JP3603125B2 - パチンコ機のガラス枠 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、パチンコ機において遊技板の前面を被うガラスを装着するためのガラス枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機の遊技板の前面はガラスで被い球の飛び出しやゲームの不正行為を防止しているが、このガラスは通常金属製のガラス金枠と称せられる枠内に収められて前枠に取り付けられるものとなっている。従来この金枠はスチール製の帯板をプレス成形によって2条のガラス装着溝をもった枠材に形成し、この枠材を装着溝を内側にして矩形に折り曲げ枠本体を形成し、更にこの枠本体の前縁部に沿って額縁形をなす飾り前面枠を組付けて構成してあり、通常は上に向け開放する上記装着溝の端部からそれぞれガラスを落とし込むようにして装着するものとしている。
【0003】
この金枠は通常前枠の前面の一側縁に蝶着して開閉自由に取付けられ、前枠の開口部を閉塞して遊技板の前面を被うようにしてあり、このとき前記飾り前面枠を開口部の縁に添わせて間隙を密閉し不正行為が行われないようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
しかし、このスチール製金枠は上述したようにプレス成形によるためスプリングバックによって形状が戻り精度が出し難く、ことにガラスの装着溝の幅に不安定さがあり装着したガラスとの間に不要な間隙を生じる問題があった。またこの金枠は枠本体と飾り前面枠とを別体に成形してその後この両者を結合させ組み立てる構造に係るため製造性が悪く、しかも強度的にも不安定なものがあり防犯上問題があった。
【0005】
本発明は、この様な問題点に鑑みこれを改善する目的でなされたもので、ガラス枠の本体を形成する枠材をアルミの押出形材にしてこれに設けるガラスの装着溝を正確に形成して精度をもったガラス枠を形成すると共に、上記アルミの形材を矩形に折り曲げることで製造できる製造性に優れたパチンコ機のガラス枠を提供せんとするものである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
本発明は上述の目的に基づきなされたもので、その特徴とするところは前枠に対して開閉自由に蝶着される額縁形に形成してなる飾り枠体の背面に蝶着されるガラス枠にあって、該ガラス枠は突条を挟んで2条のガラス装着溝を並行に有する断面E字形に押出成形されるアルミ型材を素材とし、該型材を前記装着溝を内側にコ字形に屈曲して一側枠部を中心に並行する2つの側枠部を形成すると共に、上記並行する2側枠部の端部間に他側枠部を渡して矩形の枠本体を組み立て、その一方、前記2側枠部の端部において開放する前記装着溝の端部からそれぞれガラスの縁部を嵌入して2枚のガラスを間隔を置いて対面状に装着するようにしたパチンコ機のガラス枠を提供することにある。
【0007】
また本発明は、前記枠本体の屈曲するコーナー部には2条のガラス装着溝の底部を長さ方向に沿って切り欠いて突出し穴を形成し、装着されるガラスの隅部を外に向けて抜き出すようにしてなることを特徴としたパチンコ機のガラス枠を提供することにある。
【0008】
また本発明は、前記枠本体のコーナー部には外側面に帯状金属板を直角状に曲成し且つその一片に軸受片を一体に有する枢着片を止着し前記突出し穴から外に突出するガラスの隅部を被ってなることを特徴としたパチンコ機のガラス枠を提供することにある。
【0009】
【作 用】
本発明によれば、上述の構成によって明らかなようにガラス枠本体を形成する枠材を突条を挟んで並行する2条のガラス装着溝を有する断面E字形をなすアルミの押出型材としたことから容易に精度の高い枠体を得ることができ、またこの型材の屈曲により枠本体を容易に成形することができることになる。
次に、本発明の特徴とするところを図面に示す実施例に従って詳細に説明することにする。
【0010】
【実施例】
図1は本発明に係るガラス枠を装着したパチンコ機のガラスを取り外した状態の斜視図であり、図2は機枠から外した前枠の正面図で、図3は前枠に組付ける諸種の部材を外した状態を示す分解斜視図である。図面において1aはパチンコ機の機枠であり、1bは前枠である。
前枠1bは上下の枠部分2,3と左右の枠部分4,5によって縦長矩形の額縁形に形成してあり、各枠部分を平板にすることによって全体を扁平に形成してある。この前枠は合成樹脂を素材に一体成形してあり、左枠部分4側の上端と下端には前記機枠1aに開閉自由に蝶着するための上下の蝶着片6,7を止め付ける金属製の当板8,9が取付き、また開口部10に臨む右枠部分5の内側縁には後述する飾り枠体を施錠する錠装置11を止め付ける金属製当板12,13が取付けてある。
【0011】
この前枠1bは前記機枠の前面を被う大きさに形成し、下枠部分3の前面は後述する下皿基板14を止着する取付部として平滑な面に形成してあり、その中央部には賞球の出口となる窓15を開設し、左右及び中央部の適所には下皿基板14の背面から突出する鉤形の係止爪を掛け止める係止孔16を設けている。
【0012】
開口部10は後述する遊技板の前面を覗かせると共に打球発射装置の前面を覗かせるもので、この開口部には飾り枠体17と上皿基板18が組付けられる。
左枠部分4には上下の端部に設けられる蝶着片6,7の中間に位置するように中間の蝶着片19が設けてある。この蝶着片19と上蝶着片6に飾り枠体17の左側縁の上下両縁を枢着し、これを開閉自由に蝶着する。その一方上記中間蝶着片19とこの蝶着片と向い合う下皿基板14の上端部の間に上皿基板18の左側縁部を収め、その上下両端を各枢着して同じく開閉自由に蝶着し、この両者を揃えて閉じることによって開口部10を塞ぐことができるようにしてある。
【0013】
上記飾り枠体17は図10に示したように蝶着側一側縁の上端部にバネによって上方に突出するように付勢される枢着軸20を備え、この枢着軸20を上蝶着片6に設ける軸受孔に嵌合することによって、また下端部に下向きに突出する軸21を中間蝶着片19の軸受孔に嵌合させることによって蝶着するようにしてある。他方、上皿基板18は蝶着側下端部に設ける下向きの軸22を下皿基板14の一側縁上端部に設ける軸受孔23に嵌合させ、上端部に設ける軸受孔24に前記飾り枠体17の軸21を嵌合させることによって蝶着するようにしてある。
【0014】
上記上皿基板18は軸22を引き上げ軸受孔23から抜き取ることによって蝶着を解除することができ、前枠1bから取り外すことができるものとなっている(これについては後記詳述する。)。また飾り枠体17はバネに抗して軸20を引き下げ上蝶着片6から外したのち、枠体17を持ち上げて軸21を中間蝶着片19から外すことによって前枠1から取り外せるものとなっている。勿論、飾り枠体17、上皿基板18の両者は上述した取り外しの逆の作業によって前枠1bに組付けることができる。
【0015】
飾り枠体17は合成樹脂を材料に額縁形に形成してあり、閉じたとき前枠1bの略上半部の全面を被い隠せる大きさに形成してある。ここに示す飾り枠体は上縁部17aと左右の縁部17b,17cを前方に膨出させて立体化し、背面に中空部25を形成してランプのリード線の配線空間を設けている。上記各縁部の前面には着色した半透明のレンズカバー26,27,28を装着して各縁部に形成する透孔29を通して前方に向け臨む表示乃至照明用ランプを被うようにしてある。
【0016】
上記レンズカバー26,27,28はそれぞれの縁部17a,17b,17cの前面に形成する縁取りした装着部30に嵌め付けるようにして取付けるようにしてあり、それぞれのカバーの縁から後方に向け突出する爪31を上記装着部30の縁に沿って設ける切欠き係止部32に弾性を利用して係入し取付けるようにしてある。尚、ここでは左右のカバー27,28を装着したのち上部のカバー26を装着して三者の端部を継ぎ合せて飾り枠体17の前面を門形に飾るようにしてある。
【0017】
図中、33は上記飾り枠体17の背面から開口部34を塞ぐ本発明に係るガラス枠である。このガラス枠33は2枚のガラス35,35を間隔をおいて対面状に装着するもので、一側縁を飾り枠体の左縁部17bの背面に蝶着して開閉自由に取付けられる。
【0018】
ここに示したガラス枠33は防犯効果を高めると共に装着時のガタ付きを防止するためアルミの押出型材を素材に形成して精度を高めてある。ここに使用される型材は図16に示したように中央部に中心部分に沿って円形の貫通穴を設ける突条36を長さ方向に沿って隆設し、この突条を挟んで2条のガラス装着溝37,37を設けてあり、実質的に断面E字型をなすように形成してある。この型材を長さの途中において図示するようにコ字形に屈曲させて一側枠たる左縦枠33aと上下の側枠たる横枠33b,33cを形成し、更にこの両横枠33b,33cの自由端間に別の断面コ字型をなすアルミの型材の側枠たる右縦枠33dを渡して矩形の枠体に組み立てて構成してある。
【0019】
上記右縦枠33dは図14,15に示すようにコ字形に屈曲する型材の突条36の幅員に合わせた細身の型材であり、上下の横枠33b,33cの端部に臨む突条36,36間に両端を渡してビス(図示せず)を前記円穴に揉み込むことによって連結し矩形に組立てあり、またこの右縦枠33dの連結によって上下の横枠のガラス装着溝37,37の端部を開放し(図15参照)、ここからガラス35の挿入が行えるようにしてある。
【0020】
ところで、ガラス枠33を構成する型材は前述した様に一側枠たる左縦枠33aを中心にしてその両端を直角に折り曲げることによって上下の側枠たる横枠33b,33cを形成するものとしているが、この折曲げによって形成されるコーナー部38,38は直角とはならず弧状を呈することになる。このため矩形に切り出すガラス35を前記装着溝37の端部から差し入れ装着すると、直角をなすガラスの隅部が弧状をなす上記コーナー部38に収まらず、その結果左縦枠33aとガラス35の側縁との間に隙間が出来ることになる。
【0021】
上記の問題はガラス35の隅部をコーナー部38に合わせて弧状に隅取りすれば解決されるが、ガラスにこの様な前加工を施すことはコスト高になると同時に、ガラスの一側縁上下両隅部にのみ加工することになることからガラス35のはめ込みに方向性が生じ、取扱い上不便になる。
そこで本発明では両コーナー部38,38に当たるガラス装着溝37,37の底部を弧状をなす部分において長さ方向に添って切除し、長孔状の突出し穴39、39を開設してガラスの隅部が抜き出るようにし、矩形に形成されるガラス35の隅部がガラス枠の弧状のコーナー部38に対してぴったり正確に収まるようにしてある。
【0022】
図中、40はガラス枠内に嵌め入れたガラス35のガタ付きを止めるため上下の横枠33b,33cに取付けたガタ止めである。このガタ止め40は弾性を有した合成樹脂を素材に成形してあり、図示するように断面コ字形をなす取付部40aとこの取付部40aの両端部から延設する二股のバネ片40bからなっており、取付部40aを各横枠の突条36に被せるように嵌め付け、これに突設する突起40cを突条36に設ける穴41に圧入することで取付き、各バネ片40bをそれぞれの装着溝37内に長さ方向に沿って嵌め入れるようにしてある。
【0023】
図19及び図20は上記ガタ止め40の装着と、このガタ止めによるガラス35のガタ付き防止の実際を下横枠33cにおいて示したものである。ガラス装着溝37の端部から挿入されるガラス35は横枠の途中に取付けられるガタ止め40に達したところで、溝37に横たわるバネ片40bを押し潰して侵入し、左縦枠33aの装着溝37に一側縁を嵌め入れるまでスライドさせて装着される。
【0024】
2枚のガラス35は同様にしてそれぞれの装着溝37に差し入れられ、それぞれのガタ止め40のバネ片40bを押し潰し、その反発力で溝の側壁に押圧されガタ止めされることになり、且つ間隔を保つことになる。このガタ止め40は上横枠33bにも相対向するように装着され、上下においてガタ止めすることになる。
【0025】
ところでこのガタ止め40の装着のため、この実施例ではガラス枠の各装着溝37の幅をガラス35の板厚より広幅に形成してあり、ガラス35と共にバネ片40bが収まるようにしてある。またこの幅の拡張によってガラス35の嵌め付けが楽に行えるようにしてある。そして、またガラス35を内外方向から押圧した場合、その力をバネ片40bが吸収してくれるようにしてある。
特に上記バネ片40bによる押圧の吸収はこのガラス枠33を前記飾り枠体17に閉じ合わせたとき、開口部34の後方に向って突き出す縁34aを前方のガラス35の前面に当接させ密着させることができると共に、この閉じあわせに当たって双方の位置関係に誤差がある場合これを吸収することができ有効に作用させることができる。
【0026】
尚、上記ガタ止め40は当該実施例において取付部40aの両端にバネ片40bを一対宛備えた例につき説明したが、一端側のバネ片40bのみであっても、また両端から派生する2つのバネ片の一方を省略して2条の装着溝37に1つづつのバネ片が介入するようにしても実施できることは言うまでもない。
このガタ止め40は前述したようにガラス枠に嵌め込まれるガラス35の板厚と装着溝37の溝巾の差から生ずるガタ付きを防止するための外、ガラス枠を飾り枠体17に閉じ合わせたとき両者間の閉じ合わせの誤差から生ずるガタ付きを防止するためにあることから、その取付位置、個数或いはバネ片の数等の選択は実施に当たって設計者に委ねられる。
【0027】
図中、符号42,43はガラス枠33を飾り枠体17に蝶着するための枢着片である。この枢着片は帯状の金属片をクランク状に屈曲させ形成したもので、ガラス枠33のコーナー部38の外側に添わせてリベット等を使って一体に止め付けられる。この枢着片の取付けによりコーナー部38の突出し穴39から外に突出するガラス35の隅部が被われることになり取扱い時の危険が回避されることになる(図17参照)。
【0028】
上記ガラス枠33は飾り枠体17の左縁部17bの背面の上下に備えられる枢着軸44,45に上記枢着片42,43の軸受片42a,43aを各枢着させることによって開閉自由に取付き、自由端側の右縦枠33dに設けるピン46を係止爪47に係合させることによって閉塞状態に保持される。
【0029】
係止爪47は右縁部17cの背面に立設する取付台48にビス49で止め付け立ち上げてあり、ガラス枠33の閉塞によって上方(実際には後方水平方向)から近付いてくるピン46を爪50の頭部に受けてその傾斜面に透導して一旦撓ませたのち掛け止めるられる。
図中、51はこのガラス枠の閉塞に際してピン46を係止爪47に真直に衝合させ係合するよう誘導するためのガイドであり、飾り枠体の右縁部17cの背面部から壁状に立設し、縦に切込むスリット52にピン46を滑合させ係止爪47に誘導できるようにしてある。尚、図中、53は上記係止爪47を位置決め固定する突起である。
【0030】
ガラス枠33を背面に備えた飾り枠体17は前述したように枢着軸20,21を支点に前枠1bの前面に接面するように閉じ合され、自由端側となる右縁部17cの背面に備える係止爪(図示せず)を施錠装置11に掛け止め施錠される。そして、このとき前枠1の右枠部5の前面中央部に備える鍵穴飾り54を右縁部17cに設ける切欠き部55に受け入れ両者の衝突を避けるようにしてある。
【0031】
鍵穴飾り54は前枠1bを機枠1aに施錠して任意に開放しないようにするシリンダ錠56を前枠1bに取付けるための取付部材である。この鍵穴飾りは前方からシリンダ錠の鍵穴に鍵を差し入れ開錠したとき、この鍵を差し入れたまゝ飾り枠体17を自由に開閉操作できるよう鍵の操作摘みの幅より広幅に形成してあり、また切欠き部55はこの鍵穴飾り54を受け入れると同時に両者の間に不要の間隙が生じない大きさに形成してある。
【0032】
上記鍵穴飾り54は飾り枠体17を閉じ合せたとき一体感を出すため前面にはカバー28に調子を揃えたレンズカバー57が装着してある。図中58はシリンダ錠56の回転片であり、機枠1aに掛け止められる係止フック59を解錠操作時に作動させることになる。
【0033】
一方、前記上皿基板18は前述したように軸22を下皿基板14の軸受孔23に軸着し、左側上端部の軸受孔24に中間蝶着片19に枢着した軸21を嵌入させることによって蝶着され開閉自由に前枠1bに組付けられるが、この基板は前記飾り枠体17に合せて合成樹脂を素材に成形し、上部前面の中央部に賞球装置から放出される賞球を受ける受皿60を一体に設け、基板背面の適所には打球供給樋61や、放出賞球を賞球樋から受け取る連絡樋62を装備する裏基板(図示せず)を止め付けるためのビス受け63が設けてある。そして、蝶着端側の背面には軸22を支持し、また軸受孔24を補強する金属製補強材64が、そして自由端側の背面には係止部材65がそれぞれ取付けてある。
【0034】
補強材64は帯状の金属板の両端を直角に折り曲げ、一方を軸受孔24の補強片66とし、他方を軸22の支持片67とするもので、上記補強片66には軸受孔24に対応した位置に透孔68を設け、支持片67には軸22を受け入れる挿通孔を設けてある。
軸22は金属丸棒をL字形に折り曲げ形成したもので、一方の軸を摘みとして補強材に縦に開設するスリット69に滑合させて上記支持片67の挿通孔に通した他方の軸をこの摘みにより上下に操作できるようにしてある。
【0035】
この軸22の上下の移動は上皿基板18の装着に便ならしめるためのもので、前述したように中間蝶着片19に通した軸21を軸受孔24、透孔68に挿通したのち、軸22を引き上げて下皿基板14の軸受孔23の直上に臨ませ、その後スリット69に滑合する軸部(摘み)を操作して引き下げ軸受孔23に突入させることによって上皿基板18の組付けが行えるようにしてある。
【0036】
一方、係止部材65は取付片70とスライド係止片71からなっており、取付片70を介して基板の自由端側背面に設けられる取付部72に装着される。
スライド係止片71はこの片に設ける爪73と取付片70に設ける爪74との間に縮設するバネ(図示せず)によって常時上方に付勢され、前記軸21,22を支点に上皿基板18を回動し閉塞したとき、このスライド係止片71から後方に向けて突設する係止爪75を前枠1の右枠部5に設ける係止部76に上記バネに抗して掛け止められるようにしてある。
【0037】
上記係止部76は金属板を打抜き形成したものであり、係止爪75はこの係止部76に開設する穴77に突入し掛け止められることになる。そして、係止部材65は上皿基板の自由端側上端に頭を出すスライド係止片71の上端78を押圧することによって係止爪75の係合を解き上皿基板の開放を許すことになる。
【0038】
上皿基板18の前面に設けられる受皿60の前面には飾り枠体17の左縁部17bの前面に沿って縦長に配置されるレンズカバー27に揃えてこれに連続するように横長の飾りレンズカバー79が配設される。また、前面右側縁には同じくレンズカバー28の下端に接続するように飾りレンズカバー80を配設し、この上皿基板18と飾り枠体17とが一つの統一した意匠の中にあるように揃えてある。
【0039】
下皿基板14は前枠1bの下枠部3の前面に固定されるが、上皿基板と同様に合成樹脂を材料に成形されるもので、前面には受皿81と灰皿82の取付部83と打球発射用の操作グリップ84を装置する装着部85が一体に備えられ、上記受皿81の前面にはレンズカバー80に続く飾りのレンズカバー86を装着して上皿基板と一体となる意匠が施してある。
【0040】
図中、87は前枠1bの背面に取付けられる機構枠体である。この機構枠体87は金属板で浅い箱形に形成してあり、内部下方には上下に仕切るように遊技板88の受台89が設けてあり、その前面部には打球発射装置90aと発射レール90bが備えられる。この機構枠体の背面上部には賞球タンク91が取付けられ、窓92を開設した背板93の背面には賞球装置、賞球放出樋、セーフ球集合室、セーフ球通路等の機構装置、部品類が設備され、更にこれら部品類を被うカバー94が取付けられると共に、機構枠体の下方には賞球箱95が取付けられ、前記下皿基板14の背後から受皿81に賞球を送り出せるようにしてある。
【0041】
遊技板88は前枠1bの開口部10を塞ぐ飾り枠体17、上皿基板18を開放して前方から機構枠体内部に持込み、機構枠体に備える止めクリップ(図示せず)で遊技板の周縁部を固定し着脱自由に取付けられ、常には閉塞される飾り枠体17の開口部34に装着されるガラス枠33を通して前方から覗けるものとなっている。
【0042】
ところで、前記飾り枠体17及び上皿基板18は使用時塞閉状態におかれ、前枠1bの開口部10を閉ざすことになるが、両者の召し合せ部分を通しておこなはれる遊技板に対する不正行為を防止するため、前枠1bの前面外周縁には縁に沿って段部96を設け、また飾り枠体17と上皿基板18の周縁部には上記段部96に嵌り付く後向きの縁部97,98が設けてある。
【0043】
飾り枠体17と上皿基板18の横幅を前枠1bの横幅に揃えてその前面を被う大きさに形成してあるのは理由の一つに両者の召し合わせ部分を前枠1bの開口部10から離して不正行為を防止することにあるが、更にここでは段部96と縁部97,98の噛み合せを加えることによってその効果を高めるものにしてある。
【0044】
本発明における不正行為の防止策について更に説明すると、前枠の右枠部5の前面に取付けられる鍵穴飾り54とこれに臨む飾り枠体17の右縁部17cに設けられる切欠き部55との間にも同じく噛み合せ関係が形成されている。即ち、図8に示す如く鍵穴飾り54には内側の縁99を断面コ字形に形成して前方に開放する溝形に形成し、この縁に切欠き部55の後向きの縁100を嵌め入れて両者の召し合せ部分からのピアノ線等の不正部材の侵入が阻止できるようにしてある。
【0045】
また、飾り枠体17と上皿基板18とが向い合う縁部には図5及び図7に示したように上皿基板の上縁101を断面コ字形にして前方に開放する溝を設け、他方飾り枠体17の下縁部17dは後向きの縁102にして両者を閉じ合せたとき噛み合って前後方向に真直な空隙が出来ないようにしてある。
【0046】
本発明を図面に従って説明したが、前述した各部は組立製造する前に、各独立のものとして構成され、機枠については矩形の枠体として、また前枠1bは扁平な額縁形に、飾り枠体17、上皿基板18及び下皿基板14はそれぞれ合成樹脂を素材に個別に形成し、機構枠体87については金属板により別体に形成することになる。
【0047】
この個別に形成される各部につき、機枠1aについては前枠1bを蝶着する蝶着片103を予め取付け、前枠1bには同じく機枠1aの蝶着片に対応させて上下の蝶着片6,7と中間蝶着片19及び施錠装置11を予め取付けてそれぞれ基本構成体として準備しておかれる。
【0048】
その一方、飾り枠体17は前面を飾るレンズカバー26,27,28を装着しておくと共に表示若しくは照明のランプを装着し、上皿基板及び下皿基板についても同様にレンズカバー79,86を装着しておくことになる。
機構枠体87は貯留タンク91を始めとして諸種の機構部品類を装着し、前面には発射装置90a、発射レール90b等を組付けておくことになる。
【0049】
この様に各部材を個別に、しかもそれぞれ予め定められた部品類を装着した部材は独立した状態で保管、管理され、製造の最終組立の段階で集められ、前述した組合せ関係において結合組立て完成される。この組立時には相互の組立調整と電気関係並びに入賞に伴う賞球の放出等の諸調整、検査が行われる。
【0050】
尚、飾り枠体17、上皿基板18、下皿基板14は組立完成時にパチンコ機の前面に現れ、パチンコ機のデザインを決定することから前枠1bとの組立に先立って三者の取り合せが決定され、この段階でパチンコ機そのもののデザインが確定することになる。このことから前枠1bと機構枠体87を同一にして飾り枠体17、上皿下皿の基板14,18の取り合わせを変えることによってデザインを違えた複数種のパチンコ機を製造することができることになる。勿論、パチンコ機は遊技板88の選択によって、またこの遊技板に組込まれる入賞装置に関連するゲームソフトの変更によって機種が変化し、異なるパチンコ機として組立られることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】
以上本発明を図示する実施例につき説明したが、本発明によればガラス枠本体をアルミの押出型材によって構成したことからガラスの装着溝をガラスの板厚に合わせた幅に成形することができ、従って精度の高いガラス枠を提供出来ると共に、上記型材の屈曲によって枠体を構成できることから製造性に優れ安定した製品を容易に提供できる利点がある。
また本発明は上記型材の屈曲によって成形される枠本体において弧状をなすコーナー部のガラス装着溝の底部に突出し穴を開設してガラスの隅部を逃がす構成としたことから矩形のガラスをそのまま装着することができ、不要な加工を省略できるため極めて有利である。
しかも、本発明では上記突出し穴をガラス枠の枢着片によりカバーしガラスの鋭角的な隅部を隠すことから危険を未然に防止することができ安全に使用できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス並びに遊技板を取り除いた状態の本発明にかかるパチンコ機の斜面図。
【図2】前枠の正面図。
【図3】前枠に組付けられる諸種の部材を外した状態を示す分解斜視図。
【図4】前枠本体の正面図。
【図5】図2のA−A線拡大断面図。
【図6】図5のイの円で囲んだ部分の拡大断面図。
【図7】図5のロの円で囲んだ部分の拡大断面図。
【図8】図2のB−B線拡大断面図。
【図9】図2のC−C線拡大断面図。
【図10】飾り枠体の背面図。
【図11】飾り枠体の分解斜視図。
【図12】飾り枠体からガラス枠を外した状態の背面側から見た斜視図。
【図13】一部欠截したガラス枠の拡大背面図。
【図14】一部欠截したガラス枠の拡大平面図。
【図15】一部欠截したガラス枠の拡大右側面図。
【図16】ガラス枠を構成する型材の拡大断面図。
【図17】ガラス枠の一部断面としたコーナー部を中心とした部分拡大背面図。
【図18】ガラス枠の部分の分解拡大斜視図。
【図19】ガタ止めを装着したガラス枠の部分拡大平面図。
【図20】ガタ止めとガラスとの関係を示すガラス枠の部分拡大平面図。
【図21】ガラス枠の閉塞状態におけるピンと係止片との関係を示す拡大背面図。
【図22】図20のD−D線断面図。
【図23】上皿基板の分解拡大斜視図。
【図24】上皿基板の平面図である。
【符号の説明】
1a 機枠
1b 前枠
2 前枠の上枠部分
3 前枠の下枠部分
4 前枠の左枠部分
5 前枠の右枠部分
6 上の蝶着片
7 下の蝶着片
10 前枠の開口部
14 下皿基板
17 飾り枠体
18 上皿基板
19 中間の蝶着片
33 ガラス枠
33a ガラス枠の左縦枠
33b,33c ガラス枠の上、下の横枠
33d ガラス枠の右縦枠
35 ガラス
36 突条
37 ガラス装着溝
38 ガラス枠のコーナー部
39 突出し穴
40 ガタ止め
42,43 枢着片
44,45 枢着軸

Claims (1)

  1. 突条を挟んで2条のガラス装着溝を並行に有する断面E字形をなすアルミの押出型材を前記ガラス装着溝を内側にしてコ字形に屈曲し、一側枠部を中心にその両端部から並行する2側枠部を形成し、更に前記並行する2側枠部の端部間に他側枠部を渡して矩形の枠本体を組み立てる一方、前記並行する2側枠部の各端部において開放する前記ガラス装着溝の端部から前後2枚のガラスの縁部をそれぞれ嵌入して該2枚のガラスを前後間隔を置いて対面状に装着してなるパチンコ機のガラス枠において、
    前記枠本体のコ字形に屈曲するコーナー部には前記2条のガラス装着溝の底部に長さ方向に沿って切り欠く突出し穴を形成し、該ガラス装着溝に装着される前記ガラスの隅部を前記突出し穴を通して外に抜き出すと共に、前記コーナー部の外側面には帯状金属板をクランク状に曲成し、その一片に軸受片を一体に設けてなる枢着片を止着して前記突出し穴から外に突出す前記ガラスの隅部を被うようにしてなることを特徴としたパチンコ機のガラス枠。
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