JP3594912B2 - 車両用折畳式ルーフの開閉装置 - Google Patents

車両用折畳式ルーフの開閉装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のルーフを折り畳んで車体の後部収納室に格納可能にした車両用折畳式ルーフの開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用折畳式ルーフの開閉装置としては、格納可能な幌張りの折畳式ルーフを備え、オープントップ(屋根なし)の状態とクローズトップ(屋根あり)の状態とを適宜選択可能ないわゆるコンバーチブル形の自動車に採用されているものがある。
【0003】
この種の自動車は、折り畳み状態のルーフが後部収納室に格納されているとき、蓋部材がその前端部が前方へ倒伏した状態の閉位置にあって後部収納室を閉じており、その倒伏した状態の蓋部材をその前縁部を起き上げた開位置にすることで、後部収納室を開いて、格納されたルーフを後部収納室から出し入れすることができるようになっている。
【0004】
また、このような開閉装置は、蓋部材を駆動するための駆動機構および、閉位置にある蓋部材を開位置の方向に変動不能に拘束するための拘束機構が設けられている。そして、蓋部材が開位置から閉位置に変動し、拘束機構が前記蓋部材を拘束した状態にすると、駆動機構が蓋部材の駆動を停止するようになっている。さらに、後部収納室に開設されたルーフ用の収納口に沿ってウェザーストリップである目詰め部材が延設され、駆動機構は目詰め部材の弾撥力に抗して、蓋部材を閉位置に駆動するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の車両用折畳式ルーフの開閉装置では、拘束機構が前記蓋部材を拘束した状態にした時から、駆動機構が蓋部材の駆動を停止する時までにわずかであるが時間が経過し、蓋部材が閉位置からさらに変動した過閉位置になる。過閉位置では、蓋部材の周縁とルーフ用の収納口の周縁とに段差が生じて、車体の外面が滑らかに連続しないことから、外観品質が低下してしまう。
【0006】
そこで、過閉位置にある蓋部材を閉位置に戻すべく、駆動機構にクラッチ手段を設け、クラッチ手段を切ることで、蓋部材が開位置の方向へ変動するのを許容し、目詰め部材の復元力により、過閉位置にある蓋部材を閉位置に戻すようにしたものが考えられている。しかし、このようなクラッチ手段は多くの部品点数を有し、コストが嵩み、また、駆動機構が大型になるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成にして、部品点数を減らして、コストを低減し、かつ、駆動機構の大型化を防止することができる車両用折畳式ルーフの開閉装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]車両のルーフ(13)を折り畳んで車体(12)の後部収納室(14)に格納可能にした車両用折畳式ルーフ(13)の開閉装置(20)において、
前記後部収納室(14)を閉じるための蓋部材(15)と、前記後部収納室(14)を開閉すべく蓋部材(15)を駆動する駆動機構(30)と、前記後部収納室(14)の閉じた閉位置から前記後部収納室(14)の開いた開位置の方向に変動不能に前記蓋部材(15)を拘束するための拘束機構(50)とを備え、
前記折り畳まれたルーフ(13)を前記後部収納室(14)から出し入れするための出入口(14a)の口周縁(14b)に沿って目詰め部材(WS)が設けられ、該目詰め部材(WS)は、前記閉位置にある前記蓋部材(15)を前記開位置の方向に付勢する復元力を有しており、
前記駆動機構(30)は、前記蓋部材(15)側に位置する第1部材(41)と、前記駆動源(32)側に位置して前記蓋部材(15)を開閉する第2部材(42)とを備え、
前記第1部材(41)は、前記第2部材(42)が係合し、前記駆動源(32)から前記蓋部材(15)に駆動力を伝えるための駆動力伝達経路において前記蓋部材(15)側に位置し、
前記第2部材(42)は、前記駆動源(32)側に位置して、前記蓋部材(15)を前記開位置および閉位置に駆動すべく作動するとき、それぞれ前記第1部材(41)と当接し、前記蓋部材(15)を前記開位置から前記閉位置に駆動すべく所定の一方向に作動するときに、前記拘束機構(50)が前記蓋部材(15)を拘束してから前記所定の一方向の作動を停止するまでの間に前記閉位置から閉じ過ぎた過閉位置に変動した前記蓋部材(15)が、前記目詰め部材(WS)の付勢力により前記後部収納室(14)の口周縁(14b)との段差のない前記閉位置に戻るのを許容すべく、前記所定の一方向の作動の停止後、前記駆動機構(30)が前記所定の一方向とは反対の方向に所定時間だけ作動することにより、前記所定の一方向とは反対の方向に作動して前記第1部材(41)から離間し、該第1部材(41)が過閉分戻るのを許容することを特徴とする車両用折畳式ルーフ(13)の開閉装置(20)。
【0009】
[2]車両のルーフ(13)を折り畳んで車体(12)の後部収納室(14)に格納可能にした車両用折畳式ルーフ(13)の開閉装置(20)において、
前記後部収納室(14)を閉じるための蓋部材(15)と、前記後部収納室(14)を開閉すべく蓋部材(15)を駆動する駆動機構(30)と、前記後部収納室(14)の閉じた閉位置から前記後部収納室(14)の開いた開位置の方向に変動不能に前記蓋部材(15)を拘束するための拘束機構(50)とを備え、
前記折り畳まれたルーフ(13)を前記後部収納室(14)から出し入れするための出入口(14a)の口周縁(14b)に沿って目詰め部材(WS)が設けられ、該目詰め部材(WS)は、前記閉位置にある前記蓋部材(15)を前記開位置の方向に付勢する復元力を有しており、
前記駆動機構(30)は、前記蓋部材(15)側に位置する第1部材(41)と、前記駆動源(32)側に位置して前記蓋部材(15)を開閉する第2部材(42)とを備え、
前記第1部材(41)は、前記第2部材(42)が係合し、前記駆動源(32)から前記蓋部材(15)に駆動力を伝えるための駆動力伝達経路において前記蓋部材(15)側に位置し、該第1部材(41)の一端部を中心にして、前記蓋部材(15)側に連結された第1部材(41)の他端部が揺動可能なように駆動機構(30)の本体(31)に支持され、
前記第2部材(42)は、前記駆動源(32)側に位置して、前記蓋部材(15)を前記開位置および閉位置に駆動すべく作動するとき、それぞれ前記第1部材(41)と当接し、前記蓋部材(15)を前記開位置から前記閉位置に駆動すべく所定の一方向に作動するときに、前記拘束機構(50)が前記蓋部材(15)を拘束してから前記所定の一方向の作動を停止するまでの間に前記閉位置から閉じ過ぎた過閉位置に変動した前記蓋部材(15)が、前記目詰め部材(WS)の付勢力により前記後部収納室(14)の口周縁(14b)との段差のない前記閉位置に戻るのを許容すべく、前記所定の一方向の作動の停止後、前記駆動機構(30)が前記所定の一方向とは反対の方向に所定時間だけ作動することにより、前記所定の一方向とは反対の方向に作動して前記第1部材(41)から離間し、該第1部材(41)が過閉分戻るのを許容するものであり、
さらに、前記第2部材(42)は、前記第1部材(41)に当接しているとき、前記第1部材(41)の揺動する中心を同心にして前記第1部材(41)と一体的に回動可能に、かつ、前記第1部材(41)に対し回動して前記第1部材(41)から過閉分だけ離間可能に駆動機構(30)の本体(31)に支持されていることを特徴とする車両用折畳式ルーフ(13)の開閉装置(20)。
【0011】
[3]前記第1部材(41)と前記第2部材(42)との一方に長孔(43)を形成し、
前記第1部材(41)と前記第2部材(42)との他方に、前記長孔(43)に該長孔(43)の長手方向に移動可能に嵌合し、前記長孔(43)の長手方向の両端縁にそれぞれ当接することで、前記駆動機構(30)の駆動力が前記駆動源(32)側から前記蓋部材(15)側に伝達可能になるピン部材(44)を設けたことを特徴とする[1]または[2]に記載の車両用折畳式ルーフ(13)の開閉装置(20)。
【0016】
次に本発明の作用を説明する。
ルーフ(13)が展開した状態にあり、蓋部材(15)は閉位置にあって車体(12)の後部収納室(14)を閉じた状態にあるとき、拘束機構(50)は、蓋部材(15)を閉位置から開位置の方向に変動不能に拘束している。
【0017】
ルーフ(13)を折り畳んで後部収納室(14)に格納するには、先ず、拘束機構(50)による蓋部材(15)の拘束を解除する。次に、駆動機構(30)を所定の一方向とは反対の方向に作動して、蓋部材(15)を閉位置から開位置に駆動する。
【0018】
蓋部材(15)が開位置になり、後部収納室(14)が開いた状態になった後に、ルーフ(13)が展開した状態から折り畳んだ状態になり、開き状態の後部収納室(14)に格納される。次に、駆動機構(30)を所定の一方向に駆動し、蓋部材(15)を開位置から閉位置に駆動する。蓋部材(15)が閉位置になると、駆動機構(30)の所定の一方向の作動が停止し、拘束機構(50)が蓋部材(15)を閉位置から開位置の方向に変動不能に拘束する。
【0019】
蓋部材(15)が閉位置になってから、駆動機構(30)の作動が停止するまで、駆動機構(30)はわずかであるが作動し、蓋部材(15)は閉位置からさらに変動して閉じ過ぎた過閉位置になる。蓋部材(15)を過閉位置から閉位置に戻すには、駆動機構(30)を所定の一方向とは反対の方向に作動すればよい。それにより、蓋部材(15)が開位置の方向へ変動するのが許容される。蓋部材(15)が過閉位置にあるとき、例えば、蓋部材(15)を開方向に付勢するものがあれば、その付勢力によって蓋部材(15)は閉位置に戻るようになる。また、拘束機構(50)が蓋部材(15)を閉位置から開位置の方向に変動不能に拘束するので、蓋部材(15)は閉位置に拘束される。それにより、車体(12)と蓋部材(15)との間に生じていた段差をなくすことができる。
【0020】
以上のように機能する駆動機構(30)としては、例えば、駆動機構(30)が駆動源(32)から蓋部材(15)に駆動力を伝えるための駆動力伝達経路において、蓋部材(15)側に位置する第1部材(41)と、駆動源(32)側に位置する第2部材(42)とを有するものがあり、第1部材(41)および第2部材(42)は以下のように作用する。
【0021】
すなわち、第2部材(42)が蓋部材(15)を開位置から閉位置に駆動すべく所定の一方向に作動すると、第2部材(42)が第1部材(41)に当接して、第1部材(41)を押し続け、あるいは、第2部材(42)が当接する第1部材(41)を押し続けることで、蓋部材(15)が閉位置に向かって変動し、蓋部材(15)が閉位置に変動して、拘束機構(50)が蓋部材(15)を拘束すると、第2部材(42)が所定の一方向の作動を停止する。
【0022】
前述したように、第2部材(42)が完全に作動停止するまで、蓋部材(15)は過閉位置に変動する。次に、第2部材(42)が所定の一方向とは反対の方向に作動すると、第2部材(42)が第1部材(41)から離間し、蓋部材(15)側に位置する第1部材(41)が第2部材(42)に対し移動可能になり、蓋部材(15)が開位置の方向へ変動するのが許容されるようになる。それにより、例えば付勢力などで蓋部材(15)が過閉位置から閉位置に戻るようになる。
【0023】
さらに、具体的には、第1部材(41)および第2部材(42)は次のように作用する。
第2部材(42)が蓋部材(15)を開位置から閉位置に駆動すべく所定の一方向に作動するとき、第2部材(42)は、第1部材(41)に当接しながら第1部材(41)の揺動する中心を同心にして第1部材(41)と一体的に回動する。それにより、第1部材(41)の他端部側に連結された蓋部材(15)が閉位置に変動する。
【0024】
拘束機構(50)が蓋部材(15)を拘束するようになると、第2部材(42)が作動停止し、第2部材(42)が所定の一方向とは反対の方向に作動すると、第2部材(42)が第1部材(41)に対し回動して第1部材(41)から離間するようになる。
【0025】
すなわち、第2部材(42)が駆動源(32)側に位置して、蓋部材(15)を開くときは第1部材(41)を引くよう係合し、また、蓋部材(15)を開位置から閉位置に駆動するときは第1部材(41)を押すよう当接し、かつ、閉じ過ぎた過閉位置に変動した蓋部材(15)が、目詰め部材(WS)の付勢力により後部収納室(14)の口周縁(14b)との段差のない前記閉位置に戻るのを許容すべく、第1部材(41)が過閉分戻るのを許容するようにした簡単な構成により、クラッチ手段によらず蓋部材(15)が過閉分戻るようにすることができる。
【0026】
また、蓋部材(15)が開位置から閉位置に変動し、拘束機構(50)が蓋部材(15)を拘束すると、駆動機構(30)が駆動停止し、かつ、所定の一方向とは反対の方向に所定時間だけ駆動する。この所定時間は、蓋部材(15)が開位置の方向へ変動するのを許容して、蓋部材(15)が閉位置に戻るのに、必要かつ十分な時間である。
【0027】
また、折り畳まれたルーフ(13)を後部収納室(14)から出し入れするための出入口(14a)の口周縁(14b)に沿って設けられた目詰め部材(WS)の復元力が、閉位置から閉じ過ぎた過閉位置にある蓋部材(15)を閉位置に戻すための付勢力になっている。
【0028】
すなわち、駆動機構(30)が所定の一方向に作動するとき、蓋部材(15)が目詰め部材(WS)の復元力に抗して閉位置あるいは、過閉位置に変動する。駆動機構(30)が作動停止し、所定の一方向とは反対の方向に作動することで、蓋部材(15)が開位置の方向へ変動するのを許容すると、目詰め部材(WS)の復元力により、蓋部材(15)が過閉位置から閉位置に戻るようになる。
【0029】
駆動機構(30)を構成する第1部材(41)と第2部材(42)との一方に長孔(43)を形成し、第1部材(41)と第2部材(42)との他方にピン部材(44)を設け、長孔(43)にピン部材(44)が長手方向に移動可能に嵌合しているものでは、長孔(43)の長手方向の両端縁にピン部材(44)がそれぞれ当接することで、駆動機構(30)の駆動力が駆動源(32)側から蓋部材(15)側に伝達可能になる。
【0030】
すなわち、長孔(43)の両端縁のいずれかにピン部材(44)が当接した状態で第2部材(42)が作動することで、蓋部材(15)が開位置から閉位置に変動し、あるいは、閉位置から開位置に変動する。また、蓋部材(15)が過閉位置にあるとき、長孔(43)の両端縁の一方から長孔(43)の両端縁の他方へ向かってピン部材(44)が離れることで、蓋部材(15)の開位置の方向への変動が許容されるようになる。長孔(43)およびピン部材(44)から成る簡単な構成で、駆動機構(30)に対して蓋部材(15)を断続可能なクラッチ手段と同様の効果を得ることができる。
【0031】
以上の駆動機構(30)は、蓋部材(15)に対し所定の一方向とその一方向とは反対の方向に所定量作動可能であり、駆動機構(30)が蓋部材(15)を常時完全に抑えているものではない。したがって、強風時や洗車時などに、蓋部材(15)に外力がかかると、蓋部材(15)が閉位置にあるときは、拘束機構(50)や目詰め部材(WS)などが外力を受けるので問題ないが、蓋部材(15)が開位置および、開位置と閉位置との間の途中位置に少なくともあるとき、蓋部材(15)が駆動機構(30)に対し前記所定量の範囲内で繰り返し変位して、その結果バタツキが生じるおそれがある。
【0032】
しかしながら、付勢手段(60)が蓋部材(15)を開く方向あるいは閉じる方向の一方に付勢しているので、蓋部材(15)の繰り返し変位が防止され、蓋部材(15)のバタツキを抑えることができる。
【0033】
前記付勢手段(60)は、例えば、車体と蓋部材(15)との間に架設されたガスステーなどにより構成されるものがある。
また、付勢手段(60)は、第2部材(42)に設けられ、第1部材(41)を第2部材(42)に当接する方向あるいは、第2部材(42)から離間する方向に付勢しているものがある。このような付勢手段(60)においては、第2部材(42)の近傍に付勢手段(60)の取付スペースが確保できれば、前記ガスステーなどよりも装置全体を小型にすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図17は、本発明の一実施の形態を示している。
図1は本発明の一実施の形態に係る車両用折畳式ルーフの開閉装置における蓋部材の駆動機構の正面図、図2は同じく蓋部材の駆動機構の取付状態を示し、蓋部材が閉位置にあるときの正面図、図3は同じく蓋部材が開位置にあるときの正面図である。
【0035】
図1〜図3に示すように、本実施の形態に係る車両用折畳式ルーフの開閉装置20は、幌であるルーフ13に沿って車幅方向に延ばされるルーフボー部材RBを車体12の前後方向に複数並設し、その複数のルーフボー部材RBに張られたルーフ13を折り畳んで車体12の後部収納室14に格納可能にしたものである。
【0036】
この折り畳まれたルーフ13を後部収納室14から出し入れするための出入口14aの口周縁14bに沿ってウェザーストリップである目詰め部材WSが設けられている。目詰め部材WSは、閉位置にある蓋部材15を開位置の方向に付勢する復元力を有している。
【0037】
開閉装置20は、ルーフ13をクローズトップ(屋根あり)の状態とオープントップ(屋根なし)の状態とに駆動するための駆動手段(図示省略)と、後部収納室14を開いた図2に示す開位置と閉じた図3に示す閉位置とに変動可能な蓋部材15と、後部収納室14を開くべく変動する蓋部材15の移動軌跡上から、複数のルーフボー部材RBの中で車体12の前後方向で後端に位置するルーフボー部材RBを退避するようにした駆動手段(図示省略)と、蓋部材15を駆動する駆動機構30と、蓋部材15を閉位置から開位置の方向に変動不能に拘束する拘束機構50とを備えている。蓋部材15の後端部近傍には、変動中心(図1に示す中心O1)が設けられている。
【0038】
駆動機構30は、蓋部材15を開位置から閉位置に駆動すべく所定の一方向に作動し、拘束機構50が蓋部材15を拘束すると、所定の一方向の作動を停止し、かつ、所定の一方向とは反対の方向に作動することで、蓋部材15が開位置の方向へ変動するのを許容するものである。駆動機構30の詳細な構成は後述する。
【0039】
図4は蓋部材の駆動機構の平面図、図5は蓋部材の駆動機構の側面図、図6は蓋部材の拘束機構の側面図である。
【0040】
図1および図4〜図6に示すように、駆動機構30は、本体31と、モータである駆動源32と、減速機構33と、駆動アームである第1部材41と、セクタギアである第2部材42とを備えている。
【0041】
駆動源32から前記蓋部材15に駆動力を伝えるための駆動力伝達経路において、第1部材41は蓋部材15側に位置する一方、第2部材42は、駆動源32側に位置している。第2部材42が、蓋部材15を開位置から閉位置に駆動すべく所定の一方向(図1において反時計方向)に作動するときは第1部材41に当接し、拘束機構50が蓋部材15を拘束すると、所定の一方向の作動を停止し、かつ、第1部材41から離間させるべく所定の一方向とは反対の方向(図1において時計方向)に作動することで、蓋部材15が開位置の方向へ変動するのを許容するように構成されている。
【0042】
さらに、具体的には、第1部材41は、本体31に固設された軸部材45により、図1において実線で示す位置と、図1において想像線で示す位置とに揺動可能に支持されている。また、第2部材42は、同じく本体31に固設された軸部材45により、図1において実線で示す位置と、図1において想像線で示す位置とに回動可能に支持されている。
【0043】
図11は車体12の左側に設けられた第1部材41の斜視図、図12は車体12の右側に設けられた第1部材41の斜視図、図13は第2部材の正面図、図14は図13のXIV−XIV線断面図である。
【0044】
図4〜図6および図8〜図14に示すように、第1部材41の一端部41aには長孔43が形成されている。長孔43は、厳密には軸部材45を中心とする円弧形状の長孔(幅が略10mm、長さが略12mmの長孔)である。また、第2部材42には直径略10mmのピン部材44が固設されている。長孔43およびピン部材44は、軸部材45を中心にして対称的な位置にそれぞれ一対設けられている。各ピン部材44は各長孔43に長手方向に移動可能に嵌合しており、止着リング44aで抜止めされている。
【0045】
図7は図1のVII−VII線断面図、図8は図1のVIII−VIII線断面図、図9は図1のIX−IX線断面図、図10は図1のX−X線断面図である。
図8に示すように、ピン部材44は、長孔43にその長手方向に移動可能に嵌合し、長孔43の長手方向の両端縁にそれぞれ当接することで、駆動機構30の駆動力が駆動源32側から蓋部材15側に伝達可能になるものである。逆の態様、すなわち、第1部材41側にピン部材44を固設し、第2部材42側に長孔43を形成してもよい。
【0046】
図7に示すように、第1部材41の一端部41aとは、反対の他端部41bには、リンク部材46の下端部が連結され、リンク部材46の上端部が支持ブラケット47を介して蓋部材15に連結されている。また、図9に示すように、第1部材41には、近接スイッチSW1に当接することで第1部材41が開位置に変動したことを検出可能な被当接フランジ41cが形成されている。被当接フランジ41cは、左右の第1部材の中で左側にのみ設けられている。さらに、図10に示すように、第1部材41には被当接フランジ41dが形成されている。被当接フランジ41dは、本体31側のストッパフランジ31aに当接することで、第1部材41の回動を制限するものである。
【0047】
図1に示すように、駆動源32の出力ギアが減速機構33の大径ギア33aに噛合し、第2部材42のセクタ歯42aが小径ギア33bに噛合している。図1では、駆動源32の出力ギアが大径ギア33aに左側から噛合する態様と右側から噛合する態様との2通りを示しており、駆動源32の取付スペース等を配慮して、どちらの態様を選択してもよい。
【0048】
図6は蓋部材の拘束機構の側面図である。
図1、図2および図4〜図6に示すように、蓋部材15の前縁部の位置に相当する支持ブラケット47の端部にはストライカ18が固設されている。拘束機構50は、ベース部材51と、ストライカ18に係合する係合位置とストライカ18から外れた非係合位置とに揺動可能に支持され、非係合位置に揺動する方向に付勢されたラッチ52と、ラッチ52を係合位置に拘束する拘束位置と拘束解除位置とに揺動可能に支持され、拘束位置に揺動する方向に付勢されたロッキングプレート53と、ロッキングプレート53が前記各位置にあることを検出するための近接スイッチSW2と、ロッキングプレート53を付勢力に抗して強制的に拘束解除位置に揺動し、ラッチ52がストライカ18から外れるようにした操作ワイヤ54とを有している。
【0049】
駆動機構30は制御部(図示省略)を有している。制御部は開閉操作信号で作動信号を本体31に出力して本体31を正逆いずれかの回転方向に作動するものである。例えば、本体31を正転方向に駆動し、第2部材42が所定の一方向(図1において反時計方向)に作動し、第2部材42のピン部材44が第1部材41の長孔43の両端縁の一方を押し込み、第1部材41が図1において反時計方向に揺動し、リンク部材46〜支持ブラケット47を介して、蓋部材15が引き込まれ、開位置から閉位置に変動していくと、ストライカ18がベース部材51に形成された進入溝55内に進入し、やがて、ラッチ52がストライカ18に係合し、ロッキングプレート53が拘束位置に揺動してラッチ52を係合位置に拘束する。このとき、蓋部材15は閉位置(図1および図15に示すS0位置)になっている。また、後部収納室14の出入口14aの口周縁14bに沿設された目詰め部材WSは撓んでいる。
【0050】
また、制御部は、ロッキングプレート53が拘束位置に揺動したことを近接スイッチSW2が検出することで、作動停止信号を本体31に出力して本体31を作動停止するものである。蓋部材15が閉位置になってから本体31が作動停止するまでにわずかな時間が経過し、その時間経過で、駆動機構30が蓋部材15を引き込み、蓋部材15が閉じ過ぎた過閉位置(図1および図15に示すS1位置)になる。蓋部材15が過閉位置にあるとき、ストライカ18が進入溝55内を下がり過ぎているものの、ラッチ52は係合位置のままであり、ロッキングプレート53は拘束位置のままである。
【0051】
さらに、制御部は、蓋部材15を過閉位置から閉位置に戻すべく、言い換えれば、ストライカ18を進入溝55内の所定位置に戻すべく、本体31を逆転方向に駆動し、第2部材42が所定の一方向とは反対の方向(図1において時計方向)に所定時間(図15に示すT1)だけ作動する。それにより、第2部材42のピン部材44が第1部材41の長孔43の両端縁の一方から離間するようになり、第1部材41が時計方向に揺動可能になり、蓋部材15の引き込みが弱まり、目詰め部材WSの復元力で蓋部材15が閉位置に戻るようになる。
【0052】
また、前記所定時間は本実施の形態では0.4secであり、第2部材42のピン部材44が第1部材41の長孔43内を両端縁の一方から離間していく時間であり、目詰め部材WSの復元力が大きいときに、場合によっては、離間しようとする第2部材42のピン部材44に第1部材41の長孔43の両端縁の一方が追従していく時間となる。その所定時間中に第2部材42のピン部材44が第1部材41の長孔43の両端縁の一方から離間した分に相当して、第1部材41が時計方向に揺動可能になって、蓋部材15が開位置の方向へ変動するのが許容され、蓋部材15が過閉位置から閉位置に戻る。すなわち、所定時間は、蓋部材15が過閉位置から閉位置に戻るのに必要かつ十分な時間である。
【0053】
次に本実施の形態の作用を説明する。先ずは、第1部材41および第2部材42を有するものに限定されない駆動機構30の作用を説明する。車体12の前後方向に展開した複数のルーフボー部材RBに幌であるルーフ13が張られているクローズトップの状態では、図2に示すように、蓋部材15は閉位置にあって、車体12の後部収納室14を閉じた状態にあるとき、拘束機構50は、蓋部材15を閉位置から開位置の方向に変動不能に拘束している。具体的には、ロッキングプレート53は係合位置にラッチ52を拘束し、ラッチ52はストライカ18に係合している。
【0054】
このクローズトップの状態からオープントップの状態にするには、図外の操作スイッチの操作により、蓋部材15を変動させて後部収納室14を開き、開いた後部収納室14に折り畳んだルーフ13を格納すればよい。
【0055】
ルーフ13を折り畳んで後部収納室14に格納するには、先ず、拘束機構50による蓋部材15の拘束を解除する。すなわち、ロッキングプレート53を拘束解除位置にし、ラッチ52を係合位置から係合解除位置に揺動可能にし、ラッチ52をストライカ18から外す。
【0056】
次に、駆動機構30を所定の一方向とは反対の方向に作動することで、蓋部材15を閉位置から開位置に駆動する。次に、ルーフ13が折り畳まれながら後方へ移動し、ルーフ13が折り畳み状態になって後部収納室14に格納される。次に、蓋部材15を開位置から閉位置に変動し、後部収納室14を閉じる。
【0057】
蓋部材15を開位置から閉位置にするには、駆動機構30を所定の一方向に駆動する。蓋部材15を開位置から閉位置に変動する。蓋部材15が閉位置(図15に示すS0位置)になると、図外の制御部が駆動機構30の作動を停止すべく制御し、また、拘束機構50が蓋部材15を閉位置から開位置の方向に変動不能に拘束する。
【0058】
ところが、蓋部材15が閉位置になってから、駆動機構30が所定の一方向の作動を停止するまで、駆動機構30はわずかであるが作動し、蓋部材15は閉位置からさらに変動して閉じ過ぎた過閉位置(図15に示すS1位置)になる。蓋部材15を過閉位置から閉位置に戻すには、駆動機構30を所定の一方向とは反対の方向に作動すればよい。それにより、蓋部材15が開位置の方向へ変動するのが許容される。蓋部材15が過閉位置にあるとき、例えば、目詰め部材WSがその復元力で蓋部材15を開方向に付勢しているので、その付勢力によって蓋部材15は閉位置に戻るようになる。それにより、車体12と蓋部材15との間に生じていた段差をなくすことができる。
【0059】
以上のように機能する駆動機構30としては、例えば、駆動機構30が駆動源32から蓋部材15に駆動力を伝えるための駆動力伝達経路において、蓋部材15側に位置する第1部材41と、駆動源32側に位置する第2部材42とを有するものがあり、第1部材41および第2部材42は以下のように作用する。
【0060】
すなわち、第2部材42が蓋部材15を開位置から閉位置に駆動すべく所定の一方向に作動すると、第2部材42が第1部材41に当接して、第1部材41を押し続け、あるいは、第2部材42が当接する第1部材41を押し続けることで、第1部材と第2部材42とが一体的に作動し、蓋部材15が閉位置に向かって変動し、蓋部材15が閉位置(図15に示すS0位置)に変動して、拘束機構50が蓋部材15を拘束すると、制御部が第2部材42の所定の一方向の作動を停止すべく制御する。
【0061】
前述したように、制御部による作動停止の制御時から第2部材42が完全に作動停止するまで、蓋部材15は所定の一方向の作動をし続け、過閉位置(図15に示すS1位置)に変動する。次に、第2部材42が所定の一方向とは反対の方向に作動すると、第2部材42が第1部材41から離間するようになり、蓋部材15側に位置する第1部材41が第2部材42に対し移動可能になり、蓋部材15が開位置の方向へ変動するのが許容されるようになる。それにより、例えば付勢力などで蓋部材15が過閉位置から閉位置に戻るようになる。
【0062】
次に、第1部材41の長孔43に第2部材42のピン部材44が長手方向に移動可能に嵌合している駆動機構30の作用を説明する。蓋部材15を閉位置から開位置に駆動すべく、駆動機構30の駆動源32を逆回転し、第2部材42を所定の一方向とは反対の方向(図1において時計方向)に作動することで、第2部材42のピン部材44が第1部材41の長孔43の両端縁の一方に当接しながらその一方の端縁を押し、第1部材41を図1において時計方向に揺動させることで、リンク部材46を押し上げ、支持ブラケット47を介して蓋部材15を閉位置から開位置に駆動する。第1部材41の被当接フランジ41cが近接スイッチSW1に触れることで、蓋部材15が開位置に変動したことが検出され、図外の制御部が駆動機構30の作動を停止する。
【0063】
次に、ルーフ13が折り畳まれながら後方へ移動し、ルーフ13が折り畳み状態になって後部収納室14に格納される。次に、蓋部材15を開位置から閉位置に変動し、後部収納室14を閉じる。
【0064】
蓋部材15を開位置から閉位置にするには、駆動機構30の本体31を正転方向に作動し、第2部材42を所定の一方向(図1において反時計方向)に駆動する。それにより、第2部材42のピン部材44が第1部材41の長孔43内を移動し、長孔43の両端縁の他方に当接し、その他方の端縁を押し、第1部材41が図1において反時計方向に揺動することで、リンク部材46が引き下げられ、支持ブラケット47を介して蓋部材15を開位置から閉位置に変動する。
【0065】
蓋部材15が閉位置になると、ラッチ52がストライカ18に係合し、ロッキングプレート53が拘束位置に揺動してラッチ52を係合位置に拘束する。それにより、拘束機構50が蓋部材15を閉位置から開位置の方向に変動不能に拘束し、近接スイッチSW2の検出信号で制御部が第2部材42の所定の一方向(図1において反時計方向)の作動を停止すべく制御する。
【0066】
具体的には、蓋部材15が閉位置に変動していくと、ストライカ18がベース部材51に形成された進入溝55内に進入し、やがて、ラッチ52がストライカ18に係合し、ロッキングプレート53が拘束位置に揺動してラッチ52を係合位置に拘束する。このとき、蓋部材15は閉位置(図1および図15に示すS0位置)になっている。また、後部収納室14の出入口14aの口周縁14bに沿設された目詰め部材WSが蓋部材15の前縁によって撓む。
【0067】
蓋部材15が閉位置になってから、第2部材42の所定の一方向の作動が停止するまで、第2部材42はわずかであるが作動し、蓋部材15は閉位置からさらに変動して閉じ過ぎた過閉位置(図1および図15に示すS1位置)になる。また、ストライカ18は進入溝55内を進入し過ぎた位置になる。
【0068】
蓋部材15を過閉位置から閉位置に戻すには、駆動機構30の本体31を逆転方向に作動し、第2部材42を所定の一方向とは反対の方向(図1において時計方向)に所定時間(図15に示すT1、例えば0.4sec)だけ作動すればよい。
【0069】
それにより、長孔43のピン部材44が第2部材42の長孔43の両端縁の他方から離れるようになり、長孔43の他方の端縁から離れた分に応じて、第1部材41が図1において時計方向に揺動可能になり、蓋部材15が開位置の方向へ変動するのが許容される。蓋部材15が過閉位置にあるとき、例えば、目詰め部材WSがその復元力で蓋部材15を開方向に付勢しているので、その付勢力によって蓋部材15は閉位置(図1および図15に示すS0位置)に戻るようになる。
【0070】
ストライカ18も進入溝55内を戻るようになる。拘束機構50のロッキングプレート53は拘束位置にあり、ラッチ52は係合位置にあって、ストライカ18に係合した状態を維持するので、蓋部材15は閉位置から開位置の方向に変動不能に拘束されたままであり、蓋部材15は閉位置に拘束される。それにより、車体12と蓋部材15との間に生じていた段差をなくすことができる。
【0071】
次に、本発明の実施の形態の他の例を説明する。
図16に示すように、車体と蓋部材15との間にガスステーである付勢手段60が架設されている。この付勢手段60は、蓋部材15を開く方向に付勢している。付勢手段60は蓋部材15を閉じる方向に付勢していてもよい。
【0072】
前述の駆動機構30は、蓋部材15に対し所定の一方向とその一方向とは反対の方向に所定量作動可能であり、駆動機構30が蓋部材15を常時完全に抑えているものではない。したがって、強風時や洗車時などに、蓋部材15に外力がかかると、蓋部材15が閉位置にあるときは、拘束機構50や目詰め部材WSなどが外力を受けるので問題ないが、蓋部材15が開位置および、開位置と閉位置との間の途中位置に少なくともあるとき、蓋部材15が駆動機構30に対し前記所定量の範囲内で繰り返し変位して、その結果バタツキが生じるおそれがある。
【0073】
しかしながら、付勢手段60が蓋部材15を開く方向に付勢しているので、蓋部材15の繰り返し変位が防止され、蓋部材15のバタツキを抑えることができる。
【0074】
また、図17に示すように、付勢手段60は第2部材42に設けられるものである。具体的には、付勢手段60は軸部材45に巻着された巻きばねである。巻きばねである付勢手段60の先端部61が第1部材41側のピン部材44に係止され、第1部材41を第2部材42に当接する方向に付勢している。付勢手段60は、第1部材41を第2部材42から離間する方向に付勢しているものであってもよい。このような付勢手段60においては、第2部材42の近傍に付勢手段60の取付スペースが確保できれば、車体と蓋部材15との間に架設されるガスステーなどよりも装置全体を小型にすることができる。
【0075】
なお、前記実施の形態においては、駆動源32から蓋部材15に駆動力を伝えるための駆動力伝達経路を減速機構33〜支持ブラケット47により構成し、駆動力伝達経路を構成する複数の構成部品の中から選出した第1部材41と第2部材42とを一体的に変位可能かつ相対的に変位可能に構成させたものを示したが、第1部材および第2部材はこれに限らず、複数の構成部品の中から適宜選出されるものである。
【0076】
また、駆動力伝達経路は、本実施の形態のようにリンク機構で構成されるものでは必ずしもなく、例えば、駆動ケーブルで蓋部材15を駆動するケーブル方式のものであってもよい。その場合には、第1部材および第2部材は、そのような駆動力伝達経路を構成する構成部品の中から適宜選出される。
【0077】
また、蓋部材15が過閉位置にあるとき、第1部材41の長孔43の両端縁の一方から長孔43の両端縁の他方へ向かって第2部材42のピン部材44が離れることで、蓋部材15の開位置の方向への変動が許容されるようになるものを示したが、このような長孔43とピン部材44との関係でなくてもよい。例えば、第2部材42が所定の一方向に作動することで、ピン部材44が第1部材41側の当接フランジに一側から当接して、蓋部材15を開位置から閉位置に駆動し、第2部材42が所定の一方向とは反対の方向に作動することで、当接フランジから離間して、蓋部材の開位置の方向への変動を許容し、さらに、第2部材42を反対方向に作動することで、当接フランジの他側から当接し、蓋部材15を閉位置から開位置に駆動するようにしてもよい。
【0078】
さらに、折り畳まれたルーフ13を後部収納室14から出し入れするための出入口14aの口周縁14bに沿って設けられた目詰め部材WSの復元力が、閉位置から閉じ過ぎた過閉位置にある蓋部材15を閉位置に戻すための付勢力になっているものを示したが、付勢力は目詰め部材WSの復元力に限らない。例えば、拘束機構50のベース部材51の進入溝55に弾性部材を設け、その弾性部材の弾撥力により、蓋部材15が過閉位置にあるときに進入溝55内を進入し過ぎたストライカ18を所定位置に戻すようにしてもよい。
【0079】
【発明の効果】
本発明に係る車両用折畳式ルーフの開閉装置によれば、蓋部材が閉位置になってから、駆動機構が所定の一方向の作動を停止するまで、駆動機構はわずかであるが作動し、蓋部材は閉位置からさらに変動して閉じ過ぎた過閉位置になり、車体と蓋部材との間に段差が生じるようになるが、駆動機構を所定の一方向とは反対の方向に作動することで、蓋部材が開位置の方向へ変動するのを許容するようにしたので、例えば、蓋部材を開位置の方向に付勢するものがあれば、その付勢力によって蓋部材は閉位置に戻るようになり、簡単な構成で、車体と蓋部材との間に生じていた段差をなくすことができ、コストを低減し、かつ、駆動機構の大型化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車両用折畳式ルーフの開閉装置における蓋部材の駆動機構の正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る車両用折畳式ルーフの開閉装置における蓋部材の駆動機構の取付状態を示すものであり、蓋部材が閉位置あるときの正面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る車両用折畳式ルーフの開閉装置における蓋部材の駆動機構の取付状態を示すものであり、蓋部材が開位置あるときの正面図である。
【図4】蓋部材の駆動機構の平面図である。
【図5】蓋部材の駆動機構の側面図である。
【図6】蓋部材の拘束機構の側面図である。
【図7】図1のVII−VII線断面図である。
【図8】図1のVIII−VIII線断面図である。
【図9】図1のIX−IX線断面図である。
【図10】図1のX−X線断面図である。
【図11】車体12の左側に設けられた第1部材の斜視図である。
【図12】車体12の右側に設けられた第1部材の斜視図である。
【図13】蓋部材の駆動機構の第2部材の正面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線断面図である。
【図15】蓋部材の変位図と蓋部材の駆動機構のタイムチャートとを併記した図である。
【図16】付勢手段を説明する部分正面図である。
【図17】他の付勢手段を説明する部分正面図である。
【符号の説明】
RB…ルーフボー部材
S0…閉位置
S1…過閉位置
SW1…近接スイッチ
SW2…近接スイッチ
T1…所定時間
WS…目詰め部材
12…車体
13…ルーフ(幌)
14…後部収納室
14a…出入口
14b…口周縁
15…蓋部材
18…ストライカ
20…開閉装置
30…駆動機構
31…本体
32…駆動源
33…減速機構
33a…大径ギア
33b…小径ギア
41…第1部材
41a…一端部
41b…他端部
41c…被当接フランジ
42…第2部材
43…長孔
44…ピン部材
44a…止着リング
45…軸部材
46…リンク部材
47…支持ブラケット
50…拘束機構
51…ベース部材
52…ラッチ
53…ロッキングプレート
54…操作ワイヤ
55…進入溝
60…付勢手段
61…先端部

Claims (3)

  1. 車両のルーフを折り畳んで車体の後部収納室に格納可能にした車両用折畳式ルーフの開閉装置において、
    前記後部収納室を閉じるための蓋部材と、前記後部収納室を開閉すべく蓋部材を駆動する駆動機構と、前記後部収納室の閉じた閉位置から前記後部収納室の開いた開位置の方向に変動不能に前記蓋部材を拘束するための拘束機構とを備え、
    前記折り畳まれたルーフを前記後部収納室から出し入れするための出入口の口周縁に沿って目詰め部材が設けられ、該目詰め部材は、前記閉位置にある前記蓋部材を前記開位置の方向に付勢する復元力を有しており、
    前記駆動機構は、前記蓋部材側に位置する第1部材と、前記駆動源側に位置して前記蓋部材を開閉する第2部材とを備え、
    前記第1部材は、前記第2部材が係合し、前記駆動源から前記蓋部材に駆動力を伝えるための駆動力伝達経路において前記蓋部材側に位置し、
    前記第2部材は、前記駆動源側に位置して、前記蓋部材を前記開位置および閉位置に駆動すべく作動するとき、それぞれ前記第1部材と当接し、前記蓋部材を前記開位置から前記閉位置に駆動すべく所定の一方向に作動するときに、前記拘束機構が前記蓋部材を拘束してから前記所定の一方向の作動を停止するまでの間に前記閉位置から閉じ過ぎた過閉位置に変動した前記蓋部材が、前記目詰め部材の付勢力により前記後部収納室の口周縁との段差のない前記閉位置に戻るのを許容すべく、前記所定の一方向の作動の停止後、前記駆動機構が前記所定の一方向とは反対の方向に所定時間だけ作動することにより、前記所定の一方向とは反対の方向に作動して前記第1部材から離間し、該第1部材が過閉分戻るのを許容することを特徴とする車両用折畳式ルーフの開閉装置。
  2. 車両のルーフを折り畳んで車体の後部収納室に格納可能にした車両用折畳式ルーフの開閉装置において、
    前記後部収納室を閉じるための蓋部材と、前記後部収納室を開閉すべく蓋部材を駆動する駆動機構と、前記後部収納室の閉じた閉位置から前記後部収納室の開いた開位置の方向に変動不能に前記蓋部材を拘束するための拘束機構とを備え、
    前記折り畳まれたルーフを前記後部収納室から出し入れするための出入口の口周縁に沿って目詰め部材が設けられ、該目詰め部材は、前記閉位置にある前記蓋部材を前記開位置の方向に付勢する復元力を有しており、
    前記駆動機構は、前記蓋部材側に位置する第1部材と、前記駆動源側に位置して前記蓋部材を開閉する第2部材とを備え、
    前記第1部材は、前記第2部材が係合し、前記駆動源から前記蓋部材に駆動力を伝えるための駆動力伝達経路において前記蓋部材側に位置し、該第1部材の一端部を中心にして、前記蓋部材側に連結された第1部材の他端部が揺動可能なように駆動機構の本体に支持され、
    前記第2部材は、前記駆動源側に位置して、前記蓋部材を前記開位置および閉位置に駆動すべく作動するとき、それぞれ前記第1部材と当接し、前記蓋部材を前記開位置から前記閉位置に駆動すべく所定の一方向に作動するときに、前記拘束機構が前記蓋部材を拘束してから前記所定の一方向の作動を停止するまでの間に前記閉位置から閉じ過ぎた過閉位置に変動した前記蓋部材が、前記目詰め部材の付勢力により前記後部収納室の口周縁との段差のない前記閉位置に戻るのを許容すべく、前記所定の一方向の作動の停止後、前記駆動機構が前記所定の一方向とは反対の方向に所定時間だけ作動することにより、前記所定の一方向とは反対の方向に作動して前記第1部材から離間し、該第1部材が過閉分戻るのを許容するものであり、
    さらに、前記第2部材は、前記第1部材に当接しているとき、前記第1部材の揺動する中心を同心にして前記第1部材と一体的に回動可能に、かつ、前記第1部材に対し回動して前記第1部材から過閉分だけ離間可能に駆動機構の本体に支持されていることを特徴とする車両用折畳式ルーフの開閉装置。
  3. 前記第1部材と前記第2部材との一方に長孔を形成し、
    前記第1部材と前記第2部材との他方に、前記長孔に該長孔の長手方向に移動可能に嵌合し、前記長孔の長手方向の両端縁にそれぞれ当接することで、前記駆動機構の駆動力が前記駆動源側から前記蓋部材側に伝達可能になるピン部材を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用折畳式ルーフの開閉装置。
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