JP3597261B2 - シャッターまたは自動ドアの開閉制御装置 - Google Patents

シャッターまたは自動ドアの開閉制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シャッターや自動ドアを開閉限位置でモータに供給されている電力を遮断して停止させるシャッターまたは自動ドアの開閉制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のシャッターまたは自動ドアの開閉制御装置としては、例えば、シャッターが開動作の上限位置または閉動作の下限位置に到達したときは、リミット装置によりそのシャッターの移動を停止するようにしたものが実開平5−40598号公報に提案されている。
【0003】
この開閉制御装置では、停止スイッチおよび閉スイッチの同時操作を行うことによりモータを駆動させ、シャッターが下限位置で停止したとき信号処理回路が出力する設定信号によってソレノイドを励磁させ、このソレノイドによるカウンタのゼロセットによってシャッターの下限位置とカウンタのカウント値とを対応させ、以後のシャッターの駆動制御において、上記シャッターをその設定された下限位置で自動停止させるように、モータ等を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシャッターまたは自動ドアの開閉制御装置は以上のように構成されているので、カウンタとしてメカニカルなアナログカウンタが使用されることによって、最初に下限位置設定のためのプリセット操作が必要で、このプリセット操作のためにソレノイド(プランジャ)機構を用いることとなるため、構成が複雑かつ高価格化するほか、上記下限位置の設定のためにだけ上記ソレノイド,スイッチ回路および電気配線を設けることは不経済であるという問題点があった。
【0005】
また、上記カウンタは各桁の表示が“999”から“000”に変化したときスイッチオンまたはスイッチオフしてスイッチ信号を出力するものであるところから、上記シャッターの下限位置としての一点しか検出できず、つまり“999”に至るまでの指定した任意のカウント数でスイッチ動作させることができず、シャッターの所望の開度位置(例えば、換気開度,採光開度)での停止または保持を行えないなどの問題点があった。
【0006】
また、上記シャッターの位置をこのシャッターに連動する可変抵抗器の抵抗値を用いたり、シャッターの移動量に合わせてねじ上を移動する可動片によりリミットスイッチを動作させて対応検出することも可能であるが、通常の可変抵抗器の操作軸の回転操作領域や上記可動片の移動量に制約があるため、モータの過剰な回転および誤った位置設定によって、上記可変抵抗器や可動片を破損に至らしめるなどの問題点があった。
【0007】
この発明は上記のような従来の問題点に着目してなされたものであり、シャッターまたは自動ドアの下限位置の設定のプリセット操作のためにプランジャなどの大掛りで高価なプリセット機構の使用を回避できるとともに、停電後の電源回復後も引き続きシャッターまたは自動ドアの上限,下限の位置検出を高精度に実施でき、さらに、故障を生じることなくシャッターまたは自動ドアを任意の開閉量に設定できるシャッターまたは自動ドアの開閉制御装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るシャッターまたは自動ドアの開閉制御装置は、モータの回転をシャッターまたは自動ドアに必要な昇降量に対して一回転以内に出力軸の回転を減速する減速機と、該減速機の出力軸に取り付けられた第1の摺動子およびこの第1の摺動子が摺動する無端円形の厚膜抵抗部を有し、上記厚膜抵抗部の一点がリード線取り出し部に接続され、上記摺動子の上記厚膜抵抗部に対する摺接位置に応じた電位変化を検出するポテンショメータと、該減速機の出力軸に取り付けられた第2の摺動子およびこの第2の摺動子が摺動する180度円弧状の導体部を有し、上記出力軸の回転角度が180度を境にしてスイッチ状態が変化するスイッチ部と、上記ポテンショメータの抵抗値と上記スイッチ部の出力値に応じて出力軸の回転位置を検知し、上記シャッターまたは自動ドアの上限位置または下限位置の設定操作にもとづいて、制御回路部に、上記モータを駆動させ、さらに上記シャッターまたは自動ドアが上限位置または下限位置で停止したときの上記出力軸の回転角を求めて記憶させ、この回転角を設定された上限位置または下限位置として、上記モータを制御させるようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を説明する。
図1および図2はこの発明のシャッターの開閉制御装置の構成を示す正面図および側面図であり、図において、30は直流モータとしてのモータ、31はモータ30に接続されたギャヘッドである。
【0010】
また、32はギャヘッド31の出力軸であり、この出力軸32には、図示しないが、複数のシャッターを吊持しているチェーンを駆動するスプロケットなどが取り付けられている。
【0011】
さらに、33はモータ30の回転速度を減速する減速機、34はこの減速機33に連設されて、この減速機の出力軸の回転位置を検出する位置検出部である。
【0012】
ここで、上記減速機33は、上記シャッターに必要な昇降量に対して位置検出部34における上記出力軸の一回転以内に入るように上記モータの回転速度に対する減速比が設定されている。
【0013】
上記位置検出部34は全体として図示のようなコ字状断面の有底円筒体35に設けられ、これの中心部にポテンショメータの一部となる上記減速機33の出力軸36が貫通している。
【0014】
そして、この出力軸36の先端部には長短の各一の摺動子37,38がねじ39により固定されている。なお、この摺動子37,38は一体または別体で形成され、それぞれ先端部に接点37a,38aを有する。
【0015】
40は上記有底円筒体35の開口部に装着された円板状の絶縁基板であり、これの各摺動子37,38に対向する面側にリング状(無端状)に一定の幅で厚膜抵抗部41が印刷などにより形成され、これが上記摺動子37とともにポテンショメータPを構成している。
【0016】
また、その厚膜抵抗部41は一点(一箇所)が外部へ摺動子37との間の電位変化を取り出すためのリード線取り出し部42とされている。そして、この厚膜抵抗部41上に上記摺動子37の接点が摺動自在に接触している。
【0017】
43は上記厚膜抵抗部41の内側の絶縁基板40上に印刷などにより設けられた導体部であり、これの一端部は上記リード線取り出し部42に対向する位置(同一角度位置)にあり、他端がその位置から180度の角度まで延び、この導体部43は全体として円弧形状をなす。
【0018】
44はその導体部43に設けられて外部へ摺動子38に対する電位の変化を取り出すためのリード線取り出し部である。なお、上記導体部43は摺動子38とともにスイッチ部Sを構成している。
【0019】
従って、上記ポテンショメータPでは厚膜抵抗部41上を360度のいずれの角度領域にも、また左右いずれの方向へも摺動子37の接点37aを摺接可能にし、その摺動子37およびリード線取り出し部42間の抵抗値は図3(b)に示すように変化する。
【0020】
また、上記スイッチSでは円弧状の導体部43上を360度のいずれの領域にも、また左右いずれの方向へも摺動子38の接点38aが摺接可能であり、その摺動子38の一回転(360度)で得られる電位変化、つまりスイッチ状態は、図3(a)に示すように変化する。従って、各摺動子37,38、すなわち出力軸36の各回転位置が上記抵抗値の変化およびスイッチ状態に応じて、360度のすべての領域内において正確に検知可能となる。
【0021】
すなわち、厚膜抵抗部41のリード線取り出し部42から180度の位置を境にして、スイッチ部Sの出力値を変えることで、ポテンショメータPの360度の角度領域におけるいずれの位置検出も十分に行える。
【0022】
図4は上記シャッターの開閉制御装置を示すブロック接続図であり、図において、1は商用電源に接続された電源部、2は該電源部1から電力を受けて上記シャッター駆動用の上記モータ30を制御する制御回路部である。
【0023】
また、3は上記シャッターの下降を指令する下降スイッチ、4は停止を指令する停止スイッチ、5は上昇を指令する上昇スイッチ、6は上記下降スイッチ3または上昇スイッチ5と同時に操作されて、シャッターの上限位置および下限位置を設定するための設定スイッチである。
【0024】
上記の各下降スイッチ3,停止スイッチ4,上昇スイッチ5および設定スイッチ6はそれぞれ各指令信号を制御回路部2に入力する。
【0025】
7は上記位置検出部34を構成する上記ポテンショメータPの出力をディジタル変換して上記制御回路部2に入力するA/D変換器、8は制御回路部2からの制御出力を受けて、上記モータ30を駆動するモータドライバーである。
【0026】
次に動作について説明する。まず、自動開閉を行わせるに当ってシャッターの上限および下限位置の設定を行う。すなわち、シャッターの上限位置の設定時にには、上昇スイッチ5および設定スイッチ6を同時に押す。
【0027】
この上昇スイッチ5および設定スイッチ6のオン信号により、制御回路部2はシャッターを上昇する方向に駆動する制御信号をモータドライバー8へ出力し、このためモータ30は同方向に駆動開始される。
【0028】
このモータ30の駆動によって、ギャヘッド31を介して出力軸32に回転が伝えられ、この出力軸32に取り付けられたスプロケット(図示しない)によりシャッターが引き上げられる。そして、このシャッターが上限位置に達すると、これ以上上昇することができず、そのシャッターは停止する。
【0029】
一方、このシャッターの上昇時には減速機33がモータ30の回転を減速して他の出力軸36に伝える。このため、ポテンショメータPおよびスイッチ部Sの各摺動子37,38が共に回転し、摺動子37の接点37aは厚膜抵抗部41上の位置(回転角度)を変えて、図3(b)に示すように、その位置に応じた抵抗値に対応する電位信号を摺動子37およびリード線取り出し部42間に出力する。
【0030】
また、スイッチSの摺動子38は接点38aを導体部43またはこの導体部43がない絶縁部の所定位置にあり、その位置に応じた、図3(a)に示すようなスイッチの状態信号を出力する。
【0031】
従って、上記モータ30の回転時には上記ポテンショメータPおよびスイッチ部Sからの2種類のスイッチ信号が制御回路部2に入力されて、上記出力軸36の回転位置としてのシャッター位置信号を演算している。
【0032】
そして、上記上昇スイッチ5および設定スイッチ6の同時操作にもとづくシャッター停止時に、制御回路部2は演算した上記シャッター位置信号をシャッターの上限位置としてメモリ(図示せず)に記憶し、上記モータ30の駆動を停止させて、上限位置の設定を終了する。
【0033】
次に、シャッターの下限位置を設定する場合には、下降スイッチ3および設定スイッチ6を同時に押す。これにより制御回路部2はシャッターを下降する方向に駆動する信号をモータドライバー8へ出力する。このため、モータ30は同方向に駆動開始される。
【0034】
これにより、シャッターは引き下げられて、下降位置に達するとシャッターは停止する。このため、制御回路部2は上記シャッター上昇時の場合と同様に、上記ポテンショメータPおよびスイッチ部Sの各出力にもとづいて演算したシャッター位置信号を、そのシャッターの下限位置としてメモリに記憶し、上記モータ30の駆動を停止して、シャッターの下限位置の設定を終了する。
【0035】
次に、閉状態にある上記シャッターを開作動させる場合には、上記上昇スイッチ5を押す。これにより、制御回路部2は上昇指令信号を入力としてモータドライバー8に上昇制御信号を出力する。従って、モータドライバー8はモータ30をシャッターの上昇方向に駆動する。
【0036】
一方、上記モータ30の回転位置はポテンショメータPおよびスイッチ部Sによって監視されており、この回転位置が上記メモリに記憶した上限位置に達するまで制御回路部2は上記モータ30を駆動し、上限位置に達するとモータ30を停止して、シャッターの上昇を停止する。
【0037】
また、この開状態にあるシャッターを閉作動させる場合には、下降スイッチ3を押せばよい。これにより制御回路部2はモータドライバー8に下降制御信号を出力し、モータ30がシャッターの下降方向に駆動される。
【0038】
このときも、そのモータ30の回転位置はポテンショメータPおよびスイッチSによって監視されており、その回転位置が上記メモリに記憶した下限位置に達するまで、制御回路部2はモータ30の駆動を継続する。
【0039】
そして、上記回転位置が上記記憶した下限位置に達することにより、モータ30は自動停止され、このためシャッターもその下限位置にて下降を停止することとなる。
【0040】
従って、このような実施の形態にあっては、シャッターの上限位置,下限位置の設定操作には、アナログカウンタやこれのプリセット操作を行うプランジャなどの機構を別途用意する必要がなくなり、経済性が向上するほか、360度回転型のポテンショメータの使用によって、上記上限,下限の位置を制御回路部にて広い範囲に亘って簡単かつ迅速に設定できる。
【0041】
また、上記ポテンショメータPおよびスイッチ部Sにおける各摺動子37,38の位置が、360度以上の広い領域に亘って常時監視される構成であるため、一点しかスイッチ検出できないアナログカウンタを使った場合に比べて、外部から換気開度指令や採光開度指令など、所望の開度でシャッターを開かせたり閉じたりする指令信号を入力することで、制御回路部2の制御下で、任意の開度にシャッターを駆動制御できる。
【0042】
また、開閉制御装置の回路電源が停電となった場合でも、上限および下限の各設定値を不揮発性のメモリに記憶しておくことで、電源回復後も、引き続きそのメモリに記憶してある設定値にて、シャッターの開閉制御を安全に再実施できる。
【0043】
そして、上記ポテンショメータPは、従来の一定の回転角の領域のみに限って回転できる抵抗器とは異なり、いずれの方向にも360度以上の回転角の領域で回転できるため、位置検出時の過回転によっても摺動子37が破損することはない。
【0044】
なお、上記実施の形態ではシャッターの開閉制御について説明したが、自動ドアの開閉制御についても同様に利用でき、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば減速機の出力軸に取り付けられた第1の摺動子およびこの第1の摺動子が摺動する無端円形の厚膜抵抗部を有し、厚膜抵抗部の一点がリード線取り出し部に接続され、摺動子の厚膜抵抗部に対する摺接位置に応じた電位変化を検出するポテンショメータと、減速機の出力軸に取り付けられた第2の摺動子およびこの第2の摺動子が摺動する180度円弧状の導体部を有し、出力軸の回転角度が180度を境にしてスイッチ状態が変化するスイッチ部と、ポテンショメータの抵抗値とスイッチ部の出力値に応じて出力軸の回転位置を検知し、シャッターまたは自動ドアの上限位置または下限位置の設定操作にもとづいて、制御回路部に、モータを駆動させ、360度の回転領域で回転するポテンショメータおよびスイッチ部の出力にもとづき上記シャッターまたは自動ドアが上限位置または下限位置で停止したときの出力軸の回転角を求めてメモリに記憶させ、この回転角を設定された上限位置,下限位置として上記モータを制御されるように構成したので、シャッターまたは自動ドアの上限位置や下限位置の設定のプリセット操作のためにプランジャなどの大掛りで高価なプリセット機構の使用を回避できるとともに、停電後の電源回復後も引き続きシャッターまたは自動ドアの上限,下限検出を高精度に実施でき、さらに、故障を生じることなくシャッターまたは自動ドアを任意の開閉量に設定できるものが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態によるシャッターまたは自動ドアの開閉制御装置の要部を示す正面図である。
【図2】図1における開閉制御装置の要部を示す側面図である。
【図3】図1におけるポテンショメータの抵抗値およびスイッチ部の状態の各変化を示すタイミングチャートである。
【図4】この発明の開閉制御装置の電気回路を示すブロック接続図である。
【符号の説明】
2 制御回路部
30 モータ
33 減速機
34 位置検出部
36 出力軸
37,38 摺動子
41 厚膜抵抗部
P ポテンショメータ
S スイッチ部

Claims (1)

  1. シャッターまたは自動ドアの下限位置または上限位置でモータに供給されている電力を遮断して上記シャッター又は自動ドアを停止させるシャッターまたは自動ドアの開閉制御装置において、上記モータの回転を上記シャッターまたは自動ドアに必要な昇降量に対して一回転以内に出力軸の回転を減速する減速機と、該減速機の出力軸に取り付けられた第1の摺動子およびこの第1の摺動子が摺動する無端円形の厚膜抵抗部を有し、上記厚膜抵抗部の一点がリード線取り出し部に接続され、上記摺動子の上記厚膜抵抗部に対する摺接位置に応じた電位変化を検出するポテンショメータと、該減速機の出力軸に取り付けられた第2の摺動子およびこの第2の摺動子が摺動する180度円弧状の導体部を有し、上記出力軸の回転角度が180度を境にしてスイッチ状態が変化するスイッチ部と、上記ポテンショメータの抵抗値と上記スイッチ部の出力値に応じて出力軸の回転位置を検知し、上記シャッターまたは自動ドアの上限位置または下限位置の設定操作にもとづいて上記モータを駆動させ、上記シャッターまたは自動ドアが上限位置または下限位置で停止したときの上記出力軸の回転角を演算して記憶し、この回転角を設定された上限位置または下限位置として、上記モータを制御する制御回路部とを備えたシャッターまたは自動ドアの開閉制御装置。
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