JPH0227886Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、粉末や微粒子をコーテイングする装
置に関する。

（従来の技術） 一般に、複写機用のトナー等の粉末や各種微粒
状薬剤を製造するのに、粒状、粉状の微粒子を流
動層を利用してコーテイングする方法（エアーサ
スペンシヨンコーテイング）がある。

従来、このようなコーテイングに用いられる装
置として、本出願人により提案されたものが特公
昭51−6023号公報に開示されており、以下これに
ついて説明する。

第３図に示すように、機枠１に取付けた支持台
２にモータを内設し、モータに連結した回転軸３
の先端に水平な回転テーブル４を設け、この回転
テーブル４を機枠１の上部に設けた造粒筒５内で
回転させる一方、機枠１に設けたブロア６の吸出
口側にヒータ７を連結し、このヒータ７に連通ダ
クト８を介して、上記回転テーブル４の下部に設
けたガス供給室９を連通させ、回転テーブル４上
で遠心力によつて流動する粉末に、回転テーブル
４を透過してガス供給室９に導入されたガスを吸
込み、造粒筒５内で粉末とガスが混合撹はんする
ように構成してある。

なお、図中１３は粉末投入口、１４は排出口で
あり、１６は粉末にコーテイング剤を噴霧するス
プレーである。また、図中１９は排気筒、１５は
この排気筒１９から外部に排出される排気ガス中
の浮遊粒子を捕集する集粒サイクロンである。

第４図に示すように、回転テーブル４には造粒
筒５の内周面５９に沿つて環状に開口するスリツ
トグリル１０が形成され、このスリツトグリル１
０は微少網目板５５で覆われ、粉末が下部のガス
供給室９に流下しないようにするとともに、加熱
ガスがこの網目板５５を透過して造粒筒５内に噴
出するようになつている。

第５図に示すように、造粒筒５の内周面５９に
は段付部１１を形成し、この段付部１１の下面全
周にテフロンで形成したシール１２を固着し、シ
ール１２と回転テーブル４の外周端部の上面が摺
動接触するように構成され、粉末の流下を防止す
るようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、回転テーブル４にスリツトグリル１
０を設けて加熱ガスを透過させる構造上、スリツ
トグリル１０を造粒筒５の内周面５９に沿つて開
口させるために、回転テーブル４の外周縁部４７
を造粒筒５の内周面５９に微少な間隙をもつて対
峙させる必要がある。

しかしながら、通常回転テーブル４はかなり大
型なものであるため、回転軸３の芯ぶれ等が生じ
て振動が発生したり、あるいは回転テーブル４の
回転中に外周縁部４７が造粒筒５に接触すること
があり、一般に造粒筒５や回転テーブル４はステ
ンレス等で作られていることから、この金属接触
により火花が飛んで、造粒筒５内にアルコール系
の薬品等が投入されている場合は、これに引火す
るという危険があつた。

本考案は、上記問題点を解決することを目的と
する。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、造粒筒内に回転する回転テーブル
と、造粒筒内に加熱ガスを噴出させるスリツトグ
リルを備えて、造粒筒内で粉末や微粒子を撹はん
するコーテイング装置において、上記造粒筒の底
部に固定テーブルを設け、この固定テーブルには
上記スリツトグリルを上記造粒筒の内周面に沿つ
て開口させる一方、固定テーブルの上部に上記回
転テーブルを設け、回転テーブルの外周部を非鉄
金属で形成するとともに、固定テーブルと回転テ
ーブル外周下部の間にシール材を介装する。

（作用） このように、固定テーブルにスリツトグリルを
設けるとともに、回転テーブルの外周部を非鉄金
属としたので、造粒筒の内周面と回転テーブルと
の金属接触により火花が飛ぶことを回避する。

そして、回転テーブルの下面に摺接するシール
材を設けることにより、回転テーブルの芯ぶれと
抑制するとともに、モータ側へ微粒子、粉末が洩
れ込みことを防止する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。なお、従来例と同一構成部には同一符
号を付す。

第１図に示すように、機枠１内にモータ３１を
取付け、モータ３１に連結した回転軸３の先端に
水平な回転テーブル１４を設け、機枠１の上部に
設けた造粒筒５内で回転させる。

第２図にも示すように、回転テーブル４１の下
部には機枠１と造粒筒５を仕切る固定テーブル５
１を設け、この固定テーブル５１には造粒筒５の
内周面５９と回転テーブル４１の外周縁部４５の
間に開口する環状のスリツトグリル５４を形成
し、このスリツトグリル５４を覆う微少網目板５
５を装着する。

固定テーブル５１の下部にはブロア６からの加
熱ガスを導入するガス供給室６０を設ける。この
ガス供給室６０は、固定テーブル５１の下部に内
筒６１、外筒６２、および底板６３をそれぞれ取
付けて、環状の空間に画成し、これにより加熱ガ
スをスリツトグリル５４の全周に渡つて均一に噴
出させるようにする。

このように、固定テーブル５を透過して造粒筒
５内に加熱ガスを噴出させることにより、図中矢
印で示すように、回転テーブル４１上で遠心力に
よつて流動する微粒子、粉末と混合撹はんし、こ
のときスプレー１６によつてコーテイング剤の噴
霧を受けて各粒子の表面にコーテイングが行われ
る。造粒筒５で微粒子、粉末との混合撹はんを果
たした加熱ガスは、集粒サイクロン１５を通つて
浮遊粒子を捕集除去した後、外部に排出される。

回転テーブル４１は外周部４２を別部材で形成
し、本体４９の材質をSUS系とする一方、外周
部４２を非鉄金属、例えば真ちゆうを材質として
形成する。

固定テーブル５０の上面に形成した環状溝５７
にはテフロン等を材質とするシール材５８を装着
する一方、回転テーブル４１の外周部４２にはこ
のシール材５８に摺接する環状の案内溝４３を形
成する。

外周部４２の外周縁部４５は、スリツトグリル
５４の上部でその内周開口縁部５８に対峙してテ
ーパ状に形成する。

このように、固定テーブル５０にスリツトグリ
ル５４を形成する構造上、回転テーブル４１の外
周縁部４５を造粒筒５の内周面５９と離して形成
することが可能となる。その結果、回転テーブル
４２の回転中心にガタツキが生じていわゆる芯ぶ
れを起こした場合でも、両者の金属接触を確実に
避けられる。

そして、回転テーブル４１は、その下面で案内
溝５７をシール材５８に摺接させることにより、
加工精度を多少落としても、芯ぶれを防止するこ
とができる。

さらに、回転テーブル４１の外周部４２を真ち
ゆう製としたため、仮に回転テーブル４１に芯ぶ
れが生じて固定テーブル５０との間に金属接触が
起こつたとしても、火花が飛ぶことを回避する。

したがつて、回転テーブル４１の金属接触によ
り火花が飛ぶことを確実に防止して、造粒筒５内
に入れられるアルコール系の薬品等に引火する危
険を解消できる。

また、回転テーブル４１と固定テーブル５０の
間にシール材５８を介装することにより、造粒筒
５内の微粒子、粉末が固定テーブル５０と回転テ
ーブル４１の間隙から回転軸３やモータ３１側へ
洩れ込むことを防止する。

また、機枠１内にガス供給室６０を設けること
により、モータ３１が原因する引火を防止でき
る。

（考案の効果） 以上のように本考案は、スリツトグリルを造粒
筒の内周面に沿つて開口させた固定テーブルを設
け、固定テーブルの上部に上記回転テーブルを設
け、回転テーブルの外周部を非鉄金属で形成する
とともに、固定テーブルと回転テーブル外周下部
の間にシール材を介装するようにしたため、回転
テーブルの直径が大きい場合でも芯ぶれを防止す
ることができるとともに、仮に回転テーブルが芯
ぶれ等により他部材と金属接触を起こしても、火
花が飛ぶことを防止し、アルコール系の薬品等を
使用してコーテイングするときにこれに引火する
危険を解消できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体図、第２
図は同図の一部拡大断面図である。第３図は従来
例を示す縦断正面図、第４図は同じく回転テーブ
ルを示す平面図、第５図は一部拡大断面図であ
る。 １……機枠、３……回転軸、５……造粒筒、３
１……モータ、４１……回転テーブル、４２……
外周部、４３……案内溝、４５……外周縁部、５
０……固定テーブル、５４……スリツトグリル、
５５……微少網目板、５８……シール材、８９…
…内周面、６０……ガス供給室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 造粒筒内に回転する回転テーブルと、造粒筒内
   に加熱ガスを噴出させるスリツトグリルを備え
   て、造粒筒内で粉末、微粒子を撹はんするコーテ
   イング装置において、上記造粒筒の底部に固定テ
   ーブルを設け、この固定テーブルには上記スリツ
   トグリルを上記造粒筒の内周面に沿つて開口させ
   る一方、固定テーブルの上部に上記回転テーブル
   を設け、回転テーブルの外周部を非鉄金属で形成
   するとともに、固定テーブルと回転テーブル外周
   下部の間にシール材を介装したことを特徴とする
   コーテイング装置。