JP3597974B2 - 化学吸着膜およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学吸着膜およびその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、被膜を構成する分子が所望の傾きを有し且つ特定の方向に向きを揃えて基板表面に一端で結合固定されている化学吸着膜とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、単分子膜状の化学吸着膜またはポリマー膜状の化学吸着膜およびその製法には、記録層の上に、炭素を主成分とし結合用原子を含む単分子膜よりなる保護膜を形成し、記録層の上の酸素原子と保護膜の結合原子を化学結合させることにより、信頼性の高い媒体を得る方法が提案され(特開平01−70917号公報)、また基材表面に基材表面と−SiO−を含む共有結合によって吸着膜を形成し、その上にフッ素系ポリマー膜をSiO−結合を含む共有結合によって積層することにより、きわめて薄い膜で均一厚さに、かつ高濃度でピンホール無く形成する方法が提案されている(特開平05−31441号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来例では、膜を構成する分子が所望の傾きを有し且つ特定の方向に向きを揃えて基板表面に一端で結合固定されている化学吸着膜または化学吸着単分子膜及びそれらの製造方法は未だ実現できていない。
【0004】
もし、膜を構成する分子が所望の傾きを有し且つ特定の方向に向きを揃えて基板表面に一端で結合固定されている被膜を提供できれば、さらに、分子素子や偏光板や液晶の配向膜等への応用が展開できる。
【0005】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、被膜を構成する分子が特定の方向に向きを揃えて基板表面に一端で結合固定されている密着強度が格段に優れた被膜をきわめて効率よく提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の化学吸着膜は、基板表面に形成された被膜であり、前記被膜を構成する分子が所望の傾きを有し、且つ特定の方向に向きを揃えて基板表面に一端で結合固定されており、前記被膜は、炭素鎖を含みかつ前記炭素鎖の一部の炭素は光学活性を有し、前記結合固定した後、所望の方向に基板を立てて液切りを行い前記被膜を構成する分子の向きを特定の方向に揃えるか、又は偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光して前記被膜を構成する分子の向きを特定の方向に揃えたことを特徴とする。
【0007】
前記化学吸着膜においては、被膜を構成する分子が炭素鎖またはシロキサン結合鎖を含んでいることが好ましい。
【0008】
また前記化学吸着膜においては、被膜を構成する分子の末端にSiを含んでいることが好ましい。
また前記化学吸着膜においては、被膜が単分子膜状であることが好ましい。
【0009】
次に本発明の化学吸着膜の第1番目の製造方法は、基板を化学吸着液に接触させ前記吸着液中の炭素鎖を含みかつ前記炭素鎖の一部の炭素は光学活性を有する界面活性剤分子と基材表面とを化学反応させ前記界面活性剤分子を基板表面に一端で結合固定する工程と、有機溶剤で洗浄後、偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光して前記界面活性剤分子の向きを特定の方向に揃える工程を含む。
【0010】
次に本発明の化学吸着膜の第2番目の製造方法は、基板を化学吸着液に接触させ前記吸着液中の炭素鎖を含みかつ前記炭素鎖の一部の炭素は光学活性を有する界面活性剤分子と基材表面とを化学反応させ前記界面活性剤分子を基板表面に一端で結合固定する工程と、有機溶剤で洗浄後、さらに所望の方向に基板を立てて液切りを行い、前記界面活性剤分子の向きを所望の傾きを有した状態で特定の方向に揃える工程を含む。
【0011】
尚、前記第2番目の方法においては、液切り工程後、さらに偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光する工程を行なうことが好ましい。
前記第1〜2番目の方法においては、界面活性剤として、直鎖状炭化水素基またはシロキサン結合鎖と、クロロシリル基、アルコキシシリル基及びイソシアネートシリル基から選ばれる少なくとも一つの活性基を含むシラン系の界面活性剤を用いることが好ましい。
【0012】
また前記第1〜2番目の方法においては、直鎖状炭化水素基またはシロキサン結合鎖と、クロロシリル基、アルコキシシリル基及びイソシアネートシリル基から選ばれる少なくとも一つの活性基を含むシラン系の界面活性剤として、分子長の異なる複数種のシラン系界面活性剤を混合して用いたことが好ましい。
【0013】
前記第1〜2番目の方法においては、炭化水素基の末端に、ハロゲン原子またはメチル基、フェニル基(−C6H5)、シアノ基(−CN)、及びふっ化炭素基(−CF3)から選ばれる少なくとも一つの基を含んでいることが好ましい。
【0014】
また前記第1〜2番目の方法においては、露光に用いる光として436nm、405nm、365nm、254nm及び248nmから選ばれる少なくとも一つの波長の光を用いることが好ましい。
【0015】
また前記第1〜2番目の方法においては、界面活性剤として直鎖状炭化水素基またはシロキサン結合鎖と、クロロシリル基またはイソシアネートシリル基を含むシラン系の界面活性剤を用い、洗浄有機溶媒として水を含まない非水系の有機溶媒を用いたことが好ましい。
【0016】
また前記第1〜2番目の方法においては、非水系の有機溶媒として、アルキル基、ふっ化炭素基、塩化炭素基及びシロキサン基を含む溶媒から選ばれる少なくとも一つの溶媒を用いたことが好ましい。
【0017】
前記したとおり、本発明は、基板表面に形成された被膜であり、前記被膜を構成する分子が所望の傾きを有し且つ特定の方向に向きを揃えて基板表面に一端で結合固定されていることを特徴とした化学吸着膜を提供するものである。このとき、被膜を構成する分子が炭素鎖またはシロキサン結合鎖を含んでいると配向性を確保する上で都合がよい。また、炭素鎖の一部の炭素が光学活性を有すると配向性を向上する上で好都合である。さらに、被膜を構成する分子の末端にSiを含んでいると基板への結合力を向上できる。さらにまた、被膜が単分子膜状であると分子の並びが良くなる。
【0018】
上述のような被膜の製造方法には、基板を化学吸着液に接触させ前記吸着液中の界面活性剤分子と基材表面とを化学反応させ前記界面活性剤分子を基板表面に一端で結合固定する工程と、有機溶剤で洗浄後偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光して前記界面活性剤分子の向きを特定の方向に揃える工程を用いると結合固定された分子の配向性が優れた化学吸着膜を製造できる。また、基板を化学吸着液に接触させ前記吸着液中の界面活性剤分子と基材表面とを化学反応させ前記界面活性剤分子を基板表面に一端で結合固定する工程と、有機溶剤で洗浄後さらに所望の方向に基板を立てて液切りを行い液切り方向に前記固定された分子を配向させる工程と、さらに偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光して前記界面活性剤分子の向きを所望の傾きを有した状態で特定の方向に揃える工程を用いると、配向性が特に優れた単分子膜状の化学吸着膜を製造できる。このとき、界面活性剤として直鎖状炭化水素基またはシロキサン結合鎖とクロロシリル基、またはアルコキシシリル基またはイソシアネートシリル基を含むシラン系の界面活性剤を用いると配向性を確保する上で都合がよい。また、直鎖状炭化水素基またはシロキサン結合鎖とクロロシリル基、またはアルコキシシリル基またはイソシアネートシリル基を含むシラン系の界面活性剤として分子長の異なる複数種のシラン系界面活性剤を混合して用いると、より好都合である。さらに、炭化水素基の一部の炭素が光学活性を有しておれば、吸着分子の配向をきわめて効率よくおこなえる。また,炭化水素基の末端にハロゲン原子またはメチル基、フェニル基(−C6H5)、シアノ基(−CN)、またはふっ化炭素基(−CF3)を含んでいると吸着膜の表面エネルギーを制御するする上で好都合である。さらに、露光に用いる光として436nm、405nm、365nm、254nmまたは248nmの光を用いると配向操作が容易になる。また、界面活性剤として直鎖状炭化水素基またはシロキサン結合鎖とクロロシリル基またはイソシアネートシリル基を含むシラン系の界面活性剤を用い、洗浄有機溶媒として水を含まない非水系の有機溶媒を用いると品質の優れた単分子膜状の化学吸着膜を製造できる。なおこのとき、直鎖状炭化水素基またはシロキサン結合鎖にそれぞれビニル基(>C=C<)やアセチレン結合基(炭素−炭素の三重結合基)等の感光性反応基を組み込み、光配向時に前記感光性基を光反応させ架橋または重合させると、得られる単分子膜の耐熱性を向上できる。また、非水系の有機溶媒として、アルキル基、ふっ化炭素基または塩化炭素基またはシロキサン基を含む溶媒を用いると脱水が容易なため、得られる単分子膜の品質を向上できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態では、少なくとも基板を化学吸着液に接触させ前記吸着液中の界面活性剤分子と基材表面とを化学反応させ前記界面活性剤分子を基板表面に一端で結合固定する工程と、有機溶剤で洗浄後偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光して前記界面活性剤分子の向きを特定の方向に揃える工程とで化学吸着膜を製造する。
【0020】
また、少なくとも基板を化学吸着液に接触させ前記吸着液中の界面活性剤分子と基材表面とを化学反応させ前記界面活性剤分子を基板表面に一端で結合固定する工程と、有機溶剤中に浸漬洗浄後さらに任意の方向に引き上げて引き上げ方向に前記固定された分子を配向させる工程と、さらに偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光して前記界面活性剤分子の向きを所望の傾きを有した状態で特定の方向に揃える工程とで単分子膜状の化学吸着膜を製造する。
【0021】
【実施例】
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
あらかじめ洗浄脱脂した表面が親水性の基板、例えばガラス基板1(表面に水酸基を多数含む)を準備した。次に、炭素鎖として直鎖状炭化水素基及びSiを含むシラン系界面活性剤(以下、化学吸着化合物という)として、CN(CH2)1 4SiCl3 とCH3SiCl3 (モル比で1:5に混合して用いた)を用い、1重量%の濃度で非水系の溶媒に溶かして化学吸着溶液を調整した。非水系溶媒としては、n−ヘキサデカン溶液を用いた。このようにして調製された溶液を吸着溶液2とし、この吸着溶液2の中に、乾燥雰囲気中(相対湿度30%以下)で前記基板1を50分間程度浸漬した(図1)。その後、液から引き上げて、フッ素系の非水系溶媒3(例えばフロン113)で洗浄した後、基板を所望の方向に立てた状態で洗浄液より引き上げて洗浄液を切り水分を含む空気中に暴露した(図2)。矢印5がガラス基板の引き上げ方向である。前記の一連の工程で、前記クロロシラン系界面活性剤の
【0022】
【化1】
【0023】
と前記基板表面の水酸基とで脱塩酸反応が生じ、下記式(化2および3)の結合が生成された。さらに、空気中の水分と反応して式(化4及び5)の結合が生成された。
【0024】
【化2】
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
以上の処理により、前記クロロシラン系界面活性剤が反応してなる化学吸着単分子膜4(1次配向された化学吸着単分子膜)が基板表面の水酸基が含まれていた部分にシロキサンの共有結合を介して化学結合した状態で約1.5nmの膜厚で単分子膜状に形成された。なお、このとき化学吸着膜中のCN(CH2)14Si−の直鎖状炭素鎖は、チルト角:約60゜で、洗浄液から引き上げた方向(矢印5)と反対の方向(すなわち、洗浄液の液切り方向)にほぼ配向していた(図3)。すなわち吸着固定された分子の向きが概ね一次配向していた。ここで、チルト角の制御は、CN(CH2)14SiCl3とCH3SiCl3の組成を1:0〜0:1(好ましくは10:1〜1:50)で変えることにより0゜から90゜の範囲で任意に制御できた。このとき、膜を選択的に形成したい場合には、あらかじめ基板表面をレジストで選択的に覆って置いた後、化学吸着工程を行ってからレジストを除けばよい。なお、化学吸着膜は、有機溶媒では剥がれることがないので、有機溶媒で溶解除去できるレジストを使用する必要がある。
【0029】
次に、この状態の基板を用い、引き上げ方向とほぼ直交する方向に偏光方向が向くように偏光板6を基板に重ねて、365nmの光7を100mJ/cm2 照射した(図4)。なお、このとき実際には完全に90゜交差させると吸着分子が2方向に向いてしまうので、90゜の方向より少なくとも数度はずらさなくてはならない。最大、液切り方向と平行になるように偏光方向を合わせても良い。図4において矢印9は偏光方向である。
【0030】
その後、前記化学吸着単分子膜4´ 中の直鎖状炭素鎖の配向方向を調べるとチルト角は変わらなかったが配向方向8は引き上げ方向とほぼ直行する方向、すなわち、照射光の偏光方向(矢印9)と平行に変化し、しかも配向ばらつきも改善されていた(図5、図6)。
【0031】
ここで、選択的に配向方向(矢印9)を変えたい場合には、所望のマスクを偏光板に重ねて露光する工程を複数回行うことできわめて容易にパターン状に配向方向の異なる化学吸着単分子膜を作製できた。
【0032】
本実施例では、洗浄用の水を含まない溶媒として、ふっ化炭素基を含むフッ素系の非水系溶媒としてフロン113を用いたが、これ以外にも、アルキル基、塩化炭素基またはシロキサン基を含む溶媒、例えば、ノルマルヘキサン、クロロホルムやヘキサメチルジシロキサン等をそれぞれ用いることができた。
【0033】
(実施例2)
あらかじめ洗浄脱脂した表面が親水性の基板、例えば酸化膜の形成されたシリコン基板(表面に水酸基を多数含む)を準備する。次に、炭素鎖として直鎖状炭化水素基及びSiを含むシラン系界面活性剤(以下、化学吸着化合物という)として、Br(CH2)16SiCl3 とC2H5SiCl3(モル比で1:2に混合して用いた)を用い、1重量%程度の濃度で非水系の溶媒に溶かして化学吸着溶液を調整した。非水系溶媒としては、KF96L(信越化学製、シリコーン系溶媒)溶液を用いた。このようにして調製された溶液を吸着溶液とし、この吸着溶液の中に、乾燥雰囲気中(相対湿度30%以下)で前記基板を1時間浸漬した。その後、液から引き上げて水分を含む空気中に暴露した。前述の一連の工程で、前記界面活性剤分子の
【0034】
【化6】
【0035】
と前記基板表面の水酸基とで脱塩酸反応が生じ、前記界面活性剤分子が反応してなる化学吸着ポリマー膜が基板表面の水酸基が含まれていた部分にシロキサンの共有結合を介して化学結合した状態で約5nmの膜厚で形成された。なお、この場合には、洗浄工程が省かれていたため直鎖状炭素鎖のチルト角および配向方向はバラバラであった。
【0036】
次に、この状態の基板を用い、所望の方向に偏光方向が向くように偏光板を基板に重ねて、KrFエキシマレーザーを用いて248nmの光を150mJ/cm2 照射した。その後、前記直鎖状炭素鎖の配向方向を調べるとチルト角はバラバラであったが配向方向は偏光方向と平行に変化し、しかも配向ばらつきも改善されていた。なお、この場合の配向度合は、実施例1に比べて悪かった。
【0037】
なお、上記2つの実施例では、露光に用いる光として超高圧水銀灯のi線である365nmの光及びKrFエキシマレーザーで得られる248nmの光を用いたが、膜物質に吸収される光であれば何でも良いが、436nm、405nm、254nmの光を用いると実用的である。特に、248nm及び254nmの光は大部分の物質に吸収され易いため配向効率が高い。
【0038】
また、直鎖状炭化水素基またはシロキサン結合鎖とクロロシリル基、またはアルコキシシリル基またはイソシアネートシリル基を含むシラン系の界面活性剤として、分子端にシアノ基あるいはハロゲン原子である臭素と他の一端にクロロシリル基を含んだクロロシラン系界面活性剤とメチル基とクロロシリル基を含んだクロロシラン系界面活性剤を混合して用いた、すなわち分子長の異なる複数種のクロロシラン系界面活性剤を混合して用いた例を示したが、本願発明ではこれらに限定されるものではなく、以下に示したような炭化水素基の末端にハロゲン原子またはメチル基、フェニル基(−C6H5)、シアノ基(−CN)、またはふっ化炭素基(−CF3)を含んでいるクロロシラン系界面活性剤や、分子内の炭化水素基の一部の炭素が光学活性を有するクロロシラン系界面活性剤(特にこの場合には効率よく配向できた)が使用できた。
【0039】
なお、Ha(CH2)nSiCl3 (Haは塩素、臭素、ヨウ素、ふっ素等のハロゲン原子を表し、nは整数で1〜24が好ましい。)で示されるクロロシラン系界面活性剤も使用できる。さらに下記の化合物も使用できる。
(1)CH3(CH2)nSiCl3 (nは整数で0〜24が好ましい。)
(2)CH3(CH2)pSi(CH3)2(CH2)qSiCl3(p,qは整数で0〜10が好ましい。)
(3)CH3COO(CH2)mSiCl3(mは整数で7〜24が好ましい。)
(4)C6H5(CH2)nSiCl3(nは整数で0〜24が好ましい。)
(5)CN(CH2)nSiCl3(nは整数で0〜24が好ましい。)
(6)Cl3Si(CH2)nSiCl3(nは整数で3〜24が好ましい。)
(7)Cl3Si(CH2)2(CF2)n(CH2)2SiCl3(nは整数で1〜10が好ましい。)
(8)Br(CH2)8SiCl3
(9)CH3(CH2)17SiCl3
(10)CH3(CH2)5Si(CH3)2(CH2)8SiCl3
(11)CH3COO(CH2)14SiCl3
(12)C6H5(CH2)8SiCl3
(13)CN(CH2)14SiCl3
(14)Cl3Si(CH2)8SiCl3
(15)Cl3Si(CH2)2(CF2)4(CH2)2SiCl3
(16)Cl3Si(CH2)2(CF2)6(CH2)2SiCl3
(17)CF3CF3(CF2)7(CH2)2SiCl3
(18)CF3CF3CH2O(CH2)15Si(CH3)2Cl
(19)CF3CF3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15SiCl3
(20)F(CCF3(CF2)4(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3
(21)F(CF2)8(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3
(22)CF3COO(CH2)15SiCH3Cl2
(23)CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3
(24)CH3CH2CHC*H3CH2OCO(CH2)10SiCl3
(25)CH3CH2CHC*H3CH2OCOC6H4OCOC6H4O(CH2)5SiCl3
前記化学式において、C*は光学活性の炭素を示す。
【0040】
また、シロキサン結合鎖とクロロシリル基、またはアルコキシシリル基またはイソシアネートシリル基を含む以下のものが使用できた。(この場合も、高度に配向した膜が得られた。)
(26)ClSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2Cl
(27)Cl3SiOSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSiCl3
さらにクロロシラン系界面活性剤以外に、以下に示したようなアルコキシシリル基またはイソシアネートシリル基を含むシラン系の界面活性剤が使用できた。
(28)Ha(CH2)nSi(OCH3)3(Haは塩素、臭素、ヨウ素、ふっ素等のハロゲン原子を表し、nは整数で1〜24が好ましい。)
(29)CH3(CH2)nSi(NCO)3(nは整数で0〜24が好ましい。)
(30)CH3(CH2)pSi(CH3)2(CH2)qSi(OCH3)3(p,qは整数で0〜10が好ましい。)
(31)HOOC(CH2)mSi(OCH3)3(mは整数で7〜24が好ましい。)
(32)H2N(CH2)mSi(OCH3)3(mは整数で7〜24が好ましい。)
(33)C6H5(CH2)nSi(NCO)3(nは整数で0〜24が好ましい。)
(34)CN(CH2)nSi(OC2H5)3(nは整数で0〜24が好ましい。)
【0041】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、基板表面に化学吸着膜を作製する工程と、偏光板を介して露光する工程を組み合わせることにより、被膜を構成する分子が特定の方向に向きを揃えて基板表面に一端で結合固定されている密着強度が格段に優れた被膜をきわめて効率よく提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における化学吸着単分子膜作製の化学吸着工程を説明するための断面概念図。
【図2】同、化学吸着単分子膜作製の洗浄工程を説明するための断面概念図。
【図3】同、溶媒洗浄後の化学吸着単分子膜の分子配向状態を説明するために断面を分子レベルまで拡大した概念図。
【図4】同、光露光により吸着された分子を再配向させるために用いた露光工程の概念図。
【図5】同、光配向後の化学吸着単分子膜の分子配向状態を説明するための概念図。
【図6】同、光配向後の化学吸着単分子膜の分子配向状態を説明するために断面を分子レベルまで拡大した概念図。
【符号の説明】
1 基板
2 化学吸着液
3 洗浄用非水系溶媒
4 1次配向された化学吸着単分子膜
4´ 再配向された化学吸着単分子膜
5 洗浄液からの引き上げ方向
6 偏光膜
7 照射光
8 再配向方向
9 偏光方向
Claims (13)
- 基板表面に形成された被膜であり、前記被膜を構成する分子が所望の傾きを有し、且つ特定の方向に向きを揃えて基板表面に一端で結合固定されており、
前記被膜は、炭素鎖を含みかつ前記炭素鎖の一部の炭素は光学活性を有し、
前記結合固定した後、所望の方向に基板を立てて液切りを行い前記被膜を構成する分子の向きを特定の方向に揃えるか、又は偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光して前記被膜を構成する分子の向きを特定の方向に揃えたことを特徴とした化学吸着膜。 - 前記被膜を構成する分子が炭素鎖またはシロキサン結合鎖を含んでいる請求項1に記載の化学吸着膜。
- 前記被膜を構成する分子の末端にSiを含んでいる請求項1又は2に記載の化学吸着膜。
- 前記被膜が単分子膜状である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学吸着膜。
- 基板を化学吸着液に接触させ前記吸着液中の炭素鎖を含みかつ前記炭素鎖の一部の炭素は光学活性を有する界面活性剤分子と基材表面とを化学反応させ前記界面活性剤分子を基板表面に一端で結合固定する工程と、
有機溶剤で洗浄後、
偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光して前記界面活性剤分子の向きを特定の方向に揃える工程を含む化学吸着膜の製造方法。 - 基板を化学吸着液に接触させ前記吸着液中の炭素鎖を含みかつ前記炭素鎖の一部の炭素は光学活性を有する界面活性剤分子と基材表面とを化学反応させ前記界面活性剤分子を基板表面に一端で結合固定する工程と、
有機溶剤で洗浄後、
所望の方向に基板を立てて液切りを行い、前記界面活性剤分子の向きを所望の傾きを有した状態で特定の方向に揃える工程を含む単分子膜状の化学吸着膜の製造方法。 - 前記液切り工程後、さらに偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光する工程を行なうことを特徴とする請求項6に記載の単分子膜状の化学吸着膜の製造方法。
- 前記界面活性剤として、直鎖状炭化水素基またはシロキサン結合鎖と、クロロシリル基、アルコキシシリル基及びイソシアネートシリル基から選ばれる少なくとも一つの活性基を含むシラン系の界面活性剤を用いる請求項5〜7のいずれか1項に記載の化学吸着膜の製造方法。
- 前記直鎖状炭化水素基またはシロキサン結合鎖と、クロロシリル基、アルコキシシリル基及びイソシアネートシリル基から選ばれる少なくとも一つの活性基を含むシラン系の界面活性剤として、分子長の異なる複数種のシラン系界面活性剤を混合して用いた請求項8に記載の化学吸着膜の製造方法。
- 前記炭化水素基の末端に、ハロゲン原子またはメチル基、フェニル基(−C6H5)、シアノ基(−CN)、及びふっ化炭素基(−CF3)から選ばれる少なくとも一つの基を含んでいる請求項5又は6に記載の化学吸着膜の製造方法。
- 前記露光に用いる光として436nm、405nm、365nm、254nm及び248nmから選ばれる少なくとも一つの波長の光を用いる請求項5又は7に記載の化学吸着膜の製造方法。
- 前記界面活性剤として直鎖状炭化水素基またはシロキサン結合鎖と、クロロシリル基またはイソシアネートシリル基を含むシラン系の界面活性剤を用い、洗浄有機溶媒として水を含まない非水系の有機溶媒を用いた請求項5又は6に記載の化学吸着膜の製造方法。
- 前記非水系の有機溶媒として、アルキル基、ふっ化炭素基、塩化炭素基及びシロキサン基のいずれかを含む溶媒を用いた請求項12に記載の化学吸着膜の製造方法。
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