JP3601285B2 - 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法等において用いられる静電荷像現像用トナー、それを含む静電荷像現像剤、及びそれらを用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電潜像を経て画像情報を可視化する電子写真法は、現在さまざまな分野で利用されており、多数の方法が公知である(米国特許第2297691号、同第2357809号明細書等)。前記電子写真法は、一般には、帯電、露光工程において感光体上に静電潜像を形成し、現像工程においてトナーを含む現像剤を用いて該静電潜像を現像してトナー像を形成し、転写工程において該トナー像を紙、シート等の転写材上に転写した後、定着工程において熱、溶剤、圧力等を利用して転写材上に定着し、永久画像を得るというものである。
【0003】
前記電子写真法に用いるトナーは、前記各工程における要求特性を満たすように設計されているが、一般にコピーを繰り返すうちに、現像機内で帯電付与部材や他の部材との接触によるストレス・衝撃力等を受け、構造的、特性的に劣化し、その結果、画質までもが劣化するという問題がある。このため、長期間にわたって信頼性の高い画質を確保するためには、機械的なストレスや衝撃力に耐え得る強靭なバインダーを用いてトナーを設計する必要がある。
【0004】
一方、複写機内でのプロセス適合性を持たせるためには、トナーが、流動性、耐ケーキング性、定着性、帯電性、クリーニング性等に優れたものであることが要求される。そのため、近年、良好な流動性、耐ケーキング性、帯電維持性、環境安定性等を付与し得る付加価値の高い添加剤をトナーに外添させることが提案されている。このような添加剤として、例えば、シリカ、酸化チタン等の無機酸化物が提案されている。
【0005】
前記シリカは、耐ケーキング性や流動性付与能には優れているものの、コア本来の強い負帯電性に起因して、帯電の環境依存性が大きいという欠点を有している。この点を改善する目的で、シリカを表面処理して用いる技術が種々提案されている(特開昭46−5782号公報、特開昭48−47345号公報、特開昭48−47346号公報、特開昭64−73354号公報、特開平1−237561号公報)。しかし、これら従来の技術では、耐ケーキング性や流動性に悪影響を及ぼさずに帯電の環境依存性を充分改善することができなかった。
【0006】
また、前記酸化チタンは、トナーに外添すると帯電レベルが低くなり、また、同じコアでも表面処理剤によって帯電レベル、環境依存性の制御が容易な反面、処理後の凝集性等の問題で処理量が限られてしまうため、帯電レベルもある一定以上に下げることが困難である。酸化チタンは一般的に、イルメナイト鉱石を用いた硫酸法(湿式法)で得られたTiO(OH)を精製し、加熱焼成することにより生成されているため、生成物中には脱水縮合の結果生じる凝集粒子も当然存在している。しかし、既存の技術でこのような凝集粒子を再分散させることは容易ではない。即ち、結晶型酸化チタン(ルチル:比重4.2、アナターゼ:比重3.9)を微粉末として取り出すと2次、3次凝集を形成しており、トナーの流動性向上効果がシリカに比べ著しく劣る。特に近年、市場の高画質要求に伴って、トナーの小径化が進む傾向にあるが、トナーを小径化することよって粒子間付着力が増大するため、益々トナーの流動性が悪化し、酸化チタンの流動性付与能がさらに乏しくなる。
【0007】
そこで、流動性向上と帯電の環境依存性の両立させる目的で、疎水性酸化チタンと疎水性シリカの併用添加や(特開昭60−136755号公報)、疎水性アモルファス酸化チタンを添加する方法が提案されている(特開平5−204183号公報、特開平5−72797号公報)。しかし、前者の場合では、長期にわたってそれぞれの欠点を補い合うことは困難であり、後者の場合は、アモルファス酸化チタンと感光体との付着力が強いため、クリーニング時に感光体上に傷を付けたり、画像上の白抜けの原因になる等、いずれの場合も十分な改善効果が期待できない。
【0008】
一方、湿式法を経て酸化チタンを精製する方法において、水系媒体中にてカップリング剤を加水分解させ、酸化チタンの表面を処理し、凝集を抑えた状態で、疎水性酸化チタンを取り出し、これをトナーに添加する方法が提案されている(特開平5−188633号公報)。この手法で作成された酸化チタンでは、2次、3次凝集が少なくなり、ほぼ1次粒子の状態でトナー上に存在するためか、初期的には粉体流動性は改善され、帯電性、その他の実機上のサブシステムへの影響は問題がない。しかし、繰り返し使用によって、現像機中のトナーは機械的なストレスを受けると、外添剤のトナー表面への埋めこみにより粉体流動性が悪化するばかりではなく、外添剤のキャリア表面汚染(スペント)が生じる。そのため、キャリアの帯電サイトが小さく、帯電付与能が乏しくなるため、カブリ、濃度低下が発生する等の問題がある。
【0009】
ところで、前記現像剤には、一般にキャリアと呼ばれる担体粒子が前記トナーと共に混合されており、両者を相互に摩擦帯電させて、トナーに適当量の正または負の電荷を付与している。キャリアは、一般に、表面被覆層を有する被覆キャリアと、表面に被覆層を有しない非被膜キャリアとに大別されるが、現像剤寿命等を考慮した場合には、被膜キャリアの方が優れていることから、種々のタイプの被膜キャリアが開発され、かつ実用化されている。
【0010】
被膜キャリアに要求される特性は種々あるが、トナーに適当な帯電性(電荷量や電荷分布)を付与すること、その適切な帯電性を長期にわたって維持することが求められ、そのためには、キャリアの耐衝撃性、耐摩擦性、そして湿度や温度等の環境変化に対しても、トナーの帯電性を変化させないことが重要であり、種々の被膜キャリアが提案されている。
【0011】
例えば、特開昭61−80161号公報、同61−80162号公報、及び同61−80163号公報には、含窒素フッ素化アルキル(メタ)アクリレートとビニル系モノマーとの共重合体や、フッ素化アルキル(メタ)アクリレートと含窒素ビニル系モノマーとの共重合体をキャリア芯材表面に被膜することにより、比較的長寿命の被膜キャリアを得ることが記載されている。
【0012】
また、特開平1−118150号公報にはポリアミド樹脂、同2−79862号公報にはメラミン樹脂をキャリア芯材表面に被膜し、更に硬化して、比較的硬い被膜をもつ被膜キャリアを得ることが記載されている。しかしながら、これらのキャリアではトナー成分のキャリア表面への汚染(インパクション)が防止しきれず、満足なものとなっていない。
【0013】
このようなインパクションを防止するためには、特開昭60−186844号公報に記載されているようなシリコーン樹脂、特開昭64−13560号公報に記載されているようなフッ素系樹脂を用いるのが好適である。しかし、これらの樹脂を前記重合体や樹脂と同時に用いてキャリア芯材表面を被膜しても、被膜層の上層にはシリコーン樹脂、フッ素系樹脂が多く存在するので、このキャリアを用いた長期使用に際してキャリア表面から被膜が磨耗し、前記シリコーン樹脂、フッ素系樹脂を用いた効果が徐々に失われて、やはりインパクション防止効果は十分に得られない。したがって、キャリア、外添剤それぞれ単独の改善による課題解決は充分な効果が得られない。
【0014】
さらに、最近注目を浴びているフルカラー複写機では、トナーを一色づつ複数回、現像・転写を繰り返し、紙などの同一支持体上に少なくとも異なる三種のトナー層を形成させる方法を採用しているが、白黒現像に比べて現行の画像密度が大きく、トナーと感光体とが接する面積も大きいため、該トナーには優れた転写性が要求される。さらに、OHPフィルム上に定着されたカラートナー像には優れた透明性が必要とされるが、該透明性は外添剤量の増加に伴い低下するため、トナーには、外添剤量を増加させても透明性が極端に低下しないという性能が要求される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、
▲1▼優れた帯電の環境依存性、粉体流動性、耐ケーキング性を有し、
▲2▼経時的に安定な帯電性を現像剤に付与することができ、長期にわたって優れた画質を得ることができ、しかも、
▲3▼添加剤微粒子の感光体汚染に起因する画質欠陥、及び添加剤微粒子の埋めこみに起因するカブリのない高画質画像を得ることができる、
静電荷像現像用トナーと、それを含む静電荷像現像剤を提供することにある。
本発明の目的は、さらに、前記静電荷像現像用トナーまたはそれを含む静電荷像現像剤を用いた画像形成方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、従来技術の上記の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と添加剤とからなる静電荷像現像用トナーにおいて、添加剤がTi(OH)とシラン化合物との反応により得られる疎水性チタン化合物を含有してなり、該チタン化合物中のNaO含有量を0.3重量%以下とすることにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成させた。
【0017】
即ち、本発明は、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と添加剤とからなる静電荷像現像用トナーにおいて、該添加剤がTi(OH)とシラン化合物との反応により得られる疎水性チタン化合物を含有してなり、該チタン化合物中のNaO含有量が0.3重量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー、
前記静電荷像現像用トナーとキャリアを含有することを特徴とする静電荷像現像剤、または、
潜像担持体上に潜像を形成する工程と該潜像を現像剤担持体上の現像剤を用いて現像する工程とを含む画像形成方法において、該現像剤として、前記静電荷像現像用トナーまたは前記静電荷像現像を含む現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
最初に、本発明の静電荷像現像用トナーについて説明する。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と添加剤とからなり、該添加剤が、Ti(OH)とシラン化合物との反応により得られる疎水性チタン化合物を含有してなり、該チタン化合物中のNaO含有量が0.3重量%以下であることを特徴とするものである。
【0019】
前記疎水性チタン化合物中のNaO含有量が0.3重量%を越えると、トナーの帯電付与能が低下するばかりでなく、維持性が経時的に悪化し、特に高温高湿下における繰り返し使用に際して、濃度再現不良や背景部のかぶり等のディフェクトが顕著になるという問題があり、トナーの熱凝集性にも悪影響を及ぼす。
【0020】
本発明において使用する疎水性チタン化合物は、TiO(OH)とシラン化合物との反応により得られるチタン化合物である。
【0021】
TiO(OH)は一般的には、下記のイルメナイト鉱石を用いた硫酸法(湿式)により製造することができる。
FeTiO+2HSO → FeSO+TiOSO+2H
TiOSO+2HO → TiO(OH)+HSO
従来の疎水性酸化チタンは、このTiO(OH)を焼成することにより製造こともできるが、本発明におけるように、TiO(OH)とシラン化合物との反応によって製造するほうが、比重の小さいものを得ることができるので好ましい。
【0022】
本発明に係る疎水性チタン化合物は、TiO(OH)の状態、好ましくはTiO(OH)を水分散状態としたものに、シラン化合物を加え、OH基の一部または全部を処理し、これをろ過、洗浄、乾燥、粉砕することにより得ることができる。上記のように、水分散状態において反応を行なうと、TiO(OH)の加水分解時にシラン化合物を反応させることができ、その結果、TiO(OH)から生じるチタン化合物が一次粒子の状態で表面処理されるため、凝集のない一次粒子状態の特定チタン化合物を得ることできる。さらに、水分散状態において反応を行なって得られる特定チタン化合物は、流動性、耐ケーキング性に優れたものとなり、透明性に優れたカラー画像を形成することができる。尚、ろ過の前に中和を行なって、pH値を5.5〜6に調整することが好ましく、pH値をこの範囲とすることにより、NaO含有量を減少させ0.3重量%以下とすることができる。pH値が6を越えると、NaO量が0.3重量%を越えるので望ましくない。
【0023】
尚、上記シラン化合物としては、水溶性であるものが使用でき、好適にはシランカップリング剤を使用することができる。シランカップリング剤としては、特に限定されないが、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、または特殊シリル化剤のいずれのタイプも使用することができる。このようなシランカップリング剤としては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、及びγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等を代表的なものとして例示することができる。これらの中でも、アルコキシシランは好ましく、特に、イソブチルトリメトキシシランやメチルトリメトキシシランは好ましい。
【0024】
また、上記反応におけるシラン化合物の量は、TiO(OH)100重量部に対して、2〜50重量部の範囲、特に、5〜20重量部の範囲とすることが好ましい。なお、この反応において、シラン化合物の種類や量等を適宜選択することにより、前記疎水性チタン化合物の比重や負帯電性等の微調整を行うことができる。即ち、シラン化合物の処理量を多くすると、比重が小さく帯電付与能力の高いチタン化合物が得られ、一方、シラン化合物の処理量を少なくすると、比重が大きく帯電付与能力の低いチタン化合物が得られる。
【0025】
本発明に係る疎水性チタン化合物のBET比表面積は、40〜250m/gであることが好ましい。このBET比表面積が250mより大きいと、トナーの粉体流動性の改善には効果があるもの、トナー上での付着状態を制御しにくくなると同時に、転写性に対する向上効果が発揮されない。また、40m未満となると、感光体表面へのフィルミングや傷を誘発するばかりでなく、OHP画像の透明性を低下させる恐れがある。
【0026】
また、本発明に係る疎水性チタン化合物の比重は、2.8〜3.6、特に3.0〜3.5とすることが好ましい。この比重は従来の酸化チタンに比べて小さいので、帯電環境依存性の改善や流動性の向上に関して、従来の酸化チタンを用いた場合と同等の効果を得るために必要な添加量が少なくてすみ、しかも、カラートナーの透明性を損なうことがなく、他の特性も併せ持つことができる。疎水チタン化合物の比重が2.8未満となると、シラン化合物を過剰に添加することが必要となり、それによってシラン化合物同士の反応が一部で発生し、凝集体が形成しやすくなり、所望の流動性が得られない。また、特定チタン化合物の比重が3.6を越えるとブレンド時にトナー表面に分散しにくくなり、均一に分散したとしても、現像工程におけるストレスによりトナー凸部の特定チタン化合物が凹部に移り、所望の流動性、帯電性を低下させたり、凸部の特定チタン化合物が遊離しやすくなり、2成分系現像剤において遊離した特定チタン化合物がキャリア表面に移行して、キャリアの体積固有抵抗値を大きく変化させ、長期にわたって優れた画質を得ることができなくなる。
【0027】
尚、疎水性チタン化合物のトナーに対する添加量としては、トナー全体の重量に基づいて1.5重量%以下、特に1.2重量%以下とすることが好ましい。1.5重量%を越えると、帯電性には大きな影響はないものの、カラートナーに用いられた場合、OHP画像の透明性を著しく低下させてしまう。
【0028】
また、本発明の静電荷像現像用トナーに含まれるトナー粒子は、結着樹脂と着色剤を主成分として構成される公知のものを使用することができる。
【0029】
結着樹脂としては、特に限定されないが、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のαーメチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、及びビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーアクリル酸アルキル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることもできる。
【0030】
また、着色剤としては、特に限定されないが、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、及びピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
【0031】
本発明において、トナー粒子の体積平均粒子径は、3〜9μmであることが好ましい。体積平均粒子径が3μm未満となると、製造性が著しく低下するため、コストが高くなり、又、トナー自体の現像性が低下しやすく、かぶりが発生しやすくなる。また、9μmを越えると、粒状性や細線再現性が低下しやすくなる。
【0032】
また、トナー粒子は磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
【0033】
前記疎水性チタン化合物はトナー粒子に添加し、混合して用いられるが、混合は、例えばVブレンダーやヘンシェルミキサー等によって行うことができる。混合の際には、必要に応じて、種々のその他の添加剤を添加してもよい。これらの添加剤の例としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤、転写助剤等が挙げられる。
【0034】
疎水性チタン化合物のトナー粒子表面への付着状態は、単に、機械的な付着であってもよいし、表面に緩く固着されていてもよい。また、トナー粒子の全表面を被覆していても、一部を被覆していてもよい。
【0035】
尚、本発明におけるトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含むことができる。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯体、サルチル酸もしくはアルキルサルチル酸の金属錯体もしくは金属塩を用いることが好ましい。また、トナーは、低分子量プロピレン、低分子量ポリエチレン、ワックス等のオフセット防止剤等の公知のその他の成分を含むこともできる。
【0036】
次に、本発明の静電荷像現像剤について説明する。
本発明の静電荷像現像剤は、上記した本発明の静電荷像現像用トナーと、キャリアからなるものである。
本発明に係るキャリアは、芯材上に樹脂被覆層を有するものであることが好ましい。樹脂被覆層は、樹脂微粒子を含有することが好ましい。この樹脂微粒子は、架橋した樹脂微粒子であることが好ましく、サスペンジョン重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法により、モノマーもしくはオリゴマーを貧溶媒中に分散して、架橋反応を行いつつ表面張力により粒状化したり、低分子成分と架橋剤とを溶融混練等の手段を用いて混合反応させた後、風力、機械力により、所定の粒度に粉砕する方法等により製造することができる。
【0037】
尚、被覆層の樹脂微粒子としては、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子のいずれも用いることができるが、硬度を比較的上げやすい熱硬化性樹脂粒子が好ましい。
【0038】
被覆層の樹脂粒子の平均粒子径は、0.1〜2μm、特に0.2〜1μmであることが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満となると、被覆層での分散性が非常に悪くなり、2μmより大きいと、被覆層からの脱落が生じやすく、本来の機能を維持できなくなる。
【0039】
また、被覆層の樹脂粒子は、トナーに負帯電性を付与するために、その構成成分としてN原子を含むことが好ましい。このような樹脂としては、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、イミド樹脂、アミノ樹脂、ユリア樹脂、アクリロニトリル樹脂等が挙げられる。
【0040】
尚、上記樹脂粒子を含む被覆層のマトリックスとしての樹脂は、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂又はその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0041】
尚、樹脂で被覆することによってキャリアは絶縁化され、現像時に現像電極として働きにくくなり、特に黒ベタ部でエッジ効果が出る等、ソリッドの再現性に劣ったものとなるので、ソリッドの再現性の改善のために樹脂被覆中に導電性材料を分散させることが好ましい。
【0042】
本発明において使用することができる導電性材料としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズやカーボンブラック、金属で覆ったもの等が挙げられる。これらの中でも、製造安定性、コスト、導電性の良さからカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの種類は特に制限されず、公知のものを用いることができるが、製造安定性のよいDBP吸油量が50〜250ml/100gの範囲のカーボンブラックは特に好ましい。
【0043】
本発明に係るキャリアに用いられる金属粉体又はキャリア芯材としては、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、磁気ブラシ法を用いる観点から、磁性キャリアが望ましい。キャリア芯材の平均粒径は、10μm〜500μm、特に30μm〜100μmの範囲とすることが好ましい。
【0044】
これらの樹脂微粒子とマトリックス樹脂を含む被覆層をキャリア芯材の表面に形成する方法としては、例えば、キャリア芯材の粉末を被膜層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被膜層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被膜層形成用溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられるが、本発明においては、特にニーダーコーター法が好ましい。
【0045】
尚、被膜層形成用塗布液に使用する溶剤は、該マトリックス樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類を使用することができる。
【0046】
また、被覆層の平均膜厚は、0.1〜10μm、特に0.2〜3μmの範囲とすることが好ましい。平均膜厚が、0.1μm未満となると、被覆層の摩耗により現像剤寿命の低下が生じる場合がある。また、10μmを越えると、キャリアの製造安定性が低下しやすく、再現性のある特性が得られにくくなる場合がある。
【0047】
本発明に係るキャリアの樹脂被覆層は、樹脂微粒子が被覆層の厚み方向及びキャリア表面の接線方向に均一に分散するように、また、被覆層のマトリックスである樹脂も同様に均一となるように形成することが好ましい。このようにすることにより、被覆層が長時間の使用により被膜層表面から磨耗しても、未使用時と同様な表面組成を保つことができ、トナーに対し良好な帯電付与能力を維持することができる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例、参考例、試験例により本発明をさらに具体的に説明する。尚、特に断らない限り、「部」はすべて「重量部」を意味するものとする。
【0049】
(参考例1:疎水性チタン化合物の製造)
疎水性チタン化合物A〜Kを下記のようにして製造した。出発物質TiO(OH)の製造には、イルメナイト鉱石を硫酸に溶解させて鉄粉を分離し、TiOSOを加水分解してTiO(OH)を生成させる湿式沈降法を用いた。その過程で、加水分解と核生成のための分散調整及び水洗を経た。
【0050】
(疎水性チタン化合物Aの製造)
上記の方法により製造したTiO(OH)100部を水1000ml中に分散したものに、イゾブチルトリメトキシシラン20部を、30〜40℃に加温保持し撹拌しながら、液性pH2〜3に保った状態で滴下した。次いで、これをpH5.5〜6に中和した後、ろ過し、水洗浄を繰り返した。このようにして得られたイソブチルトリメトキシシランで表面処理されたチタン化合物を150℃で乾燥し、疎水性チタン化合物Aを得た。
【0051】
(疎水性チタン化合物Bの製造)
イソブチルトリメトキシシランの量を10部にしたこと以外は、疎水性チタン化合物Aの製造の場合と同様の方法により、疎水性チタン化合物Bを得た。
【0052】
(疎水性チタン化合物Cの製造)
イゾブチルトリメトキシシランの量を30部にしたこと以外は、疎水性チタン化合物Aの製造の場合と同様の方法により、疎水性チタン化合物Cを得た。
【0053】
(疎水性チタン化合物Dの製造)
上記の方法で製造したTiO(OH)100部を水1000ml中に分散したものに、メチルトリメトキシシラン25部を、室温で撹拌しながら、液性pH2〜3に保った状態で滴下した。次いで、これをpH5.5〜6に中和した後、ろ過し、水洗浄を繰り返した。このようにして得られたメチルトリメトキシシランで表面処理されたチタン化合物を180℃で乾燥し、疎水性チタン化合物Dを得た。
【0054】
(疎水性チタン化合物Eの製造)
メチルトリメトキシシランの量を10部にしたこと以外は、疎水性チタン化合物Dの製造の場合と同様の方法により、疎水性チタン化合物Eを得た。
【0055】
(疎水性チタン化合物Fの製造)
メチルトリメトキシシランの量を30部にしたこと以外は、疎水性チタン化合物Dの製造の場合と同様の方法により、疎水性チタン化合物Fを得た。
【0056】
(疎水性チタン化合物Gの製造)
メチルトリメトキシシランの量を5部にしたこと以外は、疎水性チタン化合物Dの製造の場合と同様の方法を行い、BET比表面積20m/gで、比重3.6の疎水性チタンを得た。
【0057】
(疎水性チタン化合物Hの製造)
TiO(OH)100部を700℃に加熱した後、湿式粉砕を行い、これにイソブチルトリメトキシシランを30部添加し、200℃に加熱した。該チタン化合物を湿式(スラリー状態)のままろ過し、水洗、乾燥を行い、乾式にて粉砕することにより疎水性チタン化合物Hを得た。
【0058】
(疎水性チタン化合物Iの製造)
TiO(OH)100部を700℃に加熱した後、湿式粉砕を行い、これにメチルトリメトキシシランを20部添加し、170℃で加熱した。該チタン化合物をpH5.5〜6に中和し、湿式(スラリー状態)のままろ過し、水洗、乾燥を行い乾式にて粉砕することにより、BET比表面積100m/gで、比重3.8の疎水性チタン化合物Iを得た。
【0059】
(疎水性チタン化合物Jの製造)
TiO(OH)100部にメチルトリメトキシシランを15部滴下し、120℃に加熱した。該チタン化合物を湿式(スラリー状態)のままろ過、水洗、乾燥し、乾式にて粉砕することにより疎水性チタン化合物Jを得た。
【0060】
(疎水性チタン化合物Kの製造)
シラン処理後の中和pHを6.5にしたこと以外は疎水性チタン化合物Aの製造の場合と同様の方法により、疎水性チタン化合物Kを得た。
【0061】
上記のようにして得られた疎水性チタン化合物A〜Kの物性値を表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 0003601285
【0063】
(参考例2:キャリアの製造)
キャリアA〜Dを下記のようにして製造した。
Figure 0003601285
フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成液を調製し、更に、この被膜層形成液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃において30分撹拌した後、減圧してトルエンを留去して被覆層を形成してキャリアを得た。ただし、カーボンブラックは、予め、被覆樹脂であるスチレンメタクリレート共重合体をトルエンで希釈したものに、サンドミルを用いて分散させた。
【0064】
Figure 0003601285
フェライト粒子を除く上記成分をホモミキサーで10分間分散し、被覆層形成液を調製し、更に、この被覆層形成液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーにいれ、温度60℃において30分撹拌した後、減圧してトルエンを留去して被膜層を形成してキャリアを得た。ただし、導電粉は、予め、被覆樹脂であるスチレンメタクリレート共重合体及びパーフルオロアクリレート共重合体をトルエンで希釈したものに、サンドミルで分散しておいた。
【0065】
Figure 0003601285
フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成液を調製し、更に、この被覆層形成液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーにいれ、温度60℃において30分撹拌した後、減圧してトルエンを留去して被膜層を形成してキャリアを得た。ただし、カーボンブラックは、予め、被覆樹脂であるパーフルオロアクリレート共重合体をトルエンで希釈したものに、サンドミルで分散しておいた。
【0066】
Figure 0003601285
フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成液を調製し、更に、この被覆層形成液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーにいれ、温度60℃において30分撹拌した後、減圧してトルエンを留去して被膜層を形成してキャリアを得た。ただし、カーボンブラックは、予め、被覆樹脂であるパーフルオロアクリレート共重合体をトルエンで希釈したものに、サンドミルで分散しておいた。
【0067】
Figure 0003601285
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、さらに、風力式分級機で分級して平均粒径6.5μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部に対して、上記疎水性チタン化合物B0.5部、及び疎水性シリカ微粒子0.85部を添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナーA(シアントナー)を調製した。
現像剤の製造:
上記参考例2で得られたキャリアA〜D各100重量部を、上記トナーA6重量部と混合して4種類の現像剤を調整した。
【0068】
(試験例1)
実施例1で得られた現像剤(トナーがトナーAであり、キャリアがA〜Dである各現像剤)を使用して、電子写真複写機(A−Color630:富士ゼロックス(株)製)によってコピーテストを行った。このコピーテストは、中温中湿(22℃、55%RH)の環境下で、コピー初期と30,000枚複写後と100,000枚複写後の帯電量及びかぶりの発生について測定することにより行った。結果を表2示す。ただし、表2中、帯電量はブローオフ測定法による値を示し、「かぶり」はコピーの目視による観察評価結果を示す。
【0069】
【表2】
Figure 0003601285
【0070】
表2の結果から明らかなように、各キャリアA〜Dと実施例2のトナーを含む現像剤を用いると、画像濃度の変動や地汚れが生じることがなく、安定な画像が得られた。
【0071】
Figure 0003601285
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に、分級機で分級して平均粒径9μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部に対して、上記疎水性チタン化合物Aを1部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナーを得た。
現像剤の製造:
上記トナー6部と前記参考例2で得られたキャリアB94部を混合して現像剤を調製した。
【0072】
(実施例3)
疎水性チタン化合物Aの代わりに、前記疎水性チタン化合物C0.8部を用いたこと以外は、実施例2と同様の条件の下でトナーを得て、さらに実施例2と同じキャリアと混合して現像剤を調製した。
【0073】
(実施例4)
疎水性チタン化合物Aの代わりに、前記疎水性チタン化合物E1.1部を用いたこと以外は、実施例2と同様の条件の下でトナーを得て、さらに実施例2と同じキャリアと混合して現像剤を調製した。
【0074】
比較例6
疎水性チタン化合物Aの代わりに、前記疎水性チタン化合物Iを用いたこと以外は、実施例2と同様の条件の下でトナーを得て、さらに実施例2と同じキャリアと混合して現像剤を調製した。
【0075】
(比較例1)
疎水性チタン化合物Aの代わりに、前記疎水性チタン化合物Gを用いたこと以外は、実施例2と同様の条件の下でトナーを得て、さらに実施例2と同じキャリアと混合して現像剤を調製した。
【0076】
(比較例2)
疎水性チタン化合物Aの代わりに、前記疎水性チタン化合物Jを用いたこと以外は、実施例2と同様の条件の下でトナーを得て、さらに実施例2と同じキャリアと混合して現像剤組成物を調製した。
【0077】
(試験例2)
上記実施例1〜及び比較例1〜2、6で得られた各現像剤を用いて、電子写真複写機(FX5039:富士ゼロックス(株)製)にて連続複写試験を行った。結果を表3に示すが、表3中の記号及びグレードの基準は下記の通りとした。
【0078】
(1)帯電量及び総合帯電評価
▲1▼ブローオフ測定器により測定した。
▲2▼高温高湿下:30℃、90RH%での複写テスト
▲3▼低温低湿下:10℃、15RH%での複写テスト
環境差={初期帯電量(高温高湿÷低温低湿)+10万枚複写後帯電(高温高湿÷低温低湿)}×1/2
で総合評価を行い、次のような判定を行った。
○:環境差が0.8以上
△:環境差が0.6以上
×:環境差が0.6未満
維持性={高温高湿帯電量(10万枚÷初期)+低温低湿帯電量(10万枚÷初期)}×1/2
で総合評価を行い、次のような判定を行った。
○:維持性が0.8以上
△:維持性が0.6以上
×:維持性が0.6未満
(2)トナー保存性
問題なし:10万枚目においてもトナー凝固が発生しなかった。
G1:10万枚目で若干のトナー凝集があるが、使用可能なレベルにあった。
G2:8万枚及びそれ以上になるとトナー凝固が発生した。
G3:6万枚以上8万枚未満でトナー凝固が発生した。
G4:4万枚以上6万枚未満でトナー凝固が発生した。
【0079】
(3)画質欠陥
10万枚コピーを採取して、コピー画質を観察した。
問題なし:10万枚コピー後においても、濃度低下や背景部へのカブリ、白抜け等の画質結果等がなく、優れた画質を保っていた
A:経時で帯電の環境差悪化による低濃度
B:感光体上へのトナー成分付着もしくは傷が原因と思われる画像の白抜け発生
C:経時で帯電の環境差悪化および帯電維持性の悪化による低濃度
D:アドミクス不良に伴う画像背景部へのカブリ発生
E:経時で帯電の環境差悪化による画像背景部へのカブリ発生
F:経時により特に高温高湿下で低濃度傾向にあるが、画質上には問題なし
【0080】
【表3】
Figure 0003601285
【0081】
表3から明らかなように、実施例2〜の現像剤を用いた場合は、比較例1〜3、6の現像剤を用いた場合と比べて、繰り返し使用においても帯電の経時的安定性、環境依存性、耐ケーシング性に優れた画質を形成し得ることが判明した。
【0082】
Figure 0003601285
上記混合物をエクストルーダーで混練し、冷却した後ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級して平均粒径6.5μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部に対して、上記疎水性酸化チタン化合物Bを0.6部及び疎水性シリカ微粒子0.9部を添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナーを調製した。
現像剤の製造:
上記トナー6部と前記参考例2で得られたキャリアD94部を混合して現像剤を調製した。
【0083】
(実施例7)
疎水性チタン化合物Bの代わりに、疎水性チタン化合物Fを0.6部を用いたこと以外は、実施例6と同様の条件の下でトナーを得て、実施例6と同じキャリアと混合して現像剤を調製した。
【0084】
比較例7
疎水性チタン化合物Bの代わりに、疎水性チタン化合物Hを0.6部用いたこと以外は、実施例6と同様の条件の下でトナーを得て、さらに実施例6と同じキャリアと混合して現像剤を調製した。
【0085】
(実施例9)
疎水性チタン化合物Bの代わりに、疎水性チタン化合物Dを0.3部用いたこと以外は、実施例6と同様の条件の下でトナーを得て、さらに実施例6と同じキャリアと混合して現像剤を調製した。
【0086】
(実施例10)
疎水性チタン化合物Bの添加量を1.4部としたこと以外は、実施例6と同様の条件の下でトナーを得て、さらに実施例6と同じキャリアと混合して現像剤を調製した。
【0087】
(比較例3)
疎水性チタン化合物Bを用いないこと以外は、実施例6と同様の条件の下でトナーを得て、さらに実施例6と同じキャリアと混合して現像剤を調製した。
【0088】
(比較例4)
疎水性チタン化合物Bの代わりに、疎水性チタン化合物Jを0.3部用いたこと以外は、実施例6と同様の条件の下でトナーを得て、さらに実施例6と同じキャリアと混合して現像剤を調製した。
【0089】
(比較例5)
疎水性チタン化合物Bの代わりに、疎水性チタン化合物Kを0.6部用いたこと以外は、実施例6と同様の条件の下でトナーを得て、さらに実施例6と同じキャリアと混合して現像剤を調製した。
【0090】
(試験例3)
上記実施例6、7、9、10及び比較例3〜5及び7において得られた各現像剤を用いて、電子写真複写機(A−color635:富士ゼロックス(株)製)にて連続複写試験を行った。結果を表4に示す。表4中の記号及びグレードの基準は表3に関して説明した通りである。
【0091】
【表4】
Figure 0003601285
【0092】
表4から明らかなように、実施例6〜10の場合は比較例3〜5の場合と比べて、繰り返し使用においても帯電の経時的安定性、環境依存性、耐ケーキング性に優れたものが得られた。したがって、本発明のトナーまたはそれを含む現像剤を用いると、感光体への傷や付着が改善されるため、長期にわたって優れた画質を形成し得ることが判明した。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、帯電の環境依存性、経時的安定性、粉体流動性、耐ケーシング性に優れ、長期にわたって優れた画質を得ることができる静電荷像現像用トナー及びそれを含む静電荷像現像剤が得られる。また、本発明によれば、トナーの添加剤の感光体汚染に起因する画質欠陥や埋めこみに起因するカブリのない高画質を得ることができる静電荷像現像用トナー及びそれを含む静電荷像現像剤が得られる。

Claims (15)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と添加剤とからなる静電荷像現像用トナーにおいて、前記添加剤がTi(OH)とシラン化合物との反応により得られる疎水性チタン化合物を含有してなり、前記疎水性チタン化合物中のNa0含有量が0.3重量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 疎水性チタン化合物のBET比表面積が、40〜250m/gであることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 疎水性チタン化合物が、湿式法により製造されたものであることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  4. シラン化合物が、シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  5. シラン化合物が、アルコキシシランであることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 疎水性チタン化合物が、トナー全体の重量に基づいて、1.5重量%以下の量で配合されていることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  7. トナー粒子の体積平均粒子径が、3〜9μmであることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含有することを特徴とする静電荷像現像剤。
  9. キャリアが、芯材上に樹脂被覆層を有してなるものであることを特徴とする請求項8記載の静電荷像現像剤。
  10. 樹脂被覆層が、平均粒子径0.1μm〜2μmの樹脂微粒子を含有してなることを特徴とする請求項9記載の静電荷像現像剤。
  11. 樹脂被覆層の膜厚が、0.1〜10μmであることを特徴とする請求項8記載の静電荷像現像剤。
  12. 樹脂被覆層が、導電性材料を含有することを特徴とする請求項9記載の静電荷像現像剤。
  13. 導電性材料が、カーボンブラックであることを特徴とする請求項12記載の静電荷像現像剤。
  14. 潜像担持体上に潜像を形成する工程と該潜像を現像剤担持体上の現像剤を用いて現像する工程とを含む画像形成方法において、現像剤として、請求項1記載の静電荷像現像用トナーを含む現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
  15. 潜像担持体上に潜像を形成する工程と該潜像を現像剤担持体上の現像剤を用いて現像する工程とを含む画像形成方法において、現像剤として、請求項8記載の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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