JP3594847B2 - 画像処理方法及び画像処理装置並びに外観検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば磁気ディスク装置のガラス基板表面に存在する傷等の欠陥を自動的に検出するための画像処理方法及び画像処理装置並びに外観検査装置に関するものである。さらに詳しくは、その傷の幅や長さに基づいて、表面の欠陥を検出するための画像処理方法及び画像処理装置並びに外観検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の外観検査装置としては、ガラス基板表面にレーザ光やハロゲンランプ光源などから高輝度光線を照射する装置が知られている。この装置は、ガラス基板表面に高輝度光線を照射し、そこから散乱、反射又は回折する光をフォトマルやフォトダイオード等の受光素子で捉えて光電変換した後、その信号強度が通常レベルよりも超えている場合に、ガラス基板表面に欠陥があると判断している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、磁気ディスクや液晶表示素子用ガラス基板等、非常に微細な傷や異物を検出する必要がある場合、ガラス基板を研磨したときに発生する微小な研磨筋と傷との境界が判別しにくくなる。用途によって、微小な研磨筋を良品と判断するが、傷については不良品と判断したいという要求があり、その場合傷があるものだけを不良品と判断したい。
【0004】
また、多くの場合、研磨筋からの回折光の強度と、傷からの反射光又は散乱光の強度は同等レベルである。そのような場合、前記従来の外観検査装置では精度が低いため、良否判断を正確に行うことができない、という問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、被対象物の表面に存在する欠陥に対する良否判断を精度良く、しかも自動的に行うことができる画像処理方法及び画像処理装置並びに外観検査装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の画像処理方法は、被対象物から入力手段を介して、制御装置の中央処理装置(CPU)が読み書き可能なメモリ上の空間に画像情報を記録する工程と、良品と判断すべきノイズデータを含んだ前記画像情報から、不良品と判断すべき特定の幅をもって連続している傷データの画像情報だけを抽出する処理を行うために、この画像情報上に複数の検査領域を設け、その検査領域を分割して複数の分割領域を設定し、各分割領域について信号強度値の積算値又は平均値を算出し、全ての分割領域について前記積算値又は平均値を平均して全平均値を算出し、各分割領域の信号強度値の積算値又は平均値と全平均値とから、各検査領域における分散を求め、この分散が予め定められた第1しきい値を超えた場合に、前記検査領域に又は前記メモリ上の別空間に、傷要素を意味するマーキングをする工程と、前記傷要素に隣接する上下一定幅に別の傷要素がないか探査し、存在する場合は引き続き探査を行い、連続した傷要素の数が予め定められた第2しきい値を超えた場合に、この一連の傷要素を傷と認識して、メモリ上の別の空間に欠陥を意味する符号を記録し画像情報を新たに構築する工程と、それを出力手段により出力する工程とを備えてなるものである。
【0007】
請求項2に記載の画像処理方法は、請求項1に記載の発明において、前記検査領域の大きさ及び形状を、傷として検出する対象により選択したものである。
請求項3に記載の画像処理装置は、被対象物から、制御装置の中央処理装置(CPU)が読み書き可能なメモリ上の空間に画像情報を入力するための入力手段と、良品と判断すべきノイズデータを含んだ前記画像情報から、不良品と判断すべき特定の幅をもって連続している傷データの画像情報だけを抽出する処理を行うために、この画像情報上に複数の検査領域を設け、その検査領域を分割して複数の分割領域を設定し、各分割領域について信号強度値の積算値又は平均値を算出し、全ての分割領域について前記積算値又は平均値を平均して全平均値を算出し、各分割領域の信号強度値の積算値又は平均値と全平均値とから、各検査領域における分散を求め、この分散が予め定められた第1しきい値を超えた場合に、前記検査領域に又は前記メモリ上の別空間に、傷要素を意味するマーキングをし、前記傷要素に隣接する上下一定幅に別の傷要素がないか探査し、存在する場合は引き続き探査を行い、連続した傷要素の数が予め定められた第2しきい値を超えた場合に、この一連の傷要素を傷と認識して、メモリ上の別の空間に欠陥を意味する符号を記録し画像情報を新たに構築する制御装置と、その制御装置に新たに構築された前記画像情報を出力するための出力手段とを備えたものである。
【0008】
請求項4に記載の外観検査装置は、請求項3に記載の画像処理装置を含む外観検査装置であって、前記被対象物はその外観を検査するためのガラス基板であり、前記出力手段は制御装置に記録された外観の情報を知らせるための警報装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について詳細に説明する。
画像処理装置は、ガラス基板等の被対象物から情報を入力するための入力手段と、その入力手段から入力された情報に基づいて良品と不良品とを判別するための制御装置と、その制御装置に記録された情報を出力するための出力装置とを備えている。
【0010】
制御装置では、被対象物から入力手段により入力された画像情報が、中央処理装置(CPU)が読み書き可能なメモリ上に記録される。メモリ上の画像情報は、複数の検査領域に分割され、この検査領域が後述する傷検出のための画像情報処理の基準となる。すなわち、検査領域は、メモリ上の画像情報の一部であって、傷検出画像情報処理の基本単位となるものである。検査領域の大きさ及び形状は、傷として検出する対象により適宜選択されるものであって、例えばその形状としては、三角形、四角形又は六角形などが例示される。検査領域は、隣接する他の検査領域とその一部が重複しても構わないが、重複により傷検査能力が向上するものではないため、画像情報の処理速度の点から検査領域間での重複はない方が好ましい。
【0011】
一方、隣接する検査領域間に隙間が存在すると、傷検出から漏れる部分が生じてしまうため、傷検出精度が低下するおそれがあり好ましくない。但し、隙間が小さく、傷検出精度がほとんど低下しない場合まで、隙間の存在を排除するものではない。従って、検査領域の形状は、検査領域間で隙間の生じない三角形、四角形又は六角形が適当であり、画像情報処理の高速化の点からは正方形が特に好ましい。なお、複数の形状が組み合わされたものでもよい。
【0012】
また、検査領域は分割され、その分割された各領域は分割領域と称される。検査領域の分割数は特に制限されるものではないが、各分割領域が検査領域での画像情報処理の基本単位となることから、検査領域の大きさや形状、あるいは検出すべき傷の大きさなどの条件から好ましい分割数が決定される。また、分割領域の形状及び大きさも、前記検査領域の場合と同様にして決定される。
【0013】
傷検出画像情報処理では、まずメモリ上に記録された画像情報における全ての分割領域の検出強度の平均値(以下、「全平均値」という)を算出する。各分割領域には複数の画素が存在し、この画素は被対象物からの一定強度以上の反射光を受けた場合にのみ反応する。また、各分割領域における検出強度値は、上記の反応画素数で決まり、その画素数の積算値又は平均値である。従って、全平均値は、各分割領域の検出強度値(画素数の積算値又は平均値)を画像情報の全分割領域について平均した値である。そして、各検査領域において、全平均値と各分割領域の検出強度値との差から分散を求め、その分散が予め定められた第1しきい値を超えた場合に、各検査領域に又はメモリ上の別空間に、傷要素を意味するマーキングをするようになっている。さらには、傷要素に隣接する上下一定幅に別の傷要素がないか探査し、存在する場合は引き続き探査を行い、連続した傷要素の数が予め定められた第2しきい値を超えた場合に、この一連の傷要素を傷と認識して、メモリ上の別の空間に欠陥を意味する符号が記録されるようになっている。
【0014】
つまり、良品と判断すべきノイズデータを含んだ画像情報から、不良品と判断すべき傷データの画像情報だけを抽出する処理を行うために、ノイズデータの画像パターンがランダムであるのに対し、傷データの画像パターンが線状であるという事実に基づいて画像処理が行われる。そして、その傷データの画像パターンだけを強調するようなフィルタ処理を施すことにより、傷データの画像情報だけが精度良く抽出される。
【0015】
次に、この画像処理装置を使用した画像処理方法について説明する。
まず、高輝度照明によって得られた二次元の検査画像を用いる。レーザ光による走査やラインCCDセンサによって一次元画像が得られる場合には、それらを画像メモリ上に蓄積し、二次元画像として再構成したものを用いる。また、輝度のレベルは対象物の正常な面から得られる信号を0とし、そこから何らかの信号があれば正の値をとることとする。
【0016】
被対象物としての基板表面に研磨筋と傷が同時に存在する基板からの信号強度を図示すると、図2に示すようになる。すなわち、研磨筋からのノイズデータ11はまばらであり、各画素同士の繋がりはランダムである。それに対し、傷からの傷要素データ12にはある程度の幅があり、その幅をある程度保ちながら連続的に繋がっている。
【0017】
このような画素分布の違いを効率良く抽出する手段を与えるために、図2に示すように画像情報上に検査領域14を複数設け、さらに図3に示すようにそれぞれの検査領域14を分割して分割領域15を複数設ける。ここでは簡略して説明するため、検査領域14を3×3=9の分割領域15に分割し、さらに各分割領域15毎に画素13を3×3=9設ける場合を想定する。なお、検査領域14及び分割領域15の分割因数、すなわち各々の「3」を以下では「シード」というが、検査領域14のシードと分割領域15のシードを必ずしも同じにする必要はなく、さらには分割する行と列のそれぞれのシードも同じにする必要はない。
【0018】
検査領域14のシード及び分割領域15のシードは、基本的には適宜選択すればよいが、画像情報処理速度及び傷の検出精度を維持するためには一定の制限がある。分割領域15のシードについては、傷を感知する最小単位である画素13の幅(大きさ)が画像情報における読取り可能な最小幅と同じ程度である必要があり、また分散は画素13のデータを分割領域15毎に積算又は平均したものに基づいて算出される。そのため、このシードが大き過ぎれば、画像情報処理速度が低下するおそれがあり、一方小さ過ぎれば傷の検出精度が低下するおそれがある。
【0019】
また、検査領域14のシードについては、分散を求めるのは検査領域14毎であることから、このシードが大き過ぎれば、後述する画像の圧縮率が高くなり過ぎ、傷の検出精度が低下するおそれがある。これらの点に鑑み、検査領域14のシード及び分割領域15のシードは、それぞれ3〜5とすることが好ましい。分割領域15のシードが2の場合には、分散を計算するデータすなわち画素13の反応(ノイズデータ11又は傷要素データ12)が最大4つしかなく、データの信頼性に欠ける。これに対して、検査領域14のシード及び分割領域15のシードが6以上の場合には、後述するデータ圧縮率が高くなり過ぎる。この場合には、圧縮データの連続性に基づいて傷の存在を判断するため、圧縮データの信頼性を低下させることになる。なお、分割領域15と検査領域14のシードを3〜5に調整するために、光学レンズなどを用いて画像情報を光学的に拡大、縮小させてもよい。
【0020】
次に、9つの分割領域15におけるそれぞれのデータの強度値を積算する。有効桁数の関係でオーバーフローする場合には、データの強度値の平均をとってもよい。そして、得られた各分割領域15の積算値又は平均値から検査領域14における分散を求める。この分散は、各分割領域15の積算値又は平均値とそれらの総和の全平均値(検査領域14全体の平均値)との差を二乗し、それらを総和したものである。最後に、その分散値が予め定められた第1しきい値を超えた場合にのみ、その検査領域14に傷要素があると判断し、各検査領域に又はメモリ上の別空間に記憶させて、画像を構築する。
【0021】
傷要素をメモリ上の別空間に記憶させる処理を施すことにより、最初の画素13の数が1/81に圧縮された画像で、その中に傷要素データ12の存在している部分の記憶された画像が再構築される。前記第1しきい値は、分割領域15のシード及び検出する傷要素データ12の信号強度に依存する。例えば、分割領域15のシードを3、信号強度の幅を8とした場合には、第1しきい値は50〜500の範囲が適当である。
【0022】
上記のような手法によって傷要素データ12が存在する部分が検出されるメカニズムについて、さらに説明する。図4に示すように、検査領域14にノイズデータ11しか存在していない場合、分割領域15にはほぼ同じ確率で強い信号が検出される。そのため、この検査領域14における分散は小さくなる。同様に、検査領域14すべてにわたって強い信号がある場合、例えば検査対象物のエッジ部分や大きな汚れといったものについては、すべての分割領域15において、強度値が最大となるため、このような領域は「傷」としては認識されない。一方、図5に示すように、検査領域14に傷要素データ12が存在すると、傷要素データ12の幅に合わせた分割領域15では、殆どが強い信号で占められることになり、その部分の強度値の積算値が他の部分に比べて大きくなる。
【0023】
その結果、傷要素データ12が存在する検査領域14での分散が大きくなる。この分散を傷の有無が検出可能なレベルに設定することで、傷のある部分と傷のない部分とを分けることができる。その後、傷要素の連続性を調べるアルゴリズムを用い、傷だけを抽出することが可能となる。
【0024】
外観検査装置は、被対象物が外観を検査するための透明基板である場合に特に有効であり、出力手段は制御装置に記録された情報を認識して知らせるためのものである。この場合、透明基板は磁気ディスク用又は光ディスク用ガラス基板等のガラス板である。ガラス基板を形成する材料としては、アルミノシリケートガラス、結晶化ガラス、ソーダライムガラス等のいずれも使用される。
【0025】
このガラス基板は、切削、研磨及び洗浄等の処理が行われた後、例えば磁気特性を向上させるための下地層、磁気媒体層、保護層、さらに潤滑層を順次設けることにより、磁気ディスク用ガラス基板が作製される。また、洗浄後のガラス基板表面にはレジストを塗布し、そのレジスト上にレーザ光を照射し、さらに現像してピットを形成する。次いで、このピットが形成されたガラス基板にニッケルめっきを施すことにより光ディスク用ガラス基板が作製される。
【0026】
以上のように、この実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 実施形態の画像処理方法によれば、画像情報上に検査領域14を設け、その検査領域14内にさらに分割領域15を設け、分割領域15での積算値又は平均値について検査領域14の全平均値に対する分散を求め、その分散が第1しきい値を超えた場合に、各検査領域に又は前記メモリ上の別空間に、傷要素を意味するマーキングをし、さらに、傷要素に隣接する上下一定幅に別の傷要素がないか探査し、存在する場合は引き続き探査を行い、連続した傷要素の数が予め定められた第2しきい値を超えた場合に、この一連の傷要素を傷と認識して、欠陥であると判断される。
【0027】
このため、従来のように、例えばガラス基板表面に存在する研磨筋からの回折光の強度と、傷からの反射光又は散乱光の強度とが、同等レベルである場合であっても、ガラス基板表面の傷に対する良否判断を精度良く行うことができる。
【0028】
・ さらに、従来認識が困難であった深さ数十nmの浅い傷などを、ラインCCDセンサによって構築された検査画面から傷として認識することができる。その結果、従来は目視検査に頼っていた微小傷の検出を自動検査ラインで識別でき、過酷な労働を機械に置き換えることができ、省人化や労働条件の改善に大きく役立てることができる。
【0029】
【実施例】
以上のような実施形態の画像処理方法について、さらに具体的に説明する。
図1に示すように、被対象物としてのガラス基板16に対して上方に所定距離だけ離間した位置にはハロゲンランプよりなる光源17が配置され、シリンドリカルレンズによって直線状に集光してガラス基板16表面に斜め方向から照射(ライン照明)するようになっている(図1の実線の矢印)。ガラス基板16の直上には、入力手段としてのラインCCDセンサ18が配置され、ガラス基板16上に照射された光のうち、表面上に存在する欠陥や研磨筋からの光のみを受光するようになっている(図1の点線の矢印)。
【0030】
ラインCCDセンサ18によって光電変換された欠陥や研磨筋からの光は、電気信号となってA/Dコンバータ19に入力され、デジタル信号に変換されて制御装置を構成するグラフィックメモリ20に蓄積される。このグラフィックメモリ20で、図6に示すような1枚の二次元画像が構築され、その情報がCPUを備えた制御装置21に入力されるようになっている。
【0031】
制御装置21では、図6に示すように構築された二次元画像上に正方形の検査領域14が複数設定され、さらに検査領域14内には前記図3〜図5に示したような複数の分割領域15が設定される。この検査領域14及び分割領域15において、以下のアルゴリズムによる画像情報処理が行われ、図7に示す傷要素抽出データが生成される。
【0032】
1) 二次元画像上に正方形の検査領域14を複数設ける。各検査領域14は複数の分割領域15からなり、さらに分割領域15は複数の画素13からなる。
2) 分割領域15内の画素13の輝度(反応のあった画素数)を積算又は平均する。
【0033】
3) 上記2)の処理を二次元画像の全ての分割領域15について行い、全ての分割領域15の平均値すなわち全平均値を求める。
4) 各分割領域15の画素13の輝度の積算値又は平均値と全平均値とから各検査領域14の分散を求める。
【0034】
5) 検査領域14における分散が第1しきい値Aを超えている場合には、その検査領域14に傷の可能性(傷要素)を示すマーキングをする。
6) 上記5)を二次元画像上の全ての検査領域14に対して行う。
【0035】
この傷要素抽出データは、最初のグラフィックメモリ20上の画像情報に、輝度情報とは異なる符号を記録することによって記憶させてもよく、あるいは別にメモリ空間を設け、そのメモリ空間に記録して、新たな画像情報として記憶させてもよい。
【0036】
このようにして得られた傷要素抽出データは、図6に示す最初の傷要素データ12にノイズデータ11が混ざった状態から、図7に示す傷要素データ12が強調された画像となる。この傷要素抽出データには、さらに以下の1)〜7)の傷探査アルゴリズムによる画像情報処理が施され、図8に示す傷データのみが抽出された画像が得られる。
【0037】
1) 傷要素抽出データの左端の列の中から、マーキングされた検査領域aを検出する。
2) 上記1)の検査領域aに注目し、そのaの右列の上下一定幅にマーキングされた検査領域bがないか探査する。
【0038】
3) 上記2)の検査領域bが存在する場合、引き続き検査領域bについて上記2)の探査を行う。
4) 上記3)により検査領域b、c、d・・・が探査され、最後に検出された検査領域を探査の終点とする。
【0039】
5) 検査領域aから上記4)の終点までの長さ(例えば、検査領域aから終点までの検査領域の数)が第2しきい値Bを超えておれば、この一連の検査領域群を傷と認識し、傷要素抽出データの画像情報上にマーキングする。
【0040】
6) 上記1)において、検査領域aが検出されない場合には、順次右列に移り検査を行う。
7) 傷要素抽出データの全てについて、上記1)〜6)の操作を行う。
【0041】
このようにして傷が検出された場合には、制御装置21からのデータに基づき、出力手段としての警報装置であるアラーム22等によりオペレータに知らせたり、図示しないカウンターにより欠点数などをカウントする。
【0042】
なお、前記実施形態を以下のように変更して具体化することもできる。
・ 検査領域や分割領域の形状を、ガラス基板表面に形成された突起やガラス基板表面に付着した汚れに基づくものとしても良い。このように構成した場合、ガラス基板表面の突起や汚れについての良否判断を精度良く行うことができる。
【0043】
・ 前記検査領域における正方形を、例えば45度回転させて菱形状にしたりして、その図形の向きを変えても良い。このようにした場合でも、被対象物表面に存在する不具合に対する良否判断を精度良く行うことができる。
【0044】
・ 前記被対象物として、アルミニウム等の金属板、透明又は不透明の樹脂板等を使用しても良い。
さらに、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
【0045】
(1) 前記検査領域に対する分割領域の分割数を3〜5の範囲に設定した請求項1又は請求項2に記載の画像処理方法。
このように構成した場合、被対象物表面の不具合に対する良否判断を信頼性良く、しかも画像のデータ圧縮率が高くなりすぎることなく、画素の連続性を定める際に支障をきたすおそれを防止することができる。
【0046】
(2) 前記検査領域は隣接する検査領域間で隙間が生じないように正方形に形成され、分割領域はその検査領域をさらに正方形に分割して形成されたものである請求項1又は請求項2に記載の画像処理方法。
【0047】
このように構成した場合、被対象物表面に存在する不具合に対する良否判断の精度を向上させることができるとともに、画像処理の高速化を図ることができる。
【0048】
(3) 前記画像情報の中の検査領域又は分割領域の形状は、ガラス基板の表面に形成された傷に基づくものである請求項4に記載の外観検査装置。
このように構成した場合、ガラス基板表面の傷に対する良否判断を精度良く行うことができる。
【0049】
【発明の効果】
この発明は以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1,2に記載の画像処理方法によれば、被対象物表面に存在する傷に対する良否判断を精度良く、しかも装置によって自動的に行うことができる。
【0050】
請求項3に記載の画像処理装置によれば、簡易な装置により被対象物表面に存在する傷に対する良否判断を精度良く、自動的に行うことができる。
【0051】
請求項4に記載の外観検査装置によれば、情報記録媒体用ガラス基板等のガラス基板を好適に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における画像処理装置を示すブロック図。
【図2】表面に研磨筋と傷を有する基板からの画像を示す概念図。
【図3】検査領域を分割した分割領域を示す模式図。
【図4】検査領域にノイズデータのみが存在する場合の模式図。
【図5】検査領域に傷要素データが存在する場合の模式図。
【図6】傷要素データにノイズデータが混ざった状態の画像を示す概念図。
【図7】傷要素データが強調された画像を示す概念図。
【図8】傷データのみが抽出された画像を示す概念図。
【符号の説明】
11…ノイズデータ、12…傷要素データ、13…画素、14…検査領域、15…分割領域、16…被対象物としてのガラス基板、18…入力手段としてのラインCCDセンサ、20…グラフィックメモリ、21…制御装置、22…出力手段としてのアラーム。
Claims (4)
- 被対象物から入力手段を介して、制御装置の中央処理装置(CPU)が読み書き可能なメモリ上の空間に画像情報を記録する工程と、
良品と判断すべきノイズデータを含んだ前記画像情報から、不良品と判断すべき特定の幅をもって連続している傷データの画像情報だけを抽出する処理を行うために、この画像情報上に複数の検査領域を設け、その検査領域を分割して複数の分割領域を設定し、各分割領域について信号強度値の積算値又は平均値を算出し、全ての分割領域について前記積算値又は平均値を平均して全平均値を算出し、各分割領域の信号強度値の積算値又は平均値と全平均値とから、各検査領域における分散を求め、この分散が予め定められた第1しきい値を超えた場合に、前記検査領域に又は前記メモリ上の別空間に、傷要素を意味するマーキングをする工程と、
前記傷要素に隣接する上下一定幅に別の傷要素がないか探査し、存在する場合は引き続き探査を行い、連続した傷要素の数が予め定められた第2しきい値を超えた場合に、この一連の傷要素を傷と認識して、メモリ上の別の空間に欠陥を意味する符号を記録し画像情報を新たに構築する工程と、
それを出力手段により出力する工程とを備えてなる画像処理方法。 - 前記検査領域の大きさ及び形状を、傷として検出する対象により選択したものである請求項1に記載の画像処理方法。
- 被対象物から、制御装置の中央処理装置(CPU)が読み書き可能なメモリ上の空間に画像情報を入力するための入力手段と、
良品と判断すべきノイズデータを含んだ前記画像情報から、不良品と判断すべき特定の幅をもって連続している傷データの画像情報だけを抽出する処理を行うために、この画像情報上に複数の検査領域を設け、その検査領域を分割して複数の分割領域を設定し、各分割領域について信号強度値の積算値又は平均値を算出し、全ての分割領域について前記積算値又は平均値を平均して全平均値を算出し、各分割領域の信号強度値の積算値又は平均値と全平均値とから、各検査領域における分散を求め、この分散が予め定められた第1しきい値を超えた場合に、前記検査領域に又は前記メモリ上の別空間に、傷要素を意味するマーキングをし、
前記傷要素に隣接する上下一定幅に別の傷要素がないか探査し、存在する場合は引き続き探査を行い、連続した傷要素の数が予め定められた第2しきい値を超えた場合に、この一連の傷要素を傷と認識して、メモリ上の別の空間に欠陥を意味する符号を記録し画像情報を新たに構築する制御装置と、
その制御装置に新たに構築された前記画像情報を出力するための出力手段とを備えた画像処理装置。 - 請求項3に記載の画像処理装置を含む外観検査装置であって、前記被対象物はその外観を検査するためのガラス基板であり、前記出力手段は制御装置に記録された外観の情報を知らせるための警報装置である外観検査装置。
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JP2001067479A (ja) | 2001-03-16 |
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