JP3603567B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録材(普通紙、コート紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用シート、光沢紙、光沢フィルム、カラー画像専用紙、葉書等のカットシート、あるいは封筒等)に画像(文字等を含む)を形成し、定着させて排出する画像形成装置に関する。主として電子写真技術を用いて記録材上にカラー画像を形成し定着させて排出するプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に関し、特に、その定着技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、記録材を加熱、加圧しつつ搬送する定着器を備え、記録材の表面にトナー等の現像剤からなる未定着画像を形成した後、この記録材を一対のローラを有する定着器に通すことにより画像を記録材に定着させる画像形成装置が広く知られている。
【0003】
また、この種の画像形成装置において、定着性を向上させるべく、選択的に(必要に応じ)記録材を定着器に2回通すようにしたものが知られている(特公平5−48917号公報,特公平6−68646号公報)。
【0004】
これら2つの画像形成装置のうち、特公平6−68646号公報記載のものは、記録材の両面に画像を形成する両面モードと、記録材の片面にのみ画像を形成する片面モードとを備えており、片面モードにおいて、OHPフィルムに光沢画像を形成する場合に、OHPフィルムを定着器に2回通過させることによって光沢画像を得るようになっている。
【0005】
なお、カラー画像を形成する場合には、記録材上において重畳された複数色(例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像を溶融させて定着させる必要があり、大きな熱容量が必要となるので、このような場合には、記録材を比較的遅い速度で定着器に通すようにした定着装置も知られている(特公平6−40235号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
<課題1>
定着器を通った記録材はカールする。
【0007】
上述した特公平5−48917号公報,特公平6−68646号公報記載の従来の画像形成装置では、片面に画像が形成された記録材を定着器に2回通す際、記録材の表裏を反転させることなく通していたので、記録材のカールが累積して増大し、これが紙詰まり(記録材がその搬送経路中において詰まってしまうこと)の原因になり易いという問題があった。
【0008】
また、近ごろでは、記録材上に最終的に形成される(定着される)画像の状態をユーザーの好みに応じてマット画像(艶消し画像)としたり、グロス画像(光沢画像)としたりすることができるようにすべきであるという要請がある。
【0009】
マット画像は、トナー像を完全には溶融化させないことによって得ることができるから、比較的少ない熱量で定着させることによって得ることができる。
【0010】
グロス画像は、トナー像を完全に溶融させることによって得ることができるから、比較的多くの熱量で定着させることによって得ることができる。
【0011】
このような要請に応えようとすると、上述した従来技術ではそれぞれ次のような問題がある。
【0012】
記録材を定着器に選択的に2回通すことができるようにしたもの(特公平5−48917号公報,特公平6−68646号公報)においては、マット画像を得ようとする場合には未定着画像が形成された記録材を1回だけ定着器に通すことによってマット画像を形成し、グロス画像を得ようとする場合には記録材を2回定着器に通すことによってグロス画像を形成することができるようにも思われる。
【0013】
しかしながら、この従来の技術では、記録材上に形成される画像(マット画像あるいはグロス画像)は、同一ローラ側にだけ接触することとなるので、画質の良好なマット画像あるいはグロス画像を選択的に形成することは困難である。
【0014】
すなわち、画質の良好なマット画像を形成しようとするならば、その画像の表面は平滑化されない方が望ましいから、完全には溶融されないトナー粒子による多少の凹凸状態が画像の表面に残るようにすべく、画像面に接触するローラの表面層の硬度は比較的小さくすることが望ましい。
【0015】
一方、画質の良好なグロス画像を形成しようとするならば、その画像の表面は平滑化される方が望ましいから、完全に溶融されたトナー画像の表面が平滑化されるように、画像面に接触するローラの表面層の硬度を比較的大きくすることが望ましい。
【0016】
ところが、上述した従来の技術では、記録材上に形成される画像(マット画像あるいはグロス画像)は、同一ローラ側にだけ接触することとなるので、そのローラの表面層の硬度を比較的小さくすると、マット画像は良好に得られるけれども、画質の良好なグロス画像は得られない、逆に、ローラの表面層の硬度を比較的大きくすると、グロス画像は良好に得られるけれども、画質の良好なマット画像は得られなくなってしまうという難点がある。
【0017】
このような事情は、前述した特公平6−40235号公報記載の従来技術についても同様である。
【0018】
すなわち、上述したいずれの従来技術によっても、画質の良好なマット画像あるいはグロス画像を選択的に形成することは困難であった。
【0019】
<課題2>
また、記録材を定着器に選択的に2回通すことができるようにしたもの(特公平5−48917号公報,特公平6−68646号公報)では、同一定着条件下(同一定着圧力、同一定着温度、同一定着速度)で、記録材を1回または2回通すようにしたものであるので、実際には、マット画像あるいはグロス画像を選択的に得ることは困難である。
【0020】
例えば、1回の通過でマット画像が得られるように定着条件を設定したとすると、その定着条件下において2回通過させてもグロス画像を得ることは困難である。1回目の通過から2回目の通過に至る過程において、記録材およびトナー像からの放熱がなされるからである。2回以上通過させることによってグロス画像を得ることは可能であるかも知れないが、その場合には、かなり多くの回数を要することになるおそれがある。
【0021】
逆に、例えば2回の通過でグロス画像が得られるように定着条件を設定したとすると、その定着条件下において1回通過させた場合には、熱量が多くなり過ぎてマット画像が得られなくなるそれがある。
【0022】
これから分かるように、この従来の技術では、マット画像あるいはグロス画像を選択的に得ることは困難である。
【0023】
一方、特公平6−40235号公報記載の従来技術においては、マット画像を得ようとする場合には未定着画像が形成された記録材を比較的速い速度で定着器に通すことによってマット画像を形成し、グロス画像を得ようとする場合には比較的遅い速度で記録材を定着器に通すことによってグロス画像を形成することができるようにも思われる。
【0024】
しかしながら、この従来の技術では、記録材を1回だけ定着器に通すようにしたものであるので、マット画像を得ることは可能ではあるけれども、高品質のグロス画像を得ることは困難である。
【0025】
記録材を1回だけ低速度で定着器に通すことでグロス画像を得ようとする場合には、1度に多くの熱量が付与され、1度に多くの熱量が付与されるとトナーが定着器(例えば定着ローラ)に付着するいわゆるオフセットが生じ易くなって画像が劣化し易くなるからである。
【0026】
結果として、この従来の技術では、マット画像あるいは高品質のグロス画像を選択的に得ることは困難である。また、グロス画像を得ようとすると記録材の搬送速度すなわち画像形成速度が遅くなってしまうという問題もある。
【0027】
本発明の第1の目的は、少なくとも上記課題1を解決し、両面モードと片面モードとを備えており、片面モード時に記録材を複数回定着器に通すことができるにもかかわらず、記録材の詰まりが生じにくく、しかも良好な画質のマット画像あるいはグロス画像を選択的に得ることのできる画像形成装置を提供することにある。
【0028】
本発明の第2の目的は、上記課題1および2を同時に解決し、両面モードと片面モードとを備えており、片面モード時に記録材を複数回定着器に通すことができるにもかかわらず、記録材の詰まりが生じにくく、しかも良好な画質のマット画像あるいはグロス画像を選択的かつ容易に得ることのできる画像形成装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために請求項1記載の画像形成装置は、記録材上に未定着画像を形成する画像形成部と、この画像形成部により未定着画像が形成された記録材を、それぞれ表面層を有する第1、第2ローラで加熱、加圧しつつ搬送して未定着画像を記録材に定着させる定着器と、前記記録材の両面に画像を形成する両面モードと、前記記録材の片面にのみ画像を形成する片面モードとを備え、
前記片面モード中には、1回定着器を通過した記録材を、その表裏を反転させて再び定着器に少なくとも1回通す反転再定着サブモードが選択可能に設けられており、
前記第1ローラは1回目に定着器を通過する際の記録材上の未定着画像と接触するローラであるとともに、前記第2ローラは2回目に定着器を通過する際の記録材上の画像と接触するローラであり、かつ第2ローラの表面層の硬度が、第1ローラの表面層の硬度よりも大きいとともに、
前記両面モード時に1回定着器を通過した記録材を、その表裏を反転させて再び前記画像形成部へ返送する反転返送路を有しており、この反転返送路は、前記定着器により画像が定着され装置外へ排出される記録材を受ける受け部へ向けて当該記録材を独立して排出することのできる第1、第2の排紙経路を有しているとともに、当該反転返送路が、前記反転再定着サブモード時に、記録材を、その表裏を反転させて再び定着器に戻す経路として用いられることを特徴とする。
【0030】
請求項2記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、前記第2ローラの表面層は、離形性を有する樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0031】
また、上記第2の目的を達成するために、請求項3記載の画像形成装置は、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記第2ローラの表面温度は、前記第1ローラの表面温度よりも高温であることを特徴とする。
【0032】
さらに、上記第1または第2の目的を達成するために、
請求項4記載の画像形成装置は、請求項1,2,または3記載の画像形成装置において、前記反転再定着サブモードは、最終的に記録材が定着器を通る回数を偶数回とするモードであり、
かつ、前記定着器の第1、第2ローラのニップ部の形状が、その軸線方向から見て、前記第2ローラ側に凹形状に凹む形状に形成されることを特徴とする。
【0033】
請求項5記載の画像形成装置は、請求項1,2,3,または4記載の画像形成装置において、前記反転再定着サブモードは、前記記録材の種類または定着後に得られる画質の種類に応じて選択されることを特徴とする。
【0035】
請求項記載の画像形成装置は、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記反転返送路は、複数枚の記録材を収納可能な長さに形成されていることを特徴とする。
【0036】
【作用効果】
請求項1記載の画像形成装置によれば、画像形成部によって記録材上に未定着画像が形成され、その記録材が、定着器のそれぞれ表面層を有する第1、第2ローラによって加熱、加圧されながら搬送されることにより未定着画像が記録材に定着させられる。
【0037】
両面モードによる場合には、記録材の両面に画像が形成され、片面モードによる場合には、記録材の片面にのみ画像が形成される。
【0038】
そして、片面モードによる場合において、反転再定着サブモードが選択されたときには、1回定着器を通過した記録材は、その表裏が反転させられて再び定着器を通ることとなる。したがって、記録材のカールの累積が抑制される。
【0039】
すなわち、この請求項1記載の画像形成装置によれば、両面モードと片面モードとを備えており、片面モード時に記録材を複数回定着器に通すことができるにもかかわらず、記録材の詰まりが生じにくくなる。
【0040】
また、第1ローラは1回目に定着器を通過する際の記録材上の未定着画像と接触するローラであるとともに、第2ローラは2回目に定着器を通過する際の記録材上の画像と接触するローラであり、かつ第2ローラの表面層の硬度が、第1ローラの表面層の硬度よりも大きいので、良好な画質のマット画像あるいはグロス画像を選択的に得ることができる。
【0041】
より詳しく説明すると、この画像形成装置によれば、マット画像を得る場合には、例えば片面モード(反転再定着サブモードを除く)により、未定着画像が形成された記録材が、1回定着器に通されることによって得られることとなる。この際、記録材の未定着画像は、比較的小さな硬度の表面層を有する第1ローラと接触するので、完全には溶融されないトナー粒子による多少の凹凸状態が画像の表面に残ることとなり、結果として、良好な画質のマット画像が得られることとなる。
【0042】
グロス画像を得る場合には、反転再定着サブモードにより、未定着画像が形成された記録材が1回定着器に通されマット画像が形成された後、その表裏が反転させられて再び定着器に少なくとも1回(計2回以上)通されることによって、比較的多くの熱量が付与されマット画像がグロス画像化して、グロス画像が得られることとなる。この際、記録材上のマット画像は、比較的大きな硬度の表面層を有する第2ローラと接触するので、完全に溶融されたトナー画像の表面が平滑化されることとなり、結果として良好な画質のグロス画像が得られることとなる。
【0043】
以上のように、この請求項1記載の画像形成装置によれば、両面モードと片面モードとを備えており、片面モード時に記録材を複数回定着器に通すことができるにもかかわらず、記録材の詰まりが生じにくくなり、しかも良好な画質のマット画像あるいはのグロス画像を選択的に得ることができる。
【0044】
請求項2記載の画像形成装置によれば、請求項1記載の画像形成装置において、前記第2ローラの表面層は、離形性を有する樹脂で形成されているので、反転再定着時の第2ローラに対する記録材の巻き付きが良好に防止されることとなる。
【0045】
請求項3記載の画像形成装置によれば、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記第2ローラの表面温度は、前記第1ローラの表面温度よりも高温であるので、良好な画質のマット画像あるいは高品質のグロス画像を選択的に容易に得ることができる。
【0046】
詳しく説明すると、この画像形成装置によれば、マット画像を得る場合には、例えば片面モード(反転再定着サブモードを除く)により、未定着画像が形成された記録材が、1回定着器に通されることによって得られることとなる。この際、記録材の未定着画像は、比較的低温である第1ローラと接触するので、良好な画質のマット画像が容易に得られる。
【0047】
グロス画像を得る場合には、反転再定着サブモードにより、未定着画像が形成された記録材が1回定着器に通されマット画像が形成された後、その表裏が反転させられて再び定着器に少なくとも1回(計2回以上)通されることによって、比較的多くの熱量が付与されマット画像がグロス画像化して、グロス画像が得られることとなる。この際、記録材上のマット画像は、比較的高温である第2ローラと接触するので、良好な画質のグロス画像が容易に得られる。
【0048】
ここで、記録材が2回目以降定着器を通過する際には、すでに記録材は1回定着器を通過しており、この1回目の定着によるマット画像が得られる程度のトナー等の現像剤の溶融によって現像剤間の凝集力および現像剤と記録材との結着力が未定着画像の場合のそれに比べて大きく増大しているので、比較的高温の第2ローラによって結果として多くの熱量が付与されたとしても、前述したオフセットは極めて生じ難くなる。
【0049】
したがって、この画像形成装置によれば、グロス画像を得る場合、特にカラー画像を得る場合には、第2ローラでより多くの熱量を付与することによって、発色性、透明性、光沢性が良好な高品質のグロス画像を得ることができる。
【0050】
したがって、また、より少ない定着回数で高品質のグロス画像を容易に得ることができる。
【0051】
以上のように、この請求項3記載の画像形成装置によれば、両面モードと片面モードとを備えており、片面モード時に記録材を複数回定着器に通すことができるにもかかわらず、記録材の詰まりが生じにくくなり、しかも良好な画質のマット画像あるいは高品質のグロス画像を選択的に容易に得ることができる。
【0052】
しかも、特公平6−40235号公報記載の従来技術とは異なり、記録材を定着器に通す速度を遅くする必要がないので、比較的速い速度で高品質のグロス画像を得ることができる。
【0053】
請求項4記載の画像形成装置によれば、請求項1,2,または3記載の画像形成装置において、前記反転再定着サブモードは、最終的に記録材が定着器を通る回数を偶数回とするモードであり、かつ、前記定着器の第1、第2ローラのニップ部の形状が、その軸線方向から見て、前記第2ローラ側に凹形状に凹む形状に形成されるので、記録材は、これが最後に定着器を通過する際には、その画像形成面と接触する第2ローラの表面から離間する方向に指向されるようにして送り出されることとなる。
【0054】
したがって、第2ローラに対する記録材の巻付きが一層良好に防止され、結果としてより円滑な記録材の搬送状態が得られることとなる。
【0055】
請求項5記載の画像形成装置によれば、請求項1,2,3,または4記載の画像形成装置において、前記反転再定着サブモードは、前記記録材または定着後に得られる画質の種類に応じて選択されるので、片面モードにより記録材の片面にのみ画像を形成する場合において、種々の記録材に対応させて種々の画質の画像を得ることができる。
【0056】
また、請求項記載の画像形成装置は、前記両面モード時に1回定着器を通過した記録材を、その表裏を反転させて再び前記画像形成部へ返送する反転返送路を有しており、この反転返送路が、前記反転再定着サブモード時に、記録材を、その表裏を反転させて再び定着器に戻す経路として用いられる構成となっているので、経路構造の簡素化および、装置の小型化を図ることができる。
【0057】
請求項記載の画像形成装置によれば、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記反転返送路は、複数枚の記録材を収納可能な長さに形成されているので、両面モードの場合に、中間トレイを要することなく、記録材の両面に効率よく画像を形成することができるとともに、反転再定着サブモード時における記録材の詰まりを一層良好に防止することができる。また、中間トレイを必要としない分だけ装置の小型化も図ることができる。
【0058】
より詳しく説明すると、前述した特公平6−68646号公報記載のものは、記録材の両面に画像を形成する両面モード時には、片面に画像が形成された複数枚の記録材を一旦中間トレイに貯溜しておき、この中間トレイから再び記録材を画像形成部に給送し画像を他面にも形成することによって、効率よく両面に画像を形成することができるようになっていた。しかしながら、記録材の片面にのみ画像を形成する片面モードにおいて、OHPフィルムに光沢画像を形成する場合にも、この中間トレイに複数枚のOHPフィルムを一旦貯溜して、この中間トレイから再び定着器に向けてOHPフィルムを給送するようになっていたので、中間トレイに複数枚のOHPフィルムが積層貯溜される際にOHPフィルム同士が張り付き易く、したがって、給送不良(紙詰まり)あるいは重層が生じ易いという難点があった。また、給紙トレイを配置する分だけのスペースが必要であるため、装置が大型化するという問題もあった。
【0059】
これに対し、この請求項記載の画像形成装置によれば、請求項6記載の画像形成装置において、前記反転返送路は、複数枚の記録材を収納可能な長さに形成されているので、両面モードの場合に、中間トレイを要することなく、記録材の両面に効率よく画像を形成することができる。また、中間トレイを必要としないので、上記不具合が生じず、したがって、反転再定着サブモード時における記録材の詰まりを一層良好に防止することができる。さらに、中間トレイを必要としない分だけ装置の小型化も図ることができる。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0061】
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す内部構造図である。
【0062】
この実施の形態の画像形成装置は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナーによる現像器を用いてフルカラー画像を形成することのできるレーザープリンタである。
【0063】
図1において、50は装置本体のケースであり、このケース50内に、3つの給紙装置70(70A,70B,70C)、露光ユニット60、感光体ユニット100、現像ユニット200、中間転写ユニット300、定着器をなす定着ユニット400、およびこの装置全体の制御を行なう制御ユニット80、等が設けられている。また、ケース50の上面には、画像形成後に最終的に排出される記録材を受ける受け部51が形成されている。
【0064】
この画像形成装置における用紙供給部は上記給紙装置70(A,B,C)で構成されているとともに、画像形成部は上記露光ユニット60、感光体ユニット100、現像ユニット200、および中間転写ユニット300で構成されており、ケース50内には、用紙供給部から画像形成部および定着ユニット400を経て受け部51に至る用紙搬送経路90が形成されている。
【0065】
給紙装置70(A,B,C)は、複数枚の記録材Sが積層状態で収納されるカセット71と、このカセット71に収納された記録材Sのうち最上位の記録材と接触してこれを給送するピックアップローラ72と、このピックアップローラ72により給送される記録材を確実に1枚ずつに分離する分離ローラ対74とを有している。
【0066】
給紙装置70により給送された記録材は、記録材搬送経路90の後述する供給経路91の搬送ローラ対91aによってゲートローラ対91bに向けて搬送され、このゲートローラ対91bにより所定のタイミングで画像形成部の後述する第2転写部すなわち中間転写ベルト360と二次転写ローラ380との間に供給される。
【0067】
記録材搬送経路90は、3つの給紙装置70(A,B,C)のうちのいずれかから画像形成部に向けて記録材を供給する供給経路91と、画像形成部にて画像が形成された記録材を定着ユニット400に向けて搬送する可動経路92と、定着ユニット400にて画像が定着された記録材を、必要に応じてその表裏を反転させ、あるいは受け部51に向けて排出するための排紙経路93と、後述する両面モード時、および反転再定着サブモード時のための返送経路94とを有している。すなわち、この実施の形態において、反転返送路は、後の説明で明らかになるように、上記排紙経路93と返送経路94とで構成されている。
【0068】
供給経路91には、記録材を搬送する搬送ローラ対91a、および画像形成部への記録材の搬送タイミングを規定するゲートローラ対91bが配置されている。
【0069】
可動経路92には、記録材の下面と接触して記録材を案内するとともに記録材に搬送力を付与する搬送ベルト92aが配置されている。この搬送ベルト92aは、搬送されるべき記録材の搬送方向長さ(図1において左右方向の長さ)が、中間転写ユニット300の後述するバックアップローラ350と二次転写ローラ380とのニップ部と、定着ユニット400の後述する第1ローラ410と第2ローラ420とのニップ部との距離よりも長い場合には、実線で示すように略水平位置にあって当該記録材(例えばB5サイズ以上の普通紙等)を湾曲させた状態で搬送する湾曲経路92bを形成し、短い場合には、仮想線で示すように、上記第1ローラ410と第2ローラ420とのニップ部に向かう傾斜位置にあって、当該記録材(例えば横置き状態の封筒等)を上記第1ローラ410と第2ローラ420とのニップ部に向けて直線的に搬送する直線経路92cを形成する。
【0070】
排紙経路93は、第1、第2の排紙経路93a,93bを有しており、これら第1、第2の排紙経路93a,93bの入り口(図において下端)には、1本の駆動ローラ95aと、この駆動ローラ95aに対し第1の経路93a側において圧接された第1の従動ローラ95cと、駆動ローラ95aに対し第2の経路93b側において圧接された第2の従動ローラ95bとからなる第1搬送ローラ部95が配置されている。その上方には、同じく1本の駆動ローラ96aと、これの両側に圧接されて従動する2本の従動ローラ96b,96cとからなる第2搬送ローラ部96が配置され、さらにその上方には同じく1本の駆動ローラ97aと、これの両側に圧接されて従動する2本の従動ローラ97b,97cとからなる第3搬送ローラ部97が配置されている。そしてさらに、第1、第2の排紙経路93a,93bの出口(図において上端)には、1本の駆動ローラ98aと、これの両側に圧接されて従動する2本の従動ローラ98b,98cとからなる排紙ローラ部98が配置されている。
【0071】
これら各ローラ部95〜97の間には、第1の排紙経路93aと第2の排紙経路93bとを完全に分離して独立した排紙経路とするためのガイド手段としての中央ガイド99,99,99が配置されている。
【0072】
第1搬送ローラ部95は、常に逆転方向(図1矢印方向)に回転駆動される構成となっているが、第2、第3搬送ローラ部96,97、および排紙ローラ部98は、それぞれ、正転、逆転が可能に構成されている。なお、第2、第3搬送ローラ部96,97、および排紙ローラ部98の従動ローラ96b,96c,97b,97c,98b,98cは、例えば駆動ローラに対する離間機構を備えており、その駆動ローラに対する従動が解除可能に構成されている。
【0073】
第1搬送ローラ部95と第2搬送ローラ部96との間には、切換装置500が配置されている。
【0074】
切換装置500は、図2にも示すように、第1切換ガイド510と、第2切換ガイド520とを備えている。なお、第1切換ガイド510は、第1の排紙経路93aと第2の排紙経路93bとを完全に分離して独立した排紙経路とするためのガイド手段としての役割も果たす。
【0075】
第1切換ガイド510は、画像が形成され定着された後の記録材を上記第1、第2の排紙経路93a,93bのうちいずれか一方に導くための切換手段をなすとともに、第1の排紙経路93aに一旦搬入された記録材を返送経路93に導くためのものであり、第1の排紙経路93aと第2の排紙経路93bとの間に配置された軸511に固定されている。軸511の一端にはアーム512が固定されており、このアーム512の先端には、ソレノイド513のピン514が連結されている。したがって、ピン514が上動した位置にあるとき、第1切換ガイド510は図1および図2に実線で示すようにその先端510aが第1の従動ローラ95c側に指向する位置にあり、ピン514が下動すると、第1切換ガイド510は図1に仮想線で示すように反時計方向に回動して、その先端510aが第2の従動ローラ95b側に指向する位置に切り替わるようになっている。
【0076】
第2切換ガイド520は、第2の排紙経路93bに一旦搬入された記録材を返送経路94に導くためのもので、第2の排紙経路93bの一面をガイドする案内板93b1の外側に配置された軸521に固定されている。軸521の一端にはアーム522が固定されており、このアーム522の先端に、ソレノイド523のピン524が連結されている。したがって、ピン524が上動した位置にあるとき、第2切換ガイド520は図1および図2に実線で示す第2の排紙経路93bから退避した位置にあり、ピン524が下動すると、時計方向に回動してその先端部分が第2の排紙経路93b中に入り込むようになっている。
【0077】
案内板93b1には、第2切換ガイド520に対向した切欠93b2が設けられており、第2切換ガイド520が時計方向に回動した際には、その先端部分520aが、この切欠93b2に入り込んで、駆動ローラ95aと従動ローラ95cとのニップ部95n1に向かう(図1の仮想線参照)。
【0078】
なお、第1切換ガイド510が反時計方向に回動した際には、その先端510aが切欠93b2に入り込むようになっている(図1の仮想線参照)。
【0079】
第1、第2の排紙経路93a,93bの入り口には、これら経路に導かれた記録材の後端が当該排紙経路の入り口を通過したことを検出する入り口検出手段81が配置されている。この検出手段81は、フォトセンサで構成されており、その対向部に記録材があるときONし、無いときにはOFFとなる。
【0080】
また、第1、第2の排紙経路93a,93bの適所には、記録材が当該排紙経路において詰まったことを検出する詰まり検出手段をなす複数個のフォトセンサ82a,83a,82b,83bが配置されている。なお、この実施の形態では、上記入り口検出手段を構成するフォトセンサ81も、詰まり検出手段の一部を構成している。
【0081】
これらのフォトセンサ81、および82a,83a,82b,83bは制御手段をなす制御ユニット80に接続されている。
【0082】
制御ユニット80は、この装置全体の制御を行なうものである。制御ユニット80は、記録材の両面に画像が形成されるように装置を作動させる両面モードと、記録材の片面にのみ画像が形成されるように装置を作動させる片面モードとを有している。片面モード中には、1回定着ユニット400を通過した記録材を、その表裏を反転させて再び定着ユニット400に少なくとも1回通し、最終的に記録材が定着ユニット400を通る回数を偶数回とする反転再定着サブモードが選択可能に設けられている。
【0083】
制御ユニット80には、両面モード/片面モードを選択するためのモード選択スイッチ84と、記録材の種類を選択するための用紙選択スイッチ85と、定着後に得られる画質の種類を選択するための画質選択スイッチ86とが接続されている。これら選択スイッチ84,85,86は、ケース50に設けられた図示しない操作パネルに設けられている。また、制御ユニット80には、図示しないホストコンピュータ(例えばパソコン)が接続される。
【0084】
モード選択スイッチ84はユーザーによって操作され、記録材の両面に画像を形成する場合には例えば「両面」が選択され、片面にのみ画像を形成する場合には例えば「片面」が選択される。
【0085】
用紙選択スイッチ85もユーザーによって操作され、これから画像を形成すべき記録材が、例えば、普通紙である場合には「普通紙」が選択され、OHP用シートである場合には「OHP」が選択される。
【0086】
画質選択スイッチ86もユーザーによって操作され、最終的に得たい画像がマット画像(艶消し画像)である場合には「マット」が選択され、グロス画像(光沢画像)である場合には「グロス」が選択される。
【0087】
また、制御ユニット80にはホストコンピュータが接続されるので、そのホストコンピュータ上のソフトウエアが両面/片面、記録材の種類、画質の種類を選択し得る機能を有していれば、これによって上記選択を行なうことも可能である。
【0088】
制御ユニット80は、上記各スイッチの選択状態に応じて次のいずれかのモードで装置を作動させる。
【0089】
<両面モード>
モード選択スイッチ84によって「両面」が選択された場合には、用紙選択スイッチ85および画質選択スイッチ86の状態にかかわらず、後述するように両面モードで装置を作動させる。
【0090】
<通常の片面モード>
このモードは、反転再定着サブモードではない片面モードであり、モード選択スイッチ84で「片面」が選択され、画質選択スイッチ86で「マット」が選択された場合には、用紙選択スイッチ85の状態にかかわらず、制御ユニット80は、後述するように通常の片面モードで装置を作動させる。
【0091】
<反転再定着サブモード>
モード選択スイッチ84で「片面」が選択され、画質選択スイッチ86で「グロス」が選択された場合には、制御ユニット80は、後述するように反転再定着モードで装置を作動させる。
【0092】
この際、用紙選択スイッチ85の状態に応じて、反転再定着させる回数を適宜設定することができる。
【0093】
なお、上記各モードに応じて、制御ユニット80は、入り口検出手段81による記録材後端の通過が検出されているときに、前記ソレノイド513,523を作動させて後述するように第1切換ガイド510、第2切換ガイド520を切り換える制御を行なうとともに、上記第2、第3搬送ローラ部96,97および排紙ローラ部98の正逆転の回転駆動の制御等を行なうようになっている。また、詰まり検出手段による記録材詰まりが検出され、かつ入り口検出手段81による記録材後端の通過が検出されているときには、前記ソレノイド513を作動させて第1切換ガイド510を他方の排紙経路側に切り換えることができるようになっている。なお、この実施の形態における制御ユニット80は、少なくとも、単色でA4サイズ(またはLetterサイズ)16ページ相当分の画像データを記憶することのできる記憶手段を有している。
【0094】
返送経路94は、第1の排紙経路93aまたは第2排紙経路93bと、前記供給経路91とを結ぶものであり、記録材を搬送する搬送ローラ対94aが配置されている。第1または第2の排紙経路からこの返送経路94に搬出された記録材は、搬送ローラ対94aで返送され、供給経路91を経て再び画像形成部および定着ユニット400に供給される。
【0095】
感光体ユニット100は、感光体110と、この感光体110の外周面に当接して外周面を一様に帯電させる帯電手段としての帯電ローラ120と、クリーニング手段130とを有している。
【0096】
現像ユニット200は、現像手段として、イエロー用の現像器210Y、シアン用の現像器210C、マゼンタ用の現像器210M、ブラック用の現像器210Kを備えている。これら各現像器210Y,210C,210M,210Kは、それぞれ内部にイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナーを内蔵している。また、それぞれ現像ローラ211Y,211C,211M,211Kを備えており、いずれか1つの現像器の現像ローラのみが感光体110に当接し得るようになっている。
【0097】
中間転写ユニット300は、駆動ローラ310と、一次転写ローラ320と、皺取りローラ330と、テンションローラ340と、バックアップローラ350と、これら各ローラの回りに張られた無端状の中間転写ベルト360と、この中間転写ベルト360に対して、カム371の作動で接離可能なクリーニング手段370とを有している。
【0098】
バックアップローラ350には、二次転写ローラ380が対向配置されている。この二次転写ローラ380は、支軸381で揺動可能に支持されたアーム382に回転可能に支持されており、アーム382が、カム383の作動で揺動することによって、中間転写ベルト360に対して接離するようになっている。
【0099】
駆動ローラ310は、その端部に図示しない歯車が固定されており、この歯車が、感光体ユニット100の端部に設けられた図示しない歯車と噛み合っていることによって、感光体110と略同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト360が感光体110と略同一の周速で循環駆動されるようになっている。
【0100】
なお、この実施の形態における中間転写ベルト360のの周長は、縦置き状態のA3サイズ(またはLedgerサイズ)の記録材長さよりも長く形成されている。したがって、中間転写ベルト360の1周でA3サイズ(またはLedgerサイズ)の記録材上に画像を形成することが可能である。したがって、また、A4サイズ(またはLetterサイズ)の記録材に関しては、中間転写ベルト360の1周で2枚の記録材上に画像を形成することが可能である。
【0101】
中間転写ベルト360が循環駆動される過程で、一次転写ローラ320と感光体110との間において、感光体110上のトナー像が中間転写ベルト360上に転写され、中間転写ベルト360上に転写されたトナー像は、二次転写ローラ380との間に供給される記録材Sに転写される。
【0102】
トナー像が転写された記録材Sは、可変経路92を経て定着ユニット400に移送され、記録材Sにトナー像が定着される。
【0103】
定着ユニット400は、それぞれ熱源を有する第1ローラ410と、これに圧接されている第2ローラ420とを有している。未定着トナー像が形成された記録材Sは、これら第1、第2ローラ410,420で加熱、加圧されつつ搬送される。なお、430は定着ユニット400のフレームである
図7にその詳細を示すように、第1ローラ410は、パイプ状の熱伝導性に優れた芯材410aと、この芯材410aの表面に設けられた弾性層410bと、この弾性層410bの表面に形成された、記録材およびトナーに対する剥離性に優れた表面層410cとを備え、芯材410aの内部に熱源であるハロゲンランプ411が配置されている。表面層410cは、第2ローラ420の後述する表面層420cに比べて小さな硬度の材質(例えばシリコーンゴム)で形成されている。なお、410dは第1ローラ410をフレーム430に回転可能に支持している軸受部材である。第1ローラ410の周面には、剥離爪412、クリーナローラ413、オイルローラ414、サーミスタ415が配置されている。
【0104】
第1ローラ410は、図示しない駆動手段によって矢印方向に回転駆動される。剥離爪412は、軸412bで揺動可能に支持され、その先端412aが第1ローラ410の周面に摺接するようにバネ412cで付勢されており、記録材Sの第1ローラ410への巻付きを防止する。クリーナローラ413は、第1ローラ410に圧接されて従動回転し、第1ローラ410の周面に付着したトナー等を除去する。オイルローラ414は、第1ローラ410に圧接されて従動回転し、第1ローラ410の周面に、シリコーンオイル等の離形剤を塗布する。サーミスタ415は、第1ローラ410の表面温度を検出する。
【0105】
第2ローラ420は、パイプ状の熱伝導性に優れた芯材420aと、この芯材420aの表面に設けられた弾性層420bと、この弾性層420bの表面に形成された、記録材およびトナーに対する剥離性に優れた表面層420cとを備え、芯材420aの内部に熱源であるハロゲンランプ421が配置されている。表面層420cは、第1ローラ410の表面層410cに比べて大きな硬度の材質(例えばPFA,PTFE等のフッ素樹脂)で形成されている。この第2ローラ420の各部の構成は、第2ローラ420の表面温度が第1ローラ410の表面温度よりも高温とな得るように構成されている。なお、420dは第2ローラ420をフレーム430に回転可能に支持している軸受部材である。第2ローラ420の周面には、剥離爪422、サーミスタ423、オイルローラ424が配置されている。
【0106】
第2ローラ420は、図示しない付勢手段で第1ローラ410に圧接されて従動回転する。剥離爪422は、軸422bで揺動可能に支持され、その先端422aが第2ローラ420の周面に摺接するようにバネ422cで付勢されており、記録材Sの第2ローラ420への巻付きを防止する。サーミスタ423は、第2ローラ420の表面温度を検出する。オイルローラ424は、第2ローラ420に圧接されて従動回転し、第2ローラ420の周面に、シリコーンオイル等の離形剤を塗布する。
【0107】
なお、上記各ローラはフレーム430に回転可能に支持されている。
【0108】
第1、第2ローラ410,420の表面温度は、それぞれのサーミスタ415,423で検出され、制御ユニット80は、その検出結果に基づき、両ローラの表面温度が適正温度に保たれ、かつ、常に第1ローラ410の表面温度よりも第2ローラ420の表面温度の方が所定温度(例えば10度程度)だけ高温となるように、上記ハロゲンランプ411,421を制御する。
【0109】
第1ローラ410と第2ローラ420とが圧接されているそのニップ部Nの形状は、その軸線方向から見て、前記反転再定着サブモードにおいて後述するようにして定着ユニット400を最後に通過する際の記録材Sにおける画像形成面(この場合下面)と接触する第2ローラ420側に凹形状に凹む形状に形成される。別言すれば、第2ローラ420のローラ全体としての硬度を第1ローラ410のローラ全体としての硬度に比べて小さくしてある。したがって、第2ローラ420の表面層420cの硬度が第1ローラ410の表面層410cの硬度より大きくても、ニップ部Nは、これを全体としてみれば、上記のように、第2ローラ420側に凹形状に凹む形状に形成されることとなる。
【0110】
フレーム430には、記録材Sを第1ローラ410と第2ローラ420とのニップ部Nに導く、前ガイド431と、ニップ部Nを通過した記録材Sを案内する上ガイド432および下ガイド433とが設けられている。上ガイド432にはガイドローラ440が設けられており、その後段には、排出ローラ対441,442が設けられている。ローラ441が図示しない駆動手段によって駆動され、ローラ442はローラ441に圧接されて従動回転する。
【0111】
トナー像が転写された記録材Sは、先ず第1ローラ410と第2ローラ420とのニップ部Nに供給され、このニップ部Nで加熱、加圧されつつ搬送され、その過程において記録材上の未定着トナー像が記録材S上に定着される。その後、記録材Sは、剥離爪412または422によって第1ローラ410または第2ローラ420から確実に剥離され、排紙経路93に向けて移送される。
【0112】
以下、この実施の形態の画像形成装置全体の作動について説明するが、この実施の形態の画像形成装置は、前述した3つのモードを有しているので、各モード毎に説明する。
【0113】
<両面モードの場合>
ここでは、一例として、3枚の記録材の表裏にそれぞれ異なる画像が形成される場合について説明する。
【0114】
(i)図示しないホストコンピュータ(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が制御ユニット80に入力されると、感光体110、現像ユニット200の現像ローラ等、中間転写ベルト360、定着ユニットの第1ローラ410、第2ローラ420等が回転駆動される。
【0115】
(ii)感光体110の外周面が帯電ローラ120によって一様に帯電される。
【0116】
(iii)一様に帯電した感光体110の外周面に、露光ユニット60によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光Lがなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0117】
(iv)感光体110には、第1色目(例えばイエロー)用の現像器210Yの現像ローラ211Yのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目(例えばイエロー)のトナー像が感光体110上に形成される。
【0118】
(v)感光体110上に形成されたトナー像が、一次転写部すなわち、感光体110と一次転写ローラ320との間において中間転写ベルト360上に転写される。このとき、クリーニング手段370および二次転写ローラ380は、中間転写ベルト360から離間している。
【0119】
(vi)感光体110上に残留しているトナーがクリーニング手段130によって除去された後、図示しない除電手段からの除電光によって感光体110が除電される。
【0120】
(vii)上記(ii)〜(vi)の動作が必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号の内容に応じて、第2色目、第3色目、第4色目、と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト360上において重ね合わされて中間転写ベルト360上に形成される。
【0121】
(viii)所定のタイミングで給紙装置70(70A,70B,70Cのいずれか)から第1枚目の記録材S1が供給経路91およびゲートローラ対91bを経て供給され、記録材S1の先端が第2転写部に達する直前にあるいは達した後に(要するに記録材S1上の所望の位置に、中間転写ベルト360上のトナー像が転写されるタイミングで)二次転写ローラ380が中間転写ベルト360に押圧され、中間転写ベルト360上のトナー像(基本的にはフルカラー画像)が記録材S上に転写される。また、クリーニング手段370が中間転写ベルト360に当接し、二次転写後に中間転写ベルト360上に残留したトナーが除去される。
【0122】
トナー像が転写された記録材S1は、可変経路92を経て定着ユニット400を通過することによってその片面にトナー像が定着される。
【0123】
(ix)引き続き所定のタイミングで給紙装置70から第2枚目の記録材S2が供給経路91およびゲートローラ対91bを経て供給され、中間転写ベルト360上のトナー像が第2枚目の記録材S2上に転写される。
【0124】
この際、第1切換ガイド510は図3に示すように反時計方向に回動しており、その先端510aが第2の従動ローラ95b側に指向する位置にある。
【0125】
したがって、第1枚目の記録材S1は、第1の排紙経路93aに導かれる。
【0126】
図3は、第1枚目の記録材S1の後端S1bが丁度入り口検出手段81を通過した状態を示している。なお、記録材が長い場合には、その先端は図3に仮想線S1’aで示すように排紙ローラ部98から受け部51上にはみ出す。
【0127】
また、このとき、第2枚目の記録材S2の先端S2aは、未だ第1搬送ローラ部95には達していない。
【0128】
(x)第1枚目の記録材S1の後端S1bの通過が入り口検出手段81によって検出されると、第1切換ガイド510が図3の仮想線および図4の実線で示すように第1の従動ローラ95c側に切り換えられるとともに、図4に示すように第2、第3搬送ローラ部96,97、および排紙ローラ部98が逆転する。
【0129】
したがって、第1枚目の記録材S1は第1、第2、第3搬送ローラ部95,96,97、および排紙ローラ部98(記録材が長い場合のみ。以下同じ)の駆動ローラ95a,96a,97a,98aと第1排紙経路93a側の従動ローラ95c,96c,97c,98cとで返送経路94へ向けて搬出されるとともに、第2枚目の記録材S2は第1、第2、第3搬送ローラ部95,96,97、および排紙ローラ部98の駆動ローラ95a,96a,97a,98aと第2排紙経路93b側の従動ローラ95b,96b,97b,98bとで第2の排紙経路93b内に搬入されることとなる。
【0130】
また、このときすでに、第3枚目の記録材S3が所定のタイミングで給紙装置70から給送されており、その先端S3aはゲートローラ対91bを通過している。
【0131】
(xi)第2枚目の記録材S2の後端S2bの通過が入り口検出手段81によって検出されると、第2切換ガイド520が図4の仮想線で示すように第1の従動ローラ95c側に切り換えられるとともに、第2、第3搬送ローラ部96,97、および排紙ローラ部98が正転(図4の矢印方向と逆方向に回転)する。
【0132】
したがって、第2枚目の記録材S2は第1、第2、第3搬送ローラ部95,96,97、および排紙ローラ部98の駆動ローラ95a,96a,97a,98aと第2排紙経路93b側の従動ローラ95b,96b,97b,98bとで返送経路94へ向けて搬出されることとなる。
【0133】
なお、この間、第2切換ガイド520は図4の仮想線で示すように第1の従動ローラ95c側に切り換えられているため、第3枚目の記録材S3は第2の排紙経路93bへは搬入され得ず、したがって、第3枚目の記録材S3の給紙タイミングは遅らせてある。すなわち、第1枚目の記録材S1の給紙開始時点と第2枚目の記録材S2の給紙開始時点との間隔に比べて、第2枚目の記録材S2の給紙開始時点と第3枚目の記録材S3の給紙開始時点との間隔の方が大きく設定されている。
【0134】
(xii)図5に示すように、第2枚目の記録材S2の先端S2a(進行方向後端)の返送方向への通過が入り口検出手段81によって検出されると、第2切換ガイド520が図5の実線で示すように第2の排紙経路93bから退避するとともに、第1切換ガイド510が仮想線で示すように反時計方向に回動し、第2の従動ローラ95b側に切り替わる。また、第2、第3搬送ローラ部96,97、および排紙ローラ部98が正転(図5の矢印方向に回転)する。
【0135】
このとき、第3枚目の記録材S3は、その片面に画像が転写されている状態にあり、第1枚目の記録材S1は、その後端S1b(進行方向先端)がゲートローラ対91bの直前位置にある。
【0136】
(xiii)その後さらに各ローラが回転し続けることにより、図6に示すように、第3枚目の記録材S3が第1の排紙経路93aに搬入される。
【0137】
このとき第1枚目の記録材S1は、その他面に画像が転写されている状態にあり、第2枚目の記録材S2は、その後端(進行方向先端)S2bがゲートローラ対91bを通過している。
【0138】
(xiV)第3枚目の記録材S3の後端S3bの通過が入り口検出手段81によって検出されると、第1切換ガイド510が図6の仮想線で示すように第1の従動ローラ95c側に切り換えられるとともに、第2、第3搬送ローラ部96,97、および排紙ローラ部98が逆転(図6の矢印方向と逆方向に回転)する。
【0139】
したがって、第3枚目の記録材S3は第1、第2、第3搬送ローラ部95,96,97、および排紙ローラ部98の駆動ローラ95a,96a,97a,98aと第1排紙経路93a側の従動ローラ95c,96c,97c,98cとで返送経路94へ向けて搬出されるとともに、第1枚目の記録材S1は第1切換ガイド510で第2の排紙経路93bに導かれ、第1、第2、第3搬送ローラ部95,96,97、および排紙ローラ部98の駆動ローラ95a,96a,97a,98aと第2排紙経路93b側の従動ローラ95b,96b,97b,98bとで第2の排紙経路93b中を搬送され、ケース50の受け部51上に排出される。
【0140】
引き続き、第2枚目の記録材S2、および第3枚目の記録材S3が排紙経路93b中を搬送され、ケース50の受け部51上に排出されることとなるが、その過程において、所定のタイミングで第4枚目の記録材が給紙装置70から給送され、上記の動作が必要に応じて繰り返される。
【0141】
<通常の片面モード>
前述した(i)〜(vii)の作動は、両面モードの場合と同様であるので、(viii)以降の作動について説明する。
【0142】
(viii)所定のタイミングで給紙装置70(70A,70B,70Cのいずれか)から記録材Sが供給経路91およびゲートローラ対91bを経て供給され、記録材Sの先端が第2転写部に達する直前にあるいは達した後に(要するに記録材S上の所望の位置に、中間転写ベルト360上のトナー像が転写されるタイミングで)二次転写ローラ380が中間転写ベルト360に押圧され、中間転写ベルト360上のトナー像(基本的にはフルカラー画像)が記録材S上に転写される。また、クリーニング手段370が中間転写ベルト360に当接し、二次転写後に中間転写ベルト360上に残留したトナーが除去される。
【0143】
(ix)トナー像が転写された記録材Sが可変経路92を経て定着ユニット400を通過することによって記録材S上にトナー像が定着され、その後排紙経路93を経て記録材Sがケース50の受け部51上に排出される。
【0144】
この際、第1切換ガイド510は図1および図2に実線で示す位置にあり、記録材Sは第2の排紙経路93bを経て排出される。
【0145】
上記(vii)および(viii)の動作は必要に応じて連続的に行なわれ、したがって、画像形成後の記録材は連続して排出される。
【0146】
この片面モードにより得られる画像はマット画像である。この際、記録材Sの未定着画像は、比較的硬度の小さな表面層410cを有し、かつ比較的低温である第1ローラ410と接触するので、容易に良好な画質のマット画像が得られる。
【0147】
<反転再定着サブモード>
この場合の基本的作動は、両面モードの場合と同様であり、異なるのは、1回定着ユニット400を通った記録材が排紙経路93でその表裏が反転され、返送経路94を経て再び定着ユニット400に向かう際に、その他面に未定着トナー像を転写しないようにした点にあり、その他の点に変わりがないが、念のために、以下に簡単に説明する。
【0148】
(i)〜(vii)の作動は前述した通りであるので、(viii)以降の作動について、一例として、3枚の記録材の片面にのみ画像が形成され、定着ユニット400に1枚の記録材が合計2回通される場合について説明する。
【0149】
(viii)所定のタイミングで給紙装置70から第1枚目の記録材S1が供給経路91およびゲートローラ対91bを経て供給され、記録材S1の先端が第2転写部に達する直前にあるいは達した後に二次転写ローラ380が中間転写ベルト360に押圧され、中間転写ベルト360上のトナー像(基本的にはフルカラー画像)が記録材S1の片面に転写される。
【0150】
トナー像が転写された記録材S1は、可変経路92を経て定着ユニット400を通過することによってその片面にトナー像が1回定着される。1回定着されることによって得られる画像は上述したようにマット画像である。
【0151】
(ix)引き続き所定のタイミングで給紙装置70から第2枚目の記録材S2が供給経路91およびゲートローラ対91bを経て供給され、中間転写ベルト360上のトナー像が第2枚目の記録材S2の片面に転写され、定着ユニット400で1回目の定着がなされつつ搬送される。
【0152】
この際、第1切換ガイド510は図3に示すように反時計方向に回動しており、その先端510aが第2の従動ローラ95b側に指向する位置にある。
【0153】
したがって、第1枚目の記録材S1は、第1の排紙経路93aに導かれる。
【0154】
このとき、第2枚目の記録材S2の先端S2aは、未だ第1搬送ローラ部95には達していない。
【0155】
(x)第1枚目の記録材S1の後端S1bの通過が入り口検出手段81によって検出されると、第1切換ガイド510が図3の仮想線および図4の実線で示すように第1の従動ローラ95c側に切り換えられるとともに、図4に示すように第2、第3搬送ローラ部96,97、および排紙ローラ部98が逆転する。
【0156】
したがって、第1枚目の記録材S1は第1、第2、第3搬送ローラ部95,96,97、および排紙ローラ部98(記録材が長い場合のみ。以下同じ)の駆動ローラ95a,96a,97a,98aと第1排紙経路93a側の従動ローラ95c,96c,97c,98cとで返送経路94へ向けて搬出されるとともに、第2枚目の記録材S2は第1、第2、第3搬送ローラ部95,96,97、および排紙ローラ部98の駆動ローラ95a,96a,97a,98aと第2排紙経路93b側の従動ローラ95b,96b,97b,98bとで第2の排紙経路93b内に搬入されることとなる。
【0157】
また、このときすでに、第3枚目の記録材S3が所定のタイミングで給紙装置70から給送されており、その先端S3aはゲートローラ対91bを通過している。
【0158】
(xi)第2枚目の記録材S2の後端S2bの通過が入り口検出手段81によって検出されると、第2切換ガイド520が図4の仮想線で示すように第1の従動ローラ95c側に切り換えられるとともに、第2、第3搬送ローラ部96,97、および排紙ローラ部98が正転(図4の矢印方向と逆方向に回転)する。
【0159】
したがって、第2枚目の記録材S2は第1、第2、第3搬送ローラ部95,96,97、および排紙ローラ部98の駆動ローラ95a,96a,97a,98aと第2排紙経路93b側の従動ローラ95b,96b,97b,98bとで返送経路94へ向けて搬出されることとなる。
【0160】
(xii)図5に示すように、第2枚目の記録材S2の先端S2a(進行方向後端)の返送方向への通過が入り口検出手段81によって検出されると、第2切換ガイド520が図5の実線で示すように第2の排紙経路93bから退避するとともに、第1切換ガイド510が仮想線で示すように反時計方向に回動し、第2の従動ローラ95b側に切り替わる。また、第2、第3搬送ローラ部96,97、および排紙ローラ部98が正転(図5の矢印方向に回転)する。
【0161】
このとき、第3枚目の記録材S3は、その片面に画像が転写され、定着されている状態にあり、第1枚目の記録材S1は、その後端S1b(進行方向先端)がゲートローラ対91bの直前位置にある。
【0162】
(xiii)第3枚目の記録材S3の後端S3bがバックアップローラ350と二次転写ローラ380とのニップ部を通過した後に(すなわち転写が終了した後に)、図6に仮想線で示すように、バックアップローラ350と二次転写ローラ380とを離間させる。
【0163】
(xiv)その後さらに各ローラが回転し続けることにより、図6に示すように、第3枚目の記録材S3が第1の排紙経路93aに搬入される。
【0164】
このとき第1枚目の記録材S1は、その他面に画像が転写されることなく、前記片面(この場合下面)の画像が第2ローラ420と接触して比較的高温で2回目の定着(再定着)に付されている状態にある。第2枚目の記録材S2は、その後端(進行方向先端)S2bがゲートローラ対91bを通過している。
【0165】
(xv)第3枚目の記録材S3の後端S3bの通過が入り口検出手段81によって検出されると、第1切換ガイド510が図6の仮想線で示すように第1の従動ローラ95c側に切り換えられるとともに、第2、第3搬送ローラ部96,97、および排紙ローラ部98が逆転(図6の矢印方向と逆方向に回転)する。
【0166】
したがって、第3枚目の記録材S3は第1、第2、第3搬送ローラ部95,96,97、および排紙ローラ部98の駆動ローラ95a,96a,97a,98aと第1排紙経路93a側の従動ローラ95c,96c,97c,98cとで返送経路94へ向けて搬出されるとともに、2回目の定着(再定着)がなされた第1枚目の記録材S1は第1切換ガイド510で第2の排紙経路93bに導かれ、第1、第2、第3搬送ローラ部95,96,97、および排紙ローラ部98の駆動ローラ95a,96a,97a,98aと第2排紙経路93b側の従動ローラ95b,96b,97b,98bとで第2の排紙経路93b中を搬送され、ケース50の受け部51上に排出される。
【0167】
引き続き、第2枚目の記録材S2、および第3枚目の記録材S3が、その片面の画像が第2ローラ420と接触して比較的高温で2回目の定着に付された後、排紙経路93b中を搬送され、ケース50の受け部51上に排出されることとなるが、その過程において、所定のタイミングで第4枚目の記録材が給紙装置70から給送され、上記の動作が必要に応じて繰り返される。
【0168】
この反転再定着サブモードによって最終的に得られる画像は、グロス画像である。この際、記録材上の画像は、比較的硬度の大きな表面層420cを有し、かつ比較的高温である第2ローラ420と接触するので、容易に高品質のグロス画像が得られる。
【0169】
以上のような画像形成装置によれば、次のような作用効果が得られる。
【0170】
(a)画像形成部によって記録材S上に未定着画像が形成され、その記録材Sが定着器400のそれぞれ表面層を有する第1、第2ローラ410,420によって加熱、加圧されながら搬送されることにより未定着画像が記録材Sに定着させられる。
【0171】
両面モードによる場合には、記録材Sの両面に画像が形成され、片面モードによる場合には、記録材Sの片面にのみ画像が形成される。
【0172】
そして、片面モードによる場合において、反転再定着サブモードが選択されたときには、1回定着器400を通過した記録材Sは、その表裏が反転させられて再び定着器400を通ることとなる。したがって、記録材Sのカールの累積が抑制される。
【0173】
すなわち、この実施の形態の画像形成装置によれば、両面モードと片面モードとを備えており、片面モード時に記録材Sを複数回定着器に通すことができるにもかかわらず、記録材の詰まりが生じにくくなる。
【0174】
また、第1ローラ410は1回目に定着器400を通過する際の記録材S上の未定着画像と接触するローラであるとともに、第2ローラ420は2回目に定着器400を通過する際の記録材S上の画像と接触するローラであり、かつ第2ローラ420の表面層420cの硬度が、第1ローラ410の表面層410cの硬度よりも大きいので、良好な画質のマット画像あるいはグロス画像を選択的に得ることができる。
【0175】
より詳しく説明すると、この画像形成装置によれば、マット画像を得る場合には、例えば片面モード(反転再定着サブモードを除く)により、未定着画像が形成された記録材Sが、1回定着器400に通されることによって得られることとなる。この際、記録材Sの未定着画像は、比較的小さな硬度の表面層410cを有する第1ローラ410と接触するので、完全には溶融されないトナー粒子による多少の凹凸状態が画像の表面に残ることとなり、結果として、良好な画質のマット画像が得られることとなる。特に、記録材Sが普通紙や、表面の粗いボンド紙等であり、その表面にマット画像を形成する場合には、記録材上のトナー画像の断面形状を崩さないように、あるいは紙の繊維形状に沿ってトナー像を定着させる必要があるが、この画像形成装置によれば、未定着画像が形成された記録材Sが1回定着器400に通る際、記録材Sの未定着画像は、比較的低硬度の表面層410cを有する第1ローラ410と接触するので、良好な画質のマット画像が得られることとなる。
【0176】
グロス画像を得る場合には、反転再定着サブモードにより、未定着画像が形成された記録材Sが1回定着器400に通されマット画像が形成された後、その表裏が反転させられて再び定着器400に少なくとも1回(計2回以上)通されることによって、比較的多くの熱量が付与されマット画像がグロス画像化して、グロス画像が得られることとなる。この際、記録材S上のマット画像は、比較的大きな硬度の表面層420cを有する第2ローラ420と接触するので、完全に溶融されたトナー画像の表面が平滑化されることとなり、結果として良好な画質のグロス画像が得られることとなる。特に、記録材Sが、OHP用シート、光沢紙、カラー画像専用紙(シート状基材(PETや紙)の表面に受像層として熱可塑性樹脂を塗布した特殊シート)である場合には、記録材上のトナー画像を溶融と同時に平滑化し、あるいは受像層中に埋め込む必要があるが、この画像形成装置によれば、反転再定着サブモードにより、記録材Sが再び定着器400に通される際、記録材S上のマット画像が、比較的大きな硬度の表面層420cを有する第2ローラ420と接触するので、完全に溶融されたトナー画像の表面が平滑化され、あるいは受像層中に埋め込まれることとなり、結果として良好な画質のグロス画像が得られることとなる。
【0177】
以上のように、この実施の形態の画像形成装置によれば、両面モードと片面モードとを備えており、片面モード時に記録材Sを複数回定着器400に通すことができるにもかかわらず、記録材Sの詰まりが生じにくくなり、しかも良好な画質のマット画像あるいはのグロス画像を選択的に得ることができる。
【0178】
(b)第2ローラ420の表面層420cは、離形性を有する樹脂で形成されているので、反転再定着時の第2ローラ420に対する記録材Sの巻き付きが良好に防止される。したがって、第2ローラ420の表面に塗布する離形剤の量を少量とすることができ、特に記録材がOHP用シート等である場合には、離形剤に起因する透明性、発色性の低下を防止し、良好な透明性、発色性を有するグロス画像を得ることができる。
【0179】
(c)第2ローラ420の表面温度は、第1ローラ410の表面温度よりも高温であるので、良好な画質のマット画像あるいは高品質のグロス画像を選択的に容易に得ることができる。
【0180】
詳しく説明すると、この画像形成装置によれば、マット画像を得る場合には、例えば片面モード(反転再定着サブモードを除く)により、未定着画像が形成された記録材Sが、1回定着器400に通されることによって得られることとなる。この際、記録材Sの未定着画像は、比較的低温である第1ローラ410と接触するので、良好な画質のマット画像が容易に得られる。
【0181】
グロス画像を得る場合には、反転再定着サブモードにより、未定着画像が形成された記録材Sが1回定着器400に通されマット画像が形成された後、その表裏が反転させられて再び定着器400に少なくとも1回(計2回以上)通されることによって、比較的多くの熱量が付与されマット画像がグロス画像化して、グロス画像が得られることとなる。この際、記録材S上のマット画像は、比較的高温である第2ローラ420と接触するので、良好な画質のグロス画像が容易に得られる。
【0182】
ここで、記録材が2回目以降定着器を通過する際には、すでに記録材Sは1回定着器400を通過しており、この1回目の定着によるマット画像が得られる程度のトナーの溶融によってトナー間の凝集力およびトナーと記録材Sとの結着力が未定着画像の場合のそれに比べて大きく増大しているので、比較的高温の第2ローラ420によって結果として多くの熱量が付与されたとしても、前述したオフセットは極めて生じ難くなる。
【0183】
したがって、この画像形成装置によれば、グロス画像を得る場合、特にカラー画像を得る場合には、第2ローラ420でより多くの熱量を付与することによって、発色性、透明性、光沢性が良好な高品質のグロス画像を得ることができる。
【0184】
なお、特に、記録材がOHP用シート、光沢紙、カラー画像専用紙(シート状基材(PETや紙)の表面に受像層として熱可塑性樹脂を塗布した特殊シート)である場合に有効である。
【0185】
したがって、また、より少ない定着回数で高品質のグロス画像を容易に得ることができる。
【0186】
以上のように、この実施の形態の画像形成装置によれば、両面モードと片面モードとを備えており、片面モード時に記録材Sを複数回定着器400に通すことができるにもかかわらず、記録材Sの詰まりが生じにくくなり、しかも良好な画質のマット画像あるいは高品質のグロス画像を選択的に容易に得ることができる。
【0187】
しかも、特公平6−40235号公報記載の従来技術とは異なり、記録材を定着器に通す速度を遅くする必要がないので、比較的速い速度で高品質のグロス画像を得ることができる。
【0188】
(d)反転再定着サブモードは、最終的に記録材Sが定着器400を通る回数を偶数回とするモードであり、かつ、定着器400の第1、第2ローラ410,420のニップ部Nの形状が、その軸線方向から見て、第2ローラ420側に凹形状に凹む形状に形成されるので、記録材Sは、これが最後に定着器400を通過する際には、その画像形成面と接触する第2ローラ420の表面から離間する方向に指向されるようにして送り出されることとなる。
【0189】
したがって、比較的高温である第2ローラ420に対する記録材Sの巻付きが良好に防止され、結果としてより円滑な記録材Sの搬送状態が得られることとなる。
【0190】
この点について、より詳しく説明する。
【0191】
すなわち、この実施の形態のような構成であると、記録材Sが定着器400を1回目に通過する際には、その画像形成面(この場合上面)が第1ローラ410と接し、ニップ部Nの形状は上記のように形成されているので、記録材Sはその画像形成面と接触する第1ローラ410の表面に近づく方向に指向されるようにして送り出されることとなる(送り出し角を図7にθ1で示す)。しかしながら、1回目の定着時に記録材Sおよびトナーに付与される熱量は、2回定着される場合に付与される熱量に比べて相対的に少なく、しかも第1ローラ410が比較的低温であるので、トナーの溶融が過度に進行してしまうということがない。したがって、ニップ部Nの形状が上記のように形成されていても、1回目の定着時には、記録材Sは第1ローラ410には巻き付きにくい。
【0192】
これに対し、2回目の定着時には、記録材Sおよびトナーに付与される熱量が、1回目の定着時に付与される熱量に比べて相対的に多くなり、しかも第2ローラ420が比較的高温であるので、トナーの溶融が1回目の定着時に比べて、より進行する。したがって、ニップ部Nの形状が上記のように形成されていないとしたならば、2回目の定着時には、記録材Sは第2ローラ420に巻き付きやすくなってしまう。
【0193】
このような関係は、例えば、3回目の定着と4回目の定着についても言えることである。
【0194】
しかしながら、この実施の形態によれば、上述したように、定着器400の第1、第2ローラ410,420のニップ部Nの形状が、その軸線方向から見て、反転再定着サブモードにおいて定着器400を最後に(偶数回目に)通過する際の記録材Sにおける画像形成面と接触する第2ローラ420側に凹形状に凹む形状に形成されるので、記録材Sは、これが最後に定着器400を通過する際には、その画像形成面と接触する第2ローラ420の表面から離間する方向に指向されるようにして送り出されることとなる(送り出し角を図7にθ2で示す)。したがって、当該ローラに対する記録材Sの巻付きが良好に防止され、結果としてより円滑な記録材Sの搬送状態が得られることとなる。
【0195】
したがって、また、第2ローラ420への離形剤の塗布量を少なくすることができるので、OHPシート等においては画像の透明性、発色性を向上させることができる。
【0196】
なお、特に、記録材として紙を用いた場合には、初回定着時に紙の水分が蒸発し、乾燥することで、紙の腰が強くなるため、再定着時の第2ローラ420への巻付きがさらに良好に防止される。また、第1ローラ410に離形剤を塗布する構成となっており、初回定着時に記録材Sの画像形成面に離形剤が塗布されるので、再定着時の第2ローラ420への巻付きが一層良好に防止される。なお、各種ワックス等の離形剤を含むトナーを用いると、初回定着時にトナーから溶出した離形剤が画像表面に浸出、移動しているため、再定着時の第2ローラ420への巻付きがさらに良好に防止される。
【0197】
(e)反転再定着サブモードは、記録材または定着後に得られる画質の種類に応じて選択されるので、片面モードにより記録材Sの片面にのみ画像を形成する場合において、種々の記録材に対応させて種々の画質の画像を得ることができる。
【0198】
(f)両面モード時に1回定着器400を通過した記録材Sを、その表裏を反転させて再び前記画像形成部へ返送する反転返送路93,94を有しており、この反転返送路93,94が、反転再定着サブモード時に、記録材Sを、その表裏を反転させて再び定着器400に戻す経路として用いられる構成となっているので、経路構造の簡素化および、装置の小型化を図ることができる。
【0199】
(g)反転返送路93,94は、複数枚の記録材Sを収納可能な長さに形成されているので、両面モードの場合に、中間トレイを要することなく、記録材Sの両面に効率よく画像を形成することができるとともに、反転再定着サブモード時における記録材Sの詰まりを一層良好に防止することができる。また、中間トレイを必要としない分だけ装置の小型化も図ることができる。
【0200】
より詳しく説明すると、前述した特公平6−68646号公報記載のものは、記録材の両面に画像を形成する両面モード時には、片面に画像が形成された複数枚の記録材を一旦中間トレイに貯溜しておき、この中間トレイから再び記録材を画像形成部に給送し画像を他面にも形成することによって、効率よく両面に画像を形成することができるようになっていた。しかしながら、記録材の片面にのみ画像を形成する片面モードにおいて、OHPフィルムに光沢画像を形成する場合にも、この中間トレイに複数枚のOHPフィルムを一旦貯溜して、この中間トレイから再び定着器に向けてOHPフィルムを給送するようになっていたので、中間トレイに複数枚のOHPフィルムが積層貯溜される際にOHPフィルム同士が張り付き易く、したがって、給送不良(紙詰まり)あるいは重層が生じ易いという難点があった。特に、定着ローラに離形剤を塗布する構成では、離形剤が記録剤の表面に付着するが、OHPフィルム等の樹脂シートによる記録材はオイル吸収性が低いため、これが中間トレイ上で積層されると、シート同士が一層張り付き易くなり、給送不良あるいは重層が一層生じ易くなるという難点があった。
【0201】
また、給紙トレイを配置する分だけのスペースが必要であるため、装置が大型化するという問題もあった。
【0202】
これに対し、この実施の形態の画像形成装置によれば、反転返送路93,94は、複数枚の記録材Sを収納可能な長さに形成されているので、両面モードの場合に、中間トレイを要することなく、記録材Sの両面に効率よく画像を形成することができる。また、中間トレイを必要としないので、上記不具合が生じず、したがって、反転再定着サブモード時における記録材Sの詰まりを一層良好に防止することができる。さらに、中間トレイを必要としない分だけ装置の小型化も図ることができる。
【0203】
(h)記録材に画像を形成する画像形成部と、この画像形成部により片面に画像が形成された記録材が搬入されまたは搬出される第1、第2の経路93a,93bと、これら第1の経路93aと第2の経路93bとの間に配置され、第1の経路93aと第2の経路93bとを完全に分離して独立した経路とするガイド手段99,510と、上記第1、第2の経路の入り口に配置され、画像形成部からの記録材を第1または第2の経路に搬入するとともに、一旦搬入された記録材を搬出することのできる搬入搬出手段95,510と、この搬入搬出手段により搬出される記録材を画像形成部に向けて返送する返送経路94とを備えているので、画像形成部により片面に画像が形成された記録材は、搬入搬出手段によって第1または第2の経路に一旦搬入され、搬出される。搬出された記録材は、返送経路94を経て画像形成部および定着ユニット400に向けて返送され、他面側にも画像が形成され、あるいは再定着され得る。
【0204】
片面に画像が形成された記録材は、第1または第2の経路に搬入され、あるいは搬出されるから、例えば、第1の経路93aからの記録材の搬出と、第2の経路93bへの記録材の搬入とが同時に行なわれ得るが、この画像形成装置によれば、第1の経路93aと第2の経路93bとの間にはガイド手段99,510が配置されており、このガイド手段によって第1の経路93aと第2の経路93bとが完全に分離され独立した経路となっているので、第1または第2の経路に搬入されあるいは搬出される記録材同士が摺接するということがなくなる。
【0205】
したがって、この画像形成装置によれば、記録材の表面および裏面が汚れにくくなる。
【0206】
(i)画像形成部により画像が形成され排出される記録材を受ける受け部51を有しているとともに、第1、第2の経路93a,93bは、画像形成部により画像が形成された記録材を独立して排出することのできる第1、第2の排紙経路93a,93bで構成されているので、第1あるいは第2の経路に搬入された記録材を返送経路94へ向けて搬出することもできるし、受け部51に向けて排出することもできる。
【0207】
すなわち、第1あるいは第2の経路93a,93bに搬入された記録材を返送経路94へ向けて搬出するのか、または、受け部51に向けて排出するのかを選択的に行なうことができるので、装置の作動モードの自由度が大きくなる。
【0208】
(j)主として第1搬送ローラ部95で構成される搬入搬出手段は、記録材の搬入と他の記録材の搬出とを同時に行なうことのできる手段であるとともに、この搬入搬出手段の記録材搬入方向下流側には、記録材を搬入方向に搬送すると同時に他の記録材を搬出方向に搬送することのできる第2、第3搬送ローラ部96,97および排紙ローラ部98が設けられているので、記録材の搬入および搬出がより確実に行なわれるようになり、結果として記録材詰まりの発生率が、一層小さくなる。
【0209】
(k)搬入搬出手段は、第1の経路93aと第2の経路93bとの間に配置された駆動ローラ95aと、この駆動ローラ95aに対し第1の経路93a側において圧接された第1の従動ローラ95cと、駆動ローラ95aに対し第2の経路93b側において圧接された第2の従動ローラ95bと、第1の経路93aと第2の経路93bとの間に配置された軸511回りに回動可能に設けられ、その先端510aが前記第1の従動ローラ95c側または第2の従動ローラ95b側に指向する切換ガイド510とを備えているので、第1または第2の経路93a,93bに搬入されるべき記録材を切換ガイド510によって確実に案内することができる。
【0210】
(l)前記搬送ローラ部96,97,および排紙ローラ部98は、それぞれ第1の経路93aと第2の経路93bとの間に配置された駆動ローラ96a,97a,98aと、この駆動ローラに対し第1の経路93a側において圧接された第1の従動ローラ96c,97c,98cと、前記駆動ローラに対し第2の経路93b側において圧接された第2の従動ローラ96b,97b,98bとで構成されているので、搬送手段の構造の簡素化および省スペース化を図ることが可能となる。
【0211】
【実施例】
以下、さらに具体的な実施例について説明する。
【0212】
<第1ローラ410に関し>
直径は60mm程度とする。
【0213】
ローラ硬度は30〜80度(JIS A,以下同じ)とし、望ましくは48度程度とする。
【0214】
芯材410aは、アルミパイプとし、その肉厚は3mm程度とする。
【0215】
弾性層410bは、その材質をシリコーンゴムとし、その厚さLをL=0.2〜5mm程度、望ましくはL=1mm程度とする。その熱伝導率α(×10−3cal/cm・sec・゜C)は、α=0.5〜2程度、望ましくはα=1.5程度とする。その熱抵抗(L/α)は、10〜10000程度、望ましくは67程度とする。
【0216】
表面層410cは、その材質をシリコーンゴムとし、厚さを70μm程度とし、硬度を25度程度とする。表面粗さは、0.15μm程度とする。
【0217】
第1ローラ410の表面温度は、170゜C程度とする。
【0218】
第1ローラ410の表面へのオイル塗布量(mg/cm)は、0.016〜0.0016程度、望ましくは0.005程度とする。
【0219】
<第2ローラ420に関し>
直径は60mm程度とする。
【0220】
ローラ硬度は20〜70度(JIS A,以下同じ)とし、望ましくは40度程度とする。
【0221】
芯材420aは、アルミパイプとし、その肉厚は3mm程度とする。
【0222】
弾性層420bは、その材質をシリコーンゴムとし、その厚さLをL=0.5〜10mm程度、望ましくはL=5mm程度とする。その熱伝導率α(×10−3cal/cm・sec・゜C)は、α=0.5〜2程度、望ましくはα=1.0程度とする。その熱抵抗(L/α)は、25〜20000程度、望ましくは500程度とする。
【0223】
表面層420cは、フッ素樹脂チューブ(PFAチューブ)で形成する。その厚さは50μm程度とし、硬度は90度以上とする。表面粗さは、0.15μm程度とする。
【0224】
第2ローラ420の表面温度は、180゜C程度とする。
【0225】
第2ローラ420の表面へのオイル塗布量(mg/cm)は、0.0016〜0.00016程度、望ましくは0.0005程度とする。
【0226】
<オイルローラ414,424に関し>
いずれのオイルローラも、適当な粘度のオフセット防止液(シリコーンオイル等)を含浸させることのできる耐熱繊維(例えばフェルト)やスポンジ等のオイル保持層を有し、その表面に四弗化エチレン等の多孔質膜等からなる塗布量規制層を設けたものを用いる。
【0227】
オイルの塗布量(吐出量)は、オイル粘度や多孔質膜の穴径、密度等を調整することによって調整することができる。
【0228】
<第1ローラ410に対するオイルローラ414に関し>
直径は30mm程度とする。
【0229】
使用するオイルは、ジメチルシリコーンオイルとし、その粘度(cst)は1000程度とする。
【0230】
第1ローラ410表面への塗布量(mg/cm)は、0.005程度とする。
【0231】
<第2ローラ420に対するオイルローラ424に関し>
直径は19mm程度とする。
【0232】
使用するオイルは、ジメチルシリコーンオイルとし、その粘度(cst)は1000程度とする。
【0233】
第2ローラ420表面への塗布量(mg/cm)は、0.0005程度とする。
【0234】
以上、本発明の一実施の形態および実施例について説明したが、本発明は上記の実施の形態あるいは実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0235】
例えば、
▲1▼上記実施の形態では、モード選択スイッチ84により、両面/片面のみを選択できるようにしたが、これに加えて、反転再定着サブモードを選択することができるようにし、反転再定着サブモードが選択された場合には、記録材の種類にかかわらず、反転再定着がなされるようにすることもできる。
【0236】
▲2▼上記実施の形態では、用紙選択スイッチ85と画質選択スイッチ86とを設けたが、いずれか一方のスイッチのみを設け、その選択によってモード切換がなされるようにしても良い。例えば、用紙選択スイッチ85により普通紙が選択された場合には、自動的に通常の片面モードとなってマット画像が形成され、OHPシート等(光沢紙、光沢フィルム、カラー画像専用紙等を含む)が選択された場合には自動的に反転再定着モードとなってグロス画像が形成されるようにすることもできる。
【0237】
▲3▼上記実施の形態では、反転再定着サブモード時に、最終的に記録材が定着器を通る回数を2回とした場合について説明したが、記録材の反転返送動作を繰り返すことによって、4回以上とすることができる。また、反転再定着サブモード時に、最終的に記録材が定着器を通る回数は、奇数回としてもかまわない。
【0238】
▲4▼記録材の後端が排紙経路93の入り口を通過したことを検出する入り口検出手段は適宜の手段によって構成することができる。例えば、詰まり検出手段をなすフォトセンサ82aまたは82b等によって構成することも可能である。すなわち、記録材のサイズが分かっていれば、これらフォトセンサによって記録材の先端が検出された後の経過時間によって記録材後端の通過を検出することが可能である。
【0239】
【発明の効果】
請求項〜記載のいずれの画像形成装置も、両面モードと片面モードとを備えており、片面モード時に記録材を複数回定着器に通すことができるにもかかわらず、記録材の詰まりが生じにくくなり、しかも良好な画質のマット画像あるいはのグロス画像を選択的に得ることができる。
【0240】
さらに、
請求項2記載の画像形成装置によれば、反転再定着時の第2ローラに対する記録材の巻き付きが良好に防止される。
【0241】
請求項3記載の画像形成装置によれば、良好な画質のマット画像あるいは高品質のグロス画像を選択的に容易に得ることができる。
【0242】
請求項4記載の画像形成装置によれば、第2ローラに対する記録材の巻付きが一層良好に防止され、結果としてより円滑な記録材の搬送状態が得られることとなる。
【0243】
請求項5記載の画像形成装置によれば、片面モードにより記録材の片面にのみ画像を形成する場合において、種々の記録材に対応させて種々の画質の画像を得ることができる。
【0244】
また、請求項記載の画像形成装置によれば、経路構造の簡素化および、装置の小型化を図ることができる。
【0245】
請求項記載の画像形成装置によれば、両面モードの場合に、中間トレイを要することなく、記録材の両面に効率よく画像を形成することができるとともに、反転再定着サブモード時における記録材の詰まりを一層良好に防止することができる。また、中間トレイを必要としない分だけ装置の小型化も図ることができる。
【0246】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す内部構造図。
【図2】主として搬入搬出手段を示す斜視図。
【図3】作動説明図。
【図4】作動説明図。
【図5】作動説明図。
【図6】作動説明図。
【図7】定着ユニットの拡大図。
【符号の説明】
S 用紙
80 制御ユニット
90 用紙搬送経路
93 排紙経路(反転返送路)
94 返送経路(反転返送路)
100 感光体ユニット
110 感光体
200 現像ユニット
300 中間転写ユニット
400 定着ユニット
410 第1ローラ
410c 表面層
420 第2ローラ
420c 表面層
N ニップ部

Claims (6)

  1. 記録材上に未定着画像を形成する画像形成部と、この画像形成部により未定着画像が形成された記録材を、それぞれ表面層を有する第1、第2ローラで加熱、加圧しつつ搬送して未定着画像を記録材に定着させる定着器と、前記記録材の両面に画像を形成する両面モードと、前記記録材の片面にのみ画像を形成する片面モードとを備え、
    前記片面モード中には、1回定着器を通過した記録材を、その表裏を反転させて再び定着器に少なくとも1回通す反転再定着サブモードが選択可能に設けられており、
    前記第1ローラは1回目に定着器を通過する際の記録材上の未定着画像と接触するローラであるとともに、前記第2ローラは2回目に定着器を通過する際の記録材上の画像と接触するローラであり、かつ第2ローラの表面層の硬度が、第1ローラの表面層の硬度よりも大きいとともに、
    前記両面モード時に1回定着器を通過した記録材を、その表裏を反転させて再び前記画像形成部へ返送する反転返送路を有しており、この反転返送路は、前記定着器により画像が定着され装置外へ排出される記録材を受ける受け部へ向けて当該記録材を独立して排出することのできる第1、第2の排紙経路を有しているとともに、当該反転返送路が、前記反転再定着サブモード時に、記録材を、その表裏を反転させて再び定着器に戻す経路として用いられることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2ローラの表面層は、離形性を有する樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記第2ローラの表面温度は、前記第1ローラの表面温度よりも高温であることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記反転再定着サブモードは、最終的に記録材が定着器を通る回数を偶数回とするモードであり、
    かつ、前記定着器の第1、第2ローラのニップ部の形状が、その軸線方向から見て、前記第2ローラ側に凹形状に凹む形状に形成されることを特徴とする請求項1,2,または3記載の画像形成装置。
  5. 前記反転再定着サブモードは、前記記録材の種類または定着後に得られる画質の種類に応じて選択されることを特徴とする請求項1,2,3,または4記載の画像形成装置。
  6. 前記反転返送路は、複数枚の記録材を収納可能な長さに形成されていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
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