JP3597674B2 - オレフィンの多段気相重合における重合条件変更方法 - Google Patents

オレフィンの多段気相重合における重合条件変更方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリオレフィンを多段気相重合法で製造する場合の、重合条件変更方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来から、エチレン(共)重合体、プロピレン(共)重合体などのポリオレフィンを製造する方法としては、チタン化合物と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒および、ジルコノセンなどの遷移金属化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)とからなるメタロセン系触媒の存在下にオレフィンを液相または気相で重合させる方法が知られている。また、複数の重合器を直列に結合した多段重合装置を用いてポリオレフィンを製造する方法があり、この方法では、前段と後段で同じ重合条件でオレフィンを重合してポリオレフィンを製造するか、または前段と後段で異なる重合条件でオレフィンを重合して異なる物性のポリオレフィンからなるポリオレフィン組成物を製造することが行われる。
【0003】
ところで、ポリオレフィンを製造する場合において重合条件を変更する際には、重合条件変更中に規格外品が発生する。特に多段重合装置を用いたポリオレフィン(組成物)の製造では、前段の重合条件を変更した後であっても、後段の重合器中には重合条件変更中に前段で生成したポリオレフィンが存在することとなり、このポリオレフィンが後段の重合器から排出されるまでは規格外品が生成するため多くの規格外品が発生する。
【0004】
そこでこのような重合条件変更時の規格外品の生成量が少ない、オレフィンの多段気相重合における重合条件変更方法が求められている。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、規格外品の生成を少なくし得るオレフィンの多段気相重合における重合条件変更方法を提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】
本発明に係るオレフィンの多段気相重合における重合条件変更方法は、流動層型重合器を用いてオレフィンを多段気相重合する際の、少なくとも前段の重合条件の変更を含む重合条件変更方法であって、
前段の重合条件の変更が終了した時に、後段の流動床の容積が定常状態の70%以下となるように、前段の重合条件変更時または変更前に後段の流動床の容積を減少させ、前段の重合条件の変更が終了した後に、後段の流動床の容積を定常状態に復元することを特徴としている。
【0007】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るオレフィンの多段気相重合における重合条件変更方法について具体的に説明する。
【0008】
まず多段気相重合方法の一例を、図1を参照しながら説明する。図1は、多段気相流動床反応装置の一例を示す概略図である。図1に示す多段気相流動床反応装置ではオレフィン重合用触媒(固体触媒)は、たとえば触媒供給ライン2を介して通常粉末状態で前段の流動床反応器10に供給される。ガス状のオレフィンなどは、たとえばモノマー供給ライン9から連続的に供給され、循環ガスブロワー7により、循環ライン6を介して流動床反応器10下方から多孔板などのガス分散板4を介して吹き込まれる。これにより流動床(反応系)5は、流動状態に保持される。固体触媒が流動状態に保持された流動床5に吹き込まれたオレフィンは、ここで重合反応して、ポリマー粒子(ポリオレフィン)が生成する。生成したポリマー粒子は、前段の流動床反応器10から連続的に抜き出されポリマー輸送ライン12を介して後段の流動床反応器20に連続的に供給される。流動床5を通過した未反応のガス状のオレフィンなどは、流動床反応器10上方に設けられた減速域3で減速されて流動床反応器10外に排出され、熱交換器8において重合熱が除去されて循環ライン6から再び流動床5に循環される。水素などの分子量調節剤は、気相流動床反応装置の任意の場所、たとえばモノマー供給ライン9から供給することができる。
【0009】
後段では、流動床反応器20に前段の流動床反応器10で製造されたポリマー粒子がポリマー輸送ライン12を介して供給されること以外は、前段と同様に重合が行われ、生成したポリマー粒子は、ポリマー排出ライン21を介して連続的に抜き出される。なお図中13は減速域であり、14はガス分散板であり、15は流動床(反応系)であり、16は循環ラインであり、17は循環ガスブロワーであり、18は熱交換器であり、19はモノマー供給ラインである。
【0010】
本発明は、例えば上述したような多段流動床反応器を用いて、気相でオレフィンを多段重合する際の、少なくとも前段の重合条件の変更を含む重合条件変更方法である。
【0011】
前段の重合条件の変更方法としては特に限定されないが、たとえば以下のような方法が採用される。
▲1▼固体触媒を重合器に定常状態のまま供給しながら、コモノマー組成、水素濃度、重合温度等の重合条件を順次変更する方法
▲2▼固体触媒の供給量を減少させるかまたは固体触媒の供給を停止して、重合器内の重合量が定常状態の50%以下となった後に、モノマー組成、水素濃度、重合温度等の重合条件を同時にまたは順次変更し、次に固体触媒の供給量を定常状態に復元する方法。この場合、重合器からのポリマー粒子の排出を減少させても、増加させてもよく、排出を停止してもよい。
【0012】
重合条件の変更幅は、コモノマー組成では通常0.1〜10モル%、好ましくは1〜5モル%の範囲である。
水素濃度では通常1〜2000ppm、好ましくは20〜600ppmの範囲である。
【0013】
重合温度では通常30〜200℃、好ましくは40〜150℃の範囲である。
前記▲2▼の方法は、重合条件変更前後のポリオレフィンのメルトフローレート(MFR)の値の比が1/2以下または2以上、特に1/3以下または3以上となるように変更する場合、または密度の値(g/cm)を0.005以上、特に0.010以上変更する場合に好適である。
【0014】
本発明では上記のような前段の重合条件変更時に、または重合条件変更前に後段の重合器の流動床の容積を減少させ、前段の重合条件の変更が終了した時(定常状態になった時)に、後段の流動床の容積を定常状態の70%以下、好ましくは30〜60%の範囲内とする。後段の重合器の流動床の容積を減少させる方法としては、前段の重合器から供給するポリマー粒子の量を減少させる方法、ポリマー粒子の供給を停止させる方法、後段の重合器から排出するポリマー粒子の量を増加させる方法などがある。
【0015】
後段の重合条件を変更する場合は、前段の重合条件の変更と同時に行ってもよく、前段の重合条件の変更が終了した後に行ってもよい。後段の重合条件の変更方法としては、前段の重合条件の方法と同じ方法を採用することができる。
【0016】
後段の流動床の容積は、前段の重合条件の変更が終了した後に定常状態に復元するが、後段の重合条件を変更する場合には、後段の重合条件を変更した後に定常状態に復元することが好ましい。
【0017】
本発明では、オレフィンを多段気相重合する際において少なくとも前段の重合条件の変更を含む重合条件の変更方法であって、前段の重合条件の変更が終了した時に、後段の流動床の容積を定常状態の70%以下としているので、規格外品の生成を少なくすることができる。
【0018】
本発明の方法は、固体状チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物触媒成分とからなる固体状チタン系触媒または、ジルコノセンなどの遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)などが微粒子状担体に担持されてなる固体状メタロセン系触媒を用いたオレフィンの気相重合に適用することができる。
【0019】
前記固体状チタン系触媒は、後述するような固体状チタン触媒成分(a−1) と、有機アルミニウム化合物(b−1) とからなる。また、前記固体状メタロセン系触媒は、後述するような周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物(a−2) と、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物(b−2) と、微粒子状担体とからなる。
【0020】
固体チタン触媒成分(a−1) は、下記のようなマグネシウム化合物、チタン化合物、および電子供与体を接触させることにより調製される。
固体チタン触媒成分(a−1) の調製に用いられるチタン化合物としては、たとえばTi(OR)4−g (式中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子、0≦g≦4)で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン含有チタン化合物、特にテトラハロゲン化チタンが好ましい。中でも、四塩化チタンが特に好ましく用いられる。また、3価のチタン化合物を用いることもできる。
【0021】
固体チタン触媒成分(a−1) の調製に用いられるマグネシウム化合物としては、還元性を有するマグネシウム化合物および還元性を有しないマグネシウム化合物を挙げることができる。ここで還元性を有するマグネシウム化合物としては、たとえばマグネシウム−炭素結合あるいはマグネシウム−水素結合を有するマグネシウム化合物を挙げることができる。還元性を有しないマグネシウム化合物は、上述した還元性を有するマグネシウム化合物から誘導した化合物あるいは触媒成分の調製時に誘導した化合物であってもよい。なお、マグネシウム化合物は上記の還元性を有するマグネシウム化合物および還元性を有しないマグネシウム化合物の他に、マグネシウム化合物と他の金属との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合物であってもよい。さらに上記の化合物を2種以上組み合わせた混合物であってもよい。マグネシウム化合物としては、還元性を有しないマグネシウム化合物が好ましく、特に好ましくはハロゲン含有マグネシウム化合物であり、さらに、これらの中でも塩化マグネシウム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩化マグネシウムが好ましく用いられる。
【0022】
固体チタン触媒成分(a−1) の調製に用いられる電子供与体としては、有機カルボン酸エステル、多価カルボン酸エステルなどが挙げられる。
固体チタン触媒成分(a−1) は、上記したようなマグネシウム化合物(もしくは金属マグネシウム)、電子供与体およびチタン化合物を接触させることにより製造することができる。固体チタン触媒成分(a−1) を製造するには、マグネシウム化合物、チタン化合物、電子供与体から高活性チタン触媒成分を調製する公知の方法を採用することができる。なお、上記の成分は、たとえばケイ素、リン、アルミニウムなどの他の反応試剤の存在下に接触させてもよい。
【0023】
有機アルミニウム化合物触媒成分(b−1) としては、少なくとも分子内に1個のAl−炭素結合を有する化合物が利用できる。このような化合物としては、たとえば、
(i)一般式(RAl(O(R))
(式中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子を通常1〜15個、好ましくは1〜4個含む炭化水素基を示す。Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であって、しかも、m+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物、
(ii)一般式(M)Al(R
(式中、MはLi、NaまたはKを示し、Rは前記(i)におけるRと同じである。)で表わされる第1属金属とアルミニウムとの錯アルキル化物などを挙げることができる。
【0024】
固体状チタン系触媒は、固体チタン触媒成分(a−1) と、有機アルミニウム化合物触媒成分(b−1) と、必要に応じて電子供与体触媒成分とから形成されるが、これら触媒成分にはオレフィンが予備重合されていてもよい。
【0025】
電子供与体触媒成分としては、下記一般式(iii)で示される有機ケイ素化合物を用いることができる。
Si(OR’)4−n …(iii)
(式中、RおよびR’は炭化水素基であり、nは0<n<4を満たす数である。)
さらに電子供与体触媒成分として、下記一般式(iv)で示される有機ケイ素化合物を用いることもできる。
【0026】
SiR (OR3−m …(iv)
(式中、Rはアルキル基を有していてもよいシクロペンチル基であり、具体的には、シクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、2−エチルシクロペンチル基、2,3−ジメチルシクロペンチル基などのアルキル基を有するシクロペンチル基が挙げられる。Rはアルキル基、シクロペンチル基およびアルキル基を有するシクロペンチル基からなる群より選ばれる基であり、Rは炭化水素基である。mは0≦m≦2を満たす数である。)
次に固体状メタロセン系触媒を形成するメタロセン化合物(a−2) 、有機アルミニウムオキシ化合物、イオン化イオン性化合物(b−2) および微粒子状担体について説明する。
【0027】
周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物(a−2) は、具体的には、下記一般式(v)で表される。
…(v)
式中、Mは周期表第4族から選ばれる遷移金属であり、具体的にジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、xは遷移金属の原子価である。
【0028】
Lは遷移金属に配位する配位子であり、これらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。
【0029】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、たとえば、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−またはi−プロピルシクロペンタジエニル基、n−,i−,sec−,t−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基などのアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基、さらにインデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
【0030】
前記一般式(v)で示される化合物が配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0031】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLとしては、炭素原子数が1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、Rはアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基またはハロゲン原子またはアルキル基で置換されたアリール基である。)などが挙げられる。
【0032】
炭素数原子数が1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;ベンジル基、ネオフィル基などのアラルキル基が挙げられる。
【0033】
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基などが挙げられる。アリーロキシ基としては、フェノキシ基などが挙げられる。スルホン酸含有基(−SO)としては、メタンスルホナト基、p−トルエンスルホナト基、トリフルオロメタンスルホナト基、p−クロルベンゼンスルホナト基などが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0034】
またメタロセン化合物として、下記一般式(vi)で表される化合物を用いることもできる。
…(vi)
(式中、Mは周期表第4族またはランタニド系列の金属であり、Lは、非局在化π結合基の誘導体であり、金属M活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、Xは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素、ハロゲンまたは20以下の炭素、ケイ素またはゲルマニウムを含有する炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である。)
このような前記一般式で表される化合物のうちでも、下記一般式で示される化合物が好ましい。
【0035】
【化1】
Figure 0003597674
【0036】
式中、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、Xは、上記と同様である。CpはMにπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基である。Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期表第14族の元素(たとえばケイ素、ゲルマニウムまたは錫)であり、Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成してもよい。
【0037】
上記のようなメタロセン化合物は、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノオキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。なお.有機アルミニウムオキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
【0038】
イオン化イオン性化合物は、前記遷移金属化合物(a−2) と反応してイオン対を形成する化合物であって、特表平1−501950号公報、特表平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、特開平4−253711号公報などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示することができる。
【0039】
固体状メタロセン系触媒は、上記メタロセン化合物(a−2) および、上記有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物(b−2) が、微粒子状担体に担持されている。
【0040】
微粒子状担体としては、たとえばSiO、Al、B、MgO、ZrO、CaO、TiO、ZnO、SnO、BaO、ThOなどの無機酸化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの樹脂を用いることができる。微粒子状担体としては、通常SiOまたはSiOを主成分とする担体が用いられる。これらの微粒子状担体は、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
【0041】
また固体状メタロセン系触媒を形成するに際しては、メタロセン化合物(a−2) および有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物(b−2) とともに前述した有機アルミニウム化合物を用いてもよい。
【0042】
固体状メタロセン系触媒は、メタロセン化合物(a−2) と、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物(b−2) とが、微粒子状担体に担持されて形成されるが、固体状メタロセン系触媒にはオレフィンが予備重合されていてもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明によると、流動層型重合器を用いたオレフィンの多段気相重合において重合条件を変更する際に、規格外品の生成量が少ない。
【0044】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0045】
【実施例1】
内径が1.0m、流動床高さが1.4mの気相重合器および内径が0.8m、流動床高さが1.6mの2つの気相重合器を用い、触媒としてメタロセン化合物およびメチルアルミノキサンをシリカに担持したものを使用してエチレンの2段重合および重合条件の変更を行った。前段の重合器の圧力は20kg/cm−G 、モノマー組成を57モル%とし、後段の重合器の圧力は17kg/cm−G 、モノマー組成を94モル%とした。コモノマーはともに1−ヘキセンを用いた。また変更前の重合条件は、前段の重合温度が80℃、後段が85℃、メルトフローレートおよび密度は、前段、後段のいずれも4.0g/10分および0.915g/cmであり、目標とする重合条件は、前段の重合温度が70℃、メルトフローレートが0.5g/10分、密度が0.905g/cm、後段の重合温度が85℃、2段重合品のメルトフローレートが2.0g/10分、密度が0.915g/cmとした。
【0046】
まず前段の条件変更を行ない、前段のガス組成およびポリマー組成が所定の条件になるまでの間に、後段の流動床容積を定常時の50%とし、後段のガス組成を目標とする値に設定した。その後、後段ポリマーの排出速度を下げることにより流動床容積を徐々に定常時の値に戻した。なお流動床容積を測定する方法としては、特開平8−259612号公報に示される流動床内の高さの異なる2点間の差圧を測定することにより流動床高さを測定する方法を用いた。その結果、前段の条件変更が終わってから4時間で条件変更が完了し、この間規格外品は定常時の3時間分であった。
【0047】
【比較例1】
装置および変更前後の重合条件を実施例1と同じとする条件変更を行った。前段のガス組成およびポリマー組成が所定の条件になるまでの間に、後段のガス組成を目標とする値に設定した。ただしこのときに後段の流動床容積は変化させなかった。その結果、前段の重合条件の変更が終わってから5時間で条件変更が完了し、この間の規格外品は定常時の5時間分であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】多段気相流動床反応装置の一例を示す概略図である。

Claims (1)

  1. 流動層型重合器を用いてオレフィンを多段気相重合する際の、少なくとも前段の重合条件の変更を含む重合条件変更方法であって、
    前段の重合条件の変更が終了した時に、後段の流動床の容積が定常状態の70%以下となるように、前段の重合条件変更時または変更前に後段の流動床の容積を減少させ、前段の重合条件の変更が終了した後に、後段の流動床の容積を定常状態に復元することを特徴とするオレフィンの多段気相重合における重合条件変更方法。
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