JP3546328B2 - 通信ネットワークのためのルータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信ネットワークの情報伝達経路の選択のために該ネットワークに設けられるルータに関し、特に、ネットワークのリンクを介して相互に接続された隣り合うルータからの経路情報に基づいて、最適な経路を自動的に選択するダイナミックルータに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイナミックルータは、隣り合う各ルータから経路選択情報を受けると、これら経路選択情報に基づき、個々のルータに固有のルーティングテーブルを作成し、このルーティングテーブルの情報に基づき最適な経路を選択する。
このルータのルーティング機能により、例えばある1つのルータが故障し、あるいはあるリンクでのトラフィックの増大による通信遅延が生じても、このような障害の影響を受け難い、最適な経路が選択される。
【0003】
前記したようなルータに、例えばCisco社製のGSR12000と称されるダイナミックルータがあり、このルータは、現用系および予備系となる一対のルーティング機構を備える。これによれば、現用系である一方のルーティング機構に故障が生じると、切換機構により、予備系と現用系とが相互に切り換えられる。
【0004】
予備系であった他方のルーティング機構が現用系に切り換えられると、新たに現用系として作用する前記他方のルーティング機構は、隣り合うルータとの交信により、該ルータから経路選択情報を得る。この経路選択情報を得た前記他方のルーティング機構は、この経路選択情報からルーティングテーブルを作成し、新たに作成されたルーティングテーブルの情報に基づいて、最適な経路を選択する。この予備系から現用系へのルーティング機構の切り換えにより、ルータのルーティング機能が保障される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の前記したルータでは、前記切換機構の動作により新たに現用系として機能するルーティング機構は、前記した切換機構の切り換え動作後、隣り合うルータの経路選択情報から、前記したとおり、ルーティングテーブルを新たに作成を必要がある。そのため、予備系および現用系の切り換え動作後、新たなルーティングテーブルの作成のための時間が必要となることから、その間、ルーティング機能が中断することとなる。
本発明の目的は、新たなルーティングテーブルの作成のためにルーティング機能が中断されることのないルータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基本的には、現用系および予備系を構成する一対のルーティング機構を備えるルータにおける現用系ルーティング機構のルーティングテーブルを予備系ルーティング機構のルーティングテーブルとして利用すべく、その情報を転写することを特徴とする。
【0007】
より具体的には、本発明は、次の構成を採用する。
〈構成1〉
本発明は、通信ネットワークの情報伝達経路を選択すべく前記ネットワークに設けられ、相互に隣り合うルータからの経路選択情報に基づいて前記情報伝達経路を選択するルータであって、対をなして設けられ、それぞれが、隣り合う前記ルータから受信した前記経路選択情報を用いてルーティングテーブルを作成する処理部および前記ルーティングテーブルを格納する記憶部を備え該記憶部に格納された前記テーブルに基づいて伝達経路を選択する2つのルーティング機構と、該両ルーティング機構のいずれか一方を現用系としまた他方を予備系とすべく前記ルーティング機構を切り換える切換機構と、前記一方のルーティング機構の前記記憶部に格納された前記テーブルを前記他方のルーティング機構の前記記憶部に転送する転送機構とを含むことを特徴とする。
【0008】
〈作用〉
本発明によれば、予備系から現用系に切り換えられるルーティング機構には、前記転送機構によりルーティングテーブルが転送され、新たに現用系となる前記他方のルーティング機構はこの転送されたルーティングテーブルに基づいて、適正な情報伝達経路を選択することが可能となることから、前記した現用系および予備系の切り換え動作中に、ルーティングテーブルに変更を来さない不都合がネットワークに生じない限り、新たに現用系として機能する前記他方のルーティング機構は、前記切換機構の切り換え動作後における隣り合うルータからの新たな経路選択情報の受信およびこれに基づく新たなルーティングテーブルの作成を待つことなく、直ちにルーティング機能を発揮することが可能となる。
【0009】
前記転送機構による前記ルーティングテーブルの前記した転送は、前記転送機構の動作時であることが好ましい。前記転送機構の動作時に前記他方のルーティング機構に前記テーブルを転送することにより、新たに現用系として動作する前記他方のルーティング機構は最新のルーティングテーブルを入手することが可能となる。
【0010】
本発明に係る前記したルータは、ルーティングプロトコルがいわゆるドメイン内のルーティングアルゴリズムを規定するIGPs(Interior Gateway Protocols)であるかドメイン間すなわちドメイン外のルーティングアルゴリズムを規定するEGPs(Exterior Gateway Protocols)であるかに拘わらず、それらの何れも、ネットワークの情報伝達経路の選択および設定であるルーティングに、ルーティングテーブルを利用することから、その両アルゴリズムに適用可能である。
【0011】
また、IGPsのうち、リンクステート型の例えばOSPF(Open Shortest Path First)と称されるルーティングプロトコルでは、ルータが隣り合うルータからそれぞれの経路選択情報をドメイン内の全てのルータで共通のトポロジーデータベースの一部として受信することから、これらの各経路選択情報を集合化することにより、前記した共通のトポロジーデータベースが作成され、この共通のトポロジーデータベースに基づいて個々のルータに固有のルーティングテーブルが作成される。
【0012】
このようなルータでは、前記した現用系から予備系へのルーティングテーブルの転送に代えて、個々のルーティングテーブルの作成の基になる隣り合うルータからの経路選択情報あるいはそれらの情報の集合体である前記トポロジーデータベースを転写することができる。
【0013】
〈構成2〉
すなわち、本発明は、通信ネットワークの情報伝達経路を選択すべく前記ネットワークに設けられ、相互に隣り合うルータからの経路選択情報に基づいて前記ネットワークのドメイン内で前記情報伝達経路を切り換えるルータであって、対をなして設けられ、それぞれが隣り合う前記ルータから受信した前記経路選択情報を格納するための記憶部、該記憶部に格納された前記経路選択情報から前記ドメイン内の全ルータに共通するトポロジーデータベースを作成しかつ該トポロジーデータベースに基づいて個々のルーティングテーブルを作成する処理部、前記トポロジーデータベースを格納する記憶部および前記ルーティングテーブルに基づいて情報伝達経路を選択する経路選択部を備える2つのルーティング機構と、該両ルーティング機構のいずれか一方を現用系としまた他方を予備系とすべく前記ルーティング機構を切り換える切換機構と、前記一方のルーティング機構の前記記憶部に格納された前記経路選択情報または前記トポロジーデータベースを前記他方のルーティング機構の前記記憶部に転送する転送機構とを含むことを特徴とする。
【0014】
〈作用〉
新たに現用系として動作する前記他方のルーティング機構は、前記切り換え動作後における隣り合うルータからの新たな経路選択情報の受信あるいはこの情報に基づく前記トポロジーデータベースの作成を待つことなく、その前記処理部が前記転送機構により前記一方のルーティング機構から得られた前記経路選択情報または前記トポロジーデータベースにより、前記ルーティングテーブルを作成する。従って、前記他方のルーティング機構はこのルーティングテーブルに基づいて、適正な情報伝達経路を選択することが可能となることから、前記した現用系および予備系の切り換え動作中に、ルーティングテーブルに変更を来さない不都合がネットワークに生じない限り、新たに現用系として機能する前記他方のルーティング機構は、新たなルーティングテーブルの作成を待つことなく、直ちにルーティング機能を発揮することが可能となる。
【0015】
また、前記トポロジーデータベースが取り扱われるダイナミックルータでは、前記切換機構の動作後に現用系として動作する前記ルーティング機構が、前記切り換え動作後に、隣り合う前記ルータから新たな経路選択情報のための検索情報を受けることから、この検索情報と前記トポロジーデータベースとの比較により、前記転写機構により得られた前記切り換え動作時の前記経路選択情報と、前記切り換え動作後に隣り合う前記ルータから得る新たな経路選択情報との間の差分の有無を検出することができ、この差分の検出に基づき、両者の不一致による差分についての経路選択情報を隣り合う前記ルータから得て、この差分情報について、トポロジーデータベースを部分的に書き換えることが可能となる。
【0016】
従って、前記した切り換え動作中に前記ネットワークに前記した不都合がたとえ生じたとしても、前記したとおり、トポロジーデータベースに部分的な修正を施し、この修正されたトポロジーデータベースに基づき、ルーティングテーブルが更新されることから、前記切換機構による切り換え動作毎に、隣り合う前記ルータから新たにトポロジーデータベースを構築するほどに多量の経路選択情報を新たに入手する必要はなく、その結果、更新されたルーティングテーブルを作成するための多量の経路選択情報の交信によるトラフィックの増大が防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態について詳細に説明する。
〈具体例1〉
図1は、本発明に係るダイナミックルータの具体例1の構成を概略的に示すブロック図である。本発明に係る前記ルータの説明に先立って、当該ルータが適用される通信ネットワークを示す図2に沿って、この通信ネットワークを概略的に説明する。
【0018】
本発明に係るダイナミックルータ10(10a、10b、10c、10d)は、通信ネットワーク11の各リンク12(12a〜12i)で規定される通信情報伝達経路12をパケット形式で送られる通信情報のそれぞれの宛先に応じて適正に選択すべく、該リンク間に設けられる。
【0019】
各ダイナミックルータ10は、従来よく知られているように、各リンク12を介して接続された相互に隣り合うダイナミックルータ10との交信により隣り合うダイナミックルータ10からそれぞれの経路選択情報13(13a、13b、13c…)を得る。例えば、ダイナミックルータ10aは、リンク12aを介してダイナミックルータ10bから経路選択情報13aを得る。また、ダイナミックルータ10aは、それぞれリンク12bおよびリンク12cを介してダイナミックルータ10dおよび10cからそれぞれの経路選択情報13bおよび13cを得る。
【0020】
各ルータ10は、それぞれに隣り合う各ルータ10からの前記した経路選択情報13に基づき、各通信情報のそれぞれに応じたルータ10毎に最適な情報伝達経路を選択する。例えば、ダイナミックルータ10aは、これに接続された通信情報伝達経路12a、12bまたは13cのいずれか1つの通信情報伝達経路を入力経路として通信情報を受けると、受信した前記通信情報に最適な出力経路として、前記入力経路を除く他の通信情報伝達経路12a、12bまたは13cのいずれか1つを選択し、設定する。
【0021】
図2に示す通信ネットワーク11は、ドメイン内ネットワークの例であり、各ダイナミックルータ10のルーティングプロトコルとして、前記したIGPsが適用される例を示し、またダイナミックルータ10は、リンクステート型の前記したOSPFと称されるルーティングアルゴリズムが適用される例に沿って、以下に説明する。
【0022】
図1は、各ダイナミックルータ10の代表として、1つのダイナミックルータ10aを示す。各ダイナミックルータ10は、該ルータが接続される各リンク12(図2に示すルータ10aの例では、リンク12a、12bおよび12c)に接続される受信部14と、該受信部に切換機構15を介して選択的に接続される一対のルーティング機構16aおよび16bとを備える。
【0023】
切換機構15は、両ルーティング機構16aおよび16bのいずれかを現用系として動作させるべくその一方のルーティング機構16aまたは16bを受信部14に選択的に接続し、その結果、他方のルーティング機構16bまたは16aが予備系として待機状態におかれる。
【0024】
切換機構15は、従来よく知られているように通信ネットワーク11の管理者からの切り換え信号あるいは各ダイナミックルータ10の内部で生成される切り換え信号により、受信部14に選択的に接続されていた前記一方のルーティング機構16aまたは16bを受信部14から遮断することにより、この一方のルーティング機構16aまたは16bを待機状態にし、これと同時的に、待機状態にあった前記他方のルーティング機構16bまたは16aを選択的に受信部14に接続する。
切換機構15の前記した切り換え作用により、両ルーティング機構16aおよび16bの現用系および予備系が切り換えられる。
【0025】
各ルーティング機構16aおよび16bは、ダイナミックルータ10に接続されたリンク12のいずれか1つの経路(12a、12bまたは12c)を経て受信部14で受信した通信情報を該受信部に接続された経路12(12a、12bおよび12c)の中のいずれか1つに選択的に伝達するための経路選択部17と、該経路選択部に動作指示を与える処理部18と、記憶部19とを備える。
【0026】
各ルーティング機構16aまたは16bの処理部18は、前記した通信情報を受けるに先立ち、その受信部14を経て隣り合う各ダイナミックルータ10からの経路選択情報13(図1に示すダイナミックルータ10aでは、経路選択情報13a、13b、13c)を受信すると、この経路選択情報13を記憶部19の第1領域19aに格納する。
前記したOSPFでは、処理部18は、隣り合う各ルータ10から得られた第1領域19a内の前記経路選択情報13から、前記したドメイン内の全てのダイナミックルータ10に共通するトポロジーデータベース(図3参照)を作成し、このトポロジーデータベースを記憶部19の第2領域19bに格納する。さらに、処理部18は、第2領域19bに格納された前記トポロジーデータベースからそれのぞれのルータに固有のルーティングテーブル(図3参照)を作成し、該ルーティングテーブルを記憶部19の第3領域19cに格納する。
【0027】
従って、現用系として動作するいずれか一方のルーティング機構16aまたは16bの前記処理部18は、従来よく知られているように、隣り合う各ダイナミックルータ10からの経路選択情報13を得ると、この経路選択情報13から、ドメイン内のルータ10に共通する前記トポロジーデータベースを作成し、さらに、この共通のトポロジーデータベースから各ダイナミックルータ10に固有の前記したルーティングテーブルを作成し、該ルーティングテーブルに基づいて、パケット状の前記した通信情報毎に、その宛先等に応じた最適なルーティングを行うべく、経路選択部17に動作命令を送る。
この動作命令を受ける経路選択部17は、前記した通信情報毎の前記動作命令に従って、前記したとおり、ルータ10に接続された例えば通信情報伝達経路12a〜12cの中、入力経路となる1つの例えば通信情報伝達経路12aを除く他の情報伝達経路から最適な例えば情報伝達経路12bを選択する。
【0028】
各ダイナミックルータ10の前記したルーティング機能により、従来におけると同様に、通信ネットワーク11には、前記した通信情報のパケット毎に、最適な通信情報伝達経路12が選択され、設定される。
【0029】
前記ダイナミックルータ10における各ルーティング機構16aおよび16bには、前記した経路選択部17、処理部18および記憶部19が対称的に設けられており、さらに、対をなすルーティング機構16aおよび16bの両処理部18には、両ルーティング機構16aおよび16b間で一方のルーティング機構16aまたは16bの第3領域19cに格納された前記ルーティングテーブルを他方のルーティング機構16aまたは16bの第3領域19cに転写するための転送機構20が設けられている。
【0030】
ダイナミックルータ10が通信ネットワーク11の管理者から前記した切り換え信号を受けると、あるいは現用系として動作するルーティング機構16aまたは16bの処理部18で前記した切り換え信号が生成されると、この切り換え信号に基づいて、ダイナミックルータ10の両転送機構20は、互いに共同して、現用系として動作していた一方のルーティング機構16aまたは16bの第3領域19cに格納されている前記ルーティングテーブルを予備系として待機していた他方のルーティング機構16bまたは16aの第3領域19cに転写すなわちコピーする。
【0031】
前記ダイナミックルータ10の動作手順を図3に示す説明図に沿って、より詳細に説明する。図3では、一方のルーティング機構16aが現用系として動作しており、他方のルーティング機構16bが予備系として待機状態にある状態が示されている。
現用系のルーティング機構16aは、隣り合うダイナミックルータ10から対応する通信情報伝達経路12すなわちリンク12を経て経路選択情報13をその受信部14で受信すると、各経路選択情報13を記憶部19の第1領域19aに格納する。
【0032】
各経路選択情報13は、それぞれのルータ10のノード識別子となるIPアドレスを含み、前記したOSPFでは、さらにそれぞれのルータに接続されたリンク情報を含む。また前記OSPFでは、第1領域19aの各経路選択情報13がそれぞれの処理部18で集合化されることにより、前記した共通トポロジーデータベース21が形成され、第2領域19bに格納された前記トポロジーデータベース21に基づいて、各ダイナミックルータ10に固有のルーティングテーブル22が作成され、このルーティングテーブル22が第3領域19cに格納されている。
【0033】
従って、各ダイナミックルータ10によれば、従来よく知られているように、現用系として機能するルーティング機構16aが正常に動作する限り、そのルーティング機能により、それぞれに固有のルーティングテーブル22に従って、パケット形式の通信情報のそれぞれの宛先および各ルータ10に接続された各リンク12のトラフィックに応じて、最適な経路の選択および設定が行われる。
【0034】
現用系として動作する前記ルーティング機構16aの異常が、前記管理者により検知されあるいは自己の処理部18により検知されると、前記した切り換え信号に基づき、切換機構15が両ルーティング機構16aおよび16bについて現用系と予備系とを相互に切り換える。この切換機構15の動作により、現用系として動作していたルーティング機構16aが予備系に、また予備系として待機状態に在ったルーティング機構16bが現用系に切り換えられる。
また、前記した切り換え信号により、前記したとおり、現用系(ACT)として動作していたルーティング機構16aおよび予備系(SBY)として待機していたルーティング機構16bの両転送機構20の転送機能により、現用系として動作していたルーティング機構16aの第3領域19cに格納されていた前記ルーティングテーブル22が新たに現用系として動作するルーティング機構16bの第3領域19cに転送される。
【0035】
従って、新たな現用系ルーティング機構16bは、記憶部19の第3領域19cに、前記ルーティングテーブル22の転送を受ける新たな現用系ルーティング機構16bは、転送を受けた前記ルーティングテーブル22に基づいて、前記したルーティング機能を発揮する。
【0036】
その結果、前記ダイナミックルータ10によれば、前記した現用系および予備系の切り換え動作時に、前記通信ネットワーク11のダイナミックルータ10に故障が生じ、またはそのリンク12に切断等の異常が生じる等、前記ルーティングテーブル22に変更を招く不都合が生じない限り、新たな現用系ルーティング機構16bにより隣り合う各ダイナミックルータ10からの経路選択情報13に基づき新たにトポロジーデータベース21を作成することなくかつこのトポロジーデータベース21から新たにルーティングテーブル22を作成することなく、従って、新たなルーティングテーブル22の作成のためにルーティング機能を中断することなく、記憶部19の第3領域19cに転写された前記ルーティングテーブル22に基づいて、前記したルーティング機能を実現することができる。
【0037】
図1に示した例では、受信部14が両ルーティング機構16aおよび16bで共用されているが、受信部14を共用することなく、この受信部を両ルーティング機構16aおよび16bのそれぞれに設けることができる。
現用系および予備系間におけるルーティングテーブル22の転写は、現用系および予備系の切り換え時に拘わらず、例えば通信ネットワーク11の構成に変更が生じる毎に行うことができる。
しかしながら、前記したとおり、現用系および予備系の切り換え時にルーティングテーブル22の転写を行うことが、無駄な転写動作を防止しかつ切り換え動作に新たに現用系として動作するルーティング機構に、最新のルーティングテーブル22を作成することができる点で、好ましい。
【0038】
また、図1に示した例では、ダイナミックルータ10が共用のトポロジーデータベース21からそれぞれのダイナミックルータ10に固有のルーティングテーブル22が形成されるOSPFプロトコルの例について説明したが、具体例1に示したダイナミックルータは、トポロジーデータベースを用いない例えばRIP(Routing Information Protocol)のような他のIGSあるいはドメイン間プロトコルであるEGPsの各プロトコルに従うルータに適用することができる。
【0039】
〈具体例2〉
前記したOSPFプロトコルでは、隣り合う各ダイナミックルータ10からの経路選択情報13から共通のトポロジーデータベース21が形成され、このトポロジーデータベース21から各ルータに固有のルーティングテーブル22が形成される。
この共通のトポロジーデータベース21あるいはその基になる前記経路選択情報13を現用系から予備系に転写することができる。
【0040】
図4は、具体例1に示したと同様なOSPFプロトコルに従うダイナミックルータ10の動作を示す。
図4に示すダイナミックルータ10では、これに隣り合うルータ10から得られ、現用系として動作するルーティング機構16aの第1領域19aに格納された経路選択情報13が、前記したと同様な両ルーティング機構16aおよび16bの処理部18の転送機構20により、予備系として待機するルーティング機構16bの第1領域19aに転写される。
この転写時期は、具体例1におけると同様に、現用系および予備系の切り換え動作時とすることが望ましい。
【0041】
予備系として待機状態にあったルーティング機構16bは、その記憶部19の第1領域19aに経路選択情報13の転写を受けると、処理部18により、経路選択情報13から共通トポロジーデータベース21を作成し、該トポロジーデータベースを第2領域19bに格納する。また、前記処理部18は、第2領域19bに格納されたトポロジーデータベース21から前記ルーティングテーブル22を作成し、該ルーティングテーブルを記憶部19の第3領域19cに格納する。
【0042】
前記したOSPFプロトコルでは、前記した予備系および現用系の切り換え動作が生じると、その直後に隣り合うルータ10から経路選択情報についての検索情報を受ける。
新たに現用系として動作するルーティング機構16bがこの検索情報を受けると、その処理部18は、当該検索情報とトポロジーデータベース21とを比較することにより、両者間に不一致があるか否かを検出する。
【0043】
前記した現用系および予備系の切り換え動作中に、通信ネットワーク11の構成に変更を含む前記したような不都合が生じていない限り、両者に不一致が生じることはなく、この場合、待機状態から新たに現用系に切り換えられたルーティング機構16bは、その第3領域19cに格納されたルーティングテーブル22に従って、適正なルーティングを開始する。
【0044】
他方、処理部18が不一致が検出すると、不一致を示す検索情報に対応した経路選択情報13を対応するルータ10に要求する。この要求に応じて、変更が生じた所定の経路選択情報13が受信部14に受信されると、処理部18は、変更が生じた選択情報13すなわち差分について、第2領域19bに格納されたトポロジーデータベース21を書き換える。
その後、処理部18により、差分を修正されたトポロジーデータベース21に基づき、第3領域19c内のルーティングテーブル22が修正され、この修正を受けたルーティングテーブル22を基に、適正なルーティングが行われる。
【0045】
このことから、具体例2に示した例によれば、前記したルーティング機構16aおよび16bの現用系および予備系の切り換え動作中に、たとえ通信ネットワーク11に前記した不具合が発生したとしても、前記した差分の書換により、最新のルーティングテーブル22の作成の基になる前記トポロジーデータベース21は、その全てについて作成し直されることはなく、部分的な変更を受けるのみであることから、前記切り換え動作毎に隣り合うルータから新たにトポロジーデータベース21を構築するために隣り合う全てのダイナミックルータ10から多量の経路選択情報13を入手することなく、前記トポロジーデータベースの変更に必要かつ最小限の差分についての経路選択情報13により、最新のルーティングテーブル22を作成することができる。
【0046】
従って、前記した切り換え動作中に前記ネットワークに前記した不都合がたとえ生じたとしても、前記したとおり、トポロジーデータベースは、部分的な修正を受け、この修正されたトポロジーデータベースに基づき、ルーティングテーブルが更新されることから、前記切換機構による切り換え動作毎に、隣り合う前記ルータから新たにトポロジーデータベースを構築するほどに多量の経路選択情報を新たに入手する必要はなく、その結果、更新されたルーティングテーブルを作成するための多量の経路選択情報の交信によるトラフィックの増大が防止される。
【0047】
例えば、100台のダイナミックルータ10が設けられる通信ネットワーク11の規模では、全てのダイナミックルータ10のトポロジーデータベース21を新たに作成する場合と、その必要がない場合とで、このトポロジーデータベース21の作成のために必要な通信ネットワーク11の全体のトラフィック量は1.4Mバイトとなることから、この分のトラフィックの低減が可能となる。
【0048】
図4に沿って説明したところでは、現用系から予備系に経路選択情報13を転写する例について説明したが、経路選択情報13を転写することに代えて、トポロジーデータベース21を転写することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、前記したように、予備系から現用系に切り換えられるルーティング機構が、該ルーティング機構に転送されたルーティングテーブルに基づいて、適正に情報伝達経路を選択することから、隣り合うルータからの新たな経路選択情報の受信およびこれに基づく新たなルーティングテーブルの作成を待つことなく、直ちにルーティング機能を発揮することが可能となり、これにより、現用系に切り換えられたルーティング機構での新たなルーティングテーブルの作成のためにルーティング機能の中断を招くことなく、適正な経路の選択および設定が可能となる。
【0050】
さらに、本発明によれば、前記したように、前記した予備系から現用系への切り換え動作中に前記ネットワークにたとえ不都合が生じたとしても、それによって生じる差分についての経路選択情報を隣り合うルータから入手し、この差分に基づいて修正されたトポロジーデータベースに基づき、更新されたルーティングテーブルが作成されることから、前記切換機構による予備系から現用系への切り換え動作毎に、隣り合う前記ルータから新たにトポロジーデータベースを構築するほどに多量の経路選択情報を新たに入手する必要はなく、前記した予備系から現用系への切り換え動作時に生じるネットワーク上での前記経路選択情報によるトラフィックの増大を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るルータの具体例1を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明に係るルータが設けられるネットワークを示す結線図である。
【図3】図1に示した本発明に係るルータの動作手順を示す説明図である。
【図4】本発明に係るルータの具体例2についての図3と同様な説明図である。
【符号の説明】
10(10a、10b…) ダイナミックルータ
11 通信ネットワーク
12(12a、12b…) (リンク)通信情報伝達経路
13(13a、13b…) 経路選択情報
15 切換機構
16(16aおよび16b) ルーティング機構
17 経路選択部
18 処理部
19 (19a、19bおよび19c) 記憶部
20 転送機構
21 トポロジーデータベース
22 ルーティングテーブル
Claims (6)
- 通信ネットワークの情報伝達経路を選択すべく前記ネットワークに設けられ、相互に隣り合うルータからの経路選択情報に基づいて前記情報伝達経路を選択するルータであって、
対をなして設けられ、それぞれが、隣り合う前記ルータから受信した前記経路選択情報を用いてルーティングテーブルを作成する処理部および前記ルーティングテーブルを格納する記憶部を備え該記憶部に格納された前記テーブルに基づいて伝達経路を選択する2つのルーティング機構と、
該両ルーティング機構のいずれか一方を現用系としまた他方を予備系とすべく前記ルーティング機構を切り換える切換機構と、
前記一方のルーティング機構の前記記憶部に格納された前記テーブルを前記他方のルーティング機構の前記記憶部に転送する転送機構とを含むルータ。 - 前記転送機構は、前記切換機構の動作時に前記テーブルを前記他方のルーティング機構に転送する請求項1記載のルータ。
- 通信ネットワークの情報伝達経路を選択すべく前記ネットワークに設けられ、相互に隣り合うルータからの経路選択情報に基づいて前記ネットワークのドメイン内で前記情報伝達経路を切り換えるルータであって、
対をなして設けられ、それぞれが隣り合う前記ルータから受信した前記経路選択情報を格納するための記憶部、該記憶部に格納された前記経路選択情報から前記ドメイン内の全ルータに共通するトポロジーデータベースを作成しかつ該トポロジーデータベースに基づいて個々のルーティングテーブルを作成する処理部、前記トポロジーデータベースを格納する記憶部および前記ルーティングテーブルに基づいて情報伝達経路を選択する経路選択部を備える2つのルーティング機構と、
該両ルーティング機構のいずれか一方を現用系としまた他方を予備系とすべく前記ルーティング機構を切り換える切換機構と、
前記一方のルーティング機構の前記記憶部に格納された前記経路選択情報または前記トポロジーデータベースを前記他方のルーティング機構の前記記憶部に転送する転送機構とを含むルータ。 - 前記転送機構は、前記切換機構の動作時に前記一方のルーティング機構の前記記憶部に格納された前記選択情報または前記トポロジーデータベースを前記他方のルーティング機構に転送する請求項3記載のルータ。
- 前記切換機構の動作後に現用系として動作する前記ルーティング機構は、前記トポロジーデータベースの情報のうち、前記転写機構により得られた前記切り換え動作時の前記経路選択情報と、前記切り換え動作後に新たに隣り合う前記ルータから得る前記経路選択情報との間の相互の不一致による差分の情報を書き換えることを特徴とする請求項3記載のルータ。
- 前記差分の検出は、前記切り換え動作後に新たに隣り合う前記ルータから得た前記経路選択情報についての検索情報と、前記トポロジーデータベースとの比較により行われる請求項5記載のルータ。
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