JP3597765B2 - 通信網の品質制御管理システム - Google Patents
通信網の品質制御管理システムInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばインターネットプロトコル(以下、IPと称する)を通信プロトコルとして用いる通信網において高品質な通信を提供するための通信網の品質制御管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術に基づく品質制御管理システムは、例えば図2に示すように、音声パケット処理装置121,122と、音声通信マネージャ111,112、パケット交換装置131,132,141,142とから構成されている。
【0003】
音声パケット処理装置121,122は音声信号のパケット化処理を行い、音声通信マネージャ111,112は、ユーザ情報の管理と、1つ或いは複数の音声パケット処理装置の管理、音声通信を行うために音声パケット処理装置との間で実施する呼制御、ユーザ端末161〜164からの通信要求に対する呼受付制御を行う。
【0004】
また、品質管理マネージャ101は、パケット交換装置131,132,141,142の管理と、パケット交換装置間を結ぶ伝送路における経路管理、各経路における品質クラスの管理、各パケット交換装置から得られる各経路或いは各品質クラスの使用帯域の管理を行い、各パケット交換装置に対して上記の各管理内容を配信する。
【0005】
パケット交換装置131,132,141,142のそれぞれは、品質管理マネージャ101から配信された内容に基づいて、各パケットの交換処理と送出処理を行う。
【0006】
また、STM交換機151がユーザ端末161と音声パケット処理装置121との間に介在され、STM交換機152がユーザ端末163と音声パケット処理装置122との間に介在されている。
【0007】
パケット交換装置131,132,141,142の間や音声パケット処理装置121,122とパケット交換装置131,132,141,142との間を接続することによりパケット通信網171が形成されている。
【0008】
パケット通信網171において音声通信を行う場合、音声パケット処理装置121,122において、音声パケット及び呼制御信号パケットが生成される。呼制御信号パケットについては音声通信マネージャ111,112においても生成され、音声パケット処理装置121,122と音声通信マネージャ111,112との間、または、音声通信マネージャ111と音声通信マネージャ112との間で呼制御信号パケットがやりとりされる。一般にパケット交換装置131,132,141,142は、これらのパケットをパケットヘッダ情報を参照しながらパケット交換を行うのみであり、呼制御信号パケットを識別したり、終端する機能は有していない。
【0009】
音声パケット処理装置121,122及び音声通信マネージャ111,112は、音声通信サービスを実施する場合に初めて必要となる装置であり、通常のデータ通信のみを実施する場合はパケット交換装置131,132,141,142と品質管理マネージャ101のみで実施可能である。
【0010】
このような背景があるため、従来の品質管理マネージャ101は、パケット交換装置131,132,141,142に限定して設定内容を配信する。即ち品質管理マネージャ101は、音声パケット処理装置121,122及び音声通信マネージャ111,112との間で、品質制御のための情報をやりとりすることがなく、また、音声パケット処理装置121,122及び音声通信マネージャ111,112を制御していない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の通信網の品質制御管理システムにおいては以下に説明する2つの課題があった。この課題を図2を参照して以下に説明する。
【0012】
まず、第1の課題を説明する。音声通信マネージャ111,112の呼受付制御は、パケット通信網171の使用可能な帯域に対して音声チャネル数が過剰となる前に、通信要求を拒否することを目的とする機能であり、通信品質の維持とパケット通信網の使用効率の向上を両立する手段として期待されている。
【0013】
しかし、前述した従来のシステムでは、(1)音声通信マネージャ111がユーザ端末161,162からの通信要求に対する受付制御を行う際に、音声通信マネージャ111から使用帯域の管理を行う品質管理マネージャ101へ、発信側及び着信側音声パケット処理装置121,122の識別アドレスと、要求通信の品質クラス、要求帯域等を通知する仕組みがない。
【0014】
また、(2)要求帯域に対する受付可否結果を品質管理マネージャ101から音声通信マネージャ111へ通知する手段がなかった。
【0015】
このため音声通信マネージャ111は、時々刻々と変化する各経路の使用帯域を把握できないので、パケット通信網171の通信品質維持と使用効率の向上を図るには、音声サービスを開始する前に十分にトラヒック予測を行った上で帯域設計を行わなければならなかった。しかし、予測の段階で最適な帯域設計を行うのは困難であるため、それに伴い、パケット通信網171の通信品質の維持と使用効率の向上も困難であった。
【0016】
次に、第2の課題を説明する。従来の品質管理マネージャ101は、通信経路の決定を行い、決定した経路情報を各パケット交換装置131,132,141,142に配信する機能を有する。ただしパケット通信網171が大規模となり、パケット交換装置の数が増大した場合には、通信要求があるたびに品質管理マネージャ101が各パケット交換装置131,132,141,142との間で経路決定のやりとりを行わなければならないので、品質管理マネージャ101の処理量が増大すると共に、パケット交換装置131,132,141,142における経路設定処理が増大して、通信品質の低下と使用効率の低下を招いてしまうという問題点があった。
【0017】
本発明の目的は上記の問題点に鑑み、通信品質の維持と使用効率の向上を図れる通信網の品質制御管理システムを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために請求項1では、通信データ信号のパケット化処理を行うパケット処理装置と、ユーザ情報の管理と前記パケット処理装置の管理を行うと共に該パケット処理装置との間で呼制御を行いユーザ端末からの通信要求に対する呼受付制御を実施する通信マネージャと、1つ以上のパケット交換装置の管理と、該パケット交換装置間を結ぶ通信経路の接続管理と、該通信経路における品質クラスの管理と、前記通信経路或いは前記品質クラスの使用帯域の管理とを行い、前記パケット交換装置に対してこれらの各管理内容を配信する品質管理マネージャと、該品質管理マネージャから配信された内容に基づいて各パケットの交換処理と送出処理とを行う前記パケット交換装置と、前記パケット交換装置間及び前記パケット処理装置と前記パケット交換装置との間を接続することにより形成されるパケット通信網とを備え、前記品質管理マネージャは、前記品質クラスに基づく通信経路を決定する手段と、前記パケット処理装置と前記通信マネージャのうちの少なくとも前記パケット処理装置に対して前記管理内容に基づく設定情報を配信する手段と、通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つを行う手段と、前記決定した通信経路及び品質クラスに対して要求帯域の受け入れ可否を判断する手段と、前記判断の可否結果を前記通信マネージャに通知する手段と、前記通信マネージャから通知された各情報に基づいて通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つを行う手段とを有し、前記通信マネージャは、ユーザ端末からの通信要求があったときに、ユーザ情報と発信側ユーザ端末及び着信側ユーザ端末を収容或いは接続するパケット処理装置の情報と、要求通信の品質クラス情報と、要求帯域情報のうちの1つ以上の情報を前記品質管理マネージャに通知する手段と、前記品質管理マネージャから通知された可否通知が可の場合に、通信を実施するために必要な呼制御を前記パケット処理装置との間で行う手段をを有する通信網の品質制御管理システムにおいて、前記品質管理マネージャは、前記品質クラスに基づく通信経路の設定と、パケット交換装置とパケット処理装置の少なくとも一方に前記設定情報を配信する処理とを、通信要求が発生する前に予め行う手段を有し、前記品質管理マネージャから通知された可否通知が可のときに、パケットは前記予め設定された通信経路を通って伝達される通信網の品質制御管理システムを提案する。
【0019】
該通信網の品質制御管理システムによれば、前記品質管理マネージャによって1つ以上のパケット交換装置の管理と、該パケット交換装置間を結ぶ通信経路の接続管理と、該通信経路における品質クラスの管理と、前記通信経路或いは前記品質クラスの使用帯域の管理とが行われ、前記パケット交換装置に対してこれらの各管理内容が配信されると共に、前記品質クラスに基づく通信経路が予め決定され、該決定された通信経路の前記管理内容に基づく設定情報が、通信要求が発生する前に、前記パケット処理装置と前記通信マネージャのうちの少なくとも前記パケット処理装置に対して配信される。
【0020】
さらに、前記通信マネージャによって、ユーザ情報の管理と前記パケット処理装置の管理が行われると共に該パケット処理装置との間で呼制御が行われ、ユーザ端末からの通信要求に対する呼受付制御が実施される。また、通信データ信号のパケット化処理がパケット処理装置によって行われ、該パケットは、前記品質管理マネージャから配信された内容に基づいて前記パケット交換装置によって交換処理と送出処理とが施され、前記パケット通信網を伝送される。
【0021】
また、ユーザ端末から通信要求があったときに、前記通信マネージャから前記品質管理マネージャに対して、ユーザ情報と発信側ユーザ端末及び着信側ユーザ端末を収容或いは接続するパケット処理装置の情報と、要求通信の品質クラス情報と、要求帯域情報のうちの1つ以上の情報が通知されるため、前記品質管理マネージャは前記通知された情報に基づいて通信経路の決定を行うことができる。
【0022】
これにより、前記品質管理マネージャは、通信経路の品質クラス及び帯域の空き情報をリアルタイムに監視して通信経路の選択を行うことができる。
【0023】
また、前記品質管理マネージャによって、通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つが行われ、該決定した通信経路及び品質クラスに対する要求帯域の受け入れ可否が判断され、該判断の可否結果が前記通信マネージャに通知される。
【0024】
また、前記通信マネージャから通知された各情報に基づいて、前記品質管理マネージャによって、通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つが行われる。
【0025】
また、前記品質管理マネージャから通知された可否通知が可の場合に、前記通信マネージャによって、通信を実施するために必要な呼制御が前記パケット処理装置との間で行われる。
【0026】
このため、前記品質管理マネージャによって前記可否通知が送信される前に、前記品質管理マネージャによって前記品質クラスに基づく通信経路の設定と、パケット交換装置とパケット処理装置の少なくとも一方に設定情報を配信する処理が行われる。また、前記品質管理マネージャから通知された可否通知が可のときに、パケットは前記設定された通信経路を通って伝達される。
【0027】
これにより、通信要求が生ずる前に、パケット通信網の通信経路が確立されるため、通信要求があるたびに品質管理マネージャからパケット交換装置への通信経路情報の通知処理とパケット交換装置における通信経路の設定処理の両方が回避され、パケット交換装置における処理量が軽減される。
【0028】
また、前記パケット交換装置に加えてパケット処理装置に前記設定情報が配信されれば、前記パケット処理装置と前記パケット交換装置との間を結ぶ複数の伝送線路が存在する場合に、パケット処理装置における通信経路の設定処理が回避され、パケット処理装置における処理量が軽減される。
【0029】
また、請求項2では、請求項1に記載の通信網の品質管理制御システムにおいて、発信側パケット処理装置及び着信側パケット処理装置の間に予め設定しておいた通信経路が複数存在し且つ前記品質管理マネージャから通知された可否通知が可のときに、前記品質管理マネージャは、前記可否通知によって割り当てる通信経路の決定を行うと共にパケット通信網の最端点に位置するパケット交換装置或いはパケット処理装置に対してのみ前記決定した通信経路の情報を配信する手段を有する通信網の品質制御管理システムを提案する。
【0030】
該通信網の品質制御管理システムによれば、発信側パケット処理装置及び着信側パケット処理装置の間に予め設定しておいた通信経路が複数存在する場合、前記品質管理マネージャから通知された可否通知が可のときに、前記品質管理マネージャによって決定された通信経路の設定情報は、パケット通信網の最端点に位置するパケット交換装置或いはパケット処理装置に対してのみに配信される。これにより、該設定情報が配信されたパケット交換装置或いはパケット処理装置における通信経路の設定処理のみによって通信経路が設定されるので、パケット通信網全体における処理量が低減される。
【0031】
また、請求項3では、通信データ信号のパケット化処理を行うパケット処理装置と、ユーザ情報の管理と前記パケット処理装置の管理を行うと共に該パケット処理装置との間で呼制御を行いユーザ端末からの通信要求に対する呼受付制御を実施する通信マネージャと、1つ以上のパケット交換装置の管理と、該パケット交換装置間を結ぶ通信経路の接続管理と、該通信経路における品質クラスの管理と、前記通信経路或いは前記品質クラスの使用帯域の管理とを行い、前記パケット交換装置に対してこれらの各管理内容を配信する品質管理マネージャと、該品質管理マネージャから配信された内容に基づいて各パケットの交換処理と送出処理とを行う前記パケット交換装置と、前記パケット交換装置間及び前記パケット処理装置と前記パケット交換装置との間を接続することにより形成されるパケット通信網とを備え、前記品質管理マネージャは、前記品質クラスに基づく通信経路を決定する手段と、前記パケット処理装置と前記通信マネージャのうちの少なくとも前記パケット処理装置に対して前記管理内容に基づく設定情報を配信する手段と、通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つを行う手段と、前記決定した通信経路及び品質クラスに対して要求帯域の受け入れ可否を判断する手段と、前記判断の可否結果を前記通信マネージャに通知する手段と、前記通信マネージャから通知された各情報に基づいて通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つを行う手段とを有し、前記通信マネージャは、ユーザ端末からの通信要求があったときに、ユーザ情報と発信側ユーザ端末及び着信側ユーザ端末を収容或いは接続するパケット処理装置の情報と、要求通信の品質クラス情報と、要求帯域情報のうちの1つ以上の情報を前記品質管理マネージャに通知する手段を有する通信網の品質制御管理システムにおいて、前記通信マネージャは、前記品質管理マネージャから通知された可否通知が否のときに、通信否と判断して前記パケット処理装置との間で呼制御を行う手段を有し、前記パケット処理装置は前記呼制御に基づいて呼切断処理を行う手段を有する通信網の品質制御管理システムを提案する。
【0032】
該通信網の品質制御管理システムによれば、前記品質管理マネージャから通知された可否通知が否のときに、前記通信マネージャによって通信否と判断されて前記パケット処理装置との間で呼制御が行われ、該呼制御に基づいて前記パケット処理装置により呼切断処理が行われる。
【0033】
また、請求項4では、通信データ信号のパケット化処理を行うパケット処理装置と、ユーザ情報の管理と前記パケット処理装置の管理を行うと共に該パケット処理装置との間で呼制御を行いユーザ端末からの通信要求に対する呼受付制御を実施する通信マネージャと、1つ以上のパケット交換装置の管理と、該パケット交換装置間を結ぶ通信経路の接続管 理と、該通信経路における品質クラスの管理と、前記通信経路或いは前記品質クラスの使用帯域の管理とを行い、前記パケット交換装置に対してこれらの各管理内容を配信する品質管理マネージャと、該品質管理マネージャから配信された内容に基づいて各パケットの交換処理と送出処理とを行う前記パケット交換装置と、前記パケット交換装置間及び前記パケット処理装置と前記パケット交換装置との間を接続することにより形成されるパケット通信網とを備え、前記品質管理マネージャは、前記品質クラスに基づく通信経路を決定する手段と、前記パケット処理装置と前記通信マネージャのうちの少なくとも前記パケット処理装置に対して前記管理内容に基づく設定情報を配信する手段とを有し、前記通信マネージャは、ユーザ端末からの通信要求があったときに、ユーザ情報と発信側ユーザ端末及び着信側ユーザ端末を収容或いは接続するパケット処理装置の情報と、要求通信の品質クラス情報と、要求帯域情報のうちの1つ以上の情報を前記品質管理マネージャに通知する手段を有する通信網の品質制御管理システムにおいて、前記通信マネージャの管理項目や管理形態が、前記品質管理マネージャの管理項目や管理形態と異なり、前記通信マネージャ或いは前記品質管理マネージャの少なくとも何れか一方は、前記通信マネージャと前記品質管理マネージャとの間で通知する情報の管理項目や管理形態を相手方若しくは自己の管理項目や管理形態に変換する手段を有する通信網の品質制御管理システムを提案する。
【0034】
該通信網の品質制御管理システムによれば、前記通信マネージャ或いは前記品質管理マネージャの少なくとも何れか一方において、互いに通知する情報の管理項目や管理形態が相手方若しくは自己の管理項目や管理形態に変換される。
【0035】
また、請求項5では、通信データ信号のパケット化処理を行うパケット処理装置と、ユーザ情報の管理と前記パケット処理装置の管理を行うと共に該パケット処理装置との間で呼制御を行いユーザ端末からの通信要求に対する呼受付制御を実施する通信マネージャと、1つ以上のパケット交換装置の管理と、該パケット交換装置間を結ぶ通信経路の接続管理と、該通信経路における品質クラスの管理と、前記通信経路或いは前記品質クラスの使用帯域の管理とを行い、前記パケット交換装置に対してこれらの各管理内容を配信する品質管理マネージャと、該品質管理マネージャから配信された内容に基づいて各パケットの交換処理と送出処理とを行う前記パケット交換装置と、前記パケット交換装置間及び前記パケット処理装置と前記パケット交換装置との間を接続することにより形成されるパケット通信網とを備え、前記品質管理マネージャは、前記品質クラスに基づく通信経路を決定する手段と、前記パケット処理装置と前記通信マネージャのうちの少なくとも前記パケット処理装置に対して前記管理内容に基づく設定情報を配信する手段と、通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つを行う手段と、前記決定した通信経路及び品質クラスに対して要求帯域の受け入れ可否を判断する手段と、前記判断の可否結果を前記通信マネージャに通知する手段と、前記通信マネージャから通知された各情報に基づいて通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つを行う手段とを有し、前記通信マネージャは、ユーザ端末からの通信要求があったときに、ユーザ情報と発信側ユーザ端末及び着信側ユーザ端末を収容或いは接続するパケット処理装置の情報と、要求通信の品質クラス情報と、要求帯域情報のうちの1つ以上の情報を前記品質管理マネージャに通知する手段と、前記品質管理マネージャから通知された可否通知が可の場合に、通信を実施するために必要な呼制御を前記パケット処理装置との間で行う手段をを有する通信網の品質制御管理システムにおいて、前記パケット処理装置とパケット交換装置とパケット通信網のうちの1つ以上において故障或いは輻輳の少なくともいずれか一方が発生した場合に、各品質クラスに属する各通信に対して、通信の切断或いは通信帯域の変更或いは通信パラメータ変更なしのいずれかを判断し、該判断結果の実施を各パケット処理装置と各パケット交換装置に指示する手段を、前記通信マネージャ或いは品質管理マネージャの少なくとも一方に設けた通信網の品質制御管理システムを提案する。
【0036】
該通信網の品質制御管理システムによれば、前記パケット処理装置とパケット交換装置とパケット通信網のうちの1つ以上において故障或いは輻輳の少なくともいずれか一方が発生したときに、前記通信マネージャ或いは品質管理マネージャの何れかによって、各品質クラスに属する各通信に対して通信の切断或いは通信帯域の変更或いは通信パラメータ変更なしのいずれかが判断され、該判断結果を実施するように各パケット処理装置と各パケット交換装置に指示される。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態における通信網の品質制御管理システムを示す構成図である。図において、前述した従来例と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。また、従来例と本実施形態との相違点は、本実施形態では、発信側の音声パケット処理装置121に接続されたパケット交換装置131から着信側の音声パケット処理装置122に接続されたパケット交換装置132との間に介在されたパケット交換装置143を設けると共に、品質管理マネージャ101と音声通信マネージャ111,112及び音声パケット処理装置121,122との間の通信手段を設けたことである。
【0039】
即ち、パケット交換装置131は伝送路182を介してパケット交換装置141に接続され、パケット交換装置141は伝送路183を介してパケット交換装置142に接続され、パケット交換装置142は伝送路184を介してパケット交換装置132に接続される。さらに、パケット交換装置131は伝送路186を介してパケット交換装置143に接続され、パケット交換装置143は伝送路187を介してパケット交換装置132に接続される。これらのパケット交換装置131,132,141〜143によってパケット通信網171が構成されている。
【0040】
また、パケット交換装置131は伝送路181を介して音声パケット処理装置121に接続され、パケット交換装置132は伝送路185を介して音声パケット処理装置122に接続されている。
【0041】
音声パケット処理装置121はSTM交換機151を介してユーザ端末161に接続されると共にユーザ端末162に接続されている。また、音声パケット処理装置122はSTM交換機152を介してユーザ端末163に接続されると共にユーザ端末164に接続されている。
【0042】
また、品質管理マネージャ101は、パケット交換装置131、132、141〜143の管理、パケット交換装置間を結ぶ伝送路における経路管理、各経路における品質クラスの管理、各パケット交換装置から得られる各経路或いは各品質クラスの使用帯域の管理を行い、各パケット交換装置に対して上記の各管理内容を配信する。
【0043】
パケット交換装置131、132、141〜143のそれぞれは、品質管理マネージャ101から配信された内容に基づいて、各パケットの交換処理と送出処理を行う。
【0044】
さらに、(1)ユーザ端末161,162から通信要求があった場合に、音声通信マネージャ111によって管理されているユーザ情報と、発信側ユーザ端末161,162及び着信側ユーザ端末163,164と接続する各音声パケット処理装置の情報、要求通信の品質クラス、要求帯域を音声通信マネージャ111から品質管理マネージャ101へ通知する手段と、(2)要求帯域に対する受付可否結果を品質管理マネージャ101から音声通信マネージャ111へ通知する手段とを備えることにより前記第1の課題を解決した。
【0045】
ここで、受付結果が可の場合に、発信側の音声通信マネージャ111は、通信可と判断し、発信側音声パケット処理装置121、及び着信側音声パケット処理装置122を管理する着信側音声通信マネージャ112との間で呼確立のための呼制御処理を行う。このとき発着信側音声パケット処理装置121,122が同一の音声通信マネージャにより管理されている場合は、音声通信マネージャ間の呼制御処理は省略される。
【0046】
一方、受付結果が否の場合には、発信側の音声通信マネージャ111は、通信否と判断し、発側音声パケット処理装置121との間で呼切断のための呼制御処理を行う。
【0047】
しかし、上記手段の導入により、新たな課題が発生する。一般に、音声通信マネージャ111,112の管理項目と品質管理マネージャ101の管理項目は異なる。そのため本実施形態では、音声通信マネージャ111、112と品質管理マネージャ101との間でやりとりされる情報をいずれかの管理形態に変換する手段を備えた。
【0048】
また、品質クラスに基づく経路情報を品質管理マネージャ101が、パケット交換装置131,132,141〜143或いは音声パケット処理装置121,122に予め配信しておき、通信要求前に経路設定を確立させる手段を設けることにより前記第2の課題を解決した。これにより通信要求が発生する前に一度、パケット通信網171の経路を確立しておけば、通信要求があるたびに品質管理マネージャ101からパケット交換装置131,132,141〜143への経路情報の通知、及びパケット交換装置131,132,141〜143における経路設定の両方が回避され、パケット交換装置131,132,141〜143における処理量が軽減される。
【0049】
もし、発着信側音声パケット処理装置121,122の間に、予め設定しておいた経路が複数ある場合は、その中の1経路を選択するにあたり、品質管理マネージャ101から音声パケット処理装置121或いはパケット通信網171の最端点に位置するパケット交換装置131に対してのみ選択経路情報を通知することによって、同様に処理量を軽減することができる。
【0050】
このとき、品質管理マネージャ101から音声パケット処理装置121に選択経路情報を通知する場合において、以下の課題が発生する。即ち、従来のシステムでは、品質管理マネージャ101は、音声パケット処理装置121と音声通信マネージャ111との間で、品質制御を始めとする経路情報をやりとりする手段を有していない。上記の第1及び第2の課題を解決する手段の導入により、品質管理マネージャ101は音声通信マネージャ111と音声パケット処理装置121の両方との間で情報のやりとりを行う。品質管理マネージャ101の処理能力を超える音声パケット処理装置数がパケット通信網に存在する場合は、品質管理マネージャ101が経路情報をやりとりする音声パケット処理装置数を減少させる必要がある。そのため、本実施形態では、品質管理マネージャ101が音声通信マネージャ111に対して音声パケット処理装置121の経路情報を通知し、その後、音声通信マネージャ111から音声パケット処理装置121にその経路情報を通知する手段を備えた。
【0051】
次に、本実施形態におけるさらに詳細な品質制御管理動作を実施例として説明する。
【0052】
上記本実施形態の構成において、正常呼とダイナミック配信を用いた第1実施例として、ユーザ端末162からユーザ端末164への音声通信の要求を出す場合について、図1及び図3を参照して説明する。
【0053】
ユーザ端末162から音声パケット処理装置121へ通信要求があると、音声パケット処理装置121は音声通信マネージャ111に向けて通信要求301を送出する。音声通信マネージャ111は、各音声パケット処理装置121,122のアドレス、各ユーザ端末161〜164の品質クラス及び要求帯域を管理している。音声パケット処理装置121から送出される通信要求301のメッセージの中には、発着信側ユーザ端末162,164の電話番号が格納されているので、音声通信マネージャ111は、(1)発信側音声パケット処理装置121のアドレス及び(2)着信側音声パケット処理装置122のアドレスを認識できる。また、音声通信マネージャ111は、(3)発信側ユーザ端末162の品質クラス及び(4)要求帯域を認識できる。
【0054】
音声通信マネージャ111は、通信要求301を受信した後、品質管理マネージャ101に向けて通信要求通知302を送出する。通信要求通知302の中には、(1)発信側音声パケット処理装置121のアドレスと、(2)着信側音声パケット処理装置122のアドレス、(3)発信側ユーザ端末162の品質クラス及び(4)要求帯域の4つの情報が格納されている。
【0055】
品質管理マネージャ101は、パケット通信網171の各パケット交換装置131,132,141〜143や各伝送路181〜187の構成(各パケット交換機が接続している装置のアドレス等)、各伝送路で提供される品質クラスの種類、各品質クラスの空き帯域などを管理している。
【0056】
また、品質管理マネージャ101は、通信要求通知302を受信すると、通信要求通知302の中の上記情報(1)と情報(2)から、要求される通信はパケット交換装置131を発信側、パケット交換装置132を着信側と判断する。さらに品質管理マネージャ101は、通信要求通知302の中の上記情報(3)と情報(4)で要求される品質クラスと要求帯域が、パケット交換装置131と132の間で確保できるか否かを判断する。
【0057】
本実施例は、要求帯域が確保できると共に、パケット交換装置131、伝送路186、パケット交換装置143、伝送路187、パケット交換装置132を結ぶ経路が選ばれたものとして説明を進める。
【0058】
品質管理マネージャ101は、パケット交換装置131,143及び132に対して、経路と、品質クラス、通信帯域の設定を行うための情報配信303を行う。音声パケット処理装置121とパケット交換装置131との間、及び音声パケット処理装置122とパケット交換装置132との間を結ぶ伝送路が複数ある場合は、品質管理マネージャ101は音声パケット処理装置121や音声パケット処理装置122に対しても経路設定を行うための情報配信を行う必要があることを追記しておく。
【0059】
また、品質管理マネージャ101は、情報配信303と並行して、音声通信マネージャ111に対して通信要求が受付可であることを通知する(304)。これにより音声通信マネージャ111は、ユーザ端末162とユーザ端末164の通信は可と判断し、音声パケット処理装置121との間及び音声通信マネージャ112との間で呼確立のための呼制御処理を行う(305,306)。
【0060】
また、音声通信マネージャ112は、音声パケット処理装置122との間で呼制御処理を行う。
【0061】
これにより、ユーザ端末162とユーザ端末164との間の音声通信は、要求した品質クラスと帯域を満足することができる。
【0062】
なお本実施例は、発信側ユーザ端末がユーザ端末161のようにSTM交換機151を介して音声パケット処理装置121と接続する場合、また、着信側ユーザがユーザ端末163のようにSTM交換機152を介して音声パケット処理装置122と接続する場合も同様の動作となる。
【0063】
ここで、音声通信マネージャ111から送出される通信要求通知302の中の(1)発音声パケット処理装置121のアドレスと、(2)着音声パケット処理装置122のアドレス、(3)発ユーザ162の品質クラス、(4)要求帯域の4つの情報は、全て品質管理マネージャ101の本来の管理項目である。音声通信マネージャ111は、それ自身で管理するパラメータを品質管理マネージャ101の管理項目に準ずる形態に変換して、品質管理マネージャ101に通信要求通知302を送出する。
【0064】
上記第1実施例では、各伝送路の品質クラス及び帯域の空き情報をリアルタイムに監視して通信経路の選択を行うことができるため、要求品質を満足する音声通信を提供すると共にパケット通信網171の使用効率を向上することができる。
【0065】
また、音声通信マネージャ111,112によって、高品質な音声通信を実現する上で必要なパラメータを品質管理マネージャ101の管理項目に準ずる形態に変換しているので、品質管理マネージャ101における効率的なパラメータ管理及び通信要求に対する即時応答処理を簡易化することができる。
【0066】
次に、本実施形態の第2実施例として、正常呼とプロビジョニング配信(単一経路)を用いた場合を図1及び図4を参照して説明する。
【0067】
第2実施例でも第1実施例と同様にユーザ端末162がユーザ端末164への音声通信の要求を出す場合について説明する。
【0068】
品質管理マネージャ101は、各音声パケット処理装置121,122の間を結ぶ経路と、各経路で提供される品質クラスの種類、各経路の帯域を、各音声パケット処理装置131,132,141〜143にあらかじめ設定(401)しておく。本実施例では、各経路に複数の音声通信が同時接続可能である形態をとりあげる。ただし各通信経路に割り当てられる帯域は、パケット通信網171の管理者の網設計に依存する。これにより、品質管理マネージャ101は、各通信経路と各品質クラスの空き帯域を管理する。
【0069】
ユーザ端末162から音声パケット処理装置121へ通信要求が送出されてから、品質管理マネージャ101が通信要求通知302を受信するまでの動作は、前述した第1実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
【0070】
通信要求通知302の中に格納される(1)発音声パケット処理装置121のアドレス、(2)着音声パケット処理装置122のアドレス、及び(3)発ユーザ162の品質クラスに基づいて、品質管理マネージャ101は設定401で定めた経路の中から、該当経路を割り出す。本実施例では、パケット交換装置131、伝送路186、パケット交換装置143、伝送路187、パケット交換装置132を結ぶ経路が該当経路であるとして説明を進める。
【0071】
次に品質管理マネージャ101は、通信要求通知302の中に格納される(4)要求帯域が該当経路で確保できるか否かを判断する。
【0072】
要求帯域が確保できた場合、品質管理マネージャ101は、音声通信マネージャ111に対して通信要求が受付可であることを通知する(304)。これにより音声通信マネージャ111は、ユーザ端末162とユーザ端末164との間の通信は可と判断し、音声パケット処理装置121との間で、また、音声通信マネージャ112との間で呼確立のための呼制御処理を行う(305,306)。
【0073】
また、音声通信マネージャ112は、音声パケット処理装置122との間で呼制御処理を行う。
【0074】
これにより、ユーザ端末162とユーザ端末164との間の音声通信は、要求した品質クラスと帯域を満足することができる。
【0075】
また、通信要求以前に予め全経路を確立させているため、従来例では通信要求が発生するたびに行う必要のあった品質管理マネージャから各パケット交換装置への通信経路の設定等の情報配信を省略できるので、1つの通信要求に対するメッセージ数が減り、各装置の処理量を軽減することができる。
【0076】
次に、本実施形態の第3実施例として、正常呼とプロビジョニング配信(複数経路)を用いた場合を図1及び図5を参照して説明する。
【0077】
第3実施例でも第2実施例と同様にユーザ端末162がユーザ端末164への音声通信の要求を出す場合について説明する。
【0078】
第2実施例と同様に、品質管理マネージャ101は、あらかじめ各音声パケット処理装置121,122間を結ぶ経路と、各経路で提供される品質クラスの種類、各経路の帯域を、各音声パケット処理装置131,132,141〜143に設定(401)しておく。この設定において本実施例では、各音声パケット処理装置121,122間の経路が複数設定されている場合を取り上げる。ただし、音声パケット処理装置121とパケット交換装置131間の伝送路は一義に定められているものとする。
【0079】
ユーザ端末162から音声パケット処理装置121へ通信要求が送出されてから、品質管理マネージャ101が通信要求通知302を受信するまでの動作は、前述した第1実施例と同様であるので、その説明を省略する。
【0080】
通信要求通知302の中に格納される(1)発音声パケット処理装置121のアドレスと、(2)着音声パケット処理装置122のアドレス、及び(3)発ユーザ162の品質クラスに基づいて、品質管理マネージャ101は、設定401で定めた経路の中から、複数の経路候補を割り出す。この経路候補の中から1つの経路を選択する方法は、パケット通信網171の管理者の網設計に依存する。その一方法として例えば、各経路の音声通信の呼数を均等に分散させる方法がある。
【0081】
本実施例では、要求帯域が確保され、パケット交換装置131と、伝送路186、パケット交換装置143、伝送路187、パケット交換装置132を結ぶ経路が選択されたものとして説明を進める。
【0082】
品質管理マネージャ101は、パケット交換装置131に対してのみ経路指定501を通知する。このとき、必要に応じて音声パケット処理装置121,122のアドレス等の複数の音声通信の中から該当音声通信を識別するための情報も通知する。これによってパケット交換装置131は、要求通信に対して、複数の経路の中から1つの該当経路を決定することができる。
【0083】
次に、品質管理マネージャ101は、音声通信マネージャ111に対して通信要求が受付可であることを通知する(304)。以後の動作は、前述した第2実施例と同様であるので、その説明を省略する。
【0084】
上記第3実施例によれば、1つの通信経路を選択するにあたり、品質管理マネージャ101から音声パケット処理装置121に対して、或いはパケット通信網171の最端点に位置するパケット交換装置131に対してのみ選択経路情報を通知しているので、第2実施例と同様に処理量を軽減することができる。
【0085】
次に、本実施形態の第4実施例として、帯域確保ができなかった場合の切断呼について図1及び図6を参照して説明する。
【0086】
ユーザ端末162から音声通信の要求が出されてから、品質管理マネージャ101が要求帯域を該当経路で確保できるか否かを判断するまでの動作は、前述した第2実施例と同様であるので、その説明を省略する。
【0087】
帯域確保ができない場合、品質管理マネージャ101は受付否の通知601を音声通信マネージャ111に送出する。これにより音声通信マネージャ111は、通信否と判断し、音声パケット処理装置121との間で、呼切断のための呼制御処理を行う。
【0088】
もし、ユーザ端末162の音声通信が他の品質クラス或いは異なる(最初の要求帯域よりも小さい)帯域で実施可能な場合は、図7に示すように品質管理マネージャ101は、受付否の通知601の代わりに、受付可能な品質クラスや帯域の提示701を行い、ユーザ端末162から受付可能なパラメータの範囲で、再度通信要求を行わせることも可能である。
【0089】
また、例えばユーザ端末162が複数の電話機及び音声パケット処理装置121との間に複数の回線を備えており、ユーザ端末162と音声通信マネージャ111との間で取り交した契約において、ユーザ端末162が通信可能な最大音声チャネル数が決まっている場合、ユーザ端末162から最大音声チャネル数を超える通信要求があったときには、図8に示すように音声通信マネージャ111は、直接、呼制御(呼切断)602を音声パケット処理装置121に返すことも可能である。この場合、通信要求通知302及び通知(受付否)601のメッセージを省略することができて処理量が削減される。
【0090】
上記第4実施例によれば、該当する通信経路に帯域確保ができないときに、ユーザ端末162の通信要求を拒否することにより、既に通信中である他ユーザの音声通信品質の劣化を防止することができる。
【0091】
次に、本実施形態の第5実施例として、品質管理マネージャ101と音声パケット処理装置121,122との間に音声通信マネージャ111,112を介在させて通信を行う場合について図1及び図9を参照して説明する。
【0092】
前述した第1実施例において、音声パケット処理装置121とパケット交換装置131との伝送路が一義に決まっていない場合、品質管理マネージャ101はパケット交換装置131,132,141〜143だけでなく音声パケット処理装置121に対しても通信経路の設定を行うための情報配信を行う必要がある。本実施例では、この情報配信を品質管理マネージャ101と音声パケット処理装置121との間で直接実施せず、音声通信マネージャ111を経由して行う。即ち、品質管理マネージャ101から音声通信マネージャ111へ情報配信901を行い、さらに音声通信マネージャ111から音声パケット処理装置121へ情報配信902を行うという2段階で実施する。
【0093】
これにより、品質管理マネージャ101が直接情報をやりとりする装置を、音声通信マネージャ111,112とパケット交換装置131,132,141〜143に限定できるので、品質管理マネージャ101の処理量を削減することができる。また、品質管理マネージャ101から音声通信マネージャ111への情報配信901と通知(受付可)304を同一メッセージ化すること或いは音声通信マネージャ111から音声パケット処理装置121への情報配信902と呼制御(呼確立)305を同一メッセージ化することも可能である。このようにメッセージを同一化することにより、メッセージ数を削減することができる。
【0094】
次に、本実施形態の第6実施例として、音声通信マネージャ111,112による呼受付判断を行う場合について図1及び図10を参照して説明する。
【0095】
前述した第1実施例と同様に、ユーザ端末162がユーザ端末164への音声通信の要求を出す場合について説明する。
【0096】
品質管理マネージャ101は、前述した第2実施例と同様に、各音声パケット処理装置121,122間を結ぶ経路と、各経路で提供される品質クラスの種類、各経路の帯域を、各音声パケット処理装置131,132,141〜143に通信要求が発生する前に予め設定(401)する。また、これと同時に、品質管理マネージャ101は、音声通信マネージャ111に対しても同様の情報を通知する(1001)。これにより、音声通信マネージャ111が各通信経路と各品質クラスの空き帯域を管理する。
【0097】
ユーザ端末162から音声パケット処理装置121へ通信要求があると、音声パケット処理装置121は音声通信マネージャ111に向けて通信要求301を送出する。音声通信マネージャ111は各音声パケット処理装置121,122のアドレスと各ユーザの品質クラス及び要求帯域を管理している。
【0098】
音声パケット処理装置121から音声通信マネージャ111への通信要求メッセージ301の中には、発信側及び着信側ユーザ端末の電話番号が格納されている。このため、音声通信マネージャ111は、(1)発信側音声パケット処理装置121のアドレス及び(2)着信側音声パケット処理装置122のアドレス、また、(3)発信側ユーザ端末162の品質クラス及び(4)要求帯域を認識することができる。上記情報(1),(2)及び(3)に基づいて、音声通信マネージャ111は、設定1001で通知を受けた通信経路の中から、該当経路を割り出す。本実施例では、パケット交換装置131と、伝送路186、パケット交換装置143、伝送路187、パケット交換装置132を結ぶ通信経路が該当経路であるとして説明を進める。
【0099】
次に、音声通信マネージャ111は、上記情報(4)の要求帯域が該当経路で確保できるか否かを判断する。音声通信マネージャ111は、要求帯域が確保できて受け入れが可と判断した場合に、発信側音声パケット処理装置121との間及び音声通信マネージャ112との間で呼確立のための呼制御処理を行う(305、306)。また、音声通信マネージャ112は着信側音声パケット処理装置122との間で呼制御処理を行う。これにより、ユーザ端末162とユーザ端末164との間の音声通信は、要求した品質クラスと帯域を満足することができる。
【0100】
次に、本実施形態の第7実施例として、輻輳時の帯域変更を行う場合について図11を参照して説明する。
【0101】
例えば、パケット交換装置131とパケット交換装置143とを結ぶ伝送路186から流入されるトラヒックに対して、パケット交換装置143において輻輳が発生した場合について説明する。本実施例では、図11に示すようにパケット交換装置131にデータ通信端末1104が接続され、パケット交換装置132にデータ通信端末1105が接続されているとして説明する。
【0102】
伝送路186を経由する2つの異なる品質クラスの通信、例えば、ユーザ端末162とユーザ端末164との間の音声通信1101と、データ通信端末1104とデータ通信端末1105との間のデータ通信1102があり、音声通信1101は要求帯域を保証する優先品質クラスという条件が、またデータ通信1102は輻輳時に要求帯域よりも小さな帯域で通信を行うことが可能な非優先品質クラスという条件が品質管理マネージャ101で管理されている。
【0103】
パケット交換装置143に輻輳が起こると、品質管理マネージャ101は非優先品質クラスのデータ通信1102に対し通信帯域削減の判断を行う。その後、品質管理マネージャ101は、非優先品質クラスのデータ通信1102の通信が経由するパケット交換機131,143及び132のそれぞれに、非優先品質クラスのデータ通信1102の通信帯域削減指示1103を送出する。
【0104】
パケット交換機131,143及び132は、通信帯域削減指示1103に基づいて、非優先品質クラスのデータ通信1102の通信帯域を削減する。その結果、輻輳の原因となっているトラヒック量を削減することができる。
【0105】
本実施例は、非優先品質クラスデータ通信1102の輻輳時の通信条件が切断と設定されている場合、指示1103の内容を帯域変更ではなく切断とすることもできる。
【0106】
また、品質管理マネージャ101の代わりに、音声通信マネージャ111が指示1103を出す場合においても同様の動作となる。
【0107】
上記第7実施例によれば、品質管理マネージャ101が非優先品質クラスの通信に対して通信帯域の削減や切断を指示することができるので、輻輳の原因となっているトラヒック量を削減することができる。これによって輻輳の緩和に貢献することができる。
【0108】
尚、前述した各実施例では、ユーザ端末162とユーザ端末164との間の音声通信を例として説明したが、本願発明は音声通信以外の通信、例えば画像通信や高品質が要求されるデータ通信に対しても同様の効果を発揮することができることは言うまでもない。
【0109】
また、各実施例では、音声通信マネージャ111,112と品質管理マネージャ101がそれぞれ別のシステムとして扱われて動作しているが、本願発明は音声通信マネージャ111,112と品質管理マネージャ101とを一体化した場合にも同様の効果を得ることができる。
【0110】
また、前述した実施形態は本発明の一具体例であって、本発明が上記実施形態のみに限定されることはない。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各通信経路の品質クラスおよび帯域の空き情報をリアルタイムに監視し、通信経路の選択を行うことができるため、要求品質を満足する通信を提供できると共に、パケット通信網の使用効率を向上することができる。また、通信マネージャにて高品質な通信を実現する上で必要なパラメータを品質管理マネージャの管理項目に準ずる形態に変換しているため、品質管理マネージャによる効率的なパラメータ管理を行うことができると共に通信要求に対する即時応答処理を簡易化することができる。
【0112】
さらに、通信要求が生ずる前にパケット通信網の通信経路が確立されるため、通信要求があるたびに品質管理マネージャからパケット交換装置への通信経路情報の通知処理とパケット交換装置における通信経路の設定処理の両方を回避することができるので、パケット交換装置における処理量を軽減することができ、通信品質の維持と使用効率の向上を図ることができる。
【0113】
また、1つの経路を選択する際に品質管理マネージャからパケット処理装置或いはパケット通信網の最端点に位置するパケット交換装置に対してのみ選択経路情報を通知しているので各装置の処理量をさらに軽減することができる。
【0114】
また、通信要求に対する該当経路に帯域確保ができないときに通信要求を拒否しているので、既に通信中である他ユーザの通信品質の劣化を防止することができる。
【0115】
さらに、品質管理マネージャが情報をやりとりする装置を、通信マネージャとパケット交換装置に限定しているので、品質管理マネージャの処理量を削減することができる。
【0116】
さらにまた、品質管理マネージャが各品質クラスの通信に対して通信帯域の削減や切断を指示することができるので、輻輳の原因となっているトラヒック量を削減することができ、これによって輻輳の緩和に大いに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の品質制御管理システムを示す構成図
【図2】従来例の品質制御管理システムを示す構成図
【図3】本発明の一実施形態における第1実施例を説明するメッセージシーケンス図
【図4】本発明の一実施形態における第2実施例を説明するメッセージシーケンス図
【図5】本発明の一実施形態における第3実施例を説明するメッセージシーケンス図
【図6】本発明の一実施形態における第4実施例を説明する第1のメッセージシーケンス図
【図7】本発明の一実施形態における第4実施例を説明する第2のメッセージシーケンス図
【図8】本発明の一実施形態における第4実施例を説明する第3のメッセージシーケンス図
【図9】本発明の一実施形態における第5実施例を説明するメッセージシーケンス図
【図10】本発明の一実施形態における第6実施例を説明するメッセージシーケンス図
【図11】本発明の一実施形態における第7実施例を説明するメッセージシーケンス図
【符号の説明】
101…品質管理マネージャ、111,112…音声通信マネージャ、121,122…音声パケット処理装置、131,132…パケット交換装置、141,142,143…パケット交換装置、151,152…STM交換機、161,162,163,164…ユーザ端末、171…パケット通信網、181,182,183,184,185,186,187…伝送路。
Claims (5)
- 通信データ信号のパケット化処理を行うパケット処理装置と、
ユーザ情報の管理と前記パケット処理装置の管理を行うと共に該パケット処理装置との間で呼制御を行いユーザ端末からの通信要求に対する呼受付制御を実施する通信マネージャと、
1つ以上のパケット交換装置の管理と、該パケット交換装置間を結ぶ通信経路の接続管理と、該通信経路における品質クラスの管理と、前記通信経路或いは前記品質クラスの使用帯域の管理とを行い、前記パケット交換装置に対してこれらの各管理内容を配信する品質管理マネージャと、
該品質管理マネージャから配信された内容に基づいて各パケットの交換処理と送出処理とを行う前記パケット交換装置と、
前記パケット交換装置間及び前記パケット処理装置と前記パケット交換装置との間を接続することにより形成されるパケット通信網とを備え、
前記品質管理マネージャは、
前記品質クラスに基づく通信経路を決定する手段と、
前記パケット処理装置と前記通信マネージャのうちの少なくとも前記パケット処理装置に対して前記管理内容に基づく設定情報を配信する手段と、
通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つを行う手段と、
前記決定した通信経路及び品質クラスに対して要求帯域の受け入れ可否を判断する手段と、
前記判断の可否結果を前記通信マネージャに通知する手段と、
前記通信マネージャから通知された各情報に基づいて通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つを行う手段とを有し、
前記通信マネージャは、
ユーザ端末からの通信要求があったときに、ユーザ情報と発信側ユーザ端末及び着信側ユーザ端末を収容或いは接続するパケット処理装置の情報と、要求通信の品質クラス情報と、要求帯域情報のうちの1つ以上の情報を前記品質管理マネージャに通知する手段と、
前記品質管理マネージャから通知された可否通知が可の場合に、通信を実施するために必要な呼制御を前記パケット処理装置との間で行う手段を有する通信網の品質制御管理システムにおいて、
前記品質管理マネージャは、前記品質クラスに基づく通信経路の設定と、パケット交換装置とパケット処理装置の少なくとも一方に前記設定情報を配信する処理とを、通信要求が発生する前に予め行う手段を有し、
前記品質管理マネージャから通知された可否通知が可のときに、パケットは前記予め設定された通信経路を通って伝達される
ことを特徴とする通信網の品質制御管理システム。 - 発信側パケット処理装置及び着信側パケット処理装置の間に予め設定しておいた通信経路が複数存在し且つ前記品質管理マネージャから通知された可否通知が可のときに、前記品質管理マネージャは、前記可否通知によって割り当てる通信経路の決定を行うと共にパケット通信網の最端点に位置するパケット交換装置或いはパケット処理装置に対してのみ前記決定した通信経路の情報を配信する手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信網の品質制御管理システム。 - 通信データ信号のパケット化処理を行うパケット処理装置と、
ユーザ情報の管理と前記パケット処理装置の管理を行うと共に該パケット処理装置との間で呼制御を行いユーザ端末からの通信要求に対する呼受付制御を実施する通信マネージャと、
1つ以上のパケット交換装置の管理と、該パケット交換装置間を結ぶ通信経路の接続管理と、該通信経路における品質クラスの管理と、前記通信経路或いは前記品質クラスの使 用帯域の管理とを行い、前記パケット交換装置に対してこれらの各管理内容を配信する品質管理マネージャと、
該品質管理マネージャから配信された内容に基づいて各パケットの交換処理と送出処理とを行う前記パケット交換装置と、
前記パケット交換装置間及び前記パケット処理装置と前記パケット交換装置との間を接続することにより形成されるパケット通信網とを備え、
前記品質管理マネージャは、
前記品質クラスに基づく通信経路を決定する手段と、
前記パケット処理装置と前記通信マネージャのうちの少なくとも前記パケット処理装置に対して前記管理内容に基づく設定情報を配信する手段と、
通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つを行う手段と、
前記決定した通信経路及び品質クラスに対して要求帯域の受け入れ可否を判断する手段と、
前記判断の可否結果を前記通信マネージャに通知する手段と、
前記通信マネージャから通知された各情報に基づいて通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つを行う手段とを有し、
前記通信マネージャは、
ユーザ端末からの通信要求があったときに、ユーザ情報と発信側ユーザ端末及び着信側ユーザ端末を収容或いは接続するパケット処理装置の情報と、要求通信の品質クラス情報と、要求帯域情報のうちの1つ以上の情報を前記品質管理マネージャに通知する手段を有する通信網の品質制御管理システムにおいて、
前記通信マネージャは、前記品質管理マネージャから通知された可否通知が否のときに、通信否と判断して前記パケット処理装置との間で呼制御を行う手段を有し、
前記パケット処理装置は前記呼制御に基づいて呼切断処理を行う手段を有する
ことを特徴とする通信網の品質制御管理システム。 - 通信データ信号のパケット化処理を行うパケット処理装置と、
ユーザ情報の管理と前記パケット処理装置の管理を行うと共に該パケット処理装置との間で呼制御を行いユーザ端末からの通信要求に対する呼受付制御を実施する通信マネージャと、
1つ以上のパケット交換装置の管理と、該パケット交換装置間を結ぶ通信経路の接続管理と、該通信経路における品質クラスの管理と、前記通信経路或いは前記品質クラスの使用帯域の管理とを行い、前記パケット交換装置に対してこれらの各管理内容を配信する品質管理マネージャと、
該品質管理マネージャから配信された内容に基づいて各パケットの交換処理と送出処理とを行う前記パケット交換装置と、
前記パケット交換装置間及び前記パケット処理装置と前記パケット交換装置との間を接続することにより形成されるパケット通信網とを備え、
前記品質管理マネージャは、
前記品質クラスに基づく通信経路を決定する手段と、
前記パケット処理装置と前記通信マネージャのうちの少なくとも前記パケット処理装置に対して前記管理内容に基づく設定情報を配信する手段とを有し、
前記通信マネージャは、
ユーザ端末からの通信要求があったときに、ユーザ情報と発信側ユーザ端末及び着信側ユーザ端末を収容或いは接続するパケット処理装置の情報と、要求通信の品質クラス情報と、要求帯域情報のうちの1つ以上の情報を前記品質管理マネージャに通知する手段を有する通信網の品質制御管理システムにおいて、
前記通信マネージャの管理項目や管理形態が、前記品質管理マネージャの管理項目や管理形態と異なり、
前記通信マネージャ或いは前記品質管理マネージャの少なくとも何れか一方は、前記通信マネージャと前記品質管理マネージャとの間で通知する情報の管理項目や管理形態を相手方若しくは自己の管理項目や管理形態に変換する手段を有する
ことを特徴とする通信網の品質制御管理システム。 - 通信データ信号のパケット化処理を行うパケット処理装置と、
ユーザ情報の管理と前記パケット処理装置の管理を行うと共に該パケット処理装置との間で呼制御を行いユーザ端末からの通信要求に対する呼受付制御を実施する通信マネージャと、
1つ以上のパケット交換装置の管理と、該パケット交換装置間を結ぶ通信経路の接続管理と、該通信経路における品質クラスの管理と、前記通信経路或いは前記品質クラスの使用帯域の管理とを行い、前記パケット交換装置に対してこれらの各管理内容を配信する品質管理マネージャと、
該品質管理マネージャから配信された内容に基づいて各パケットの交換処理と送出処理とを行う前記パケット交換装置と、
前記パケット交換装置間及び前記パケット処理装置と前記パケット交換装置との間を接続することにより形成されるパケット通信網とを備え、
前記品質管理マネージャは、
前記品質クラスに基づく通信経路を決定する手段と、
前記パケット処理装置と前記通信マネージャのうちの少なくとも前記パケット処理装置に対して前記管理内容に基づく設定情報を配信する手段と、
通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つを行う手段と、
前記決定した通信経路及び品質クラスに対して要求帯域の受け入れ可否を判断する手段と、
前記判断の可否結果を前記通信マネージャに通知する手段と、
前記通信マネージャから通知された各情報に基づいて通信経路の決定と品質クラスの決定の少なくとも1つを行う手段とを有し、
前記通信マネージャは、
ユーザ端末からの通信要求があったときに、ユーザ情報と発信側ユーザ端末及び着信側ユーザ端末を収容或いは接続するパケット処理装置の情報と、要求通信の品質クラス情報と、要求帯域情報のうちの1つ以上の情報を前記品質管理マネージャに通知する手段と、
前記品質管理マネージャから通知された可否通知が可の場合に、通信を実施するために必要な呼制御を前記パケット処理装置との間で行う手段を有する通信網の品質制御管理システムにおいて、
前記パケット処理装置とパケット交換装置とパケット通信網のうちの1つ以上において故障或いは輻輳の少なくともいずれか一方が発生した場合に、各品質クラスに属する各通信に対して、通信の切断或いは通信帯域の変更或いは通信パラメータ変更なしのいずれかを判断し、該判断結果の実施を各パケット処理装置と各パケット交換装置に指示する手段を、前記通信マネージャ或いは品質管理マネージャの少なくとも一方に設けた
ことを特徴とする通信網の品質制御管理システム。
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