JP3594933B2 - 誤出力防止装置及び該装置を備えた渦流量計 - Google Patents

誤出力防止装置及び該装置を備えた渦流量計 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、渦流量計における誤出力防止装置及び該装置を備えた渦流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、渦流量計は検出センサからのカルマン渦信号をトリガ回路でトリガして流量信号パルスを得ている。しかしながら、圧縮性流体の流量計測機構においては、流量計の下流側又は上流側に設けた締切弁を閉じて流れを停止する場合にも、気体の如き圧縮性流体によって閉じられた管路内で流体が圧縮・膨張して流体に移動が生じてしまい、流量検出部が流体の移動を検知して、その流量検出部に接続した信号発信部が信号を発信し、あたかも流量を計測した状態になるという不都合がある。この流体揺動(脈動)によるノイズ信号以外には、流体の圧縮性に拘らず、流量停止時等において、配管の振動,電気的ノイズ等のノイズ信号が大きく、そのノイズ信号がトリガレベルも越えた場合でも流量信号としてパルス化され、正常な計測が阻害される場合がある。このとき、渦流量計用の警報装置を設置していた場合には、警報が鳴ってしまうこととなる。
【0003】
これらの不都合は、渦流量計の如く流量範囲が広く、流体の流速によって流量を積算検出する流量計に顕著に見受けられる。従来の流量計測装置においては、管路内の流量検出部とパルス信号を発生する信号部(トリガ)との間に(シグナルコンディショナ)S/N比を高めるため、通常フィルタを配設してあるが、フィルタは流量範囲をカバーするように選定されているので上述の不都合は解消されない。このような現象は、締切弁を開いて連続的に圧縮性流体を流し、その流量を計測しているときには問題ないが、実際に、締切弁は一日の大半が閉じられていることが多いので、圧縮性流体が管路内の脈動を流量として計数してしまう。トリガレベルを拡大することにより、これらのノイズのトリガをある程度抑制することは可能であるが、トリガレベルの拡大により計測できる流量範囲も抑制されてしまう弊害がある。
【0004】
本出願人は、脈動による計数の状況を観察した結果、極短時間に計数範囲にはいるような信号を発生し、例えば10秒位の期間を平均するとフィルタの下限周波以下となるという点に着目して、流体の揺動による誤計数を防止する誤計数防止装置を実公昭53−14199号公報にて提案した。この考案に係る流量計における誤計測防止装置は、管路内の流量検出部に接続してパルス信号を発信する信号発信部と該信号を計数して流量を計数する計数機構との間に蓄積カウンタとタイマを配設することにより、タイマの設定時間内に蓄積カウンタが設定値に達しない場合は、上記より明らかな如く揺動によるパルス信号の発生であるためこの誤パルス信号は遮断されて、計数機構へ送られず、流体の揺動によっては計数機構は積算を開始しないようにして誤計測を防止したことを特徴としている。換言すると、同公報には、ノイズ等による誤出力パルスの周期が一般に不規則であることに注目したデジタルフィルタが記載されている。外部出力の前に、パルスをメモリ機能に入力し、ある設定されたパルスをメモリし、その入力されるパルスの周期がある設定された周期以上であればメモリ内のパルスをリセットさせ、ノイズによる不規則なパルスの出力を防止する機能を備える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ノイズと判断するためのパルスの周期は、短く設定するほど効果はあるが、当然、通常のカルマン渦周期より長い値としなければならない。設定値がカルマン渦周期域に重なると正常なパルスもカットしてしまうからである。この制限によりパルスの不規則性を正確に判定することは困難であり、したがって計測可能な流量範囲に影響を与えることなくノイズによる誤計数を防止することは困難であった。
【0006】
本発明は、上述のごとき実状に鑑みてなされたものであり、計測可能な流量範囲に影響を与えることなくノイズによる誤計数(誤出力)を防止することが可能な、渦流量計における誤出力防止装置及び該装置を備えた渦流量計を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の技術手段は、被測定流体が流通する流管内に流れに対向して設けられた渦発生体で発生する渦を渦信号検出センサで検出し、該渦信号検出センサで検出された信号を計測することにより被測定流体の流量又は流速を測定する渦流量計における誤出力防止装置において、前記渦信号検出センサから出力された信号が固定された第1のトリガレベルを越えたときにパルスを出力する第1のトリガ回路と、前記第1のトリガレベルより高い第2のトリガレベルをもち、前記渦信号検出センサから出力された信号が該第2のトリガレベルを越えたときにパルスを出力する第2のトリガ回路と、所定の時間内に前記第1のトリガ回路から出力されたパルスをカウントするカウンタと、該カウンタにおける計数値が所定の値に満たない場合に、前記第1のトリガ回路からの出力パルスを出力せず、前記カウンタにおける計数値が前記所定の値になった場合に、前記第1のトリガ回路からの出力パルスを出力するパルス出力手段と、前記第2のトリガ回路から出力されたパルスにより、前記カウンタの計数値をリセットする計数値リセット手段とを有し、前記パルス出力手段で出力されたパルスを被測定流体の流量又は流速の演算に用いることを特徴としたものである。
【0008】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記第2のトリガ回路は、前記渦信号検出センサから出力された信号が可変トリガレベルを越えたときにパルスを出力する可変トリガ回路とし、当該誤出力防止装置は、前記第1のトリガ回路から出力されたパルスから、前記渦信号検出センサから出力された信号の周期又は周波数を計測する周期計測回路と、該周期計測回路で計測された周期又は周波数に従って前記可変トリガ回路の可変トリガレベルを変更するよう制御するトリガレベル制御回路とを有することを特徴としたものである。
【0009】
第3の技術手段は、第2の技術手段において、前記トリガレベル制御回路は、前記周期計測回路で計測された周期の長さとは逆の傾向で前記可変トリガ回路のトリガレベルの大きさを制御することを特徴としたものである。
【0010】
第4の技術手段は、第1乃至第3のいずれか1の技術手段において、前記第1のトリガ回路の第1のトリガレベルは、計測する最小流量の時のカルマン渦信号が十分トリガできる大きさに設定可能とすることを特徴としたものである。
【0011】
第5の技術手段は、第1乃至第4のいずれか1の技術手段に記載の誤出力防止装置を備えたことを特徴としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る渦流量計の構成例を示すブロック図である。
本発明は、渦流量計における振動,流体脈動,電気的ノイズ等による誤発信を防止する誤出力防止装置であり、本発明に係る、渦流量計における誤出力防止装置(誤計数防止装置)及び該装置を備えた渦流量計は、ノイズ信号の不規則性をパルス周期だけではなく、その信号の波形レベルで判定することを特徴としている。渦流量計は、その判定に従って振動,流体脈動,電気的ノイズ等による誤発信を防止することとなる。これは、カルマン渦による渦信号検出センサからの出力のレベルは流速の増加に伴い大きくなり、正常計測時はこの出力レベルはほぼ安定しているが、流量停止中に影響を受ける振動,流体脈動,電気的ノイズ等による外乱ノイズ信号のレベルは一般に不規則かつ不安定であるという事実に基づくものである。この波形レベルの不規則性を利用することにより、流量停止時等の外乱ノイズによる誤出力を防止することが可能となる。なお、渦信号検出センサとしては、圧電素子,ストレンゲージ,容量センサ,シャトルピストン等を用い圧力変化を検出するものや、サーミスタ,超音波等を利用して流速変化を検出するものなど様々なものが挙げられる。また、渦流量計は、測定流体すべてが流量計の測定管を通過するような流量計としてもよいし、大口径の流管における流量を測定する場合に好適なように流管内に小口径の渦流量計を挿入し、その部分流速から全流量を求める挿入形渦流量計としてもよい。さらに渦発生体の形状も、三角柱状でなくとも渦発生体の両側で流れが剥離しカルマン渦が交番発生するような形状であればよい。
【0013】
本実施形態に係る渦流量計は、被測定流体が流通する渦流量計の流管(測定管)11と、流管11内に流れに対向して配設されカルマン渦を発生させる渦発生体12とを備え、さらに渦発生体12で発生したカルマン渦の信号を検出する渦信号検出部と、渦信号検出部で検出した信号を変換してパルスを出力する変換器を備え、このパルスを計測することにより被測定流体の流量又は流速を測定するものとする。この変換器内に本発明に係る誤出力防止装置を備え、計測可能な流量範囲に影響を与えることなくノイズによる誤出力を防止するものとする。渦信号検出部には渦信号検出センサ13が、渦発生体12の下流側であって、渦発生体12の側面或いは流管11の内壁に配設されている。渦信号検出センサ13は、渦発生体12により発生したカルマン渦列の渦を検出する。渦信号検出センサ13からのカルマン渦信号を後段で処理することにより流量が測定されることとなる。
【0014】
渦信号検出センサ13からのカルマン渦信号は、変換器へ出力される。変換器は、渦信号検出センサ13によって得られた渦信号を増幅し、整形し、パルス信号に変換し、出力信号として出力する装置である。図1で例示する変換器では、渦信号検出センサ13に接続したブリッジ(図示せず)により、一対の渦の発生毎に1サイクルの交番電圧を発生して増幅器(アンプ)14によって増幅発信させるようにしてある。アンプ14で増幅された交番電圧信号をフィルタ回路15にて濾波・整形してS/N比を高め、本発明の誤出力防止装置(誤出力防止回路)16に入力させる。フィルタ回路15と誤出力防止装置16とによってシグナルコンディショナを形成しているとも云える。また、後述するように誤出力防止装置16によりパルス信号を発生させ、その出力を得、流量演算回路17により流量(又は流速)が演算されることから、誤出力防止装置16はデジタルフィルタとして機能すると云える。
【0015】
誤出力防止装置16は、渦信号検出センサ13にフィルタ回路15等を介して接続された第1のトリガ回路21及び第2のトリガ回路22という2つのトリガ回路と、それらに接続されたカウンタ23と、パルス出力手段とを備える。本実施形態においては、パルス出力手段として、第1のトリガ回路21及びカウンタ23に接続されたアンドゲート24を例示している。
【0016】
第1のトリガ回路21では、渦信号検出センサ13からの出力のレベルがトリガレベルを越えた時に信号(図示のようにアンプ14,フィルタ回路15を介した信号でもよい)をパルス化する。第1のトリガ回路21におけるトリガレベル(以下、第1のトリガレベルと称す)は、計測する最小流量の時のカルマン渦信号が十分トリガできる大きさに設定しておく必要があり、この設定は固定して変更不可としておいてもよいが、渦流量計の用途に応じてこの大きさを設定可能にしておくことが好ましい。なお、カルマン渦による出力レベルは、カルマン渦の特性と検出センサ13の特性等からある程度予測できる。
【0017】
カウンタ23では、所定の時間内に第1のトリガ回路21から出力されたパルスをカウントし、その計数値を蓄積する。この計数値は、第1のトリガ回路21から入力されるパルスの周期が一定値以上であるか否かを判断するための値である。パルス出力手段としては、AND素子等のアンドゲート24が例として挙げられるが、カウンタ23における計数値が所定の値に満たない場合に、第1のトリガ回路21からの出力パルスを出力せず(遮断し)、カウンタ23における計数値がその所定値になった場合に、第1のトリガ回路21からの出力パルスを出力するものとする。詳細は後述するが、このパルス出力手段により流量演算回路17等の計数機構へのノイズ信号を遮断することが可能であり、結果として、パルス出力手段で出力されたパルスを被測定流体の流量又は流速の演算に用いることで計数機構の誤計数を防止することが可能となる。
【0018】
上述したカウンタ23及びパルス出力手段は、一種のメモリとして機能する。換言すると、第1のトリガ回路21により第1のトリガレベルでトリガされたパルスは、流量又は流速の演算を行う流量演算回路17へ出力する前に、全てメモリに入力される。このメモリは、あるメモリパルス数が設定され、設定されたパルス数がメモリされるまでパルスは外部に出力せず、メモリが飽和した段階から外部に出力する。すなわち、メモリが飽和した状態では入力パルスはそのまま通し出力される。
【0019】
第2のトリガ回路22では、渦信号検出センサ13からの出力のレベルがトリガレベル(以下、第2のトリガレベルと称す)を越えた時に信号(図示のようにアンプ14,フィルタ回路15を介した信号でもよい)をパルス化する。第2のトリガ回路22では、第1のトリガレベルすなわち通常のトリガレベルより大きな(高い)レベルの第2のトリガレベルで渦信号検出センサ13から出力された信号をパルス化することにより、センサ13からの信号の波形レベルの不規則性を検知可能とする。この波形レベルの不規則性は第2のトリガ回路22から出力されたパルスで表されており、この出力パルスによりカウンタ23の計数値をリセットすることで、リセット後の所定期間(カウンタ23の設定に依る)の信号をカットすることが可能となり、結果として、第2のトリガ回路22からの出力パルスとして検出された不規則な波形レベルをもつ信号をノイズ信号として排除することが可能となる。なお、本実施形態のように第2のトリガレベルが予め設定された値である場合も、少なくとも正常なカルマン渦による信号をトリガしないように調整されていればよく、その機能をある周波数域(例えば小流量域)に限定すれば十分効果が得られる。したがって、正常な信号の場合、常にそのレベルは第2のトリガレベルには達せず、第2のトリガレベルからはパルスの出力は無い。一方、第2のトリガレベルからパルスが発せられた場合は、正常のカルマン渦信号ではなく、何らかのノイズ信号であると判断できる。
【0020】
上述したリセットに関し、誤出力防止装置16は計数値リセット手段を備えるものとする。計数値リセット手段は、第2のトリガ回路22から出力されたパルスにより、すなわち第2のトリガレベルでトリガされたパルスにより、カウンタ23の計数値をリセットする手段であり、メモリパルス数(計数値)が飽和する間に第2のトリガレベルからのパルスが発信される状態であれば、連続的にメモリからはパルスは出力されない。したがって、不規則なレベルのノイズ信号は、第2のトリガレベルによりノイズと判断され、外部への出力(誤出力)されることはなくなる。
【0021】
上述の構成により、以下の(1)又は(2)をリセット条件としてカウンタ23はリセットされることとなる。なお、ここで(1)のリセット条件は従来の装置に適用されていたものであり、(2)のリセット条件は本発明の特徴である。
(1)入力されるパルスの周期が一定値以上
(2)第2のトリガレベルを超えた信号をトリガした場合
【0022】
図2は、図1の誤出力防止装置における入出力信号を説明するための図で、図2(A)は流量計測時の、図2(B)は流量停止時の、それぞれ渦信号検出センサの出力信号と各トリガ回路でトリガされたパルス信号とその結果として出力されるパルス信号の例を示す図である。
本来のカルマン渦によるセンサ13からのカルマン渦信号32のレベルは、その周波数とほぼ同じ特性で流量増大に伴って大きくなるが、第1のトリガレベルの適当な選択により、全流量範囲において第1のトリガレベルLにて正常なカルマン渦信号32がトリガされることとなる。さらにカルマン渦信号32のレベルは、第2のトリガレベルLの適当な選択により全流量範囲においてノイズ信号として排除されることもない。実際、図2(A)中31で示すカルマン渦信号32とトリガレベルL,Lの関係を参照すると、カルマン渦信号32を第1のトリガ回路21でトリガしたパルス信号33(周期T)を、直接及びカウンタ23を介してアンドゲート24に入力し、アンドゲート24から出力されたパルス信号35により、流量演算回路17でその周期T′から流量又は流速を求めることができる。第2のトリガ回路22でトリガしたノイズパルス信号34(ここではトリガ無し)をカウンタ23のリセットに利用するが、図2(A)での想定のごとくセンサ出力信号がノイズでない場合にはノイズパルス信号34がパルス0であるので、通常パルス33がそのままの形状をもつ波形(T′=T)として出力されることとなる。また、図示はしないが、第1のトリガレベルLでトリガされて出力されるパルスは、第1のトリガレベルL内のレベルをもつ信号から生成してもよい。
【0023】
一方、流量停止時(図2(B))には、振動,流体脈動,電気的ノイズ等のノイズ信号37(周期T<T)が入力された場合も、そのレベルをみることにより第2のトリガレベルLでノイズパルス39としてトリガされることとなる。このとき第1のトリガ回路21においては、第1のトリガレベルLで当然トリガされ、通常パルス信号38として出力されることとなる。実際、図2(B)中36で示すノイズ信号37とトリガレベルL,Lの関係を参照すると、図2(B)の上段に示した第1のトリガレベルLでは、ノイズ信号37をトリガしてしまい、結果として図2(B)中、中段に示すトリガ信号38を出力してしまうこととなるが、第2のトリガ回路22で第2のトリガレベルLによりトリガしたノイズパルス39を利用することにより、最終的にアンドゲート24からの出力パルス40は無くなる。すなわち流量信号40としてはパルス0となる。ノイズパルス39の利用方法については後述する。従って、一般的な固定トリガレベル方式よりもはるかにノイズ(特に高周波数)をトリガし誤出力する可能性が低くなる。
【0024】
図3は、図1におけるカウンタの計数処理を4つのメモリ機能をもつカウンタを例として説明するための図である。
カウンタ23への入力パルス信号の例として、図3のように第1〜第13の順に入力されるパルス系列41を説明する。カウンタ23への入力パルスが所定の期間存在するときを検出する必要があるので、カウンタ23は、所定の期間内に4つの記憶素子を埋めるだけのパルス、すなわち4つのパルスが無いときにはカウンタ23をリセットするか、フル(4)とさせないといった構成にする必要がある。簡略化のため、第1〜第8,第9〜第13のパルス間の間隔は全て一定とし、第8と第9のパルス間の間隔はその5倍とする。このとき、カウンタ23として4個の記憶素子を持つものを想定しているので、カウンタ23の計数値は、第1から第3まで1から3と増加し、第4のパルスの入力でフル(4)となり、第8のパルスの入力後までこの値(4)を維持する。第8と第9の間には所定の期間パルスの入力が無いので、計数値は減って行き、第9のパルスの入力により計数値は再び1となり第12で4となるまで増えていく。一方、カウンタ23から出力されるパルス信号42は、入力された第4〜第8,第12,第13のパルスに対応するパルスをもつこととなる。カウンタ23は、第1のトリガ回路21からの入力に従ってリセットされるが、上述のごとくさらに第2のトリガ回路22からの入力によってもリセットされることとなる。
【0025】
図4は、本発明の他の実施形態に係る渦流量計の構成例を示すブロック図である。
本実施形態の渦流量計は、上述した実施形態の渦流量計において、その誤出力防止回路の構成が異なり、その他同様の説明は省略する。上述した実施形態においては、第2のトリガレベルとして予め設定した固定値を想定していたが、本実施形態における第2のトリガレベルは、通常トリガレベルで得られるパルスの周波数(周期)により、想定される正常信号レベルより高い値に常に制御されるものとする。したがって、正常な信号の場合は常にそのレベルは第2のトリガレベルには達せず、第2のトリガレベルからはパルスの出力は無い。一方、第2のトリガレベルからパルスが発せられた場合は、正常のカルマン渦信号ではなく、何らかのノイズ信号であると判断できる。
【0026】
本実施形態に係る誤出力防止装置は、カルマン渦による渦信号検出センサからの出力のレベルが流速の増加に伴い大きくなるという特性を利用して、流速増加(カルマン渦の周波数の増加)に応じて第2のトリガレベルを、流量停止時等の外乱ノイズ信号を第2のトリガ回路22′でトリガするよう制御する。すなわち、停止時に、カルマン渦と同等の周波数の外乱ノイズ信号が入った場合でもそのレベルが、本来のカルマン渦の想定される信号レベルより高ければ、ノイズと判断して出力を抑制させる機能を備える。
【0027】
本実施形態に係る誤出力防止装置16′における第2のトリガ回路22′では、入力された信号(カルマン渦信号又はノイズ信号)が可変のトリガレベルを越えたときに、その信号をパルス化する。誤出力防止回路16′は、さらに周期計測回路25及びトリガレベル制御回路26を備えるものとする。周期計測回路25では、第1のトリガ回路21から出力された周期計測用のパルスから信号の周期(周波数)、すなわちカルマン渦の発生周期又はノイズ信号の周期(周波数)を計測する。トリガレベル制御回路26では、周期計測回路25で計測された周期(周波数)に従って、第2のトリガ回路22′のトリガレベルを制御する。第2のトリガ回路22′では、渦信号検出センサ13から出力された信号がトリガレベル制御回路26で制御された第2のトリガレベルLを越えたときにパルス信号をノイズ信号として出力することとなる。ここで出力されたパルスは、カウンタ23をリセットするための信号として利用される。
【0028】
図5は、図4のトリガレベル制御回路における制御を説明するための図で、図5(A)〜(C)各々が、被測定流体の流量すなわち渦発生周期(周波数)に基づいて設定する第2のトリガレベルの大きさの例を示す図である。
トリガレベル制御回路26で制御される第2のトリガ回路22′の第2のトリガレベルは、計測された周期の長さとは逆の傾向で、その大きさを制御するようにするとよい。すなわち、第2のトリガ回路22′の第2のトリガレベルLは、第1のトリガレベルで得たパルス周期(周波数)により制御され、流量増加と共に図5(A),(B)のごとく連続的に拡大するように、或いは図5(C)のごとくステップ的に拡大するようにしてもよい。なお、カルマン渦のエネルギは流速の二乗に比例して増大するが、第2のトリガレベルの流量に対するカーブは現実的には渦信号検出センサ13の出力特性を含めた傾向となる。
【0029】
再度、図2を参照すると、上述のごときトリガレベル制御回路26の制御により、流量計測時には、第2のトリガレベルLは第1のトリガレベルLのパルス信号33による制御により、センサ信号32とほぼ同じ特性で流量増加と共に拡大する。しかしながら、本来のカルマン渦によるセンサ13からのカルマン渦信号のレベルも、流量増大に伴って大きくなるので、全流量範囲において第2のトリガレベルLにて正常なカルマン渦信号32がトリガされないように第2のトリガレベルLを制御し設定することは可能である。
【0030】
一方、流量停止時には、振動,流体脈動,電気的ノイズ等のノイズ信号(周期T<T)が入力された場合も、第1のトリガレベルLにより、そのノイズの周波数(周期T)に応じて第2のトリガレベルLが制御される。すなわち、ノイズ周波数の増加に伴って第2のトリガレベルLは大きくなり第2のトリガ回路22′によりノイズだけがトリガされ易くなる。なお、一般にノイズ信号における周波数とレベルの関係はカルマン渦信号の特性と異なり、ノイズ周波数が大きくなるほどレベルも大きくなるとは限らない。
【0031】
なお、本実施形態の渦流量計における誤出力防止装置16′は、流量(カルマン渦の周期又は周波数)に応じて複数のトリガレベルから得られた複数のパルスの中から一つを選択する構成としてもよい。すなわち、複数の異なるレベルをもつトリガからなる多段トリガを使用して、ノイズ出力を防止するようにする。複数のトリガのうち一番トリガレベルの低いトリガからの出力から、周期計測回路で信号の周期(又は周波数)を計測すればよい。選択回路において、複数のトリガ回路の中から、前記低いトリガで計測された周期に基づき、使用するパルスを選択する。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、計測可能な流量範囲に影響を与えることなくノイズによる誤出力を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る渦流量計の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の誤出力防止装置における入出力信号を説明するための図で、図2(A)は流量計測時の、図2(B)は流量停止時の、それぞれセンサ出力信号と各トリガ回路でトリガされたパルス信号とその結果として出力されるパルス信号の例を示す図である。
【図3】図1におけるカウンタの計数処理を4つのメモリ機能をもつカウンタを例として説明するための図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る渦流量計の構成例を示すブロック図である。
【図5】図4のトリガレベル制御回路における制御を説明するための図で、図5(A)〜(C)各々が、被測定流体の流量すなわち渦発生周期(周波数)に基づいて設定する第2のトリガレベルの大きさの例を示す図である。
【符号の説明】
11…流管、12…渦発生体、13…渦信号検出センサ、14…アンプ、15…フィルタ回路、16,16′…誤出力防止回路、17…流量演算回路、21…第1のトリガ回路、22…第2のトリガ回路、23…カウンタ、24…アンドゲート、25…周期計測回路、26…トリガレベル制御回路。

Claims (5)

  1. 被測定流体が流通する流管内に流れに対向して設けられた渦発生体で発生する渦を渦信号検出センサで検出し、該渦信号検出センサで検出された信号を計測することにより被測定流体の流量又は流速を測定する渦流量計における誤出力防止装置において、前記渦信号検出センサから出力された信号が固定された第1のトリガレベルを越えたときにパルスを出力する第1のトリガ回路と、前記第1のトリガレベルより高い第2のトリガレベルをもち、前記渦信号検出センサから出力された信号が該第2のトリガレベルを越えたときにパルスを出力する第2のトリガ回路と、所定の時間内に前記第1のトリガ回路から出力されたパルスをカウントするカウンタと、該カウンタにおける計数値が所定の値に満たない場合に、前記第1のトリガ回路からの出力パルスを出力せず、前記カウンタにおける計数値が前記所定の値になった場合に、前記第1のトリガ回路からの出力パルスを出力するパルス出力手段と、前記第2のトリガ回路から出力されたパルスにより、前記カウンタの計数値をリセットする計数値リセット手段とを有し、前記パルス出力手段で出力されたパルスを被測定流体の流量又は流速の演算に用いることを特徴とする渦流量計における誤出力防止装置。
  2. 前記第2のトリガ回路は、前記渦信号検出センサから出力された信号が可変トリガレベルを越えたときにパルスを出力する可変トリガ回路とし、当該誤出力防止装置は、前記第1のトリガ回路から出力されたパルスから、前記渦信号検出センサから出力された信号の周期又は周波数を計測する周期計測回路と、該周期計測回路で計測された周期又は周波数に従って前記可変トリガ回路の可変トリガレベルを変更するよう制御するトリガレベル制御回路とを有することを特徴とする請求項1記載の渦流量計における誤出力防止装置。
  3. 前記トリガレベル制御回路は、前記周期計測回路で計測された周期の長さとは逆の傾向で前記可変トリガ回路のトリガレベルの大きさを制御することを特徴とする請求項2記載の渦流量計における誤出力防止装置。
  4. 前記第1のトリガ回路の第1のトリガレベルは、計測する最小流量の時のカルマン渦信号が十分トリガできる大きさに設定可能とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1記載の渦流量計における誤出力防止装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1記載の誤出力防止装置を備えたことを特徴とする渦流量計。
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