JP3594677B2 - 微粒子のスプレー方式のコーティング・造粒装置及びスプレー方式のコーティング方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は微粒子に樹脂溶液を液滴噴霧して、その表面にコーティングを行なう装置及びコーティング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、微粒子を製造するには混合型造粒装置を用いる。この混合型造粒装置には、流動層造粒装置と転動流動層造粒装置がある。流動層造粒装置では、スリットグリルの下方から供給する加熱ガスにより粉末を混合撹拌し、転動流動層造粒装置では造粒筒内に設けた回転テーブルで発生する遠心力と、回転テーブルの外周側に設けたスリットグリルの下方から供給する加熱ガスとにより粉末を混合撹拌し、いずれの造粒装置においても、混合撹拌中の粉末にコーティング剤(一般的に樹脂溶液)を噴霧する。しかし、現在提案されている混合型造粒装置(特公昭51−6023号、実公平2−27886号、実公平3−1063号各公報)では、スリットグリルが1層構造であり、コーティング基材の微粒子径が小さくなるとスリットグリルに微粒子が詰まったり、微粒子の粒度によりスリットグリルの耐久性が低下する(スリットグリルの破損)。また、微粒子がスリットグリルを通過してしまい、回収率の低下につながる。
【0003】
一方、前記提案を含めたコーティング・造粒装置は、一般的に噴霧方向が上部から噴霧するスプレー方式(トップスプレー方式)を主として採用しているが、いくつかの問題を抱えている。その一つとして、噴霧ノズルから噴霧された液滴が微粒子に到達するまでに距離があるため、噴霧直後と微粒子表面に到達した時の液滴の物性(液滴表面張力や粘度、粘着力等)が変化し、所望のコート品質が得られないことがある。また、局部へ上部から噴霧するため、微粒子以外(回転テーブル、層内壁面等)に多くのコーティング物質が付着することも多々ある。そして、これら提案(特公平2−56935号、特公平3−1063号、特公平3−42028号、特公平3−42029号、特公平3−135430号、特公平5−4128号、特公平3−49901号、特公平5−11508号、特公平6−186号、特開平5−192555号等の各公報)は噴霧液滴径については、微粒化制御していないので、微粒子との衝突時に多くの分裂反跳液滴を発生させており、この液滴が装置内壁面や回転テーブル或いは他の微粒子に付着し、凝集や内部付着を招いている。
【0004】
他方、液滴を側面から噴霧する方式(接線スプレー方式)を採用した装置の提案・市販(フロイント産業社製:スパイラフロー、グラニュレックス、パウレック:パウダープロセッサー等)がなされているが、これら方法も問題を抱えている。その問題は2つあり、1つは噴霧方式である。噴霧方式は接線スプレー方式を採用しているが、噴霧方向が旋回流動する微粒子層の最外周部に噴霧されるため、微粒子に噴霧液滴が衝突した際、分裂反跳液滴が装置内壁に多く付着する。もう1つの問題は、前述したが噴霧液滴径を微粒化制御していないため、微粒子との衝突時に分裂反跳液滴が多く発生しやすい。(これは、コーティング基材である微粒子の径との比率も影響する。)そのため、微粒子の表面の膜厚が不安定な状態(膜厚がばらつく)になることや、コーティングされた微粒子同士の凝集が多発することや、コーティングされた微粒子の表面上にコーティング材料のカスが発生し、電気特性、帯電特性等の多くの品質への悪影響を与えることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来のコーティング・造粒装置及びコーティング方法では、コーティング基材である微粒子の粒径が小さくなると、スリットグリルへの目詰まりによる凝集の発生、膜厚のばらつき、スリットグリルの通過による回収率の低下並びに噴霧液滴径の未制御、スプレー方式による凝集の発生等の問題があった。従って、本発明はこれらの問題点を解決しようとするものであって、スリットグリルを積層化構造とすることで、回収率を一定以上にし、スリットグリルの耐久性を向上させ、更にスプレー方向を変更することで、小粒径基材へのコーティングも凝集が発生することなくできるコーティング・造粒装置並びにコーティング方法を提供することをその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、少なくとも回転テーブル及び該回転テーブルの外周に配置されたスリットグリルを備え、
該スリットグリルは一部がメッシュで構成され、
該スリットグリルの下方にはガス供給室を備え、
該ガス供給室はガス流入口を備え、
該回転テーブルの回転、及び、該スリットグリルを介した、供給された加熱ガスの下方から上方への噴出により流動化した微粒子に、コート液を噴霧し、撹拌及び乾燥するように構成したスプレー方式のコーティング・造粒装置であって、
前記スリットグリルを多層化構造としてことを特徴とするスプレー方式のコーティング・造粒装置が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、好ましい態様として、前記スリットグリルを3層化構造としたことを特徴とするコーティング・造粒装置が提供され、更に前記スリットグリルにおいて、コーティング領域側を上層(1層)とすると、上層(1層)が最も目開きが大きく、中層(2層)が最も目開きが小さく、下層(3層)が上層と中層の中間の目開きとなっていることを特徴とするスプレー方式のコーティング・造粒装置が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、前記のコーティング・造粒装置を用い、噴霧液滴をコーティング基材である微粒子の進行方向と同一方向に、且つ水平ラインに対して+5°〜−40°の範囲に噴霧することを特徴とする微粒子のスプレー方式のコーティング方法が提供される。
【0009】
更に、本発明によれば、好ましい態様として、前記コーティング基材である微粒子の粒子径(重量径)が10μm以上100μm以下であることを特徴とする微粒子のコーティング方法が提供され、また、前記噴霧液滴の径(重量径)を2μm以上30μm以下とすることを特徴とする微粒子のスプレー方式のコーティング方法が提供される。
【0010】
以下、まず本発明のスプレー方式のコーティング・造粒装置について詳しく説明する。本発明の微粒子のスプレー方式のコーティング・造粒装置は、前記したように、流動層内に回転テーブルとスリットグリルとを備え、加熱ガスを流動層のガス流入口からガス供給室に流入させ、スリットグリルを介して回転テーブルの下方から流動層内に噴出させる装置において、上記スリットグリルを多層化構造としたことを特徴とする。このスリットグリルは、コーティング領域側を上層(1層)とすれば、上層(1層)が最も目開きが大きく、好ましくは42メッシュ〜120メッシュで、特に好ましくは60メッシュ〜80メッシュであり、メッシュの耐久性を向上することができ、中層(2層)が最も目開きが小さく、好ましくは280メッシュ〜650メッシュで、特に好ましくは350〜400メッシュであり、目詰まりを防止できる。スリットグリルを3層化した場合は、下層(3層)は好ましくは280メッシュ以上で、特に好ましくは170メッシュ〜200メッシュである。
【0011】
すなわち、本発明のスプレー方式のコーティング・造粒装置は、スリットグリルを多層化構造とすることにより、コーティング基材である微粒子のスリットグリルへの目詰まり及びスリットグリルの通過を減らし、更にスリットグリルの耐久性を向上させるものである。
【0012】
前記上層(1層)が42メッシュ以上となると、メッシュをフェライトが通過してしまい、スリットグリルの耐久性の効果を果たすことができず、逆に120メッシュ以下とすると、目詰まりが発生してしまう。中層(2層)が280メッシュ以上となると目詰まりが発生してしまい、650メッシュ以下にすると現行のメッシュの標準外品となり、メッシュ張り替えコストが極端に上昇してしまう。下層(3層)が280メッシュ以下となると、多層化の欠点である圧力損失が極端に増加してしまう。
【0013】
図1は、本発明のスプレー方式のコーティング・造粒装置の要部を示しており、回転テーブル1と、その下方外周部に設けたスリットグリル2とにより、装置本体3の底部(造粒操作部4)を形成する。スリットグリル2下方の加熱ガス供給室5に加熱ガス流入口6を装置本体3の接線方向に接続する。7は回転テーブル1を回転させるためのモーターである。スリットグリルの要部を図2に示す。図2において、(a)はスリットグリルの一部平面図、(b)はB−B´線拡大断面図、(c)はメッシュを3層張りした状態を示す(b)のC−C´線拡大断面図である。図中、201は密閉用ゴムリング装着溝、202はメッシュ、203はスリットグリル固定用ネジ穴、204は断面部であり、破線で表した222はスリットグリル2が装着される際溝201に配置される密閉用ゴムリングを示す。ゴムリング222を溝201に装着することにより、流動層内から層外へ粉粒体が漏れるのを防止することができる。
【0014】
スリットグリルの積層数(より正確には、メッシュ203の積層数)は、コーティング基材である微粒子の粒度分布の比(体積平均径:Dw/個数平均径:Dp)が大きいほど多くする。また、スリットグリルの目開きは体積平均径に応じて各層毎に決定し、粒径が大きいほど目開きを大きく設定する。スリットグリルを3層化構造とした場合は、体積平均粒径30〜100μm、Dw/Dp=1.3〜1.6である微粒子の場合に一般に使用されるが、これらに限定されるものでない。
【0015】
次に、本発明のスプレー方式のコーティング方法について、詳しく説明する。本発明の微粒子のスプレー方式のコーティング方法は、前記したように、本発明のスプレー方式のコーティング・造粒装置を用い、噴霧液滴をコーティング基材である微粒子の進行方向と同一方向に、且つ水平ラインに対して+5°〜−40°の範囲に噴霧することを特徴とする。即ち、このコーティング方法は、噴霧液滴をコーティング基材である微粒子の進行方向と同方向に、しかも水平ラインに対して+5°〜−40°の範囲、好ましくは−15°〜−30°に噴霧する方法である。このコーティング方法のイメージ図を図3及び図4に示す。図3が側面図、図4が平面図である。
【0016】
水平−40°より低い噴霧方向となると、スリットグリルへの樹脂コート溶液の付着があり、コーティング基材である微粒子の流動を阻害する。また、水平+5°を越える噴霧方向であると、流動エアーとのバランスで噴霧液滴がコーティング基材にコートされない。
【0017】
上記コーティング方法は、装置胴体下内部に水平+5°〜−40°方向に噴霧する。そして、粒子径(重量径)が10μm以上100μm以下であるコーティング基材である微粒子へスプレーノズルから2μm以上30μm以下の液滴径で噴霧するのが好ましい。噴霧液滴径は好ましくはコーティング基材である微粒子との比で1/10〜1/12である。
【0018】
噴霧液滴径が30μmを超えると、固体粒子表面上に形成された乾燥後の膜が大きな凹凸として存在するため不均一なコート膜となる。また、突起膜部分では乾燥しにくくなるため、他コーティング基材を接触時に接合して凝集体となる。また、噴霧液滴径が大きいため、所望のコーティング膜厚が得られなかったり、膜厚のばらつきが生じることもある。一方、噴霧液滴径が2μm未満になると、噴霧後液滴中の溶媒分が瞬時に蒸発して(乾燥速度の増大による)固形化し、膜化しにくくなる。このため、コート液中の樹脂分が乾燥粒子となり、飛散物或いはカスとして内壁部へ付着したり、排気側へ飛び、回収率低下の原因となることもある。なお、本発明のスプレー方式のコーティング・造粒装置の概要図を図5に、従来法によるコーティング造粒装置の概要図を図6に示す。
【0019】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。まず、各実施例に共通の固定条件を示すと、以下の通りである。
▲1▼コーティング・造粒装置:(株)岡田精工社製「スピラコーターSP−40」
▲2▼使用コート液:20%の樹脂溶液(溶媒はトルエン、メタノール等の溶剤)
▲3▼処理量(1回/バッチ):5kg
▲4▼その他:回転テーブルの回転数は200rpmとする。コーティング基材はフェライトとする。
【0020】
実施例1
本発明の装置を使用し、前記固定条件にてコート液をフェライト表面(平均粒径50μm、粒径分布範囲30〜100μm)に塗布し、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。スリットグリルは3層化構造として、上層を70メッシュ、中層を400メッシュ、下層を200メッシュとし、スプレー方式は接線スプレー式とした(方向:水平−10°)。コート層は膜厚0.8μmを目標としてX線にて膜厚を計測した。凝集発生量は0%を目標とし、スリットグリルの耐久性(目詰まり)は同条件連続10バッチ処理後のスリットグリル下部の圧力損失で比較した。また、噴射液滴径は5μmとした。
【0021】
実施例2
本発明の装置を使用し、前記固定条件にてコート液をフェライト表面(平均粒径90μm、粒径分布範囲70〜110μm)に塗布し、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。スリットグリルは2層化構造として、上層を70メッシュ、下層を245メッシュとし、スプレー方式は接線スプレー式とした(方向:+5°)。コート層は膜厚0.8μmを目標としてX線にて膜厚を計測した。凝集発生量は0%を目標とし、スリットグリルの耐久性(目詰まり)は同条件連続10バッチ処理後のスリットグリル下部の圧力損失で比較した。また、噴射液滴径は30μmとした。
【0022】
実施例3
本発明の装置を使用し、前記固定条件にてコート液をフェライト表面(平均粒径30μm、粒径分布範囲15〜60μm)に塗布し、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。スリットグリルは3層化構造として、上層を80メッシュ、中層を650メッシュ、下層を245メッシュとし、スプレー方式は接線スプレー式とした(方向:−30°)。コート層は膜厚0.8μmを目標としてX線にて膜厚を計測した。凝集発生量は0%を目標とし、スリットグリルの耐久性(目詰まり)は同条件連続10バッチ処理後のスリットグリル下部の圧力損失で比較した。また、噴射液滴径は2μmとした。
【0023】
実施例4
本発明の装置を使用し、前記固定条件にてコート液をフェライト表面(平均粒径50μm、粒径分布範囲40〜60μm)に塗布し、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。スリットグリルは2層化構造として、上層を70メッシュ、下層を400メッシュ、スプレー方式は接線スプレー式とした(方向:+5°)。コート層は膜厚0.8μmを目標としてX線にて膜厚を計測した。凝集発生量は0%を目標とし、スリットグリルの耐久性(目詰まり)は同条件連続10バッチ処理後のスリットグリル下部の圧力損失で比較した。また、噴射液滴径は10μmとした。
【0024】
実施例5
本発明の装置を使用し、前記固定条件にてコート液をフェライト表面(平均粒径90μm、粒径分布範囲50〜130μm)に塗布し、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。スリットグリルは3層化構造として、上層を70メッシュ、中層を400メッシュ、下層を200メッシュとし、スプレー方式は接線スプレー式とした(方向:−40°)。コート層は膜厚0.8μmを目標としてX線にて膜厚を計測した。凝集発生量は0%を目標とし、スリットグリルの耐久性(目詰まり)は同条件連続10バッチ処理後のスリットグリル下部の圧力損失で比較した。また、噴射液滴径は15μmとした。
【0025】
実施例6
本発明の装置を使用し、前記固定条件にてコート液をフェライト表面(平均粒径30μm、粒径分布範囲20〜40μm)に塗布し、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。スリットグリルは2層化構造として、上層を80メッシュ、下層を650メッシュ、スプレー方式は接線スプレー式とした(方向:−15°)。コート層は膜厚0.8μmを目標としてX線にて膜厚を計測した。凝集発生量は0%を目標とし、スリットグリルの耐久性(目詰り)は同条件連続10バッチ処理後のスリットグリル下部の圧力損失で比較した。また、噴射液滴径は5μmとした。
【0026】
比較例1
スリットグリルが単層構造である点以外は、本発明の装置と同型の装置を使用し、前記固定条件にてコート液をフェライト表面(平均粒径50μm、粒径分布範囲30〜100μm)に塗布し、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。スリットグリルのガイド部は単層200メッシュとし、スプレー方式はトップスプレー式とした。コート層は膜厚0.8μmを目標としてX線にて膜厚を計測した。凝集発生量は0%を目標とし、スリットグリルの耐久性(目詰り)は同条件連続10バッチ処理後のスリットグリル下部の圧力損失で比較した。また、噴射液滴径は35μmとした。
【0027】
比較例2
比較例1と同じ装置を使用し、前記固定条件にてコート液をフェライト表面(平均粒径90μm、粒径分布範囲70〜110μm)に塗布し、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。スリットグリルは単層200メッシュとし、スプレー方式はトップスプレー式とした。コート層は膜厚0.8μmを目標としてX線にて膜厚を計測した。凝集発生量は0%を目標とし、スリットグリルの耐久性(目詰り)は同条件連続10バッチ処理後のスリットグリル下部の圧力損失で比較した。また、噴射液滴径は1μmとした。
【0028】
比較例3
比較例1と同型の装置を使用し、前記固定条件にてコート液をフェライト表面(平均粒径30μm、粒径分布範囲15〜60μm)に塗布し、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。スリットグリルは単層280メッシュとし、スプレー方式はトップスプレー式とした。コート層は膜厚0.8μmを目標としてX線にて膜厚を計測した。凝集発生量は0%を目標とし、スリットグリルの耐久性(目詰り)は同条件連続10バッチ処理後のスリットグリル下部の圧力損失で比較した。また、噴射液滴径は32μmとした。
【0029】
比較例4
比較例1と同じ装置を使用し、前記固定条件にてコート液をフェライト表面(平均粒径50μm、粒径分布範囲40〜60μm)に塗布し、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。スリットグリルは単層200メッシュ、スプレー方式はトップスプレー式とした。コート層は膜厚0.8μmを目標としてX線にて膜厚を計測した。凝集発生量は0%を目標とし、スリットグリルの耐久性(目詰り)は同条件連続10バッチ処理後のスリットグリル下部の圧力損失で比較した。また、噴射液滴径は1μmとした。
【0030】
比較例5
比較例1と同じ装置を使用し、前記固定条件にてコート液をフェライト表面(平均粒径90μm、粒径分布範囲50〜130μm)に塗布し、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。スリットグリルは単層200メッシュとし、スプレー方式はトップスプレー式とした。コート層は膜厚0.8μmを目標としてX線にて膜厚を計測した。凝集発生量は0%を目標とし、スリットグリルの耐久性(目詰り)は同条件連続10バッチ処理後のスリットグリル下部の圧力損失で比較した。また、噴射液滴径は50μmとした。
【0031】
比較例6
比較例1と同型の装置を使用し、前記固定条件にてコート液をフェライト表面(平均粒径30μm、粒径分布範囲20〜40μm)に塗布し、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。スリットグリルは単層280メッシュとし、スプレー方式はトップスプレー式とした。コート層は膜厚0.8μmを目標としてX線にて膜厚を計測した。凝集発生量は0%を目標とし、スリットグリルの耐久性(目詰り)は同条件連続10バッチ処理後のスリットグリル下部の圧力損失で比較した。また、噴射液滴径は1μmとした。
【0032】
以上の実施例1〜6及び比較例1〜6の結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】
本発明のスプレー方式のコーティング・造粒装置及びスプレー方式のコーティング方法によれば、スリットグリルの使用耐久性を向上させること(目詰まり防止)ができるとともにコーティング基材である微粒子が小粒径化したとしても、一定以上の回収率を確保できる。更に、粒径が大きい場合と同等のコート品質を得られ、コート膜厚も均一化し、付着効率も向上する。また、凝集もほとんど発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスプレー方式のコーティング・造粒装置の要部断面図である。
【図2】スリットグリルの概略図であり、(a)が一部平面図、(b)が(a)のB−B´線拡大断面図、(c)が(b)のC−C´線拡大断面図である。
【図3】噴霧方式についての概略説明図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】本発明のスプレー方式のコーティング・造粒装置の概略説明図である。
【図6】従来のコーティング・造粒装置の概略説明図である。
Claims (6)
- 少なくとも回転テーブル及び該回転テーブルの外周に配置されたスリットグリルを備え、
該スリットグリルは一部がメッシュで構成され、
該スリットグリルの下方にはガス供給室を備え、
該ガス供給室はガス流入口を備え、
該回転テーブルの回転、及び、該スリットグリルを介した、供給された加熱ガスの下方から上方への噴出により流動化した微粒子に、コート液を噴霧し、撹拌及び乾燥するように構成したスプレー方式のコーティング・造粒装置であって、
前記スリットグリルを多層化構造としてことを特徴とするスプレー方式のコーティング・造粒装置。 - 請求項1記載のスプレー方式のコーティング・造粒装置において、スリットグリルを3層化構造としたことを特徴とするスプレー方式のコーティング・造粒装置。
- 請求項2記載のスリットグリルにおいて、上層(1層)が最も目開きが大きく、中層(2層)が最も目開きが小さく、下層(3層)が上層と中層の中間の目開きとなっていることを特徴とするスプレー方式のコーティング・造粒装置。
- 請求項1記載のスプレー方式のコーティング・造粒装置を用い、噴霧液滴をコーティング基材である微粒子の進行方向と同一方向に、且つ水平ラインに対して+5°〜−40°の範囲に噴霧することを特徴とする微粒子のスプレー方式のコーティング方法。
- 請求項4のスプレー方式のコーティング方法において、コーティング基材である微粒子の粒子径(重量径)が10μm以上100μm以下であることを特徴とする微粒子のスプレー方式のコーティング方法。
- 請求項4のスプレー方式のコーティング方法において、噴霧液滴の径(重量径)を2μm以上30μm以下とすることを特徴とする微粒子のスプレー方式のコーティング方法。
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