JP2645376B2 - 粒子のコーティング方法および粒子のコーティング装置 - Google Patents

粒子のコーティング方法および粒子のコーティング装置

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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、粒子のコーティング方法および粒子のコー
ティング装置に関する。
先行技術とその問題点 従来、比較的小径の粒子のコーティングには、気流、
さらには機械的手段によって、粒子に流動層、噴流層ま
たは転動層等の粒子層を形成させ、これら粒子層に対し
てコーティング液を噴霧する形式の流動コーティング法
が用いられている。
これらのうち最も一般的な方法は流動層コーティング
であり、典型的には、コーティングチャンバ内に上昇気
流を発生させ、粒子に、いわゆる流動層を形成させると
ともに、この上昇気流によりコーティング液の乾燥を行
なっている。しかしこの方法は、粒子の空間密度が大き
く、また粒子間の相対速度差が小さいため、粒子同士が
合一・凝集して塊状化しやすいという欠点を持つ。
この問題を解決するための方法は、上昇気流をより高
速にすることであり、このことによって、粒子の空間密
度を下げ粒子の運動を速めて、粒子間の相対速度差を大
きくすることが可能になる。このときの粒子層の状態が
噴流層であり、特開昭50-111274号公報、特開昭50-1316
79号公報等にその例が見られる。しかし噴流層コーティ
ング法は、気流の高速化によって粒子が高く吹き上げら
れるため、コーティングチャンバの高さを高くすること
が必要であり、結果として装置が大型化するという欠点
を持つ。
また、気流以外の機械的な手段により、流動層内の粒
子の相対速度差を大きくする方法も従来より提案されて
いる。これは特開昭49-26365号公報に典型的な、コーテ
ィングチャンバの一部に回転部分を設け、粒子流動層
に、高速でチャンバ内を周回する転動運動をあたえる方
法である。しかし転動流動層の形成のために機械的手段
を導入することは、装置の複雑化による装置コストの上
昇や故障等の原因になりやすい。
II 発明の目的 本発明の目的は上記のような問題を解決することにあ
り、粒子の凝集、塊状化が生じにくく、かつ、コーティ
ング液の利用効率が高い粒子のコーティング方法、およ
びこのような目的を実現することができ、しかも簡単な
構成で小型化でき、保守が容易な粒子のコーティング装
置を提供することにある。
III 発明の開示 このような目的は、以下の本発明によって達成され
る。
すなわち、第1の発明は、軸芯がほぼ鉛直方向である
ほぼ回転体状のチャンバ内に供給された粒子群を、前記
チャンバ底部付近から導入され前記チャンバ内を螺旋状
に旋回上昇する旋回上昇気流により浮遊旋回させ、この
旋回上昇気流により前記粒子群にはたらく遠心力によっ
て前記粒子群を前記チャンバ側壁方向へ移動させて前記
粒子群の前記軸芯近傍における空間密度が実質的にゼロ
であるようにすると共に、前記旋回上昇気流により前記
粒子群にはたらく力の前記軸芯方向の成分と前記粒子群
にはたらく重力とがほぼ釣り合うような範囲に前記粒子
群を存在させて円環状の旋回流動帯を形成させ、前記チ
ャンバ内の前記円環状の旋回流動帯の内側の粒子群の空
間密度が実質的にゼロになる部分にコーティング液を噴
霧し、噴霧されたコーティング液により、前記旋回流動
帯において前記粒子群をコーティングすることを特徴と
する粒子のコーティング方法である。
また、第2の発明は、軸芯がほぼ鉛直方向であるほぼ
回転体状のチャンバと、このチャンバ内に粒子群を供給
する原料粒子供給手段と、前記チャンバ内に気体を導入
する気体導入手段と、前記粒子群にコーティング液を噴
霧する噴霧手段と、前記チャンバ内の気体を排気する排
気手段と、前記粒子群をチャンバ外へ排出する製品粒子
排出手段とを有し、 前記気体導入手段が、この気体導入手段により導入さ
れる気体に前記チャンバ側壁の接線方向の速度成分を付
与する旋回気流発生手段を有し、この旋回気流発生手段
が前記チャンバの底部付近に位置し、この旋回気流発生
手段により前記チャンバ内に発生される旋回上昇気流に
よって前記粒子群を浮遊旋回させ、この旋回上昇気流に
より前記粒子群にはたらく遠心力によって前記粒子群を
前記チャンバ側壁方向へ移動させて前記粒子群の前記軸
芯近傍における空間密度が実質的にゼロであるようにす
ると共に、前記旋回上昇気流により前記粒子群にはたら
く力の前記軸芯方向の成分と前記粒子群にはたらく重力
とがほぼ釣り合うような範囲に前記粒子群を存在させて
円環状の旋回流動帯を形成させ、前記噴霧手段により前
記チャンバ内に噴霧されたコーティング液によって、前
記旋回流動帯において前記粒子群をコーティングするよ
う構成したことを特徴とする粒子のコーティング装置で
ある。
さらに、第3の発明は、軸芯がほぼ鉛直方向であるほ
ぼ回転体状のチャンバと、このチャンバ内に粒子群を供
給する原料粒子供給手段と、前記チャンバ内に気体を導
入する気体導入手段と、前記粒子群にコーティング液を
噴霧する噴霧手段と、前記チャンバ内の気体を排気する
排気手段と、前記粒子群をチャンバ外へ排出する製品粒
子排出手段とを有し、 前記気体導入手段が、この気体導入手段により導入さ
れる気体に前記チャンバ側壁の接線方向の速度成分を付
与する旋回気流発生手段を有し、この旋回気流発生手段
が前記チャンバの底部付近および頂部付近に位置し、こ
の前記チャンバの底部付近に位置する旋回気流発生手段
により前記チャンバ内に発生される旋回上昇気流によっ
て前記粒子群を浮遊旋回させ、かつ、前記チャンバの頂
部付近に位置する旋回気流発生手段により前記チャンバ
の頂部付近に前記旋回上昇気流と同方向の旋回気流を発
生させて前記粒子群の前記チャンバ頂部付近での浮遊旋
回を規制し、前記旋回上昇気流により前記粒子群にはた
らく遠心力によって前記粒子群を前記チャンバ側壁方向
へ移動させて前記粒子群の前記軸芯近傍における空間密
度が実質的にゼロであるようにすると共に、前記旋回上
昇気流により前記粒子群にはたらく力の前記軸芯方向の
成分と前記粒子群にはたらく重力とがほぼ釣り合うよう
な範囲に前記粒子群を存在させて円環状の旋回流動帯を
形成させ、前記噴霧手段により前記チャンバ内に噴霧さ
れたコーティング液によって、前記旋回流動帯において
前記粒子群をコーティングするよう構成したことを特徴
とする粒子のコーティング装置である。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成を詳細に説明する。
本発明は、上記したように、軸芯がほぼ鉛直方向であ
るほぼ回転体状のチャンバ内に供給された粒子群を、チ
ャンバ底部付近から導入されチャンバ内を螺旋状に旋回
上昇する旋回上昇気流により浮遊旋回させて旋回流動帯
を形成し、チャンバ内に噴霧されたコーティング液によ
りこの旋回流動帯において粒子群のコーティングを行な
うものである。
本発明の粒子のコーティング装置の好適実施例を第1
図、第2図および第3図に示す。
粒子のコーティング装置1は、軸芯がほぼ鉛直方向で
あるほぼ回転体状のチャンバ2と、このチャンバ内に粒
子群を供給する原料粒子供給手段3と、前記チャンバ内
に気体を導入する気体導入手段4と、前記粒子群にコー
ティング液を噴霧する噴霧手段5と、前記チャンバ内の
気体を排気する排気手段6と、前記粒子群をチャンバ外
へ排出する製品粒子排出手段7とを有する。
第1図に示されるチャンバ2は、上部が円筒状で下部
がチャンバ2底部に向って連続的に縮径する逆円錐台形
状の側壁を有する。
チャンバ2の側壁の外形形状は、コーティングに好適
な旋回流動帯を形成するためにほぼ回転体状であり、そ
の軸芯がほぼ鉛直方向となるよう構成されればどのよう
なものであってもよく、第1図に示すものの他、例え
ば、側壁形状が、全体にわたって逆円錐台状あるいは第
3図に示すような円筒状であるチャンバも本発明に好適
に用いることができ、また、上部がチャンバ頂部に向っ
て連続的に縮径する円錐台状で下部が逆円錐台状あるい
は円筒状であるチャンバも用いることができる。さら
に、直径の異なる2種の円筒が外形逆円錐台状の側壁で
接続された構成のチャンバも用いることができる。さら
に、場合によっては、角数が多い多角形状の外形を有す
るチャンバを用いることもできる。
コーティング装置1には、チャンバ2内にコーティン
グされる粒子群(原料粒子)を供給するために、原料粒
子供給手段3が設けられる。
原料粒子供給手段3は、原料ホッパ31とこれに連通接
続される原料粒子投入管32およびこの原料粒子投入管32
のチャンバ2内での開口部である原料粒子投入口33を有
し、原料粒子ホッパ31内の原料粒子は、原料粒子投入管
32を経て原料粒子投入口33よりチャンバ2内へ投入され
る。なお、原料粒子の投入は、旋回上昇気流導入前であ
っても導入後であってもよい。
しかし、後述する気体導入手段4に送風器43を設け、
これによりチャンバ2内に気体を導入する場合、チャン
バ2内から外気への気体の吹き出しによる原料粒子の飛
散を防止するため、原料粒子の投入は旋回上昇気流導入
前であることが好ましい。
第1図では、原料粒子投入口33をチャンバ2の頂面に
設けているが、旋回流動帯は原料粒子の投入位置に依ら
ず形成され得るので、原料粒子投入口33はどの位置にあ
ってもよい。
例えば、原料粒子投入口をチャンバ2側壁の頂部付近
に設けてもよく、第2図および第3図に示すように底部
付近に設けてもよい。
ただし、原料粒子投入口をチャンバ2の底部付近に設
ける場合、原料粒子の投入を妨げないために、チャンバ
2内への気体導入は後述する排気手段6のアスピレータ
63により行なうよう構成することが好ましい。
なお、本発明により好適にコーティングされ得る原料
粒子の直径については特に制限はないが、0.01〜10mm程
度である。
気体導入手段4はチャンバ2内へ気体を導入するため
のもので、下端が開放端であるチャンバ2の下端に設け
られた旋回気流発生手段41と、この旋回気流発生手段41
の外周に設けられ旋回気流発生手段41と連通接続する外
形円筒状の送気室42と、送気室42と連通接続される送気
管44とを有する。
第1図に示される例では、送気管44の上流に送風器43
が連通接続される。
なお、気体として熱風を用いる場合、第2図および第
3図に示すように気体加熱器47を送気管44に連通接続す
ればよい。また、第1図に示す例の場合、送風器43の下
流または上流に、気体加熱器47を設ける。
第1図に示す例において送風器43により送風された気
体は、送気管44を経て送気室42に供給される。
また、第2図および第3図に示す例においては、後述
する排気手段6のアスピレータ63によりチャンバ2内が
負圧となり、この負圧により旋回気流発生手段41に気体
が供給され、チャンバ2側壁の接線方向の速度成分を有
する旋回気流としてチャンバ2内に導入される。
このような旋回気流を生じさせることのできる旋回気
流発生手段41の好適実施例を第4図に示す。
第4図に示される旋回気流発生手段41は、径方向にあ
る程度の厚さをもつ周壁411に、周壁内周の接線方向に
周壁内周と周壁外周とを連通する気体流路412を設けた
環状体である。
このような旋回気流発生手段41においては、気体流路
412は少なくとも一本あればよいが、良好な旋回気流を
発生させるためには、第4図に示すように気体流路412
を周壁の回転対称位置に複数本設けることが好ましい。
また、デッドスペースをなくしかつ滑らかな旋回気流を
得るために、周壁411の内周径とチャンバ2下端の内周
径とを一致させることが好ましい。
旋回気流発生手段は、第4図に示すものに限らず、チ
ャンバ2内へ導入される気体にチャンバ2側壁の接線方
向の速度成分を付与できるものであればどのようなもの
であってもよく、例えば、チャンバ2の底面に放射方向
のスリットとこのスリットから噴出する気体をチャンバ
2の底面の周方向に導くガイドフィンを設けて旋回気流
発生手段としてもよい。また、シロッコファン状の固定
構造物を旋回気流発生手段とすることもできる。さら
に、シロッコファン、ターボファン、軸流ファン等をチ
ャンバ底部に設置することによっても旋回上昇気流は発
生できるが、この場合、送風ファンを原料粒子、コーテ
ィング液等から保護するために、多孔板等の保護手段を
設けることが好ましい。
旋回気流発生手段41によりチャンバ2内に導入された
旋回気流は、チャンバ2側壁に規制されて旋回上昇気流
となる。
旋回気流発生手段41の気体流路412出口での旋回上昇
気流の気流速度は、通常数10cm/s〜200m/s程度となる。
チャンバ2内に供給された原料粒子は、この旋回上昇
気流により旋回流動帯を形成する。
旋回流動帯とは、上記の旋回上昇気流により粒子には
たらく遠心力によって粒子をチャンバ側壁方向へ移動さ
せて粒子のチャンバ軸芯近傍における空間密度が実質的
にゼロであるようにすると共に、旋回上昇気流により粒
子にはたらく力のチャンバ軸芯方向の成分と粒子にはた
らく重力とがほぼ釣り合うような範囲に粒子を存在させ
ることにより形成される外形円環状あるいは円筒状に近
い粒子存在部分である。
このような旋回流動帯内の粒子の空間密度は、チャン
バ2の側壁近傍で40〜60%程度である。
原料粒子の空間密度は、例えば、原料粒子の総体積と
旋回流動帯との体積との比から求めることができる。
また、例えば、チャンバ2内の旋回流動帯が形成され
る場所に対向して2つの電極を設置し、旋回流動帯の形
成により両電極間を通過する粒子数の変化、すなわち粒
子数の変化に対応する両電極間の静電容量の変化を測定
して求めることもできる。
また、旋回流動帯の高さと径方向厚さの比は、チャン
バの形状、旋回上昇気流の強さ、粒子の充填量、粒度分
布等にもよるが通常、1:0.1〜10程度である。なお、こ
の場合の旋回流動帯とは、原料粒子の空間密度が約20%
以上のところである。
旋回流動帯中における原料粒子の挙動を、第5図に示
す。第5図は、旋回流動帯の一部を模式的に示したもの
であり、図中の矢印は各原料粒子の移動経路を示す。
第5図において、旋回流動帯10の内周部付近に位置す
る原料粒子101は、上記の旋回上昇気流により螺旋状に
旋回上昇する。旋回上昇気流により原料粒子にはたらく
力のチャンバ軸芯方向の成分と原料粒子にはたらく重力
とがほぼ釣り合う位置に達した原料粒子102は、上昇を
停止し、下降へと移行する。旋回流動帯10の外周部付近
では、上記旋回上昇気流によりはたらく遠心力のため原
料粒子がチャンバ側壁に押圧されて原料粒子の空間密度
が内周部より高くなっている。このため、旋回上昇気流
が旋回流動帯10の外周部付近では弱まり、旋回流動帯10
の外周部付近に位置する原料粒子103は旋回流動帯10の
外周部付近を螺旋を描きながら落下する。旋回流動帯10
の外周部付近を落下して旋回流動帯10の下部に達した原
料粒子104は、旋回上昇気流によって再び旋回上昇を開
始する。
以上の説明は、旋回流動帯内の各原料粒子の挙動を時
間的に平均化して模式的に述べたものであり、ある瞬間
をとれば、各原料粒子は様々な速度ベクトルを持ち、互
いに衝突を繰返しながら流動している。このため、旋回
流動帯中の各原料粒子はムラなくコーティングされ、し
かも旋回流動による強力な剪断力がはたらくためコーテ
ィングの際に未乾燥のコーティング粒子同士、あるいは
これと原料粒子との凝集、塊状化を防止することができ
る。
このような旋回流動帯を形成するためには、粒子には
たらく遠心加速度は通常100G以上であることが好まし
く、より好ましくは200〜104G程度である。
なお、粒子数が比較的多い場合、旋回流動帯の上部
に、チャンバ軸芯付近に粒子が殆ど存在しない円環状の
流動層が形成されることがある。
この円環状の流動層は、上記したような旋回流動を殆
ど行なわない流動層であり、これを形成する粒子にはた
らく遠心加速度は、100G未満である。
さらにチャンバ中の粒子数が増加すると、このような
円環状の流動層の上部に、通常の流動層が形成される。
この通常の流動層中の粒子には、殆ど遠心加速度ははた
らかない。
旋回流動帯の上部に形成されるこれらの流動層は、旋
回流動帯において粒子に未付着のコーティング液の液滴
が若干量発生した場合、これに対して補集作用をもち、
結果的にコーティング効率を向上させる効果を有する。
さらに、旋回流動帯の形成を容易にするため、旋回上昇
気流の整流部材を設けてもよい。これは、例えば、円錐
あるいは円錐台状等のほぼ回転体状の部材を、部材の軸
芯がチャンバ2の軸芯と一致するようにチャンバ2の底
面に設けて構成すればよい。このような整流部材によ
り、上記の旋回気流導入手段41から導入される旋回気流
は滑らかで強力な旋回上昇気流となり、旋回流動帯の形
成が容易となる。第2図および第3図には、円錐状の整
流部材81を設けた例が示される。
また、旋回流動帯中の粒子、特に粒径の小さな粒子の
旋回上昇気流によるチャンバ2頂部方向への飛散および
粒子がチャンバ2外部へ排出されてしまうことを防ぐた
め、チャンバ2頂部の排気口62の手前、または旋回流動
帯形成面のやや上方に、第2図および第3図に示すよう
な粒子衝突板82を設けることもできる。これは、例え
ば、第2図および第3図に示すように、円盤をその中心
がチャンバ2の軸芯とほぼ一致するように設けて、粒子
衝突板とすればよい。
本発明では、このような旋回流動帯を形成するため、
チャンバの上方への粒子の飛散が防止でき、チャンバ高
を低くすることができる。
なお、前述したように旋回流動帯上に通常の流動層が
形成される場合であっても、従来のように噴流層を用い
た場合よりもチャンバ高を低くすることができる。
上記の旋回流動帯中の原料粒子は、噴霧手段5により
供給されるコーティング液によりコーティングされる。
噴霧手段5は、コーティング液を噴霧するノズル51
と、このノズル51をチャンバ2に対して昇降自在に支持
するノズル支持体52と、コーティング液収納タンク53
と、ノズル51とコーティング液収納タンク53とを連通接
続する接続ホース54と、コーティング液供給ポンプ55と
を有する。
ノズル51は、2流体式ノズルであるが、コーティング
液の種類あるいは噴霧パターン等により選択される他の
ノズルと、自在に交換し得る。
ノズル51のチャンバ2内での位置は、粒子のノズル51
への衝突を避けるため、また、ノズル噴出直後のコーテ
ィング液により一部の原料粒子のみが厚塗りされること
を防ぐため、さらに、旋回上昇気流が熱風である場合、
旋回上昇気流によるコーティング液滴のいわゆるスプレ
ードライ現象を避けるために、ノズル51は、チャンバ2
のほぼ軸芯上に位置することが好ましく、すなわち、旋
回流動帯10の内側の粒子群の空間密度がほぼゼロとなる
部分にコーティング液を供給できるように配置されるこ
とが好ましく、特に、ほぼ軸芯上でかつ上記の旋回流動
帯が形成される位置の近傍に位置することが好ましい。
より詳述すると、例えばノズル51が上吹きに設けられる
場合、ノズル51の位置は旋回流動帯形成位置とほぼ同位
置かやや下方であることが好ましく、また、例えばノズ
ル51が下吹きに設けられる場合、ノズル51の位置は旋回
流動帯形成位置とほぼ同位置かやや上方であることが好
ましい。旋回流動帯は、その中央部において原料粒子が
実質的に存在しないため、ノズル51をこのような位置に
設けることができる。
また、ノズル支持体52のチャンバ2への取り付け位置
も、第1図に示すチャンバ2の頂面に限らず、チャンバ
2の側壁あるいは第3図に示すように底面であってよい
が、ノズル支持体52への原料粒子およびコーティング液
滴の衝突を避けるため、チャンバ2のほぼ軸芯上に取り
付けることが好ましい。
なお、噴霧されたコーティング液滴が、旋回流動帯中
に誘導されるように、コーティング液の液滴の径等を噴
霧手段5の各部の条件を適当に設定することあるいは旋
回上昇気流の流量を適宜コントロールして旋回流動帯の
位置を調整することにより適当に調整することが好まし
い。
また、コーティング液の噴霧速度については、特に制
限はないが、所望のコーティングに応じて適当に設定す
る必要がある。
このように旋回流動帯においてコーティングする本発
明のコーティング法によれば、噴霧されたコーティング
液に対し原料粒子に被着する割合が高く、90%以上、最
高98%にもおよぶ値が得られる。
以上のようにして旋回流動帯中でコーティングされた
粒子は、連続的に旋回流動帯中にて乾燥される。そし
て、このコーティング−乾燥を繰り返すことにより粒子
は所定の厚さまでコーティングされる。旋回流動帯中で
の上記のような粒子の動きにより、乾燥時においても粒
子の凝集・塊状化が生じにくい。
なお、コーティング液を変更してこれらを繰返し、多
層コーティングを行なうこともできる。
前記の気体導入手段4により導入された気体は、排気
手段6によりチャンバ2の外部へ排気される。なお、気
体の導入および排気は、第1図に示すように、送風器43
または第2図および第3図に示すようにアスピレータ63
により強制的に行なわれ、コーティング中に連続的に行
なわれる。
排気手段6は、排気管61と、この排気管61のチャンバ
2内の開口である排気口62を有する。
チャンバ2内にてコーティングされた粒子(製品粒
子)は、製品粒子排出手段7によりチャンバ外へ排出さ
れる。
製品粒子排出手段7は、蓋71とバケット72とを有す
る。
蓋71は、チャンバ2下端に設けられた旋回流発生手段
41の下端にヒンジにより開閉自在に設けられ、チャンバ
2の底面の役割を果たしている。なお、蓋71の開閉手段
はどのようなものであってもよく、例えばスライドによ
る開閉、布製のチョーク弁等、粒子の排出が好適に行な
えるものであればよい。
バケット72は、コーティングされた原料粒子を回収す
るためのものであり、蓋71の下部に設けられる。なお、
バケット72は、第2図に示すように、前記の送気室42を
兼用するように構成してもよい。
第2図および第3図にチャンバ底部付近に加え、チャ
ンバ頂部付近にも旋回気流発生手段を設けた粒子のコー
ティング装置1を示す。
これらは、送気管44からバイパス管(2次気流導入
管)46を分岐させ、バイパス管46を2次気流送気室48に
連通接続し、この2次気流送気室48に外周を包囲され、
前述した旋回気流発生手段41と同様な構成の2次旋回気
流発生手段49をチャンバ2の頂部付近に設けたものであ
る。
送気管44から送気された気体は、バイパス管46、2次
気流送気室48を経て2次旋回気流発生手段49から吹出
し、チャンバ2の頂部付近で旋回気流(2次旋回気流)
を形成する。
この旋回気流の旋回方向は、チャンバ2底部から導入
される旋回上昇気流のそれと同方向とする。
この2次旋回気流は、チャンバ2の頂部付近での粒子
の浮遊旋回を規制し、粒子のチャンバ外への飛び出しを
防ぐいわゆるサイクロンとしてはたらき、かつ前記の旋
回流動帯の形成を助長あるいは形成位置を補正するもの
である。
2次旋回気流発生手段49から導入される気体の流量
は、バイパス管46内に設けたスロットルバルブ461、あ
るいはダンパー等により調整すればよい。
以上説明してきた本発明の粒子のコーティング方法お
よびコーティング装置によれば、種々の原料粒子に種々
のコーティングを施すことができる。
例えば、原料粒子としては、薬品、食品等の顆粒、セ
ラミックス、ガラスビーズ、ポリマーペレット等が挙げ
られる。
また、コーティング剤としては各種溶質、例えば、染
料、顔料、ポリマー等の被覆剤、触媒、酵素等の活性物
質等を用いることができ、これらを、水あるいは各種有
機溶媒等に溶解あるいは分散してコーティング液とする
ことができる。
また、場合によっては、溶媒を用いずに、コーティン
グ剤を直接噴霧することもできる。
なお、これらのコーティング液を直接原料粒子にコー
ティングして乾燥するものの他、コーティング剤をチャ
ンバ内あるいは原料粒子表面において、例えば、加水分
解、縮合、重合等の化学反応等をさせて、原料粒子の反
応物の塗膜を形成するものであってもよい。
チャンバ内に導入する気体は、目的に応じて各種の気
体を選択することができるが、一般的なコーティングに
は乾燥空気、熱風等を用いればよく、これらの場合、乾
燥器、加熱器等を送風器43の上流側または下流側に設け
る。なお、原料粒子および/またはコーティング液の酸
化を防止する必要のある場合は、気体として窒素等の不
活性ガスを用いることもできる。
また、この場合とは逆に、酸化を促進する場合には、
酸素ガスあるいは酸素分圧の高い気体を用いればよい。
さらに、他の反応性ガスを用いて原料粒子および/また
はコーティング液と反応させることもできる。また、コ
ーティング液中に酵素等を分散することにより、原料粒
子に酵素等を固定することもできる。
これらのいずれの場合においても、本発明によれば良
好なコーティング、カプセル化等が行なえるものであ
る。
V 発明の具体的作用効果 本発明では、軸芯がほぼ鉛直方向であるほぼ回転体状
のチャンバ内に供給された原料粒子を、チャンバ底部か
ら導入されチャンバ内を螺旋状に旋回上昇する旋回上昇
気流により浮遊旋回させて旋回流動帯を形成し、チャン
バ内に噴霧されたコーティング液によりこの旋回流動帯
中にて原料粒子のコーティングを行なう。
旋回流動帯中では、粒子が様々な速度ベクトルをも
ち、互いに衝突を繰返しながら流動し、粒子全体として
は旋回循環をしている。このため、粒子のコーティング
が均一に行なわれ、しかも凝集、塊状化が防止される。
また、噴霧されたコーティング液の液滴を、旋回気流
により積極的に旋回流動帯に導びくことが可能なため、
コーティング液滴のチャンバ壁への付着が生じにくく、
コーティング液の利用効率が高いものである。
さらに、チャンバの軸芯すなわち旋回流動帯の軸芯近
傍は粒子が実質的に存在しないため、ここにコーティン
グ液の噴霧ノズルを設けた。このように構成したことに
より、コーティング液の利用効率はさらに向上し、しか
も噴霧ノズルが粒子の衝突をうけることもなく、コーテ
ィング液の付着によるノズルの閉塞がなくなる。
また、粒子はトロイダル状に旋回するのでチャンバ上
部への原料粒子の飛散がほとんどなく、チャンバ高を低
く設定することができ装置を小型化することができる。
さらに、旋回上昇気流の導入をチャンバ側壁の接線方
向から連通接続する気体流路によって行なえば、チャン
バ内に可動部を有さないため構造が簡単で保守の容易な
コーティング装置が実現する。
また、チャンバ底部から導入される旋回上昇気流に加
え、チャンバの頂部付近から上記の旋回上昇気流と同一
の旋回方向をもつ2次旋回気流を導入するよう構成した
ものでは、この旋回気流により旋回流動帯の上限が規制
され、また、この旋回気流はいわゆるサイクロンとして
はたらくのでチャンバ頂部付近への原料粒子の飛散が防
止される。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明を具体的実施例を挙げて詳細に説明す
る。
[実施例1] 第2図に示す粒子のコーティング装置1のスロットル
バルブ461を全閉し、整流部材81を取り外して用いた。
なお、チャンバ2の直径は、チャンバ下端で23mm、チ
ャンバ上部の円筒部で125mmとし、チャンバ内容積は約
6.4lとした。
このチャンバ2内に、原料粒子として平均粒径0.8mm
のガラスビーズ(比重約2.5)の下記表1に示す量を導
入し、100℃に加熱した空気をアスピレータの吸引によ
り旋回上昇気流としてチャンバ内に導入し、チャンバの
逆円錐台状部の中間部に旋回流動帯を形成させた。空気
の流量は、0.3m3/minとし、旋回気流の発生には第4図
に示す環状の旋回気流発生手段41を用いた。なお、その
寸法は、外径40mm、内径20mm、気体流路412の断面寸法
は横5mm、縦2mmである。
工業用内視鏡による観察の結果、この旋回流動帯中の
チャンバ軸芯付近ではガラスビーズがほとんど存在しな
いことを確認した。
次いで、メチレンブルーを微量含有するポリビニルア
ルコール(重合度500の部分ケン化物)の2.0wt%水溶液
をコーティング液として、定流量ポンプにて2.0ml/min
の速度で供給し、ゲージ圧2.0kg/cm2に加圧した空気に
より2流体ノズルから噴霧し、ガラスビーズのコーティ
ングを行なった。なお、2流体ノズルは、チャンバの軸
芯上でチャンバ底より200mmの位置に、下向きに配置し
た。
コーティング後、チャンバ内から回収されたガラスビ
ーズの表面は均一な濃度でブルーに染まり、コーティン
グが均一になされたことが確認された。
また、ガラズビーズの凝集率ないし塊状化率は、篩分
け後の秤量により求めた結果、0.1%以下であった。
噴霧されたコーティング液中のポリビニルアルコール
のうち、ガラスビーズにコーティングされたものの割合
(コーティング効率)、コーティング被膜厚、噴霧時間
および粒子回収率を表1に示す。
なお、コーティング効率は、製品粒子の重量とこれを
洗浄してコーティング被膜を溶解除去した粒子の重量と
の差で与えられるコーティング量を、噴霧されたポリビ
ニルアルコールの重量で除して求めた。また、コーティ
ング被膜厚は、コーティング量を粒子の総表面積で除し
て求めた。
なお、上記表1の粒子量300gの場合において、旋回流
動帯には通常の流動層が付随しており、この流動層はチ
ャンバ内壁に接するドーナツ状のものであり、その上端
は2流体ノズル先端から70〜80mm程度下であった。
そして、この流動層の下側には旋回流動帯が存在し、
その下端はチャンバ底より70mm程度、その上端はチャン
バ底より160mm程度上に位置し、また、その中央部の粒
子がほとんど存在しない空洞部の直径は20〜50mm程度で
あった。
そして、旋回流動帯中での粒子の速度から、粒子の受
ける遠心加速度は、200G以上であることがわかった。
[実施例2] 第3図に示す円筒状のチャンバ側壁を有する粒子のコ
ーティング装置1を用い、ガラスビーズにコーティング
を行なった。
チャンバ2の直径は100mm、チャンバ内容積は4lとし
た。
このチャンバ2内に、原料粒子として実施例1で用い
たものと同一のガラスビーズを275g導入した後、100℃
に加熱した空気をチャンバ底部から旋回上昇気流とし
て、また、チャンバ頂部から2次旋回気流をチャンバ内
に導入し、チャンバ中間部に旋回流動帯を形成させた。
空気の流量は、約0.5m3/minとし、旋回気流発生手段41
および2次旋回気流発生手段49としては、第4図に示す
旋回気流発生手段41と同形状のものを用いた。
なお、旋回気流発生手段および2次旋回気流発生手段
の寸法は、それぞれ外径120mm、内径100mm、気体流路41
2の断面寸法は横10mm、縦2mm(ただし、2次旋回気流発
生手段49は縦1mm)とし、気体流路412は8箇所設けた。
実施例1と同様にして観察した結果、この旋回流動帯
中のチャンバ軸芯付近では、ガラスビーズはほとんど観
察されなかった。
次いで、実施例1と同様にしてメチレンブルーを微量
含有するポリビニルアルコールの水溶液をコーティング
液として、1.85ml/minの速度で実施例1と同様加圧した
空気により、チャンバ底部から110mmの位置に上向きに
固定した2流体ノズルから噴霧し、ガラスビーズのコー
ティングを行なった。
コーティング後、回収されたガラスビーズの表面は均
一な濃度でブルーに染まり、コーティングが均一になさ
れたことが確認された。
なお、噴霧時間は40分間であり、このときのコーティ
ング被膜の膜厚は1.4μm程度であった。
また、ガラスビーズの凝集率ないし塊状化率は、0.1
%以下であった。
このときのコーティング効率は97.4%であり、粒子飛
出量は1%以下であった。
なお、旋回流動帯には通常の流動層が付随しており、
この流動層はチャンバ内壁に接するドーナツ状のもので
あり、その上端は2流体ノズル先端よりさらに80mm程度
上であった。
そして、この流動層の下側には旋回流動帯がチャンバ
底からの高さで約70〜150mm程度にわたって発生し、そ
の中央部のガラスビーズがほとんど存在しない空洞部の
直径は、30〜60mm程度であった。
そして、旋回流動帯中での粒子の速度から、粒子の受
ける遠心加速度は、200G以上であることがわかった。
以上の実施例から、本発明の効果は明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図および第3図は、それぞれ本発明の粒子
のコーティング装置の実施例を示す断面図である。 第4図は、旋回気流発生手段の1例を示す斜視図であ
る。 第5図は、旋回流動帯中での原料粒子の挙動を説明する
ための模式図である。 符号の説明 1……粒子のコーティング装置、2……チャンバ、3…
…原料粒子供給手段、31……原料粒子ホッパ、32……原
料粒子投入管、33……原料粒子投入口、4……気体導入
手段、41……旋回気流発生手段、411……周壁、412……
気体流路、42……送気室、43……送風器、44……送気
管、46……バイパス管、461……スロットルバルブ、47
……気体加熱器、48……2次気流送気室、49……2次旋
回気流発生手段、5……噴霧手段、51……ノズル、52…
…ノズル支持体、53……コーティング液収納タンク、54
……接続ホース、55……コーティング液供給ポンプ、6
……排気手段、61……排気管、62……排気口、63……ア
スピレータ、7……製品粒子排出手段、71……蓋、72…
…バケット、81……整流部材、82……粒子衝突板

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸芯がほぼ鉛直方向であるほぼ回転体状の
    チャンバ内に供給された粒子群を、前記チャンバ底部付
    近から導入され前記チャンバ内を螺旋状に旋回上昇する
    旋回上昇気流により浮遊旋回させ、この旋回上昇気流に
    より前記粒子群にはたらく遠心力によって前記粒子群を
    前記チャンバ側壁方向へ移動させて前記粒子群の前記軸
    芯近傍における空間密度が実質的にゼロであるようにす
    ると共に、前記旋回上昇気流により前記粒子群にはたら
    く力の前記軸芯方向の成分と前記粒子群にがはたらく重
    力とがほぼ釣り合うような範囲に前記粒子群を存在させ
    て円環状の旋回流動帯を形成させ、前記チャンバ内の前
    記円環状の旋回流動帯の内側の粒子群の空間密度が実質
    的にゼロになる部分にコーティング液を噴霧し、噴霧さ
    れたコーティング液により、前記旋回流動帯において前
    記粒子群をコーティングすることを特徴とする粒子のコ
    ーティング方法。
  2. 【請求項2】前記旋回流動帯内の粒子群の空間密度が、
    前記チャンバの側壁近傍で40〜60%である特許請求の範
    囲第1項に記載の粒子のコーティング方法。
  3. 【請求項3】軸芯がほぼ鉛直方向であるほぼ回転体状の
    チャンバと、このチャンバ内に粒子群を供給する原料粒
    子供給手段と、前記チャンバ内に気体を導入する気体導
    入手段と、前記粒子群にコーティング液を噴霧する噴霧
    手段と、前記チャンバ内の気体を排気する排気手段と、
    前記粒子群をチャンバ外へ排出する製品粒子排出手段と
    を有し、前記気体導入手段が、この気体導入手段により
    導入される気体に前記チャンバ側壁の接線方向の速度成
    分を付与する旋回気流発生手段を有し、この旋回気流発
    生手段が前記チャンバの底部付近に位置し、この旋回気
    流発生手段により前記チャンバ内に発生される旋回上昇
    気流によって前記粒子群を浮遊旋回させ、この旋回上昇
    気流により前記粒子群にはたらく遠心力によって前記粒
    子群を前記チャンバ側壁方向へ移動させて前記粒子群の
    前記軸芯近傍における空間密度が実質的にゼロであるよ
    うにすると共に、前記旋回上昇気流により前記粒子群に
    はたらく力の前記軸芯方向の成分と前記粒子群にはたら
    く重力とがほぼ釣り合うような範囲に前記粒子群を存在
    させて円環状の旋回流動帯を形成させ、前記噴霧手段に
    より前記チャンバ内に噴霧されたコーティング液によっ
    て、前記旋回流動帯において前記粒子群をコーティング
    するよう構成したことを特徴とする粒子のコーティング
    装置。
  4. 【請求項4】前記旋回気流発生手段が、前記チャンバ側
    壁の接線方向に開口した気体流路を有する特許請求の範
    囲第3項に記載の粒子のコーティング装置。
  5. 【請求項5】前記噴霧手段がコーティング液を噴霧する
    ノズルを有し、このノズルが前記チャンバのほぼ軸芯上
    に位置する特許請求の範囲第3項または第4項に記載の
    粒子のコーティング装置。
  6. 【請求項6】軸芯がほぼ鉛直方向であるほぼ回転体状の
    チャンバと、このチャンバ内に粒子群を供給する原料粒
    子供給手段と、前記チャンバ内に気体を導入する気体導
    入手段と、前記粒子群にコーティング液を噴霧する噴霧
    手段と、前記チャンバ内の気体を排気する排気手段と、
    前記粒子群をチャンバ外へ排出する製品粒子排出手段と
    を有し、前記気体導入手段が、この気体導入手段により
    導入される気体に前記チャンバ側壁の接線方向の速度成
    分を付与する旋回気流発生手段を有し、この旋回気流発
    生手段が前記チャンバの底部付近および頂部付近に位置
    し、この前記チャンバの底部付近に位置する旋回気流発
    生手段により前記チャンバ内に発生される旋回上昇気流
    によって前記粒子群を浮遊旋回させ、かつ、前記チャン
    バの頂部付近に位置する旋回気流発生手段により前記チ
    ャンバの頂部付近に前記旋回上昇気流と同方向の旋回気
    流を発生させて前記粒子群の前記チャンバ頂部軸芯付近
    での浮遊旋回を規制し、前記旋回上昇気流により前記粒
    子群にはたらく遠心力によって前記粒子群を前記チャン
    バ側壁方向へ移動させて前記粒子群の前記軸芯近傍にお
    ける空間密度が実質的にゼロであるようにすると共に、
    前記旋回上昇気流により前記粒子群にはたらく力の前記
    軸芯方向の成分と前記粒子群にはたらく重力とがほぼ釣
    り合うような範囲に前記粒子群を存在させて円環状の旋
    回流動帯を形成させ、前記噴霧手段により前記チャンバ
    内に噴霧されたコーティング液によって、前記旋回流動
    帯において前記粒子群をコーティングするよう構成した
    ことを特徴とする粒子のコーティング装置。
  7. 【請求項7】前記旋回気流発生手段が、前記チャンバ側
    壁の接線方向に開口した気体流路を有する特許請求の範
    囲第6項に記載の粒子のコーティング装置。
  8. 【請求項8】前記噴霧手段がコーティング液を噴霧する
    ノズルを有し、このノズルが前記チャンバのほぼ軸芯上
    に位置する特許請求の範囲第6項または第7項に記載の
    粒子のコーティング装置。
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