JP3595351B2 - 人工芝巻取り装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、人工芝巻取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の人工芝巻取り装置を図6により説明すると、100が人工芝巻取り装置、6が例えば野球グランドのインフィールドやアウトフィールド、5が同フィールド6を被覆する人工芝の非長方形大形部分、15aが同人工芝の非長方形大形部分5の前縁部に取付けたケーブル、6bが上記フィールド6の一端部に設けた小ピット、15が同小ピット6b内に設置したケーブル15aの巻上・繰出用ウインチ、9が同フィールド6の他端部に設けた大ピット、5Rが同大ピット9内の人工芝ローラ、105が同人工芝ローラ5Rを支持する一対の回転ローラ、106が同各回転ローラ105の回転駆動装置、16aが上記フィールド6に点在状態に設けた圧力空気吹出孔である。
【0003】
前記図6に示す従来の人工芝巻取り装置では、人工芝の非長方形大形部分5をフィールド6上に展張するとき、人工芝ローラ5Rを回転ローラ105、105上に支持し、同各回転ローラ105を回転駆動装置106から解放し、さらに各圧力空気吹出孔16aから人工芝へ圧力空気を吹き付けて、フィールド6から受ける抵抗を減少させながら、人工芝の非長方形大形部分5の前縁部に取付けたケーブル15bをウインチ15により巻き取って、人工芝の非長方形大形部分5をフィールド6上に展張させる。
【0004】
また人工芝の非長方形大形部分5の巻取り・収納時には、前記と同様に圧力空気を各圧力空気吹出孔16aから吹き出す一方、各回転ローラ105とケーブル用ウインチ15を逆方向に駆動する。なおケーブル15aを外して、巻取り・収納を行う場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記図6に示す従来の人工芝巻取り装置では、人工芝の非長方形大形部分5を芯軸11に人工芝ローラ5Rとして巻き取るとき、図7に示すように一端部から他端部に向かって螺旋状に小径になってゆき、自重分布の不均一により人工芝5Rが各回転ローラ105上で撓んだり、変形したりするので、巻きベルト110を小径側に嵌め込んで、人工芝ローラ5Rの撓みや変形を防止するようにしている。従って人工芝ローラ5Rの繰出し時及び巻取り・収納時には、幾つかの巻きベルト110を着脱する必要があって、人工芝ローラ5Rの繰出し作業や巻取り・収納作業を迅速に行うことができないという問題があった。
【0006】
本発明は前記の問題点に鑑み提案するものであり、その目的とする処は、巻きベルトを使用せずに、人工芝ローラの繰出し及び巻取り・収納を行うことができて、人工芝ローラの繰出し作業及び巻取り・収納作業を迅速化できる人工芝巻取り装置を提供しようとする点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、真っ直ぐな端縁部が芯軸に取付けられ且つ他の少なくとも1つの端縁が上記芯軸の軸線に対して斜めに形成されたフィールド被覆用人工芝の非長方形大形部分を巻き取る人工芝巻取り装置において、前記芯軸に巻かれた人工芝ローラを支持する少なくとも1対の従動ローラと、上記芯軸を回転させる回転駆動装置と、上記人工芝の前縁部をフィールド上で引っ張って展張する展張手段と、上記人工芝によりフィールドを被覆するときにフィールドから受ける抵抗を減少させる抵抗低減手段と、上記芯軸を上記従動ローラに対して昇降駆動可能に支持して水平状態に保持する昇降手段とを具えている(請求項1)。
【0008】
真っ直ぐな端縁部が芯軸に取付けられ且つ他の少なくとも1つの端縁が上記芯軸の軸線に対して斜めに形成されたフィールド被覆用人工芝の非長方形大形部分を巻き取る人工芝巻取り装置において、前記芯軸に巻かれた人工芝ローラを支持する少なくとも1対の従動ローラと、上記芯軸を回転させる回転駆動装置と、上記人工芝の前縁部をフィールド上で引っ張って展張する展張手段と、上記人工芝によりフィールドを被覆するときにフィールドから受ける抵抗を減少させる抵抗低減手段と、上記従動ローラを上記芯軸に対して昇降駆動可能に支持して水平状態に保持する昇降手段とを具えていることを特徴とする(請求項2)。
前記人工芝巻取り装置において、前記回転駆動装置、モータと、モータの回転を前記芯軸に伝達する無端部材と、前記無端部材張力を調整する調整部を備えていることを特徴とする(請求項)。
前記人工芝巻取り装置において、展張手段を、人工芝の前縁部に連結したケーブルと、同ケーブルの巻上・繰出用ウインチとにより構成してもよい(請求項)。前記人工芝巻取り装置において、抵抗低減手段を、圧力空気噴出口と、同噴出口から人工芝へ圧力空気を噴出する圧力空気供給源とにより構成してもよい(請求項)。
【0009】
前記人工芝巻取り装置において、抵抗低減手段を、長尺の偏心揺動ローラと、同偏心揺動ローラの回転駆動装置とにより構成してもよい(請求項)。
前記人工芝巻取り装置において、芯軸と、前記芯軸の回転駆動装置と、前記従動ローラと、前記昇降手段とを、フィルドの一部を横断するピット内に設けてもよい(請求項)。
【0010】
【作用】
本発明の人工芝巻取り装置は前記のように構成されており、回転駆動装置により芯軸を正負方向に回転し且つウインチを巻取方向または繰出方向に駆動して、真っ直ぐな端縁部が芯軸に取付けられ且つ他の少なくとも1つの端縁が芯軸の軸線に対して斜めに形成されたフィールド被覆用人工芝の非長方形大形部分を繰出すか、巻取り収納する。このとき、各従動ローラが人工芝ローラを回転可能に支持する。その際、抵抗低減手段により人工芝がフィールドから受ける抵抗を減少させる。また人工芝の非長方形大形部分を芯軸に人工芝ローラとして巻取るとき、一端部から他端部に向かって螺旋状に小径になってゆき、自重分布の不均一により人工芝ローラが撓んだり、変形したりするが(図7参照)、人工芝ローラの直径変化に追従するように芯軸の両端部を昇降手段により昇降させて、人工芝ローラの全長を各従動ローラにより均一に支持し、人工芝ローラの撓みや変形を防止して、繰出しや巻取りを円滑に行う。
【0011】
【実施例】
(第1実施例)
次に本発明の人工芝巻取り装置を図1〜図3に示す第1実施例により説明すると、1が人工芝巻取り装置で、同人工芝巻取り装置1は、真っ直ぐな端縁部が芯軸11に取付けられ且つ他の少なくとも1つの端縁が芯軸11の軸線に対して斜めに形成されたフィールド6被覆用人工芝の非長方形大形部分5を巻き取ったり、繰り出すものである。
【0012】
図1、図2の12が上記芯軸11を回転させる回転駆動装置、14が上記芯軸11に巻かれた人工芝ローラ5Rを支持する少なくとも1対の従動ローラ、15aが上記人工芝の非長方形大形部分5の前縁部に取付けたケーブル、6bがフィールド6の他端部に設けたピット、15が同小ピット6b内に設置したケーブル15aの巻上・繰出用ウインチで、これらのケーブル15aと、ケーブル15aの巻上・繰出用ウインチ15とが、人工芝の前縁部をフィールド6上で引っ張って展張する展張手段に相当している。
【0013】
図2の16aが上記フィールド6に点在状態に設けた圧力空気吹出孔、図1の16bが大ピット9付近のフィールド6に設けた長尺の偏心揺動ローラで、これらの圧力空気吹出孔16aと偏心揺動ローラ16bとが、人工芝によりフィールド6を被覆するときにフィールド6から受ける抵抗を減少させる抵抗低減手段に相当している。なお偏心揺動ローラ16bの駆動装置は図示を省略している。
【0014】
図3の17、17が上記芯軸11の両端部(若しくは上記従動ローラ14)を昇降可能に支持して同芯軸11を水平状態に保持する流体圧シリンダで、これら昇降手段に相当している。
芯軸11と、芯軸11の回転駆動装置12と、各従動ローラ14と、各流体圧シリンダとは、フィールド6の一端部または中央部に横断的に設けられた大ピット9内に配置されており、大ピット9は、跳ね上げ可能な可動床9aにより繰出しや巻取り・収納後に閉鎖されるようになっている。また大ピット9の開口縁には、繰出し中や巻取り中の人工芝の非長方形大形部分5をガイドするガイドローラ9bが設けられている。
【0015】
芯軸11の回転駆動装置12は、可逆転インバータモータ12aと、同モータ12aの出力軸に取付けたスプロケット13aと、芯軸11に取付けたスプロケット13bと、これらスプロケット13a、13b間に懸装したチエーン13cと、芯軸11の昇降に伴うチエーン(無端部材)13cの弛緩を吸収するテンションプーリ(調整部)13dとにより構成されており、回転駆動装置12は、ウインチ15の巻き速度に同調して芯軸11を回転させるようになっている。なお巻取・収納時には、ケーブル15aを人工芝の前縁部5aから取り外してしまうか、ウインチ15の繰出し速度を速くすることになる。
【0016】
また流体圧シリンダの昇降制御は、従動ローラ14、14の荷重をロードセル等のセンサーにより検出した結果により行うか、繰出しや巻取りに伴う人工芝ローラ5Rの直径変化カーブ(比例直線)に沿って行い、従動ローラ14、14が適当な支持力で人工芝ローラ5Rを支持し、人工芝ローラ5Rの変形を防いで、繰出しや巻取りを円滑に行うようになっている。
【0017】
次に前記図1〜図3に示す人工芝巻取り装置の作用を具体的に説明する。
回転駆動装置12により芯軸11を正負方向に回転し且つウインチ15を巻取方向または繰出方向に駆動して、真っ直ぐな端縁部が芯軸11に取付けられ且つ他の少なくとも1つの端縁が芯軸11の軸線に対して斜めに形成されたフィールド6被覆用人工芝の非長方形大形部分5を繰出すか、巻取り収納する。このとき、従動ローラ14、14が人工芝ローラ5Rを回転可能に支持する。
【0018】
その際、圧力空気吹出孔16aから圧力空気を吹き出し、偏心揺動ローラ16bを回転させて、人工芝がフィールド6から受ける抵抗を減少させる。 また人工芝の非長方形大形部分5を芯軸11に人工芝ローラ5Rとして巻き取るとき、図7に示すように一端部から他端部に向かって螺旋状に小径になってゆき、自重分布の不均一により人工芝ローラ5Rが撓んだり、変形したりするが、人工芝ローラ5Rの直径変化に追従するように芯軸11の両端部を流体圧シリンダ17、17により昇降させて、人工芝ローラ5Rの全長を従動ローラ14、14により均一に支持し、人工芝ローラ5Rの撓みや変形を防止して、繰出しや巻取りを円滑に行う。
【0019】
(第2実施例)
次に本発明の人工芝巻取り装置を図4、図5に示す第2実施例により説明する。2が人工芝巻取り装置で、同人工芝巻取り装置2が第1実施例の人工芝巻取り装置1と異なる点について説明する
【0020】
17bが大ピット9の底部に設けた流体圧シリンダで、同流体圧シリンダ17bのピストンロッドの上端部に台座14aの中央部が枢支されている。17cが大ピット9の底部に設けた複数の流体圧シリンダで、同各流体圧シリンダ17cのピストンロッドの上端部が台座14aの両側部を支持している。
上記流体圧シリンダ17bの昇降制御は、互いに平行な従動ローラ14、14の荷重を流体圧シリンダ17bの圧力流体配管に設けた圧力センサーにより検出して得た検出結果により行うか、繰出しや巻取りに伴う人工芝ローラ5Rの直径変化カーブ(比例直線)に沿って行って、互いに平行な従動ローラ14、14の適当な支持力で人工芝ローラ5Rを支持し、人工芝ローラ5Rの撓みや変形を防いで、繰出しや巻取りを円滑に行う。この場合、回転駆動装置12のチエーン13cに大きなテンションストロークがないので、テンションプーリは必要としない。
【0021】
この第2実施例でも、人工芝の繰出し、巻取りは、第1実施例の場合と同様に行われる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の人工芝巻取り装置は前記のように回転駆動装置により芯軸を正負方向に回転し且つウインチを巻取方向または繰出方向に駆動して、真っ直ぐな端縁部が芯軸に取付けられ且つ他の少なくとも1つの端縁が芯軸の軸線に対して斜めに形成されたフィールド被覆用人工芝の非長方形大形部分を繰出すか、巻取り収納する。このとき、各従動ローラが人工芝ローラを回転可能に支持する。その際、抵抗低減手段により人工芝がフィールドから受ける抵抗を減少させる。また人工芝の非長方形大形部分を芯軸に人工芝ローラとして巻取るとき、一端部から他端部に向かって螺旋状に小径になってゆき、自重分布の不均一により人工芝ローラが撓んだり、変形したりするが(図7参照)、人工芝ローラの直径変化に追従するように芯軸の両端部を昇降手段により昇降させて、人工芝ローラの全長を各従動ローラにより均一に支持し、人工芝ローラの撓みや変形を防止して、繰出しや巻取りを円滑に行うので、巻きベルト(図7の110参照)を使用せずに、人工芝ローラの繰出し及び巻取り・収納を行うことができて、人工芝ローラの繰出し作業及び巻取り・収納作業を迅速化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人工芝巻取り装置の第1実施例を示す斜視図である。
【図2】同人工芝巻取り装置の縦断側面図である。
【図3】同人工芝巻取り装置の人工芝ローラ及び従動ローラを示す正面図である。
【図4】本発明の人工芝巻取り装置の第2実施例を示す縦断側面図である。
【図5】同人工芝巻取り装置の人工芝ローラ及び従動ローラを示す正面図である。
【図6】従来の人工芝巻取り装置を示す縦断側面図である。
【図7】同人工芝巻取り装置の人工芝巻取り状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 人工芝巻取り装置
5 人工芝の非長方形大形部分
5a 人工芝の前縁部
5R 人工芝ローラ
6 フィールド
9 大ピット
9b、16a 抵抗低減手段
12 回転駆動装置
15、15a 展張手段
17 昇降手段

Claims (7)

  1. 真っ直ぐな端縁部が芯軸に取付けられ且つ他の少なくとも1つの端縁が上記芯軸の軸線に対して斜めに形成されたフィールド被覆用人工芝の非長方形大形部分を巻き取る人工芝巻取り装置において、前記芯軸に巻かれた人工芝ローラを支持する少なくとも1対の従動ローラと、上記芯軸を回転させる回転駆動装置と、上記人工芝の前縁部をフィールド上で引っ張って展張する展張手段と、上記人工芝によりフィールドを被覆するときにフィールドから受ける抵抗を減少させる抵抗低減手段と、上記芯軸を上記従動ローラに対して昇降駆動可能に支持して水平状態に保持する昇降手段とを具えていることを特徴とした人工芝巻取り装置。
  2. 真っ直ぐな端縁部が芯軸に取付けられ且つ他の少なくとも1つの端縁が上記芯軸の軸線に対して斜めに形成されたフィールド被覆用人工芝の非長方形大形部分を巻き取る人工芝巻取り装置において、前記芯軸に巻かれた人工芝ローラを支持する少なくとも1対の従動ローラと、上記芯軸を回転させる回転駆動装置と、上記人工芝の前縁部をフィールド上で引っ張って展張する展張手段と、上記人工芝によりフィールドを被覆するときにフィールドから受ける抵抗を減少させる抵抗低減手段と、上記従動ローラを上記芯軸に対して昇降駆動可能に支持して水平状態に保持する昇降手段とを具えていることを特徴とした人工芝巻取り装置。
  3. 前記回転駆動装置は、モータと、該モータの回転を前記芯軸に伝達する無端部材と、前記無端部材の張力を調整する調整部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の人工芝巻取り装置。
  4. 前記展張手段を、人工芝の前縁部に連結したケーブルと、同ケーブルの巻上・繰出用ウインチとにより構成した請求項1又は2に記載の人工芝巻取り装置。
  5. 前記抵抗低減手段を、圧力空気噴出口と、同噴出口から人工芝へ圧力空気を噴出する圧力空気供給源とにより構成した請求項1又は2に記載の人工芝巻取り装置。
  6. 前記抵抗低減手段を、長尺の偏心揺動ローラと、同偏心揺動ローラの回転駆動装置とにより構成した請求項1又は2に記載の人工芝巻取り装置。
  7. 前記芯軸と、前記芯軸の回転駆動装置と、前記従動ローラと、前記昇降手段とを、フィルドの一部を横断するピット内に設けた請求項1又は2に記載の人工芝巻取り装置。
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