JP3596427B2 - 防水コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防水コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図23および図24には、特開平5−326066号に開示された防水コネクタを示した。
この防水コネクタ100には、端子金具101を収容可能なキャビティ105を備えたハウジング102と、このハウジング102の後面を水密状に閉止する防水部材104と、ハウジング102に組み付いて防水部材104を抜け止めするカバー103とが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般にコネクタにおいては、全てのキャビティ105が使用されるわけではなく、回路構成によっては不要となるキャビティ105が発生することがある。上記の防水コネクタ100においては、不要なキャビティ105が発生した場合には、そのキャビティ105への端子金具101の装着を防止するために、空室となるキャビティ105へダミー栓を突っ込むことがなされきた。そのようなダミー栓を予めカバー103の内面に形成しておいて、カバー103の装着と共にダミー栓が所定のキャビティに突っ込まれる、という方式を採用することも考えられる。他には、ダミー栓はカバーとは別個に成形され、カバーの開口103Aを通してキャビティ内に突っ込む、という方式も考えられる。
しかし、前者の方式ではカバーが専用品となり、空きキャビティの位置の変動があった場合に対応しにくい。また、後者の方式ではダミー栓はカバーの奥にあるキャビティへ突っ込むことになるため、挿入作業がしにくくなる、という問題がある。
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電線周りと相手側コネクタとの間を共に防水する防水部材を設けた防水コネクタにおいて、ダミー栓の装着作業を行いやすいものを提供すること、また回路構成が異なる場合にも、最小限度の変更で済むものを提供することにある。他の目的は、前後長さの短い防水コネクタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために請求項1の発明に係る防水コネクタは、端子金具を収容可能な複数のキャビティを設けたハウジングと;このハウジングの後側に配されるとともに、前記端子金具に接続された電線を水密状に挿通可能な電線挿通孔と前記ハウジングに嵌合される相手側ハウジングと当該ハウジングとの間を水密状に保持するハウジング防水部とを備えた防水部材と;この防水部材の後側に配されて前記ハウジングに組み付けられて、前記防水部材を抜止保持するカバーとが設けられた防水コネクタであって、前記カバーには、前記防水部材の電線挿通孔の後側開口を一括して後方に開放可能な全面開口が設けられ、前記全面開口には、プレートが組み付けられるようになっており、このプレートには、前記複数のキャビティのうち使用されるキャビティに対応する位置に、前記電線を挿通可能な電線通過口が設けられる一方、不使用とされるキャビティに対応する位置に、前記防水部材の電線挿通孔に挿入可能なダミー栓が突設されていることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものであって、前記防水部材の後端部を前記全面開口内に臨ませて、防水部材の後端面を前記カバーの後端面とほぼ面一かあるいは内方へ引っ込んで位置させることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものであって、前記防水部材には、前記電線挿通孔の形成領域の周囲において対向する位置に少なくとも一対の係止孔が設けられている一方、前記プレートには、前記係止孔に係合可能な係止突部が突設されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のものであって、前記カバーにおける前記プレートが組み付けられる表面には、前記プレートの周囲を取り囲むように突出するとともに突出端面が前記プレートの表面と面一かそれよりも外方へ突出する形態の保護リブが形成されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の作用、および発明の効果】
請求項1の発明によれば、カバーには全面開口が設けられて防水部材の電線挿通孔を露出させるようにしたため、電線挿通孔が外部から確認しやすく端子金具の挿入作業性に優れる。
また、防水コネクタの回路構成を変更する場合には、プレートのみを変更すればよいため、ハウジング全体を変える必要がなく最小限の変更で済む。
請求項2の発明によれば、従来のように、防水部材の後端面をカバーの後端面で覆っていたものに比較して、カバーの後端面の厚み分だけ寸法低減が図れるため、防水コネクタ全体の前後長さを小さくできる。
【0009】
請求項3の発明によれば、プレートの電線通過口を経て防水部材の電線挿通孔内へ端子を挿入する。端子金具は電線挿通孔周りの肉を外側へを圧迫しながら挿入されるため、挿入作業の進行に伴って肉が偏り、未挿入の電線挿通孔が原位置からずれようとする。しかし、係止突部と係止孔との係合によって、プレートと防水部材との位置ずれが規制されているので、電線挿通孔と電線通過口との整合状態が保持されたままとなっているから、端子金具の挿入が容易になる。
請求項4の発明によれば、プレートの周囲を取り囲むように保護リブを設けているので、他の部材との干渉に起因するプレートの破損や外れが防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】
<参考例>
次に、本発明の参考例について、図1〜図9を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の記述において特に断らない限り、両ハウジング4,6が互いに嵌合する側を前側とし、図1に示す態様で上下方向を示す。
図1には、防水コネクタ1の分解斜視図を示した。この防水コネクタ1には、雌側の端子金具2を収容可能なキャビティ3を備えたハウジング4と、このハウジング4の下面側から組み付けられるリテーナ5と、ハウジング4の後面から組み付けられる防水部材7と、この防水部材7を抜止保持するカバー8とが設けられている。
【0011】
ハウジング4は、合成樹脂により略直方体状に形成されており、その内部には端子金具2に加えて、二種類の短絡端子9,10が装着可能とされている。ここでまず、図5を参照しつつ端子金具2の構成について説明する。端子金具2は、導電性板材を折り曲げて形成されており、その後部には電線Wを接続可能なバレル部2Aが設けられている。また、端子金具2の前部には、後述する雄タブ11を連結可能な角筒状の連結部2Bが設けられている。
【0012】
この端子金具2は、ハウジング4のキャビティ3内部に装着可能とされている。キャビティ3は前後に開口されており、その前方は相手側の雄タブ11が侵入する連結孔3Aとして小さく開口されている一方、後方は端子金具2を挿入可能な端子挿入孔3Bとして大きく開口されている。端子金具2は、ハウジング4の下面側に開口されているリテーナ装着口4Aから組み付けられるリテーナ5によって、キャビティ3内部に抜け止めされる。
なお、リテーナ5とハウジング4とは、より浅い位置で係合する仮係止位置と、より深い位置で係合する本係止位置との二つの係止位置が設定されている。仮係止位置では、端子金具2のキャビティ3への挿脱が可能とされている一方、本係止位置では、端子金具2がキャビティ3内に抜け止めされるようになっている。
【0013】
また、ハウジング4の上面中央には、上下方向に弾性変形可能なロックアーム14が設けられている。ロックアーム14の前端部分は、ハウジング4の上面側に連結されて、片持ち状とされている。また、ロックアーム14の中央には、上方に向かって係合突部14Aが突設されており、この係合突部14Aが相手側ハウジング6に係合することで、両ハウジング4,6が抜止保持される。このロックアーム14の下方空間の底面には、短絡端子組付部41が設けられており、ここには短絡端子9が組み付け可能とされている。また、ハウジング4には、下端部に四個の、中央部に左右一対の計六個の短絡端子用キャビティ42が設けられており、ここには短絡端子10が収容可能とされている。
【0014】
短絡端子9,10のうち、大型の短絡端子9には、上下方向に弾性変形可能な一対の弾性接触片9Aが設けられており、相手側ハウジング6の内部に設けられている一対の短絡片12(図5を合わせて参照)に接触可能とされている。また、小型の短絡端子10(なお図1には、図示の都合上、一対の短絡端子10のみを示している。)には、上下方向に弾性変形可能な弾性接触片10Aが左右一対に設けられている。各弾性接触片10Aは、それぞれが端子金具2の連結部2Bに対して弾性的に接触可能とされている。防水コネクタ1と相手側ハウジング6とが嵌合する前には、端子金具2の連結部2Bに接触する(図5を参照)一方、両ハウジング4,6が嵌合したときには、相手側ハウジング6に設けられている隔離片13によって、弾性接触片10Aと連結部2Bとが離間されるようになっている(図7を合わせて参照)。
【0015】
また、ハウジング4の後面上部においてロックアーム14の左右には、一対の係合縁15が設けられている。この係合縁15には、後述するカバー8の係合アーム17が弾性的に係合可能とされている。また、ハウジング4の後面下部には、左右一対の係合凹部16が凹設されている。この係合凹部16には、カバー8の係合アーム18が弾性的に係合可能とされている。
【0016】
防水部材7は、弾性を備えた材料から形成されており、その前面側にはハウジング4の後面全体を覆う組付開口7Aが設けられている。組付開口7Aは、ハウジング4のロックアーム14を含めて内部に収容可能とされており、防水部材7の後面上部に膨出されている操作部19をハウジング4の外側から押圧操作することによって、ロックアーム14の押し込み操作を可能としている。組付開口7Aの外縁および内縁部分には、それぞれ全周に沿って複数のハウジング防水部20,21が断面波形状に設けられている。外側のハウジング防水部20はカバー8の内面に、また内側のハウジング防水部21は相手側ハウジング6の外面に、それぞれ押し付けられることで僅かに弾性変形して、両ハウジング4,6間を水密状態とする。
【0017】
また、組付開口7Aの孔縁外側には、上下および左右の中央にそれぞれ当接部22,23,24が突設されている。各当接部22,23,24は、カバー8に凹設されている嵌込み部25,26,27に組み付け可能とされている。
また、防水部材7の後面側には、電線Wを挿通可能な電線挿通孔29が複数に渡って開口されている。各電線挿通孔29は、防水部材7の前後を貫通するようにして形成されているとともに、ハウジング4のキャビティ3の位置に合わせて設けられている。また電線挿通孔29の内部壁面には、複数の防水突条29Aが全周に渡って突設されている(図5を参照)。この防水突条29Aの内径は、電線Wの外径よりも僅かに小さく形成されており、電線Wの外周に押し付けられることによって水密構造となる。全ての電線挿通孔29が設けられているところは、防水部材7の後端面が操作部19と同等の位置まで、後部に向かって突設されており、ここが突設部35とされている。
【0018】
また、防水部材7の後面において操作部19の左右両側には、一対のアーム挿通孔30が開口されており、カバー8の係合アーム17が貫通可能とされている。また、アーム挿通孔30の下側において、操作部19に隣接するところには、リブ挿入溝37が設けられている。このリブ挿入溝37は、後面側に開口している一方、前面側は閉止されている(図8を合わせて参照)。リブ挿入溝37には、カバー8に突設される円形リブ38が組み付けられる。
【0019】
また、防水部材7の後面において、下端付近には、カバー8の係合アーム18を貫通可能な左右一対のアーム挿通孔31が開口されている。さらに、防水部材7の後面において、高さ方向の中央には左右一対のリブ装着凹部32が設けられている。このリブ装着凹部32には、カバー8内部に突設されるリブ33が嵌め込まれる。なお、リブ装着凹部32は、防水部材7の後面下端部において、所定の間隔を隔てて合計五個のものが設けられている。
【0020】
カバー8は、図2に示すように、合成樹脂により一体に成型されており、内側には防水部材7が収納可能とされている。カバー8は、前面の全部が開放されており、ここから防水部材7が装着される。また、カバー8の後面側には、防水部材7の電線挿通孔29の後側開口を一括して後方に開放可能な全面開口34が設けられている。全面開口34の孔縁の前後長さは、防水部材7の突設部35の突設高さと同等か、それよりも僅かに長くされている。また、全面開口34の上部には、カバー8の上面に開放する操作部収容溝36が連なっている。また、カバー8の内面側には、操作部収容溝36の両側部に、左右一対の係合アーム17が前方に向かって突設されている。係合アーム17は、上下方向に弾性変形可能にされているとともに、その先端には、下方に向かって係合爪17Aが突設されている。この係合爪17Aは、ハウジング4の係合縁15に係合可能とされている。また、両係合アーム17の下方には、前方に向かって円形リブ38がそれぞれ突設されており、防水部材7のリブ挿入溝37に挿入可能とされている。
【0021】
また、カバー8の内側において、左右中央には一対の、下縁部分には所定の間隔を隔てて五本のリブ33が突設されており、それぞれ防水部材7のリブ装着凹部32に挿入可能とされている。また、下端部の五本のリブ33のうち、両側部から中央に一つ寄ったものの上面側には、一対の係合アーム18が前方に向かって突設されている。係合アーム18の前端には、上方に向かって係合爪18Aが突設されており、ここがハウジング4の係合凹部16に係合可能とされている。なお、係合アーム18は、上下方向に弾性変形可能とされている。
【0022】
また、防水コネクタ1を組み付けた後に、端子金具2をキャビティ3に装着する前には、防水部材7の電線挿通孔29にダミー栓39が挿入される。このダミー栓39は、キャビティ3のうち不使用とされるものに対して嵌め込まれるものであり、キャビティ3への端子金具2の誤挿入を防止するとともに、電線挿通孔29部分を水密状に保持するものである。ダミー栓39は、合成樹脂により一体に形成されており、電線挿通孔29の内径よりも大きな外径を備えた円柱状の挿入部39Aと、この挿入部39Aの後端部に長方形状に張り出し形成されるつまみ部39Bとを備えている。
【0023】
次に、図4を参照しつつ、相手側ハウジング6の構成について説明する。相手側ハウジング6は、合成樹脂により略フード状に一体に形成されており、その内部には、導電性部材からなる複数本の雄タブ11と一対の短絡片12とが収容されている。また、相手側ハウジング6の内部には、隔離片13が形成されている。また、上面内側からは、下方に向かって係合受部40が突設されており、ここがハウジング4のロックアーム14と係合することで、両ハウジング4,6が抜止保持されるようになっている。
【0024】
次に、上記のように構成された本参考例の作用および効果について説明する。
まず、ハウジング4とリテーナ5とを仮係止状態に組み付けるとともに、短絡端子9と、必要な個数の短絡端子10とをハウジング4に組み付けておく。
次に、防水部材7の組付開口7Aから、ハウジング4の後面側を組付ける。このとき、ロックアーム14は、操作部19の内側に収容されるようになっている。
【0025】
次に、防水部材7の後方からカバー8を組付ける。カバー8の係合アーム17,18が、それぞれ防水部材7のアーム挿通孔30,31を貫通するとともに、各係合爪17A,18Aがハウジング4の係合縁15または係合凹部16に弾性的に係合することにより、カバー8とハウジング4とが抜止保持される。このとき、両部材8,4の間に防水部材7が挟み付けられることで、防水部材7が抜け止めされる。なお、カバー8の組付が完了すると、防水部材7のリブ装着凹部32にはカバー8のリブ33が、リブ挿入溝37には円形リブ38がそれぞれ嵌まり込んでいる。さらに、カバー8の先端部分に凹設される嵌込み部25,26,27には、それぞれ当接部22,23,24が嵌まり込んでいる。
【0026】
また、防水部材7の突設部35は、カバー8の全面開口34に収容されており、突設部35の後端面が全面開口34と同じ面にあるか、僅かに内側に退避した状態となっている。
次に、不使用とされるキャビティ3には、ダミー栓39を装着しておく。図3には、四個のダミー栓39を挿入する前の様子を示した。なお、ダミー栓39の装着に際しては、カバー8の後方に大きく開放された全面開口34を通して行うことができるので、自動組付機によっても容易に組み付けることができる。
【0027】
こうして防水コネクタ1の組み付けを完了した後には、電線Wの一端部を接続した端子金具2を所定のキャビティ3に挿入した後に、リテーナ5を本係止位置まで押し込んで、端子金具2を抜止状態とする(図5を参照)。
最後に、防水コネクタ1のハウジング4と、相手側ハウジング6とを嵌合させる。両ハウジング4,6が所定の位置まで嵌め込まれると、ロックアーム14の係合突部14Aが係合受部40に対して弾性的に係合することで係合される。このとき、両ハウジング4,6の間には、防水部材7のハウジング防水部20,21が所定の接圧で挟みつけられており、僅かに弾性変形することで両ハウジング4,6を水密状としている。また、ハウジング4,6の内部では、端子金具2と雄タブ11とが接続されているとともに、一対の短絡片12が短絡端子9の弾性接触片9Aに接触している(図7等を参照)。
【0028】
このように本参考例によれば、カバー8には全面開口34が設けられて防水部材7の電線挿通孔29を露出させるようにしたため、電線挿通孔29が外部から確認しやすく端子金具2の挿入作業性に優れる。また、電線挿通孔29に対し個別にダミー栓39を挿入する場合の作業性にも優れる。
また、従来の防水コネクタ100のように、防水部材104の後端面をカバー103の後端面で覆っていたものに比較すると、カバー8の後端面の厚み分だけ寸法低減が図れるため、防水コネクタ1全体の前後長さを小さくできる。
【0029】
<第1実施形態>
次に、図10〜図19を参照しつつ、本発明の第1実施形態について説明する。なお、参考例と第1実施形態とにおいて、同一の作用を奏する構成には同一の符合を付して、説明を省略する。
本実施形態の防水コネクタ50においては、ハウジング4とリテーナ5及び、両短絡端子9,10は、参考例のものと同様のものを使用している。
【0030】
弾性材から形成される防水部材51の後面側では、操作部19の下方一体が、上方に比べて一段後方に突設されて、突設下部52とされている。この突設下部52の上下左右の端部付近には、電線挿通孔29の形成領域の周囲において対向する位置に、それぞれ係止孔53が設けられている。この係止孔53には、後述するプレート54の係止突部55が嵌まり込む。
【0031】
また、カバー56の全面開口34において、左右の周縁には、上下一対の凹部57が凹設されている。また、全面開口34の周縁において、前部より(防水部材51より)の位置からは、凹部57と係合アーム18とを除いたところに、全面開口34に向かって凸状縁58が突設されている。
【0032】
また、本実施形態の防水コネクタ50には、プレート54が組み付けられる(なお、図10に示したプレート54と、図11および図13に示したプレート54とは、構成が異なっている。つまり、図10のプレート54では、全てのキャビティ3に端子金具2を挿入する構成とされている一方、図11および図13のプレート54では、使用されないキャビティ3に対するダミー栓61が設けられている。但し、図示の都合上、両プレートを同じ符合で示した。)。
プレート54は合成樹脂により一体に形成されており、その外形のうち左右および下端部は、ほぼ全面開口34の形状に合わせられている。また、プレート54の上縁部は、操作部19との当接を避けるために中央に回避溝60が設けられている。プレート54の左右および下端縁は、全面開口34の周縁形状とほぼ同等の形状に形成されている。
【0033】
またプレート54の左右端部は、上下一対に突設される凸部62が設けられており、この凸部62の表面側からは、係止突部55が前方に向かって突設されている。この係止突部55が防水部材51の係止孔53に嵌まり込むことで、防水部材51の四隅の位置が固定されるようになっている。また、凸部62は、全面開口34の凹部57内に位置するようになっている。また、プレート54には、電線挿通孔29と整合する位置に電線Wの前後方向への挿通を許容する電線通過口59が開口されている。
【0034】
また、図11および図13に示すプレート54では、不使用とされるキャビティ3の位置に対応するところには、ダミー栓61が突設されている。このダミー栓61は、参考例におけるダミー栓39の挿入部39Aと同等の構成を備えている。
【0035】
次に、上記のように構成された本実施形態の作用および効果について説明する。
まず、ハウジング4に対して、リテーナ5と両短絡端子9,10とを組み付けておく(なお、リテーナ5は仮係止状態としておく。)。
次に、ハウジング4に防水部材51を組付ける。次に、防水部材51の後方からカバー56を組付ける。カバー56の係合アーム17,18がアーム挿通孔30,31を貫通して、ハウジング4の係合縁15または係合凹部16に弾性的に係合することによりカバー56とハウジング4とが抜止保持されるとともに、防水部材51が両部材4,56の間に挟持される。
【0036】
次に、防水部材51の後面側にプレート54を装着する。プレート54の係止突部55を対応する係止孔53に嵌込むことにより、プレート54の四隅が防水部材51に一体化した状態で固定されている(図19に拡大して示す。)。
【0037】
またこのとき、プレート54のダミー栓61は、不使用とされるキャビティ3に対応する電線挿通孔29に嵌まり込んでおり、端子金具2の誤挿入を防止するとともに、電線挿通孔29からの水の侵入を防止している。
こうして防水コネクタ50の組み付けを完了した後には、電線Wの一端部を接続した端子金具2を、電線通過口59を経て防水部材51の電線挿通孔29およびキャビティ3内へ挿入する。このとき、端子金具2は、電線挿通孔29周りの肉を外側へを圧迫しながら挿入されるため、挿入作業の進行に伴って肉が偏り、未挿入の電線挿通孔29が原位置からずれようとする。しかし、係止突部55と係止孔53との係合によって、プレート54と防水部材51との位置ずれが規制されているので、電線挿通孔29と電線通過口59との整合状態が保持されたままとなっているから、端子金具2の挿入が容易になる。
【0038】
全ての端子金具2を挿入した後に、リテーナ5を本係止位置まで押し込むことで、端子金具2を抜止状態とする(図14を参照)。
最後に、両ハウジング4,6を嵌合させると、ロックアーム14が係合受部40に弾性的に係合することで、両ハウジング4,6が係合される(図16〜図18を参照)。
【0039】
このように本実施形態によれば、防水コネクタ50の回路構成を変更する場合には、プレート54の構造のみを変更すればよいため、ハウジング4全体の構造を変える必要がなく最小限の変更で済む。
また、端子金具2の挿入作業に伴って電線挿通孔29の位置がずれようとしても、プレート54と防水部材51とが、係止突部55と係止孔53との係合によって一体化されているので、電線挿通孔29と電線通過口59との整合状態が保持されるから、端子金具2の挿入が容易になる。
【0040】
<第2実施形態>
次に、図20〜図22を参照しつつ、本発明の第2実施形態を説明する。尚、本第2実施形態と上記第1実施形態との間で同一の作用を奏する構成には、同一の符号を付すにとどめて説明は省略する。
本第2実施形態の防水コネクタ70においては、防水部材71がカバー72に対してインサート成形または嵌込みによって一体化されており、カバー72の表面72Sと防水部材71の表面71Sとは面一状にかつ平坦状に連なっている。そして、この防水部材71とカバー72の面一状の表面71S,72Sには、プレート73が取り付けられている。プレート73は、防水部材71の表面71S全体と、カバー72の表面72Sのうち防水部材71の周囲を取り囲む周縁領域とを覆う形状の板材からなる。かかるプレート73は、防水部材71の各電線挿通孔74と対応する電線通過口75を有し、係止突部76を防水部材71の係止孔77に圧入することにより、防水部材71とカバー72の表面71S,72Sに密着するようにして取り付けられている。
【0041】
また、カバー72におけるプレート73が取り付けられる表面72Sには、そのプレート73の周囲を取り囲むように保護リブ78が突出形成されている。保護リブ78は、プレート73の周縁のうち、下縁の全体、左右両側縁の全体、及び上縁のうち左右両端部に沿った領域に亘って形成されている。かかる保護リブ78のカバー72からの突出寸法はプレート73の板厚と同じ寸法であり、したがって、保護リブ78の突出端面78Sは、プレート73の表面73Sに対して面一状となっている。尚、保護リブ78の突出寸法をプレート73の板厚よりも大きくして、保護リブ78の突出端面78Sがプレート73の表面73Sよりも外方に突出するようにしてもよい。
このように、カバー72におけるプレート73が組み付けられる表面71Sには、プレート73の周囲を取り囲むように突出する保護リブ78を形成したので、他の部材(他のワイヤーハーネス等の部品)との干渉に起因してプレート73が破損したり、プレート73がカバー72から外れたりすることが防止されている。
【0042】
本発明の技術的範囲は、上記した実施形態によって限定されるものではなく、例えば、次に記載するようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。その他、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
(1)上記の実施形態では、ハウジング4は、雌側の端子金具2を収容可能とされているが、本発明によれば、端子金具は雄側のものでもよい。
(2)上記した第1実施形態では、係止突部55と係止孔53とは、電線挿通孔29の形成領域の周囲において四隅に設けられているが、本発明によれば、少なくとも対向する一対の位置に設けられていればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例における防水コネクタの分解斜視図
【図2】カバーの正面図
【図3】防水コネクタにダミー栓を組付ける前の斜視図
【図4】防水コネクタと相手側ハウジングとの嵌合前の斜視図
【図5】防水コネクタの側断面図
【図6】防水コネクタと相手側ハウジングとが嵌合したときの背面図
【図7】図6におけるA−A線断面図
【図8】図6におけるB−B線断面図
【図9】図6におけるC−C線断面図
【図10】第1実施形態における防水コネクタの分解斜視図
【図11】プレートの前面側を示す斜視図
【図12】カバーの正面図
【図13】防水コネクタと相手側ハウジングとの嵌合前の斜視図
【図14】防水コネクタの側断面図
【図15】防水コネクタと相手側ハウジングとが嵌合したときの背面図
【図16】図15におけるD−D線断面図
【図17】図15におけるE−E線断面図
【図18】図15におけるF−F線断面図
【図19】図18における円S内の様子を示す部分拡大図
【図20】第2実施形態における防水コネクタの分解斜視図
【図21】防水コネクタの組付け状態の斜視図
【図22】防水コネクタの組付け状態の断面図
【図23】従来例における防水コネクタの分解斜視図
【図24】従来例における防水コネクタの側断面図
【符号の説明】
1,50,70…防水コネクタ
2…端子金具
3…キャビティ
4…ハウジング
6…相手側ハウジング
7,51,71…防水部材
8,56,72…カバー
20,21…ハウジング防水部
29,74…電線挿通孔
34…全面開口
39,61…ダミー栓
53,77…係止孔
54,73…プレート
55,76…係止突部
59,75…電線通過口
78…保護リブ
W…電線
Claims (4)
- 端子金具を収容可能な複数のキャビティを設けたハウジングと;このハウジングの後側に配されるとともに、前記端子金具に接続された電線を水密状に挿通可能な電線挿通孔と前記ハウジングに嵌合される相手側ハウジングと当該ハウジングとの間を水密状に保持するハウジング防水部とを備えた防水部材と;この防水部材の後側に配されて前記ハウジングに組み付けられて、前記防水部材を抜止保持するカバーとが設けられた防水コネクタであって、
前記カバーには、前記防水部材の電線挿通孔の後側開口を一括して後方に開放可能な全面開口が設けられ、
前記全面開口には、プレートが組み付けられるようになっており、
このプレートには、前記複数のキャビティのうち使用されるキャビティに対応する位置に、前記電線を挿通可能な電線通過口が設けられる一方、不使用とされるキャビティに対応する位置に、前記防水部材の電線挿通孔に挿入可能なダミー栓が突設されていることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記防水部材の後端部を前記全面開口内に臨ませて、防水部材の後端面を前記カバーの後端面とほぼ面一かあるいは内方へ引っ込んで位置させることを特徴とする請求項1記載の防水コネクタ。
- 前記防水部材には、前記電線挿通孔の形成領域の周囲において対向する位置に少なくとも一対の係止孔が設けられている一方、前記プレートには、前記係止孔に係合可能な係止突部が突設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防水コネクタ。
- 前記カバーにおける前記プレートが組み付けられる表面には、前記プレートの周囲を取り囲むように突出するとともに突出端面が前記プレートの表面と面一かそれよりも外方へ突出する形態の保護リブが形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の防水コネクタ。
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