JP3602279B2 - アクティブマトリクス型表示回路およびその作製方法 - Google Patents

アクティブマトリクス型表示回路およびその作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本明細書で開示する発明は、トップゲイト型の薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス型の表示装置の画素領域の回路構成に関する。特に、補助容量の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、安価なガラス基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を作製する技術が急速に発達してきている。その理由は、アクティブマトリクス型液晶表示装置の需要が高まったことにある。
アクティブマトリクス型液晶表示装置は、マトリクス状に配置された数十〜数百万個もの各画素のそれぞれに薄膜トランジスタを配置し、各画素電極に出入りする電荷を薄膜トランジスタのスイッチング機能により制御するものである。
【0003】
各画素電極と対向電極との間には液晶が挟み込まれ、一種のコンデンサを形成している。従って、薄膜トランジスタによりこのコンデンサへの電荷の出入りを制御することで液晶の電気光学特性を変化させ、液晶パネルを透過する光を制御して画像表示を行うことが出来る。
また、このような構成でなるコンデンサは電流のリークにより次第にその保持電圧が減少するため、液晶の電気光学特性が変化して画像表示のコントラストが悪化するという問題を持つ。
【0004】
そこで、液晶で構成されるコンデンサと直列に補助容量と呼ばれる別のコンデンサを設置し、リーク等で損失した電荷を液晶で構成されるコンデンサに供給する構成が一般的となっている。
従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置の回路図を図4に示す。アクティブマトリクス型表示回路は、大きく3つの部分に分けられる。すなわち、ゲイト配線(スキャン配線、走査配線)64を駆動するためのゲイトドライバー回路62、データ配線(ソース配線、信号配線)65を駆動するためのデータドライバー回路61、画素の設けられたアクティブマトリクス回路63である。このうち、データドライバー回路61とゲイトドライバー回路62は周辺回路と総称される。
【0005】
アクティブマトリクス回路63は、多数のゲイト配線64とデータ配線65が互いに交差するように設けられ、各々の交点には画素電極67が設けられる。そして、画素電極に出入りする電荷を制御するためのスイッチング素子(薄膜トランジスタ)66が設けられる。また、上述のようにリーク電流により画素の電圧の変動を抑制する目的で、補助容量68が画素のコンデンサーと並列に設けられる。(図4)
【0006】
なお、105で示されるのは薄膜トランジスタの活性層を構成する半導体層であり、106はデータ線とのコンタクト部、107は画素電極とのコンタクト部である。
補助容量の形成方法には様々なものが提案されているが、もっとも代表的な構成は薄膜トランジスタの活性層(半導体層)とゲイト配線の重なりを用いた構造のものである。図3には、その断面の様子を作製工程を説明することによって示す。基板41上には真性の活性層42を形成し、これに選択的にN型もしくはP型の不純物をドーピングして、導電性領域44を形成する。さらに、活性層を覆ってゲイト絶縁膜43を形成し、ゲイト配線45、46を形成する。(図3(A))
【0007】
一般的に、ゲイト配線45と46は互いに異なる行の配線を用いる。図の画素ではゲイト配線45が薄膜トランジスタのゲイト電極として機能し、ゲイト配線46は補助容量49の電極として機能する。もし、ゲイト配線45と46を同じ行の配線とすると、薄膜トランジスタのドレインとゲイト電極との間の寄生容量が著しく大きくなり、スイッチングに支障をきたすからである。また、ゲイト配線46は、図では補助容量を構成する目的のものであるが、開口率を高めるためにそのためのみに別に配線を形成することは通常はおこなわれない。
【0008】
次に、ゲイト電極をマスクに用いて自己整合的に導電性領域44と同じ導電型の不純物を注入し、ソース47、ドレイン48を形成する。こうして、ゲイト配線46と導電性領域44およびドレイン48の間に補助容量49が形成される。(図3(B))
その後、パッシベーション膜として窒化珪素層50とポリイミド等の平坦化に適した材料の層51よりなる第1の層間絶縁物を形成し、これをエッチングして、ソース47に達するコンタクトホールを形成し、データ配線52を設ける。(図3(C))
【0009】
さて、薄膜トランジスタは光の照射により導電性が変動するので、それを防止するために遮光性を有する被膜(ブラックマトリクス)54を薄膜トランジスタに重ねる。さらに、画素間の色、明るさが混合することや、画素の境界部分での電界の乱れによる表示不良を防止するために、画素間にも上記の遮光性の被膜を形成する。このため、この遮光性被膜はマトリクス状の形状を呈し、ブラックマトリクス(BM)と呼ばれる。BM54は、第2の層間絶縁物53上に形成される。(図3(D))
【0010】
その後、第3の層間絶縁物55を形成し、これをエッチングして、ドレイン48(もしくは導電性領域44)に達するコンタクトホールを形成し、さらに透明導電性被膜によって画素電極56を形成する。BMが絶縁性の材料で形成されていれば第3の層間絶縁物55は不要である。(図3(E))
【0011】
以上の工程のうち、主要な工程を羅列すると以下のようになる。
A 活性層42の形成工程
B 導電性領域44を形成するための選択的ドーピング工程
C ゲイト絶縁膜43の形成工程
D ゲイト配線45、46の形成工程
E ソース47、ドレイン48を形成するための自己整合的ドーピング工程
F 第1の層間絶縁物50、51の形成工程
G コンタクトホールの形成工程
H データ配線52の形成工程
I 第2の層間絶縁物53の形成工程
J ブラックマトリクス54の形成工程
K 第3の層間絶縁物55の形成工程
L コンタクトホールの形成工程
M 画素電極56の形成工程
うち、フォトリソグラフィー工程を伴うのは、工程A、B、D、G、H、J、LおよびMの8工程である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記の構造のアクティブマトリクス回路では、耐圧の高いゲイト絶縁膜を補助容量の絶縁体(誘電体)として用いることができるので、大きな容量が得られるという特徴を有している。しかしながら、以下のような欠点も有する。
(1)ドーピングの工程が2回必要であり、導電性領域44を形成するためにはドーピング領域を画定するためのフォトリソグラフィー工程が必要である。
(2)ゲイト配線46が補助容量の電極を兼ねているため、該配線の寄生容量が多大となり、動作速度、信号形状を鈍化させる。
【0013】
上記(1)に関しては、上記工程Bの段階で、ソース、ドレインのドーピングもおこなってしまえば、ドーピング工程を1回とすることができる。しかし、その場合には、自己整合型のトランジスタとはならず、寄生容量が大きく、かつ、トランジスタごとにばらつく可能性がある。また、その場合にも、ドーピングの際のフォトリソグラフィー工程は必要である。
【0014】
この改良型の工程は、以下のようになる。
A 活性層42の形成工程
B’導電性領域44、ソース47、ドレイン48を形成するための選択的ドーピング工程
C ゲイト絶縁膜43の形成工程
D ゲイト配線45、46の形成工程
(Eに相当する工程はない)
F 第1の層間絶縁物50、51の形成工程
G コンタクトホールの形成工程
H データ配線52の形成工程
I 第2の層間絶縁物53の形成工程
J ブラックマトリクス54の形成工程
K 第3の層間絶縁物55の形成工程
L コンタクトホールの形成工程
M 画素電極56の形成工程
【0015】
また、フォトリソグラフィー工程を伴うのは、工程A、B、D、G、H、J、LおよびMの8工程である。
上記(2)に関しては、ゲイト配線と補助容量の配線を別々に設ける方法があるが、上述の通り、配線の占める面積が、その分だけ多くなるので、開口率が低下する。本発明は上記の問題(1)および(2)を改善せんとしてなされたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本明細書で開示する発明は、補助容量として、ブラックマトリクスとN型もしくばP型の活性層との間で容量を形成し、その誘電体として、第1の層間絶縁物のパッシベーション膜として使用される窒化珪素層(図3の窒化珪素層50に相当)を用いることを特徴とする。
【0017】
本発明のアクティブマトリクス型表示回路は、
▲1▼トップゲイト型の薄膜トランジスタ、
▲2▼N型もしくはP型の活性層、
▲3▼ブラックマトリクスとして機能し、一定の電位に保持された導電性被膜、
▲4▼ゲイト配線およびデータ配線、
▲5▼ゲイト配線とデータ配線の間にあり、窒化珪素層とポリイミド層を有する第1の層間絶縁物(窒化珪素層はポリイミド層の下にある)、
▲6▼データ配線と導電性被膜の間にある第2の層間絶縁物
とを有する。
【0018】
本発明の第1は、上記の構造において、第1の層間絶縁物のポリイミド層および前記第2の層間絶縁物がエッチングされた部分に、活性層と導電性被膜を両電極とし、少なくとも第1の層間絶縁物の窒化珪素層を誘電体とする補助容量が形成されていることを特徴とする。
【0019】
本発明の第2は、上記の構造において、前記第1の層間絶縁物において、導電性被膜は、活性層と重なる部分において、第1の層間絶縁物の窒化珪素層と接する部分を有することを特徴とする。
上記本発明の第1もしくは第2において、補助容量の電極として機能する活性層が、薄膜トランジスタのソースもしくはドレインと連続している構造とすれば、回路構造が簡単で、専有面積も減らすことができる。
【0020】
また、補助容量の誘電体としては、ゲイト絶縁膜と窒化珪素層の多層構造とすることも、窒化珪素層のみとすることも可能である。前者の場合には、ゲイト絶縁膜の耐圧性を活用することにより、ショートの確率が低下する。後者の場合には誘電体が薄くなり、かつ、誘電率の大きい窒化珪素を用いることにより、より大きな容量が得られる。
本発明の第1もしくは第2においては、窒化珪素層の厚さは100nm以下、好ましくは50nm以下とするとよい。
【0021】
上記発明の構成を得るための主要な工程を羅列すると以下のようになる。
a 活性層の形成工程
(Bに相当する工程はない)
c ゲイト絶縁膜の形成工程
d ゲイト配線の形成工程
e ソース、ドレイン(導電性領域)を形成するための自己整合的ドーピング工程
f 第1の層間絶縁物(窒化珪素層を含む)の形成工程
g コンタクトホールの形成工程
h データ配線の形成工程
i 第2の層間絶縁物の形成工程
x 補助容量用の孔のエッチング工程
j ブラックマトリクスの形成工程
k 第3の層間絶縁物の形成工程
l コンタクトホールの形成工程
m 画素電極の形成工程
【0022】
うち、フォトリソグラフィー工程を伴うのは、工程a、d、g、h、x、j、lおよびmの8工程である。
全工程数では、従来例の13工程、その改良版の12工程に対して、13工程である。したがって、従来例の改良版に比較して劣っているように見えるが、薄膜トランジスタが自己整合的に形成されるという面で、優れているので工程数が1つ増加したとしても、本発明の優位性は変わらない。
また、フォトリソグラフィー工程の数に関しては、従来例、その改良型、本発明とも同じであり、薄膜トランジスタが自己整合型であることから、本発明は従来例と同等であり、ドーピング工程が1回である点で、従来例に優ると結論できる。
【0023】
本発明では、ドーピング回数が1回とできることによる量産面での優位性があることは上記に示した通りである。加えて、本発明では、ゲイト配線が補助容量の電極とならないので、ゲイト信号の鈍化等の問題も生じない。しかし、このことは、本発明と従来例の構造とを組み合わせることを否定するものではない。組み合わせて、より大きな容量を得ることは有益である。また、上記工程に加えて、さらなる工程を付加して、より回路の高度化を図ることは本発明の主旨に反するものではない。例えば、より高度な構造の薄膜トランジスタを作製するために工程数が増加しても構わない。配線構造も同様である。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕
本実施例の作製工程を図1に示す。まず、下地膜として酸化珪素膜を300nmの厚さにスパッタ法またはプラズマCVD法で成膜されたガラス基板1上に次に非晶質珪素膜を50nmの厚さにプラズマCVD法または減圧熱CVD法で成膜する。そして加熱またはレーザー光の照射によって、結晶性珪素膜を得る。これをエッチングすることにより、薄膜トランジスタの活性層2を得る。
【0025】
次にゲイト絶縁膜として酸化珪素膜3をプラズマCVD法または減圧熱CVD法またはスパッタ法により、100nmの厚さに成膜する。そして、燐を有する多結晶珪素膜を減圧CVD法で500nmの厚さに成膜し、これをエッチングすることにより、ゲイト配線4を得る。(図1(A))
【0026】
次に,N型を付与する不純物であるリンのイオンを5×1014〜5×1015原子/cmのドーズ量で注入することにより、ソース5とドレイン6とを形成する。いずれもN型となる。不純物イオンの注入後、加熱処理またはレーザー光の照射、または強光の照射を行うことにより、不純物イオンの注入が行われた領域の活性化を行う。(図1(B))
【0027】
次に窒化珪素膜7をシランとアンモニア、またはシランとN2O、またはシランとアンモニアとN2Oを用いたプラズマCVD法により形成する。この窒化珪素膜7は25〜100nm、ここでは50nmの厚さに成膜する。この窒化珪素膜の成膜方法は、ジクロールシランとアンモニアを用いる方法でもよい。また減圧熱CVD法や光CVD法を用いるのでもよい。
【0028】
窒化珪素膜の形成後、350℃の温度で2時間の加熱処理を施すことにより、先の不純物イオン注入で損傷した酸化珪素膜3とソース5とドレイン6の表面のアニールを行う。この工程では、窒化珪素膜7から水素が拡散することにより、酸化珪素膜3とソース5とドレイン領域6の表面に存在している欠陥が除去される。さらに、ゲイト配線4の下のチャネル形成領域にも水素が拡散し、欠陥が除去される。
【0029】
続いて、スピンコーティング法によって、ポリイミド層8を少なくとも800nm以上、好ましくは1.5μmの厚さに成膜する。ポリイミド層の表面は平坦に形成される。かくして、窒化珪素層7とポリイミド層8よりなる層間絶縁物を形成する。
その後、ポリイミド層8、窒化珪素層7、酸化珪素膜3をエッチングして、ソース5に達するコンタクトホールを形成する。さらに、スパッタリング法により厚さ600nmのアルミニウム膜を形成し、これをエッチングして、データ配線9を形成する。データ配線9はソース5とコンタクトする。(図1(C))
【0030】
ここまでの工程で得られた回路を上から見た様子を図5(A)に示す。番号は図1のものに対応する。(図5(A))
次に、厚さ800nmの第2の層間絶縁物としてポリイミド層10を形成する。そして、ポリイミド層8および10をエッチングして、補助容量用の孔を形成する。さらに、厚さ100nmのチタン膜をスパッタリング法で成膜する。勿論、クロム膜やアルミニウム膜等の金属膜を用いてもよい。そして、これをエッチングし、ブラックマトリクス11を形成する。ブラックマトリクス11は先に形成した補助容量用の孔を覆うように形成する。(図1(D))
【0031】
ここまでの工程で得られる補助容量用の孔14とブラックマトリクス11を上から見た様子を図5(B)に示す。番号は図1のものに対応する。補助容量用の孔14とブラックマトリクス11の重なった部分に補助容量が形成される。(図5(B))
さらに、第3の層間絶縁物として、厚さ5000のポリイミド膜12を成膜し、ポリイミド膜8、10および12と窒化珪素層7、酸化珪素膜3をエッチングして、ドレイン6に達するコンタクトホールを形成する。さらに、スパッタリング法により厚さ100nmのITO(インディウム錫酸化物)膜を形成し、これをエッチングして、画素電極13を形成する。(図1(E))
【0032】
かくして、アクティブマトリクス回路が完成する。本実施例のように、ポリイミド膜により絶縁層を形成すると平坦化が容易であり、効果が大きい。本実施例では、補助容量はブラックマトリクス11とドレイン6の重なる部分14に得られ、誘電体はゲイト絶縁膜として用いられる酸化珪素膜3と窒化珪素層7の多層膜である。もちろん、酸化珪素膜3は、その後、ドーピング工程で相当のダメージを受けているので、ゲイト絶縁膜として用いられるだけの耐性はないが、絶縁性は十分である。
【0033】
〔実施例2〕
本実施例の作製工程を図2に示す。まず、下地膜のコーティングされた石英基板21上に厚さ100nmの結晶性珪素膜の活性層22を形成する。そして、これを熱酸化することにより、その表面に厚さ100nmの酸化珪素膜23を得る。酸化珪素膜23はゲイト絶縁膜として機能する。さらに、燐を有する多結晶珪素膜を減圧CVD法で500nmの厚さに成膜し、これをエッチングすることにより、ゲイト配線24を得る。(図2(A))
【0034】
次に、N型を付与する不純物であるリンのイオンを5×1012〜5×1013原子/cmのドーズ量で注入することにより、低濃度不純物領域28を得る。さらに、異方性エッチング技術を利用した公知の側壁形成技術を用いて、ゲイト配線24の側面に絶縁物の側壁25を得る。その際には、酸化珪素膜23は、ゲイト配線24と側壁26以外の部分はエッチングされ、ゲイト絶縁膜26のみが残存する。
【0035】
そして、この状態でリンのイオンを5×1014〜5×1015原子/cmのドーズ量で注入することにより、ソース29とドレイン27とを形成する。不純物イオンの注入後、加熱処理を行うことにより、不純物イオンの注入が行われた領域の活性化を行う。以上のドーピング工程の詳細については、例えば、特開平8−18055に開示されている。(図2(B))
【0036】
次に窒化珪素層30およびポリイミド層31を実施例1と同じ条件で形成する。実施例1と異なり、本実施例では窒化珪素層30はソース29、ドレイン27と直接、接する。次に、ポリイミド層31と窒化珪素層30をエッチングして、ソース29に達するコンタクトホールを形成する。さらに、スパッタリング法により厚さ600nmのアルミニウム膜を形成し、これをエッチングして、データ配線32を形成する。データ配線32はソース29とコンタクトする。ここまでの工程で得られた回路を上から見た様子は図5(A)に示すものと同等である。(図2(C))
【0037】
次に、厚さ800nmの第2の層間絶縁物としてポリイミド層33を形成する。そして、ポリイミド層31および33をエッチングして、補助容量用の孔を形成する。さらに、厚さ100nmのチタン膜をスパッタリング法で成膜し、これをエッチングし、ブラックマトリクス34を形成する。ここまでの工程で得られた回路を上から見た様子は図5(A)に示すものと同等である。(図2(D))
【0038】
さらに、第3の層間絶縁物として、厚さ5000のポリイミド膜35を成膜し、ポリイミド膜31、33および35と窒化珪素層30をエッチングして、ドレイン27に達するコンタクトホールを形成する。さらに、スパッタリング法により厚さ100nmのITO(インディウム錫酸化物)膜を形成し、これをエッチングして、画素電極36を形成する。(図1(E))
【0039】
かくして、アクティブマトリクス回路が完成する。本実施例では、補助容量はブラックマトリクス34とドレイン27の重なる部分37に得られ、窒化珪素層30である。窒化珪素は誘電率が高いので、少ない面積で大きな容量が得られる。
【0040】
【発明の効果】
N型またはP型の活性層とブラックマトリクスとして用いられる導電性被膜とを電極とし、パッシベーション膜として形成される窒化珪素層を誘電体として補助容量を形成することにより、従来の問題点が解決されることが明らかになった。このように本発明は産業上、有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のアクティブマトリクス回路の作製工程断面図を示す。
【図2】実施例2のアクティブマトリクス回路の作製工程断面図を示す。
【図3】従来のアクティブマトリクス回路の作製工程断面図を示す。
【図4】一般的なアクティブマトリクス回路の回路図を示す。
【図5】実施例1のアクティブマトリクス回路の作製工程上面図を示す。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 活性層
3 酸化珪素膜(ゲイト絶縁膜)
4 ゲイト配線
5 ソース
6 ドレイン
7 窒化珪素層
8、10、12 ポリイミド層
9 データ配線
11 ブラックマトリクス
13 画素電極
14 補助容量

Claims (13)

  1. 基板上に形成されたN型またはP型の領域を有する活性層と、
    前記活性層上に形成されたゲイト絶縁膜と、
    前記ゲイト絶縁膜上に形成されたゲイト電極と、
    前記N型またはP型の領域に接し且つ前記ゲイト電極上に形成された窒化珪素膜と、
    前記窒化珪素膜の一部を露出する孔を有し、前記窒化珪素膜上に形成された平坦化膜と、
    前記窒化珪素膜の露出部分に接するとともに前記平坦化膜上に形成された金属膜とを有し、
    前記活性層と前記金属膜を両電極とし前記窒化珪素膜の露出部分を誘電体とする補助容量が形成されていることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路。
  2. 基板上に形成されたN型またはP型の領域を有する活性層と、
    前記活性層上に形成されたゲイト絶縁膜と、
    前記ゲイト絶縁膜上に形成されたゲイト電極と、
    前記ゲイト絶縁膜及び前記ゲイト電極上に形成された窒化珪素膜と、
    前記窒化珪素膜の一部を露出する孔を有し、前記窒化珪素膜上に形成された平坦化膜と、
    前記窒化珪素膜の露出部分に接するとともに前記平坦化膜上に形成された金属膜とを有し、
    前記活性層と前記金属膜を両電極とし前記窒化珪素膜の露出部分及び前記ゲイト絶縁膜を誘電体とする補助容量が形成されていることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路。
  3. 基板上に形成されたソース及びドレインを有する活性層と、
    前記活性層上に形成されたゲイト絶縁膜と、
    前記ゲイト絶縁膜上に形成されたゲイト電極と、
    前記ソース及びドレインに接し且つ前記ゲイト電極上に形成された窒化珪素膜と、
    前記窒化珪素膜の一部を露出する孔を有し、前記窒化珪素膜上に形成された平坦化膜と、
    前記窒化珪素膜の露出部分に接するとともに前記平坦化膜上に形成された金属膜とを有し、
    前記ドレインと前記金属膜を両電極とし前記窒化珪素膜の露出部分を誘電体とする補助容量が形成されていることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路。
  4. 基板上に形成されたソース及びドレインを有する活性層と、
    前記活性層上に形成されたゲイト絶縁膜と、
    前記ゲイト絶縁膜上に形成されたゲイト電極と、
    前記ゲイト絶縁膜及び前記ゲイト電極上に形成された窒化珪素膜と、
    前記窒化珪素膜の一部を露出する孔を有し、前記窒化珪素膜上に形成された平坦化膜と、
    前記窒化珪素膜の露出部分に接するとともに前記平坦化膜上に形成された金属膜とを有し、
    前記ドレインと前記金属膜を両電極とし前記窒化珪素膜の露出部分及び前記ゲイト絶縁膜を誘電体とする補助容量が形成されていることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、前記窒化珪素の厚さは100 nm以下であることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、前記平坦化膜はポリイミド膜であることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、前記平坦化膜は二層でなることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路。
  8. 請求項7において、前記活性層に接続されたデータ配線は前記二層でなる平坦化膜の間にあることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一において、前記金属膜はチタン膜、クロム膜またはアルミニウム膜であることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一において、前記金属膜はブラックマ トリクスであることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路。
  11. N 型または P 型の領域を有する活性層を形成し、
    前記活性層上にゲイト絶縁膜を介してゲイト電極を形成し、
    前記ゲイト絶縁膜及び前記ゲイト電極上に窒化珪素膜を形成し、
    前記窒化珪素膜上に平坦化膜を形成し、
    前記平坦化膜の一部をエッチングして、前記窒化珪素膜の一部を露出させ、
    前記窒化珪素膜の露出部分に接するように、前記平坦化膜上に金属膜を形成し、
    前記活性層と前記金属膜を両電極とし前記窒化珪素膜の露出部分及び前記ゲイト絶縁膜を誘電体とする補助容量が形成されていることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路の作製方法。
  12. 請求項11において、前記金属膜はチタン膜、クロム膜またはアルミニウム膜であることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路の作製方法。
  13. 請求項11または請求項12において、前記金属膜はブラックマトリクスであることを特徴とするアクティブマトリクス型表示回路の作製方法。
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