JP3599096B2 - 二重化ネットワーク装置と二重化装置のmacアドレス整合方法 - Google Patents

二重化ネットワーク装置と二重化装置のmacアドレス整合方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、ネットワーク・ノード上の二重化ネットワーク装置と二重化装置のMACアドレス整合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ペーパーレス環境で仕事の効率化を図るために、企業等のオフィスや管理部門にLAN(Local Area Network)が導入されている。
このLANはルータ等によって各々接続されており、情報インフラの整備に伴い、インターネット等の広域ネットワークに接続されて統合的環境が構築されている。
従って、このようなネットワークでは、IPアドレス等の上位層でのネットワーク・ノードのアドレスに各LANでのアドレスである各ネットワーク装置のMACアドレスを一意に対応させて通信が行われる。
また、フォルトトレラント機能を実現するためにネットワーク装置を二重化し、2台の同等な装置を使用することが一般的に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の二重化ネットワーク装置と二重化装置のMACアドレス整合方法においては次のような問題があった。
ネットワーク内に存在する端末に障害が発生した場合、従来では端末自身を交換して障害を復旧させるしか方法が無かったため、ネットワーク内の機器を交換してしまうとその機器のMACアドレスが変わってしまう。
従って、このような状況下においては、ネットワーク内部に存在するスイッチングハブ等に記憶されているARPテーブルのMACアドレスがエージングされるまで通信ができないという問題があった。
また、フォルトトレラント機能を実現するには2台の同等な装置を使用するのが一般的だが、通常MACアドレスは装置毎に異なっており、仮に二重化してもアクト系が切り換わることにより該当装置のMACアドレスが変更されてしまう。
すなわち、ネットワーク内に存在するスイッチングハブ等のARPテーブルがエージングされるまでは通信ができない事になり、二重化していてもアクト系切り換え時にはしばらくの間通信が行えない状況が生じていた。
【0004】
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、ネットワーク内で異なるMACアドレスを持つ2台のネットワーク装置を一組として二重化し、系切り替えや装置交換が発生しても継続して通信を行うことができ、フォルトトレラント機能も実現した二重化ネットワーク装置と二重化装置のMACアドレス整合方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために提供する本願第一の発明に係る二重化ネットワーク装置は、それぞれ固有のMACアドレスを備えた二のネットワーク装置を一組のネットワーク装置群として一以上のネットワーク装置群がネットワークに接続されてなる二重化ネットワーク装置において、前記各装置群のうち、何れか一方のネットワーク装置をアクト系に決定するアクト系決定部と、アクト系に決定したネットワーク装置のMACアドレスをシステムMACアドレスとして記憶する不揮発性メモリと、各装置の受信制御部に、前記システムMACアドレス変更時にARPによりこの変更を他のネットワークノードに通知することによって前記システムMACアドレスで受信可能とする受信制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
係る構成は、ネットワーク・ノード上に装置を2重にしてなる二重化ネットワーク装置において、前記各装置のMACアドレスを1重化するために、前記各装置が、両装置間でネゴシエーションを行いアクト系を決定するアクト系決定部と、システムMACアドレスを記憶する不揮発性メモリと、各装置の受信制御部に前記システムMACアドレスで受信可能とする受信制御手段とを備えたことを意味する。
二重化ネットワーク装置が、両装置間でネゴシエーションを行いアクト系を決定するアクト系決定部と、システムMACアドレスを記憶する不揮発性メモリと、各装置の受信制御部に前記システムMACアドレスで受信可能とする受信制御手段とを備えたことにより、MACアドレスをシステムMACアドレスに一重化して通信できる。
【0008】
システムMACアドレスが、アクト系のMACアドレスであることにより、アクト系のネットワーク装置に対して、通常動作で通信できる。
【0009】
前記課題を解決するために提供する本願第の発明に係る二重化装置のMACアドレス整合方法は、それぞれ固有のMACアドレスを備えた二のネットワーク装置を一組のネットワーク装置群として一以上のネットワーク装置群がネットワークに接続されてなる二重化ネットワーク装置の各ネットワーク装置のMACアドレスを1重化する二重化装置のMACアドレス整合方法であって、前記各装置群のうち、何れか一方のネットワーク装置をアクト系に決定すると共にアクト系に決定した装置のMACアドレスをシステムMACアドレスとし、このシステムMACアドレスでデータを受信し、前記システムMACアドレス変更時に、ARPによりこの変更を他のネットワークノードに通知することを特徴とする。
【0010】
係る構成は、ネットワーク・ノード上に二重化構成された各装置のMACアドレスを1重化する二重化装置のMACアドレス整合方法であって、前記両装置間でネゴシエーションを行いアクト系を決定すると共にシステムMACアドレスを決定し、このシステムMACアドレスで通信を受信し、前記システムMACアドレス変更時に、ARPによりこの変更を他ノードに通知することを意味する。
このように、ARP(アドレス解決プロトコル)により、別途の機構を要せずしてシステムMACアドレスの変更を他ノードに能動的に通知でき、装置の切り替えを行うことができる。
【0012】
システムMACアドレスが、アクト系のMACアドレスであることにより、アクト系のネットワーク装置に対して、通常動作で通信できる。
【0013】
前記課題を解決するために提供する本願第の発明に係る二重化装置のMACアドレス整合方法は、本願第の発明に係る二重化装置のMACアドレス整合方法において、前記変更の通知が、新たにアクト系となった装置がARP要求をブロードキャストし、一以上の特定ノードからARP応答を受信することにより完了することを特徴とする。
【0014】
ARP要求のブロードキャストにより、システムMACアドレスの変更を同報的に各ノードに通知できる。
【0015】
前記課題を解決するために提供する本願第の発明に係る二重化装置のMACアドレス整合方法は、本願第または本願第の発明に係る二重化装置のMACアドレス整合方法において、通信受信時にアクト系装置の切り替えが起きた場合に、変更前のシステムMACアドレスで継続して受信し、前記変更の通知後、送信を開始することを特徴とする。
【0016】
データ受信時に装置のアクト系切り替えが起きた場合に、変更前のシステムMACアドレスを継続することにより、障害発生時の通信データの消散を抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下に、本発明に係る二重化ネットワーク装置と二重化装置のMACアドレス整合方法の一実施の形態における構成について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る二重化ネットワーク装置の一実施の形態における構成を示すブロック図である。
図1に示すように、装置1と装置2は全く同じ構成のネットワーク装置であり、送受信制御機能11、21と、MACアドレス12、22と、不揮発性読み書きメモリ13,23と、システムMACアドレス決定機能14,24と、IPアドレス15、25と、アクト系決定機能16、26とを有する。
また、前記ネットワーク装置1及びネットワーク装置2は、バス10を通して同じローカル・エリア・ネットワーク(LAN)に接続されていて、送受信制御部11、21を使用してデータの送受信を行う。
装置1にはMACアドレス12と装置2にはMACアドレス22が存在し、それぞれ異なる値である。
また、装置1装置2のデフォルトルータとしてルータ40がバス10に接続されている。
また、装置1と装置2が二重化構成をとる場合には、プロセッサ間バス20で接続され、アクト系決定機能16、26がプロセッサ間バス20を使ってネゴシエーションを行いどちらがアクト系として動作するかを決定する。
装置1のIPアドレス15と装置2のIPアドレス25はコマンドにより同じ値に設定される。
このように、本実施形態では、TCP/IPを使用し、二重化ネットワーク装置を同一ネットワーク・ノード上に構成している。
従って、その際、異なるMACアドレスを整合する必要があり、システムMACアドレスが使用される。
即ち、システムMACアドレス決定機能14,24は、二重化時には、装置1、装置2のどちらか一方のMACアドレスをシステムMACアドレスとして、両方の装置の不揮発性読み書きメモリ13、23に書き込む。
それによって、装置1、装置2とも二重化時には同じMACアドレスを使用することになり、アクト系が切り替わってもシステムMACアドレスの値は変わらない様にする。
また、送受信制御機能11、21は、システムMACアドレスでの受信制御機能を有し、以後、システムMACアドレス宛のデータは両方の装置1,2が受信可能とする。
さらに、システムMACアドレス決定機能14,24は、1重化時にはアクト系のMACアドレスをシステムMACアドレスとする。
装置1または装置2のどちらかがネットワークから切り離された場合、ネットワークに残った方の装置のアクト系決定機能16、26が1重化システムに変わったことを認識し、システムMACアドレス決定機能14,24に通知し、装置のシステムMACアドレス決定機能14,24は、残った装置のMACアドレスをシステムMACアドレスとする。
この時、今まで動作していたシステムMACアドレスと値が異なる場合、システムMACアドレス決定機能14、24は自分のIPアドレス15、25と新システムMACアドレスを送信元アドレスとしてデフォルトルータ40のIPアドレス解決形式のARPリクエストパケットをLAN上にブロードキャストし、デフォルトルータ40がこのARPリクエストに対するリプライを送信する事によって、ルータや同一LAN内に存在するスイッチングハブが、装置のMACアドレスが変更になったことを知ることができる。
【0018】
次に、本発明に係る二重化ネットワーク装置と二重化装置のMACアドレス整合方法の一実施の形態における動作について図面を参照して以下に説明する。
図2は、本発明に係る二重化ネットワーク装置と二重化装置のMACアドレス整合方法の一実施の形態におけるネットワークを示すブロック図であり、図3は、本実施のシステムMACアドレス決定機能14,24の概要を示すフローチャート図である。
図2に示すように、本実施形態のネットワークは、上述の構成を持つ装置1,装置2が、各々、スイッチングハブ30のポート31とポート32とに接続され、スイッチングハブ30はIPルータ40に接続されている。
また、IPルータ40には装置1,装置2とは異なるネットワークアドレスを持つIP端末50が接続されている。
IP端末50はMACアドレス52とIPアドレス55を持っている。装置1,装置2のデフォルトルータはIPルータ40に、端末50のデフォルトルータはIPルータ40に設定されている。
スイッチングハブ30は、どのMACアドレスがどのポートに接続されているかを記憶するMACアドレステーブル39を持ち、IPルータ40は、どのIPアドレスがどのMACアドレスに対応するのかを記憶するARPテーブル49を持っている。
また、ポート41にはIPアドレス45が、ポート42にはIPアドレス46がアサインされる。
更に、
装置1のMACアドレス12は11:11:11:11:11:12になっており、
装置2のMACアドレス22は11:11:11:11:11:22になっているとする。
装置1と装置2は同一ネットワークに接続されているのでIPアドレスのネットワーク部は同じ値になるが、IP端末50はルータ40を介するため装置1,装置2とは異なるネットワークに属していることになり、IP端末50のIPアドレスのネットワーク部は装置1、装置2と違う値になる。
装置1、2の属するネットワークアドレスが192.168
IP端末50の属するネットワークアドレスが192.170.
とし、
装置1と装置2のIPアドレス15、25はコマンドにより同じ値である、192.168.0.1
IP端末50のIPアドレス55は192.170.0.50
装置1、装置2から見たデフォルトルータであるIPルータ40のIPアドレス45は192.168.0.254
IP端末50から見たデフォルトルータであるIPルータ40のIPアドレス46は192.170.0.254
に設定されているものとする。
装置1、装置2は通常のIP端末と同様デフォルトルータ40のIPアドレス45の値192.168.0.254を知っている。
装置1の不揮発性読み書きメモリ13及び装置2の不揮発性読み書きメモリ23には、特にデータを設定する必要はなく、
装置1の不揮発性読み書きメモリ13にはff:ff:ff:ff:ff:ff
装置2の不揮発性読み書きメモリ23には00:00:00:00:00:00
が、かきこまれていたものとする。
【0019】
(動作形態1)
まず装置1装置2の順序で電源をいれた時、図2に示す装置1のアクト系決定機能16はアクト系を決定するために、プロセッサ間バス20を使用して装置2とネゴシエーションを行おうとするが、この時、装置2はまだ電源が入っていないので、1重化システムと判断し自装置1をアクト系とする。
次に装置1のシステムMACアドレス決定機能14が動き出し図3に示すS1の判断でリセットによる起動となりS2の判断でNoのルートに入りS7で自分のMACアドレス12の値11:11:11:11:11:12を不揮発性読み書きメモリ13に書き込み、送受信制御部11にシステムMACアドレスとして登録し、S8でデフォルトルータ40のIPアドレス192.168.0.254からMACアドレスを解決するためのARPリクエストパケットを送信しそのまま1重化で動作を続ける。
このARPリクエストには送信元の装置1のMACアドレス11:11:11:11:11:12とIPアドレス192.168.0.1との組み合わせが載っていて、同報MACアドレス宛で送られるため、ルータ40が受け取り、そのARPリクエストパケットの中身を見ると、自分のIPアドレス45の192.168.0.254に対するARPリクエストなので、ルータ40が自分のMACアドレスを教えるためにARPリプライを装置1宛に送信する。
通常ルータはARPリプライを返した場合、その内容をARPテーブルに反映させるので、ルータ40の場合も、自分の管理しているARPテーブル49にその組み合わせを記憶する。
そのうち装置2にも電源が入り装置2のアクト系決定機能26はプロセッサ間バス20を使用して装置1とアクト系を決定するためのネゴシエーションを行ない、装置1が既にアクト系として動作していることから装置2をスタンバイ系として動作させる、装置1のアクト系決定機能16は二重化システムになった事を認識し装置1のシステムMACアドレス決定機能14が再度起動され、S1の判断でNoのルートに入りS9の判断でYesのルートにはいり、S10の判断で自分はアクト系なのでNoのルートに入りS12で自分のMACアドレス12の11:11:11:11:11:12と、不揮発性読み書きメモリ13の値 11:11:11:11:11:12をプロセッサ間バス20を使って装置2に送る。
同時に装置2のシステムMACアドレス決定機能24が動き出しS1の判断でリセットよる起動となりS2で二重化システムと判断し、S3で自分のMACアドレス22の値11:11:11:11:11:12と、不揮発性読み書きメモリ23の値00:00:00:00:00:00をプロセッサ間バス20を使って装置1に送り、S4の判断で自分はスタンバイ系なのでNoのルートに入りそのままスタンバイ系として動作する。
また、装置2は装置1からプロセッサ間バスを通して装置1のMACアドレス12の値11:11:11:11:11:12と、不揮発性読み書きメモリ13の値11:11:11:11:11:12を受け取るので、装置2のシステムMACアドレス決定機能24が再度起動され、S1の判断でNoのルートに入りS9の判断でもNoのルートにはいり、S13の判断でYesのルートにはいりS14の判断で自分はスタンバイ系なのでYesのルートに入りS15で相手装置1のMACアドレス12の値11:11:11:11:11:12を、自装置2の不揮発性読み書きメモリ23に書き込み、送受信制御部21にシステムMACアドレスとして登録しそのままそのままスタンバイ系として動作を続ける。
同時に装置1でも装置2からプロセッサ間バスを通して装置2のMACアドレス22の値11:11:11:11:11:22と、不揮発性読み書きメモリ23の値00:00:00:00:00:00を受け取るので、装置1のシステムMACアドレス決定機能14が再度起動され、S1の判断でNoのルートに入りS9の判断でNoのルートにはいり、S13の判断でYesのルートにはいりS14の判断で自分はアクト系なのでNoのルートに入り、そのままアクト系として動作を続ける。
以上の処理により装置1、装置2ともに不揮発性読み書きメモリ13、23の値が同じ11:11:11:11:11:12となり、そのシステムMACアドレスが送受信制御部11、21に登録されているため、11:11:11:11:11:12宛のフレームを両装置が受信できる事になる。
また、スイッチングハブ30ではARPリクエスト、ARPリプライを転送することからポート31にMACアドレス11:11:11:11:11:12を持つ端末がいる事がわかりその内容をMACアドレステーブル39に書き込む。装置2、装置1の順序で電源をいれた時は前述の動作が全く逆になる。
【0020】
(動作形態2)
装置1装置2ともほぼ同時に電源をいれた時は、装置1のアクト系決定機能16と装置2のアクト系決定機能26とがネゴシエーションを行い、あらかじめ決められた方法でアクト系を決定する。
ここでは、装置1がアクト系、装置2がスタンバイ系となったものと仮定して説明する。
装置1のシステムMACアドレス決定機能14が動き出しS1の判断でリセットによる起動となり、既にネゴシエーションにより二重化システムである事を認識しているのでS2の判断ではYesのルートに入り、S3で自分のMACアドレス12の値11:11:11:11:11:12と不揮発性読み書きメモリ13の内のシステムMACアドレスの値ff:ff:ff:ff:ff:ffをプロセッサ間バス20を使用して装置2に送り、S4でYesのルートに入り、S5で自分のMACアドレス12の値11:11:11:11:11:12を不揮発性読み書きメモリ13に書き込み、送受信制御部11にシステムMACアドレスとして登録する。
その後S6でデフォルトルータ40のIPアドレス192.168.0.254からMACアドレスを解決するためのARPリクエストパケットを送信する。
このARPリクエストには送信元の装置1のシステムMACアドレス11:11:11:11:11:12とIPアドレス192.168.0.1との組み合わせが載っていて、同報MACアドレス宛で送られるため、ルータ40が受け取りそのARPリクエストパケットの中身を見ると、自分のIPアドレス45の192.168.0.254に対するARPリクエストなので、ルータ40が自分のMACアドレスを教えるためにARPリプライを装置1宛に送信する。
通常ルータはARPリプライを返した場合、その内容をARPテーブルに反映させるので、ルータ40の場合も、自分の管理しているARPテーブル49にその組み合わせを記憶する。
装置2でも同様にシステムMACアドレス決定機能24が動き出しS1の判断でリセットによる起動となりYesのルートに入り、S2の判断でYesのルートに入りS3で自分のMACアドレス22の11:11:11:11:11:22と不揮発性読み書きメモリ23の内のシステムMACアドレスの値00:00:00:00:00:00をプロセッサ間バス20を使用して装置1に送り、S4の判断でNoのルートに入りそのまま処理を終了するためシステムMACアドレスは確定していない。
装置1、装置2ともにS3によりプロセッサ間バス20を使用して自分のMACアドレスを相手装置に通知するため、装置2ではシステムMACアドレス決定機能24が動き出しS1の判断でNoのルートとなり、S9の判断もNoのルートに入りS13の判断でYesのルートにはいりS14の判断で自分はスタンバイ系なのでYesのルートに入りS15でプロセッサ間バス20を通して得られた相手装置1のMACアドレスの値11:11:11:11:11:12を、自装置2の不揮発性読み書きメモリ23に書き込み、送受信制御部21にシステムMACアドレスとして登録しそのままそのままスタンバイ系として動作を続ける。
装置1でも同様にシステムMACアドレス決定機能14が動き出しS1の判断でNoのルートとなりS9の判断でもNoのルートに入りS13の判断でYesのルートに入りS14の判断で自分はアクト系なのでNoのルートに入り、何もせずにそのままアクト系として動作する。
以上の処理により装置1、装置2ともに不揮発性読み書きメモリ13、23の値が同じ11:11:11:11:11:12となり、そのシステムMACアドレスが送受信制御部11、21に登録されるため、11:11:11:11:11:12宛のフレームを両装置が受信できる事になる。
また、スイッチングハブ30ではARPリクエスト、ARPリプライを転送することからポート31にMACアドレス11:11:11:11:11:12を持つ端末がいる事がわかりその内容をMACアドレステーブル39に書き込む。
装置1、装置2ともほぼ同時に電源をいれた時で、装置2がアクト系になった場合には前述の動作が全く逆になる。
【0021】
(動作形態3)
次に二重化運転中にアクト系切り替えが発生した場合を考える。
装置1、装置2ともに不揮発性読み書きメモリ13、23の値が同じ11:11:11:11:11:12となり、装置1がアクト系で動作しているものとする。
装置のアクト系切り替えが発生し装置2がアクトとして動作した場合、両方の装置のアクト系決定機能16,26が動き、装置1はスタンバイになり、装置2がアクトになり、両方の装置のシステムMACアドレス決定機能14、24が起動される。
S1、S9、S13、S16全ての判断でNoのルートに入りS20の判断でYesのルートに入る。
装置1はスタンバイ系になったのでS21の判断でNoのルートに入り何もせずそのままスタンバイとして動作する。
装置2はアクト系になったのでS21の判断でYesのルートに入り、S22でデフォルトルータ40のIPアドレス192.168.0.254からMACアドレスを解決するためのARPリクエストパケットを送信する。
このARPリクエストには送信元の装置1のシステムMACアドレス11:11:11:11:11:12とIPアドレス 192.168.0.1との組み合わせが載っていて、同報MACアドレス宛で送られるため、ルータ40が受け取り、そのARPリクエストパケットの中身を見ると、自分のIPアドレス45の192.168.0.254に対するARPリクエストなので、ルータ40が自分のMACアドレスを教えるためにARPリプライを装置1宛に送信する。
通常ルータはARPリプライを返した場合、その内容をARPテーブルに反映させるが既に持っている内容と同じなので書き換えはしない、ルータ40の場合でも同様である。
また、スイッチングハブ30ではARPリクエスト、ARPリプライを転送することからポート32にMACアドレス11:11:11:11:11:12を持つ端末がいる事がわかり、スイッチングハブ30から見るとポート31に接続されていた端末がポート32に接続し直されたかの様に見えるため、MACアドレステーブル39内の該当データを書き換える。
【0022】
(動作形態4)
次に二重化運転中に1重化運転になった場合を考える。
装置1、装置2ともに不揮発性読み書きメモリ13、23の値が同じ11:11:11:11:11:12となり、装置1がアクト系で動作している時にスタンバイ系の装置2がネットワークから切り離された場合を考える。
装置1のシステムMACアドレス決定機能14に起動がかかり、S1の判断でNoのルートに入り、S9の判断でもNoのルートに入り、S13の判断でもNoのルートに入り、S16の判断でYesのルートに入る。この場合、現在使用しているシステムMACアドレスの値は11:11:11:11:11:12であり、装置1のMACアドレス12の値も11:11:11:11:11:12なのでS17の判断でNoのルートに入り、装置1がアクト系として動作している時にスタンバイ系の装置2が切り離されたのでアクト系の切り替えは発生しないのでS20の判断でNoのルートに入り、そのまま11:11:11:11:11:12をシステムMACアドレスとして使用し続ける。
装置1、装置2ともに不揮発性読み書きメモリ13、23の値が同じ11:11:11:11:11:12となり、装置2がアクト系で動作している時にスタンバイ系の装置1がネットワークから切り離された場合を考える。
装置2のシステムMACアドレス系決定機能24に起動がかかり、S1の判断でNoのルートに入りS9の判断でもNoのルートに入り、S13の判断もNoのルートに入り、S16の判断でYesのルートに入る。
この場合、現在使用しているシステムMACアドレスの値は11:11:11:11:11:12であり、装置2のMACアドレス12の値は11:11:11:11:11:22なのでS17の判断でYesのルートに入る。
S18で自分のMACアドレス22の値11:11:11:11:11:22を不揮発性読み書きメモリ23に書き込み、送受信制御部21にシステムMACアドレスとして登録する。
その後S19でデフォルトルータ40のIPアドレス192.168.0.254からMACアドレスを解決するためのARPリクエストパケットを送信する。
このARPリクエストには送信元の装置2のMACアドレス11:11:11:11:11:22とIPアドレス192.168.0.1との組み合わせが載っていて、同報MACアドレス宛で送られるため、ルータ40が受け取り、そのARPリクエストパケットの中身を見ると、自分のIPアドレス45の192.168.0.254に対するARPリクエストなので、ルータ40が自分のMACアドレスを教えるためにARPリプライを装置2宛に送信する。
通常ルータはARPリプライを返した場合、その内容をARPテーブルに反映させる。
ルータ40でも同様にARPテーブル49に反映させるが、ARPテーブル49上には、それまでは、IPアドレス192.168.0.1はMACアドレス11:11:11:11:11:12との組み合わせとなっていたはずなので、今回のARPリクエストにより、IPアドレス192.168.0.1はMACアドレス11:11:11:11:11:22に変わった事がわかり、ルータ40はARPテーブル上の該当データを新しい組み合わせに書き換える。
また、スイッチングハブ30ではARPリクエスト、ARPリプライを転送することからポート32にMACアドレス11:11:11:11:11:22を持つ端末がいる事がわかり、スイッチングハブ30から見るとポート32に新しい端末が接続されたかの様に見えるため、MACアドレステーブル39にその内容を書き加える。
これによって、装置2が新しいシステムMACアドレス11:11:11:11:11:22を使ってそのまま動作を続ける。
【0023】
(動作形態5)
次に二重化運転中にアクト系の装置がネットワークから切り離された場合を考える。
装置1、装置2ともに不揮発性読み書きメモリ13、23の値が同じ11:11:11:11:11:12となり、装置1がアクト系で動作している時にアクト系の装置1がネットワークから切り離された場合を考える。
装置2のアクト系決定機能26が、装置1が無くなった事により装置2がアクトとして動作する事を決定し、システムMACアドレス決定機能24に起動をかける。S1の判断でNoのルートに入り、S9の判断でもNoのルートに入り、S13の判断でもNoのルートに入り、S16の判断でYesのルートに入る。
この場合、現在使用しているシステムMACアドレスの値は11:11:11:11:11:12であり、装置2のMACアドレス22の値は11:11:11:11:11:22なのでS17の判断でYesのルートに入る。
S18で自分のMACアドレス22の値11:11:11:11:11:22を不揮発性読み書きメモリ23に書き込み、送受信制御部21にシステムMACアドレスとして登録する。
その後S19でデフォルトルータ40のIPアドレス192.168.0.254からMACアドレスを解決するためのARPリクエストパケットを送信する。
このARPリクエストには送信元の装置2のMACアドレス11:11:11:11:11:22とIPアドレス192.168.0.1との組み合わせが載っていて、同報MACアドレス宛で送られるため、ルータ40が受け取り、そのARPリクエストパケットの中身を見ると、自分のIPアドレス45の192.168.0.254に対するARPリクエストなので、ルータ40が自分のMACアドレスを教えるためにARPリプライを装置2宛に送信する。
ルータ40の、ARPテーブル49上には、それまでは、IPアドレス192.168.0.1はMACアドレス11:11:11:11:11:12との組み合わとなっていたはずなので、今回のARPリクエストにより、IPアドレス192.168.0.1はMACアドレス11:11:11:11:11:22に変わった事がわかり、ルータ40はARPテーブル49上の該当データを新しい組み合わせに書き換える。
また、スイッチングハブ30ではARPリクエスト、ARPリプライを転送することからポート32にMACアドレス11:11:11:11:11:22を持つ端末がいる事がわかり、スイッチングハブ30から見るとポート32に新しい端末が接続されたかの様に見えるため、MACアドレステーブル39にその内容を書き加える。
これによって、装置2が新しいシステムMACアドレス11:11:11:11:11:22を使ってそのまま動作を続ける。
装置1、装置2ともに不揮発性読み書きメモリ13、23の値が同じ11:11:11:11:11:12となり、装置2がアクト系で動作している時にアクト系の装置2がネットワークから切り離された場合を考える。
装置1のアクト系決定機能16が、装置2が無くなった事により装置1がアクトとして動作する事を決定し、システムMACアドレス決定機能14に起動をかける。
S1の判断でNoのルートに入り、S9の判断でもNoのルートに入り、S13の判断でもNoのルートに入り、S16の判断でYesのルートに入る。
この場合、現在使用しているシステムMACアドレスの値は11:11:11:11:11:12であり、装置1のMACアドレス12の値も11:11:11:11:11:12なのでS17の判断でNoのルートに入り、アクト系が装置2から装置1へ切り替わったのでS20の判断でYesのルートに入り、S21の判断でもYesのルートに入り、S22でデフォルトルータ40のIPアドレス192.168.0.254からMACアドレスを解決するためのARPリクエストパケットを送信する。
このARPリクエストには送信元の装置1のMACアドレス11:11:11:11:11:12とIPアドレス 192.168.0.1との組み合わせが載っていて、同報MACアドレス宛で送られるため、ルータ40が受け取り、そのARPリクエストパケットの中身を見ると、自分のIPアドレス45の192.168.0.254に対するARPリクエストなので、ルータ40が自分のMACアドレスを教えるためにARPリプライを装置1宛に送信する。
ルータ40はARPリプライを返した場合、その内容をARPテーブル49に反映させるが既に持っている内容と同じなので書き換えはしない。
また、スイッチングハブ30ではARPリクエスト、ARPリプライを転送することからポート31にMACアドレス11:11:11:11:11:12を持つ端末がいる事がわかり、スイッチングハブ30から見るとポート32に接続されていた端末がポート31に接続し直されたかの様に見えるため、MACアドレステーブル39内の該当データを書き換える。
これによって、装置1は、今まで装置2が使用していたMACアドレス11:11:11:11:11:12を使ってそのまま動作を続ける。
【0024】
(動作形態6)
次に1重化運転中にスタンバイ系の装置がネットワークに組み込まれた場合を考える。
1重化運転中は、必ずその装置のMACアドレスをシステムMACアドレスとして使用する事になるので、装置1がアクト系で1重化で動作している場合には、装置1のMACアドレス12の値11:11:11:11:11:12がシステムMACアドレスとして使用されている。
この時に、装置2がスタンバイ系として組み込まれたとすると、装置1のシステムMACアドレス決定機能14が起動されS1の判断でNoのルートに入りS9の判断でYesのルートになる。
その後、装置1、装置2の順番に電源を入れた場合と同様の処理で二重化として動作できるようになる。装置2による1重化運転中に装置1がスタンバイ系として組み込まれた場合には動作が逆になる。
今、装置1、装置2ともに不揮発性読み書きメモリ13、23の値が同じ11:11:11:11:11:12になり、装置2がアクト系で動作している時に装置50からIPアドレスの192.168.0.1の装置にデータ通信が発生しているとする。
IPアドレスの192.168.0.1の装置は二重化されていて装置2がアクト系として動作しているため、スイッチングハブ30は、装置2からのARPリクエストパケットにより、MACアドレス11:11:11:11:11:12の装置はポート32に接続されている事を学習し、スイッチングハブ30内のMACアドレステーブル39には「 MACアドレス11:11:11:11:11:12宛はポート32へ転送」というデータが書き込まれている。
またルータ40は「IPアドレス192.168.0.1はMACアドレス11:11:11:11:11:12」というARPテーブル49を持っている。
装置50がIPアドレス192.168.0.1にデータを送る場合、宛先MACアドレスをデフォルトルータ40のMACアドレス、宛先IPアドレスを192.168.0.1にして、ネットワーク内にデータを送信する。
ルータ40は宛先MACアドレスが自分宛なのでそのデータを引き取り、宛先IPアドレス192.168.0.1をARPテーブル49を使って検索し、MACアドレスが11:11:11:11:11:12であると認識する。
ルータ40は宛先MACアドレスとして検出したMACアドレス11:11:11:11:11:12、宛先IPアドレスを192.168.0.1でポート41にデータを送信する。
スイッチングハブ30はそのデータを受信し、宛先MACアドレスが 11:11:11:11:11:12となっているため、スイッチングハブ30は、MACアドレステーブル39の内容からそのデータをポート32に転送する事になり、装置2がそのデータを受信できる。
この状態で装置1の交換をする場合を想定する。装置1を交換する場合にはその時点で1重化運転になり、装置2の本来のMACアドレス22の値11:11:11:11:11:22がシステムMACアドレスとして使われる事になる。
装置2の本来のMACアドレス22は11:11:11:11:11:22は現在使用しているシステムMACアドレスの値11:11:11:11:11:12とは異なっているため、1重化になった場合には、装置2はシステムMACアドレスを本来の自分のMACアドレス22の値である11:11:11:11:11:22に変更し、デフォルトルータ40のIPアドレス192.168.0.254からMACアドレスを解決するためのARPリクエストパケットを送信する。
ルータ40は、そのARPリクエストパケットの中身を見ると、自分のIPアドレス45の192.168.0.254に対するARPリクエストなので、ルータ40が自分のMACアドレスを教えるためにARPリプライを装置2宛に送信する。
ルータ40はARPリプライを返した場合、その内容をARPテーブル49に反映させる。
このARPリクエストにはIPアドレス192.168.0.1はMACアドレス11:11:11:11:11:22の組み合わせで有ることが載っている。
ルータ40がARPテーブル49上で認識していた組み合わせは、「IPアドレス192.168.0.1はMACアドレス11:11:11:11:11:12」
だったので、同じIPアドレスでもMACアドレスが異なるため、MACアドレスが変わった事と判断し、ARPテーブル49の「IPアドレス192.168.0.1はMACアドレス11:11:11:11:11:12」というデータを
「IPアドレス192.168.0.1はMACアドレス11:11:11:11:11:22」という新しいデータに書き換える。
また、スイッチングハブ30内もこのARPリクエストをポート32から受信するのでMACアドレステーブル39に「 MACアドレス11:11:11:11:11:22宛はポート32へ送信」というデータを書き込む。
装置50がIPアドレス192.168.0.1の端末にデータを送る場合には、同様に宛先MACアドレスをデフォルトルータ40のMACアドレス、宛先IPアドレスを192.168.0.1でネットワーク内にデータを送信する。
ルータ40は宛先MACアドレスが自分宛なのでそのデータを引き取り、宛先IPアドレス192.168.0.1をキーにARPテーブル49を検索し、宛先MACアドレスが11:11:11:11:11:22であると認識する。
ルータ40は宛先MACアドレスを検出したMACアドレスである11:11:11:11:11:22に、宛先IPアドレスを192.168.0.1でポート41にデータを送信する。
スイッチングハブ30がそのデータを受信し、宛先MACアドレスが 11:11:11:11:11:22となっているため、MACアドレステーブル39からポート32へ転送すれば良い事が判明し、スイッチングハブ30はそのデータをポート32に転送するので装置2がそのデータを受信できる。
【0025】
この発明の特徴は、ネットワーク上に全く異なるMACアドレスを持つ2台の装置のどちらかのMACアドレスをシステムMACアドレスとして共通に使用することと、システムMACアドレスが変更になった場合にはARPリクエストパケットをルータ宛に出すことにある。
この結果、片方の装置に障害が発生した場合、もう1台の装置でバックアップでき、仮に該当装置のシステムMACアドレスが変更になっても、ネットワーク上のルータがMACアドレスとIPアドレスの組み合わせが変更になったことを理解し、スイッチングハブ上でもARPテーブルを書き換えるため、端末間のデータ転送の失敗を最小限に止めることができる。
したがって、ネットワーク上の再送処理も減り、帯域を有効に使用できる事にもなる。
【0026】
(実施形態2)
以下に、本発明に係る二重化ネットワーク装置と二重化装置のMACアドレス整合方法の他の実施の形態における動作について図3、図4参照して説明する。
図4は、本発明に係る二重化ネットワーク装置と二重化装置のMACアドレス整合方法の他の実施の形態におけるネットワークを示すブロック図である。
本実施形態の二重化ネットワーク装置は、上述の実施形態1における図1または図2に示す装置1、装置2をルータに適用した場合である。
図4に示すように、ルータ1とルータ2は本発明に係わる二重化ルータであり、その構成は、実施形態1と略同様であり、
ルータ1のMACアドレス12は11:11:11:11:11:12
ルータ2のMACアドレス22は11:11:11:11:11:22
とする。ルータ3、ルータ4は普通のルータである。
ルータ1、ルータ2のシステムMACアドレスは上述のシステムMACアドレス決定機能14,24によって両方ともに11:11:11:11:11:22に設定され、不揮発性読み書きメモリ13,23に格納されている。この時、ルータ1がアクト系で動作しているとする。
ネットワーク50のネットワークアドレスを1.2.50
ネットワーク60のネットワークアドレスを1.2.60
ネットワーク70のネットワークアドレスを1.2.70
ネットワーク80のネットワークアドレスを1.2.80
とし、ルータ1のポート111はネットワーク50に接続され、ポート111に対して設定されるIPアドレス101には1.2.50.254が設定され、ポート112はネットワーク60に接続され、ポート112に対して設定されるIPアドレス102には1.2.60.254が設定され、ポート113はネットワーク70に接続され、ポート113に対して設定されるIPアドレス103に1.2.70.254が設定されているものとする。
ルータ2に対しても全く同様に設定するので、ネットワーク50に接続されるポート221に対して設定されるIPアドレス201に1.2.50.254が設定され、ネットワーク60に接続されるポート222に対して設定されるIPアドレス202に1.2.60.254が設定され、ネットワーク70に接続されるポート223に対して設定されるIPアドレス203に1.2.70.254が設定されているものとする。
ルータ1のポート111とルータ2のポート221はネットワーク50を終端するスイッチングハブ100に接続され、ルータ1のポート112とルータ2のポート222はネットワーク60を終端するスイッチングハブ200に接続され、ルータ1のポート113とルータ2のポート223はネットワーク70を終端するスイッチングハブ300に接続されている。
また、ネットワーク60は別なルータ3を介してネットワーク80に接続されている。ルータ3についてはポート332がネットワーク60へ、ポート334がネットワーク80へ接続されポート332に対して設定されるIPアドレス302に1.2.60.253が設定され、ポート334に対して設定されるIPアドレス304に1.2.80.253が設定されている。同様に、ネットワーク60は別なルータ4を介して別なネットワークへも接続されている。
ルータ3のMACアドレスは11:11:11:11:11:33とする。
また、ネットワーク50内に存在する端末30にはIPアドレス1.2.50.30が、ネットワーク80内に存在する端末40にはIPアドレス1.2.80.40が設定されているているものとする。
【0027】
この時、端末30から端末40に通信が発生したとする。
端末30は宛先端末40のネットワークアドレスが自分のネットワークアドレスと合っていないため、宛先IPアドレスを端末40のIPアドレス1.2.80.40
にして、宛先MACアドレスはデフォルトルータ1のシステムMACアドレス11:11:11:11:11:22でフレームをネットワーク50に送信する。
このフレームはスイッチングハブ100によってポート221に転送され、MACアドレス11:11:11:11:11:22を持つルータ2の送受信処制御部21がそのフレームを引き取る。
スイッチングハブ100が単なるリピータハブだった場合にはルータ1、ルータ2の両方がそのフレームを引き取る。
ルータ2がアクト系として動作しているので受信したパケットがルーティング処理部207に渡され、宛先IPアドレス1.2.80.40からのネットワークアドレス1.2.80宛だという事を認識し、ルーティングテーブル28から、ルータ3へデータを送信すればいいことがわかり、送信ポート222が決定される。またルータ2はARPパケット等によりルータ3のMACアドレスとIPアドレスの組み合わせを学習し、ARPテーブル29上に持っているため、宛先IPアドレスを端末40のIPアドレス1.2.80.40にして、宛先MACアドレスはルータ3のMACアドレス11:11:11:11:11:33で送受信制御部21がポート222を使用してフレームをネットワーク60に送信し、宛先MACアドレスが一致するルータ3がこのフレームを引き取る。これ以前にルータ3はルータ2とのフレームのやりとりが有り、ARPテーブル39上に「IPアドレス1.2.60.254はMACアドレス11:11:11:11:11:22」と言うことを学習して記憶している。ルータ3では受信したパケットがルーティング処理部307に渡され、宛先IPアドレス1.2.80.40からのネットワークアドレス1.2.80宛だという事を認識し、ルーティングテーブル38から該当ネットワークは自ルータに直接接続されている事を認識し、送信ポート334が決定される。またルータ3はARPパケット等により端末40のMACアドレスを知り、宛先IPアドレスを端末40のIPアドレス1.2.80.40にして、宛先MACアドレスは端末40のMACアドレス宛でポート334にフレームを送信する。これによって、端末40は端末30からのデータを受け取る事ができる。一方、ルータ1でもフレームを受信した場合には同様な処理が行われるが、ルータ1はスタンバイ系なので特に何もしなくて良い。この図の場合にはスイッチングハブ100が存在するため、スイッチングハブはネットワーク上に流れるフレームを監視しMACアドレステーブル109を作成し、MACアドレステーブル109には「MACアドレス11:11:11:11:11:22宛はポート221に転送」となっているので実際にルータ1がフレームを受信する事は無い。
【0028】
次にこの状態でルータ2が障害になった場合を考える。ルータ2に障害が発生した場合、ルータ1のアクト系決定決定機能16が動き、自分がアクトとして動作しなければならない事を認識し、ルータ1をアクト系にし、システムMACアドレス決定機能14に起動をかける。図3に示すS16の判断によりYesのルートに入り、現状のシステムMACアドレス13の値11:11:11:11:11:22が自分のMACアドレス12の値11:11:11:11:11:12と一致していないためS17の判断でYesになり、S18により、自分のMACアドレス12の値11:11:11:11:11:12をシステムMACアドレスとして不揮発性読み書きメモリ13に書き込み、送受信制御部11にシステムMACアドレスとして登録する。その後、ルーティングテーブル18をサーチして自分と接続される全てのルータのIPアドレスを使ってARPリクエストパケットを送信する。
図4に示す本実施形態の場合には、ルータ1に接続されるルータはルータ3とルータ4であり、ルータ1がルータ3のMACアドレスを解決するためのARPリクエストパケットを送信する場合、送信元MACアドレスが1:11:11:11:11:12、送信元IPアドレスが1.2.60.254で宛先MACアドレスは同報アドレス宛でARPリクエストをポート112に送信する。このARPリクエストを受信したスイッチングハブ200ではMACアドレスが11:11:11:11:11:12を持つ端末がポート112に存在する事を学習してMACアドレステーブル209に「MACアドレス11:11:11:11:11:12宛はポート112に転送」と書き込む。またルータ3もARPリクエストパケットを受信するので、その中身をチェックしてIPアドレスが自分のものと一致するのでARPリプライパケットを返却する。その時ルータ3はARPリクエストの中身のIPアドレスとMACアドレスの組み合わせをARPテーブル39に登録するが、IPアドレス1.2.60.254は既にMACアドレス11:11:11:11:11:22として登録されているので、MACアドレスが11:11:11:11:11:22から11:11:11:11:11:12に変わっている事を認識し、ARPテーブル39を「IPアドレス1.2.60.254はMACアドレス11:11:11:11:11:12」に書き換える。
ルータ1は同様にルータ4のIPアドレスを使ってARPリクエストを出すので、ルータ4のARPテーブル49も「IPアドレス1.2.60.254はMACアドレス11:11:11:11:11:12」に書き換わる。
仮に端末30と端末40の送信中にルータ2からルータ1へアクト系が切り換わり替わり、かつシステムMACアドレスも変更になった場合、スイッチングハブ上のMACアドレステーブルも、ルータ上のARPテーブルも新MACアドレスの情報に書き変わっているため、端末30自身だけがルータのMACアドレスが変わった事を認識できないので、その時の通信は失敗するが、ネットワーク内のルータ、スイッチングハブが持っている経路情報は既に切り替わっているので、端末30が次回からルータ1経由でデータを送る場合にはすぐにデータが送信できる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る二重化ネットワーク装置と二重化装置のMACアドレス整合方法によれば、ネットワーク内で異なるMACアドレスを持つ2台のネットワーク装置を一組として二重化し、系切り替えや装置交換が発生しても継続して通信行え、フォルトトレラント機能も実現できる。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る二重化ネットワーク装置の一実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る二重化ネットワーク装置と二重化装置のMACアドレス整合方法の一実施の形態におけるネットワークを示すブロック図である。
【図3】本発明に係わるシステムMACアドレス決定機能14,24の概要フロー図である。
【図4】本発明に係る二重化ネットワーク装置と二重化装置のMACアドレス整合方法の他の実施の形態におけるネットワークを示すブロック図である。
【符号の説明】
1,2 二重化構成されたネットワーク装置
40 ルータ

Claims (4)

  1. それぞれ固有のMACアドレスを備えた二のネットワーク装置を一組のネットワーク装置群として一以上のネットワーク装置群がネットワークに接続されてなる二重化ネットワーク装置において、前記各装置群のうち、何れか一方のネットワーク装置をアクト系に決定するアクト系決定部と、アクト系に決定したネットワーク装置のMACアドレスをシステムMACアドレスとして記憶する不揮発性メモリと、各装置の受信制御部に、前記システムMACアドレス変更時にARPによりこの変更を他のネットワークノードに通知することによって前記システムMACアドレスで受信可能とする受信制御手段とを備えたことを特徴とする二重化ネットワーク装置。
  2. それぞれ固有のMACアドレスを備えた二のネットワーク装置を一組のネットワーク装置群として一以上のネットワーク装置群がネットワークに接続されてなる二重化ネットワーク装置の各ネットワーク装置のMACアドレスを1重化する二重化装置のMACアドレス整合方法であって、前記各装置群のうち、何れか一方のネットワーク装置をアクト系に決定すると共にアクト系に決定した装置のMACアドレスをシステムMACアドレスとし、このシステムMACアドレスでデータを受信し、前記システムMACアドレス変更時に、ARPによりこの変更を他のネットワークノードに通知することを特徴とする二重化装置のMACアドレス整合方法。
  3. 前記変更の通知が、新たにアクト系となった装置がARP要求をブロードキャストし、一以上の特定ノードからARP応答を受信することにより完了することを特徴とする請求項に記載の二重化装置のMACアドレス整合方法。
  4. データ受信時に装置のアクト系切り替えが起きた場合に、変更前のシステムMACアドレスで継続して使用することを特徴とする請求項又は請求項に記載の二重化装置のMACアドレス整合方法。
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