JP3599319B2 - パチンコ球払出装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプロケットの正転・逆転を切り換えることでパチンコ球の流下先を2つの排出路の間で切り換える機能を備えたパチンコ球払出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なパチンコ球払出装置は、パチンコ球が供給される球供給路の出口下方にスプロケットを設け、このスプロケットに設けられた凹部で球供給路から供給されたパチンコ球を受け入れ、このスプロケットをモータで回転させることで、パチンコ球を排出路に払い出すようにしている。この場合、球供給路を下方のスプロケットに向かって直線的に延びるように形成すると、球供給路内に積み重なって待機するパチンコ球の全荷重がスプロケットに加わるため、スプロケットに非常に大きな荷重が加わってしまう。そこで、球供給路の出口上流部に、横方向に屈曲する屈曲通路部を設けて該屈曲通路部の壁面でパチンコ球の荷重をある程度受けるようにすることで、スプロケットに加わるパチンコ球の球圧を軽減するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本出願人は、特願平10−157495号の明細書に示すように、球供給路から供給されるパチンコ球をスプロケットの凹部に受け入れ、モータによりスプロケットの正転・逆転を切り換えることで、凹部に受け入れたパチンコ球の流下先を、スプロケットの両側の2つの排出路の間で切り換えるようにしたパチンコ球払出装置を開発中である。この場合も、スプロケットに加わるパチンコ球の球圧を軽減するために、球供給路の出口上流部に、横方向に屈曲する屈曲通路部を設けるようにしている。
【0004】
ところが、球供給路の出口付近で待機するパチンコ球には、屈曲通路部内で斜めに積み重なったパチンコ球の荷重が斜め下方に作用するため、スプロケットに対しては、パチンコ球の球圧が、斜め下方、つまり、スプロケットの正回転方向又は逆回転方向のいずれか一方向に偏って作用するようになる。このため、スプロケットの回転方向がパチンコ球の球圧の作用方向と逆方向になる場合は、スプロケット(モータ)の駆動負荷が大きくなるため、スプロケット(モータ)の始動性や回転速度(払出速度)が低下するおそれがあり、これと反対の回転方向では、スプロケットの回転方向に沿ってパチンコ球の球圧が作用するため、始動性能や回転性能の点では有利であるが、回転中のスプロケット(モータ)が停止しにくくなり、停止位置精度が低下したり、停止中のスプロケットがパチンコ球の球圧で回転してパチンコ球がこぼれ出してしまうおそれがある。特に、複数条の球供給路から複数のスプロケットにパチンコ球を供給する場合は、複数のスプロケット全てに対してパチンコ球の球圧が同一回転方向に作用するため、上述した問題は一層顕著になる。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、スプロケット(モータ)の始動性能や回転性能と停止性能を両立させることができるパチンコ球払出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のパチンコ球払出装置は、外周にパチンコ球を受け入れる凹部が形成された複数のスプロケットと、各スプロケットの回転軸よりも上側から各スプロケットにパチンコ球を供給する複数条の球供給路と、各スプロケットの両側に設けられた2つの排出路とを備え、流路切換制御手段によって各スプロケットを駆動するモータの正転・逆転を切り換えることで、スプロケットの凹部に受け入れたパチンコ球の流下先を2つの排出路の間で切り換えると共に、各球供給路の出口通路部に、それぞれ出口で待機するパチンコ球からスプロケットに作用する球圧の少なくとも一部が打ち消し合うように、該スプロケットの横方向に屈曲する屈曲通路部を形成し、該屈曲通路部のうちの少なくとも1つを他と逆方向に屈曲させたものである。
【0007】
例えば、球供給路が偶数条の場合、半数の球供給路の屈曲通路部を他と逆方向に屈曲させれば、偶数条の球供給路の出口で待機するパチンコ球からスプロケットに作用する球圧の回転方向成分が正回転方向と逆回転方向とで釣り合い、パチンコ球の球圧が正回転方向と逆回転方向のいずれの方向にも偏って作用しなくなる。これにより、スプロケット(モータ)を正回転方向と逆回転方向のいずれの方向に回転させる場合でも、比較的小さい駆動トルクでスプロケット(モータ)を回転させることができ、スプロケット(モータ)の始動性能や回転性能を向上できると共に、停止性能も向上できる。
【0008】
尚、球供給路が偶数条、奇数条いずれの場合も、複数の屈曲通路部のうちの少なくとも1つを他と逆方向に屈曲させれば、スプロケットに作用する球圧の回転方向成分の少なくとも一部が打ち消し合って、同一回転方向に偏って作用する球圧が小さくなり、スプロケット(モータ)の始動性能、回転性能、停止性能を共に向上できる。
【0009】
例えば、本発明を、球貸し機能を備えたパチンコ機(いわゆる「CR機」)のパチンコ球払出装置に適用する場合は、払い出すパチンコ球が賞球か貸球かに応じてスプロケットの正転・逆転を切り換えれば、賞球と貸球を別々の排出路に排出することができる。
【0010】
一方、球貸し機能を持たないパチンコ機(いわゆる「現金機」)は、払出装置から賞球しか払い出さないため、スプロケット(モータ)を正逆回転させる必要はなく、また、排出路も1本で良いが、コストダウンのために、本発明のパチンコ球払出装置を現金機にも用いることが考えられる。但し、本発明のパチンコ球払出装置を現金機に用いる場合は、スプロケットに供給されたパチンコ球が貸球用の排出路へ落下するのを阻止する手段を設けることが望ましい。
【0011】
この点を考慮して、請求項2のように、各スプロケットに供給されたパチンコ球が2つの排出路のうちの一方へ落下するのを阻止するストッパ部を取り付け可能に構成すると良い。このようにすれば、ストッパ部を取り付けるという簡単な方法で本発明のパチンコ球払出装置を「現金機」仕様に変更することができ、「CR機」と「現金機」とで共通して使用することが可能となる。
【0012】
更に、請求項3のように、球供給路の出口通路部を、取り替え可能な2排出路用ユニット部品として形成し、ストッパ部を設けた単一排出路用ユニット部品と取り替え可能に構成しても良い。このようにすれば、球供給路の出口通路部を、単一排出路用ユニット部品に取り替えることで、本発明のパチンコ球払出装置を「現金機」仕様に変更することができ、「CR機」と「現金機」とで共通して使用することが可能となる。この場合、「現金機」仕様に用いる単一排出路用ユニット部品は、スプロケットの回転方向が一方向のみであることを考慮して、全ての屈曲通路部の屈曲方向を同じ方向に揃えても良く、勿論、2排出路用ユニット部品の屈曲通路部の屈曲方向と同じであっても良く、「現金機」仕様のパチンコ球の流れに最も適した屈曲通路部の屈曲方向を採用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図4に基づいてパチンコ機11の裏面側の概略構成を説明する。パチンコ機11の裏面上部には、パチンコ球を貯溜する球タンク12が設けられ、この球タンク12には、そこから流れ出るパチンコ球を整列状態で流下させる2条のタンクレール13が接続されている。このタンクレール13の下端には、2条の球供給路14が設けられ、その球供給路14の下端に、パチンコ球払出装置15が設けられている。また、パチンコ機11には、パチンコ球が入賞装置(図示せず)に入賞したことを検出する入賞球センサ(図示せず)や、球貸し用のプリペイドカードの記録情報を読み取るためのカードユニット(図示せず)が設けられている。
【0014】
次に、パチンコ球払出装置15の構成を図1乃至図3に基づいて説明する。ここで、図1は「CR機」仕様のパチンコ球払出装置15の縦断正面図、図2はパチンコ球払出装置の縦断側面図、図3は「現金機」仕様のパチンコ球払出装置15の縦断正面図であり、「CR機」仕様も「現金機」仕様も、後述するユニット部品37,38を除いて同じ構成である。
【0015】
図1及び図2に示すように、パチンコ球払出装置15の本体ケース16はプラスチック等により形成され、この本体ケース16内の上部に、2条の球供給路14の出口通路部17が組み付けられている。各出口通路部17の下方には、それぞれスプロケット18が配置されている。各スプロケット18の外周には、パチンコ球を受け入れる複数(例えば3個)の凹部19が等間隔に形成され、各凹部19間に、出口通路部17の出口のパチンコ球を受け支える凸部20が形成されている。これらのスプロケット18に加わるパチンコ球の荷重を軽減するために、各出口通路部17には、それぞれ横方向(スプロケット18の円周方向)に屈曲する屈曲通路部21が形成されている。各屈曲通路部21は互いに逆方向に屈曲され、各出口通路部17の出口で待機するパチンコ球からスプロケット18に作用する球圧がスプロケット18の正回転方向と逆回転方向とで均等になるようになっている。
【0016】
図2に示すように、2条の球供給路14に対応して配置された2つのスプロケット18は、回転軸22と一体に形成され、両スプロケット18間で凹部19(凸部20)の位置が互い違いとなっている。これにより、例えば、一方のスプロケット18の凸部20が出口通路部17の出口に対向しているとき[図1(a)参照]、他方のスプロケット18は、凹部19が出口通路部17の出口に対向した状態となる[図1(b)参照]。スプロケット18の後方(図2では右方)には、該スプロケット18を駆動するモータとしてステッピングモータ23が配置されている。このステッピングモータ23の回転軸24に、連結部材25を介してスプロケット18の回転軸22が連結されている。また、スプロケット18の回転軸22には、回転位置検出用の回転円盤26が一体的に回転可能に設けられている。
【0017】
また、図1に示すように、各スプロケット18の左側方には、出口通路部17の出口から下方に延びる賞球排出路27が設けられ、各スプロケット18の右側方には、出口通路部17の出口から下方に延びる貸球排出路28が設けられている。これら排出路27,28の上流側分岐部分には、円弧状に窪んだ球受け凹部29が出口通路部17の出口に対向するように形成され、スプロケット18の凹部19に受け入れたパチンコ球を球受け凹部29によって凹部19の底から浮かした状態で受け支えるようになっている。
【0018】
賞球排出路27と貸球排出路28の下流部分は、2条の出口通路部17から2条で供給されるパチンコ球を1条に収斂するようにテーパ状に形成されている(図2参照)。そして、賞球排出路27と貸球排出路28の下方に、それぞれ1条分の賞球通過口29と貸球通過口30が設けられ、これら賞球通過口29と貸球通過口30が、それぞれパチンコ球払出装置15の下方に設けられた賞球流下路31と貸球流下路32につながっている。賞球流下路31には、賞球の通過を検出する賞球通過センサ33が設けられ、貸球流下路32には、貸球の通過を検出する貸球通過センサ34が設けられている。尚、賞球通過センサ33と貸球通過センサ34を、それぞれ賞球排出路27と貸球排出路28に組み付けて、パチンコ球払出装置15に組み込むようにしても良い。
【0019】
前述した各種センサの出力信号は、メイン制御回路35又は払出制御回路36(図4参照)に入力される。各制御回路35,36は、マイクロコンピュータを主体として構成され、次のようにパチンコ球払出装置15の動作を制御し、特許請求の範囲でいう流路切換制御手段として機能する。
【0020】
通常、パチンコ球払出装置15のステッピングモータ23は停止され、スプロケット18が所定の停止位置で停止している。このとき、一方のスプロケット18は、図1(a)に示すように、凸部20が出口通路部17の出口に対向してパチンコ球を受け支えて落下を阻止し、他方のスプロケット18は、図1(b)に示すように、凹部19が出口通路部17の出口に対向して、凹部19内にパチンコ球を受け入れて落下を阻止する。この際、凹部19内に受け入れられたパチンコ球は、球受け凹部29で受け支えられる。
【0021】
その後、パチンコ球が入賞装置(図示せず)に入賞すると、入賞球センサ(図示せず)からの検出信号に基づいてステッピングモータ24を駆動し、スプロケット18を正回転方向(図1では反時計回り方向)に回転させる。これにより、凹部19が出口通路部17の出口に対向する毎にパチンコ球を凹部19に受け入れ、そのパチンコ球をスプロケット18の左側の賞球排出路27に落下させる。この動作を、入賞価値に応じた数のパチンコ球(賞球)を払い出すまで繰り返す。この際、パチンコ球(賞球)が賞球通過センサ33を通過する毎に、賞球通過センサ33から賞球検出信号が出力され、払い出された賞球の個数がカウントされる。
【0022】
また、カードユニット(図示せず)に所定のプリペイドカードが挿入されて、カードユニットから球貸し要求信号が出力されると、ステッピングモータ24を賞球払出時とは逆方向に回転させて、スプロケット18を逆回転方向(図1では時計回り方向)に回転させる。これにより、凹部19に受け入れたパチンコ球をスプロケット18の右側の貸球排出路28に落下させる。この動作を、支払い代価に応じた数のパチンコ球(貸球)を払い出すまで繰り返す。この際、パチンコ球(貸球)が貸球通過センサ34を通過する毎に、貸球通過センサ34から貸球検出信号が出力され、払い出された貸球の個数がカウントされる。
【0023】
本発明を、球貸し機能を備えたパチンコ機(いわゆる「CR機」)のパチンコ球払出装置に適用した場合は、以上のようにして、払い出すパチンコ球が賞球か貸球かに応じてスプロケット18の正転・逆転を切り換えれば、賞球と貸球を別々の排出路27,28に流下させることができる。
【0024】
ところで、球貸し機能を持たないパチンコ機(いわゆる「現金機」)は、払出装置から賞球しか払い出さないため、スプロケット(モータ)を正逆回転させる必要はなく、また、排出路も1本で良いが、コストダウンのために、本発明のパチンコ球払出装置15を「現金機」にも用いることが考えられる。但し、本発明のパチンコ球払出装置15を「現金機」に用いる場合は、スプロケット18に供給されたパチンコ球が貸球排出路28へ落下するのを阻止する手段を設けることが望ましい。
【0025】
この点を考慮して、本実施形態では、球供給路14の出口通路部17が、着脱可能な2排出路用ユニット部品37として構成され、この2排出路用ユニット部品37が、図3に示す単一排出路用ユニット部品38と取り替え可能となっている。この単一排出路用ユニット部品38には、出口通路部39と貸球排出路28の入口部を塞ぐストッパ部40が一体に形成され、このストッパ部40によって各スプロケット18に供給されたパチンコ球が貸球排出路28へ落下するのを阻止するようになっている。尚、単一排出路用ユニット部品38の2条の出口通路部39には、それぞれ屈曲通路部41を同方向に屈曲させるように形成しても良いが、互いに逆方向に屈曲させるように形成しても良い。
【0026】
これにより、2排出路用ユニット部品37(出口通路部17)を、単一排出路用ユニット部品38に取り替えることで、図3に示すように、賞球排出路27の入口部のみが開放され、パチンコ球払出装置15を賞球のみ払い出す「現金機」仕様とすることができる。この場合、スプロケット18は正回転方向(反時計回り方向)のみに回転させる。また、「現金機」仕様とする場合は、貸球通過センサ34を設ける必要はない。
【0027】
以上説明した実施形態によれば、2条の球供給路14の出口通路部17の屈曲通路部21を互いに逆方向に屈曲させることで、各出口通路部17の出口で待機するパチンコ球からスプロケット18に作用する球圧の回転方向成分が正回転方向と逆回転方向とで釣り合って互いに打ち消し合うようになっているので、パチンコ球の球圧がスプロケット18の同一回転方向に偏って作用することがなくなる。この結果、2条の球供給路14から2つのスプロケット18にパチンコ球を供給するにも拘らず、スプロケット18(モータ23)を正回転方向と逆回転方向のいずれの方向に回転させる場合でも、比較的小さい駆動トルクでスプロケット18(モータ23)を回転させることが可能となり、スプロケット18(モータ23)の始動性能や回転性能を向上させながら、停止性能も向上させることができる。
【0028】
尚、上記実施形態では、2条の球供給路14の各屈曲通路部21を互いに逆方向に屈曲させるようにしたが、球供給路が偶数条であれば、半数の球供給路の屈曲通路部を他と逆方向に屈曲させることで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0029】
また、必ずしも、半数の屈曲通路部を他と逆方向に屈曲させる必要はなく、球供給路が偶数条、奇数条いずれの場合も、複数の屈曲通路部のうちの少なくとも1つを他と逆方向に屈曲させれば、スプロケットに作用する球圧の回転方向成分の少なくとも一部が打ち消し合うようになるため、全ての屈曲通路部を同方向に屈曲させる場合に比べて、同一回転方向に偏って作用する球圧を小さくすることができ、スプロケット(モータ)の始動性能、回転性能、停止性能を向上させることができる。
【0030】
また、上記実施形態では、球供給路14の出口通路部17を取り替え可能な2排出路用ユニット部品37とし、この2排出路用ユニット部品37(出口通路部17)を、貸球排出路28への落下防止機能を備えた単一排出路用ユニット部品38と取り替え可能としているので、2排出路用ユニット部品37を、単一排出路用ユニット部品38に取り替えることで、パチンコ球払出装置15を「現金機」仕様に変更することができ、「CR機」と「現金機」とで共通して使用することが可能となり、低コスト化することができる。
尚、球供給路14の出口通路部17は、必ずしも、着脱可能にする必要はなく、本体ケース16に一体に形成しても良い。
【0031】
また、上記実施形態では、「現金機」仕様に用いる単一排出路用ユニット部品38は、出口通路部39とストッパ部40とが一体に形成されていたが、ストッパ部40に相当する部分のみを単一排出路用部品として別体に形成しても良い。例えば、図5及び図6に示す他の実施形態のように、パチンコ球払出装置42の出口通路部43とは別体で、貸球排出路28の入口部を塞ぐストッパ部45を形成し、このストッパ部45を貸球排出路28の入口部にねじ46等で取り付け可能な構成としても良い。この場合、屈曲通路部44を有する出口通路部43は、本体ケース16に一体に形成しても良く、勿論、別部品であっても良い。尚、図6に示すように、ストッパ部45には、スプロケット18の凸部20を通過させるためのスリット部47と、ねじ46(図5参照)を挿通するねじ孔48が形成されている。
【0032】
上記実施形態では、パチンコ球払出装置42にストッパ部45を取り付けるだけで、各スプロケット18に供給されたパチンコ球が貸球排出路28へ落下するのを阻止することができ、本発明のパチンコ球払出装置42を極めて簡単に「現金機」仕様に変更することができる。この場合も、パチンコ球払出装置42を「CR機」と「現金機」とで共通して使用することが可能となり、低コスト化することができる。
【0033】
しかしながら、本発明のパチンコ球払出装置は、「現金機」仕様に変更できない構成とし、「CR機」専用としても良いことはいうまでもない。また、例えば、一方の排出路を払出用(賞球や貸球)の排出路として用い、他方の排出路を球抜き用の排出路として用い、スプロケット18の正転・逆転を切り換えることでパチンコ球の流下先を払出用の排出路と球抜き用の排出路との間で切り換えるようにしても良い。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1のパチンコ球払出装置によれば、各球供給路の出口通路部にそれぞれ出口で待機するパチンコ球からスプロケットに作用する球圧の少なくとも一部が打ち消し合うように、該スプロケットの横方向に屈曲する屈曲通路部を形成し、該屈曲通路部のうちの少なくとも1つを他と逆方向に屈曲させるようにしたので、スプロケットの同一回転方向に偏って作用する球圧を小さくすることができ、スプロケット(モータ)の始動性能、回転性能、停止性能を共に向上でき、装置の動作信頼性を向上することができる。
【0035】
また、請求項2では、パチンコ球が一方の排出路へ落下するのを阻止するストッパ部を取り付け可能に構成したので、ストッパ部を取り付けるという簡単な方法で本発明のパチンコ球払出装置を「現金機」仕様に変更することができ、「CR機」と「現金機」とで共通して使用することが可能となり、低コスト化することができる。
【0036】
更に、請求項3では、球供給路の出口通路部を取り替え可能な2排出路用ユニット部品とし、この出口通路部を、パチンコ球が一方の排出路へ落下するのを阻止するストッパ部を備えた単一排出路用ユニット部品と取り替え可能にしたので、この場合も、本発明のパチンコ球払出装置を「CR機」と「現金機」とで共通して使用することができ、低コスト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す「CR機」仕様のパチンコ球払出装置の縦断正面図で、(a)はスプロケットの凸部が球供給路の出口に対向している時の状態を示す図、(b)はスプロケットの凹部が球供給路の出口に対向している時の状態を示す図である。
【図2】パチンコ球払出装置の縦断側面図である。
【図3】単一排出路用ユニット部品を組み付けた「現金機」仕様のパチンコ球払出装置の縦断正面図で、(a)はスプロケットの凸部が球供給路の出口に対向している時の状態を示す図、(b)はスプロケットの凹部が球供給路の出口に対向している時の状態を示す図である。
【図4】パチンコ機の背面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す「現金機」仕様のパチンコ球払出装置の縦断正面図で、(a)はスプロケットの凸部が球供給路の出口に対向している時の状態を示す図、(b)はスプロケットの凹部が球供給路の出口に対向している時の状態を示す図である。
【図6】ストッパ部の斜視図である。
【符号の説明】
11…パチンコ機、14…球供給路、15…パチンコ球払出装置、17…出口通路部、18…スプロケット、19…凹部、20…凸部、21…屈曲通路部、23…ステッピングモータ、27…賞球排出路、28…貸球排出路、29…球受け凹部、35…メイン制御回路(流路切換制御手段)、36…払出制御回路(流路切換制御手段)、37…2排出路用ユニット部品、38単一排出路用ユニット部品、39…出口通路部、40…ストッパ部、41…屈曲通路部、42…パチンコ球払出装置、43…出口通路部、44…屈曲通路部、45…ストッパ部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプロケットの正転・逆転を切り換えることでパチンコ球の流下先を2つの排出路の間で切り換える機能を備えたパチンコ球払出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なパチンコ球払出装置は、パチンコ球が供給される球供給路の出口下方にスプロケットを設け、このスプロケットに設けられた凹部で球供給路から供給されたパチンコ球を受け入れ、このスプロケットをモータで回転させることで、パチンコ球を排出路に払い出すようにしている。この場合、球供給路を下方のスプロケットに向かって直線的に延びるように形成すると、球供給路内に積み重なって待機するパチンコ球の全荷重がスプロケットに加わるため、スプロケットに非常に大きな荷重が加わってしまう。そこで、球供給路の出口上流部に、横方向に屈曲する屈曲通路部を設けて該屈曲通路部の壁面でパチンコ球の荷重をある程度受けるようにすることで、スプロケットに加わるパチンコ球の球圧を軽減するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本出願人は、特願平10−157495号の明細書に示すように、球供給路から供給されるパチンコ球をスプロケットの凹部に受け入れ、モータによりスプロケットの正転・逆転を切り換えることで、凹部に受け入れたパチンコ球の流下先を、スプロケットの両側の2つの排出路の間で切り換えるようにしたパチンコ球払出装置を開発中である。この場合も、スプロケットに加わるパチンコ球の球圧を軽減するために、球供給路の出口上流部に、横方向に屈曲する屈曲通路部を設けるようにしている。
【0004】
ところが、球供給路の出口付近で待機するパチンコ球には、屈曲通路部内で斜めに積み重なったパチンコ球の荷重が斜め下方に作用するため、スプロケットに対しては、パチンコ球の球圧が、斜め下方、つまり、スプロケットの正回転方向又は逆回転方向のいずれか一方向に偏って作用するようになる。このため、スプロケットの回転方向がパチンコ球の球圧の作用方向と逆方向になる場合は、スプロケット(モータ)の駆動負荷が大きくなるため、スプロケット(モータ)の始動性や回転速度(払出速度)が低下するおそれがあり、これと反対の回転方向では、スプロケットの回転方向に沿ってパチンコ球の球圧が作用するため、始動性能や回転性能の点では有利であるが、回転中のスプロケット(モータ)が停止しにくくなり、停止位置精度が低下したり、停止中のスプロケットがパチンコ球の球圧で回転してパチンコ球がこぼれ出してしまうおそれがある。特に、複数条の球供給路から複数のスプロケットにパチンコ球を供給する場合は、複数のスプロケット全てに対してパチンコ球の球圧が同一回転方向に作用するため、上述した問題は一層顕著になる。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、スプロケット(モータ)の始動性能や回転性能と停止性能を両立させることができるパチンコ球払出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のパチンコ球払出装置は、外周にパチンコ球を受け入れる凹部が形成された複数のスプロケットと、各スプロケットの回転軸よりも上側から各スプロケットにパチンコ球を供給する複数条の球供給路と、各スプロケットの両側に設けられた2つの排出路とを備え、流路切換制御手段によって各スプロケットを駆動するモータの正転・逆転を切り換えることで、スプロケットの凹部に受け入れたパチンコ球の流下先を2つの排出路の間で切り換えると共に、各球供給路の出口通路部に、それぞれ出口で待機するパチンコ球からスプロケットに作用する球圧の少なくとも一部が打ち消し合うように、該スプロケットの横方向に屈曲する屈曲通路部を形成し、該屈曲通路部のうちの少なくとも1つを他と逆方向に屈曲させたものである。
【0007】
例えば、球供給路が偶数条の場合、半数の球供給路の屈曲通路部を他と逆方向に屈曲させれば、偶数条の球供給路の出口で待機するパチンコ球からスプロケットに作用する球圧の回転方向成分が正回転方向と逆回転方向とで釣り合い、パチンコ球の球圧が正回転方向と逆回転方向のいずれの方向にも偏って作用しなくなる。これにより、スプロケット(モータ)を正回転方向と逆回転方向のいずれの方向に回転させる場合でも、比較的小さい駆動トルクでスプロケット(モータ)を回転させることができ、スプロケット(モータ)の始動性能や回転性能を向上できると共に、停止性能も向上できる。
【0008】
尚、球供給路が偶数条、奇数条いずれの場合も、複数の屈曲通路部のうちの少なくとも1つを他と逆方向に屈曲させれば、スプロケットに作用する球圧の回転方向成分の少なくとも一部が打ち消し合って、同一回転方向に偏って作用する球圧が小さくなり、スプロケット(モータ)の始動性能、回転性能、停止性能を共に向上できる。
【0009】
例えば、本発明を、球貸し機能を備えたパチンコ機(いわゆる「CR機」)のパチンコ球払出装置に適用する場合は、払い出すパチンコ球が賞球か貸球かに応じてスプロケットの正転・逆転を切り換えれば、賞球と貸球を別々の排出路に排出することができる。
【0010】
一方、球貸し機能を持たないパチンコ機(いわゆる「現金機」)は、払出装置から賞球しか払い出さないため、スプロケット(モータ)を正逆回転させる必要はなく、また、排出路も1本で良いが、コストダウンのために、本発明のパチンコ球払出装置を現金機にも用いることが考えられる。但し、本発明のパチンコ球払出装置を現金機に用いる場合は、スプロケットに供給されたパチンコ球が貸球用の排出路へ落下するのを阻止する手段を設けることが望ましい。
【0011】
この点を考慮して、請求項2のように、各スプロケットに供給されたパチンコ球が2つの排出路のうちの一方へ落下するのを阻止するストッパ部を取り付け可能に構成すると良い。このようにすれば、ストッパ部を取り付けるという簡単な方法で本発明のパチンコ球払出装置を「現金機」仕様に変更することができ、「CR機」と「現金機」とで共通して使用することが可能となる。
【0012】
更に、請求項3のように、球供給路の出口通路部を、取り替え可能な2排出路用ユニット部品として形成し、ストッパ部を設けた単一排出路用ユニット部品と取り替え可能に構成しても良い。このようにすれば、球供給路の出口通路部を、単一排出路用ユニット部品に取り替えることで、本発明のパチンコ球払出装置を「現金機」仕様に変更することができ、「CR機」と「現金機」とで共通して使用することが可能となる。この場合、「現金機」仕様に用いる単一排出路用ユニット部品は、スプロケットの回転方向が一方向のみであることを考慮して、全ての屈曲通路部の屈曲方向を同じ方向に揃えても良く、勿論、2排出路用ユニット部品の屈曲通路部の屈曲方向と同じであっても良く、「現金機」仕様のパチンコ球の流れに最も適した屈曲通路部の屈曲方向を採用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図4に基づいてパチンコ機11の裏面側の概略構成を説明する。パチンコ機11の裏面上部には、パチンコ球を貯溜する球タンク12が設けられ、この球タンク12には、そこから流れ出るパチンコ球を整列状態で流下させる2条のタンクレール13が接続されている。このタンクレール13の下端には、2条の球供給路14が設けられ、その球供給路14の下端に、パチンコ球払出装置15が設けられている。また、パチンコ機11には、パチンコ球が入賞装置(図示せず)に入賞したことを検出する入賞球センサ(図示せず)や、球貸し用のプリペイドカードの記録情報を読み取るためのカードユニット(図示せず)が設けられている。
【0014】
次に、パチンコ球払出装置15の構成を図1乃至図3に基づいて説明する。ここで、図1は「CR機」仕様のパチンコ球払出装置15の縦断正面図、図2はパチンコ球払出装置の縦断側面図、図3は「現金機」仕様のパチンコ球払出装置15の縦断正面図であり、「CR機」仕様も「現金機」仕様も、後述するユニット部品37,38を除いて同じ構成である。
【0015】
図1及び図2に示すように、パチンコ球払出装置15の本体ケース16はプラスチック等により形成され、この本体ケース16内の上部に、2条の球供給路14の出口通路部17が組み付けられている。各出口通路部17の下方には、それぞれスプロケット18が配置されている。各スプロケット18の外周には、パチンコ球を受け入れる複数(例えば3個)の凹部19が等間隔に形成され、各凹部19間に、出口通路部17の出口のパチンコ球を受け支える凸部20が形成されている。これらのスプロケット18に加わるパチンコ球の荷重を軽減するために、各出口通路部17には、それぞれ横方向(スプロケット18の円周方向)に屈曲する屈曲通路部21が形成されている。各屈曲通路部21は互いに逆方向に屈曲され、各出口通路部17の出口で待機するパチンコ球からスプロケット18に作用する球圧がスプロケット18の正回転方向と逆回転方向とで均等になるようになっている。
【0016】
図2に示すように、2条の球供給路14に対応して配置された2つのスプロケット18は、回転軸22と一体に形成され、両スプロケット18間で凹部19(凸部20)の位置が互い違いとなっている。これにより、例えば、一方のスプロケット18の凸部20が出口通路部17の出口に対向しているとき[図1(a)参照]、他方のスプロケット18は、凹部19が出口通路部17の出口に対向した状態となる[図1(b)参照]。スプロケット18の後方(図2では右方)には、該スプロケット18を駆動するモータとしてステッピングモータ23が配置されている。このステッピングモータ23の回転軸24に、連結部材25を介してスプロケット18の回転軸22が連結されている。また、スプロケット18の回転軸22には、回転位置検出用の回転円盤26が一体的に回転可能に設けられている。
【0017】
また、図1に示すように、各スプロケット18の左側方には、出口通路部17の出口から下方に延びる賞球排出路27が設けられ、各スプロケット18の右側方には、出口通路部17の出口から下方に延びる貸球排出路28が設けられている。これら排出路27,28の上流側分岐部分には、円弧状に窪んだ球受け凹部29が出口通路部17の出口に対向するように形成され、スプロケット18の凹部19に受け入れたパチンコ球を球受け凹部29によって凹部19の底から浮かした状態で受け支えるようになっている。
【0018】
賞球排出路27と貸球排出路28の下流部分は、2条の出口通路部17から2条で供給されるパチンコ球を1条に収斂するようにテーパ状に形成されている(図2参照)。そして、賞球排出路27と貸球排出路28の下方に、それぞれ1条分の賞球通過口29と貸球通過口30が設けられ、これら賞球通過口29と貸球通過口30が、それぞれパチンコ球払出装置15の下方に設けられた賞球流下路31と貸球流下路32につながっている。賞球流下路31には、賞球の通過を検出する賞球通過センサ33が設けられ、貸球流下路32には、貸球の通過を検出する貸球通過センサ34が設けられている。尚、賞球通過センサ33と貸球通過センサ34を、それぞれ賞球排出路27と貸球排出路28に組み付けて、パチンコ球払出装置15に組み込むようにしても良い。
【0019】
前述した各種センサの出力信号は、メイン制御回路35又は払出制御回路36(図4参照)に入力される。各制御回路35,36は、マイクロコンピュータを主体として構成され、次のようにパチンコ球払出装置15の動作を制御し、特許請求の範囲でいう流路切換制御手段として機能する。
【0020】
通常、パチンコ球払出装置15のステッピングモータ23は停止され、スプロケット18が所定の停止位置で停止している。このとき、一方のスプロケット18は、図1(a)に示すように、凸部20が出口通路部17の出口に対向してパチンコ球を受け支えて落下を阻止し、他方のスプロケット18は、図1(b)に示すように、凹部19が出口通路部17の出口に対向して、凹部19内にパチンコ球を受け入れて落下を阻止する。この際、凹部19内に受け入れられたパチンコ球は、球受け凹部29で受け支えられる。
【0021】
その後、パチンコ球が入賞装置(図示せず)に入賞すると、入賞球センサ(図示せず)からの検出信号に基づいてステッピングモータ24を駆動し、スプロケット18を正回転方向(図1では反時計回り方向)に回転させる。これにより、凹部19が出口通路部17の出口に対向する毎にパチンコ球を凹部19に受け入れ、そのパチンコ球をスプロケット18の左側の賞球排出路27に落下させる。この動作を、入賞価値に応じた数のパチンコ球(賞球)を払い出すまで繰り返す。この際、パチンコ球(賞球)が賞球通過センサ33を通過する毎に、賞球通過センサ33から賞球検出信号が出力され、払い出された賞球の個数がカウントされる。
【0022】
また、カードユニット(図示せず)に所定のプリペイドカードが挿入されて、カードユニットから球貸し要求信号が出力されると、ステッピングモータ24を賞球払出時とは逆方向に回転させて、スプロケット18を逆回転方向(図1では時計回り方向)に回転させる。これにより、凹部19に受け入れたパチンコ球をスプロケット18の右側の貸球排出路28に落下させる。この動作を、支払い代価に応じた数のパチンコ球(貸球)を払い出すまで繰り返す。この際、パチンコ球(貸球)が貸球通過センサ34を通過する毎に、貸球通過センサ34から貸球検出信号が出力され、払い出された貸球の個数がカウントされる。
【0023】
本発明を、球貸し機能を備えたパチンコ機(いわゆる「CR機」)のパチンコ球払出装置に適用した場合は、以上のようにして、払い出すパチンコ球が賞球か貸球かに応じてスプロケット18の正転・逆転を切り換えれば、賞球と貸球を別々の排出路27,28に流下させることができる。
【0024】
ところで、球貸し機能を持たないパチンコ機(いわゆる「現金機」)は、払出装置から賞球しか払い出さないため、スプロケット(モータ)を正逆回転させる必要はなく、また、排出路も1本で良いが、コストダウンのために、本発明のパチンコ球払出装置15を「現金機」にも用いることが考えられる。但し、本発明のパチンコ球払出装置15を「現金機」に用いる場合は、スプロケット18に供給されたパチンコ球が貸球排出路28へ落下するのを阻止する手段を設けることが望ましい。
【0025】
この点を考慮して、本実施形態では、球供給路14の出口通路部17が、着脱可能な2排出路用ユニット部品37として構成され、この2排出路用ユニット部品37が、図3に示す単一排出路用ユニット部品38と取り替え可能となっている。この単一排出路用ユニット部品38には、出口通路部39と貸球排出路28の入口部を塞ぐストッパ部40が一体に形成され、このストッパ部40によって各スプロケット18に供給されたパチンコ球が貸球排出路28へ落下するのを阻止するようになっている。尚、単一排出路用ユニット部品38の2条の出口通路部39には、それぞれ屈曲通路部41を同方向に屈曲させるように形成しても良いが、互いに逆方向に屈曲させるように形成しても良い。
【0026】
これにより、2排出路用ユニット部品37(出口通路部17)を、単一排出路用ユニット部品38に取り替えることで、図3に示すように、賞球排出路27の入口部のみが開放され、パチンコ球払出装置15を賞球のみ払い出す「現金機」仕様とすることができる。この場合、スプロケット18は正回転方向(反時計回り方向)のみに回転させる。また、「現金機」仕様とする場合は、貸球通過センサ34を設ける必要はない。
【0027】
以上説明した実施形態によれば、2条の球供給路14の出口通路部17の屈曲通路部21を互いに逆方向に屈曲させることで、各出口通路部17の出口で待機するパチンコ球からスプロケット18に作用する球圧の回転方向成分が正回転方向と逆回転方向とで釣り合って互いに打ち消し合うようになっているので、パチンコ球の球圧がスプロケット18の同一回転方向に偏って作用することがなくなる。この結果、2条の球供給路14から2つのスプロケット18にパチンコ球を供給するにも拘らず、スプロケット18(モータ23)を正回転方向と逆回転方向のいずれの方向に回転させる場合でも、比較的小さい駆動トルクでスプロケット18(モータ23)を回転させることが可能となり、スプロケット18(モータ23)の始動性能や回転性能を向上させながら、停止性能も向上させることができる。
【0028】
尚、上記実施形態では、2条の球供給路14の各屈曲通路部21を互いに逆方向に屈曲させるようにしたが、球供給路が偶数条であれば、半数の球供給路の屈曲通路部を他と逆方向に屈曲させることで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0029】
また、必ずしも、半数の屈曲通路部を他と逆方向に屈曲させる必要はなく、球供給路が偶数条、奇数条いずれの場合も、複数の屈曲通路部のうちの少なくとも1つを他と逆方向に屈曲させれば、スプロケットに作用する球圧の回転方向成分の少なくとも一部が打ち消し合うようになるため、全ての屈曲通路部を同方向に屈曲させる場合に比べて、同一回転方向に偏って作用する球圧を小さくすることができ、スプロケット(モータ)の始動性能、回転性能、停止性能を向上させることができる。
【0030】
また、上記実施形態では、球供給路14の出口通路部17を取り替え可能な2排出路用ユニット部品37とし、この2排出路用ユニット部品37(出口通路部17)を、貸球排出路28への落下防止機能を備えた単一排出路用ユニット部品38と取り替え可能としているので、2排出路用ユニット部品37を、単一排出路用ユニット部品38に取り替えることで、パチンコ球払出装置15を「現金機」仕様に変更することができ、「CR機」と「現金機」とで共通して使用することが可能となり、低コスト化することができる。
尚、球供給路14の出口通路部17は、必ずしも、着脱可能にする必要はなく、本体ケース16に一体に形成しても良い。
【0031】
また、上記実施形態では、「現金機」仕様に用いる単一排出路用ユニット部品38は、出口通路部39とストッパ部40とが一体に形成されていたが、ストッパ部40に相当する部分のみを単一排出路用部品として別体に形成しても良い。例えば、図5及び図6に示す他の実施形態のように、パチンコ球払出装置42の出口通路部43とは別体で、貸球排出路28の入口部を塞ぐストッパ部45を形成し、このストッパ部45を貸球排出路28の入口部にねじ46等で取り付け可能な構成としても良い。この場合、屈曲通路部44を有する出口通路部43は、本体ケース16に一体に形成しても良く、勿論、別部品であっても良い。尚、図6に示すように、ストッパ部45には、スプロケット18の凸部20を通過させるためのスリット部47と、ねじ46(図5参照)を挿通するねじ孔48が形成されている。
【0032】
上記実施形態では、パチンコ球払出装置42にストッパ部45を取り付けるだけで、各スプロケット18に供給されたパチンコ球が貸球排出路28へ落下するのを阻止することができ、本発明のパチンコ球払出装置42を極めて簡単に「現金機」仕様に変更することができる。この場合も、パチンコ球払出装置42を「CR機」と「現金機」とで共通して使用することが可能となり、低コスト化することができる。
【0033】
しかしながら、本発明のパチンコ球払出装置は、「現金機」仕様に変更できない構成とし、「CR機」専用としても良いことはいうまでもない。また、例えば、一方の排出路を払出用(賞球や貸球)の排出路として用い、他方の排出路を球抜き用の排出路として用い、スプロケット18の正転・逆転を切り換えることでパチンコ球の流下先を払出用の排出路と球抜き用の排出路との間で切り換えるようにしても良い。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1のパチンコ球払出装置によれば、各球供給路の出口通路部にそれぞれ出口で待機するパチンコ球からスプロケットに作用する球圧の少なくとも一部が打ち消し合うように、該スプロケットの横方向に屈曲する屈曲通路部を形成し、該屈曲通路部のうちの少なくとも1つを他と逆方向に屈曲させるようにしたので、スプロケットの同一回転方向に偏って作用する球圧を小さくすることができ、スプロケット(モータ)の始動性能、回転性能、停止性能を共に向上でき、装置の動作信頼性を向上することができる。
【0035】
また、請求項2では、パチンコ球が一方の排出路へ落下するのを阻止するストッパ部を取り付け可能に構成したので、ストッパ部を取り付けるという簡単な方法で本発明のパチンコ球払出装置を「現金機」仕様に変更することができ、「CR機」と「現金機」とで共通して使用することが可能となり、低コスト化することができる。
【0036】
更に、請求項3では、球供給路の出口通路部を取り替え可能な2排出路用ユニット部品とし、この出口通路部を、パチンコ球が一方の排出路へ落下するのを阻止するストッパ部を備えた単一排出路用ユニット部品と取り替え可能にしたので、この場合も、本発明のパチンコ球払出装置を「CR機」と「現金機」とで共通して使用することができ、低コスト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す「CR機」仕様のパチンコ球払出装置の縦断正面図で、(a)はスプロケットの凸部が球供給路の出口に対向している時の状態を示す図、(b)はスプロケットの凹部が球供給路の出口に対向している時の状態を示す図である。
【図2】パチンコ球払出装置の縦断側面図である。
【図3】単一排出路用ユニット部品を組み付けた「現金機」仕様のパチンコ球払出装置の縦断正面図で、(a)はスプロケットの凸部が球供給路の出口に対向している時の状態を示す図、(b)はスプロケットの凹部が球供給路の出口に対向している時の状態を示す図である。
【図4】パチンコ機の背面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す「現金機」仕様のパチンコ球払出装置の縦断正面図で、(a)はスプロケットの凸部が球供給路の出口に対向している時の状態を示す図、(b)はスプロケットの凹部が球供給路の出口に対向している時の状態を示す図である。
【図6】ストッパ部の斜視図である。
【符号の説明】
11…パチンコ機、14…球供給路、15…パチンコ球払出装置、17…出口通路部、18…スプロケット、19…凹部、20…凸部、21…屈曲通路部、23…ステッピングモータ、27…賞球排出路、28…貸球排出路、29…球受け凹部、35…メイン制御回路(流路切換制御手段)、36…払出制御回路(流路切換制御手段)、37…2排出路用ユニット部品、38単一排出路用ユニット部品、39…出口通路部、40…ストッパ部、41…屈曲通路部、42…パチンコ球払出装置、43…出口通路部、44…屈曲通路部、45…ストッパ部。
Claims (3)
- 正逆回転可能なモータと、
前記モータにより正逆回転され、外周にパチンコ球を受け入れる凹部が形成された複数のスプロケットと、
前記各スプロケットの回転軸よりも上側から前記各スプロケットにパチンコ球を供給する複数条の球供給路と、
前記各スプロケットの両側に設けられた2つの排出路と、
前記各スプロケットの正転・逆転を切り換えることで、前記スプロケットの凹部に受け入れたパチンコ球の流下先を前記2つの排出路の間で切り換える流路切換制御手段とを備え、
前記各球供給路の出口通路部には、それぞれ出口で待機するパチンコ球から前記スプロケットに作用する球圧の少なくとも一部が打ち消し合うように、該スプロケットの横方向に屈曲する屈曲通路部が形成され、該屈曲通路部のうちの少なくとも1つは他と逆方向に屈曲していることを特徴とするパチンコ球払出装置。 - 前記各スプロケットに供給されたパチンコ球が前記2つの排出路のうちの一方へ落下するのを阻止するストッパ部を取り付け可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載のパチンコ球払出装置。
- 前記球供給路の出口通路部は、取り替え可能な2排出路用ユニット部品として形成され、前記ストッパ部を設けた単一排出路用ユニット部品と取り替え可能であることを特徴とする請求項2に記載のパチンコ球払出装置。
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