を適用することが可能である。
なお、上記した第1、第2実施形態において、フローチャートで示した各ステップでの処理は、それぞれの機能を実現する手段として把握されるものであり、ソフトウェアを用いて実現するもの以外に、ハードロジック構成にて実現されていてもよい。
1…センサ送信機、2…受信機、3…表示器、11…アンテナ、12…送受信部、13…チャージ部、14…センシング部、15…制御部、21…車体側アンテナ、22…ECU、22a…送受信部、22b…制御部。
Claims (6)
- タイヤが取り付けられた車輪に備えられ、電力チャージ用の電波の受信を行うとともにデータの送信を行う送受信手段(11、12)と、前記受信した電力チャージ用の電波により電力チャージを行うチャージ部(13)と、前記タイヤの空気圧を検出するセンシング部(14)と、前記チャージ部(13)にチャージされた電力により起動し、前記センシング部(14)によって検出された前記タイヤの空気圧のデータを前記電力チャージ用の電波と同じ周波数帯の電波で前記送受信手段(11、12)から送信させる制御部(15)とを備えた送信機(1)と、
車体側に備えられ、車体側アンテナ(21)と、前記車体側アンテナ(21)から前記送信機(1)に前記電力チャージ用の電波を送信するとともに前記送信機(1)から送信された前記データを前記車体側アンテナ(21)により受信する送受信部(22a)と、前記電力チャージ用の電波を前記送受信部(22a)から送信させるとともに前記送受信部(22a)が受信した前記データに基づいて前記タイヤの空気圧を求める制御部(22b)とを備えた受信機(2)と、を備え、
前記受信機(2)の制御部(22b)は、前記電力チャージ用の電波を所定時間送信させる手段(103)を有し、
前記送信機(1)の制御部(15)は、前記チャージされた電力により起動した時点から前記所定時間が経過した後のタイミングで、前記データを前記送受信手段(11、12)から送信させることを特徴とする車両用タイヤ空気圧検出装置。 - 前記送信機(1)の制御部(15)は、前記チャージされた電力により起動した時点から前記所定時間が経過したか否かを判定する手段(202)を有し、前記所定時間が経過したことが判定されると、前記データを前記送受信手段(11、12)から送信させることを特徴とする請求項1に記載の車両用タイヤ空気圧検出装置。
- タイヤが取り付けられた車輪に備えられ、電力チャージ用の電波の受信を行うとともにデータの送信を行う送受信手段(11、12)と、前記受信した電力チャージ用の電波により電力チャージを行うチャージ部(13)と、前記タイヤの空気圧を検出するセンシング部(14)と、前記チャージ部(13)にチャージされた電力により起動し、前記センシング部(14)によって検出された前記タイヤの空気圧のデータを前記電力チャージ用の電波と同じ周波数帯の電波で前記送受信手段(11、12)から送信させる制御部(15)とを備えた送信機(1)と、
車体側に備えられ、車体側アンテナ(21)と、前記車体側アンテナ(21)から前記送信機(1)に前記電力チャージ用の電波を送信するとともに前記送信機(1)から送信された前記データを前記車体側アンテナ(21)により受信する送受信部(22a)と、前記電力チャージ用の電波を前記送受信部(22a)から送信させるとともに前記送受信部(22a)が受信した前記データに基づいて前記タイヤの空気圧を求める制御部(22b)とを備えた受信機(2)と、を備え、
前記受信機(2)の制御部(22b)は、前記電力チャージ用の電波を所定時間送信させた後、前記送信機(1)に対して応答リクエスト信号を送信させる手段(107〜112)を有し、
前記送信機(1)の制御部(15)は、前記チャージされた電力により起動した後、前記受信機(2)から送信された前記応答リクエスト信号を受信したか否かを判定する手段(205)を有し、前記応答リクエスト信号を受信したことが判定されると、前記データを前記送受信手段(11、12)から送信させることを特徴とする車両用タイヤ空気圧検出装置。 - 前記応答リクエスト信号を送信させる手段(107〜112)は、前記応答リクエスト信号を所定回数送信させることを特徴とする請求項3に記載の車両用タイヤ空気圧検出装置。
- 前記応答リクエスト信号を送信させる手段(107〜112)は、前記送信機(1)が前記応答リクエスト信号を受信できる受信可能範囲を通過するに要する時間分ずれたタイミングでそれぞれの応答リクエスト信号を送信させることを特徴とする請求項4に記載の車両用タイヤ空気圧検出装置。
- 前記受信機(2)の制御部(22b)は、車速が所定値以上であるか否かを判定する手段(102)を有し、車速が所定値以上であることが判定されると、前記電力チャージ用の電波を送信させるようにすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用タイヤ空気圧検出装置。
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