JP3599951B2 - テレビジョンチュ−ナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載されるいわゆるナビゲ−ションシステムに使用して好適なテレビジョンチュ−ナに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車に搭載する最近のナビゲ−ションシステムにはテレビジョンチュ−ナが組み込まれ、ナビゲ−ションシステムの画面を利用してテレビジョン放送を視聴出来るようになっている。
【0003】
図4は、このような、ナビゲ−ションシステムに組み込まれる従来のテレビジョンチュ−ナのブロック構成図である。図4において、テレビジョンチュ−ナ31は、VHF帯のテレビジョン信号の中から受信するVHF帯のテレビジョン信号を選択して出力する高周波部であるVHF高周波部32、VHF高周波部32から出力されるVHF帯のテレビジョン信号を中間周波信号に周波数変換する混合器であるVHF混合器33、VHF混合器33に局部発振信号を供給する局部発振器であるVHF局部発振器34を備えている。
【0004】
また、テレビジョンチュ−ナ31は、同様に、UHF帯のテレビジョン信号の中から受信するUHF帯のテレビジョン信号を選択して出力する高周波部であるUHF高周波部35、UHF高周波部35から出力されるUHF帯のテレビジョン信号を中間周波信号に周波数変換する混合器であるUHF混合器36、UHF混合器36に局部発振信号を供給する局部発振器であるUHF局部発振器37を備えている。さらに、テレビジョンチュ−ナ31は、VHF混合器33およびUHF混合器36からの中間周波信号を通過させる中間周波フィルタ38と中間周波フィルタ38を通過した中間周波信号を増幅する中間周波増幅器39等からなる中間周波回路部40を備えている。
【0005】
ここで、VHF高周波部32は、図示しないアンテナからのVHF帯のテレビジョン信号のうち、受信するVHF帯のテレビジョン信号の周波数に同調する入力同調回路であるVHF入力同調回路41、VHF入力同調回路41で同調したVHF帯のテレビジョン信号を増幅する高周波増幅器であるVHF高周波増幅器42、VHF高周波増幅器42で増幅したテレビジョン信号を急峻な選択度特性を有してVHF混合器33に入力する段間同調回路であるVHF段間同調回路43を有している。
【0006】
また、同様に、UHF高周波部35は、図示しないアンテナからのUHF帯のテレビジョン信号のうち、受信するUHF帯のテレビジョン信号の周波数に同調する入力同調回路であるUHF入力同調回路44、UHF入力同調回路44で同調したUHF帯のテレビジョン信号を増幅する高周波増幅器であるUHF高周波増幅器45、UHF高周波増幅器45で増幅したUHF帯のテレビジョン信号を急峻な選択度特性を有してUHF混合器36に入力する段間同調回路であるUHF段間同調回路46を有している。VHF入力同調回路41およびUHF入力同調回路44は、通常、単同調回路で構成されているが、それぞれに中間周波信号の周波数帯域に存在する外部からの妨害信号を除去する帯域消去フィルタあるいは中間周波トラップ回路等が付加されている場合がある。
【0007】
そして、入力端子47に入力された、およそ90MHzから220MHzまでのVHF帯のテレビジョン信号は、VHF高周波部32で希望するVHF帯のテレビジョン信号が選択され、この選択されたVHF帯のテレビジョン信号のみがVHF段間同調回路43を介してVHF混合器33に入力され、このVHF混合器33においてVHF局部発振器34からの局部発振信号と混合されて中間周波信号に周波数変換される。
【0008】
同様に、入力端子47に入力された、およそ470MHzから770MHzまでのUHF帯のテレビジョン信号は、UHF高周波部35で希望するテレビジョン信号が選択され、この選択されたUHF帯のテレビジョン信号のみがUHF段間同調回路46を介してUHF混合器36に入力され、このUHF混合器36においてUHF局部発振器37からの局部発振信号と混合されて中間周波信号に周波数変換される。そして、VHF混合器33およびUHF混合器36で周波数変換された中間周波信号は、中間周波フィルタ38で所定の選択度特性を与えられた後中間周波増幅器39で増幅され、出力端子48から図示しない後段の復調器等に送られるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような、従来のテレビジョンチュ−ナ31を自動車用のナビゲ−ションシステムに組み込んだ場合、テレビジョンチュ−ナ31の局発振器、特にUHF局部発振器37が出力する局部発振信号の高調波によってナビゲ−ションシステムが妨害を受けて正常に動作しなくなるという問題が発生する。
【0010】
即ち、ナビゲ−ションシステムは、衛星からの1.575GHzの電波(GPS信号)を受けて航行指示をするが、このナビゲ−ションシステムの受信機はおよそ3MHzの帯域のフィルタを備えている。一方、テレビジョンチュ−ナ31がUHF帯のテレビジョン信号のうちチャンネル56(日本のテレビジョンシステムのチャンネル56)のテレビジョン信号を受信する状態になっていると、UHF局部発振器37は788MHzで発振している。
【0011】
そして、UHF局部発振器37の局部発振信号はUHF混合器36に入力されるが、この局部発振信号の基本波および高調波はUHF混合器37を容易に抜けてUHF高周波部35を入力端子47方向に向けて逆流し、入力端子47から外部に漏洩する。特に、第二次高調波(周波数1.576GHz)は、次数が低いためにそのレベルが高く、また、その周波数がGPS信号の周波数である1.575GHzに非常に近い上にナビゲ−ションシステムの受信機の帯域が3MHzであるので、局部発振信号の第二次高調波はナビゲ−ションシステムの受信機で容易に受信されることになる。その結果、ナビゲ−ションシステムは妨害を受けることとなる。
そこで、本発明のテレビジョンチュ−ナは、局部発振器から発生する局部発振信号の高調波によってナビゲ−ションシステムが妨害を受けないようにすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のテレビジョンチュ−ナは、入力端子と、前記入力端子に接続される入力同調回路と、前記入力同調回路の後段に設けられた混合器と、前記混合器に局部発振信号を供給する局部発振器とを備え、前記入力端子と前記入力同調回路との間にトラップ回路を挿入し、前記トラップ回路のトラップ周波数を、日本のテレビジョンシステムにおけるチャンネル56に対応した前記局部発振信号の2倍高調波の周波数又はその近傍の周波数に設定した。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のテレビジョンチュ−ナの実施の形態を、図1乃至図3を参照して説明する。図1は本発明のテレビジョンチュ−ナのブロック構成図であり、図1において、テレビジョンチュ−ナ1は、図示しないアンテナを介して入力されるテレビジョン信号の最高周波数(日本の仕様ではUHF帯のテレビジョン信号の770MHz)よりも高い周波数の信号を減衰するロ−パスフィルタ等の減衰手段2、VHF帯のテレビジョン信号の中から受信するUHF帯のテレビジョン信号を選択して出力する高周波部であるVHF高周波部3、VHF高周波部3から出力されるVHF帯のテレビジョン信号を中間周波信号に周波数変換する混合器であるVHF混合器4、VHF混合器4に局部発振信号を供給する局部発振器であるVHF局部発振器5を備えている。
【0017】
また、テレビジョンチュ−ナ1は、同様に、UHF帯のテレビジョン信号の中から受信するUHF帯のテレビジョン信号を選択して出力する高周波部であるUHF高周波部6、UHF高周波部6から出力されるUHF帯のテレビジョン信号を中間周波信号に周波数変換する混合器であるUHF混合器7、UHF混合器7に局部発振信号を供給する局部発振器であるUHF局部発振器8を備えている。さらに、テレビジョンチュ−ナ1は、VHF混合器4およびUHF混合器7からの中間周波信号を通過させる中間周波フィルタ9と中間周波フィルタ9を通過した中間周波信号を増幅する中間周波増幅器10等からなる中間周波回路部11を備えている。
【0018】
ここで、VHF高周波部3は、図示しないアンテナからのVHF帯のテレビジョン信号のうち、受信するVHF帯のテレビジョン信号の周波数に同調する入力同調回路であるVHF入力同調回路12、VHF入力同調回路12で同調したVHF帯のテレビジョン信号を増幅する高周波増幅器であるVHF高周波増幅器13、VHF高周波増幅器13で増幅したVHF帯のテレビジョン信号を急峻な選択度特性を有してVHF混合器4に入力する段間同調回路であるVHF段間同調回路14を有している。
【0019】
また、同様に、UHF高周波部6は、図示しないアンテナからのUHF帯のテレビジョン信号のうち、受信するUHF帯のテレビジョン信号の周波数に同調する入力同調回路であるUHF入力同調回路15、UHF入力同調回路15で同調したUHF帯のテレビジョン信号を増幅する高周波増幅器であるUHF高周波増幅器16、UHF高周波増幅器16で増幅したUHF帯のテレビジョン信号を急峻な選択度特性を有してUHF混合器7に入力する段間同調回路であるUHF段間同調回路17を有している。
【0020】
ここで、減衰手段2は、特に、UHF局部発振器8の局部発振信号の第二次高調波を減衰できるような、ロ−パスフィルタまたはトラップ回路で構成される。図2は、減衰手段2を誘導M型のロ−パスフィルタで構成した例である。この誘導M型のロ−パスフィルタは、およそ900MHz付近にカットオフ周波数を有し、互いに並列接続されたインダクタンス素子21と容量素子22とによるトラップ回路の減衰極周波数(トラップ周波数)は、ナビゲ−ションシステムの受信機が受信する信号の近傍に存在する局部発振信号の高調波を減衰するような周波数に設定されている。これによて、ナビゲ−ションシステムが受ける受信妨害を効果的に防止できる。
【0021】
即ち、ナビゲ−ションシステムの受信機は1.575GHzのGPS信号を受信するので、トラップ周波数は、UHF局部発振器8のチャンネル56(日本のテレビジョンシステムのチャンネル56)における局部発振信号の第二次高調波の周波数である1.576GHzに設定してある。このように、トラップ周波数を1.576GHzに設定すれば、局部発振信号の第二次高調波はこの誘導M型のロ−パスフィルタで効果的に減衰され、ナビゲ−ションシステムの受信機への入力が防止され、ナビゲ−ションシステムが、周波数が1.575GHzのGPS信号を受信した場合に確実に受信妨害を受けなくなる。なお、トラップ周波数は、正確に1.576GHzに設定しなくても、その近傍に設定すれば局部発振信号の第二次高調波を減衰出来る。
【0022】
なお、図示はしないが、図2の減衰手段2の容量素子22を省略し、インダクタンス素子21とこのインダクタンス素子21の一端からグランドに接地されているシャント容量素子23とのみで構成するロ−パスフィルタとしてもよい。そして、減衰手段2をロ−パスフィルタで構成すれば、広い範囲にわたる局部発振信号の高調波からの妨害を防止できる。
【0023】
また、図3は、減衰手段2を、互いに並列接続したインダクタンス素子24と容量素子25とによるトラップ回路のみでで構成したものである。この場合も、インダクタンス素子24と容量素子25とによる共振周波数(トラップ周波数)をUHF局部発信器8のチャンネル56における局部発振信号の第二次高調波の周波数である1.576GHzに設定することによって、ナビゲ−ションシステムがテレビジョンチュ−ナの局部発振信号の高調波によって受ける受信妨害を確実に防止できる。
【0024】
また、VHF入力同調回路12およびUHF入力同調回路15は、通常、単同調回路で構成されているが、それぞれに中間周波信号の周波数帯域に存在する外部からの妨害信号を除去する帯域消去フィルタあるいは中間周波トラップ等が付加されている場合がある。
【0025】
そして、入力端子18に入力された、およそ90MHzから220MHzまでのVHF帯のテレビジョン信号は、VHF高周波部3で希望するVHF帯のテレビジョン信号が選択され、この選択されたVHF帯のテレビジョン信号のみがVHF段間同調回路14を介してVHF混合器4に入力され、このVHF混合器4においてVHF局部発振器5からの局部発振信号と混合されて中間周波信号に周波数変換される。
【0026】
同様に、入力端子18に入力された、およそ470MHzから770MHzまでのUHF帯のテレビジョン信号は、UHF高周波部6で希望するUHF帯のテレビジョン信号が選択され、この選択されたUHF帯のテレビジョン信号のみがUHF段間同調回路17を介してUHF混合器7に入力され、このUHF混合器7においてUHF局部発振器8からの局部発振信号と混合されて中間周波信号に周波数変換される。そして、VHF混合器4およびUHF混合器7で周波数変換された中間周波信号は、中間周波フィルタ9で所定の選択度特性を与えられた後中間周波増幅器10で増幅され、出力端子19から図示しない後段の復調器等に送られるようになっている。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のテレビジョンチュ−ナは、入力端子と入力同調回路との間にトラップ回路を挿入し、トラップ回路のトラップ周波数を、日本のテレビジョンシステムにおけるチャンネル56に対応した局部発振信号の2倍高調波の周波数又はその近傍の周波数に設定したので、この2倍高調波(1.576GHz)が入力端子から外部に漏洩しなくなる。この結果、このテレビジョンチュ−ナを組み込んだ、1.575GHzを使用しているナビゲ−ションシステムの受信機がこの2倍高調波によって妨害を受けなくなる。
また、トラップ回路を入力端子と入力同調回路との間に設けたので、従来のテレビジョンチュ−ナの内部の回路を変更する必要がなく、単に、トラップ回路を付加するだけでよいので、簡単に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテレビジョンチュ−ナのブロック構成図である。
【図2】本発明のテレビジョンチュ−ナに使用する減衰手段の説明図である。
【図3】本発明のテレビジョンチュ−ナに使用する減衰手段の説明図である。
【図4】従来のテレビジョンチュ−ナのブロック構成図である。本発明の
【符号の説明】
1 テレビジョンチュ−ナ
2 減衰手段
3 VHF高周波部
4 VHF混合器
5 VHF局部発振器
6 UHF高周波部
7 UHF混合器
8 UHF局部発振器
9 中間周波フィルタ
10 中間周波増幅器
11 中間周波回路
12 VHF入力同調回路
13 VHF高周波増幅器
14 VHF段間同調回路
15 UHF入力同調回路
16 UHF高周波増幅器
17 UHF段間同調回路
18 入力端子
19 出力端子
Claims (1)
- 入力端子と、前記入力端子に接続される入力同調回路と、前記入力同調回路の後段に設けられた混合器と、前記混合器に局部発振信号を供給する局部発振器とを備え、前記入力端子と前記入力同調回路との間にトラップ回路を挿入し、前記トラップ回路のトラップ周波数を、日本のテレビジョンシステムにおけるチャンネル56に対応した前記局部発振信号の2倍高調波の周波数又はその近傍の周波数に設定したことを特徴とするテレビジョンチューナ。
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