JP3596281B2 - 電子制御式機械時計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゼンマイが開放する時等の機械エネルギーを駆動源として動作しつつ、一部を発電機で電気エネルギーに変換し、この電力により回転制御手段を作動させて回転周期を制御する電子制御式機械時計に関し、特にゼンマイのトルクを伝達する輪列の配置構造の改良、および機械エネルギーを電気エネルギーに変換するとともに、制御動力に用いる発電機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゼンマイが開放する時の機械エネルギーを発電機で電気エネルギーに変換し、その電気エネルギーにより回転制御手段を作動させて発電機のコイルに流れる電流値等を制御することにより、輪列に固定される指針を正確に駆動して正確に時刻を表示する電子制御式機械時計として、特開平8−5758号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
図8,9は同公報に開示された時計の平面図および断面図である。
【0004】
各図において、ゼンマイを内蔵した香箱車1からの回転動力は、地板2および輪列受3に支持された二番車7、三番車8、四番車9、五番車10、六番車11からなる輪列を介して増速されて発電機20に連繋される。
【0005】
発電機20は、従来の電池駆動式電子時計の駆動用ステップモータに類似する構造であり、ロータ12、ステータ150及びコイルブロック160とからなっている。
【0006】
ロータ12は、六番車11に連繋して回転するロータかな12bの軸回りに、ロータ磁石12a、ロータ慣性円板12cを一体に取付けたものである。
【0007】
ステータ150は、ステータ体150aに4万ターンのステータコイル150bを巻線したものである。
【0008】
コイルブロック160は、磁心160aに11万ターンのコイル160bを巻線したものである。ここで、ステータコイル150bとコイル160bは、各々の発電電圧を加えた出力電圧がでるように直列に接続されている。
【0009】
そして、この発電機20は、ロータ12の回転により得られた電力を、図示しないコンデンサを介して水晶発振器を備えた電子回路に給電し、この電子回路でロータの回転検出及び基準周波数に応じてロータ回転の制御信号をコイルに送り、この結果、輪列は常時その制動力に応じて一定の回転速度で回転する。
【0010】
このような電子制御式機械時計は、指針の駆動をゼンマイを動力源とするために運針駆動用のモータが不要であり、部品点数が少なく安価であるという特徴がある。その上、電子回路を作動させるのに必要な僅かな電気エネルギーを発電するだけでよく、少ない入力エネルギーで時計を作動することもできた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記電子制御式機械時計では、秒針が取り付けられる四番車9が二番車7と同軸線上に設けられており、その分輪列の長さが短くなっている。従って、六番車11とロータ12とを噛み合わせるのには、ステータ150と三番車8とが重なる位置まで発電機20を輪列に接近させる必要がある。
【0012】
また、腕時計という小さなスペース内に発電機20を組み込むにあたっては、小さな発電機20でも十分な発電能力を得るために、コイルの巻数をより多くする必要がある。このため、特に二番車7と重なるのコイル150bでは、径寸法を小さくして三番車8との干渉を避けるとともに、軸方向の長さを長くすることで所定の巻数を確保している。
【0013】
しかしながら、コイルを軸方向に長くすると、磁気回路としての磁路長が長くなるため、コイルに磁界を生じさせた際の渦電流損やヒステリシス損等の鉄損が大きくなり、ゼンマイの持続時間が短くなるという問題がある。
【0014】
本発明の目的は、発電能力を維持しつつ磁路長を短くして鉄損を小さくでき、ゼンマイの持続時間を延ばすことができる電子制御式機械時計を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子制御式機械時計は、ゼンマイと、ゼンマイからのトルクを伝える輪列と、前記輪列により回転されるロータと、このロータの磁束変化を電気エネルギーに変換するコイルと、このコイルが巻回されるコアとを備えて構成され、前記電気エネルギーにより駆動される電子回路によって前記ロータの回転周期を制御することで、輪列に制動をかけて調速するようにした電子制御式機械時計において、
前記輪列を構成する各番車は、各々異なった軸線上に設けられることで前記コイルに重ならない位置に配置され、前記コアは、一対設けられいるとともに、前記コイルは、前記一対のコアに同じ巻数づつ巻回され、かつ互いに平行に配置されて直列に接続され、前記ロータは、その中心軸が各コイル間に沿った境界線上に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、輪列を構成する各番車を各々異なった軸線上に配置するため、それら番車の配置設計の自由度が増す。このため、各番車をロータまで迂遠させて配置することにより、番車をコイルと重ならない位置に配置することが可能になる。従って、コイルの径寸法を大きくして巻数を稼げるから、コイルの軸方向の長さ、すなわち磁路長を短くでき、鉄損を減少させてゼンマイの持続時間を延ばすことが可能である。また、コアを一対設けるとともに、コイルを前記一対のコアに同じ巻数づつ巻回し、かつ互いに平行に配置して直列に接続し、ロータをその中心軸が各コイル間に沿った境界線上に位置するように配置しているので、優れた耐磁性を有するようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る電子制御式機械時計の要部を示す平面図であり、図2,3はその断面図である。
【0020】
電子制御式機械時計は、ゼンマイ1a、香箱歯車1b、香箱真1c、及び香箱蓋1dからなる香箱車1を備えている。ゼンマイ1aは、外端が香箱歯車1b、内端が香箱真1cに固定される。筒状の香箱真1cは、地板2に設けられた支持部材5に挿通されて角穴ネジ5aによって固定され、角穴車4と一体で回転する。そして、地板2には、カレンダー板2a、および円板状の文字板2bが取り付けられている。
【0021】
角穴車4は、一方向のみに回転できるように、図示しないこはぜと噛み合っている。なお、角穴車4を時計方向に回転しゼンマイ1aを巻く方法は、機械時計の自動巻または手巻機構と同様であるため、図示および説明を省略する。
【0022】
香箱歯車1bには二番車7の二番かな7aが噛み合い、二番車7には三番車8の三番かな8aが噛み合い、三番車8には二番車7と同軸線上に配置された秒かな14および四番車9の四番かな9aが噛み合い、四番車9には五番車10の五番かな10aが噛み合い、五番車10には六番車11の六番かな11aが噛み合い、六番車11にはロータ12のロータかな12b(後述)が噛み合っている。すなわち、本実施形態では、各番車7〜11が各々異なる軸線上に設けられて後述するコイル24,34に重ならない位置に配置され、ゼンマイ1aからのトルク伝達経路を形成している。そして、二番車7に対して同軸線上に設けられた秒かな14がトルク伝達経路から外れて配置されている。
【0023】
香箱歯車1bの回転は、7倍に増速されて二番車7へ、順次6.4 倍増速されて三番車8へ、9.375 倍増速されて秒かな14および四番車9へ、さらに四番車9から3倍増速されて五番車10へ、10倍増速されて六番車11へ、10倍増速されてロータ12へと、増速輪列となる各番車7〜11を介して合計126,000 倍に増速されている。
【0024】
二番車7と係合する筒かな7bには時刻表示を行う図示しない分針が、秒かな14には時刻表示を行う図示しない秒針がそれぞれ固定されている。従って、二番車7を1rphで、秒かな14を1rpmで回転させるためには、ロータ12は5rpsで回転するように制御すればよい。このときの香箱歯車1bは、1/7rphとなる。
【0025】
また、トルク伝達経路から外れた秒かな14は、香箱車1とコイル24との間に設けられた指針抑制装置40によってそのバックラッシュが詰められている。指針抑制装置40は、図1、図4、図5に示すように、テフロン処理や分子間結合被膜等で表面処理された一対の直線状の抑制ばね41,42と、各抑制ばね41,42の基端側を支持して二番受13に固定される固定部材としてのヒゲ玉43,44とで構成されている。
【0026】
これらの抑制ばね41,42は、先端が秒かな14の回転中心に向き、かつ10枚からなる歯(歯形部)のピッチに対して0.5ピッチ周方向にずれて配置されている(抑制ばね41,42の互いになす角度が18°)。すなわち、図5において、一方の抑制ばね41の先端が秒かな14の歯間に位置する時、他方の抑制ばね42は、二点鎖線で示す位置から若干撓んで歯の側面を押圧するようになっている。また、各抑制ばね41,42は、図4に示すように、軸方向にもずれていることで歯の一点に押圧力が集中するのを避けたり、先端に注油されることによって歯および抑制ばね41,42の摩耗が抑えられている。
【0027】
ヒゲ玉43,44は二番受13に回転自在に圧入等され、上部に設けられた溝43a,44aにドライバー等を係止して回転させることにより、抑制ばね41,42の先端の位置を変えて秒かな14の歯に対する押圧力を調整することが可能である。
【0028】
このような指針抑制装置40では、抑制ばね41,42が図5に示す位置となるように組み付けられた後、秒かな14が回転すると、抑制ばね41,42がそれぞれ異なる歯をその回転方向とは逆向きに押圧しながら撓んでゆき、図6(A)に示すように、先ず、抑制ばね42が歯から外れるようになり、外れた後には抑制ばね41と同じ歯を押圧するようになる。この状態から、さらに秒かな14の回転が進むと、今度は(B)に示すように、抑制ばね41が歯から外れるようになり、外れた後には別の歯を押圧し、再び(A)の状態に戻る。従って、これら(A)(B)の状態を繰り返すことで、隣接する一対の歯が常時位相差を持って回転方向とは逆向きに押圧され、トルク伝達経路上にない秒かな14のバックラッシュが詰められるようになる。
【0029】
この電子制御式機械時計は、ロータ12およびコイルブロック21,31から構成される発電機20を備えている。ロータ12は、ロータ磁石12a、ロータかな12bから構成される。
【0030】
コイルブロック21,31は、コア(磁心)23,33にコイル24,34を巻線して構成されたものである。コア23,33は、ロータ12に隣接して配置されるコアステータ部22,32と、前記コイル24,34が巻回されるコア巻線部23b、33bと、互いに連結されるコア磁気導通部23a,33aとが一体に形成されて構成されている。
【0031】
前記各コア23,33つまり各コイル24,34は互いに平行に配置されている。そして、前記ロータ12は、コアステータ部22,32側において、その中心軸が各コイル24,34間に沿った境界線L上に配置され、コアステータ部22,32が前記境界線Lに対して左右対称となるように構成されている。また、各コイル24,34の巻数は同数とされている。ここで、コイルの巻数は、通常数万ターンの単位であるため、巻数が同数とは、完全に同数の場合だけではなく、コイル全体からは無視できる程度の誤差、例えば数百ターン程度の違いまでをも含むものである。なお、各コア23,33のコア磁気導通部23a,33aは互いに連結されており、コア23,33は環状の磁気回路を形成している。さらに、各コイル24,34は、コア23,33のコア磁気導通部23a,33aからコアステータ部22,32に向かう方向に対して同方向に巻線されている。
【0032】
これらの各コイル24,34の端部は、コア23,33のコア磁気導通部23a,33a上に設けられた図示しないコイルリード基板に接続されている。このため、図7の回路図にも示すように、リード基板上のコイル端子25a,25bおよび35a,35bは、端子25bおよび35bが連結されて各コイル24,34が直列に接続され、端子25a,35aは、昇圧コンデンサ51,ダイオード52,53からなる昇圧整流回路50に接続されている。これにより、コイル24,34からの交流出力は、昇圧整流回路50を通して昇圧、整流されて平滑用コンデンサ54に充電され、このコンデンサ54からステップ運針あるいはスイープ運針時の調速制御などを行うIC55に供給されている。そして、このように各コイル24,34の端子25bおよび35bを接続することで、各コア23,33を流れる磁束の方向に対してコイル24,34の巻線方向が一致するため、各コイル24,34での起電圧が加算された交流出力が昇圧整流回路50に供給される。
【0033】
このように構成された電子制御式機械時計を使用している場合、各コイル24,34に外部磁界H(図1)が加わると、外部磁界Hは平行に配置された各コイル24,34に対して同方向に加わるため、各コイル24,34の巻線方向に対しては外部磁界Hは互いに逆方向に加わることになる。このため、外部磁界Hによって各コイル24,34で発生する起電圧は互いに打ち消し合うように働くため、その影響を軽減できる。
【0034】
このような本実施形態によれば次のような効果がある。
【0035】
1)二〜六番車7〜11を各々異なった軸線上に配置することでそれら番車7〜11の配置設計の自由度を高めることが可能であるから、秒かな14をトルク伝達経路から外すなどして、各番車7〜11をロータ12に向けて迂遠させて配置することにより、コイル24,34と重ならない位置に配置することができる。従って、コイル24,34の厚み方向を大きくするようにして巻数を稼げるため、コイル24,34の平面方向の長さ、すなわち磁路長を短くでき、鉄損を減少させてゼンマイ1aの持続時間を延ばすことができる。
【0036】
2)発電機20では、同一形状のコア23,33を左右対称に配置し、かつ各コイル24,34の巻回数を同じにして直列に接続したため、外部磁界Hによる磁束は二本のコイル24,34内を同数流れ、これによって生じる起電圧をキャンセルすることができ、磁気ノイズに強い電子制御式機械時計を形成できる。
【0037】
3)外部磁界Hによる磁気ノイズを軽減できるため、電子制御式機械時計の文字板2b部分などムーブメント部品に耐磁板を設けたり、外装部品に耐磁効果のある材料を使用する必要がなくなる。このため、コストを軽減できるとともに、耐磁板等が不要になる分、ムーブメントの小型化や薄型化を実現でき、ひいては各部品の配置などが外装部品に制限されないためにデザインの自由度が高まり、意匠性や製造効率などに優れた電子制御式機械時計を提供できる。
【0038】
4)磁気ノイズの影響が小さいため、出力波形がほぼ正弦波になり、適度なしきい値で区切って二値化することなどで出力波形を容易に検出でき、ロータ12の回転数等も容易に検出できる。従って、発電機の出力波形を利用した時計の制御を正確かつ簡単に行うことができる。
【0039】
5)指針抑制装置40では、一対の抑制ばね41,42が位相差を持って秒かな14の歯を押圧するように構成されているため、例えば時計をステップ運針させた際に、ロータ12がオーバーラップして停止し、これによって一方の抑制ばね41(あるいは抑制ばね42)の押圧力が秒かな14の軸中心にのみ作用した場合でも、他方の抑制ばね42(あるいは抑制ばね41)で秒かな14の回転方向とは逆向きに歯を押圧できる。従って、軸中心に押圧力が作用した状態で秒かな14が停止するのを防止でき、秒かな14のバックラッシュを確実に詰めることができる。
【0040】
また、一方の抑制ばね41(あるいは抑制ばね42)が外れた瞬間には、他方の抑制ばね42(あるいは抑制ばね41)で歯を押圧してるため、その歯が一方の抑制ばね41で叩かれても秒かな14がふらつくのを防止でき、時計をスイープ運針させた場合でも、その見栄えを良好にできる。
【0041】
6)指針抑制装置40では、抑制ばね41,42を歯のピッチに対して0.5ピッチ分だけ周方向にずらすことで位相差を生じさせているため、各抑制ばね41,42を近接させることができ、指針抑制装置40の配置スペースをより小さくできる。また、抑制ばね41,42が直線状であるから、この点でも配置スペースを小さくできる。
【0042】
7)指針抑制装置40のヒゲ玉43,44には、ドライバー等を係止して回転させる溝43a,44aが設けられているため、それらのヒゲ玉43,44を回転させることにより、抑制ばね41,42の先端の位置(撓み量)を変えることができ、秒かな14の歯に対する押圧力を調整できる。そして、直線状の抑制ばね41,42を用いることにより、その撓み状態を容易に目視でき、押圧力の調整を迅速に行える。
【0043】
8)各抑制ばね41,42が歯に対して軸方向にずれて配置されているため、それらの抑制ばね41,42で同じ歯を押圧する時でも、各抑制ばね41,42が重なり合おうのを防いで歯に確実に接触するようになり、より確かな押圧力で歯を押圧できる。
【0044】
また、軸方向にずれていることで歯の一点に押圧力が集中するのを防止でき、抑制ばね41,42との接触部分における歯の摩耗を防ぐことができる。
【0045】
9)各抑制ばね41,42で秒かな14の回転方向とは逆向きに歯を押圧しているため、例えば板ばね等を用いて秒かな14を軸方向に押圧する場合に比し、抑制ばね41,42のばね力を有効に作用させることができる。従って、そのばね力をより小さく設定しても秒かな14のバックラッシュを十分に詰めることができ、歯および抑制ばね41,42の摩耗をより確実に防止できる。
【0046】
さらに、抑制ばね41,42自身には表面処理が施されており、また、抑制ばね41,42の先端には注油が施されているため、これらの点からも歯の摩耗を防止できる。
【0047】
10)秒かな40がトルク伝達経路から外れていることにより、秒かな40には香箱車1と重なるトルク伝達用の歯車等が不要であるから、その分ゼンマイ1aを厚くでき、時計全体の厚さを維持しつつゼンマイ1aの持続時間をさらに延ばすことができる。
【0048】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0049】
前記実施形態の発電機20は、左右対称形状のコア23,33を備え、それらの中間位置にロータ12が配置されていたが、例えばコアが非対称形状であったり、これによってロータ12が一方のコアに片寄って配置される場合も本発明に含まれる。しかし、本実施形態のようなコア23,33を用い、さらにコイル24,34の巻数を同じにすることなどにより、耐磁性を向上させることができるので望ましい。
【0050】
また、指針抑制装置40としては一対の抑制ばね41,42を備えたものに限定されるものではなく、秒かな14のバックラッシュを詰めることができる任意の構造を適用できる。
【0051】
さらに、このような指針抑制装置は本発明に必須ではなく、ない場合でも本発明に含まれる。しかしながら、指針抑制装置によって秒針のふらつきを防止できるので、設けることが望ましい。
【0052】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、輪列を構成する各番車が各々異なった軸線上に配置されているため、それら番車の配置設計の自由度を高めることができ、各番車をロータまで迂遠させて配置することにより、番車をコイルと重ならない位置に配置することができる。従って、コイルの径寸法を大きくして巻数を稼げるから、コイルの軸方向の長さ、すなわち磁路長を短くでき、鉄損を減少させてゼンマイの持続時間を延ばすことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電子制御式機械時計の要部を示す平面図である。
【図2】前記実施形態の要部を示す断面図である。
【図3】前記実施形態の他の要部を示す断面図である。
【図4】前記実施形態のさらに他の要部を示す断面図である。
【図5】前記実施形態の構成部材を示す平面図である。
【図6】前記構成部材を状態別に示す平面図である。
【図7】前記実施形態における回路図である。
【図8】本発明の従来例を示す平面図である。
【図9】前記従来例の断面図である。
【符号の説明】
1a ゼンマイ
12 ロータ
24,34 コイル
23,33 コア
7 二番車
8 三番車
9 四番車
10 五番車
11 六番車
H 外部磁界
L 境界線

Claims (1)

  1. ゼンマイと、ゼンマイからのトルクを伝える輪列と、前記輪列により回転されるロータと、このロータの磁束変化を電気エネルギーに変換するコイルと、このコイルが巻回されるコアとを備えて構成され、前記電気エネルギーにより駆動される電子回路によって前記ロータの回転周期を制御することで、輪列に制動をかけて調速するようにした電子制御式機械時計において、
    前記輪列を構成する各番車は、各々異なった軸線上に設けられることで前記コイルに重ならない位置に配置され、前記コアは、一対設けられいるとともに、前記コイルは、前記一対のコアに同じ巻数づつ巻回され、かつ互いに平行に配置されて直列に接続され、前記ロータは、その中心軸が各コイル間に沿った境界線上に配置されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
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