JP3603370B2 - 車両空調用冷却ユニット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は冷却用熱交換器の空気下流側に所定間隔を介して対向配置された複数の送風機を有する車両空調用冷却ユニットに関するもので、例えば2階建てバスの車室内空調装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、バス車両の最後部に配設されるバルクヘッド部に空調ユニットを配設し、この空調ユニット内に配設された冷却用熱交換器(冷凍サイクルの蒸発器)により空気を冷却し、この冷却された冷風を遠心送風機にて送出するタイプの空調装置が特開平2−234835号公報において提案されている。
【0003】
この従来装置においては、冷却用熱交換器の空気下流側の左右側方にそれぞれ1階用および2階用の遠心送風機を配設し、この左右それぞれの送風機によって送風される冷風を吹出ダクトを介して1階および2階の車室内に吹き出させる構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来装置では、冷却用熱交換器の空気下流側の左右側方にそれぞれ1階用および2階用の遠心送風機を配設しているので、この遠心送風機の吸入側で空気の流れ方向が強制的に直角に曲げられ、吸入側の圧力損失が増大する。これにより、遠心送風機の性能低下を招くとともに、送風機風切り音の増加を招くという問題があった。
【0005】
また、上記従来装置では、1フロア当たり、左右各1個、計2個の送風機を配設する構成であるので、大型のバス車両に適用する場合には冷房能力アップのために、送風機のファンの大径化および駆動用モータの大出力化は不可避であり、このようなファン大径化および駆動用モータの大出力化により騒音、振動の増大を招く。
【0006】
この不具合を解消するために、冷却用熱交換器の空気下流側の左右側方にそれぞれ複数の遠心送風機を配設することも考えられるが、この場合には、遠心送風機の吹出口側空気流路を統合する煩雑な特殊ダクトが必要となり、コストアップを招く。
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、吸入側の圧力損失を低減できるとともに、煩雑な特殊ダクトを必要とすることなく、小型の多数の送風機を容易に設置できる車両空調用冷却ユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、広い面積を持った冷却用熱交換器の空気下流側に形成される空間に着目し、この空間に冷却用熱交換器の空気下流側に対向する対向壁部材を設置するとともに、この対向壁部材により区画形成される空気チャンバーを形成し、この空気チャンバー内に小型の送風機を多数個設置できるようにし、かつこの空気チャンバーに、空調対象部位に空気を導く吹出ダクトを接続する構成とすることにより、上記目的を達成しようとするものである。
【0008】
具体的には、本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1記載の発明では、車両後部に配置される車両空調用冷却ユニットであって、
空気を冷却する冷却用熱交換器(13)と、
この冷却用熱交換器(13)の空気下流側に対向するように所定間隔を介して配置され、かつ空気流通用の空気開口(23、26)を有する対向壁部材(16a、16b)と、
この対向壁部材(16a、16b)より空気下流側に区画形成された空気チャンバー(20、21)と、
この空気チャンバー(20、21)内に設置された送風機(22、25)と、
前記空気チャンバー(20、21)に接続されるとともに車両前後方向に延びるように配置され、この空気チャンバー(20、21)内の空気を車両空調対象部位に導く吹出ダクト(2、2、3)とを具備し、
前記冷却用熱交換器(13)は車両幅方向に延びる横長形状であり、
前記空気チャンバー(20、21)は車両幅方向に延びるように形成され、
前記送風機(22、25)は前記空気チャンバー(20、21)内にて車両幅方向に複数配置され、
前記複数の送風機(22、25)は、前記空気開口(23、26)の直後に配置され、前記空気開口(23、26)から吸入した空気を送風する遠心式多翼ファン(22c、25c)と、この遠心式多翼ファン(22c、25c)を内蔵するケーシング(22a、25a)と、このケーシング(22a、25a)に設けられ、前記遠心式多翼ファン(22c、25c)の送風空気を前記空気チャンバー(20、21)内に吹き出す吹出口(22f、25f)とを有する車両空調用冷却ユニットを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の発明では、車両後部に配置される車両空調用冷却ユニットであって、
水平方向に空気が流れるように配置され、空気を冷却する冷却用熱交換器(13)と、
この冷却用熱交換器(13)の空気下流側を上方側流路(18)と下方側流路(19)とに分割する隔壁部材(17)と、
この隔壁部材(17)により分割された前記上方側流路(18)において前記冷却用熱交換器(13)と対向するように配置された第1の対向壁部材(16a)と、
前記隔壁部材(17)により分割された前記下方側流路(19)において前記冷却用熱交換器(13)と対向するように配置された第2の対向壁部材(16b)と、
前記第1の対向壁部材(16a)に設けられた第1の空気開口(23)と、
前記第2の対向壁部材(16b)に設けられた第2の空気開口(26)と、
前記上方側流路(18)において、前記第1の対向壁部材(16a)より空気下流側に区画形成された第1の空気チャンバー(20)と、
前記下方側流路(19)において、前記第2の対向壁部材(16b)より空気下流側に区画形成された第2の空気チャンバー(21)と、
前記第1の空気チャンバー(20)内に設置された第1の送風機(22)と、
前記第2の空気チャンバー(21)内に設置された第2の送風機(25)と、
前記第1の空気チャンバー(20)に接続されるとともに車両前後方向に延びるように配置され、この第1の空気チャンバー(20)内の空気を第1の車両空調対象部位に導く第1の吹出ダクト(2、2)と、
前記第2の空気チャンバー(21)に接続されされるとともに車両前後方向に延びるように配置され、この第2の空気チャンバー(21)内の空気を第2の車両空調対象部位に導く第2の吹出ダクト(3)とを具備し、
前記冷却用熱交換器(13)は車両幅方向に延びる横長形状であり、
前記第1の空気チャンバー(20)および前記第2の空気チャンバー(21)は車両幅方向に延びるように形成され、
前記第1の送風機(22)は前記第1の空気チャンバー(20)内にて車両幅方向に複数配置され、前記第2の送風機(25)は前記第2の空気チャンバー(21)内にて車両幅方向に複数配置され、
前記第1の送風機(22)および前記第2の送風機(25)は、それぞれ、前記第1、第2の空気開口(23、26)の直後に配置され、前記第1、第2の空気開口(23、26)から吸入した空気を送風する遠心式多翼ファン(22c、25c)と、この遠心式多翼ファン(22c、25c)を内蔵するケーシング(22a、25a)と、このケーシング(22a、25a)に設けられ、前記遠心式多翼ファン(22c、25c)の送風空気を前記第1、第2の空気チャンバー(20、21)内に吹き出す吹出口(22f、25f)とを有する車両空調用冷却ユニットを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の発明では、請求項1または2に記載の車両空調用冷却ユニットにおいて、前記送風機(22、25)が車両幅方向に少なくとも3個以上並列配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明では、請求項3に記載の車両空調用冷却ユニットにおいて、前記少なくとも3個以上の送風機(22)の吹出方向が、前記冷却用熱交換器(13)を通過する空気流れ方向に対して、それぞれずれるように、前記少なくとも3個以上の送風機(22)が車両幅方向に階段状に並列配置されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、請求項3に記載の車両空調用冷却ユニットにおいて、前記少なくとも3個以上の送風機(25)が車両幅方向に直線状に配置され、
かつ前記吹出ダクト(3)が前記少なくとも3個以上の送風機(25)の車両幅方向中央部位に位置するように配設されており、
前記少なくとも3個以上の送風機(25)から前記空気チャンバー(21)内に空気を吹き出す前記吹出口(25f)が、前記吹出ダクト(3)の方向に向くように配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明では、請求項2に記載の車両空調用冷却ユニット(11)を具備し、 前記第1の空調対象部位が2階建てバスにおける2階の車室であり、
前記第2の空調対象部位が2階建てバスにおける1階の車室であるバス車両用空調装置を特徴としている。
【0014】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0015】
【発明の作用効果】
請求項1ないし6記載の発明によれば、上記技術的手段を有しているため、冷却用熱交換器を通過した冷風をそのまま直進させて、送風機に吸入させることができるから、送風機における吸入側圧力損失を著しく低減でき、送風能力の向上を図ることができるとともに、送風騒音を低減できる。
【0016】
また、冷却用熱交換器の対向壁部材より下流側に空気チャンバーを形成して、この空気チャンバー内に送風機を設置しているから、送風機を多数個設置する場合にも、多数の送風機の吹出空気が一旦、空気チャンバー内に吹き出され、この空気チャンバー内圧力を昇圧した後に吹出ダクト側へ空気を流出させることができ、そのため多数の送風機の吹出側に煩雑な特殊ダクトを設置する必要がなく、小型の多数の送風機を容易に設置できる。
【0017】
このように、必要冷房能力を発揮するための送風機として、小型なものを多数使用することにより、送風機から発生する騒音、振動を一層効果的に低減できる。さらに、上記空気チャンバーを備えることにより、上記空気チャンバーにおいて吹出ダクトの配置場所を比較的自由に設定できるので、スペース的制約の大きい車両においても、冷却ユニットの搭載が容易となる。
【0018】
上記に加えて、請求項4記載の発明では、3個以上の送風機を階段状に配置することより、各送風機の吹出口から吹き出す空気が相互に衝突、干渉することがないので、各送風機の吹出口からの吹出空気が円滑に流れ、より一層の騒音低減、圧力損失低減を図ることができる。
また、請求項5記載の発明では、3個以上の送風機の吹出口すべてを、中央部の1つの吹出ダクトに向けて方向づけているから、やはり、各送風機の吹出口からの吹出空気が円滑に流れ、より一層の騒音低減、圧力損失低減を図ることができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を図に示す実施例について説明する。
図1〜図6は本発明を2階建てバス車両用空調装置に適用した一実施例を示しており、図6はバス車両の全体の概要を示すもので、1はバス車両の最後部のバルクヘッド部に配設された空調ユニットで、2はこの空調ユニット1で空調された空気をバス車両の2階の車室内天井部に導く2階用吹出ダクトで、2階の車室内天井部の左右両側に配設され、バス車両前後方向に長く延びている。
【0020】
3は前記空調ユニット1で空調された空気をバス車両の1階の車室内天井部に導く1階用吹出ダクトで、1階の車室内天井部の中央部に配設され(図2参照)、バス車両前後方向に長く延びている。
上記2階用および1階用吹出ダクト2、3には、それぞれ図示しない多数の吹出口が設けられている。
【0021】
4は後述する凝縮器冷却用外気を取り入れる外気取り入れ口で、バス車両の側面から外気を取り入れるようになっている。5は凝縮器冷却後の空気(温風)を排出する凝縮器空気排出口で、バス車両後面から空気を排出するようになっている。6は凝縮器用送風機で、多数個(本例では6個)の並列配置された軸流ファンが用いられている。なお、凝縮器空気排出口5は図6に明示されていないが、バス車両後面の幅方向の略全長にわたって、多数個の凝縮器用送風機6に対向して形成されている。
【0022】
図1〜図4は本発明の要部をなす空調ユニット部分を示しており、10は空調ユニット1の外郭を形成する本体ケースで、図2に示すように車両幅方向に長い横長の略直方体状に形成されている。この本体ケース10は鉄板等の金属板で構成され、上下方向に2つの部分に断熱して区画されており、上部の区画にて冷却ユニット11を形成し、そして下部の区画にて凝縮ユニット12を形成している。 上部の冷却ユニット11内の車両前方側には、車両幅方向に長く延びた横長の蒸発器13が配置されている。この蒸発器13は図示しない車両走行用エンジンにより駆動される圧縮機により冷媒が循環する冷凍サイクルに設けられ、冷媒の蒸発潜熱により送風空気を冷却するものである。
【0023】
そして、冷却ユニット11の車室側端面の左右両側には、図2に示すように縦長の第1内気吸入口14、14が設けられている。
また、前記1階用吹出ダクト3は、図2に示すように、縦長の第1内気吸入口14、14に挟まれた、冷却ユニット11の幅方向中央位置に配置されており、この1階用吹出ダクト3の上側に第2内気吸入口15が設けられている。
【0024】
従って、これらの第1、第2内気吸入口14、14、15から車室内空気(内気)が冷却ユニット11内に吸入され、蒸発器13に流入するようになっている。
蒸発器13の空気下流側(車両後方側)には、所定間隔を介して蒸発器13と対向するように上下方向に延びる対向壁板16a、16bが配置されている。この両対向壁板16a、16bは鉄板等の金属板で構成されている。
【0025】
また、蒸発器13の空気下流側(車両後方側)流路は、水平方向に延びる隔壁板17により上方側流路18と下方側流路19とに分割されている。そして、上方側流路18には前記対向壁板16aが、また下方側流路19には前記対向壁板16bが、それぞれ横断しており、上方側流路18において対向壁板16aより下流側に上方側の空気チャンバー20が区画形成されており、また下方側流路19において対向壁板16bより下流側に下方側の空気チャンバー21が区画形成されている。
【0026】
上方側流路18に位置する対向壁板16aは図3に示すように車両幅方向の中央部が蒸発器13より最も遠く離れるようした階段状の形状に形成されており、そしてこの対向壁板16aには、多数個、本例では6個の送風機22が設置されている。
この送風機22の設置形態について、より詳細に述べると、対向壁板16aには送風機22の設置個数と同数の空気開口23が設けられており、この空気開口23にそれぞれ各送風機22のケーシング22aの吸入口22bが連通するようにして、各送風機22のケーシング22aが対向壁板16aにネジ止め等の手段により固定されている。
【0027】
ここで、各送風機22は上方側の空気チャンバー20内に収納されるように配置されている。各送風機22は図1に示すように遠心式多翼ファン(シロッコファン)22cをスクロール状のケーシング22a内に収納し、このファン22cを回転軸22dを介してモータ22eにより駆動する構成となっている。
前記上方側の空気チャンバー20の天井部の左右両側には、吹出空気口24、24が設けられ、この吹出空気口24、24に前記した2階用吹出ダクト2、2の入口部が接続されている。
【0028】
6個の送風機22のスクロール状のケーシング22aから上方側の空気チャンバー20内に空気を吹き出す吹出口22fの方向は、上記吹出空気口24、24に円滑に空気を流すように設定されている。すなわち、左側の3個の送風機22は図5に示すように左側の吹出空気口24に吹出口22fが向くように配置され、右側の3個の送風機22は図5に示すように右側の吹出空気口24に吹出口22fが向くように配置されている。
【0029】
一方、下方側流路19に位置する対向壁板16bは図4に示すように車両幅方向に直線状に延びるように形成されており、そしてこの対向壁板16bにも、多数個、本例では6個の送風機25が設置されている。
この送風機25も前記送風機22と同様な設置形態となっており、対向壁板16bには送風機25の設置個数と同数の空気開口26が設けられており、この空気開口26にそれぞれ各送風機25のケーシング25aの吸入口25bが連通するようにして、各送風機25のケーシング25aが対向壁板16bにネジ止め等の手段により固定されている。
【0030】
ここで、各送風機25は下方側の空気チャンバー21内に収納されるように配置されている。各送風機25は図1に示すように遠心式多翼ファン(シロッコファン)25cをスクロール状のケーシング25a内に収納し、このファン25cを回転軸25dを介してモータ25eにより駆動する構成となっている。
そして、下方側の空気チャンバー21の下方部から蒸発器13の下方側を通って、本体ケース10の車両前方側に向かって接続ダクト27が設置されており、この接続ダクト27は吹出空気口28に連通している。この吹出空気口28は、本体ケース10の車両前方側端面において車両幅方向の中央部位に位置するように設けられており、この吹出空気口28には前記した1階用吹出ダクト3の入口部が接続されている。
【0031】
6個の送風機25のスクロール状のケーシング25aから下方側の空気チャンバー21内に空気を吹き出す吹出口25fの方向は、上記中央部の吹出空気口28に円滑に空気を流すように設定されている。すなわち、左側の3個の送風機25の吹出口25fは図5に示すように右斜め下方に向き、右側の3個の送風機25の吹出口25fは図5に示すように左斜め下方に向くように、各送風機25の吹出口25fの方向が設定されている。
【0032】
なお、図1において、29は凝縮器で、図示しない圧縮機から吐出された冷媒ガスを送風機6により送風される外気と熱交換して冷却し、凝縮させるものである。6aは送風機6の駆動用モータである。図2において、30は1階の車室内最後部の座席であり、31はバス車両最後部のバルクヘッド部を示す。
次に、上記構成において本実施例の作動を説明する。冷凍サイクルの圧縮機が車両走行用エンジンにより駆動され、圧縮機が作動すると、冷凍サイクルの蒸発器13および凝縮器29に冷媒が循環し、蒸発器13で冷媒の蒸発が行われ、凝縮器29で冷媒の凝縮が行われる。
【0033】
また、各送風機22、25、6の駆動用モータ22e、25e、6aに通電することより、各送風機22、25、6が作動する。そして、送風機22、25の作動により車室内空気が第1、第2内気吸入口14、15から本体ケース10内に吸入され、蒸発器13を通過し、ここで冷却され、冷風となる。
そして、この冷風は、蒸発器13通過後、曲がることなく、ほぼ直進して圧力損失の少ない状態で、対向壁板16a、16bの空気開口23、26を通って送風機22、25に吸入される。この送風機22、25において冷風は昇圧された後、空気チャンバー20、21に流入する。
【0034】
上方側の空気チャンバー20に流入した冷風は、吹出空気口24を通って2階用吹出ダクト2、2内に流入し、この2階用吹出ダクト2、2に設けられた多数の吹出口から冷風は2階の車室の天井部から2階の車室内へ吹き出し、2階の車室を冷房する。
一方、下方側の空気チャンバー21に流入した冷風は、接続ダクト27を通って吹出空気口28に至り、この吹出空気口28から1階用吹出ダクト3内に流入する。そして、この1階用吹出ダクト3に設けられた多数の吹出口から冷風は1階の車室の天井部から1階の車室内へ吹き出し、1階の車室を冷房する。
【0035】
凝縮ユニット12においては、送風機6の作動により外気が取り入れ口4から流入して凝縮器29を通過し、ここで冷媒ガスを冷却して凝縮させる。凝縮器29を通過して温度上昇した外気は車両後面の排出口5から外部へ排出される。
車両側面の取り入れ口4から流入する外気は、図示しない外気導入通路およびこの通路に設けられたダンパ機構より必要に応じて蒸発器13の上流側に導入できるようになっているので、この外気導入により車室内の換気を必要に応じて実施できる。
【0036】
ところで、本実施例では上記した構成を有しているため、次の作用効果を奏することができる。
先ず、第1に、蒸発器13の対向壁板16a、16bより下流側に空気チャンバー20、21を形成して、この空気チャンバー20、21内に送風機22、25を設置しているから、送風機22、25を多数個設置する場合にも、多数の送風機22、25の吹出空気が一旦、空気チャンバー20、21内に吹き出され、この空気チャンバー20、21内圧力を昇圧した後に吹出ダクト側へ空気を流出させることができ、そのため多数の送風機22、25の吹出側に煩雑な特殊ダクトを設置する必要がなく、かつ対向壁板16a、16bは単純な板形状でよいため、小型の多数の送風機22、25を容易に設置できる。
【0037】
そして、必要冷房能力を発揮するための送風機22、25として、小型なものを多数使用することにより、送風機22、25から発生する騒音、振動を効果的に低減できる。
また、対向壁板16a、16bに、送風機22、25のケーシング22a、25aの取付穴を設けるに当たって、送風機22、25の回転中心を中心とする同一円上にケーシング22a、25a側の取付穴より多数の取付穴を予め開けておくことにより、この取付穴の選択により送風機22、25のケーシング22a、25aの取付位置(吹出口22f、25fの吹出方向)を簡単に調整できる。
【0038】
また、多数個の送風機22、25を空気チャンバー20、21内に収納しているから、多数個の送風機22、25のモータ作動音、ファン風切り音等が外部へ伝播するのを空気チャンバー20、21により低減できる。
また、上記空気チャンバー20、21を備えることにより、吹出空気開口24、28の位置を比較的自由に設定できるため、吹出ダクト2、2、3の配置場所設定の自由度が増す。そのため、スペース的制約の大きい車両においても、冷却ユニット11の車両への搭載が容易となる。
【0039】
さらに、また、蒸発器13を通過した冷風をそのまま直進させて、多数個の送風機22、25に吸入させているから、この多数個の送風機22、25における吸入側圧力損失を著しく低減できる。
また、上方側の空気チャンバー20においては、図3に示すように、6個の送風機22を階段状に配置することより、各送風機22の吹出口22fから吹き出す空気が相互に衝突、干渉することがないので、各送風機22の吹出口22fからの吹出空気が円滑に流れ、より一層の騒音低減、圧力損失低減を図ることができる。
【0040】
また、下方側の空気チャンバー21においては、図5に示すように、6個の送風機25の吹出口25fすべてを、中央部の1つの吹出空気開口28に向けて方向づけているから、やはり、各送風機25の吹出口25fからの吹出空気が円滑に流れ、より一層の騒音低減、圧力損失低減を図ることができる。
なお、上述の実施例では、本発明をバス車両空調装置に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限定されることなく、空調用冷却ユニット一般に広く適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す空調ユニットの縦断面図である。
【図2】図1の空調ユニットの設置形態を示すバス車両後部の斜視図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1のB−B断面図である。
【図5】図1の送風機22、25部分における要部断面図である。
【図6】図1の空調ユニットの設置形態を示すバス車両全体の斜視図である。
【符号の説明】
1…空調ユニット、2、3…吹出ダクト、10…本体ケース、
11…冷却ユニット、12…凝縮ユニット、13…蒸発器、
16a、16b…対向壁板、17…隔壁板、18…上方側流路、
19…下方側流路、20、21…空気チャンバー、22、25…送風機、
23、26…空気開口。
Claims (6)
- 車両後部に配置される車両空調用冷却ユニットであって、
空気を冷却する冷却用熱交換器と、
この冷却用熱交換器の空気下流側に対向するように所定間隔を介して配置され、かつ空気流通用の空気開口を有する対向壁部材と、
この対向壁部材より空気下流側に区画形成された空気チャンバーと、
この空気チャンバー内に設置された送風機と、
前記空気チャンバーに接続されるとともに車両前後方向に延びるように配置され、この空気チャンバー内の空気を車両空調対象部位に導く吹出ダクトとを具備し、
前記冷却用熱交換器は車両幅方向に延びる横長形状であり、
前記空気チャンバーは車両幅方向に延びるように形成され、
前記空気チャンバーは車両幅方向に延びる形状であり、
前記送風機は前記空気チャンバー内にて車両幅方向に複数配置され、
前記複数の送風機は、前記空気開口の直後に配置され、前記空気開口から吸入した空気を送風する遠心式多翼ファンと、この遠心式多翼ファンを内蔵するケーシングと、このケーシングに設けられ、前記遠心式多翼ファンの送風空気を前記空気チャンバー内に吹き出す吹出口とを有することを特徴とする車両空調用冷却ユニット。 - 車両後部に配置される車両空調用冷却ユニットであって、
水平方向に空気が流れるように配置され、空気を冷却する冷却用熱交換器と、
この冷却用熱交換器の空気下流側を上方側流路と下方側流路とに分割する隔壁部材と、
この隔壁部材により分割された前記上方側流路において前記冷却用熱交換器と対向するように配置された第1の対向壁部材と、
前記隔壁部材により分割された前記下方側流路において前記冷却用熱交換器と対向するように配置された第2の対向壁部材と、
前記第1の対向壁部材に設けられた第1の空気開口と、
前記第2の対向壁部材に設けられた第2の空気開口と、
前記上方側流路において、前記第1の対向壁部材より空気下流側に区画形成された第1の空気チャンバーと、
前記下方側流路において、前記第2の対向壁部材より空気下流側に区画形成された第2の空気チャンバーと、
前記第1の空気チャンバー内に設置された第1の送風機と、
前記第2の空気チャンバー内に設置された第2の送風機と、
前記第1の空気チャンバーに接続されるとともに車両前後方向に延びるように配置され、この第1の空気チャンバー内の空気を第1の車両空調対象部位に導く第1の吹出ダクトと、
前記第2の空気チャンバーに接続されされるとともに車両前後方向に延びるように配置され、この第2の空気チャンバー内の空気を第2の車両空調対象部位に導く第2の吹出ダクトとを具備し、
前記冷却用熱交換器は車両幅方向に延びる横長形状であり、
前記第1の空気チャンバーおよび前記第2の空気チャンバーは車両幅方向に延びるように形成され、
前記第1の送風機は前記第1の空気チャンバー内にて車両幅方向に複数配置され、前記第2の送風機は前記第2の空気チャンバー内にて車両幅方向に複数配置され、
前記第1の送風機および前記第2の送風機は、それぞれ、前記第1、第2の空気開口の直後に配置され、前記第1、第2の空気開口から吸入した空気を送風する遠心式多翼ファンと、この遠心式多翼ファンを内蔵するケーシングと、このケーシングに設けられ、前記遠心式多翼ファンの送風空気を前記第1、第2の空気チャンバー内に吹き出す吹出口とを有することを特徴とする車両空調用冷却ユニット。 - 前記送風機が車両幅方向に少なくとも3個以上並列配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両空調用冷却ユニット。
- 前記少なくとも3個以上の送風機の吹出方向が、それぞれ階段状にずれるように、前記少なくとも3個以上の送風機が車両幅方向に階段状に並列配置されていることを特徴とする請求項3に記載の車両空調用冷却ユニット。
- 前記少なくとも3個以上の送風機が車両幅方向に直線状に配置され、
かつ前記吹出ダクトが前記少なくとも3個以上の送風機の車両幅方向中央部位に位置するように配設されており、
前記少なくとも3個以上の送風機から前記空気チャンバー内に空気を吹き出す前記吹出口が、前記吹出ダクトの方向に向くように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の車両空調用冷却ユニット。 - 請求項2に記載の車両空調用冷却ユニットを具備し、
前記第1の車両空調対象部位が2階建てバスにおける2階の車室であり、
前記第2の車両空調対象部位が2階建てバスにおける1階の車室であることを特徴とするバス車両用空調装置。
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