JP3602641B2 - 飛翔害虫誘引捕殺具及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は飛翔害虫を誘引して効果的に捕殺することが出来る害虫捕殺具に係り、特に全面に粘着剤が塗着された捕殺粘着シートを現場で簡単かつ容易に取り扱うことが出来る飛翔害虫誘引捕殺具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の飛翔害虫を誘引捕殺粘着シートで捕殺するためには、例えば図12(A)に示すような木で作ったT形台51或いは同図(B)に示すようなプラカード台52の巾広平板51a,52aの表面に、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート53を平らに貼着すると共に、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート53の粘着面53aが外部に露出するように構成していた。また、この種のT形台51或いはプラカード台52を使用しない場合には、図12(C)に示すように、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート53を二つ折りし、その折曲部に紐54を通して飛翔害虫誘引捕殺粘着シート53を吊下げ、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート53の粘着面53aが夫々両側外面に露出するように構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、前述の飛翔害虫誘引捕殺粘着シート53には、その粘着面53aの表面に予め離形紙(図示せず)が貼着されているが、この離形紙を一旦剥離すると、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート53の片面全面には極めて強力な粘着力を有する粘着剤が塗着されているので、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート53を所定の寸法に切断し、かつ離形紙を剥離しながら、これを前述のT形台51、プラカード台52の巾広平板51a,52aの表面に平らに貼着したり、或いは二つ折りしてその折曲部に紐54を通して吊下げしようとすると、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート53の粘着面53aの粘着剤が手等の人体や衣服に付着し易く、その後の加工が極めて困難になる問題があった。
【0004】
本発明に係る飛翔害虫誘引捕殺具及びその製造方法は、前述の従来の問題点に鑑み開発された全く新しい技術であって、特に台紙と、離形紙が粘着面に貼着された飛翔害虫誘引捕殺粘着シートとを組合せ、該飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの両側縁の離形紙を切除することによって貼着面を所定の巾に露出し、かつこの露出された両側の貼着面を台紙の内面に夫々貼着し、かつ飛翔害虫誘引捕殺粘着シート全体を粘着面が外面に配設されるように構成した飛翔害虫誘引捕殺具及びその製造方法に関するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る飛翔害虫誘引捕殺具は、前述の従来の問題点を根本的に改善した技術であって、その第1発明の要旨は、飛翔害虫誘引捕殺粘着シートと台紙とより構成される害虫誘引捕殺具に於いて、該飛翔害虫誘引捕殺粘着シートは全体が湾曲されると共に、その外面側に粘着面が配設され、かつ飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの両側縁の粘着面が二つ折りされた台紙の内面に夫々貼着されており、更に飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの前記両側縁を除く他の粘着面全面に離形紙が貼着されていることを特徴とした飛翔害虫誘引捕殺具である。
【0006】
また、本発明に係る飛翔外周誘引捕殺具の第2発明の要旨は、帯状の飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの両端部に夫々台紙が取り付けられており、かつ該台紙にポールの頭部或は吊下紐を挿通することが出来る切込が穿設されていることを特徴とした第1発明の飛翔害虫誘引捕殺具である。更に、第3発明の要旨は、前記台紙に切込みが設けられており、かつ土中に下端を差込んで起立し得るポールの頭部或いは吊下紐が該切込みに嵌入係止されて構成されていることを特徴とした第1発明或は第2発明の飛翔害虫誘引捕殺具である。
【0007】
本発明に係る飛翔害虫誘引捕殺具の製造方法の第1発明の要旨は、粘着面全面に離形紙が貼着された飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの両側縁の該離形紙を所定の巾で切除し、かつ粘着面が外面に配設されるように飛翔害虫誘引捕殺粘着シート全体を湾曲させ、更に二つ折りされた台紙の内面に前記飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの両側縁の粘着面を夫々当接貼着して製造することを特徴とした飛翔害虫誘引捕殺具の製造方法である。
【0008】
更に本発明に係る飛翔害虫誘引捕殺具の製造方法の第2発明の要旨は、粘着面全面に離形紙が貼着された連続飛翔害虫誘引捕殺粘着シートを所定の寸法に切断する際に、その切断線と平行に離形紙のみに切目線を穿設し、該切目線を用いて飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの側縁の離形紙を所定の巾で切除することを特徴とした第1発明の飛翔害虫誘引捕殺具の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る飛翔害虫誘引捕殺具及びその製造方法の具体的実施例を説明すると、図1は本発明に係る飛翔害虫誘引捕殺具の使用状態を示す説明図、図2(A),(B),(C)は夫々図1の飛翔害虫誘引捕殺具の構成部品を示す説明図、図3は飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの構成及び加工状態を示す斜視説明図、図4は飛翔害虫誘引捕殺粘着シートを台紙の一部に取付け始めた状態の説明図、図5は台紙に飛翔害虫誘引捕殺粘着シートを完全に取付けた状態の説明図、図6は飛翔害虫誘引捕殺具に支持具の頭部を取付ける状態の説明図、図7は離形紙を剥離する状態の説明図、図8は他の第1例の使用説明図、図9は他の第2例の使用説明図、図10(A),(B)は夫々他例の飛翔害虫誘引捕殺具の使用説明図、図11(A),(B)も夫々他例の飛翔害虫誘引捕殺具の使用説明図である。
【0010】
図1乃至図7に於いて、1は台紙であって、その中央部に折曲線2が設けられて二つ折りし得るように構成されている。この台紙1の中央部両側には、折曲線2を中心にして対称的な所定の切込3と小孔4とが夫々穿設されている。この切込み3によって形成される折曲フラップ5は、後述のポール或いは吊下紐を切込3に挿入した際に、これ等のポール或いは吊下紐を挟持固定し得るように構成されている。Pはポールであって、一般的には野菜等を育成する際に土中にその下端を差込んで使用されるプラスチック製の棒であり、農業用に農家で広く利用されるものである。
【0011】
9は飛翔害虫誘引捕殺粘着シートであって、プラスチックシートの片面全面に強力な粘着力を有する害虫誘引粘着剤10が塗着されており、かつその塗着面全面に離形紙11が簡単に剥離し得る如く、貼着積層されている。この飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9はエンドレス状の長さを有し、ロール状に巻取られている。従って、使用する際には図3に示す如く、必要な長さに切断して使用し得るように構成されている。
【0012】
本発明に係る飛翔害虫誘引捕殺具の製造に当たっては、先ず図3に示す如く、ロール状に巻き取られた飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9を所定の長さに切断し、かつ切断された飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9の両端縁の端縁離形紙11aを切目線12で切断することによって所定の巾で切除し、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9の両端縁の片面に害虫誘引粘着剤10を露出する。
【0013】
このようにロール状に巻き取られた飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9を切断したり、またこのように切断される切断線個所の側部の離形紙11のみに切目線12を穿設し、離形紙11の側部をこの切目線12を利用して所定の巾で切断したりするのに当たっては、この目的の為に作られた2枚の刃を持った特殊なカッター(図示せず)を使用するとによって、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9の切断と同時に、離形紙11のみに切目線12を穿設することが出来、極めて簡単に実施することが出来る。
【0014】
次に、図4に示す如く、二つ折りされた台紙1の片側縁の内面に、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9の一方の側縁に露出された粘着面を当接して、この側縁を台紙1に貼着する。続いて、図5に示す如く、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9を湾曲させながら、その他方の側縁に露出された粘着面を台紙1の他の片側縁の内面に貼着させて本発明に係る飛翔害虫誘引捕殺具を完成せしめることが出来る。
【0015】
このように構成された飛翔害虫誘引捕殺具の使用に当たっては、図6、図7及び図1に示す如く、折曲線2に於いて二つ折りされた台紙1の切込3の中にポールPの頭部を挿入し、このポールPを切込3によって形成される折曲フラップ5で挟持することによって、ポールPを台紙1に取付固定し、この状態でポールPの下端を温室の土中に差し込んで起立させる。更に飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9の中央部のほぼ全面を被っていた離形紙11を剥離することによって、湾曲された飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9の外面全面に害虫誘引捕殺剤10が塗着された飛翔害虫誘引捕殺具を構成し、害虫の捕殺具として使用することが出来る。
【0016】
上記実施例に於いては、ポールPを使用して飛翔害虫誘引捕殺具を温室の土中に起立したが、次に詳述する図8に示すような支持具6を使用すると共に、前記台紙1に該支持具6の頭部6aを簡単に取付けることが出来る切込3等の加工を施すことによって、両者を組合わせることによっても実施するとが出来る。
【0017】
即ち、6は支持具であって、その中央部には折曲線7が設けられて二つ折りし得るように構成されている。かつ支持具6の頭部6aは、巾広に形成され、前記二つ折りされた台紙1の外側に当接されると共に、その両側部を台紙1の切込3に嵌入係止し得る如く頂縁両側には突起8が突設されている。支持具6の下端6bは先細状に形成され、例えばこの下端6bを土の中に差込むことが出来るように構成されている。
【0018】
このような支持具6を前記ポールPの代わりに使用するに当たっては、図8に示す如く、台紙1の背面を二つ折りされた支持具6の頭部6aで挟持し、該頭部6aの両側縁及び突起8を台紙1の切込み3に強制的に嵌入することによって、折曲フラップ5で挟持して台紙1の背部に支持具6の頭部6aを一体的に係合することが出来る。この状態で支持具6の下端6bを温室内の現場の土中に差し込んで起立させて使用することが出来る。
【0019】
上記実施に於いては、飛翔害虫誘引捕殺具を現場の土中に起立させて使用する状態について説明したが、例えば図9に示す如く、現場の中空に張り渡されたワイヤー等の吊紐13を利用して、この吊紐12に飛翔害虫誘引捕殺具を吊下げて使用することが出来る。即ち、図9に示す如く、台紙1に設けられた切込3の中にワイヤー等の吊紐13を挿通し、切込3によって形成される折曲フラップ5で吊紐13を挟持し、これによって台紙1を吊紐13に掛け止めし、飛翔害虫誘引捕殺具の全体を吊紐13より吊下げることによって使用することが出来る。
【0020】
上述の構造を有する飛翔害虫誘引捕殺具は、前述のような製造方法の工程を全て現場で実施することによっても、簡単に製造することが出来るが、予め飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9の粘着面に積層貼着された離形紙11の端縁に切目線12を予め設けておくことによって、より現場の作業を容易にすることが出来る。更に飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9が既に台紙1に取付けられており、かつ飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9のほぼ全面が簡単に剥離し得る離形紙11で被覆されて構成された飛翔害虫誘引捕殺具も使用することが出来る。この場合には、単に飛翔害虫誘引捕殺具を現場で土中に起立したり、或いは吊紐13に吊下げることのみによって簡単に使用することが出来る。
【0021】
上記実施例に於いては、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9を湾曲させて使用したが、図10(A),(B)或いは図11(A),(B)に示すように、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9を左右に帯状に開いた状態で使用することも可能である。
【0022】
即ち、図10(A),(B)、或いは図11(A),(B)の場合には、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9を左右方向に帯状に開き、かつこの飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9の両端部に台紙1を夫々別々に取り付け、両側にある台紙1の切込3に吊紐13を挿通することによって、飛翔害虫誘引捕殺粘着シート9を吊紐13に取り付けた構造である。台紙1の切込3に吊紐13を挿通する手段は、これ等の図に明らかな如く、台紙1に穿設する切込3の形状を変えることによって種々の形状のものが実施出来る。
【0023】
【発明の効果】
本発明に係る飛翔害虫誘引捕殺具及びその製造方法は、上述の構成と作用とを有するので、次のような多大な効果を有している。
【0024】
(1)本発明の飛翔害虫誘引捕殺具の使用に当たっては、特殊なT形台、プラカード台等の高価な装置が全く不要である。(2)現場での作業中に飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの粘着面が人体や衣服に付着する心配がない。(3)現場での作業を極めて簡単に実施することが出来る。(4)全体の構造が簡単で安価に大量生産することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る飛翔害虫誘引捕殺具の使用状態を示す説明図である。
【図2】図2(A),(B),(C)は夫々図1の飛翔害虫誘引捕殺具の構成部品を示す説明図である。
【図3】飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの構成及び加工状態を示す斜視説明図である。
【図4】飛翔害虫誘引捕殺粘着シートを台紙の一部に取付け始めた状態の説明図である。
【図5】台紙に飛翔害虫誘引捕殺粘着シートを完全に取付けた状態の説明図である。
【図6】飛翔害虫誘引捕殺具に支持具の頭部を取付ける状態の説明図である。
【図7】離形紙を剥離する状態の説明図である。
【図8】他の第1例の使用説明図である。
【図9】他の第2例の使用説明図である。
【図10】図10(A),(B)は夫々他例の飛翔害虫誘引捕殺具の使用説明図である。
【図11】図11(A),(B)も夫々他例の飛翔害虫誘引捕殺具の使用説明図である。
【図12】図12(A),(B),(C)は、夫々従来例の飛翔害虫誘引捕殺具の説明図である。
【符号の説明】
1 台紙 2 折曲線
3 切込 4 小孔
5 折曲フラップ 6 支持具
6a 頭部 6b 下端
7 折曲線 8 突起
9 飛翔害虫誘引捕殺粘着シート 10 害虫誘引粘着剤
11 離形紙 11a 端縁離形紙
12 切目線 13 吊紐
51 T形台 52 プラカード台
51a,52a 広平板 53 飛翔害虫誘引捕殺粘着シート
53a 粘着面 54 紐
Claims (5)
- 飛翔害虫誘引捕殺粘着シートと台紙とより構成される害虫誘引捕殺具に於いて、該飛翔害虫誘引捕殺粘着シートは全体が湾曲されると共に、その外面側に粘着面が配設され、かつ飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの両側縁の粘着面が二つ折りされた台紙の内面に夫々貼着されており、更に飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの前記両側縁を除く他の粘着面全面に離形紙が貼着されていることを特徴とした飛翔害虫誘引捕殺具。
- 帯状の飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの両端部に夫々台紙が取り付けられており、かつ該台紙にポールの頭部或は吊下紐を挿通することが出来る切込が穿設されていることを特徴とした請求項1の飛翔害虫誘引捕殺具。
- 前記台紙に切込みが設けられており、かつ土中に下端を差込んで起立し得るポールの頭部或いは吊下紐が該切込みに嵌入係止されて構成されていることを特徴とした請求項1或は請求項2の飛翔害虫誘引捕殺具。
- 粘着面全面に離形紙が貼着された飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの両側縁の該離形紙を所定の巾で切除し、かつ粘着面が外面に配設されるように飛翔害虫誘引捕殺粘着シート全体を湾曲させ、更に二つ折りされた台紙の内面に前記飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの両側縁の粘着面を夫々当接貼着して製造することを特徴とした飛翔害虫誘引捕殺具の製造方法。
- 粘着面全面に離形紙が貼着された連続飛翔害虫誘引捕殺粘着シートを所定の寸法に切断する際に、その切断線と平行に離形紙のみに切目線を穿設し、該切目線を用いて飛翔害虫誘引捕殺粘着シートの側縁の離形紙を所定の巾で切除することを特徴とした請求項4の飛翔害虫誘引捕殺具の製造方法。
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