JP3600980B2 - 同軸ケーブル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は同軸ケーブル及びその製造方法に関し、特に、予め定められた長さに切断されてその切断部分にコネクタが接続される、その切断前の同軸ケーブル及びその製造方法に属する。
【0002】
【従来の技術】
各種電子装置に数多く使用されるコネクタ付きの同軸ケーブルは、通常、同一構造で延々とつながる同軸ケーブルを、使用する長さで切断してその切断部分を、同軸コネクタ等のコネクタが接続できるように加工し(端末処理)、その部分に同軸コネクタ等のコネクタを接続、装着して完成する。
このような同軸ケーブルの従来の第1の例の、切断前の側面図及び断面拡大図、並びに切断後の端末処理部分の側面図を図5(a)〜(c)に示す。この同軸ケーブルは、予め定められた直径を有して線状に延びる中心導体10と、この中心導体10の周囲を一定の厚さで被覆する内部絶縁体20xと、この内部絶縁体20xの周囲を予め定められた厚さで覆う外部導体30xと、この外部導体30xと接触して中心導体10と平行に延びる外部導線50と、外部導体30xの周囲及び外部導線50全体を被覆する外部被覆40xと、を有する構成、構造となっており、この構成、構造のものを連続して形成される。
【0003】
このような同軸ケーブルから、同軸コネクタ等のコネクタ付きの同軸ケーブル(以下、単にコネクタ付き同軸ケーブルという)を製造する場合、まず、前述の同軸ケーブルを、コネクタ付き同軸ケーブルの長さ寸法に合せて切断し(図5(a)のB部2箇所で切断)、続いて、この切断部分に同軸コネクタ等のコネクタを接続、装着するために、切断部分を、例えば図5(c)に示すように端末処理する。この端末処理の形状は使用するコネクタの種類によって異なり、図5(c)の例では、外部導体30x及び外部被覆40xが、切断部分の先端から予め定められた寸法だけ切除されて、中心導体10を被覆している内部絶縁体20xと、外部導線50とが露出した形状となっている。
【0004】
このような同軸ケーブルの端末処理は、コネクタ付き同軸ケーブルの量産化や作業効率の向上、切除する外部被覆40x、外部導体30x以外の部分を傷めないようにするために、レーザー装置やストリップ治具等が必要となる。
図6(a)〜(c)は、従来の同軸ケーブルの第2の例の、切断前の側面図及び断面図、並びに切断後の端末処理部分の側面図である。
この第2の例の同軸ケーブルが、前述の第1の例の同軸ケーブルと相異している点は、第1の例では外部導線50が配置されているのに対し、第2の例では、この外部導線50を含まない構成、構造となっている点である。
【0005】
前述の第1の例の端末処理部分は、外部導線50によって、外部導体30xを同軸コネクタ等のコネクタの外部導体に接続することができるため、図5(c)のように外部導体30xは外部被覆40xに覆われている状態とする場合も多いが、この第2の例の端末処理部分は、外部導線50がないため、図6(c)に示すように、外部導体30xを一部露出させて、この露出部分を直接、同軸コネクタ等のコネクタの外部導体に圧着接続させるようにする例が多い。
この第2の例でも、第1の例と同様に、レーザー装置やストリップ治具等が必要となる。
【0006】
なお、これらの例において、中心導体10の同軸コネクタへの接続は、同軸コネクタの構造によっても異なるが、内部絶縁体20x付きのままの中心導体10を、同軸コネクタの中心導体接続部へ押し込んで接続する方法や、内部絶縁体20xの一部を切除して接続する方法などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の同軸ケーブルは、第1の例では、線状に延びる中心導体10の周囲に内部絶縁体20xを被覆し、その周囲を外部導体30xで覆い、この外部導体30xと接触して中心導体10と平行に配置された外部導線50を設け、外部導体30xの周囲及び外部導線50全体を被覆する外部被覆40xを有する構成、構造となっており、第2の例では、上記第1の例に対し、その外部導線50を含んでいない構成、構造となっていて、これら構成、構造のものが連続して形成されているので、コネクタ付き同軸ケーブルを製造する場合、このコネクタ付きケーブルの寸法に合せて前述の同軸ケーブルを切断し、その切断部分を、同軸コネクタ等のコネクタに合わせて端末処理する際に、その量産化や作業効率の向上、切除する部分以外の部分を傷めないようにするために、外部導体30x、外部被覆40xを切除するための、高価なレーザー装置やストリップ治具等が必要となって、コネクタ付き同軸ケーブルがコスト高になるという問題点がある。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑みて、コネクタ付き同軸ケーブルのコストを安くすることができる同軸ケーブル及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の同軸ケーブルの製造方法は、予め定められた長さに切断されてその切断部分にコネクタが接続される、その切断前の同軸ケーブルの製造方法であって、次の各工程を含むことを特徴とする。
(イ)予め定められた幅を有するフィルム状の絶縁テープの一方の面に、予め定められた長さの導電体薄板を、その幅は前記絶縁テープに合せ、かつ隣との間に予め定められた寸法の間隙を設けて間欠的に配置し接着して、外部導体用テープを製造する外部導体用テープ製造工程
(ロ)予め定められた直径を有して線状に延びる中心導体の周囲に、予め定められた厚さ及び幅を有する絶縁体テープを巻き付けて、前記中心導体の周囲を被覆する内側絶縁体を形成する内側絶縁体形成工程
(ハ)前記内側絶縁体の周囲に、前記外部導体用テープを、その導電体薄板を外側にして巻き付けて、前記内側絶縁体と前記外部導体用テープの絶縁テープとの2重構造の内部絶縁体を完成させると同時に、この内部絶縁体の周囲を覆って間欠的に配置された外部導体を形成する、外部導体形成工程
(ニ)前記外部導体の配置位置を検出して、これら外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の予め定められた範囲に対し被覆する、外部被覆を形成する、外部被覆形成工程
【0010】
第2の発明の同軸ケーブルの製造方法は、予め定められた長さに切断されてその切断部分にコネクタが接続される、その切断前の同軸ケーブルの製造方法であって、次の各工程を含むことを特徴とする。
(イ)予め定められた幅及び厚さを有する絶縁体テープの一方の面に、予め定められた長さの導電体薄板を、その幅は前記絶縁体テープに合せ、かつ隣との間に予め設定された寸法の間隙を設けて間欠的に配置し接着して、内部絶縁体・外部導体用テープを製造する、テープ製造工程
(ロ)予め定められた直径を有して線状に延びる中心導体の周囲に、前記内部絶縁体・外部導体用テープを巻き付けて、前記中心導体の周囲を被覆する内部絶縁体と、この内部絶縁体の周囲を覆って間欠的に配置された外部導体とを形成する、内部絶縁体・外部導体形成工程
(ハ)前記外部導体の配置位置を検出して、これら外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の予め定められた範囲に対し被覆する、外部被覆を形成する、外部被覆形成工程
【0011】
第3の発明の同軸ケーブルは、前述の同軸ケーブルの製造方法で製造された同軸ケーブルであって、次の各構成を有することを特徴とする。
(イ)予め定められた直径を有して線状に延びる中心導体
(ロ)前記中心導体の周囲を一定の厚さで被覆する内部絶縁体
(ハ)前記内部絶縁体の周囲を、その長さ方向に対し、隣との間に予め設定された寸法の間隙を設けて予め定められた長さ及び厚さで覆って、間欠的に配置された外部導体
(ニ)前記間欠的に配置された外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の予め定められた範囲に対し被覆する、間欠的に配置された外部被覆
【0012】
また、前記外部被覆が、前記間欠的に配置された外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の全域にわたって被覆する構造であるか、その長さ方向の両端又は何れか一方の端の、設定範囲部分が露出するように、この設定範囲部分以外の部分を被覆する構造である、構成を有している。
【0013】
前記第1の発明の同軸ケーブルの製造方法に加えて、その外部導体形成工程と外部被覆形成工程との間に、外部導体と接触して中心導体と平行に延びる外部導線を配置する、外部導線配置工程を含み、前記外部被覆形成工程を、外部被覆が、前記外部導体を被覆すると同時に、前記外部導線をも被覆するように形成される工程とした、構成を有している。
【0014】
前記第2の発明の同軸ケーブルの製造方法に加えて、その内部絶縁体・外部導体形成工程と外部被覆形成工程との間に、外部導体と接触して中心導体と平行に延びる外部導線を配置する、外部導線配置工程を含み、前記外部被覆形成工程を、外部被覆が、前記外部導体を被覆すると同時に、前記外部導線をも被覆するように形成される工程とした、構成を有している。
【0015】
また、前記同軸ケーブルに加えて、外部導体と外部被覆との間に、前記外部導体と接触して中心導体と平行に延びる、外部導線が配置された構造を有している。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の同軸ケーブルの一実施の形態は、予め定められた長さに切断されてその切断部分にコネクタが接続される、その切断前の同軸ケーブルであって、予め定められた直径を有して線状に延びる中心導体と、この中心導体の周囲を一定の厚さで被覆する内部絶縁体と、この内部絶縁体の周囲を、その長さ方向に対し、隣との間に予め設定された寸法の間隙を設けて予め定められた長さ及び厚さで覆って、間欠的に配置された外部導体と、この間欠的に配置された外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の予め定められた範囲に対し被覆する、間欠的に配置された外部被覆と、を有する構成、構造となっている。
そして、間欠的に配置された外部被覆それぞれは、その長さが、使用の対象となるコネクタ付き同軸ケーブルの長さに合せて決定され、また、接続されるコネクタの構造に合せて、外部導体それぞれの範囲を、その長さ方向の全域にわたって被覆する構造とするか、その長さ方向の両端又は何れか一方の端の、設定範囲部分が露出するように、この設定範囲部分以外の部分を被覆する構造とし、また、外部導体の隣との間の間隙寸法も、接続されるコネクタに合せて決定される。
【0017】
このような構成、構造とすることにより、内部絶縁体が露出している部分で切断すれば、外部導体や外部被覆を切除する作業を行わなくても同軸コネクタとの接続ができるようになるので、外部導体、外部被覆切除用の高価なレーザー装置、ストリップ治具等は不要となり、かつ作業効率が向上し、量産化も促進されて、コネクタ付き同軸ケーブルのコストを安くすることができる。
なお、接続されるコネクタによっては、外部導体と接触して中心導体と平行に延びる、外部導線を含む構成、構造とし、この外部導線をコネクタ外部導体に接続する。
【0018】
また、このような同軸ケーブルを製造方法するには、まず、予め定められた幅を有するフィルム状の絶縁テープの一方の面に、予め定められた長さの導電体薄板を、その幅は上記絶縁テープに合せ、かつ隣との間に予め定められた寸法の間隙を設けて間欠的に配置し接着して、外部導体用テープを製造しておき、次に、線状に延びる中心導体の周囲に、予め定められた厚さ及び幅を有する絶縁テープを巻き付けて、上記中心導体の周囲を被覆する内側絶縁体を形成し、続いて上記内側絶縁体の周囲に、上記外部導体用テープを、その導電体薄板を外側にして巻き付けて、上記内側絶縁体と上記外側導体用テープの絶縁テープとの2重構造の内部絶縁体を形成させると同時に、この内部絶縁体の周囲を覆って間欠的に配置された外部導体を形成する。そして、上記外部導体の配置位置を検出して、これら外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の予め定められた範囲に対し被覆する、外部被覆を形成し、上記同軸ケーブルが完成する。
【0019】
また、予め定められた幅及び厚さを有する絶縁体テープの一方の面に、予め定められた長さの導電体薄板を、その幅は上記絶縁体テープに合せ、かつ隣との間に予め設定された寸法の間隙を設けて間欠的に配置し接着して、内部絶縁体・外部導体用テープを製造しておき、次に、線状に延びる中心導体の周囲に、上記内部絶縁体・外部導体用テープを直接巻き付けて、上記中心導体の周囲を被覆する内部絶縁体と、この内部絶縁体の周囲を覆って間欠的に配置された外部導体とを形成するようにしてもよい。
なお、外部導線を含む構成の同軸ケーブルを製造するには、外部被覆を形成する前に、この外部導線を配置する工程を設ければよい。
【0020】
【実施例】
次に本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1(a)〜(c)は本発明の同軸ケーブルの第1の実施例を示す、切断前の側面図、並びにそのA−A断面拡大図及びB−B断面拡大図である。
この第1の実施例の、切断前の同軸ケーブルは、予め定められた直径を有して線状に延びる中心導体10と、この中心導体10の周囲を一定の厚さで被覆する内部絶縁体20と、この内部絶縁体の周囲を、その長さ方向に対し、隣との間に予め設定された寸法の間隙を設けて予め定められた長さ及び厚さで覆って、間欠的に配置された外部導体30と、この外部導体30と接触して中心導体10と平行に延びる外部導線50と、外部導体30及びこの外部導体30と接触する部分の外部導線50の周囲を、間欠的に配置された外部導体30それぞれの長さ方向の全域を被覆する、間欠的に配置された外部被覆40と、を有する構成、構造となっている。
【0021】
この第1の実施例の、同軸ケーブルにおいて、外部被覆40それぞれは、その長さが、使用の対象となるコネクタ付き同軸ケーブルの長さに合せて決定され、また、隣との間の間隙寸法、すなわち、内部絶縁体20が露出している部分の長さは、接続されるコネクタの構造、寸法に合せて決定される。更に、この第1の実施例の同軸ケーブルにおいては、外部導線50が配置されていてこの外部導線50を、コネクタの外部導体に接続する構造となっていて、外部導体30を直接コネクタの外部導体に接続しないため、外部被覆40が外部導体30それぞれの長さ方向全域を被覆する構造となっている。
【0022】
このような構成、構造とすることにより、この同軸ケーブルを、内部絶縁体20が露出している部分で切断すれば(Cのところで)、外部導体30及び外部被覆40の切除作業を行わなくてもコネクタとの接続ができるようになるので、従来必要としていた外部導体、外部被覆切除用の高価なレーザー装置やストリップ治具等が不要となり、しかも作業効率が向上し、量産化も促進されて、コネクタ付き同軸ケーブルのコストを安くすることができる。
【0023】
次に、この同軸ケーブルの製造方法について説明する。
図2(a)〜(d)はこの同軸ケーブルの製造方法の第1の実施例を説明するための外部導体用テープの平面図及び断面拡大図、並びに各工程を示す側面図、及び完成品の断面図である。
この同軸ケーブルの製造方法は、まず、予め定められた幅(後述)を有するフィルム状の絶縁テープ24の一方の面に、予め定められた長さ(前述の外部導体30を形成するのに必要な長さ)のアルミニウム薄板25を、その幅は絶縁テープ24に合わせ、かつ隣との間に予め設定された寸法の間隙を設けて間欠的に配置し、接着して、外部導体用テープ23を形成する(外部導体用テープ製造工程)。
【0024】
次に、予め定められた直径を有して直線状に延びる中心導体10の周囲に、予め定められた厚さ及び幅(中心導体10の周囲を被覆するのに必要な幅)を有する絶縁体テープ26(誘電体テープ)を巻き付けて、内側絶縁体21を形成する(内側絶縁体形成工程100)。
【0025】
次に、内側絶縁体21の周囲に、外部導体用テープ23を、そのアルミニウム薄板25を外側にして巻き付けて、前述の内側絶縁体21とこの外部導体用テープ23の絶縁テープ24との2重構造とした内部絶縁体20を完成させると同時に、この内部絶縁体20の周囲を覆って間欠的に配置された外部導体30を形成する(外部導体形成工程200)。従って、絶縁テープの幅は、この内側絶縁体21の周囲を被覆するのに必要な幅とする。
【0026】
次に、外部導体30と接触して中心導体10と平行に延びる外部導線50を配置し(導線配置工程300)、続いて、センサー410により、外部導体30の配置位置を検出して、外部導体30及びこれと接触する外部導線50の周囲を、外部導体30の長さ方向の予め定められた範囲(この例では全域)に対し被覆し、外部被覆40を形成し(外部被覆形成工程400)、この同軸ケーブルは完成する。
【0027】
このように、外部導体30を形成するアルミニウム薄板25を、絶縁テープ24に間欠的に接着した外部導体用テープ23を予め製造しておき、これを内側絶縁体21の周囲に巻き付けることにより、外部導体30を、間欠的に、容易に形成することができる。
【0028】
図3(a)〜(c)は、前述の同軸ケーブルの製造方法の、第2の実施例を説明するための絶縁体・外部導体用テープの平面図及び断面拡大図、並びに各工程を示す側面図である。
製造方法の第1の実施例では、内部絶縁体20を、絶縁体テープ26による内側絶縁体21と、絶縁テープ24による外側絶縁体22とによる2重構造として形成したが、この製造方法の第2の実施例では、内部絶縁体20を一重で形成するようにし、そのために、予め定められた幅及び厚さを有する絶縁体テープ26aの一方の面に、アルミニウム薄板25を間欠的に配置、接着した、絶縁体・外部導体用テープ27を予め製造しておく(テープ製造工程)。
【0029】
そして、中心導体10の周囲に直接、この絶縁体・外部導体用テープ27を巻き付けて、一重の内部絶縁体20と、その周囲を覆う、間欠的配置の外部導体30とを、同時に形成する(内部絶縁体・外部導体成形工程500)。
以下の工程は、製造方法の第1の実施例と同様である。
このような製造方法とすることにより、工程数を少なくすることができ、コストを更に低減することができる。
【0030】
図4(a)〜(d)は、本発明の同軸ケーブルの第2の実施例を示す、側面図、及び3箇所の断面拡大図である。
この同軸ケーブルの第2の実施例では、接続されるコネクタの構造に合せて、間欠的に配置された外部導体30aそれぞれの長さ方向の両端部分が、設定寸法だけ露出するように、この露出部分以外の部分を外部被覆40aで被覆する構造とし、かつ、第1の実施例では配置されていた外部導線50もなくした構成、構造となっている。
【0031】
この同軸ケーブルでは、Dのところで切断して、直ちにコネクタと接続することができる。そして、外部導体30aの露出した部分が、コネクタの外部導体と加圧接触接続される。
この実施例においても、同軸ケーブルの第1の実施例と同様の作用効果を有している。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、予め定められた長さに切断されてその切断部分にコネクタが接続される、その切断前の同軸ケーブルであって、その中心導体の周囲を一定の厚さで被覆する内部絶縁体の周囲を、その長さ方向に対し、隣との間に予め設定された寸法の間隙を設けて、予め定められた長さ及び厚さで覆って、間欠的に配置された外部導体を設け、この間欠的に配置された外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の予め定められた範囲に対し被覆する、間欠的に配置された外部被覆を設けた、構成、構造とするか、更に、外部導体と外部被覆との間に、この外部導体と接触して中心導体と平行に延びる外部導線を設けた、構成、構造とすることにより、内部絶縁体が露出している部分で切断すれば、外部導体及び外部被覆の切除作業も行わなくてもコネクタとの接続ができるようになるので、外部導体及び外部被覆切除用の高価なレーザー装置やストリップ治具等が不要となり、しかも作業効率が向上し、量産化も容易となって、コネクタ付き同軸ケーブルのコストを安くすることができる効果がある。
【0033】
そして、この同軸ケーブルは、フィルム状の絶縁テープの一方の面に、予め定められた長さの導電体薄板を間欠的に配置し接着した外部導体用テープを予め製造しておき、線状に延びる中心導体の周囲に、予め定められた厚さの絶縁体テープを巻き付けて内側絶縁体を形成し、その周囲に、上記の外部導体用テープを導電体薄板を外側にして巻き付けて、内側絶縁体を外部導体用テープの絶縁テープとの2重構造の内部絶縁体を形成すると同時に、間欠的に配置された外部導体を形成し、その外部導体の配置位置を検出して、これら外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の予め定められた範囲に対して被覆する外部被覆を形成する工程とするか、内部絶縁体の厚さに合った厚さの絶縁体テープの一方の面に導電体薄板を間欠的に配置、接着した内部絶縁体・外部導体用テープを製造しておき、これを線状に延びた中心導体の周囲に巻き付けた後、前述と同様の工程とすることにより、容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同軸ケーブルの第1の実施例を示す側面図及び断面拡大図である。
【図2】図1に示された同軸ケーブルの製造方法の第1の実施例を説明するための外部導体用テープの平面図及び断面図、並びに各工程を示す側面図及び完成品断面図である。
【図3】図1に示された同軸ケーブルの製造方法の第2の実施例を説明するための絶縁体・外部導体用テープの平面図及び断面拡大図、並びに各工程を示す側面図である。
【図4】本発明の同軸ケーブルの第2の実施例を示す側面図及び断面拡大図である。
【図5】従来の同軸ケーブルの第1の例を示す側面図、断面拡大図、及び切断後、端末処理した部分の側面図である。
【図6】従来の同軸ケーブルの第2の例を示す側面図、断面拡大図、及び切断後、端末処理した部分の側面図である。
【符号の説明】
10 中心導体
20,20x 内部絶縁体
21 内側絶縁体
22 外側絶縁体
23 外部導体用テープ
24 絶縁テープ
25 アルミニウム薄板
26,26a 絶縁体テープ
27 絶縁体・外部導体用テープ
30,30a,30x 外部導体
40,40a,40x 外部被覆
50 外部導線

Claims (8)

  1. 予め定められた長さに切断されてその切断部分にコネクタが接続される、その切断前の同軸ケーブルの製造方法であって、次の各工程を含むことを特徴とする同軸ケーブルの製造方法。
    (イ)予め定められた幅を有するフィルム状の絶縁テープの一方の面に、予め定められた長さの導電体薄板を、その幅は前記絶縁テープに合せ、かつ隣との間に予め定められた寸法の間隙を設けて間欠的に配置し接着して、外部導体用テープを製造する外部導体用テープ製造工程
    (ロ)予め定められた直径を有して線状に延びる中心導体の周囲に、予め定められた厚さ及び幅を有する絶縁体テープを巻き付けて、前記中心導体の周囲を被覆する内側絶縁体を形成する内側絶縁体形成工程
    (ハ)前記内側絶縁体の周囲に、前記外部導体用テープを、その導電体薄板を外側にして巻き付けて、前記内側絶縁体と前記外部導体用テープの絶縁テープとの2重構造の内部絶縁体を完成させると同時に、この内部絶縁体の周囲を覆って間欠的に配置された外部導体を形成する、外部導体形成工程
    (ニ)前記外部導体の配置位置を検出して、これら外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の予め定められた範囲に対し被覆する、外部被覆を形成する、外部被覆形成工程
  2. 予め定められた長さに切断されてその切断部分にコネクタが接続される、その切断前の同軸ケーブルの製造方法であって、次の各工程を含むことを特徴とする同軸ケーブルの製造方法。
    (イ)予め定められた幅及び厚さを有する絶縁体テープの一方の面に、予め定められた長さの導電体薄板を、その幅は前記絶縁体テープに合せ、かつ隣との間に予め設定された寸法の間隙を設けて間欠的に配置し接着して、内部絶縁体・外部導体用テープを製造する、テープ製造工程
    (ロ)予め定められた直径を有して線状に延びる中心導体の周囲に、前記内部絶縁体・外部導体用テープを巻き付けて、前記中心導体の周囲を被覆する内部絶縁体と、この内部絶縁体の周囲を覆って間欠的に配置された外部導体とを形成する、内部絶縁体・外部導体形成工程
    (ハ)前記外部導体の配置位置を検出して、これら外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の予め定められた範囲に対し被覆する、外部被覆を形成する、外部被覆形成工程
  3. 請求項1又は請求項2記載の同軸ケーブルの製造方法で製造された同軸ケーブルであって、次の各構成を有することを特徴とする同軸ケーブル。
    (イ)予め定められた直径を有して線状に延びる中心導体
    (ロ)前記中心導体の周囲を一定の厚さで被覆する内部絶縁体
    (ハ)前記内部絶縁体の周囲を、その長さ方向に対し、隣との間に予め設定された寸法の間隙を設けて予め定められた長さ及び厚さで覆って、間欠的に配置された外部導体
    (ニ)前記間欠的に配置された外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の予め定められた範囲に対し被覆する、間欠的に配置された外部被覆
  4. 前記外部被覆が、前記間欠的に配置された外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の全域にわたって被覆する構造である、請求項3記載の同軸ケーブル。
  5. 前記外部被覆が、前記間欠的に配置された外部導体それぞれの周囲を、その長さ方向の両端又は何れか一方の端の、設定範囲部分が露出するように、この設定範囲部分以外の部分を被覆する構造である、請求項3記載の同軸ケーブル。
  6. 請求項1記載の同軸ケーブルの製造方法に加えて、その外部導体形成工程と外部被覆形成工程との間に、外部導体と接触して中心導体と平行に延びる外部導線を配置する、外部導線配置工程を含み、前記外部被覆形成工程を、外部被覆が、前記外部導体を被覆すると同時に、前記外部導線をも被覆するように形成される工程とした、同軸ケーブルの製造方法。
  7. 請求項2記載の同軸ケーブルの製造方法に加えて、その内部絶縁体・外部導体形成工程と外部被覆形成工程との間に、外部導体と接触して中心導体と平行に延びる外部導線を配置する、外部導線配置工程を含み、前記外部被覆形成工程を、外部被覆が、前記外部導体を被覆すると同時に、前記外部導線をも被覆するように形成される工程とした、同軸ケーブルの製造方法。
  8. 請求項6又は請求項7記載の同軸ケーブルの製造方法で製造された同軸ケーブルであって、請求項3記載の同軸ケーブルに加えて、外部導体と外部被覆との間に、前記外部導体と接触して中心導体と平行に延びる、外部導線が配置された構造を有する同軸ケーブル。
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